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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178561
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20231211BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20231211BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
B41J29/00 T
B41J29/13
H04N1/00 519
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091313
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 崇宏
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061BB02
2C061BB10
2C061BB21
2C061CD07
2C061CD09
2C061CD14
2C061CD28
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ07
2C061CQ24
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB32
5C062AB35
5C062AD02
5C062AD05
5C062AD06
(57)【要約】
【課題】装置の小型化を図りつつ、筐体の前方から搬送路の排出口に容易にアクセスできる。
【解決手段】画像記録装置10は、前面に開口する内部空間を有する筐体21と、排出口36が上記内部空間に通じており、シート6が搬送される搬送路51と、操作面112を含む操作部113を有しており、開口22に位置する操作パネル110と、を備える。操作パネル110は、筐体21の前方から前後方向8に沿って視たときに、排出口36を隠す第1位置と、操作面112が前方斜め上向きとなる第2位置と、上記第2位置よりも操作面112が上方に位置する第3位置と、に移動可能である。上記第3位置の操作パネル110の下端110Aは、筐体21の前方から前後方向8に沿って視たときに、排出口36よりも上方に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口する内部空間を有する筐体と、
排出口が上記内部空間に通じており、シートが搬送される搬送路と、
操作面を含む操作部を有しており、上記開口に位置する操作パネルと、を備えており、
上記操作パネルは、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口を隠す第1位置と、上記操作面が前方斜め上向きとなる第2位置と、上記第2位置よりも上記操作面が上方に位置する第3位置と、に移動可能であり、
上記第3位置の上記操作パネルの下端は、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口よりも上方に位置する画像記録装置。
【請求項2】
上記操作パネルの後方に位置する内カバーを更に備えており、
上記内カバーは、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口を隠す第4位置と、上記排出口を隠さない第5位置と、に移動可能である請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記内カバーは、第1手掛け部を有しており、
上記第1手掛け部は、上記操作パネルが上記第3位置にある状態において、外部に露出する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記第1手掛け部は、上記第3位置の上記操作パネルの下端よりも下方に位置しており、上記第2位置の上記操作パネルの下端よりも上方に位置する請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記第2位置の上記操作パネルは、上記内カバーの上記第4位置と上記第5位置との移動軌跡にあり、
上記第3位置の上記操作パネルは、上記移動軌跡にない請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項6】
上記操作パネルは、上記前後方向と交差する左右方向に延びる第1回動軸周りに回動可能であり、
上記内カバーは、上記第1回動軸と平行であって上記第1回動軸よりも下方に位置する第2回動軸周りに上端側が前方かつ下方へ移動する向きへ回動可能である請求項2から5のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項7】
上記内カバーは、上下方向に延びる第3回動軸周りに回動可能である請求項2から5のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項8】
上記操作パネルは、上記前後方向と交差する左右方向に延びる第1回動軸周りに回動可能であり、
上記内カバーは、上記第1回動軸と平行であって上記第1回動軸よりも下方に位置する第4回動軸周りに下端が前方かつ上方に移動するように回動可能であり、
上記内カバーは、上記第1位置の上記操作パネルの下端よりも下方に位置する第2手掛け部を有する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項9】
上記操作パネルは、後方へ突出する第1凸部を有しており、
上記内カバーは、前方へ突出する第2凸部を有しており、
上記内カバーが上記第4位置にある状態において、上記操作パネルが上記第2位置から上記第3位置に向けて移動すると、上記第1凸部が上記第2凸部に後方から当接して、上記内カバーが上記第4位置から上記第5位置へ移動する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項10】
