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  • 特開-流動層装置の洗浄装置 図1
  • 特開-流動層装置の洗浄装置 図2
  • 特開-流動層装置の洗浄装置 図3
  • 特開-流動層装置の洗浄装置 図4
  • 特開-流動層装置の洗浄装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178544
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】流動層装置の洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 2/16 20060101AFI20231211BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
B01J2/16
B01J2/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091288
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】591011384
【氏名又は名称】株式会社パウレック
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】内田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】田林 功至
【テーマコード(参考)】
4G004
【Fターム(参考)】
4G004BA02
4G004KA01
(57)【要約】
【課題】流動層装置の処理容器の内部をより少ない洗浄時間および洗浄液量で効果的に洗浄することができる洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置10は、処理容器内の洗浄時に、原料容器に代えて、下部容器と流動容器に着脱可能に接続される洗浄容器10aと、洗浄容器10aに収納された洗浄ロボット10bとを備えている。洗浄容器10aには、床面上を自在に移動させることができるように、台車10cが取り付けられている。洗浄ロボット10bは、垂直多関節ロボットであり、ロボットアーム10b2の作動により、洗浄ノズル10b3を3次元空間内の任意の位置に移動可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理容器内で粉粒体を処理気体により浮遊流動させながら造粒、コーティング、及び乾燥のうち少なくとも一の処理を行う流動層装置であって、前記処理容器が、気体供給源から前記処理気体が供給される下部容器と、前記下部容器の上部に着脱可能に接続され、被処理物である粉粒体が収容される原料容器と、前記原料容器の上部に着脱可能に接続され、前記粉粒体が前記処理気体により流動する流動容器と、前記流動容器の上方に配置され、固気分離用のフィルターが配されるフィルター容器とを含む流動層装置の洗浄装置において、
前記処理容器内の洗浄時に、前記原料容器に代えて、前記下部容器と前記流動容器に着脱可能に接続される洗浄容器と、前記洗浄容器に収納された洗浄ロボットとを備え、
前記洗浄ロボットは、洗浄液を噴射可能な洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルを保持し、前記洗浄ノズルを3次元空間内の任意の位置に移動可能なロボットアームとを備えていることを特徴とする流動層装置の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品製造、食品製造、農薬製造等の各種分野において、粉粒体の造粒、コーティング、乾燥等を行う流動層装置の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流動層装置は、一般に、処理容器の底部から導入した処理気体によって、処理容器内で粉粒体を浮遊流動させて流動層を形成しつつ、造粒、コーティング、乾燥等の処理を行うものである。この種の流動層装置には、粉粒体粒子の転動、噴流、及び攪拌等を伴うものも含まれ(複合型流動層装置と呼ばれている。)、その代表的なものとして、処理容器の底部に回転体を配設した転動流動層装置、処理容器の内部にドラフトチューブ(内塔)を設置したワースター式流動層装置がある。
