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特開2023-178569車両整備支援装置、車両整備支援システム、及び車両整備支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178569
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】車両整備支援装置、車両整備支援システム、及び車両整備支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231211BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091328
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 結喜
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅寛
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】車両の整備において、整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援装置を提供する。
【解決手段】車両整備支援装置100は、車両情報取得部111と、整備要否判定部112と、候補日時抽出部113と、候補日時通知部114と、回答受付部115と、整備日時決定部116と、整備決定通知部117と、を備える。車両情報取得部111は、車両の状態に関する車両情報を取得する。整備要否判定部112は、車両情報取得部111で取得した車両情報に基づいて、整備が必要か否かを判定する。候補日時抽出部は、判定結果と、ユーザ情報と、整備業者情報と、に基づいて、車両の整備が可能な候補日時を抽出する。整備日時決定部116は、ユーザ31からの回答に基づいて、車両の整備の日時を決定する。整備決定通知部117は、車両の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末及び整備業者端末に通知する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する車両の整備を支援する車両整備支援装置であって、
前記車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報に基づいて、前記車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部と、
前記整備要否判定部で前記車両の整備が必要と判定された場合に、前記整備要否判定部で判定された判定結果と、あらかじめ記憶部に記憶された前記車両の使用者である前記ユーザに関する情報であって、前記ユーザの勤務形態情報及び前記ユーザが勤務先で使用する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ前記記憶部に記憶された整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、前記車両の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部と、
前記候補日時抽出部で抽出された前記候補日時に関する情報を、前記ユーザのユーザ端末に通知する候補日時通知部と、
前記ユーザの前記ユーザ端末から、前記候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部と、
前記回答受付部で受け付けた前記ユーザからの前記回答に基づいて、前記車両の整備の日時を決定する整備日時決定部と、
前記整備日時決定部で決定した前記車両の整備の日時に関する情報を、前記ユーザ端末及び整備業者端末に通知する整備決定通知部と、を備える車両整備支援装置。
【請求項2】
前記車両情報取得部は、前記車両に設けられた診断装置及び/又はセンサによって取得された情報であって、前記車両から送信された前記車両情報を取得する、請求項1に記載の車両整備支援装置。
【請求項3】
前記車両情報取得部は、前記ユーザの前記ユーザ端末から送信された前記車両情報を取得する、請求項1に記載の車両整備支援装置。
【請求項4】
前記整備要否判定部は、前記車両情報に基づいて、整備に必要な時間を算出し、前記判定結果に格納する、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両整備支援装置。
【請求項5】
ユーザが使用する車両の整備を支援する車両整備支援システムであって、
前記ユーザが使用するユーザ端末と、
前記車両の整備を行う整備業者が使用する整備業者端末と、
車両整備支援装置と、を備え、
前記車両整備支援装置は、
前記車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報に基づいて、前記車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部と、
前記整備要否判定部で前記車両の整備が必要と判定された場合に、前記整備要否判定部で判定された判定結果と、あらかじめ記憶部に記憶された前記車両の使用者である前記ユーザに関する情報であって、前記ユーザの勤務形態情報及び前記ユーザが勤務先で使用する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ前記記憶部に記憶された前記整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、前記車両の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部と、