上記内カバーを上記第4位置に保持するロック機構を更に備えており、
上記ロック機構は、上記第1凸部が上記第2凸部に当接することに連動してロックを解除する請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
上記内カバーは、上記筐体に着脱可能に取り付けられており、上記筐体との着脱によって上記第4位置と上記第5位置とに移動する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項12】
上記操作パネルは、後方へ延びる壁を有しており、
上記操作パネルが上記第2位置にある状態において、上記壁は、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口を隠す請求項1に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートに画像を記録する画像記録装置としては、例えば、特許文献1に記載されたプリント装置が知られている。特許文献1のプリント装置は、筐体の前方側に設けられた蓋部と、水平に対して前方に僅かに傾斜した操作部と、を備える。蓋部は、2カ所のヒンジで前方に回動可能である。操作部は、平行リンク機構により平行を保ちながら上方且つ後方に移動可能である。
【0003】
上記プリント装置では、最初に蓋部を前方に回動し、次いで、操作部を上方且つ後方に移動させる。これにより、筐体の前方から筐体内にアクセス可能となり、筐体内のメンテナンスを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-53760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記プリント装置では、筐体の前方から筐体内にアクセスするため、操作部および蓋部の両方をアクセス経路から移動させる必要がある。そのため、筐体内にアクセスするための作業工数が多くなったり、操作部および蓋部を移動させるためのヒンジやリンク機構などの部品も多くなったりするという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、装置の小型化を図りつつ、筐体の前方から搬送路の排出口に容易にアクセスできる画像記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る画像記録装置は、前面に開口する内部空間を有する筐体と、排出口が上記内部空間に通じており、シートが搬送される搬送路と、操作面を含む操作部を有しており、上記開口に位置する操作パネルと、を備えている。上記操作パネルは、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口を隠す第1位置と、上記操作面が前方斜め上向きとなる第2位置と、上記第2位置よりも上記操作面が上方に位置する第3位置と、に移動可能である。上記第3位置の上記操作パネルの下端は、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口よりも上方に位置する。
【0008】
操作パネルは、操作面が斜め前方上向きとなる第2位置に移動可能であるので、ユーザは、筐体の前方から操作部を操作しやすい。操作パネルを第3位置に移動させるだけで、搬送路の排出口が開口を通して外部に露出するので、ヒンジやリンク機構などの部品が少なく済み、装置を小型化できるとともに、筐体の前方から開口を通して搬送路の排出口に容易にアクセスできる。
【0009】
(2)上記画像記録装置は、上記操作パネルの後方に位置する内カバーを更に備えてもよい。上記内カバーは、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口を隠す第4位置と、上記排出口を隠さない第5位置と、に移動可能であってもよい。
【0010】
例えば、シートの搬送時にユーザが開口を通して搬送路の排出口にアクセスしたり、砂塵が開口を通して搬送路の排出口に侵入したりすることが第4位置の内カバーによって抑制することができる。例えば、操作パネルを第3位置に移動させた後、内カバーを第4位置から第5位置に移動させることにより、開口を通して搬送路の排出口を外部に露出させることができる。
【0011】
(3)上記内カバーは、第1手掛け部を有してもよい。上記第1手掛け部は、上記操作パネルが上記第3位置にある状態において、外部に露出してもよい。
【0012】
操作パネルが第3位置に位置する状態において、内カバーを第4位置から第5位置に移動させやすくなる。
【0013】
(4)上記第1手掛け部は、上記第3位置の上記操作パネルの下端よりも下方に位置しており、上記第2位置の上記操作パネルの下端よりも上方に位置してもよい。
【0014】
操作パネルが第3位置に位置する状態では第1手掛け部が視認しやすくなるので、内カバーを第4位置から第5位置に移動させることが容易になる。一方、操作パネルが第2位置に位置する状態では第1手掛け部が視認しにくくなるので、例えば、シートの搬送時にユーザが内カバーを第4位置から第5位置に移動させることが抑制される。
【0015】
(5)上記第2位置の上記操作パネルは、上記内カバーの上記第4位置と上記第5位置との移動軌跡にあってもよい。上記第3位置の上記操作パネルは、上記移動軌跡になくてもよい。
【0016】
操作パネルが第2位置に位置する状態では、例えば、シートの搬送時にユーザが内カバーを第4位置から第5位置に移動させることがより抑制される。一方、操作パネルが第3位置に位置する状態では、内カバーを第4位置から第5位置に移動させることがより容易になる。
【0017】
(6)上記操作パネルは、上記前後方向と交差する左右方向に延びる第1回動軸周りに回動可能であってもよい。上記内カバーは、上記第1回動軸と平行であって上記第1回動軸よりも下方に位置する第2回動軸周りに上端側が前方かつ下方へ移動する向きへ回動可能であってもよい。