【0003】
例えば医薬品や食品の製造に用いられる流動層装置では、異物混入や他製品とのコンタミネーション等を防止するために、粉粒体の処理後に、処理容器内の洗浄を綿密に行うことが求められる。この洗浄作業は、以前は人手による洗浄が主流であったが、特に大型機になると、処理容器内での高所作業が必要になり、作業時間が多くかかる上に、洗浄作業時に洗浄液が作業者にかかることがあり、安全衛生面で問題があった。そのため、現在では、処理容器の内部に洗浄ノズルを配設し、洗浄時に、洗浄ノズルから高圧の洗浄液を噴射して処理容器内を洗浄するようにすることが主流になってきている。洗浄ノズルは、処理容器の内部の所定箇所に定置された定置式の洗浄ノズルと、処理容器内で上下方向又は水平方向に2次元的に移動可能に構成された2次元移動式の洗浄ノズルとを併設する場合が多い。例えば、下記の特許文献1には、処理容器の底部に定置式の洗浄ノズルを設置すると共に、処理容器内を上下方向に移動可能な移動式の洗浄ノズルを設置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63―318945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
定置式の洗浄ノズルは、洗浄液を噴射できる領域が限られている。また、2次元移動式の洗浄ノズルは、移動の自由度に制限がある。そのため、定置式の洗浄ノズルと2次元移動式の洗浄ノズルを併用したとしても、処理容器の内部を効果的に洗浄するために、すなわち、洗浄容器の内部に未洗浄や不十分洗浄の個所が残らないように洗浄するために、多くの洗浄時間が必要になり、作業効率が良くない上に、使用する洗浄液量も多くなる。
【0006】
本発明は、流動層装置の処理容器の内部をより少ない洗浄時間および洗浄液量で効果的に洗浄することができる洗浄装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、処理容器内で粉粒体を処理気体により浮遊流動させながら造粒、コーティング、及び乾燥のうち少なくとも一の処理を行う流動層装置であって、前記処理容器が、気体供給源から前記処理気体が供給される下部容器と、前記下部容器の上部に着脱可能に接続され、被処理物である粉粒体が収容される原料容器と、前記原料容器の上部に着脱可能に接続され、前記粉粒体が前記処理気体により流動する流動容器と、前記流動容器の上方に配置され、固気分離用のフィルターが配されるフィルター容器とを含む流動層装置の洗浄装置において、前記処理容器内の洗浄時に、前記原料容器に代えて、前記下部容器と前記流動容器に着脱可能に接続される洗浄容器と、前記洗浄容器に収納された洗浄ロボットとを備え、前記洗浄ロボットは、洗浄液を噴射可能な洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルを保持し、前記洗浄ノズルを3次元空間内の任意の位置に移動可能なロボットアームとを備えていることを特徴とする流動層装置の洗浄装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の洗浄装置によれば、流動層装置の処理容器の内部をより少ない洗浄時間および洗浄液量で効果的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る洗浄装置が適用される流動層装置の正面図である。
図2図1に示す流動層装置の側面図である。
図3】実施形態に係る洗浄装置の側面図である。
図4】実施形態に係る洗浄装置の平面図である。
図5】実施形態に係る洗浄装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1図2は、この実施形態に係る洗浄装置が適用される流動層装置の全体構成を示している。一般に、流動層装置は、粉粒体を処理気体により浮遊流動させながら造粒、コーティング、及び乾燥のうち少なくとも一の処理を行う処理容器を備えている。この実施形態の洗浄装置が適用される流動層装置の処理容器1は、図示されていない気体供給源から処理気体が供給される下部容器2と、下部容器2の上部に着脱可能に接続され、被処理物である粉粒体が収容される原料容器3と、原料容器3の上部に着脱可能に接続され、粉粒体が処理気体により浮遊流動する流動容器4と、流動容器4の上方に着脱可能に接続され、固気分離用のフィルター5aが配されるフィルター容器5とを備えている。下部容器2の上端部と原料容器3の下端部、原料容器3の上端部と流動容器4の下端部、流動容器4の上端部とフィルター容器5の下端部は、それぞれ、シール部材を介して、締結金具等の適宜の固定手段により着脱可能に接続される。
