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特開2023-178552情報処理システム及び情報処理方法、並びにコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178552
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法、並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231211BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20231211BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20231211BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20231211BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20231211BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G06Q50/30
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091299
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一晃
(72)【発明者】
【氏名】小澤 萌樹
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181EE10
5H181FF01
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181MA05
5H181MA13
5H181MA16
5H181MA18
5H181MC03
5H181MC24
5H181MC27
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】ユーザのニーズに適うタクシーを探車するための処理を行う情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車部と、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更部を含み、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する配車処理部を備える。前記条件変更部は、探車を開始して所定期間内に前記検索条件付きで前記探車部が車両を発見できないときに、前記検索条件の変更として、検索条件の除外、又は複数の検索条件のうち少なくとも一部の除外を行う。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配車に関する注文を処理する情報処理システムであって、
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車部と、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更部を含み、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する配車処理部を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記条件変更部は、前記探車時間内で前記探車部が車両を発見できるように、前記検索条件の変更を行う、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記条件変更部は、探車を開始して所定期間内に前記検索条件付きで前記探車部が車両を発見できないときに、前記検索条件の変更を行い、
前記探車部は、探車を開始して所定期間経過後から前記探車時間の終了までの期間は、前記条件変更部により変更した後の検索条件に基づいて車両検索を継続する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記条件変更部は、前記検索条件の変更として、検索条件の除外、又は複数の検索条件のうち少なくとも一部の除外を行う、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記検索条件は、前記注文に含まれる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記検索条件は、希望車種、車両を配車する会社、車両の乗務員のうち少なくとも1つに関する条件を含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記検索条件は複数の条件を含み、且つ各条件の優先順位が指定されており、
前記条件変更部は、優先順位に基づいて、時間の経過に応じた前記検索条件の変更を行う、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記探車時間を設定する探車時間設定部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記探車時間設定部は、配車方法、注文者の種別、注文者の指定、配車日時における天候、配車場所、配車場所の周囲のイベントの開催、又は前記所定圏内の空車台数(車両の検索し易さ)のうち少なくともいずれか1つに基づいて、前記探車時間を設定する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記探車時間設定部は、注文者が指定する探車時間の長さに応じた課金を行う、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
車両検索の経過に関する情報又は車両検索の結果に関する情報のうち少なくとも一方を外部に通知する通知部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記通知部は、前記探車部が車両検索中に、前記条件変更部が変更した前記検索条件に関する情報を通知する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記通知部は、配車することが決まった車両の情報とともに、前記条件変更部による前記検索条件の変更の有無又は変更した前記検索条件に関する情報を通知する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記通知部は、前記探車部が車両検索中に、前記所定圏内で前記検索条件に合致する車両に関する情報を通知する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記通知部は、前記探車部による探車失敗を、代替手段に関する情報を含めて通知する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記配車処理部は、前記探車部による車両検索を継続中に前記注文がキャンセルされたことに応じて、車両検索を終了させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記配車処理部は、前記注文に対する処理が完了したときに、探車の結果(成功又は失敗したか、注文がキャンセルされたか)、探車に適用した条件、探車に要した時間のうち少なくとも1つを含む履歴情報を保存する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項18】
配車に関する注文を処理する情報方法であって、
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車ステップと、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更ステップを有し、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する、情報処理方法。
【請求項19】
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車部と、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更部を含み、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する配車処理部としてコンピュータが機能するように、コンピュータ可読形式で記述されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術(以下、「本開示」とする)は、タクシーの配車に関する注文を処理する情報処理システム及び情報処理方法、並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線技術と測位技術の向上及び普及に伴い、例えばタクシーの在庫管理や配車を効率的に行えるようになってきている。また、スマートフォンなどの情報端末上のタクシー配車アプリを利用したタクシーの注文も増えてきている。
【0003】
例えば、ユーザを輸送する車両の配車を依頼するユーザの端末から、前記車両の配車依頼と、前記ユーザの乗車位置とを取得する配車依頼取得部と、前記配車依頼取得部が前記配車依頼を取得した時刻である依頼時刻と、前記配車依頼を行ったユーザの識別情報と、前記乗車位置とを関連付けて依頼順情報として記憶部に記憶させる記憶制御部と、空車の車両と、当該空車の車両の位置とを検出する空車検出部と、前記空車検出部が前記空車の車両を検出すると、前記依頼順情報を参照し、前記乗車位置が前記空車の車両の位置から所定範囲内のユーザのうち、前記依頼時刻が最も早いユーザに対応する配車を前記空車の車両に指示する配車指示部を備える配車管理装置が提案されている(特許文献1を参照のこと)。また、車両(車種など)に関する条件を指定して、配車の対象となる車両の検索を行う配車システムが提案されている(特許文献2を参照のこと)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-6957号公報
【特許文献2】特開2019-212118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、ユーザのニーズに適うタクシーを探車するための処理を行う情報処理システム及び情報処理方法、並びにコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、配車に関する注文を処理する情報処理システムであって、
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車部と、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更部を含み、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する配車処理部を備える、情報処理システムである。
【0007】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。すなわち、複数の部品又は機能モジュールからなる1つの装置も、複数の装置の集合体も、「システム」に相当する。
【0008】
前記条件変更部は、前記探車時間内で前記探車部が車両を発見できるように、前記検索条件の変更を行う。具体的には、前記条件変更部は、前記検索条件の変更として、検索条件の除外、又は複数の検索条件のうち少なくとも一部の除外を行う。そして、前記探車部は、探車を開始して所定期間経過後から前記探車時間の終了までの期間は、前記条件変更部により変更した後の検索条件に基づいて車両検索を継続する。
【0009】
第1の側面に係る情報処理システムは、前記探車時間を設定する探車時間設定部をさらに備える。前記探車時間設定部は、配車方法、注文者の種別、注文者の指定、配車日時における天候、配車場所、配車場所の周囲のイベントの開催、又は前記所定圏内の空車台数(車両の検索し易さ)のうち少なくともいずれか1つに基づいて、前記探車時間を設定する。
【0010】
また、第1の側面に係る情報処理システムは、車両検索の経過に関する情報又は車両検索の結果に関する情報のうち少なくとも一方を外部に通知する通知部をさらに備える。前記通知部は、前記探車部が車両検索中に、前記条件変更部が変更した前記検索条件に関する情報を通知するようにしてもよい。前記通知部は、配車することが決まった車両の情報とともに、前記条件変更部による前記検索条件の変更の有無又は変更した前記検索条件に関する情報を通知するようにしてもよい。
【0011】
また、本開示の第2の側面は、配車に関する注文を処理する情報方法であって、
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車ステップと、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更ステップを有し、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する、情報処理方法である。
【0012】
また、本開示の第3の側面は、
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車部と、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更部を含み、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する配車処理部としてコンピュータが機能するように、コンピュータ可読形式で記述されたコンピュータプログラムである。
【0013】