前記候補日時抽出部で抽出された前記候補日時に関する情報を、前記ユーザの前記ユーザ端末に通知する候補日時通知部と、
前記ユーザの前記ユーザ端末から、前記候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部と、
前記回答受付部で受け付けた前記ユーザからの前記回答に基づいて、前記車両の整備の日時を決定する整備日時決定部と、
前記整備日時決定部で決定した前記車両の整備の日時に関する情報を、前記ユーザ端末及び前記整備業者端末に通知する整備決定通知部と、を有する、車両整備支援システム。
【請求項6】
コンピュータによって実行され、ユーザが使用する車両の整備を支援する車両整備支援方法であって、
前記車両の状態に関する車両情報を取得し、
前記車両情報に基づいて、前記車両に対して整備が必要か否かを判定し、
前記車両の整備が必要と判定された場合に、あらかじめ記憶部に記憶された前記車両の使用者である前記ユーザに関する情報であって、前記ユーザの勤務形態情報及び前記ユーザが勤務先で使用する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ前記記憶部に記憶された整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、前記車両の整備が可能な候補日時を抽出し、
前記候補日時に関する情報を、前記ユーザのユーザ端末に通知し、
前記ユーザの前記ユーザ端末から、前記候補日時に対する回答を受け付け、
前記ユーザからの前記回答に基づいて、前記車両の整備の日時を決定し、
前記車両の整備の日時に関する情報を、前記ユーザ端末及び整備業者端末に通知する、車両整備支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両整備支援装置、車両整備支援システム、及び車両整備支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報通信技術を用いた支援システムにより、車両の保守や整備においてユーザにかかる手間を軽減させるサービスが提案されている。特許文献1には、車両のメンテナンスに関するサービス提供システムが提案されている。特許文献1に開示されたサービス提供システムは、メンテナンスのサービス提供者がメンテナンス対象の車両を運転可能にすることで、ユーザが車両の整備が実施されるディーラ等の店舗まで出向く手間を軽減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-108015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、カーボンニュートラル等の脱炭素社会の実現を目指すための試みが世の中で実施されている。例えば、自動車業界においては、アイドリング等をはじめとするエンジンの無駄な稼働を抑えることが求められている。特許文献1に開示されたサービス提供システムは、電子キーシステムを用いた認証システムにより、ユーザが指定する場所にサービス提供者が代車を運び、さらに整備対象車両の運転が可能となったサービス提供者が整備工場まで移動させる。また、整備終了後、サービス提供者は、整備が完了した車両を所定の位置まで移動させ、代車を所定の位置まで戻す。すなわち、車両の整備において、整備工場との往来おけるエンジンの稼働を少しでも抑えたサービスの提供が求められる。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、車両の整備において、整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る車両整備支援装置は、ユーザが所有する車両の整備を支援する車両整備支援装置であって、車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、車両情報に基づいて、車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部と、整備要否判定部で車両の整備が必要と判定された場合に、あらかじめ記憶部に記憶された車両の使用者であるユーザに関する情報であって、ユーザの勤務形態情報及びユーザが勤務先で使用する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ記憶部に記憶された整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、車両の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部と、候補日時抽出部で抽出された候補日時に関する情報を、ユーザのユーザ端末に通知する候補日時通知部と、ユーザのユーザ端末から、候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部と、回答受付部で受け付けたユーザからの回答に基づいて、車両の整備の日時を決定する整備日時決定部と、整備日時決定部で決定した車両の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末及び整備業者端末に通知する整備決定通知部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係る車両整備支援システムは、ユーザが使用する車両の整備を支援する車両整備支援システムであって、ユーザが使用するユーザ端末と、車両の整備を行う整備業者が使用する整備業者端末と、車両整備支援装置と、を備え、車両整備支援装置は、車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