(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178537
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】パレット
(51)【国際特許分類】
B65D 19/28 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
B65D19/28
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091277
(22)【出願日】2022-06-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】507181073
【氏名又は名称】祖峰企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】田中 征三
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA03
3E063AA04
3E063BA03
3E063CA04
3E063CA05
3E063CA06
3E063CA08
3E063CA30
3E063EE01
(57)【要約】
【課題】組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができるパレットを提供する。
【解決手段】被搬送体を載置して搬送するためのパレットは、互いに離隔して配置された複数の板状部材と、複数の板状部材の下面に、かつ複数の板状部材の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条を有する複数の桁部材とを有し、被搬送体を載置する天板ユニットと、係合凸条が挿入されて係合可能な係合溝が少なくとも上面に形成されている複数の支持脚とを備えている。天板ユニットの係合凸条が支持脚の上面の係合溝に挿入され係合した状態で、天板ユニットと支持脚とが締結されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送体を載置して搬送するためのパレットであって、
互いに離隔して配置された複数の板状部材と、前記複数の板状部材の下面に、かつ前記複数の板状部材の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条を有する複数の桁部材とを有し、前記被搬送体を載置する天板ユニットと、
前記係合凸条が挿入されて係合可能な係合溝が少なくとも上面に形成されている複数の支持脚とを備え、
前記天板ユニットの前記係合凸条が前記支持脚の上面の前記係合溝に挿入され係合した状態で、前記天板ユニットと前記支持脚とが締結されていることを特徴とするパレット。
【請求項2】
互いに離隔して配置された複数の板状部材と、前記複数の板状部材の上面に、かつ前記複数の板状部材の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条を有する複数の桁部材とを有する底板ユニットをさらに備え、
前記支持脚の上面及び下面にそれぞれ前記係合凸条が挿入されて係合可能な係合溝が設けられ、
前記底板ユニットの前記係合凸条が前記支持脚の下面の前記係合溝に挿入され係合した状態で前記底板ユニットと前記支持脚とが締結されていることを特徴とする請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記係合凸条は、軸に垂直な断面形状がダブテール状であり、前記係合溝は、台形状に窪んだアリ溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項4】
前記複数の桁部材は、前記複数の板状部材の両端部に配置された1対の端部桁部材と該1対の端部桁部材より内側に配置された少なくとも1つの内側桁部材とを有しており、
前記1対の端部桁部材の各々は、前記係合凸条と、前記係合凸条と一体的に形成された水平板部と、前記水平板部の片側の長辺に立設され、前記複数の板状部材の端面を規制する垂直板部とを有しており、
前記内側桁部材は、前記係合凸条と、前記係合凸条と一体的に形成された水平板部とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項5】
前記天板ユニットと前記複数の支持脚とはリベットによって締結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項6】
前記複数の板状部材、前記複数の桁部材及び前記複数の支持脚は、軽合金材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項7】