【0012】
図1に示すように、下部容器2とフィルター容器5がそれぞれ左右の支柱7a、7bに取り付けられ、処理容器1が支柱7a、7bに支持される。流動容器4は、支柱7aに旋回可能に取り付けられると共に、支柱7bにロック手段7b1で着脱可能に固定される。また、図2に示すように、支柱7a、7bに補助支柱8が取り付けられている。洗浄時やメインテナンス時に、ロック手段7b1を解除して流動容器4を支柱7bから外し、流動容器4を支柱7aを中心として水平方向に旋回させることにより、流動容器4を下部容器2およびフィルター容器5の側方に移動させることができる。
【0013】
図2に示すように、下部容器2の内部は給気室になっており、下部容器2に給気ダクト2aと給気ダンパ2bが接続されている。また、下部容器2には、洗浄液の排液口2cが設けられている(図示省略)。
【0014】
原料容器3は、下方に向かって漸次に縮径した円錐筒状の形態を有し、その下部に、気体分散板(多孔板やメッシュ網)3aが取り付けられている。原料容器3に収容された粉粒体は、気体分散板3aによって支持されると共に、気体分散板3aを介して噴出する処理気体によって吹き上げられる。また、原料容器3には、床面上を自在に移動させることができるように、台車3bが取り付けられている。
【0015】
流動容器4は、円筒筒状、または、下方に向かって漸次に縮径した円錐筒状の形態を有する(この例では円錐筒状)。この実施形態において、流動容器4には、スプレー液(結合材液または膜材液)を噴霧するスプレーノズル4aが設けられている。流動容器4内を浮遊流動する粉粒体は、スプレーノズル4aからスプレー液の噴霧を受ける。
【0016】
フィルター容器5におけるフィルター5aよりも上方の空間部は排気室になっており、この排気室に排気ダクト5b、払落ダンパ5cおよび排気ダンパ5dが接続されている。
【0017】
フィルター(バグフィルター)5aは、吊リング5a1に着脱可能に装着され、フィルター容器5の内部にワイヤー5eで吊設されると共に、切離シリンダ5fを介して払落シリンダ5gに連結される。ワイヤー5eは、支柱に設けられたウィンチ5hにより巻き上げ・巻き戻すことができる。フィルター5aに付着した粉粒体の微粉は、払落シリンダ5gを作動させて、フィルター5aにシェイキング動作を与えることにより、フィルター5aから払い落として粉粒体の流動層に戻すことができる。また、洗浄時やメインテナンス時に、切離シリンダ5fを作動させて、フィルター5aを払落シリンダ5gから切り離し、ウィンチ5hによりワイヤー5eを巻き戻すことにより、フィルター5aを下降させることができる。
【0018】
原料容器3に収容された被処理物としての粉粒体は、下部容器2の内部に供給され、気体分散板3aを介して噴出する処理気体によって吹き上げられて、流動容器4内を浮遊流動する。そして、この粉粒体の流動層に向けてスプレーノズル4aからスプレー液(結合材液、膜材液)が噴霧される。スプレーノズル4aから噴霧されるスプレー液、例えば膜材液のミストによって粉粒体粒子が湿潤を受けると同時に、膜材液中に含まれる固形成分が粉粒体粒子の表面に付着し、乾燥固化されて、粉粒体粒子の表面に被覆層が形成される(コーティング)。あるいは、スプレーノズル4aから噴霧されるスプレー液、例えば結合材液のミストによって粉粒体粒子が湿潤を受けて付着凝集し、乾燥されて、所定径の粒子に成長する(造粒)。
【0019】
流動容器4内で粉粒体を浮遊流動させた処理気体は、流動容器4内を上昇してフィルター容器5に入り、フィルター5aによって固気分離されて、フィルター容器5の上部の排気室に入る。そして、排気室に接続された排気ダクト5bを通って処理容器1の外部に排気される。
【0020】
図3図5は、上記の流動層装置における処理容器1の洗浄に用いられる洗浄装置10を示している。この洗浄装置10は、処理容器1内の洗浄時に、原料容器3に代えて、下部容器2と流動容器4に着脱可能に接続される洗浄容器10aと、洗浄容器10aに収納された洗浄ロボット10bとを備えている。