、車両情報に基づいて、車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部と、整備要否判定部で車両の整備が必要と判定された場合に、整備要否判定部で判定された判定結果と、あらかじめ記憶部に記憶された車両の使用者であるユーザに関する情報であって、ユーザの勤務形態情報及びユーザが勤務先で使用する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ記憶部に記憶された整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、車両の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部と、候補日時抽出部で抽出された候補日時に関する情報を、ユーザのユーザ端末に通知する候補日時通知部と、ユーザのユーザ端末から、候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部と、回答受付部で受け付けたユーザからの回答に基づいて、車両の整備の日時を決定する整備日時決定部と、整備日時決定部で決定した車両の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末及び整備業者端末に通知する整備決定通知部と、を有する。
【0008】
本発明の他の態様に係る車両整備支援方法は、コンピュータによって実行され、ユーザが使用する車両の整備を支援する車両整備支援方法であって、車両の状態に関する車両情報を取得し、車両情報に基づいて、車両に対して整備が必要か否かを判定し、車両の整備が必要と判定された場合に、あらかじめ記憶部に記憶された車両の使用者であるユーザに関する情報であって、ユーザの勤務形態情報及びユーザが勤務先で使用する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ記憶部に記憶された整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、車両の整備が可能な候補日時を抽出し、候補日時に関する情報を、ユーザのユーザ端末に通知し、ユーザのユーザ端末から、候補日時に対する回答を受け付け、ユーザからの回答に基づいて、車両の整備の日時を決定し、車両の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末及び整備業者端末に通知する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両の整備において、整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る車両整備支援システムの構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る車両整備支援装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る車両整備支援装置の機能について説明するためのブロック図である。
図4】本実施形態に係る車両整備支援装置で用いられる車両情報について説明するための図である。
図5】本実施形態に係る車両整備支援装置で用いられるユーザ情報について説明するための図である。
図6】本実施形態に係る車両整備支援装置で用いられる整備業者情報について説明するための図である。
図7】本実施形態に係る車両整備支援システムにおいてユーザ端末に表示された画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る車両整備支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本実施形態に係る車両整備支援システム10について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0012】
(車両整備支援システム10の構成)
図1は、本実施形態に係る車両整備支援システム10の構成を示す概略図である。図1に示すように、車両整備支援システム10は、車両整備支援装置100と、車両20と、ユーザ端末30と、整備業者端末40と、を含んで構成される。また、車両整備支援システム10に含まれる車両整備支援装置100、車両20、ユーザ端末30、及び整備業者端末40は、ネットワーク50を介して通信可能となる。
【0013】
本実施形態において、車両整備支援システム10は、ユーザ31が使用する車両20の整備を支援するためのシステムである。本明細書において、整備とは、車両20の修理以外の作業であって、例えば、点検等のメンテナンス(保守)作業も含む。また、本実施形態において、車両整備支援システム10は、ユーザ31が勤務中に勤務先の駐車場に駐車させている間に、整備業者による車両20の整備を実施するものである。
【0014】
通常、ユーザ31が車両20を整備する場合においては、ユーザ31の休日等の時間を利用して、ユーザ31が、車両20の整備が行われる整備工場に車両20を移動させる。また、ユーザ31は、必要に応じて代車を借り、所定の場所まで移動する。また、整備終了後は、ユーザ31は代車等を利用して整備工場に出向き、整備が終了した車両20で自宅等に戻る。このように、通常の車両20の整備においては、ユーザ31は、整備のための整備工場への往来の予定を設ける必要があり、ユーザ31にとって手間がかかる。
【0015】
また、特許文献1に示されるような、サービス提供システムにおいては、サービス提供者が、ユーザが指定する場所に代車を運び、さらに、整備対象車両の運転が可能となったサービス提供者が、整備工場まで整備対象となる車両を移動させる。また、整備終了後、サービス提供者は、整備が完了した車両を所定の位置まで移動させ、代車を所定の位置まで戻す。すなわち、整備工場との往来による余分なエンジンの稼働が生じる。