前記軽合金材料が、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料であることを特徴とする請求項6に記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物をフォークリフト等で移動する際に使用されるパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や倉庫等においてフォークリフトで荷物を運搬するパレットは、材質に木を用いることが一般的である。しかし、木製パレットは腐りやすく、長く使用することができない。近年、合成樹脂製パレットやアルミニウム合金製パレットのように軽量なパレットが普及してきており、特にアルミニウム合金製パレットは、洗浄の際の耐薬品性や、耐候性、廃棄処分後のリサイクル性に優れているため、多く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたアルミニウム合金製パレットは、互いに平行な一対の桁材と、この一対の桁材の上部間で直交して溶接される複数のデッキボードとから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているごとき従来のアルミニウム合金製パレットは、溶接にて組み立てを行っているため、溶接技術に熟練を必要とし、溶接者により接合にばらつきが生じ易いという問題があった。
【0006】
また、溶接前にはデッキボードの位置合わせ、仮止め等が必要のため、組み立て作業が煩雑で加工コストが大幅に高くなるという問題点があった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載されているアルミニウム合金製パレットは、一部が破損した場合、修復に手間がかかるという問題点があった。
【0008】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができるパレットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、パレットの一部が破損しても簡単に修復、再利用可能なパレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、被搬送体を載置して搬送するためのパレットは、互いに離隔して配置された複数の板状部材と、複数の板状部材の下面に、かつ複数の板状部材の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条を有する複数の桁部材とを有し、被搬送体を載置する天板ユニットと、係合凸条が挿入されて係合可能な係合溝が少なくとも上面に形成されている複数の支持脚とを備えている。天板ユニットの係合凸条が支持脚の上面の係合溝に挿入され係合した状態で、天板ユニットと支持脚とが締結されている。
【0011】
天板ユニットの係合凸条が支持脚の上面の係合溝に挿入され係合した状態で、天板ユニットと支持脚とが締結されていることにより、組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができる。また、パレットの一部が破損しても簡単に修復、再利用可能である。
【0012】
互いに離隔して配置された複数の板状部材と、複数の板状部材の上面に、かつ複数の板状部材の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条を有する複数の桁部材とを有する底板ユニットをさらに備え、支持脚の上面及び下面にそれぞれ係合凸条が挿入されて係合可能な係合溝が設けられ、底板ユニットの係合凸条が支持脚の下面の係合溝に挿入され係合した状態で、底板ユニットと支持脚とが締結されていることが好ましい。これにより、パレットの強度を向上することができると共に、片面タイプ又は両面タイプのパレットとして利用することができる。
【0013】
係合凸条は、軸に垂直な断面形状がダブテール状であり、係合溝は、台形状に窪んだアリ溝であることも好ましい。これにより、天板ユニットと支持脚との間、及び底板ユニットと支持脚との間にしっかり係合することができる。この場合、仮に一部のリベット等固定部品が破損してもパレットがバラバラにならないため、簡単に修復、再利用可能である。
【0014】
複数の桁部材は、複数の板状部材の両端部に配置された1対の端部桁部材とこれら1対の端部桁部材より内側に配置された少なくとも1つの内側桁部材とを有しており、1対の端部桁部材の各々は、係合凸条と、係合凸条と一体的に形成された水平板部と、水平板部の片側の長辺に立設され、複数の板状部材の端面を規制する垂直板部とを有しており、内側桁部材は、係合凸条と、係合凸条と一体的に形成された水平板部とを有していることも好ましい。これにより、組み立て時の位置合わせが容易にできる。
【0015】
天板ユニットと複数の支持脚とはリベットによって締結されていることが好ましい。これにより、天板ユニットと支持脚とはリベットにて半永久的で高い強度の締結ができる。
【0016】
複数の板状部材、複数の桁部材及び複数の支持脚は、軽合金材料で形成されていることが好ましい。この場合、軽合金材料が、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料であることがより好ましい。軽量で作業能率を向上させられながら十分な強度が保てるうえ、リサイクル性に優れている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、天板ユニットの係合凸条が支持脚の上面の係合溝に挿入され係合した状態で天板ユニットと支持脚とがリベット等で締結されていることにより、溶接加工が不要で組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができる。また、パレットの一部が破損しても簡単に修復、再利用可能である。
【0018】