【0018】
操作パネルを第3位置に移動させない限り、内カバーを第4位置から第5位置に移動させることが困難になる構造を設計しやすくなる。
【0019】
(7)上記内カバーは、上下方向に延びる第3回動軸周りに回動可能であってもよい。
【0020】
第5位置の内カバーが目立ちやすくなるので、内カバーの閉め忘れを抑制することができる。
【0021】
(8)上記操作パネルは、上記前後方向と交差する左右方向に延びる第1回動軸周りに回動可能であってもよい。上記内カバーは、上記第1回動軸と平行であって上記第1回動軸よりも下方に位置する第4回動軸周りに下端が前方かつ上方に移動するように回動可能であってもよい。上記内カバーは、上記第1位置の上記操作パネルの下端よりも下方に位置する第2手掛け部を有してもよい。
【0022】
ユーザは、第2手掛け部を持って内カバーを第4位置から第5位置まで回動させると、操作パネルが内カバーに押されることによって第3位置に回動する。このため、1回の回動操作で、開口を通して搬送路の排出口を外部へ露出させることができるので、開口を通して搬送路の排出口の露出作業が簡単になる。
【0023】
(9)上記操作パネルは、後方へ突出する第1凸部を有してもよい。上記内カバーは、前方へ突出する第2凸部を有してもよい。上記内カバーが上記第4位置にある状態において、上記操作パネルが上記第2位置から上記第3位置に向けて移動すると、上記第1凸部が上記第2凸部に前方から当接して、上記内カバーが上記第4位置から上記第5位置へ移動してもよい。
【0024】
操作パネルの移動に連動して、内カバーが第4位置から第5位置に向けて移動するので、開口を通して搬送路の排出口を外部へ露出させる作業が簡単になる。
【0025】
(10)上記画像記録装置は、上記内カバーを上記第4位置に保持するロック機構を更に備えてもよい。上記ロック機構は、上記第1凸部が上記第2凸部に当接することに連動してロックを解除してもよい。
【0026】
ユーザが内カバーを誤って第4位置から第5位置へ移動させることが抑制される。操作パネルの移動に連動して、内カバーのロックが解除されるので、開口を通して搬送路の排出口を外部へ露出させる作業が簡単になる。
【0027】
(11)上記内カバーは、上記筐体に着脱可能に取り付けられており、上記筐体との着脱によって上記第4位置と上記第5位置とに移動してもよい。
【0028】
筐体の前方から開口を通して搬送路の排出口にアクセスしやすくなる。
【0029】
(12)上記操作パネルは、後方へ延びる壁を有してもよい。上記操作パネルが上記第2位置にある状態において、上記壁は、上記筐体の前方から前後方向に沿って視たときに、上記排出口を隠してもよい。
[作用効果]
例えば、シートの搬送時にユーザが開口を通して搬送路の排出口にアクセスすることが第2位置の壁によって抑制される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、装置の小型化を図りつつ、筐体の前方から搬送路の排出口に容易にアクセスできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、第1実施形態の複合機10の外観斜視図である。
図2図2は、第1実施形態のプリンタ部11の内部構成を模式的に示す縦断面図である。
図3図3は、第1実施形態の操作パネル110の操作位置においてリブ115が排出口36を隠している状態を示す図である。
図4図4は、第1実施形態の操作パネル110が開放位置において排出口36を露出させた状態を示す図である。
図5図5は、第2実施形態のプリンタ部11の内部構成を模式的に示す縦断面図である。
図6図6は、第2実施形態の内カバー210が排出口36を隠している状態を示す図である。
図7図7は、第2実施形態の内カバー210が排出口36を露出させた状態を示す図である。
図8図8は、第2実施形態の操作パネル110および内カバー210の操作方法を示す図である。
図9図9は、第3実施形態の内カバー210の左内カバー210Aおよび右内カバー210Bの開き方を示す図である。
図10図10は、第4実施形態のプリンタ部11の内部構成を模式的に示す縦断面図である。
図11図11は、第5実施形態のプリンタ部11の内部構成を模式的に示す縦断面図である。
図12図12は、図11のロック機構218を含む周辺の拡大図である。
図13図13は、変形例の内カバー210が第2回動軸Bから取り外された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について説明がされる。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲において実施形態が適宜変更されてもよい。以下の説明においては、図1に示されるように、複合機10を使用可能に設置した状態を基準として上下方向7が定義されている。また、操作パネル110が設けられた側を複合機10の前面(正面)として前後方向8が定義されている。また、複合機10を前面側から見て左右方向9が定義されている。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は、互いに直交している。
【0033】
[複合機10の概要]
図1図2に示されるように、複合機10(画像記録装置の一例)は、下部に設けられたプリンタ部11と上部に設けられたスキャナ部12とを備えている。複合機10は、プリント、スキャン、コピー、及び外部機器との無線通信などの機能を有している。スキャナ部12は、記録用紙などの原稿に記録された画像をイメージセンサ(不図示)によって読み取って画像データを取得する。スキャナ部12は、所謂フラットベッドスキャナとして構成されているが、ここでは、スキャナ部12の内部構成の詳細な説明は省略される。
【0034】