【0016】
本実施形態に係る車両整備支援システム10は、上述の一般的な車両整備におけるユーザ31の手間や整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援システムを実現する。
【0017】
車両20は、ユーザ31が使用する自動車等の移動体である。また、本実施形態において、車両20は、例えば、ユーザ31が通勤に使用する自動車であり、ユーザ31の勤務地での勤務中は、所定の時間、勤務先の駐車場に駐車される。なお、本実施形態においてユーザ31には、企業の勤務する従業員や役員等が含まれるものとする。
【0018】
また、車両20は、車両20に備えられた診断装置やセンサにより取得した車両20の状態を示す車両情報を、ネットワーク50を介して車両整備支援装置100に送付する。
【0019】
ユーザ端末30は、ユーザ31が操作する端末であり、スマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータ等の装置で構成されてもよい。
【0020】
整備業者端末40は、車両20に対し、整備を行う業者が操作する端末であり、スマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータ等の装置で構成されてもよい。
【0021】
本実施形態において、車両20の整備を行う業者は、ユーザ31の勤務先が提携する整備業者である。整備業者は、ユーザ31の勤務先との提携により、ユーザ31の勤務先の所定の敷地内への進入を許可されている。また、本実施形態において、整備業者は、ユーザ31の車両20の鍵を、勤務先を通じて受け取り、ユーザ31が勤務中に、車両20が駐車されている場所で整備を行う。なお、整備業者は、実施形態において、ユーザ31の勤務先と提携した業者に限定されるものではない。例えば、整備業者は、ユーザ31の勤務先の子会社や関連会社であってもよい。この場合においても、整備業者は、ユーザ31の勤務先の所定の敷地内への進入が許可されている。
【0022】
ネットワーク50は、車両整備支援装置100と、車両20、ユーザ端末30及び整備業者端末40と、が、それぞれ相互に通信可能とするためのネットワークであり、無線、及び/又は有線で構成される。また、車両20に搭載された診断装置やセンサにより取得した車両20の状態を示す情報であって、車両20から送信される情報が、ネットワーク50を介して、車両整備支援装置100に送信される構成を用いてもよい。なお、ネットワーク50における、無線及び有線の種別は本実施形態の構成を限定するものではない。
【0023】
(車両整備支援装置100の構成)
車両整備支援装置100は、ユーザ31が使用する車両20の整備を支援するための装置である。また、車両整備支援装置100は、図2に示すように、制御部110と、記憶部120と、入出力IF130(Interface)と、通信IF140と、を備える一般的なコンピュータによって構成される。
【0024】
図3は、制御部110及び記憶部120に関する機能について説明するための図である。制御部110は、図3に示すように車両情報取得部111と、整備要否判定部112と、候補日時抽出部113と、候補日時通知部114と、回答受付部115と、整備日時決定部116と、整備決定通知部117と、を機能として備える。制御部110が備える各機能の詳細については、後述する。
【0025】
また、制御部110は、例えば、オペレーティングシステムを動作させて、車両整備支援装置100の全体を制御する。さらに、制御部110は、記憶部120に格納されたプログラムに基づいて動作し、上述の各機能を実行する。なお、プログラムは、記憶部120に格納される形態に限定されず、例えば、車両整備支援装置100内の、ROM(Read Only Memory)等(図示なし)に記憶された構成としてもよい。
【0026】
記憶部120は、図3に示すように、車両情報DB121(DB:Database)と、ユーザ情報DB122と、整備業者情報DB123と、に含まれる情報をデータとして格納する。なお、これらの各データを格納する記憶部120は、1つであっても複数であってもよい。例えば、1つの記憶部120に対し、領域を分けて記憶する構成としてもよい。あるいは、物理的に離れた場所に設置された複数の記憶装置に、データが分散して格納されていてもよい。
【0027】
車両情報DB121は、図4に示すような車両情報を格納する。車両情報は、図4に示すように、「車両ID」、「取得情報」、「異常度合」、「車両型式」、及び「リコール情報」を項目として備える。
【0028】
「車両ID」は、車両20を識別するための識別情報である。「車両ID」は例えば、車両20に付されたナンバー情報であってもよい。
【0029】
「取得情報」は、車両20から取得した車両20の状態を示す情報である。「取得情報」は、例えば、車両20に設けられた診断装置やセンサによって取得された情報が、車両20に搭載されたECU(Electronic Control Unit)により解析され、車両整備支援装置100に送られた情報に相当する。例えば、ECUにより解析された情報は、診断コードDTC(Diagnostic Trouble Code)であってもよい。また、診断装置は、車載式故障診断装置(OBD:On-Board Diagnostics)であってもよい。
【0030】
「異常度合」は、車両20に何らかの異常がある場合に、その度合を示す情報であり、例えば、「なし」、「軽」、「中」、及び「重」の4段階で示される。
【0031】