また、天板ユニットと底板ユニットとを備えることで、パレットの強度を向上することができると共に、両面タイプのパレットとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態のパレットの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のパレットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図3】
図1のパレットの天板ユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図4】
図1のパレットのA-A線断面拡大図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態のパレットの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図6】
図5のパレットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図7】
図5のパレットの底板ユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図8】
図5のパレットのB-B線断面拡大図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態のパレットの構成を概略的に示す斜視図である。
【
図10】
図9のパレットの底板ユニットの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図11】本発明の第4の実施形態のパレットの構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るパレットの実施形態を、図を参照して説明する。本発明に係るパレットは、荷物である被搬送体をその上に載置して搬送するためのものである。即ち、パレットの天板ユニットの上に荷物を載置した状態で、載置面の下方にフォークリフトのフォークを挿入して荷役に供される。
【0021】
図1は本発明の第1の実施形態のパレット100の構成を概略的に示しており、
図2はこのパレット100の天板ユニット10と支持脚20の構成を示している。
図3は天板ユニット10の構成を示す分解斜視図である。
図4は
図1中のA-A線断面図である。
【0022】
図1から
図4に示すように、本実施形態のパレット100は、荷物を載置するための天板ユニット10と、この天板ユニット10の両端部及び中央部に所定の間隔を開けて配置され、天板ユニット10を支持するための複数の(本実施形態では3つの)支持脚20とを備えている。このパレット100は、スキレットタイプのパレットである。
【0023】
天板ユニット10は、互いに所定間隔で離隔して配置された複数の(本実施形態では、例えば7枚の)板状部材11と、この複数の板状部材11の下面に、かつ複数の板状部材11の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条12aを有する1対の端部桁部材12と、係合凸条13aを有する少なくとも1つの(本実施形態では1つの)内側桁部材13とから構成されている。1対の端部桁部材12の各々は、係合凸条12aの基部が連結されている水平板部12bと、複数の板状部材11の端面を規制する垂直板部12cとを有している。内側桁部材13は、係合凸条13aの基部が連結されている水平板部13bを有している。1対の端部桁部材12の水平板部12b及び内側桁部材13の水平板部13bには、天板ユニット10と支持脚20とを固定するための複数のリベット用穴14と、板状部材11と端部桁部材12及び内側桁部材13とを固定するための複数のリベット用穴15とが設けられている。複数の板状部材11と、1対の端部桁部材12及び内側桁部材13とはリベットR1によって締結されている。係合凸条12a及び13aは、軸に垂直な断面形状がダブテール状である。なお、複数の板状部材11、1対の端部桁部材12及び内側桁部材13は、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料等の軽合金材料による押出し成形によって形成されることが好ましい。また、複数の板状部材11の上表面にギザギザを形成されていることが好ましい。本実施の形態では、板状部材11の上表面にライン状の凹凸が形成されている。これらライン状の凹凸は、積み荷の滑り止めとして機能する。なお、本実施形態では、中央部に1つの内側桁部材13が設けられているが、複数の内側桁部材13を設けても良い。内側桁部材13の数に応じて支持脚20の数も増大する。
【0024】
3つの支持脚20の各々は、
図2及び
図4に示すように、矩形断面を有し、少なくとも上面に係合凸条12a又は13aが挿入されて係合可能な係合溝21が形成されている中空部材からなる。本実施形態では、支持脚20の上面及び下面に係合溝21が形成されている。係合溝21は、台形状に窪んだアリ溝である。支持脚20は、例えば、係合溝21の底面に天板ユニット10と支持脚20とを固定するための複数のリベット用穴22が設けられている。また、支持脚20は、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料等の軽合金材料による押出し成形によって形成されることが好ましい。さらに、支持脚20の上下方向の中央部に水平方向の補強板を設けている。なお、支持脚20の数は、当然のことながら、端部桁部材12及び内側桁部材13の総数に等しい。
【0025】