複合機10は、概ね直方体形状の外観の筐体21を備えている。筐体21は、直方体形状の前側を構成する前壁33を有する。前壁33の前面33Aには、筐体21の内部空間を外部へ前向きに開放する開口22が形成されている。開口22は、前壁33の左右方向9の中間に位置している。開口22は、上下方向7よりも左右方向9に長い矩形状である。開口22は、前壁33の上部から下端に至っている。開口22の位置に操作パネル110が配置されている。操作パネル110の詳細については後述する。
【0035】
筐体21の内部空間には、プリンタ部11とスキャナ部12とを上下方向7に仕切る仕切壁34が形成されている。仕切壁34は、前後方向8および左右方向9に拡がる平板状である。
【0036】
前壁33の後面から後向きに延びる一対のサイドフレーム35,35が形成されている。一対のサイドフレーム35,35の前端は、前壁33の後面において開口22の左右方向9の両端に沿う位置に連結されている。一対のサイドフレーム35,35は、前後方向8および上下方向7に拡がる平板状である。一対のサイドフレーム35,35は、仕切壁34の下端から筐体21の下端まで上下方向7に延びている。
【0037】
プリンタ部11は、給紙カセット30、給送部40、搬送部50、及び記録部60などを備えており、これらは、筐体21の内部空間における一対のサイドフレーム35,35の間に配置されている。
【0038】
[給紙カセット30]
給紙カセット30は、画像記録前のシート6を保持するメイントレイ31と、画像記録後のシート6を保持する排紙トレイ32と、を備えている。給紙カセット30は、筐体21の内部空間の下部であって一対のサイドフレーム35,35の間に配置されている。給紙カセット30は、開口22を通じて挿入及び脱抜可能である。排紙トレイ32は、メイントレイ31の上部に位置している。
【0039】
[給送部40]
給送部40は、一対のサイドフレーム35,35に回転可能に支持された支軸41と、支軸41に一端部が回動可能に支持されたアーム42と、アーム42の他端部に回転可能に支持された給送ローラ43とを備えている。アーム42には、支軸41の回転を給送ローラ43に伝達する複数個のギヤ44が設けられている。支軸41が不図示の駆動モータにより回転されると、給送ローラ43が回転し、シート6が搬送路51へ送り出される。
【0040】
[搬送部50]
搬送部50は、搬送路51を構成するガイド部材(不図示)及びプラテンと、搬送ローラ対55と、排出ローラ対56とを備えている。搬送路51は、1点鎖線により示される湾曲路52と、2点鎖線により示される直線路53とを備えている。湾曲路52は、前後方向8におけるメイントレイ31の後端の上端を基端として上方へ向かって湾曲して延びている。直線路53は、湾曲路52の終端から前方へ向かって直線状に延びている。直線路53の終端に排出口36が形成されている。
【0041】
排出口36は、上区画壁37、下区画壁38、および筐体21によって形成されている。上区画壁37は、直線路53の終端の上方に位置している。上区画壁37は、上下方向7および左右方向9に拡がる平板状である。上区画壁37の上端は、仕切壁34の下端に連結されている。上区画壁37の左右方向9の両端は、筐体21の左右方向9の内面に連結されている。上区画壁37の下端は、排出口36の上端を規定している。下区画壁38は、直線路53の終端の下方に位置している。下区画壁38は、上下方向7および左右方向9に拡がる平板状である。下区画壁38の左右方向9の両端は、筐体21の左右方向9の内面に連結されている。下区画壁38の下端は、排紙トレイ32の上面から上方に離れている。下区画壁38の上端は、排出口36の下端を規定している。排出口36の左右方向9の両端は、筐体21の左右方向9の内面によって規定されている。
【0042】
上区画壁37、下区画壁38、一対のサイドフレーム35,35、仕切壁34、および排紙トレイ32の上面によって排紙空間37が形成されている。排紙空間37は、排出口36を通して搬送路51と連通している。排出口36を通過したシート6は、排紙空間37を落下して排紙トレイ36の上面に支持される。
【0043】
プラテン54は、直線路53の下面の一部を構成している。プラテン54上においてシート6に画像が記録される。
【0044】
搬送ローラ対55は、プラテン54の後側に配置されている。搬送ローラ対55は、不図示の駆動モータにより駆動されることにより、搬送路51にあるシート6を挟み、図2の二点鎖線の矢印に示される搬送向きへシート6を搬送する。
【0045】
排出ローラ対56は、プラテン54の前側に設けられている。排出ローラ対56は、不図示の駆動モータにより駆動されることにより、搬送路51にあるシート6を挟み、図2の二点鎖線の矢印に示される搬送向きへシート6を搬送する。
【0046】
シート6は、搬送ローラ対55及び排出ローラ対56により、プラテン54上において間欠搬送され、記録部60により画像を記録される。画像を記録されたシート6は、排出ローラ対56により、排紙トレイ32に排出される。
【0047】
[記録部60]
記録部60は、プラテン54の上側に配置されたキャリッジ61と、キャリッジ61に搭載された記録ヘッド62とを備えている。キャリッジ61は、左右方向9へ往復動可能にガイドレール(不図示)に支持されており、駆動モータ(不図示)により左右方向9へ往復動される。記録ヘッド62には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド62は、供給されたインクをインク滴としてプラテン54上のシート6へ吐出する。
【0048】
[操作パネル110]
操作パネル110は、前後方向8に薄い直方体の箱形状の筐体111と、筐体111の内部に配置されており、筐体111の前面112(操作面の一例)に設けられた開口(不図示)を通じて外部に露出した入力部113(操作部の一例)及び表示部114と、を備えている。筐体111の左右方向9の長さは、開口22の左右方向9の長さよりも僅かに短い。筐体111の上下方向7の長さは、開口22の上端に近接する位置から排紙トレイ32の上面近傍に至る長さである。筐体111の上端部は、左右方向9に沿って延びる第1回動軸Aに固定されている。第1回動軸Aは、開口22の上端近傍に位置している。第1回動軸Aの両端は、前壁33において開口22の左右方向9の両端を規定する面33aに回転可能に支持されている。