本開示の第3の側面に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータプログラムを定義したものである。換言すれば、本開示の第3の側面に係るコンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることによって、コンピュータ上では協働的作用が発揮され、本開示の第1の側面に係る情報処理システムと同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、サービスの品質を担保しつつユーザのニーズに適うタクシーを探車するための処理を行う情報処理システム及び情報処理方法、並びにコンピュータプログラムを提供することができる。
【0015】
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本開示によりもたらされる効果はこれに限定されるものではない。また、本開示が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
【0016】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示が適用される配車システム100の概略的な構成例を示した図である。
図2図2は、ユーザ端末101の機能的構成を示した図である。
図3図3は、乗務員端末102の機能的構成を示した図である。
図4図4は、配車管理装置103の機能的な構成例を示した図である。
図5図5は、配車システム100における即時配車時の概略的な処理シーケンスを示した図である。
図6図6は、配車システム100における予約配車時の概略的な処理シーケンスを示した図である。
図7図7は、配車要求画面(タクシー配車アプリの起動画面)の構成例を示した図である。
図8図8は、配車要求画面(オプション設定時)の構成例を示した図である。
図9図9は、希望車種選択画面900の構成例を示した図である。
図10図10は、会社指定画面1000の構成例を示した図である。
図11図11は、乗務員指定画面1100の構成例を示した図である。
図12図12は、予約注文画面1200(予約時間指定前)の構成例を示した図である。
図13図13は、予約注文画面1200の構成例(予約時間指定後)を示した図である。
図14図14は、予約注文指示画面1400の構成例を示した図である。
図15図15は、ユーザ端末の画面遷移例を示した図である。
図16図16は、基本配車管理サーバ410内の配車処理部411が実施する配車処理方法を模式的に示した図である。
図17図17は、配車場所を中心とする所定圏内で見つかったタクシーを地図上で示した図である。
図18図18は、所定圏内で見つかったタクシー(図17を参照)を、指定されたオプション条件でフィルタリングした結果を示した図である。
図19図19は、配車処理部411による予約配車の注文に対する配車処理動作の遷移を示した図である。
図20図20は、配車システム100における予約配車時の詳細な処理シーケンス例(前半部分)を示した図である。
図21図21は、配車システム100における予約配車時の詳細な処理シーケンス例(後半部分)を示した図である。
図22図22は、情報処理装置2000の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本開示について、以下の順に従って説明する。
【0019】
A.概要
B.システム構成
B-1.全体構成
B-2.ユーザ端末の構成
B-3.乗務員端末の構成
B-4.配車管理装置の構成
C.配車フロー
C-1.基本的な処理手順
C-2.ユーザ端末上での操作
C-2-1.即時配車の注文時のユーザ端末上での操作
C-2-2.予約配車の注文時のユーザ端末上での操作
C-2-3.ユーザ端末の画面遷移
C-3.探車ロジック
C-4.詳細な処理シーケンス
D.装置構成
【0020】
A.概要
スマートフォンなどの携帯型の多機能情報端末の普及に伴い、タクシー配車アプリを介してタクシーの配車を注文するケースが増えてきている。ここで、タクシーの配車の注文は、ユーザがすぐにタクシーに乗車するための即時配車と、ユーザが指定した乗車時間にタクシーを配車する予約配車の2通りの方法で行われるものとする。そして、タクシーを配車依頼するユーザは、基本的には早く乗れる車両を見つけたい(又は、指定した時刻通りに配車してほしい)が、その他にも、荷物が多いのでワゴンタイプ(又は、スライドドア)の車両に乗りたい、乗車可能人数の多い車両に乗りたいといった車両に関する条件や、大事なお客様を送迎するので運転操作を信頼できる乗務員歴が長い(又は、高評価)の乗務員が良い、外国人を送迎するので英語を話せる乗務員が良いといった乗務員に関する条件が要望されることもある。
【0021】
タクシーを配車依頼する際の要望は一様ではなく、ユーザが置かれている状況などに応じてまちまちである。一方、タクシーの配車サービスを提供する配車システム側においても、各ユーザのさまざまな要望にすべて応えられるだけの在庫を抱えるのは負担が大きい。このため、ユーザがタクシーを配車依頼する際に指定するすべての条件を同時に満たす車両を探車することは難しい。
【0022】
そこで、本開示は、ユーザがタクシーを配車依頼する際に指定するすべての条件を同時に満たす車両を探車することは難しい場合であっても、なるべくユーザの要望に沿った形で探車することができる配車システムを実現している。
【0023】
B.システム構成
B-1.全体構成
図1には、本開示が適用される配車システム100の概略的な構成例を示している。図1に示す配車システム100は、タクシーを利用するユーザが操作するユーザ端末101と、タクシーの乗務員が操作する乗務員端末102と、配車管理装置103の3者で構成される。
【0024】
図1では簡素化のため、ユーザ端末101及び乗務員端末102をそれぞれ1台ずつしか描いていないが、実際には、タクシーを利用するユーザ数分のユーザ端末、並びに配車システム100を通じてユーザに配車されるタクシーの台数分(又は乗務員の人数分)の乗務員端末が存在するものとする。ユーザ端末101は、具体的にはユーザが所持するスマートフォンなどの携帯型の多機能情報端末であり、このような情報端末にタクシー配車アプリをインストールしてユーザ端末101として動作することができる。また、乗務員端末102は、車両に搭載された専用端末、又は乗務員が所持するスマートフォンなどの携帯型の多機能情報端末であり、このような情報端末にドライバーズアプリをインストールして乗務員端末102として動作することができる。
【0025】
また、図1では簡素化のため、配車管理装置103を単一のブロックにまとめて描いているが、実際には物理的に独立した複数の装置の組み合わせにより1つの配車管理装置103が構成されてもよい。また、配車管理装置103は、複数のサーバ機能を統合して構成されてもよい。本実施形態では、配車管理装置103は、配車依頼を処理する「基本配車管理サーバ」、ユーザ端末101として動作する各スマートフォンのアカウント情報(メールアドレス及び電話番号など)を管理するとともにユーザ端末101(タクシー配車アプリ)からの配車依頼を受付処理する「端末対応サーバ」、ユーザ端末101からの予約注文を受け付けて、予約時刻の所定時間前(例えば、10分前)になると配車依頼を発行する「予約管理サーバ」などを含んでいる。もちろん、配車管理装置103がさらにその他のサーバ機能を備えていてもよい。配車管理装置103に含まれるサーバ構成の詳細については後述に譲る。
【0026】
ユーザ端末101は、インストールしたタクシー配車アプリ上でのユーザの操作に基づいて、タクシーの配車を行う。本実施形態では、タクシー配車アプリは、即時配車と予約配車の2種類の配車方法を利用することが可能であるものとする。また、本実施形態では、タクシー配車アプリを用いて即時配車や予約配車などの注文を行う際に、車種などの車両の条件や乗務員の条件などの指定を追加することができる。ユーザ端末101(又は、タクシー配車アプリ)は、API(Application Programming Interface)を使って配車依頼や予約注文を行うことができる。これに対し、配車管理装置103からはAPIレスポンスが返される。
【0027】
乗務員端末102は、配車管理装置103に対して、当該車両が実車又は空車のいずれであるかなどの動態情報を通知する。一方、配車管理装置103は、乗務員端末102に対して、配車指示や配車情報などを通知する。乗務員端末102は、配車管理装置103との間で、例えばMQTT(Message Queue Telemetry Transport)などのパブリッシュ/サブスクライブモデルに基づくメッセージ方式で互いの情報通知を行うが、このような通信方式に限定されるものではない。また、乗務員端末102は、配車管理装置103からの配車指示に対して、例えばAPI(ドライバーAPI)を使って配車応答する。これに対し、配車管理装置103からはAPIレスポンスが返される。
【0028】
B-2.ユーザ端末の構成
ユーザ端末101は、具体的にはユーザが所持するスマートフォンなどの携帯型の多機能情報端末であり、インストールしたタクシー配車アプリ上でのユーザの操作に基づいて、タクシーの配車依頼や予約注文を行う(前述)。図2には、ユーザ端末101の機能的構成を模式的に示している。図示のユーザ端末101は、通信部210と、記憶部220と、制御部230と、表示部240と、操作部250と、位置検出部260を備えている。
【0029】
通信部210は、4G又は5Gなどの移動体通信網又はその他の無線通信ネットワークと、インターネットなどの広域ネットワークを経由して配車管理装置103やその他の外部装置と通信を行うための機能モジュールである。通信部210は、配車管理装置103との間で配車依頼の送信やAPIレスポンスの受信、配車管理装置103からの注文情報更新通知の受信などを行う。また、通信部210は、例えばアプリケーションダウンロードサイトから、ユーザ端末101にインストールするアプリケーションプログラムの受信処理も行う。
【0030】
記憶部220は、不可欠のプログラムコードやデータを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)、制御部230の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションなどのソフトウェアプログラムやデータファイルを格納するSSD(Solid State Drive)などからなる大容量記憶装置などを含む。
【0031】
制御部230は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで構成され、記憶部220に記憶されたプログラムを実行する。具体的には、制御部230は、インストールされたプログラムをRAMにロードして実行する。本実施形態では、制御部230は、OSが提供する実行環境下で、タクシーを注文(即時の配車依頼や予約注文を含む)するタクシー配車アプリを起動して、配車要求部231、通知取得部232、及び表示制御部233などの機能を実現して、タクシーの即時の配車依頼や予約注文のための処理を行う。
【0032】
表示部240は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの、情報を表示可能な画面を有するディスプレイからなる。操作部250は、基本的には、ディスプレイ画面に重畳され、人間の指先などの操作を受け付けるタッチパネルで構成される。また、操作部250は、ボタンなどの機械的な操作子や、ユーザ端末101に外付け接続される入力デバイスを含んでもよい。
【0033】
位置検出部260は、GPS(Global Positioning System)センサなどの、ユーザ端末101の現在位置の情報を取得可能なデバイスからなる。
【0034】
なお、ユーザ端末101は、図2に示した機能モジュール210~260以外の構成要素をさらに含んでいてもよい。
【0035】
タクシーの配車要求を行う際のユーザ端末101の動作について簡単に説明しておく。
【0036】
ユーザ端末101上でタクシー配車アプリを起動すると、配車要求部231は、表示制御部233に指示して、配車要求画面を表示部240の画面に表示させる。配車要求は、タクシーの即時配車(配車依頼)と予約配車の注文(予約注文)を含むものとする。ユーザは、配車要求画面上で、操作部250すなわちタッチパネルの操作によって、即時配車と予約配車のいずれの注文であるかを指定することができる。また、ユーザは、配車要求画面上で、即時配車又は予約配車を注文する際に車両の条件や乗務員の条件を指定することができる。配車要求部231は、配車要求を行う度(すなわち、配車依頼や予約注文を行う度)にこのような探車の条件の設定を行うようにしてもよいし、デフォルトの探車条件を事前に設定しておき(又は、一度設定した条件を記憶しておき)、設定変更しない限り事前設定した(又は、以前に設定した)通りの条件を配車要求の際に自動で適用するようにしてもよい。なお、配車要求画面の画面構成の詳細については後述に譲る。
【0037】
そして、配車要求画面上で配車要求の内容が確定すると、配車要求部231は、位置検出部260によって取得されたユーザ端末101の現在位置情報を付けて、配車要求を配車管理装置103に送信する。本実施形態では、配車要求部231は、即時配車又は予約配車などの配車要求に、車両や乗務員などに関して指定した条件を追加して、配車管理装置103に送信する。
【0038】
配車管理装置103側では、即時配車の注文に対して、所定時間内(例えば2分以内)に配車が可能な車両(例えば配車場所から所定圏内(半径2km以内など)にいる車両)を探車する。配車依頼に、車両や乗務員、タクシー会社などに関する条件が指定されている場合には、配車管理装置103は、指定された条件でさらにフィルタリングして探車する。そして、配車管理装置103は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対して配車指示を送信する。その際、配車管理装置103は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対し一斉に配車指示を送信するようにしてもよいし、配車場所から近い順に配車指示を送信するようにしてもよい。その後、配車指示を送信した車両から配車応答が得られると、配車管理装置103は、依頼元のユーザ端末101に対して、配車情報を通知した後、配車場所に到着するまでの間は注文情報更新通知を逐次行う。また、予約配車の注文に対しては、配車管理装置103は、予約時刻から所定時間前(例えば10分前)になると、即時配車に対する処理と同様の処理を開始する。なお、配車管理装置103における即時配車や予約配車などの配車要求に対する処理の詳細については、後述に譲る。