パレット100を組み立てる際、まず、複数の板状部材11と1対の端部桁部材12及び内側桁部材13とをリベットR1で組み立て、天板ユニット10を形成する。次に、天板ユニット10の係合凸条12a及び13aをそれぞれ支持脚20の係合溝21に挿入しスライドすることで、リベット用穴14と支持脚20の係合溝21内のリベット用穴22とを位置合わせる。そして、リベットR2で天板ユニット10と支持脚20とを締結する。これにより、溶接加工が不要で組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができる。また、リベットにて半永久的で高い強度の締結ができる。また、天板ユニット10と支持脚20とを留めるリベットR2は、二つの板状部材11の間にあるため、リベットR2の頭が隠れる状態になっているため、リベットR2の破損を低減することができる。なお、パレット100の複数の支持脚20の間にフォークリフトのフォークを挿入することができる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態におけるパレット100は、荷物を載置するための天板ユニット10と、この天板ユニット10を支持するための複数(3つ)の支持脚20とを備え、天板ユニット10の係合凸条12a及び13aが支持脚20の上面の係合溝21に挿入され係合した状態で天板ユニット10と支持脚20とがリベットR2にて締結されていることで、溶接加工が不要で組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができる。また、パレットの一部が破損しても簡単に修復、再利用可能である。
【0027】
また、係合凸条12a及び13aは、軸に垂直な断面形状がダブテール状であり、係合溝21は、台形状に窪んだアリ溝である。これにより、天板ユニット10と支持脚20との間にしっかり契合することができる。この場合、仮に一部のリベット等固定部品が破損してもパレットがバラバラにならない。修復が容易にできる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態のパレット100Aについて説明する。
図5は本発明の第2の実施形態のパレット100Aの構成を概略的に示しており、
図6はこのパレット100Aの各部の構成を示している。
図7は底板ユニット30の構成を示す分解斜視図である。
図8は
図5中のB-B線断面図である。
【0029】
図5から
図8に示すように、本実施形態のパレット100Aは、荷物を載置するための天板ユニット10と、この天板ユニット10の両端部及びその内側に所定の間隔を開けて配置され、天板ユニット10を支持するための複数の(本実施形態では3つの)支持脚20と、支持脚20の下面側に設けられて、床面に当接する底板ユニット30とを備えている。このパレット100Aは、片面タイプのパレットである。なお、本実施形態において、天板ユニット10及び支持脚20は上述した第1の実施形態の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0030】
底板ユニット30は、
図6及び
図7に示すように、互いに所定間隔で離隔して配置された複数の(本実施形態では、例えば3枚の)板状部材31と、これらの板状部材31の上面に、かつ板状部材31の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条32aを有する1対の端部桁部材32と、係合凸条33aを有する少なくとも1つの(本実施形態では1つの)内側桁部材33とから構成されている。1対の端部桁部材32は、係合凸条32aの基部が連結されている水平板部32bと、複数の板状部材31の端面を規制する垂直板部32cとを有している。内側桁部材33は、係合凸条33aの基部が連結されている水平板部33bを有している。1対の端部桁部材32の水平板部32b及び内側桁部材33の水平板部33bには、底板ユニット30と支持脚20とを固定するための複数のリベット用穴34と、板状部材31と端部桁部材32及び内側桁部材33とを固定するための複数のリベット用穴35とが設けられている。係合凸条32a及び33aは、軸に垂直な断面形状がダブテール状である。また、複数の板状部材31と、1対の端部桁部材32及び内側桁部材33とはリベットR1にて固定されている。組み立ての際に、底板ユニット30と支持脚20とはリベットR2にて固定される。また、複数の板状部材31、1対の端部桁部材32及び内側桁部材33は、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料等の軽合金材料による押出し成形によって形成されることが好ましい。なお、複数の板状部材31の下表面にギザギザを形成されていることが好ましい。例えば、板状部材11の上表面と同様にライン状の凹凸が形成されている。これらライン状の凹凸は、パレット100A自体の滑り止めとして機能する。なお、本実施形態では、中央部に1つの内側桁部材33が設けられているが、複数の内側桁部材33を設けても良い。この内側桁部材33の数は内側桁部材13の数に等しく、またその数に応じて支持脚20の数も増大する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態におけるパレット100Aは、荷物を載置するための天板ユニット10と、天板ユニット10を支持するための複数(3つ)の支持脚20と、底板ユニット30とを備え、天板ユニット10の係合凸条12a及び13aが支持脚20の上面の係合溝21に挿入され係合した状態で天板ユニット10と支持脚20とが締結され、かつ底板ユニット30の係合凸条32a及び33aが支持脚20の下面の係合溝21に挿入され係合した状態で底板ユニット30と支持脚20とが締結されていることで、溶接加工が不要で組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができる。また、パレットの一部が破損しても簡単に修復、再利用可能である。天板ユニット10及び底板ユニット30と支持脚20とを留めるリベットR2は、二つの板状部材11の間にあるため、リベットR2の頭が隠れる状態になっているため、リベットR2の破損を低減することができる。なお、パレット100の複数の支持脚20の間にフォークリフトのフォークを挿入することができる。