【0049】
入力部113は、キーである。このキーが押圧されることによって複合機10の動作の指示が入力される。なお、図1では、入力部113が1つのみ示されているが、入力部113が複数設けられていてもよいことは言うまでもない。また、入力部113は、キーに限らず、例えばダイヤルやレバーなどであってもよい。
【0050】
表示部114は、液晶パネルである。この液晶パネルに、画像などの複合機10に関する情報が表示される。液晶パネルは、タッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルは、表示部114としての機能と入力部113としての機能の双方を有する。
【0051】
筐体111の後面に後向きに延びるリブ115(壁の一例)が形成されている。リブ115は、筐体111の下端部に位置している。リブ115は、筐体111の左右方向9の一端から他端に亘って形成されている。リブ115の突出端は、後向きに膨らむ曲面に形成されている。
【0052】
操作パネル110は、閉塞位置(第1位置の一例)、操作位置(第2位置の一例)、および開放位置(第3位置の一例)に第1回動軸Aを中心に回動可能である。閉塞位置は、筐体111の前面112が水平面に対して直角を成す位置である。閉塞位置の操作パネル110は、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、搬送路51の排出口36を隠す。
【0053】
操作位置は、筐体111の前面112が前方斜め上向きを向く位置である。図3に示されるように、操作位置は、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、リブ115が搬送路51の排出口36を隠す位置である。本実施形態では、操作位置は、閉塞位置の操作パネル110が第1回動軸Aを中心に45度だけ回動した位置である。
【0054】
開放位置は、前面112が操作位置の前面112よりも上方に位置する位置である。本実施形態では、開放位置は、前面112が水平面と平行になる位置である。図4に示されるように、開放位置の操作パネル110の下端110A(リブ115の下端)は、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、排出口36よりも上方に位置する。これにより、操作パネル110が開放位置に位置する状態では、排出口36が筐体21の外部に露出して筐体21の前方から排出口36が視認可能である。
【0055】
操作パネル110の第1回動軸Aは、不図示の駆動源(例えば、モータ等)に接続されている。操作パネル110は、駆動源の動力によって閉塞位置と操作位置との間で回動可能である。本実施形態では、操作パネル110は、複合機10の電源投入時に、閉塞位置から操作位置へ回動する。一方、操作パネル110は、複合機10の電源切断時(入力部113による入力時)に、操作位置から閉塞位置へ回動する。駆動源の駆動は、不図示のコントローラによって制御される。
【0056】
次に、複合機10がシート6に画像を記録するときの動作について説明する。
【0057】
まず、複合機10に電源が投入されると、操作パネル110が閉塞位置から操作位置へ駆動源の動力によって回動する。このとき、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、搬送路51の排出口36がリブ115によって隠れるので(図3参照)、ユーザが誤って搬送路51にアクセスすることがリブ115によって抑制される。操作パネル110が操作位置に位置する状態で、外部機器から画像データが複合機10に入力されると、印刷が開始される。
【0058】
具体的には、まず、メイントレイ31に支持されている最上位の1枚のシート6が、給送ローラ43の回転により、メイントレイ31から搬送路51の湾曲路52に送り出される。湾曲路52に送り出されたシート6は、搬送ローラ対55により、直線路53の一部であるプラテン54に搬送される。プラテン54上でシート6の搬送が停止されている間に、キャリッジ61が左右方向9に移動しつつ、記録ヘッド62からシート6に向けてインクが吐出される。これにより、シート6に画像が記録される。シート6の搬送および停止が繰り返されて、所定パス分の画像記録が行われることにより、シート6への画像記録が終了する。画像が記録されたシート6は、排出ローラ対56によって排出口36に向けて搬送され、排出口36から排紙トレイ32に排出される。外部機器から入力された画像データ分の印刷が終了すると、給送ローラ43の回転が停止する。その後、複合機10の電源を切断するため、入力部113が押圧されると、操作パネル110が操作位置から閉塞位置へ回動して電源が切断される。
【0059】
一方、画像記録動作時において、搬送路51にジャムが発生した場合には、ユーザは、操作パネル110を持って操作位置から開放位置へ操作パネル110を回動する。これにより、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、搬送路51の排出口36が筐体21の外部に露出して排出口36が視認可能になる(図4参照)。このため、ユーザは、開口22を通して排出口36に容易にアクセスできる。
[第1実施形態の作用効果]
【0060】
複合機10では、操作パネル110は、電源投入時に、筐体111の前面112が前方斜め上向きを向く操作位置に回動するので、ユーザは、筐体21の前方から入力部113を操作しやすい。操作パネル110を開放位置に移動させるだけで、搬送路51の排出口36が開口22を通して外部に露出するので、ヒンジやリンク機構などの部品が少なく済み、複合機10を小型化できるとともに、筐体21の前方から開口22を通して搬送路51の排出口36に容易にアクセスできる。