【0039】
通知取得部232は、配車管理装置103から、即時配車や予約配車などの注文に対する探車の成否を含む配車情報の通知や、探車に成功した場合の注文情報更新通知を取得する。そして、表示制御部233は、通知取得部232が取得した通知内容を、表示部240の画面に表示させる。表示制御部233は、配車要求部231が表示した配車要求画面(前述)を、通知内容に従って更新する。例えば、注文情報更新通知を受け取る度に、配車要求画面(例えば、画面内の地図上での迎車中のタクシーの表示位置)を更新する。なお、配車管理装置103から通知された情報を表示するための画面構成の詳細については後述に譲る。
【0040】
B-3.乗務員端末の構成
乗務員端末102は、例えば、タクシーの車両に搭載された専用端末、カーナビのように車両に組み込まれた装置、タクシーの乗務員が所持するスマートフォンなどの携帯型の多機能情報端末、又はその他の形態の装置でもよい。乗務員端末102は、配車管理装置103に対して実車又は空車のいずれであるかなどの動態情報を通知したり、配車管理装置103からの配車指示に対する配車応答を行ったりする。図3には、乗務員端末102の機能的構成を模式的に示している。図示の乗務員端末102は、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、表示部340と、操作部350と、位置検出部360を備えている。
【0041】
通信部310は、4G又は5Gなどの移動体通信網又はその他の無線通信ネットワークと、インターネットなどの広域ネットワークを経由して配車管理装置103やその他の外部装置と通信を行うための機能モジュールである。通信部310は、配車管理装置103との間で、例えばMQTTなどのパブリッシュ/サブスクライブモデルに基づくメッセージ方式で互いの情報通知を行う。また、通信部310は、配車管理装置103からの配車指示に対して、例えばAPIを使って配車応答を送信するとともに、配車管理装置103から返されるAPIレスポンスを受信処理する。
【0042】
記憶部320は、不可欠のプログラムコードやデータを不揮発的に格納するROM、制御部330の作業領域として使用されるRAM、OSやアプリケーションなどのソフトウェアプログラムやデータファイルを格納するSSD又はHDD(Hard Disc Drive)などからなる大容量記憶装置などを含む。
【0043】
制御部330は、例えばCPUなどのプロセッサで構成され、記憶部320に記憶されたプログラムを実行する。具体的には、制御部330は、インストールされたプログラムをRAMにロードして実行する。本実施形態では、制御部330は、OSが提供する実行環境下で、ドライバーズアプリを起動して、情報取得部331及び表示制御部332などの機能を実現する。なお、ドライバーズアプリは、乗務員端末102が搭載された車両がタクシーとして動作するためのアプリケーションプログラムであり、配車管理装置103からの配車指示に応答したり、配車指示を了承して迎車する際に定期的に位置情報を通知したりする処理を実行する。
【0044】
表示部340は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、情報を表示可能な画面を有するディスプレイからなる。操作部350は、基本的には、ディスプレイ画面に重畳され、人間の指先などの操作を受け付けるタッチパネルで構成される。また、操作部350は、ボタンなどの機械的な操作子や、乗務員端末102に外付け接続される入力デバイスを含んでもよい。
【0045】
位置検出部360は、GPSセンサなどの、乗務員端末102の現在位置の情報を取得可能なデバイスからなる。
【0046】
なお、乗務員端末102は、図3に示した機能モジュール310~360以外の構成要素をさらに含んでいてもよい。
【0047】
配車管理装置103からの配車指示に応答して迎車を行う際の乗務員端末102の動作について簡単に説明しておく。
【0048】
乗務員端末102上でドライバーズアプリを起動すると、表示制御部332は、配車依頼に関する情報を提示するための依頼情報画面を表示部340の画面に表示させる。依頼情報画面は、当該車両の現在位置を含む地図情報や、配車管理装置103からの配車指示を了解することを示す了解ボタンなどを含む。配車場所は、例えば配車依頼元のユーザ端末101の現在位置である。依頼情報画面の構成は本開示に直接関連しないので、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0049】
情報取得部331は、位置検出部360で検出される当該車両の位置情報や、当該車両の動態情報を取得して、通信部310を介して配車管理装置103に送信する。位置情報や動態情報の送信は、所定周期で繰り返し行うようにしてもよいし、配車管理装置103からの要求に応じて送信するようにしてもよい。なお、動態情報は、空車、迎車、実車、支払などの状態を含む情報である。一般には、タブレット(乗務員端末102と同じでもよい)内のメモリで動態情報を保持しており、乗務員がタクシーメーターの状態に応じてタブレット側のボタンを押下する操作に応じて当該車両の動態情報が切り替わる。あるいは、タブレット端末がメーターに電気的に接続されており、メーターと連動してタブレット側の動態情報が変化する場合もある。
【0050】
配車管理装置103側では、即時配車の注文に対して、所定時間内(例えば2分以内)に配車が可能な車両(例えば配車場所から所定圏内(半径2km以内など)にいる車両)を探車する。配車依頼に、車両や乗務員、タクシー会社などに関する条件が指定されている場合には、配車管理装置103は、指定された条件でさらにフィルタリングして探車する。また、予約配車の注文に対しては、配車管理装置103は、予約時刻から所定時間前(例えば10分前)になると、配車依頼に対する処理と同様の処理を開始する。そして、配車管理装置103は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対して配車指示を送信する。その際、配車管理装置103は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両の乗務員端末102に対し一斉に配車指示を送信するようにしてもよいし、配車場所から近い順に配車指示を送信するようにしてもよい。
【0051】
情報取得部331は、配車管理装置103から配車指示を依頼情報とともに取得すると、表示制御部332に指示して、配車場所やその他の依頼情報を依頼情報画面上に表示させる。そして、乗務員が依頼情報画面上の了解ボタンを押すなど配車指示を了解する意思が示されると、情報取得部331は、通信部310を介して配車管理装置103に配車応答を送信する。配車管理装置103側では、配車指示を送信した車両から依頼元のユーザ端末101に対して、配車情報を通知する。
【0052】
その後、配車場所に到着するまでの間、情報取得部331は、所定時間間隔(数秒~数十秒)で、位置検出部360から位置情報を取得して、通信部310を介して配車管理装置103に逐次送信する。
【0053】
配車管理装置103は、配車依頼元のユーザ端末101に対して、迎車中の乗務員端末102から取得した位置情報を含む注文情報更新通知を行う。ユーザ端末101側では、注文情報更新通知を受け取る度に、配車要求画面(例えば、画面内の地図上での迎車中のタクシーの表示位置)を更新する。
【0054】
B-4.配車管理装置の構成
図1では簡素化のため、配車管理装置103を単一のブロックにまとめて描いたが、本実施形態では複数のサーバ機能の組み合わせにより配車管理装置103が構成されることを想定している。図4には、配車管理装置103の機能的な構成例を示している。図示の配車管理装置103は、基本配車管理サーバ410と、端末対応サーバ420と、予約管理サーバ430を含む、複数のサーバ機能を統合して構成されている。各サーバ機能は、それぞれ異なる事業主体によって運用及び保守が行われることを想定しているが、もちろん1つの事業主体がサーバ410~430のうち2以上のサーバの運用及び保守を行うこともあり得る。また、図4に示すようなサーバ構成は、一例であり、タクシーの配車に関わる事業者の都合などにより変更可能である。付言すれば、各サーバは物理的に単一の装置で構成されてもよいし、1つのサーバが複数の装置の連携により実現されてもよい。
【0055】
端末対応サーバ420は、タクシー配車アプリをインストールしたユーザ端末101に対応するサーバであり、ユーザ端末101として動作するスマートフォンなどの多機能情報端末のアカウント情報(メールアドレス及び電話番号など)を管理するとともにユーザ端末101(タクシー配車アプリ)からの配車依頼を受付処理する。図4に示す構成例では、端末対応サーバ420は、配車依頼処理部421と、アカウント管理部422と、注文情報蓄積部423と、アカウント情報蓄積部424を備えている。
【0056】
アカウント管理部422は、配車システム100を利用するユーザのアカウント情報(例えば、タクシー配車アプリをインストールしたユーザ端末101のメールアドレス及び電話番号などを含む個人情報)を、アカウント時方法蓄積部424に蓄積して、管理している。
【0057】
配車依頼処理部421は、ユーザ端末101からの配車依頼(即時配車の注文)を処理する。すなわち、配車依頼処理部421は、ユーザ端末101から配車依頼を受信すると、依頼元のユーザ又はユーザ端末101のアカウント情報の認証処理をアカウント管理部422に行わせる。そして、配車依頼処理部421は、認証に成功した配車依頼を基本配車管理サーバ410に転送する。また、配車依頼処理部421は、受け付けた配車依頼の情報を、注文情報蓄積部423に格納する。
【0058】
また、配車依頼処理部421は、予約配車の注文に対する配車依頼の処理も行う。予約管理サーバ430は、予約時刻から所定時間前(例えば10分前)になると、注文元のユーザ端末101に代って、端末対応サーバ420に対して配車依頼を発行する。この場合も、配車依頼処理部421は、ユーザ端末101からの配車依頼(即時配車の注文)に対する処理(上述)と同様の処理を実施する。
【0059】
予約管理サーバ430は、タクシーの予約配車の注文(予約注文)を管理するサーバであり、ユーザ端末101からの予約注文を受け付けて、予約時刻から所定時間前(例えば10分前)になると端末対応サーバ420に対して配車依頼を発行する。図4に示す構成例では、予約管理サーバ430は、注文受付処理部431と、配車依頼発行部432と、予約注文情報蓄積部433を備えている。
【0060】
注文受付処理部431は、ユーザ端末101からのタクシーの予約注文を受け付ける。すなわち、注文受付処理部431は、ユーザ端末101からタクシーの予約注文を受信すると、予約注文情報蓄積部433内の予約リストに登録する。注文受付処理部431は、予約注文を受信した際に、注文可能な枠数をユーザ端末101に返すようにしてもよい。注文枠は、予約可能な範囲(例えば1週間先まで)で、所定時間間隔(例えば5分刻み)で設定される。また、注文受付処理部431は、予約リストに登録した際に、注文元のユーザ端末101に予約結果を返すようにしてもよい。そして、配車依頼発行部432は、予約リストに登録されている予約注文が予約時刻から所定時間前(例えば10分前)になると、注文元のユーザ端末101に代って、端末対応サーバ420に対して配車依頼を発行する。
【0061】
基本配車管理サーバ410は、配車依頼に対する基本的な処理を行う。本実施形態では、即時配車及び予約配車のいずれの注文の場合も、基本配車管理サーバ410は、端末対応サーバ420経由で配車依頼を受け取って、ユーザが指定する条件に適ったタクシーを手配するための処理を行う。図4に示す構成例では、基本配車管理サーバ410は、配車処理部411と、変更通知処理部412と、決済処理部413と、履歴情報管理部414と、マスタ登録情報管理部415を備えている。
【0062】
配車処理部411は、端末対応サーバ420を通じて受け取る配車依頼の処理を行う。上述したように、端末対応サーバ420は、ユーザ端末101からの配車依頼(即時配車の注文)及び予約管理サーバ430から予約時刻前に送信される配車依頼をともに基本配車管理サーバ410に転送する。配車処理部411はいずれの配車依頼の処理も同様に行う。
【0063】
配車処理部411は、受け取った配車依頼に対して、所定時間内(例えば2分以内)に配車が可能な車両(例えば配車場所から所定圏内(半径2km以内など)にいる車両)を探索する。各車両からは位置情報及び動態情報が送られてくるので、配車処理部411は、所定圏内で動態が「空車」の車両を探索する。
【0064】
また、受け取った配車依頼に、車両や乗務員、タクシー会社などに関する条件が指定されている場合には、配車処理部411は、指定された条件でさらにフィルタリングして所定圏内を探車する。マスタ登録情報管理部415は、各車両の会社情報、乗務員情報、車種やスペックなどの車両情報を管理している。配車処理部411は、所定圏内で見つかった車両をマスタ登録情報管理部415に照会して、会社情報、乗務員情報、及び車両情報を取得し、配車依頼に付けられた条件に合致するか否かをチェックする。指定されたすべての条件に合致する車両が所定圏内で見つからない場合には、配車処理部411は、指定された条件の一部又は全部を外して(又は、緩和して)、所定圏内で探車処理を繰り返し実施する。
【0065】
そして、配車処理部411は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対して配車指示を送信する。その際、配車処理部411は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対し一斉に配車指示を送信するようにしてもよいし、配車場所から近い順に配車指示を送信するようにしてもよい。その後、配車指示を送信した車両から配車応答が得られると、配車処理部411は、依頼元のユーザ端末101に対して、配車情報を通知する。また、配車処理部411は、処理した配車依頼の内容を含む注文情報を履歴情報管理部414に管理させる。