【0032】
また、係合凸条12a、13a、32a及び33aは、軸に垂直な断面形状がダブテール状であり、係合溝21は、台形状に窪んだアリ溝である。これにより、天板ユニット10と支持脚20との間、及び板ユニット30と支持脚20との間にしっかり契合することができる。この場合、仮に一部のリベット等固定部品が破損してもパレットがバラバラにならない。修復が容易にできる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態のパレット100Bについて説明する。
図9は本発明の第3の実施形態のパレット100Bの構成を概略的に示しており、
図10はこのパレット100Bの底板ユニット30Bの構成を示す分解斜視図である。
【0034】
図9及び
図10に示すように、本実施形態のパレット100Bは、荷物を載置するための天板ユニット10と、この天板ユニット10の両端部及びその内側に所定の間隔を開けて配置され、天板ユニット10を支持するための複数の(本実施形態では3つの)支持脚20と、この3つの支持脚20の下面側に設けられて、床面に当接する底板ユニット30Bとを備えている。このパレット100Bは、両面タイプのパレットである。なお、本実施形態において、天板ユニット10及び支持脚20は上述した第1の実施形態の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0035】
底板ユニット30Bは、
図10に示すように、互いに所定間隔で離隔して配置された複数の(本実施形態では、例えば7枚の)板状部材31と、これらの板状部材31の上面に、かつ板状部材31の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条32aを有する1対の端部桁部材32と、係合凸条33aを有する少なくとも1つの(本実施形態では1つの)内側桁部材33とから構成されている。1対の端部桁部材32は、係合凸条32aの基部が連結されている水平板部32bと、複数の板状部材31の端面を規制する垂直板部32cとを有している。内側桁部材33は、係合凸条33aの基部が連結されている水平板部33bを有している。1対の端部桁部材32の水平板部32b及び内側桁部材33の水平板部33bには、底板ユニット30Bと支持脚20とを固定するための複数のリベット用穴34と、板状部材31と端部桁部材32及び内側桁部材33とを固定するための複数のリベット用穴35とが設けられている。底板ユニット30Bと支持脚20とはリベットR1にて固定されている。また、複数の板状部材31と、1対の端部桁部材32及び内側桁部材33とはリベットR2にて固定されている。係合凸条32a及び33aは軸に垂直な断面形状がダブテール状である。なお、複数の板状部材31、1対の端部桁部材32及び内側桁部材33は、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料等の軽合金材料による押出し成形によって形成されることが好ましい。なお、複数の板状部材31の下表面にギザギザを形成されていることが好ましい。例えば、板状部材11の上表面と同様にライン状の凹凸が形成されている。これらライン状の凹凸は、パレット100B自体の滑り止めとして機能する。なお、本実施形態では、中央部に1つの内側桁部材33が設けられているが、複数の内側桁部材33を設けても良い。この内側桁部材33の数は内側桁部材13の数に等しく、またその数に応じて支持脚20の数も増大する。
【0036】
このように、パレット100Bにおいて、底板ユニット30Bは、天板ユニット10と同様な構成を有している。即ち、支持脚20の上面と下面共に同様構成の天板ユニット10を設けることになり、これによって、上面と下面のいずれかを荷物を載置する載置面として利用することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態におけるパレット100Bは、荷物を載置するための天板ユニット10と、この天板ユニット10を支持するための複数(3つ)の支持脚20と、支持脚20の下面側に設けられた底板ユニット30Bとを備え、天板ユニット10の係合凸条12a及び13aが支持脚20の上面の係合溝21に挿入され係合した状態で天板ユニット10と支持脚20とが締結され、底板ユニット30Bの係合凸条32a及び33aが支持脚20の上面の係合溝21に挿入され係合した状態で底板ユニット30Bと支持脚20とが締結されていることで、溶接加工が不要で組み立て組み立て作業が簡単にでき、加工コストを大幅に削減することができる。また、パレットの一部が破損しても簡単に修復、再利用可能である。
【0038】