【0061】
複合機10では、操作パネル110が操作位置に位置する状態において、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、搬送路51の排出口36が操作パネル110のリブ115によって隠れるので、シート6の搬送時にユーザが誤って開口22を通して搬送路51の排出口36にアクセスすることを抑制することができる。
【0062】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態の複合機について説明する。第2実施形態の複合機は、図5に示されるように、操作パネル110の後方に内カバー210を更に備える。第1実施形態のリブ115は省略されている。その他の点については、第1実施形態と同様の構成である。したがって、以下の説明において、第1実施形態と対応する構成については、第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
内カバー210は、操作パネル110と同様の形状を有する。内カバー210は、上下方向7および左右方向9に拡がる平板状である。内カバー210の上下方向7の長さは、仕切壁34の下端近傍から、排紙トレイ32の上面近傍に至る長さである。内カバー210の左右方向9の長さは、一対のサイドフレーム35,35の左右方向9の間隔よりも僅かに短い。内カバー210の下端部は、左右方向9に沿って延びる第2回動軸Bに回動可能に取り付けられている。これにより、内カバー210は、上端側が前方かつ下方へ移動する向きへ回動可能である。第2回動軸Bは、第1回動軸Aよりも下方に位置している。第2回動軸Bの両端は、一対のサイドフレーム35,35に支持されている。
【0064】
内カバー210の前面に第1手掛け部211が形成されている。第1手掛け部211は、内カバー210の上部に位置している。第1手掛け部211は、操作位置の操作パネル110の下端110Bよりも上方であって、開放位置の操作パネル110の下端110Aよりも下方に位置している。これにより、操作パネル110が開放位置へ回動すると、図6に示されるように、第1手掛け部211が筐体21の外部へ露出する。第1手掛け部211は、内カバー210の左端から右端に亘って形成されている。第1手掛け部211は、ユーザの手指が引掛けられるように内カバー210の前面から凹んでいる。
【0065】
内カバー210は、閉位置(第4位置の一例)と開位置(第5位置の一例)との間で第2回動軸Bを中心に回動可能である。閉位置は、内カバー210の前面が水平面に対して直角を成す位置である。図6に示されるように、閉位置の内カバー210は、筐体21の前方から前後方向8に沿って視たときに、搬送路51の排出口36を隠す。開位置は、内カバー210が閉位置から前向きに回動した位置である。開位置の内カバー210の上端は、搬送路51の排出口36よりも下方に位置している。開位置の内カバー210は、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、排出口36を隠さない。言い換えると、図7に示されるように、開位置の内カバー210は、排出口36を筐体21の外部へ露出させる。
【0066】
内カバー210が閉位置と開位置との間で回動する移動軌跡Tは、操作位置および閉塞位置の操作パネル110に接触する位置にある(図8の上図参照)。言い換えると、操作位置および閉塞位置の操作パネル110は、閉位置から開位置へ回動しようとする内カバー210に接触する。これにより、操作パネル110が操作位置および閉塞位置にある状態において、内カバー210の回動が抑制されている。一方、内カバー210が閉位置と開位置との間で回動する移動軌跡Tは、開放位置の操作パネル110に接触しない位置にある。言い換えると、開放位置の操作パネル110は、閉位置から開位置へ回動する内カバー210に接触しない。これにより、内カバー210は、操作パネル110を開放位置へ回動させない限り、開位置に回動させることが困難にされている。
【0067】
次に、第2実施形態の複合機における画像記録動作時の搬送路51にジャムが発生した場合の動作について説明する。
【0068】
まず、ユーザは、図8に示されるように、操作パネル110を持って操作位置から開放位置へ操作パネル110を回動する。これにより、内カバー210の第1手掛け部211が筐体21の外部へ露出する(図6参照)。次いで、ユーザは、手指を第1手掛け部211に引掛けて内カバー210を閉位置から開位置へ回動する。これにより、筐体21の前方から前後方向8に沿って筐体21を視たときに、搬送路51の排出口36が筐体21の外部に露出して排出口36が視認可能になる(図7参照)。このため、ユーザは、開口22を通して排出口36に容易にアクセスできるので、搬送路51に発生したジャムを容易に解消することができる。
【0069】
ユーザは、ジャムを解消した後、内カバー210を持って開位置から閉位置に内カバー210を回動させる。次いで、ユーザは、操作パネル110を持って開放位置から閉塞位置に操作パネル110を回動させる。最後に、ユーザは、印刷を再開するための入力部113を押圧する。これにより、操作パネル110が駆動源の動力によって閉塞位置から操作位置へ回動し、印刷が再開される。
【0070】
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態の複合機では、例えば、シート6の搬送時にユーザが開口22を通して搬送路51の排出口36にアクセスしたり、砂塵が開口22を通して搬送路51の排出口36に侵入したりすることが閉位置の内カバー210によって抑制される。一方、第2実施形態の複合機では、操作パネル110を開放位置に回動させた後、内カバー210を閉位置から開位置に回動させることにより、搬送路51の排出口36を開口22を通して筐体21の外部へ露出させることができる。
【0071】
第2実施形態の複合機では、内カバー210は、操作パネル110が開放位置にある状態において、外部に露出する第1手掛け部211を有するので、内カバー210を閉位置から開位置に移動させやすい。