【0066】
変更通知処理部412は、配車指示を了解した車両から配車場所に到着するまでの間に送られてくる車両の位置情報に基づいて、ユーザ端末101に対して、迎車中の車両の位置情報を含む注文情報更新通知を逐次行う。また、指定されたすべての条件に合致する車両が所定圏内で見つからないために、指定された条件の一部又は全部を外す、時間を延長して探車するなど、配車処理部411が探車の条件を変更した場合には、変更通知処理部412はこれらの変更内容をユーザ端末101に通知する。
【0067】
決済処理部413は、配車処理部411が配車処理したことや予約注文を処理したことに対して、依頼元及び注文元のユーザに課されるサービス料の決済処理を、決済代行システム440に対して実施する。決済代行システム440は、例えばクレジットカード会社によって運用及び保守が行われる。図4に示す例では、決済代行システム440は、基本配車管理サーバ410側の決済処理部413と連携して決済処理を行う決済処理部441と、処理した決済情報を格納する決済情報蓄積部442と、タクシーの配車に関わる事業者又は管理者が決済処理の状況や決済処理結果の内容などを閲覧する管理画面443を含むコンソールなどを備えていてもよい。但し、決済処理は本開示に直接関連しないので、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0068】
履歴情報管理部414は、配車処理部411が処理した配車依頼の内容を含む過去の注文情報を管理している。配車処理部411は、探車に成功又は失敗したとき、又は、配車依頼の処理が完了したときに、探車の結果(成功又は失敗したか)、探車に適用したオプション条件、探車に要した時間などの履歴情報を履歴情報管理部414に保存する。
【0069】
マスタ登録情報管理部415は、各車両が所属するタクシー会社の会社情報、各車両を運転する乗務員の運転歴や外国語の語学力、年齢や性別、その他の属性情報を含む乗務員情報、車種やスペックなどの車両情報を管理している。
【0070】
タクシー会社毎の運行管理システム450は、自社の会社情報や、自社に所属する乗務員の乗務員情報、自社が所有する車両の車両情報を、マスタ登録情報管理部415に対して登録及び編集処理を行うことができる。また、タクシー会社毎の運用管理システム450は、自社のタクシーが請け負った配車依頼に関する注文情報を履歴情報管理部414から取得することができる。運行管理システム450は、タクシーの配車に関わる事業者又は管理者が、会社情報、乗務員情報、車両情報を登録及び編集したり、取得した注文情報を閲覧したりするための管理画面451などからなるコンソールを備えている。但し、運行管理システム450は本開示に直接関連しないので、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0071】
C.配車手順
このC項では、配車システム100において、ユーザによるユーザ端末101の操作に応じてタクシーを配車するための手順について説明する。
【0072】
C-1.基本的な処理手順
図5には、配車システム100において、ユーザ端末101からの配車依頼(即時配車の注文)に応じてユーザにタクシーを配車する際の概略的な処理シーケンスを示している。
【0073】
ユーザ端末101上でタクシー配車アプリを起動すると、表示部240の画面に配車要求画面が表示される(ステップS501)。ユーザは、配車要求画面を操作することによって、タクシーの配車依頼を指示する(ステップS502)。配車依頼は、タクシー配車アプリと連携する端末対応サーバ420へ送信される。配車要求画面上で配車依頼を指示するための画面操作の詳細については、後述に譲る。
【0074】
端末対応サーバ420は、ユーザ端末101から配車依頼を受信すると、受付処理して(ステップS503)、依頼元のユーザ又はユーザ端末101のアカウント情報の認証や、受信した配車依頼の情報の注文情報蓄積部423への格納などの処理を行う。そして、端末対応サーバ420は、基本配車管理サーバ410に対して配車依頼を送信する(ステップS504)。
【0075】
基本配車管理サーバ410は、端末対応サーバ420から配車依頼を受信すると、受付処理して(ステップS505)、例えば履歴情報管理部414に注文情報を格納する。
【0076】
次いで、基本配車管理サーバ410は、配車処理部411は、受け取った配車依頼に対して、所定時間内(例えば2分以内)に配車が可能な車両(例えば配車場所から所定圏内(半径2km以内など)にいる車両)を探車する(ステップS506)。図5では図示を省略しているが、各車両の乗務員端末102からは、位置情報及び動態情報が送られてくる。基本配車管理サーバ410は、各車両の位置情報及び動態情報に基づいて、所定圏内で動態が「空車」の車両を探車する。また、受け取った配車依頼に、車両や乗務員、タクシー会社などに関する条件が指定されている場合には、基本配車管理サーバ410は、指定された条件でさらにフィルタリングして探車する。そして、基本配車管理サーバ410は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対して配車指示を送信する(ステップS507)。その際、基本配車管理サーバ410は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対し一斉に配車指示を送信するようにしてもよいし、配車場所から近い順に配車指示を送信するようにしてもよい。
【0077】
ドライバーズアプリを起動している乗務員端末102の画面には、配車依頼に関する情報を提示するための依頼情報画面が表示されている。乗務員端末102は、基本配車管理サーバ410から配車指示を受信すると、配車指示があったことを依頼情報画面上で通知する(ステップS508)。また、車両を運転中の乗務員が気づき易くするために、鳴動により配車指示を通知するようにしてもよい。
【0078】
図5では、説明の簡素化のため、乗務員は依頼情報画面上で了解ボタンを押すなどして、配車指示を了解したものとする。この場合、乗務員端末102は、配車応答を基本配車管理サーバ410に返す(ステップS509)。
【0079】
基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から配車応答を受信すると(ステップS510)、乗務員端末102に対して、お客様名やお客様住所などの迎車に必要な情報を送信する(ステップS511)。乗務員端末102は、基本配車管理サーバ410から受信したお客様名やお客様住所などの情報を依頼情報画面に表示して、迎車に対応した処理を開始する(S512)。カーナビゲーションを利用する場合には、乗務員端末102は配車場所までのナビゲーションを開始する。
【0080】
また、基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から配車応答を受信すると(ステップS510)、端末対応サーバ420に対して、配車が確定したタクシーの情報、例えば車両情報(会社名、無線番号、ナンバープレート、車種、車色など)や乗務員の情報(名前や簡単なプロフィール、サムネイル画像など)を送信する(ステップS513)。そして、端末対応サーバ420は、基本配車管理サーバ410から受け取ったタクシーの情報を、さらにユーザ端末101に伝達する(ステップS514)。ユーザ端末101は、基本配車管理サーバ410から受信した配車が確定したタクシーの情報を画面に表示する(ステップS515)。
【0081】
乗務員端末102は、配車場所に到着するまでの間、所定時間間隔(数秒~数十秒)で当該車両の位置情報を繰り返し基本配車管理サーバ410に伝達する(ステップS516)。基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から受信した車両の位置情報を端末対応サーバ420に伝達し(ステップS517)、端末対応サーバ420はさらに依頼元のユーザ端末101に伝達する(ステップS518)。そして、ユーザ端末101は、車両の位置情報を受信する度に、画面上で迎車中のタクシーの位置情報を更新する(ステップS519)。
【0082】
また、図6には、配車システム100において、ユーザ端末101からの予約配車の注文(予約注文)に応じて、予約時刻に合わせてユーザにタクシーを配車する際の概略的な処理シーケンスを示している。予約配車時の詳細な処理シーケンスについては後で説明する。
【0083】
ユーザ端末101上でタクシー配車アプリを起動すると、表示部240の画面に配車要求画面が表示される(ステップS601)。ユーザは、予約注文画面を操作することによって、タクシーの予約注文を指示する(ステップS602)。予約注文の際に、ユーザは、予約注文画面上で、車両や乗務員、タクシー会社などに関する条件を指定することができる。予約注文は、タクシー配車アプリと連携する予約管理サーバ430へ送信される。予約注文画面上で予約注文を指示するための画面操作の詳細については、後述に譲る。
【0084】
予約管理サーバ430は、ユーザ端末101から予約注文を受信すると、受付処理して(ステップS603)、予約リストに登録する(ステップS604)。予約管理サーバ430は、予約注文を受信した際に、注文可能な枠数をユーザ端末101に返すようにしてもよい。注文枠は、予約可能な範囲(例えば1週間先まで)で、所定時間間隔(例えば5分刻み)で設定される。また、予約管理サーバ430は、予約リストに登録した際に、注文元のユーザ端末101に予約結果を返すようにしてもよい。そして、予約管理サーバ430は、予約リスト中の予約注文が予約時刻から所定時間前(例えば10分前)になると、注文元のユーザ端末101に代って、端末対応サーバ420に対して配車依頼を発行する(ステップS605)。
【0085】
端末対応サーバ420は、予約管理サーバ430から配車依頼を受信すると、受付処理して(ステップS606)、注文元のユーザ又はユーザ端末101のアカウント情報の認証や、受信した配車依頼の情報の注文情報蓄積部423への格納などの処理を行う。そして、端末対応サーバ420は、基本配車管理サーバ410に対して配車依頼を送信する(ステップS607)。
【0086】
基本配車管理サーバ410は、端末対応サーバ420から配車依頼を受信すると、受付処理して(ステップS608)、例えば履歴情報管理部414に注文情報を格納する。次いで、基本配車管理サーバ410は、配車処理部411は、受け取った配車依頼に対して、配車場所から所定圏内(半径2km以内など)で、空車の車両を探車する(ステップS609)。また、受け取った配車依頼に、車両や乗務員、タクシー会社などに関する条件が指定されている場合には、基本配車管理サーバ410は、指定された条件でさらにフィルタリングして探車する。そして、基本配車管理サーバ410は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対して配車指示を送信する(ステップS610)。その際、基本配車管理サーバ410は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対し一斉に配車指示を送信するようにしてもよいし、配車場所から近い順に配車指示を送信するようにしてもよい。
【0087】
ドライバーズアプリを起動している乗務員端末102の画面には、配車依頼に関する情報を提示するための依頼情報画面が表示されている。乗務員端末102は、基本配車管理サーバ410から配車指示を受信すると、配車指示があったことを依頼情報画面上で通知する(ステップS611)。また、車両を運転中の乗務員が気づき易くするために、鳴動により配車指示を通知するようにしてもよい。説明の簡素化のため、乗務員は依頼情報画面上で了解ボタンを押すなどして、配車指示を了解したものとする。この場合、乗務員端末102は、配車応答を基本配車管理サーバ410に返す(ステップS612)。
【0088】
基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から配車応答を受信すると(ステップS613)、乗務員端末102に対して、お客様名やお客様住所などの迎車に必要な情報をさらに送信する(ステップS614)。乗務員端末102は、基本配車管理サーバ410から受信したお客様名やお客様住所などの情報を依頼情報画面に表示して、迎車に対応した処理を開始する(S615)。カーナビゲーションを利用する場合には、乗務員端末102は配車場所までのナビゲーションを開始する。
【0089】
また、基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から配車応答を受信すると(ステップS613)、端末対応サーバ420に対して、配車が確定したタクシーの情報を送信する(ステップS616)。そして、端末対応サーバ420は、基本配車管理サーバ410から受け取ったタクシーの情報を、さらにユーザ端末101に伝達する(ステップS617)。ユーザ端末101は、基本配車管理サーバ410から受信した配車が確定したタクシーの情報を画面に表示する(ステップS618)。
【0090】
また、乗務員端末102は、配車場所に到着するまでの間、所定時間間隔(数秒~数十秒)で当該車両の位置情報を繰り返し基本配車管理サーバ410に伝達する(ステップS619)。基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から受信した車両の位置情報を端末対応サーバ420に伝達し(ステップS620)、端末対応サーバ420はさらに依頼元のユーザ端末101に伝達する(ステップS621)。そして、ユーザ端末101は、車両の位置情報を受信する度に、画面上で迎車中のタクシーの位置情報を更新する(ステップS622)。
【0091】
C-2.ユーザ端末上での操作
このC-2項では、ユーザ端末101上でのタクシーの配車を行う際の操作方法について説明する。本実施形態では、タクシー配車アプリを用いて、即時配車と予約配車の2種類の配車方法を利用できることを想定している。タクシー配車アプリが即時配車を行う場合の動作モードを「即時配車」モードとし、予約配車を行う場合の動作モードを「予約配車」モードとする。