【0021】
洗浄容器10aは、原料容器3と同様の円錐筒状の形態を有し、その下部に、洗浄ロボット10bを取り付ける取付架台10a1が固定されている。取付架台10a1には、上下方向に貫通した1又は複数の連通口が設けられている。図4に示すように、この実施形態では、取付架台10a1を平面視で十字形状に構成し、十字形の4本の脚部相互間の間隔部をそれぞれ連通口10a2にしている。また、洗浄容器10aには、床面上を自在に移動させることができるように、台車10cが取り付けられている。
【0022】
洗浄ロボット10bは、取付架台10a1の中心部に取り付けられた基部10b1と、基部10b1に旋回移動自在に取り付けられたロボットアーム10b2と、ロボットアーム10b2の先端部に保持された洗浄ノズル10b3とを主要な要素として構成される。この実施形態において、洗浄ロボット10bは、多関節ロボット、例えば垂直多関節ロボットであり、ロボットアーム10b2の作動により、洗浄ノズル10b3を3次元空間内の任意の位置に移動可能である。洗浄ロボット10bの作動は、台車10cのフレームに取り付けられた制御盤10b4によって制御される。また、図示は省略するが、洗浄容器10aの側部には、洗浄ノズル10b3の洗浄液ホースに通じる給液口が設けられている。この給液口には、洗浄液圧送ポンプ等の洗浄液供給源に通じる洗浄液供給ホースが接続される。
【0023】
以下、この実施形態の洗浄装置10を用いて処理容器1の内部を洗浄する際の作業工程の一例について説明する。
【0024】
まず、原料容器3と下部容器2および流動容器4との接続をそれぞれ解除して、原料容器3を処理容器1から取り外す。
【0025】
つぎに、流動容器4とフィルター容器5との接続を解除すると共に、ロック手段7b1を解除して流動容器4を支柱7bから外し、流動容器4を支柱7aを中心として水平方向に旋回させて、フィルター容器5の側方に移動させる。そして、切離シリンダ5fを作動させて、フィルター5aを払落シリンダ5gから切り離した後、ウィンチ5eを操作して、フィルター5aを下降させ、吊リング5a1から取り外す。
【0026】
フィルター5aを吊リング5a1から取り外した後、ウィンチ5eを操作して、吊リング5a1をフィルター容器5内に戻す。そして、流動容器4を水平方向に旋回させて元の位置に戻し、ロック手段7b1により支柱7bに固定すると共に、フィルター容器5に接続する。その後、洗浄装置10を下部容器2と流動容器4との間に挿入し、洗浄容器10aを下部容器2と流動容器4に接続する。洗浄容器10aと原料容器3とは、取り付けの互換性があり、洗浄容器10aと下部容器2および流動容器4との接続は、原料容器3と下部容器2および流動容器4との接続と同様に行うことができる。
【0027】
上記のようにして、洗浄装置10を下部容器2と流動容器4との間に介装した後、洗浄容器10aの給液口に洗浄液供給ホースを接続し、洗浄装置10を電源に接続して、洗浄プロセスを開始する。洗浄プロセスは、制御盤10b4に予め登録された洗浄プログラムに従って行われる。洗浄プログラムは、処理容器1(流動容器4とフィルター容器5)の内部に付着又は残留した粉粒体を洗浄液の噴射により隈なく且つ効率的に洗い落とすことができるように、洗浄開始、洗浄ノズル10b3の移動経路、洗浄ノズル10b3の各位置における洗浄液の単位時間当たりの噴射量、噴射圧力、噴射方向、噴射時間、洗浄終了等に関する洗浄ロボット10の動作を時系列でプログラミングしたものである。このプログラミングは、ティーチング方式によるものであってもよい。
【0028】
洗浄プロセスが開始されると、洗浄液供給源に通じる洗浄液供給ホースから洗浄容器10aの給液口を介して、洗浄ロボット10bの洗浄ノズル10b3に高圧洗浄液(高圧洗浄水等)が供給される。洗浄ロボット10bは、制御盤10b4から出力される洗浄プログラムのプログラム信号に従って、ロボットアーム10b2と洗浄ノズル10b3を作動させ、洗浄ノズル10b3から噴射する洗浄液によって処理容器1(流動容器4とフィルター容器5)の内部に付着又は残留した粉粒体を洗い落として洗浄する。処理容器1(流動容器4とフィルター容器5)の洗浄に供した洗浄液は、洗浄容器10aの取付架台10a1の連通口10a2から流下して下部容器2に溜まり、下部容器2の排液口から逐次に排出される。その際、下部容器2の内部も洗浄液によって洗浄される。尚、ロボットアーム10b2の作動により、洗浄ノズル10b3を取付架台10a1の連通口10a2から下部容器2の内部に挿入し、洗浄ノズル10b3から噴射する洗浄液によって下部容器2の内部を洗浄するようにしてもよい。