【0072】
第2実施形態の複合機では、第1手掛け部211は、開放位置の操作パネル110の下端110Aよりも下方に位置しているので、操作パネル110が開放位置に位置する状態において第1手掛け部211が視認しやすい。このため、内カバー210を閉位置から開位置に回動させることが容易である。第1手掛け部211は、操作位置の操作パネル110の下端110Bよりも上方に位置しているので、操作パネル110が操作位置に位置する状態において第1手掛け部211が視認しにくい。このため、例えば、シート6の搬送時にユーザが内カバー210を閉位置から開位置に誤って移動させることが抑制される。
【0073】
第2実施形態の複合機では、操作位置の操作パネル110は、内カバー210の閉位置と開位置との移動軌跡Tにあるので、操作パネル110が操作位置に位置する状態では、内カバー210が操作パネル110に接触することによって内カバー210の回動が抑制される。このため、シート6の搬送時にユーザが内カバー210を閉位置から開位置に回動することが抑制される。一方、開放位置の操作パネル110は、内カバー210の閉位置と開位置との移動軌跡Tにないので、操作パネル110が開放位置に位置する状態では、内カバー210は操作パネル110に接触することなく回動することができる。このため、操作パネル110が開放位置に位置する状態では、内カバー210を閉位置から開位置に移動させることが容易である。
【0074】
第2実施形態の複合機では、内カバー210は、第1回動軸Aよりも下方に位置する第2回動軸B周りに上端側が前方かつ下方へ移動する向きへ回動するので、操作パネル110を開放位置に回動させない限り、内カバー210を閉位置から開位置に回動させることが困難になる構造が設計しやすい。
【0075】
[第3実施形態]
第3実施形態の複合機は、図9に示されるように、内カバー210が、上下方向7に沿って延びる第3回動軸C周りに回動可能である点で第2実施形態と相違している。その他の点については、第2実施形態と同様の構成である。したがって、以下の説明において、第2実施形態と対応する構成については、第2実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0076】
第3実施形態の内カバー210は、第2実施形態の内カバー210を左右方向9に2分割したような形状を有する。具体的には、第3実施形態の内カバー210は、左内カバー210Aおよび右内カバー210Bを有する。左内カバー210Aは、ヒンジ215によって左方のサイドフレーム35に取り付けられている。右内カバー210Bは、ヒンジ215によって右方のサイドフレーム35に取り付けられている。ヒンジ215は、上下方向7に沿って延びる第3回動軸Cを構成している。
【0077】
第3実施形態の複合機では、左内カバー210Aおよび右内カバー210Bは、閉位置から開位置に向かって回動するときに、図9に示されるように、観音開きのように開くので、開位置に位置する状態が目立ちやすい。このため、左内カバー210Aおよび右内カバー210Bの閉め忘れを抑制しやすい。
【0078】
[第4実施形態]
第4実施形態の複合機は、図10に示されるように、操作パネル110と内カバー210とが同じ向きに回動する点で第2実施形態と相違している。その他の点については、第2実施形態と同様の構成である。したがって、以下の説明において、第2実施形態と対応する構成については、第2実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0079】
内カバー210は、第1回動軸Aと平行な第4回動軸D周りに下端が前方かつ上方に移動するように回動可能である。第4回動軸Dは、第1回動軸Aよりも下方に位置する。閉位置の内カバー210の下端210Aは、閉塞位置の操作パネル110の下端110Cよりも下方に位置している。内カバー210の前面に第2手掛け部216が形成されている。第2手掛け部216は、閉塞位置の操作パネル110の下端110Cよりも下方に位置している。これにより、第2手掛け部216は、筐体21の外部に露出している。第2手掛け部216は、内カバー210の左端から右端に亘って左右方向9に沿って延びている。第2手掛け部216は、ユーザの手指が引掛けられるように内カバー210の前面から凹むように形成されている。
【0080】
第4実施形態の複合機では、内カバー210の第2手掛け部216が開口22を通して筐体21の外部に露出しているので(図10参照)、操作パネル110が閉塞位置に位置した状態でも、ユーザは、第2手掛け部216を持って内カバー210を閉位置から開位置まで回動させることができる。このとき、操作パネル110は、内カバー210によって後方から前方斜め上向きに押されるので(図10の破線参照)、内カバー210の回動操作によって操作パネル110を開放位置に回動させることができる。このため、1回の回動操作で、搬送路51の排出口36が開口を通して外部へ露出するので、排出口36へのアクセスが容易である。
【0081】
第5実施形態の複合機は、操作パネル110の移動に連動して内カバー210が移動する点で第2実施形態と相違する。その他の点については、第2実施形態と同様の構成である。したがって、以下の説明において、第2実施形態と対応する構成については、第2実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0082】
第5実施形態の複合機は、図11図12に示されるように、連動機構217およびロック機構218を更に備える。連動機構217は、操作パネル110の筐体111の後面に形成された第1凸部217Aと、内カバー210の前面に形成された第2凸部217Bと、を備える。第1凸部217Aは、筐体111の上部に位置している。第1凸部217Aは、筐体111の後面から後向きに延びている。第1凸部217Aは、筐体111の左端から右端に亘って左右方向9に沿って延びている。第1凸部217Aの突出端は、突出方向に膨らむ曲面に形成されている。