【0092】
C-2-1.即時配車の注文時のユーザ端末上での操作
既に述べたように、ユーザ端末101上でタクシー配車アプリを起動すると、「即時配車」モードとなり、表示部240の画面に配車要求画面が表示される。ユーザは、基本的にはタッチパネルの操作によって、即時配車の注文を行うことができる。
【0093】
図7には、ユーザ端末101上でタクシー配車アプリを起動したとき(及び、「即時配車」モード下)の画面の構成例を示している。例えばユーザ端末101の待ち受け画面上でタクシー配車アプリのアイコン(図示しない)をタップすることで、タクシー配車アプリが起動する。図示の起動画面700は、画面700の上の約3分の2を占める地図領域710と、画面700の下の約3分の1の残りの入力操作領域720で構成される。
【0094】
地図領域710は、位置検出部260で検出されるユーザ端末101の現在位置がほぼ中央となるように、デフォルトの縮尺で地図が表示される。また、地図領域710上には、ユーザ端末101の現在位置を示すピン711が表示される。地図領域710をスワイプ操作することで、地図の表示範囲を移動させることができる。また、地図領域710をピンチ操作することで、表示する地図の縮尺を連続的に変更することができる。地図の表示範囲を移動させた地図の縮尺を変更させても、地図領域710のほぼ中央のピン711は動かず、地図上でピン711が指す位置が、配車依頼したときのタクシーの配車場所となる。
【0095】
入力操作領域720は、タクシー配車アプリのモードに応じて構成が異なる。タクシー配車アプリのモードは、タクシーの即時配車を注文する「即時配車」モードと、指定した時間のタクシーの予約配車を予約する「予約配車」モードの2モードを含む。タクシー配車アプリの起動は「即時配車」モードに設定されており、図7に示す起動画面700の入力操作領域720は「即時配車」モード時における構成、すなわち配車要求画面である。
【0096】
入力操作領域720の最下段のボタン配置領域726には、「いますぐ呼ぶ」ボタンと「予約」ボタンが配置されている。「いますぐ呼ぶ」ボタンをタップすると、タクシー配置アプリは「即時配車」モードに設定されるとともに、図7に示すような「即時配車」モード下の配車要求画面700が表示される。また、「予約」ボタンをタップすると、タクシー配車アプリは「予約配車」モードに切り替わるとともに、配車要求画面も「予約配車」モード下の予約注文画面(後述)に遷移する。そして、「予約配車」モード下で「いますぐ呼ぶ」ボタンをタップすると、「即時配車」モードに復帰するとともに配車要求画面700に遷移する。
【0097】
入力操作領域720は、上から順に、スライダー721、配車場所表示領域722、目的地表示領域723、運賃方式選択部724、支払方法設定部725が配置されている。
【0098】
スライダー721には、「スライドしてタクシーを呼ぶ」というメッセージが表示されている。スライダー721を左から右にスライド(スワイプ)させると、現在の入力操作領域720で指定されている内容で配車依頼(即時配車を注文)する処理が実行される。この場合、タクシー配車アプリは端末対応サーバ420に配車依頼を送信し、これによって、配車システム100では図5に示したような即時配車時の処理手順が実施される。
【0099】
配車場所表示領域722には、配車場所の住所が表示される。上述したように、配車場所は地図領域710のほぼ中央のピン711が指す位置である。地図領域710のスワイプ操作などにより地図上でピン711の位置が移動すると、配車場所表示領域722に表示される配車場所の住所も更新される。また、配車場所表示領域722をタップすると、配車場所入力画面(図示しない)に切り替わる。配車場所入力画面では、住所や検索ワードで配車場所の住所を検索したり、地図を使って配車場所を入力したりすることができる。一度入力した配車場所をお気に入り登録して、次回以降の即時配車及び予約配車の注文時にはお気に入りの中から配車場所を選択することができる。配車場所入力画面上で「戻る」ボタン(図示しない)をタップすると、図7に示す配車要求画面700に戻る。
【0100】
目的地表示領域723には、配車されるタクシーの目的地の住所が表示される。タクシー配車アプリの起動時は図7に示すように目的地は未指定であり、目的地を指定しないまま配車依頼を行うこともできる。目的地表示領域723をタップすると、目的地入力画面(図示しない)に切り替わる。目的地入力画面の構成は、上記の配車場所入力画面と同様であり、住所や検索ワードで目的地の住所を検索したり、地図を使って目的地を入力したりすることができる。一度入力した目的地をお気に入り登録して、次回以降の即時配車及び予約配車の注文時にはお気に入りの中から目的地を選択することができる。目的地入力画面上で「戻る」ボタン(図示しない)をタップすると、図7に示す配車要求画面700に戻る。
【0101】
運賃方式選択部724をタップすると、運賃方式の選択画面(図示しない)に切り替わり、運賃方式を選択及び切り替えることができる。運賃方式として、例えば「メーター運賃」方式と「事前確認運賃」方式のいずれかを設定することができる。「事前確認運賃」方式を選択するには、目的地の指定が必須である。配車要求画面700上の運賃方式選択部724には、現在選択されている「メーター運賃」方式が表示されている。
【0102】
支払方法設定部725をタップすると、支払方法の設定画面(図示しない)に切り替わり、運賃の支払いに使用するカードを指定したり、選択及び変更したりすることができる。配車要求画面700上の支払方法設定画面725には、現在支払いに設定されているクレジットカードの情報が表示されている。運転方式の設定画面及び支払方法設定画面上で「戻る」ボタン(図示しない)をタップすると、図7に示す配車要求画面700に戻る。
【0103】
本実施形態では、即時配車の注文時にオプション条件を指定することができる。入力操作領域720の上端付近のハンドル727を上にせり上げるようにスワイプ操作すると、図8に示すように入力操作領域720が上方に拡張して、運賃方式選択部724及び支払方法設定部725とボタン表示領域726の間に、オプション設定部800が出現する。なお、ハンドル727を下方に押し戻すようにスワイプ操作すると、オプション設定部800は退避して、図7に示した状態の配所要求画面に復帰する。
【0104】
オプション設定部800には、条件を指定可能なオプションの項目数分の選択ボタンが配置され、いずれかの選択ボタンをタップすると、該当するオプション条件を選択するオプション選択画面に切り替わり、条件を設定及び変更することができる。どのようなオプション項目を指定可能にするかは、配車システム100の運用次第であり、時間の経過によりオプション項目が変更されたり、オプション項目数が増減したりすることもある。本実施形態では車両、乗務員、及びタクシー会社の3種類のオプション項目の指定が可能であることを想定している。したがって、図8に示す例では、オプション設定部800は、「希望車種」ボタン801、「会社指定」ボタン802、「乗務員指定」ボタン803の3つの選択ボタンを含んでいる。
【0105】
オプション設定部800で「希望車種」ボタン801をタップすると、図9に示すような希望車種選択画面900に切り替わる。希望車種選択画面900には、選択可能な車種の一覧が表示され、希望する車種の行のチェックボックスをタップしてチェックを入れることによって、その車種を選択することができる。図9に示す例では、車種「トールタイプ」の1種類のみしか選択できないが、タクシー会社が3種類以上の車種を提供している場合には、希望車種選択画面900で3種類以上の車種を選択できるように構成してもよい。また、各希望車種について「指定する」と「指定しない」の2択ではなく、希望車種の指定が「必須」、「できれば」、及び「指定しない」の3択にしてもよいし、他のオプション条件(会社、乗務員など)との優先順位をさらに指定できるようにしてもよい。そして、希望車種選択画面900の最下段の「変更を確定」ボタンをタップすると、この画面で選択又は変更した内容が確定して、図7に示す配車要求画面700に戻る。また、希望車種選択画面900の最上段の「戻る」ボタンをタップすると、車種を変更しないまま図7に示す配車要求画面700に戻る。
【0106】
また、オプション設定部800で「会社指定」ボタン802をタップすると、図10に示すような会社指定画面1000に切り替わる。図10に示す例では、配車システム100で使用可能な各タクシー会社の社名と、ロゴマーク(図10では図示を省略)と、スイッチからなるリストが表示され、各タクシー会社の行の右端のスイッチをオン側にスライドさせることで該当するタクシー会社を選択肢に含めることができる。タクシー会社を「指定する」と「指定しない」の2択ではなく、タクシー会社の指定が「必須」、「できれば」、及び「指定しない」の3択にしてもよいし、他のオプション条件(希望車種、乗務員など)との優先順位をさらに指定できるようにしてもよい。そして、会社指定画面1000の最下段の「変更を確定」ボタンをタップすると、この画面で選択又は変更した内容が確定して、図7に示す配車要求画面700に戻る。また、会社指定画面1000の最上段の「戻る」ボタンをタップすると、タクシー会社を変更しないまま図7に示す配車要求画面700に戻る。
【0107】
また、オプション設定部800で「乗務員指定」ボタン803をタップすると、図11に示すように乗務員指定画面1100に切り替わる。図11に示す例では、優良乗務員を指定するか否かの2者が表示されており、希望する方の行のチェックボックスをタップしてチェックを入れることによって、優良乗務員を指定しないか指定するかのいずれかを選択することができる。そして、乗務員指定画面1100の最下段の「変更を確定」ボタンをタップすると、この画面で選択又は変更した内容が確定して、図7に示す配車要求画面700に戻る。また、乗務員指定画面1100の最上段の「戻る」ボタンをタップすると、乗務員指定を変更しないまま図7に示す配車要求画面700に戻る。
【0108】
なお、図11に示す例では、優良乗務員を指定するか否かの2択であるが、配車システム100の運用次第で、英語(又はその他の言語)が堪能であるか、性別や年齢といった属性情報など、選択項目を増やしてもよい。また、乗務員の喫煙の有無や車内での喫煙の有無を、乗務員指定画面で指定できるようにしてしてもよい。なお、乗務員の「優良」の定義は特に限定されないが、例えば乗務員歴が長く熟練していることや顧客のアンケート結果など、配車システム100や個々のタクシー会社の独自の基準で決めてもよい。また、優良乗務員を「指定する」と「指定しない」の2択ではなく、優良乗務員の指定が「必須」、「できれば」、及び「指定しない」の3択にしてもよいし、他のオプション条件(希望車種、会社など)との優先順位をさらに指定できるようにしてもよい。乗務員の選択項目を増やした場合も同様に、各選択項目について「必須」、「できれば」、及び「指定しない」の3択にしてもよい。
【0109】
ユーザがユーザ端末101の画面上のオプション設定部800を介してオプション条件を指定した場合には、指定したオプション条件に合致する車両のみを地図領域に表示したり(例えば、図18を参照のこと)、指定したオプション条件に合致する車両の台数を表示したりするようにしてもよい。
【0110】
C-2-2.予約配車の注文時のユーザ端末上での操作
上記C-2-1項でも説明したように、起動画面である配車要求画面700中の入力操作領域720の最下段のボタン配置領域726で、「予約」ボタンをタップすると、タクシー配車アプリは「予約配車」モードに切り替わるとともに、配車要求画面も「予約配車」モード下の予約注文画面に遷移する。
【0111】
図12には、「予約配車」モード下の予約注文画面の構成例を示している。図示の予約注文画面1200は、画面1200の上の約3分の2を占める地図領域1210と、画面1200の下の約3分の1の残りの入力操作領域1220で構成される。地図領域1210の構成及び動作は、配車要求画面700の地図領域710と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0112】
「予約配車」モードにおける入力操作領域1220の最下段のボタン配置領域1224には、「いますぐ呼ぶ」ボタンと「予約」ボタンが配置されている。この「予約配車」モード下で「いますぐ呼ぶ」ボタンをタップすると、「即時配車」モードに復帰するとともに配車要求画面700に遷移する。
【0113】
入力操作領域1220は、上から順に、メッセージ表示部1221、配車場所表示領域1222、予約時間指定領域1223が配置されている。
【0114】
メッセージ表示部1221には、ユーザに予約時間の設定を促す「乗車日時を指定してください」というメッセージが表示されている。また、メッセージ表示部1221には、「次へ」ボタンが配置されている。乗車日時を指定していない状態では、「次へ」ボタンは不活性化(グレー表示)され、ボタンをタップすることができない。この入力操作領域1220上で乗車日時が指定されると、「次へ」ボタンは活性化(通常表示)され、タップするとさらに予約注文指示画面(後述)に遷移する。
【0115】
配車場所表示領域1222の構成及び動作は、配車要求画面700の配車場所表示領域722と同様であり、ここでは説明を省略する。予約時間指定領域1223は、現在時刻から25分後、30分後、35分後、40分後、45分後など5分刻みの注文枠で乗車日時を選択できる複数(図示の例では5個)の乗車日時選択ボタンと、乗車日時を自由に指定できる「日時を指定」ボタンが配置されている。例えば予約管理サーバ430から返された注文枠の情報に基づいて、各乗車日時選択ボタンが表示される。いずれかの乗車日時選択ボタンをタップすると、そのボタンに表示されている日時が予約時間に指定される。また、「日時を指定」ボタンをタップすると、日付ピッカーがポップアップ表示されて、リストをスクロールすることで、広範囲で且つ細かい粒度で乗車日時を指定することができる。日付ピッカーは、日付、時間、又は日付と時間を同時に選択させるためのコントロールであるが、当業界で周知なのでここでは図示を省略する。乗車日時の指定可能範囲(すなわち、何日先又は何か月先まで予約を受け付けるか)は、タクシーの配車に関わる事業の運用次第である。例えば、事前にサブスクライブした会員ユーザに対しては、一般ユーザよりも長い期間で予約を受け付けるなど、ユーザの差別化を図ってもよい。