係合凸条12a、13a、32a及び33aは、軸に垂直な断面形状がダブテール状であり、係合溝21は、台形状に窪んだアリ溝である。これにより、天板ユニット10と支持脚20との間、及び板ユニット30Bと支持脚20との間にしっかり契合することができる。この場合、仮に一部のリベット等固定部品が破損してもパレットがバラバラにならない。修復が容易にできる。
【0039】
なお、上述した実施形態のパレット100、100A及び100Bにおいて、支持脚20の上面及び下面に係合溝21が設けられている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、支持脚の上面のみを係合溝21を設けるようにしても良い。
【0040】
次に、本発明の第4の実施形態のパレット100Cについて説明する。
図11は、本発明の他の実施形態のパレットの構成を概略的に示している。
【0041】
図11に示すように、本実施形態のパレット100Cは、荷物を載置するための天板ユニット10と、この天板ユニット10の両端部及びその内側に所定の間隔を開けて配置され、天板ユニット10を支持するための複数の(本実施形態では3つの)支持脚20Cとを備えている。支持脚20Cは、上面のみに係合溝21が設けられている。このパレット100Cは、スキレットタイプのパレットである。
【0042】
支持脚20Cの構成が異なることを除いて、本実施形態の構成は
図1から
図4に基づいて述べた第1の実施形態のパレット100の場合と同様である。また、作用効果もパレット100の場合と同様である。
【0043】
前述した実施形態のパレット100、100A、100B及び100Cにおいて、係合凸条12a又は13a、32a及び33aは、軸に垂直な断面形状がダブテール状であり、係合溝21は、台形状に窪んだアリ溝である例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リップ溝等の形状の係合凸部及び係合凹部にしても良い。
【0044】
さらに、前述した実施形態のパレット100、100A、100B及び100Cにおいて、3つの支持脚20、20Cを有する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。2つの支持脚又は4つ以上の支持脚を有するようにしても良い。
【0045】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0046】
10 天板ユニット
11、31 板状部材
12、32 端部桁部材
12a、13a、32a、33a 係合凸条
12b、32b 水平板部
12c、32c 垂直板部
13、33 内側桁部材
14、15、22 リベット用穴
20、20C 支持脚
21 係合溝
30、30B 底板ユニット
100、100A、100B、100C パレット
R1、R2 リベット
【手続補正書】
【提出日】2022-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送体を載置して搬送するためのパレットであって、
互いに離隔して配置された複数の板状部材と、前記複数の板状部材の下面に、かつ前記複数の板状部材の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条を有する複数の桁部材とを有し、前記被搬送体を載置する天板ユニットと、
互いに離隔して配置された複数の板状部材と、前記複数の板状部材の上面に、かつ前記複数の板状部材の長手方向と直交する方向に互いに平行に配置され、係合凸条を有する複数の桁部材とを有する底板ユニットと、
上面及び下面にそれぞれ前記係合凸条が挿入されて係合可能な係合溝が形成されている複数の支持脚とを備え、
前記天板ユニットの前記係合凸条が前記支持脚の上面の前記係合溝に挿入され係合した状態で、前記天板ユニットと前記支持脚とが締結され、
前記底板ユニットの前記係合凸条が前記支持脚の下面の前記係合溝に挿入され係合した状態で前記底板ユニットと前記支持脚とが締結されていることを特徴とするパレット。
【請求項2】
前記係合凸条は、軸に垂直な断面形状がダブテール状であり、前記係合溝は、台形状に窪んだアリ溝であることを特徴とする請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記複数の桁部材は、前記複数の板状部材の両端部に配置された1対の端部桁部材と該1対の端部桁部材より内側に配置された少なくとも1つの内側桁部材とを有しており、
前記1対の端部桁部材の各々は、前記係合凸条と、前記係合凸条と一体的に形成された水平板部と、前記水平板部の片側の長辺に立設され、前記複数の板状部材の端面を規制する垂直板部とを有しており、
前記内側桁部材は、前記係合凸条と、前記係合凸条と一体的に形成された水平板部とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項4】
前記天板ユニットと前記複数の支持脚とはリベットによって締結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項5】
前記複数の板状部材、前記複数の桁部材及び前記複数の支持脚は、軽合金材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項6】
前記軽合金材料が、アルミニウム材料又はアルミニウム合金材料であることを特徴とする請求項5に記載のパレット