【0083】
第2凸部217Bは、内カバー210の上部に位置している。第2凸部217Bは、第1凸部217Aよりも下方に位置している。第2凸部217Bは、内カバー210の前面から前方斜め上向きに延びている。第2凸部217Bは、内カバー210の左端から右端に亘って左右方向9に沿って延びている。第2凸部217Bの突出端は、突出方向に膨らむ曲面に形成されている。第2凸部217Bは、操作パネル110が閉塞位置から操作位置へ回動するときの第1凸部217Aの移動軌跡に位置している。これにより、操作パネル110が閉塞位置から操作位置へ回動するときに、第1凸部217Aは第2凸部217Bに後方から前方斜め下向きに接触する(図12の破線参照)。
【0084】
ロック機構218は、嵌合凸部219および嵌合凹部220を有する。嵌合凸部219は、仕切壁34に形成されている。嵌合凸部219は、付勢バネ219Aおよび嵌合部材219Bを有する。付勢バネ219Aの圧縮方向の一端は、仕切壁34の内部に取り付けられている。付勢バネの圧縮方向の他端は、嵌合部材219Bに取り付けられている。付勢バネ219Aとしては、例えば、コイルバネが用いられる。嵌合部材219Bは、仕切壁34の下面から僅かに下方に離れた位置で付勢バネ219Aの他端に取り付けられている。嵌合部材219Bの下端は、下向きに膨らむ略半球状に形成されている。
【0085】
嵌合凹部220は、内カバー210の上端に形成されている。嵌合凹部220は、内カバー210の上端から下向きに凹むように形成されている。嵌合凹部220の内面は、嵌合部材219Bの下端の形状に適合する曲面に形成されている。これにより、内カバー210が閉位置に位置する状態では、嵌合部材219Bは、付勢バネ219Aによって僅かに下向きに付勢された状態で、嵌合凹部220に嵌合した状態になっている。
【0086】
第5実施形態の複合機では、ユーザは、操作パネル110の下端部を持って操作パネル110を前方斜め上向きに回動すると、第1凸部217Aが第2凸部217Bに後方から当接する(図12の破線参照)。この状態で、ユーザは、操作パネル110をさらに前方斜め上向きに回動すると、第2凸部217Bが第1凸部217Aによって前方斜め下向きに押圧される。この押圧力により、嵌合部材219Bが僅かに上向きに移動して内カバー210が前方斜め下向きに僅かに回動することにより、嵌合部材219Bが嵌合凹部220から抜けてロック機構218のロックが解除される。そして、ユーザは、操作パネル110を開放位置まで回動させた後、内カバー210を開位置まで回動させる(図12の破線参照)。なお、ロック機構218は、第2実施形態の複合機が備えてもよい。この場合、ユーザは、内カバー210に前向きの力を作用することにより、ロック機構218のロックを解除する。
【0087】
第5実施形態の複合機では、操作パネル110の回動に連動して、内カバー210が閉位置から開位置に向けて回動するので、搬送路51の排出口36を開口を通して筐体21の外部に露出させる作業が軽減される。
【0088】
第5実施形態の複合機では、内カバー210は、ロック機構218によって閉位置に保持されるので、ユーザが内カバー210を誤って閉位置から開位置へ移動させることが抑制される。操作パネル110の回動に連動して、内カバー210のロックが解除されるので、搬送路51の排出口36を開口22を通して筐体21の外部に露出させる作業が軽減される。
【0089】
[変形例]
第1実施形態では、ユーザは、ジャムを解消するときに、操作パネル110を操作位置から開放位置へ人力で移動させたが、操作パネル110は、操作位置から開放位置へ駆動源の動力で回動してもよい。この場合、例えば、ユーザがジャムを解消して入力部113を押圧したときに、操作パネル110が開放位置から操作位置へ駆動源の動力によって回動し、印刷が再開されてもよい。
【0090】
第2実施形態では、内カバー210は、第2回動軸Bに回転可能に取り付けられたが、第2回動軸Bに着脱可能であってもよい。この場合、内カバー210は、第2回動軸Bに対する着脱により、閉位置と開位置とに移動する。閉位置は、内カバー210が第2回動軸Bに取り付けられた位置である。開位置は、内カバー210が第2回動軸Bから取り外された位置である。このようにすると、筐体21の前方から開口22を通して搬送路51の排出口36にアクセスするときに、図13に示されるように、内カバー210が邪魔にならないので、排出口36にアクセスしやすい。
【0091】
第2実施形態では、操作パネル110は、前壁33において開口22の左右方向9の両端を規定する面33aに取り付けられたが、前壁33の前面33Aに取り付けられてもよい。この場合、内カバー210の第2回動軸Bは、前壁33において開口22の左右方向9の両端を規定する面33aに支持されてもよい。
【0092】
第5実施形態では、連動機構217の第2凸部217Bは、前方斜め上向きに延びたが、閉塞位置から開放位置に向けて操作パネル110が回動したときに、第1凸部217Aが後方から第2凸部217Bに接触できれば、例えば、上向きに延びていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
6・・・シート
10・・・複合機(画像記録装置の一例)
21・・・筐体
22・・・開口
33A・・・前面
36・・・排出口
51・・・搬送路
110・・・操作パネル
110A・・・下端
110B・・・下端
112・・・前面(操作面の一例)
113・・・入力部(操作部の一例)
115・・・リブ(壁の一例)
210・・・内カバー
211・・・第1手掛け部
216・・・第2手掛け部
217A・・・第1凸部
217B・・・第2凸部
218・・・ロック機構
A・・・第1回動軸
B・・・第2回動軸
C・・・第3回動軸
D・・・第4回動軸
T・・・移動軌跡

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13