【0116】
そして、入力操作領域1220上で乗車日時が指定されると、上述したようにメッセージ表示部1221内の「次へ」ボタンは活性化(通常表示)される。図13には、予約時間指定領域1223内の乗車日時選択ボタン「17:25 25分後」をタップして選択して、メッセージ表示部1221内の「次へ」ボタンが活性化された様子を示している。この状態で「次へ」ボタンをタップすると、さらに予約注文指示画面に遷移する。
【0117】
図14には、予約注文指示画面の構成例を示している。図示の予約注文指示画面1400は、図7に示した配車要求画面700と共通する部分が多い。予約注文指示画面1400は、画面1400の上の約3分の2を占める地図領域1410と、画面1400の下の約3分の1の残りの入力操作領域1420で構成される。地図領域1410の構成及び動作は、配車要求画面700の地図領域710と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0118】
入力操作領域1420は、上から順に、スライダー1421、配車場所表示領域1422、目的地表示領域1423、運賃方式選択部1424、支払方法設定部1425、ボタン配置領域1426が配置されている。配車場所表示領域1422、目的地表示領域1423、運賃方式選択部1424、支払方法設定部1425、及びボタン配置領域1426の構成及び動作は、配車要求画面700の各対応部分と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0119】
本実施形態では、即時配車の注文時と同様に予約配車の注文時においても、オプション条件を指定することができる。入力操作領域1420の上端付近のハンドル1427を上にせり上げるようにスワイプ操作すると、入力操作領域1420が上方に拡張してオプション設定部が出現し、1又は複数のオプション条件を指定することができる。オプション設定部の構成及び動作は、上記で図8を参照しながら説明した通りであり、ここではオプション設定部の図示と説明を省略する。
【0120】
スライダー1421には、「スライドして注文する」というメッセージが表示されている。スライダー1421を左から右にスライド(スワイプ)させると、図12に示した予約注文画面1200で指定した乗車日時、支払方法、及び指定したオプション条件で、予約配車を注文する処理が実行される。この場合、タクシー配車アプリは予約管理サーバ430に予約注文を送信し、これによって、配車システム100では図6に示したような予約配車時の処理手順が実施される。他方、地図領域1410内の戻るボタン1411をタップすると、図12に示した予約値注文画面1200に戻り、改めて乗車日時の指定を行うことができる。
【0121】
C-2-3.ユーザ端末の画面遷移
上記C-2-1項及びC-2-2項では、ユーザ端末101上でタクシー配車アプリを利用して即時配車及び予約配車の注文を行うときの画面操作についてそれぞれ説明した。このC-2-3項では、上記C-2-1項及びC-2-2項のまとめとして、図15に示す画面遷移図を参照しながら、タクシー配車アプリを実行中のユーザ端末101の画面遷移について説明する。
【0122】
例えばユーザ端末101の待ち受け画面上でタクシー配車アプリのアイコンをタップすると、タクシー配車アプリは「即時配車」モードで起動して、表示部240の画面には図7に示す配車要求画面が表示される。
【0123】
配車要求画面において、配車場所表示領域をタップすると、配車場所入力画面に遷移して、住所や検索ワードで配車場所の住所を検索したり、地図を使って配車場所を入力したりすることができる。また、配車要求画面において、目的地表示領域をタップすると、目的地入力画面に遷移して、住所や検索ワードで目的地の住所を検索したり、地図を使って目的地を入力したりすることができる。また、配車要求画面において、運賃方式選択部をタップすると、運賃方式の選択画面に遷移して、運賃方式を設定することができる。また、配車要求画面において、支払方法設定部をタップすると、支払方法の設定画面に遷移して、支払いに使用するクレジットカードや、電子マネー、コード決済などを指定することができる。これら配車場所入力画面、目的地入力画面、運賃方式設定画面、及び支払方法設定画面の各々において、「戻る」ボタンをタップすると、元の配車要求画面に遷移する。
【0124】
配車要求画面において、入力操作領域の上端付近のハンドルを上にせり上げるようにスワイプ操作すると、図8に示すようにオプション設定部が出現する。また、このハンドルを下方に押し戻すようにスワイプ操作すると、オプション設定部は退避して、元の配車要求画面に戻る。
【0125】
オプション設定部内の「希望車種」ボタンをタップすると、図9に示す希望車種選択画面に遷移して、配車を希望する車種を選択することができる。また、オプション設定部内の「会社指定」ボタンをタップすると、図10に示す会社指定画面に遷移して、タクシーを配車するタクシー会社を指定することができる。また、オプション設定部内の「乗務員指定」ボタンをタップすると、図11に示す乗務員指定画面に遷移して、タクシーの乗務員が「優良」に限るか否かを指定することができる。これら希望車種指定画面、会社指定画面、及び乗務員指定画面の各々において、「変更を確定」ボタンをタップすると書く画面で選択又は変更した内容が確定し、「戻る」ボタンをタップすると、元の配車要求画面に遷移する。
【0126】
配車要求画面内の入力操作領域の最上段のスライダーには「スライドしてタクシーを呼ぶ」というメッセージが表示されている。スライダーを左から右にスライド(スワイプ)させると、現在の入力操作領域で指定されている配車場所及びオプション条件の内容で配車依頼(即時配車を注文)する処理が実行される。この場合、タクシー配車アプリは端末対応サーバ420に配車依頼を送信し、これによって、配車システム100では図5に示したような即時配車時の処理手順が実施される。
【0127】
配車要求画面において最下段の「予約ボタン」をタップすると、タクシー配車アプリは「予約配車」モードに切り替わるとともに、図12に示す予約注文画面に遷移する。また、予約注文画面において最下段の「いますぐ呼ぶ」ボタンをタップすると、タクシー配車アプリは「即時配車」モードに復帰するとともに、配車要求画面に遷移する。
【0128】
予約注文画面内の入力操作領域は、予約したい乗車日時を指定する予約時間指定領域を含む。予約時間指定領域は、予約管理サーバ430から与えられた注文枠にそれぞれ対応する各乗車日時候補を指定するための複数の乗車日時選択ボタンと、「日時を指定」ボタンが配置されている。いずれかの乗車日時選択ボタンをタップすることで、該当する乗車日時を予約時間に指定することができる。また、「日時を指定」ボタンをタップすると、日付ピッカーが出現して広範囲で且つ細かい粒度で乗車日時を指定することができる。
【0129】
予約注文画面内の入力操作領域で予約時間を指定すると、図13に示すように、入力操作領域の最上段のメッセージ表示領域中の「次へ」ボタンが活性化される。そして、この「次へ」ボタンをタップすると、図14に示す予約注文指示画面に遷移する。また、予約注文指示画面で戻るボタンをタップすると、図12に示す予約値注文画面に戻り、改めて乗車日時の指定を行うことができる。
【0130】
予約注文指示画面は、配車要求画面と画面構成が類似する。予約注文指示画面内の入力操作領域は配車場所表示領域、目的地表示領域、運賃方式選択部、支払方法設定部を含む。そして、配車要求画面の場合と同様に、予約注文指示画面から、配車場所入力画面、目的地入力画面、運賃方式の選択画面、及び支払方法の設定画面に遷移して、それぞれの遷移先の画面上で配車場所、目的地、運賃方式、支払方法を指定し、選択し、又は変更することができる。
【0131】
また、予約注文指示画面も、配車要求画面と同様に、入力操作領域の上端付近のハンドルを上下にスワイプ操作させることで、オプション設定部を出現及び退避させることができる。そして、配車要求画面の場合と同様に、オプション設定部は、「希望車種」ボタン、「会社指定」ボタン、「乗務員指定」ボタンをタップすることで、希望車種選択画面、会社指定画面、及び乗務員指定画面にそれぞれ遷移してオプション条件を設定及び変更することができる。
【0132】
予約注文指示画面の入力操作領域の最上段のスライダーには「スライドして注文」というメッセージが表示されている。スライダーを左から右にスライド(スワイプ)させると、予約注文画面及び予約注文指示画面で指定されている予約時間、配車場所及びオプション条件の内容で予約配車を注文する処理が実行される。この場合、タクシー配車アプリは予約管理サーバ430に予約注文を送信し、これによって、配車システム100では図6に示したような予約配車時の処理手順が実施される。
【0133】
C-3.探車ロジック
このC-3項では、基本配車管理サーバ410において配車処理に適用される探車ロジックについて説明する。
【0134】
図16には、基本配車管理サーバ410内の配車処理部411が実施する配車処理方法を模式的に示している。配車処理部411は、即時配車の注文(配車依頼)に対し、基本的な車両探索、所定時間内(例えば2分以内)に迎車が可能な車両として、配車場所を中心とする所定圏内(半径2km以内など)にいる車両を探索する。
【0135】
また、配車処理部411は、所定圏内で車両探索して見つかった車両に対して、配車依頼に指定されているオプション条件でフィルタリングを行う。上記では、オプション条件の具体例として車両(車種)、乗務員、及びタクシー会社を挙げたが、図16では抽象化してオプション指定1~3として示している。図示のように、各オプション条件について、「必須」、「できれば」、及び「オフ」の3通りを指定することができる。「必須」が指定されたオプション条件については、必ずその条件を満たすように車両探索を行わなければならない。一方、「できれば」が指定されたオプション条件については、探索しても見つからない場合にはその条件を満たさないことが許容される(言い換えれば、条件を解除して、車両探索を優先する)。
【0136】
なお、複数のオプション条件の間で優先順位をさらに指定できるようにしてもよい。例えば、「できれば」が指定された複数の条件のうち一部しか満たさない車両が複数見つかった場合には、より優先順位の高いオプション条件を満たす車両を選択するようにしてもよい。
【0137】
ユーザは、基本的には早く乗れる車両を見つけたい(又は、指定した時刻通りに迎車してほしい)が、オプション条件を指定することによって、状況毎に異なるニーズになるべく沿った形で探車できるようになる。例えば、荷物が多いのでワゴンタイプ(又は、スライドドア)の車両に乗りたい、乗車可能人数の多い車両に乗りたいといった車両に関する条件や、大事なお客様を送迎するので運転操作を信頼できるベテラン(又は、高評価)の乗務員の車両を手配したい、外国人を送迎するので英語を話せる乗務員の車両を手配したい、といった個別のユーザのニーズに対応することが可能になる。
【0138】
反面、オプション条件を指定することによって、車両が見つかり難くなるという問題がある。図17には、配車場所を中心とする所定圏内で見つかったタクシーを地図上で示している。また、図18には、所定圏内で見つかったタクシーを、指定されたオプション条件でフィルタリングした結果を示している。図17図18を比較すると、フィルタリングによって配車可能なタクシーの台数が減少することが分かる。ユーザがユーザ端末101の画面上のオプション設定部800を介してオプション条件を指定した場合には、同画面において、指定したオプション条件に合致する車両のみを地図領域に表示したり、指定したオプション条件に合致する車両の台数を表示したりするようにしてもよい。
【0139】
オプション条件を付けて探車することにより、よりユーザのニーズに沿ったタクシーを配車することが可能になり、サービスの品質が向上する。しかしながら、図17図18を比較して分かるように、配車候補となるタクシーの台数は減少するため、いずれかの車両を配車できるものの、いずれの車両もオプション条件を満たさないという理由で、ユーザが予約した乗車日時になってもタクシーが配車されないという事態が発生し得る。ユーザが事前に予約したにもかかわらず、指定した乗車日時に一台のタクシーも配車されないとなると、サービスは劣悪であると言われても仕方がない。したがって、サービスの最低限の品質を担保するためには、探車失敗という事態を極力回避すべきである。すなわち、ユーザが予約した乗車日時が到来すると、オプション条件を満たすか否かにかかわらず、いずれかの車両を配車することが強く望まれる。
【0140】
そこで、配車処理部411は、探車時間をより長くとって、オプション条件を満たすタクシーを探索するようにしてもよい。通常の配車依頼であれば、1~2分程度で依頼元のユーザを配車可能な範囲で探車する。これに対し、5分以上、例えば10分間探車することによって、より多くの台数の配車候補のタクシーを探索することができる。
【0141】
また、配車処理部411は、予約注文された配車依頼に対しては、指定された乗車日時からより長い時間前から、例えば10分前から探車を開始して、より多くの台数の配車候補のタクシーを探索する。また、配車処理部411は、与えられた探車時間の前半ではオプション条件を課して探車するが、オプション条件を満たす車両を発見できなかった場合には、探車時間の後半ではオプション条件を解除して探車して、探車失敗という事態を極力回避し、最低限のサービス品質を保証するように努める。
【0142】
図19には、配車処理部411による予約配車の注文に対する配車処理動作の遷移を模式的に示している。ここでは、与えられた探車時間を最大10分とする。
【0143】
配車処理部411は、与えられた探車時間10分のうち前半5分間では、オプション条件を課して探車する。配車処理部411において探車中に、ユーザ端末101側では、探車に課したオプション条件を画面表示するようにしてもよい。そして、配車処理部411は、所定圏内でオプション条件を満たす車両を発見できたなら、配車処理部411は、端末対応サーバ420経由で注文元のユーザ端末101に配車するタクシーの車両情報などを通知して、配車処理を終了する。