【0029】
この実施形態の洗浄ロボット10bは、多関節ロボット、例えば垂直多関節ロボットであり、ロボットアーム10b2の作動により、洗浄ノズル10b3を3次元空間内の任意の位置に移動させることができるので、処理容器1の内部を隈なく且つ効率的に洗浄することができる。そのため、従来方式に比べて、少ない洗浄時間および洗浄液量で、処理容器1の内部を効果的に洗浄することができる。
【0030】
尚、洗浄液による洗浄が完了した後、圧縮空気源に通じる空気ホースを洗浄容器10aの給液口に接続し、洗浄ロボット10bのロボットアーム10b2を作動させながら、洗浄ノズル10b3から圧縮空気を噴出させて、処理容器1内に残留した洗浄液の液滴を圧縮空気によってパージするようにしてもよい。また、洗浄ノズル10b3として、いわゆる2流体ノズルを用いてもよい。
【0031】
粉粒体が浮遊流動する流動容器4の内部には、粉粒体やスプレー液の固形成分が強固に付着していることがあり、このような付着物は、洗浄ノズル10b3による洗浄だけでは十分に洗い落とすことができない場合がある。このような場合、洗浄ノズル10b3による洗浄に加え、擦り治具による擦り洗浄を行うことができる。この擦り洗浄は、スポンジや洗浄布等の擦り材を装着した擦り治具を洗浄ロボット10bのロボットアーム10b2の先端部に保持させ、ロボットアーム10b2の作動により擦り治具を移動させながら、擦り治具の擦り材で流動容器4の内面等に付着した付着物を擦り落とすものである。このような擦り洗浄は、洗浄ノズル10b3による洗浄の前工程、中間工程および後工程のうち少なくとも一の工程に組み入れることができる。ロボットアーム10b2に対する洗浄ノズル10b3と擦り治具の付け替えは、洗浄装置10を下部容器2および流動容器4から取り外して行ってもよいし、あるいは、洗浄ノズル10b3と擦り治具を保持するホルダーを洗浄容器10aの取付架台10a1に設けておき、洗浄装置10を下部容器2および流動容器4に取り付けた状態で、ロボットアーム10b2の作動により、洗浄ノズル10b3と擦り治具の一方をホルダーに収め、他方をホルダーから取り出してロボットアーム10b2に先端部に保持させるようにしてもよい。あるいは、洗浄ノズル10b3と擦り治具の双方をロボットアーム10b2の先端部に保持させ、ロボットアーム10b2の作動により、洗浄ノズル10b3と擦り治具を使い分けるようにしてもよい。
【0032】
処理容器1の内部の洗浄が完了した後、拭き取り治具による洗浄確認(洗浄バリデーション)を行うようにしてもよい。この洗浄確認は、拭き取り布を装着した拭き取り治具を洗浄ロボット10bのロボットアーム10b2の先端部に保持させ、ロボットアーム10b2の作動により拭き取り治具を移動させながら、拭き取り治具の拭き取り布で処理容器1の内面等を拭き取り、拭き取り布への付着物の有無や付着の程度から、処理容器1の内部の洗浄が正しく行われているかを確認するものである。
【0033】
また、処理容器1の内部の洗浄が完了した後、光学センサによる洗浄確認(洗浄バリデーション)を行うようにしてもよい。この洗浄確認は、光学センサを洗浄ロボット10bのロボットアーム10b2の先端部に保持させ、ロボットアーム10b2の作動により光学センサを移動させながら、光学センサにより取得した処理容器1の内部の画像データに基づいて、処理容器1の内部の洗浄が正しく行われているかを確認するものである。
【0034】
また、洗浄ロボット10bのロボットアーム10b2の先端部に所要の分解治具を保持させ、ロボットアーム10b2の作動により分解治具を移動させながら、処理容器1の所要箇所の部品等の分解(取り外し)及び組み立て(取り付け)を行わせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 処理容器
2 下部容器
3 原料容器
4 流動容器
5 フィルター容器
5a フィルター
10 洗浄装置
10a 洗浄容器
10b 洗浄ロボット
10b2 ロボットアーム
10b3 洗浄ノズル
図1
図2
図3
図4
図5