【0144】
一方、探車時間10分のうち前半の5分間でオプション条件を満たす車両を発見できなかった場合には、配車処理部411は、探車時間の後半5分間では、オプション条件を解除して改めて所定圏内で探車を開始する。ユーザが注文時の複数のオプション条件を指定している場合には、探車時間の後半5分間で、すべてのオプション条件を解除するのではなく、一部のオプション条件のみを解除するようにしてもよい。ユーザがオプション条件毎に優先順位を指定している場合には、優先順位に従って複数のオプション条件を段階的に解除していくようにしてもよい。
【0145】
なお、配車処理部411は、探車中に、端末対応サーバ420経由で注文元のユーザ端末101に、オプション条件を解除することや解除したオプション条件を通知するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末101は、探車中に、注文時に指定したオプション条件が解除されたことや解除されたオプション条件(又は、適用されているオプション条件)を画面に表示して、ユーザに提示するようにしてもよい。
【0146】
また、配車処理部411は、探車に成功し、配車が確定したタクシーの情報を通知する際には、探車時に適用したオプション条件やオプションを解除して探車されたタクシーであることなどの情報を含めて通知し、ユーザ端末101は探車時に適用したオプション条件やオプションを解除して探車されたタクシーであることなどの情報を併せて提示するようにしてもよい。
【0147】
後半5分間でも所定圏内で配車可能な車両を発見できなかった場合には、配車処理部411は、探車失敗として配車処理を終了する。また、配車処理部411は、端末対応サーバ420経由で注文元のユーザ端末101に、探車に失敗したこと(又は、残りの探車時間ではオプション条件を外して探車すること)を通知する。探車失敗通知は、失敗した注文に対する代替手段に関する情報を含んでいてもよい。また、ユーザ端末101は、「いますぐ呼ぶ」ボタンをタップして「即時配車」モード(配車依頼)に切り替えるか、又はコールセンターに直接電話してタクシーを注文するといった、代替手段をユーザに提示するようにしてもよい。
【0148】
最大の探車時間が長い場合には、ユーザは探索時間が満了するまで待ちきれない場合がある。例えば、ユーザ端末101には配車の通知が届かないが、目の前を空車のタクシーが何台も通過している場合や、辛抱できず他のタクシー配車サービスを利用したくなった場合、タクシーの利用自体を諦めた場合などである。このような場合のために、タクシー配車アプリ及び配車システム100は注文のキャンセル機能を備えていてもよい。注文がキャンセルされると、配車処理部411は、該当する探車処理をキャンセルする。なお、キャンセル機能が乱用又は悪用されるのを防止するために、キャンセル料などのペナルティを課す、キャンセル機能の利用をプレミアム会員のみに限定するといった対策を講じるようにしてもよい。
【0149】
配車処理部411は、探車に成功又は失敗したときなど、配車依頼の処理が完了したときに、探車の結果(成功又は失敗したか、注文がキャンセルされたか)、探車に適用したオプション条件、探車に要した時間などの履歴情報を履歴情報管理部414に保存する。
【0150】
ここで、探車時間についても説明しておく。上記では、最大の探車時間を10分間として説明したが、最大の探車時間は、配車システム100又は基本配車管理サーバ410において設定される固定値であってもよいし、変更可能な可変値であってもよい。
【0151】
配車処理部411は、例えば、配車方法(即時配車か予約配車かなど)や依頼元ユーザの種別(一般会員かプレミアム会員か)によって異なる最大の探車時間を割り当てるようにしてもよい。また、配車処理部411は、配車日時における天候、配車場所、配車場所の周囲のイベントの開催、探車する圏内の空車台数(タクシーのつかまり易さ)に応じて、動的及び適応的に最大の探車時間を調整するようにしてもよい。
【0152】
また、ユーザが会員登録時や注文時に最大の探車時間を指定できるようにしてもよい。長い探車時間を指定する場合には、課金制にしてもよい。例えば、2分間までは無料とし、2分間より長い最大探車時間を指定する場合には、○分毎の×円追加など従量課金制にしてもよい。
【0153】
C-4.詳細な処理シーケンス
上記C-1項では、図6を参照しながら、予約配車時の概略的な処理シーケンスについて説明した。このC-4項では、上記C-3項で説明した探車ロジック(探車時間の後半ではオプション条件を外して探車するロジック)を採用した場合の、詳細な処理シーケンスについて、図20及び図21を参照しながら説明する。
【0154】
ユーザ端末101上でタクシー配車アプリが「予約配車」モードに遷移すると、予約管理サーバ430に対して注文枠を要求する(ステップS2001)。これに対し、予約管理サーバ430は、ユーザ端末101に、予約可能な範囲で注文可能な枠数を返却する(ステップS2002)。注文枠は、予約可能な範囲(例えば1週間先まで)で、所定時間間隔(例えば5分刻み)で設定される。そして、ユーザ端末101は、直近の所定個数(図12に示した例では5個)の各注文枠に対応する乗車日時選択ボタンと「日時を指定」ボタンを配置した予約注文画面を表示する(ステップS2003)。
【0155】
ユーザは、ユーザ端末101に画面表示された予約注文画面上で、乗車日時を指定し(ステップS2004)、さらに必要に応じて希望車種選択(ステップS2005)、配車するタクシー会社の指定(ステップS2006)、乗務員指定(ステップS2007)などのオプション条件を指定する。そして、乗車日時を指定後に予約注文指示画面(図13を参照)に遷移して、予約注文を指示する(ステップS2008)。
【0156】
予約管理サーバ430は、ユーザ端末101から予約注文を受信すると、予約リストに登録するとともに(ステップS2009)、ユーザ端末101に予約結果を返す(ステップS2010)。そして、ユーザ端末101は、予約管理サーバ430から受け取った予約結果を画面に表示して、予約注文を完了する。
【0157】
図20中のステップS2001~S2010は、図6に示した処理シーケンス上のステップS601~S604に対応する。
【0158】
予約管理サーバ430は、予約リスト中の予約注文が予約時刻から所定時間前(例えば10分前)になると、注文元のユーザ端末101に代って、端末対応サーバ420に対して配車依頼を発行する(ステップS2012)。端末対応サーバ420は、予約管理サーバ430から配車依頼を受信すると、受付処理して、注文元のユーザ又はユーザ端末101のアカウント情報の認証や、受信した配車依頼の情報の注文情報蓄積部423への格納などの処理を行う。そして、端末対応サーバ420は、基本配車管理サーバ410に対して配車依頼を送信する(ステップS2013)。図20中のステップS2011~S2013は、図6に示した処理シーケンス上のステップS605~S607に対応する。
【0159】
基本配車管理サーバ410は、端末対応サーバ420から配車依頼を受信すると、受付処理して、例えば履歴情報管理部414に注文情報を格納する。そして、基本配車管理サーバ410は、配車処理部411は、受け取った配車依頼に対して、配車場所から所定圏内(半径2km以内など)で、空車の車両を探車する(ステップS2014)。また、受け取った配車依頼に、車両や乗務員、タクシー会社などに関する条件が指定されている場合には、基本配車管理サーバ410は、指定された条件でさらにフィルタリングして探車する。そして、基本配車管理サーバ410は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対して配車指示を送信する(ステップS2015)。その際、基本配車管理サーバ410は、配車場所から所定圏内で条件に合致する車両に対し一斉に配車指示を送信するようにしてもよいし、配車場所から近い順に配車指示を送信するようにしてもよい。
【0160】
ドライバーズアプリを起動している乗務員端末102の画面には、配車依頼に関する情報を提示するための依頼情報画面が表示されている。乗務員端末102は、基本配車管理サーバ410から配車指示を受信すると、配車指示があったことを依頼情報画面上で通知する(ステップS2016)。また、車両を運転中の乗務員が気づき易くするために、鳴動により配車指示を通知するようにしてもよい。乗務員は、依頼情報画面上で配車指示の内容を確認して、配車可能であれば、依頼情報画面上で了解ボタンを押すなどして、配車応答する(ステップS2017)。
【0161】
基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102からの配車応答を待機する(ステップS2018)。そして、乗務員端末102から配車応答を受け取ることができた場合には(ステップS2018のYes)、乗務員端末102に対して、お客様名やお客様住所などの迎車に必要な情報をさらに送信する(ステップS2019)。乗務員端末102は、基本配車管理サーバ410から受信したお客様名やお客様住所などの情報を依頼情報画面に表示して、迎車に対応した処理を開始する(S2020)。カーナビゲーションを利用する場合には、乗務員端末102は配車場所までのナビゲーションを開始する。
【0162】
また、基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から配車応答を受信すると(ステップ2018のYes)、端末対応サーバ420に対して、配車が確定したタクシーの情報、例えば車両情報(会社名、無線番号、ナンバープレート、車種、車色など)や乗務員の情報(名前や簡単なプロフィール、サムネイル画像など)を送信する(ステップS2021)。そして、端末対応サーバ420は、基本配車管理サーバ410から受け取ったタクシーの情報を、さらにユーザ端末101に伝達する(ステップS2022)。ユーザ端末101は、基本配車管理サーバ410から受信した配車が確定したタクシーの情報を画面に表示する(ステップS2023)。
【0163】
基本配車管理サーバ410は、ステップS2021において、探車時に適用したオプション条件やオプションを解除して探車されたタクシーであることなどの情報を含めて通知するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末101は、ステップS2023において、探車時に適用したオプション条件やオプションを解除して探車されたタクシーであることなどの情報を併せて画面に表示するようにしてもよい。
【0164】
乗務員端末102は、迎車中すなわち配車場所に到着するまでの間は、迎車に対応した処理として、所定時間間隔(数秒~数十秒)で当該車両の位置情報を繰り返し基本配車管理サーバ410に伝達する(ステップS2024)。基本配車管理サーバ410は、乗務員端末102から受信した車両の位置情報を端末対応サーバ420に伝達し(ステップS2025)、端末対応サーバ420はさらに依頼元のユーザ端末101に伝達する(ステップS2026)。そして、ユーザ端末101は、車両の位置情報を受信する度に、画面上で迎車中のタクシーの位置情報を更新する(ステップS2027)。
【0165】
基本配車管理サーバ410は、最大の探車時間(例えば10分間)が経過するまで、乗務員端末102からの配車応答を待機する(ステップS2018)。このとき、最大の探車時間のうち所定時間(例えば、前半の5分間)が経過するまでは(ステップS2028のNo)、配車依頼で指定されたオプション条件を課したまま、探車を継続する。
【0166】
そして、基本配車管理サーバ410は、配車応答が得られないまま(ステップS2018のNo)、オプション条件を課して探車を継続して、所定時間(例えば、前半の5分間)が経過すると(ステップS2028のYes)、探車時間が終了するまでの期間(すなわち、探車時間の後半の5分間)は(ステップS2029のNo)、オプション条件を外して(ステップS2030)、探車を継続する。このとき、基本配車管理サーバ410は、オプション条件を外して探車することを、端末対応サーバ420経由で、予約注文元のユーザ端末101に通知するようにしてもよい。また、ユーザ端末101は、基本配車管理サーバ410からの通知に基づいて、探車中に適用されているオプション条件の情報を画面に表示するようにしてもよい。
【0167】
その後、配車応答が得られないまま(ステップS2018のNo)、探車時間が終了してしまうと(ステップS2029のYes)、予約注文に対し、探車に失敗したという結果になる。この場合、基本配車管理サーバ410は、端末対応サーバ420に対して探車失敗通知を送信する(ステップS2031)。そして、端末対応サーバ420は、基本配車管理サーバ410から受け取った探車失敗通知を、さらにユーザ端末101に伝達する(ステップS2032)。ユーザ端末101は、探車失敗通知を画面に表示する(ステップS2033)。探車失敗通知は、予約配車の代替手段に関する情報を含んでいてもよい。また、ユーザ端末101は、「いますぐ呼ぶ」ボタンをタップして「即時配車」モード(配車依頼)に切り替えるか、又はコールセンターに直接電話してタクシーを注文するといった、代替手段をユーザに提示するようにしてもよい。
【0168】
なお、基本配車管理サーバ410において探車を継続している最中、すなわち探車時間が終了する前に、注文元のユーザ端末101から予約注文のキャンセルを受け取ることもある。この場合、基本配車管理サーバ410は、探車時間内に探車に失敗したときと同様に、探車失敗の通知を行うようにしてもよい。
【0169】
また、基本配車管理サーバ410は、探車に成功又は失敗したときなど、予約配車の注文に対する処理が完了したときに、探車の結果(成功又は失敗したか、注文がキャンセルされたか)、探車に適用したオプション条件、探車に要した時間などの履歴情報を履歴情報管理部414に保存する。
【0170】
図21中のステップS2014~S2033は、図6に示した処理シーケンス上のステップS609~S622に対応する。特に、図6中のステップS609の基本配車管理サーバ410における「探車」処理は、図21中のステップS2014~S2018、及びS2028~S2031に対応する。
【0171】
D.装置構成
図22には、配車管理装置103に適用される情報処理装置2000の構成例を示している。情報処理装置2000は、基本配車管理サーバ410、端末対応サーバ420、予約管理サーバ430のサーバ機能毎に1台の情報処理装置2000を適用するようにしてもよい。あるいは、1台の情報処理装置2000が2以上のサーバ機能を実現するようにすることもできる。あるいは、1台の情報処理装置2000が1つのサーバ機能のうちの1つの機能モジュール(例えば、基本配車管理サーバ410内の配所処理部411)を実現するようにしてもよい。
【0172】
図22に示す情報処理装置2000は、CPU2001と、ROM2002と、RAM2003と、ホストバス2004と、ブリッジ2005と、拡張バス2006と、インターフェース部2007と、入力部2008と、出力部2009と、ストレージ部2010と、ドライブ2011と、通信部2013を含んでいる。
【0173】
CPU2001は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置2000の動作全般を制御する。ROM2002は、CPU2001が使用するプログラム(基本入出力システムなど)や演算パラメータを不揮発的に格納している。RAM2003は、CPU2001の実行において使用するプログラムをロードしたり、プログラム実行において適宜変化する作業データなどのパラメータを一時的に格納したりするのに使用される。RAM2003にロードしてCPU2001において実行するプログラムは、例えば各種アプリケーションプログラムやOSなどである。
【0174】
CPU2001とROM2002とRAM2003は、CPUバスなどから構成されるホストバス2004により相互に接続されている。そして、CPU2001は、ROM2002及びRAM2003の協働的な動作により、OSが提供する実行環境下で各種アプリケーションプログラムを実行して、さまざまな機能やサービスを実現することができる。また、アプリケーションプログラムには、基本配車管理サーバ410、端末対応サーバ420、予約管理サーバ430のうちいずれかのサーバ機能を実現するサーバアプリケーション、又はサーバ機能の一部を実現するアプリケーションが含まれるものとする。
【0175】
ホストバス2004は、ブリッジ2005を介して拡張バス2006に接続されている。拡張バス2006は、例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)バス又はPCI Expressであり、ブリッジ2005はPCI規格に基づく。但し、情報処理装置2000がホストバス2004、ブリッジ2005及び拡張バス2006によって回路コンポーネントを分離される構成する必要はなく、単一のバス(図示しない)によってほぼすべての回路コンポーネントが相互接続される実装であってもよい。
【0176】
インターフェース部2007は、拡張バス2006の規格に則って、入力部2008、出力部2009、ストレージ部2010、ドライブ2011、及び通信部2013といった周辺装置を接続する。但し、図22に示す周辺装置がすべて必須であるとは限らず、また図示しない周辺装置を情報処理装置2000がさらに含んでもよい。また、周辺装置は情報処理装置2000の本体に内蔵されていてもよいし、一部の周辺装置は情報処理装置2000本体に外付け接続されていてもよい。
【0177】
入力部2008は、ユーザからの入力に基づいて入力信号を生成し、CPU2001に出力する入力制御回路などから構成される。情報処理装置2000がパーソナルコンピュータの場合、入力部2008は、キーボードやマウス、タッチパネルを含んでもよく、さらにカメラやマイクを含んでもよい。また、出力部2009は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、有機ELディスプレイ装置、及びLED(Light Emitting Diode)などの表示装置や、プリンタ、スピーカなどを含む。
【0178】
ストレージ部2010は、CPU2001で実行されるプログラム(アプリケーション、OSなど)や各種データなどのファイルを格納する。ストレージ部2010が格納するデータとして、ニューラルネットワークのトレーニングのための通常の音声及びささやき声のコーパス(前述)を含んでもよい。ストレージ部2010は、例えば、SSDやHDDなどの大容量記憶装置で構成されるが、外付けの記憶装置を含んでもよい。
【0179】
リムーバブル記憶媒体2012は、例えばmicroSDカードのようなカートリッジ式で構成される記憶媒体である。ドライブ2011は、装填したリムーバブル記憶媒体113に対して読み出し及び書き込み動作を行う。ドライブ2011は、リムーバブル記録媒体2012から読み出したデータをRAM2003やストレージ部2010に出力したり、RAM2003やストレージ部2010上のデータをリムーバブル記録媒体2012に書き込んだりする。
【0180】
通信部2013は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)や4Gや5Gなどのセルラー通信網などの無線通信を行うデバイスである。また、通信部2013は、USB(Universal Serial Bus)やHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)などの端子を備え、スキャナやプリンタなどのUSBデバイスやディスプレイなどとのHDMI(登録商標)通信を行う機能をさらに備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0181】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本開示について詳細に説明してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0182】
本明細書では、本開示をタクシーの配車管理に適用した実施形態を中心に説明してきたが、本開示の要旨はこれに限定されるものではない。本開示は、カーシェア又はレンタカー、引越や軽貨物の運送業者における配車管理にも同様に適用することができる。また、本開示は、車両以外のさまざまな物品及び商品の在庫管理にも適用することができる。
【0183】
要するに、例示という形態により本開示について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【0184】
なお、本開示は、以下のような構成をとることも可能である。
【0185】
(1)配車に関する注文を処理する情報処理システムであって、
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車部と、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更部を含み、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する配車処理部を備える、情報処理システム。
【0186】
(2)前記条件変更部は、前記探車時間内で前記探車部が車両を発見できるように、前記検索条件の変更を行う、
上記(1)に記載の情報処理システム。
【0187】
(3)前記条件変更部は、探車を開始して所定期間内に前記検索条件付きで前記探車部が車両を発見できないときに、前記検索条件の変更を行い、
前記探車部は、探車を開始して所定期間経過後から前記探車時間の終了までの期間は、前記条件変更部により変更した後の検索条件に基づいて車両検索を継続する、
上記(1)又は(2)のいずれかに記載の情報処理システム。
【0188】
(4)前記条件変更部は、前記検索条件の変更として、検索条件の除外、又は複数の検索条件のうち少なくとも一部の除外を行う、
上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0189】
(5)前記検索条件は、前記注文に含まれる、
上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0190】
(6)前記検索条件は、希望車種、車両を配車する会社、車両の乗務員のうち少なくとも1つに関する条件を含む、
上記(1)乃至(5)のいずれか1つの記載の情報処理システム。
【0191】
(7)前記検索条件は複数の条件を含み、且つ各条件の優先順位が指定されており、
前記条件変更部は、優先順位に基づいて、時間の経過に応じた前記検索条件の変更を行う、
上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0192】
(8)前記探車時間を設定する探車時間設定部をさらに備える、
上記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0193】
(9)前記探車時間設定部は、配車方法、注文者の種別、注文者の指定、配車日時における天候、配車場所、配車場所の周囲のイベントの開催、又は前記所定圏内の空車台数(車両の検索し易さ)のうち少なくともいずれか1つに基づいて、前記探車時間を設定する、
上記(8)に記載の情報処理システム。
【0194】
(10)前記探車時間設定部は、注文者が指定する探車時間の長さに応じた課金を行う、
上記(9)に記載の情報処理システム。
【0195】
(11)車両検索の経過に関する情報又は車両検索の結果に関する情報のうち少なくとも一方を外部に通知する通知部をさらに備える、
上記(1)乃至(10)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0196】
(12)前記通知部は、前記探車部が車両検索中に、前記条件変更部が変更した前記検索条件に関する情報を通知する、
上記(11)に記載の情報処理システム。
【0197】
(13)前記通知部は、配車することが決まった車両の情報とともに、前記条件変更部による前記検索条件の変更の有無又は変更した前記検索条件に関する情報を通知する、
上記(11)又は(12)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0198】
(14)前記通知部は、前記探車部が車両検索中に、前記所定圏内で前記検索条件に合致する車両に関する情報を通知する、
上記(11)乃至(13)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0199】
(15)前記通知部は、前記探車部による探車失敗を、代替手段に関する情報を含めて通知する、
上記(11)乃至(14)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0200】
(16)前記配車処理部は、前記探車部による車両検索を継続中に前記注文がキャンセルされたことに応じて、車両検索を終了させる、
上記(1)乃至(15)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0201】
(17)前記配車処理部は、前記注文に対する処理が完了したときに、探車の結果(成功又は失敗したか、注文がキャンセルされたか)、探車に適用した条件、探車に要した時間のうち少なくとも1つを含む履歴情報を保存する、
上記(1)乃至(16)のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0202】
(18)配車に関する注文を処理する情報方法であって、
所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車ステップと、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更ステップを有し、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する、情報処理方法。
【0203】
(19)所定圏内で検索条件を満たす車両を検索する探車部と、時間の経過に応じて前記検索条件を変更する条件変更部を含み、所定の探車時間内で時間の経過に応じて変更した検索条件で車両の検索を継続する配車処理部としてコンピュータが機能するように、コンピュータ可読形式で記述されたコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0204】
100…配車システム、101…ユーザ端末、102…乗務員端末
103…配車管理装置
210…通信部、220…記憶部、230…制御部
231…配車要求部、232…通知取得部、233…表示制御部
240…表示部、250…操作部、260…位置検出部
310…通信部、320…記憶部、330…制御部
331…情報取得部、332…表示制御部
340…表示部、350…操作部、360…位置検出部
410…基本配車管理サーバ、411…配車処理部
412…変更通知処理部、413…決済処理部
414…履歴情報管理部、415…マスタ登録情報管理部
420…端末対応サーバ、421…配車依頼処理部
422…アカウント管理部、423…注文情報蓄積部
424…アカウント情報蓄積部
430…予約管理サーバ、431…注文受付処理部
432…配車依頼発行部、433…予約注文情報蓄積部
440…決済代行システム、441…決済処理部
442…決済情報蓄積部、443…管理画面(コンソール)
450…運行管理システム、451…管理画面(コンソール)
2000…情報処理装置、2001…CPU、2002…ROM
2003…RAM、2004…ホストバス、2005…ブリッジ
2006…拡張バス、2007…インターフェース部
2008…入力部、、2009…出力部、2010…ストレージ部
2011…ドライブ、2012…リムーバブル記録媒体
2013…通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図17
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図19
図20
図21
図22