「車両型式」は、車両20の型式を示す情報である。
【0032】
「リコール情報」は、「車両型式」に対応する車両20がリコール対象となっているか、否かを示す情報である。また、「リコール情報」は、その度合に応じて「リコール対象」、「改善対策対象」、及び「サービスキャンペーン対象」が設けられている。「リコール情報」は、ネットワーク50を介して、他のサーバ等(図示なし)から送信された情報として取得してもよい。あるいは、車両整備支援装置100の入出力IF30を介して、車両整備支援装置100の管理者等によって格納されてもよい。
【0033】
「リコール対象」は、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態にある車両20が対象となる。また、「リコール対象」は、原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行う必要がある。
【0034】
「改善対策対象」は、リコールと異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態にある車両20が対象となる。また、「改善対策対象」は、原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行う必要がある。
【0035】
「サービスキャンペーン対象」は、上述の「リコール対象」や「改善対策対象」に該当しないような不具合で、品質の改善措置を行うためのものである。
【0036】
ユーザ情報DB122は、図5に示すように、ユーザに関する情報及びユーザが通勤に用いる車両20に関してあらかじめ登録されたユーザ情報が格納されている。本実施形態において、ユーザ情報DB122は、あらかじめ記憶部120に記憶されている。ユーザ情報は、「ユーザ番号」、「勤務地」、「自動車通勤」、「車両ID」、「駐車場番号」、「勤務形態」、及び「休暇予定」が項目として格納されている。
【0037】
「ユーザ番号」は、ユーザを識別するための情報が格納される。ユーザを識別するための情報は例えば、会社の社員に割り当てられた社員番号に相当する。
【0038】
「勤務地」は、ユーザ31が通常勤務している勤務地に関する情報が格納される。
【0039】
「自動車通勤」は、ユーザ31が自動車通勤か否かを示す情報が格納される。図5に示す例においては、自動車通勤に該当するユーザ31に対しては、「自動車通勤」の欄に「○」が格納されている。
【0040】
「車両ID」は、ユーザ31が使用する車両の「車両ID」に関する情報が格納される。このユーザ情報に格納された「車両ID」は、上述の車両情報に格納された「車両ID」に対応するものであり、同一の車両20に対しては、車両情報の「車両ID」、及びユーザ情報の「車両ID」に同一の情報が格納されるものとする。すなわち、車両情報DB121に格納された車両情報と、ユーザ情報DB122に格納されたユーザ情報とは、「車両ID」で対応付けられる。
【0041】
「駐車場番号」は、ユーザ31が勤務先の駐車場に車両20を駐車する場合の位置を識別するための情報である。「駐車場番号」は、ユーザ31が、勤務先の駐車場を利用する際のユーザ31による申請時に登録されるものであってもよい。または、「駐車場番号」は、車両整備支援装置100の入出力IF130を介して、車両整備支援装置100の管理者により入力された情報であってもよい。あるいは、「駐車場番号」は、車両20に搭載されたGNSS(Satellite positioning, navigation and timing system)等の衛星測位システムによって取得された位置情報に基づいた情報であってもよい。
【0042】
「勤務形態」は、ユーザ31が勤務先で勤務する際の、勤務形態を示す。本実施形態において、勤務形態は通常勤務や夜間勤務等の情報が含まれる。
【0043】
「休暇予定」は、ユーザ31が予定している休暇の予定日時が格納される。例えば「休暇予定」には、ユーザ31が所定の期間までの間に取得することが予定される休暇の日時が格納される。
【0044】
整備業者情報DB123は、図6に示すように、整備業者に関する整備業者情報があらかじめ記憶部120に格納される。具体的には、整備業者情報は、「担当者番号」、「整備可能対象」、「整備可能地域」、及び「整備可能日時」を項目として備える。
【0045】
「担当者番号」は、整備担当者を識別するための情報が格納される。
【0046】
「整備可能対象」は、対象となる整備担当者が整備可能な対象が格納される。例えば図6に示す例では、エンジンやブレーキなどの車両20の走行に関係する箇所、車内の設備に関係する箇所、車両20の外部に関係する箇所等が、あらかじめ割当られた番号で格納されているものとする。
【0047】
例えば、図6に示す例においては、整備可能対象の番号が1の場合は、エンジンやブレーキなどの車両20の走行に関する箇所に対応するものとする。同様に、例えば、整備可能対象の番号が2の場合は、車内の設備に関係する箇所に対応し、整備可能対象の番号が3の場合は、車両20の外部に関係する箇所に対応する構成としてもよい。また、整備可能対象に割り当てられる番号は、整備全てに対して対応可能な場合の番号を一つ設ける構成としてもよい。
【0048】
「整備可能地域」は、対象となる整備担当者が整備可能な地域に関する情報が格納される。
【0049】
「整備可能日時」は、対象となる整備担当者が整備可能な日時に関する情報が格納される。
【0050】
入出力IF130は、例えば、ユーザが車両整備支援装置100との間においてデータをやり取りするための構成要素(インタフェース)である。入出力IF130は、例えば、入力IFと、出力IFとを備える(図示なし)。
【0051】
入出力IF130における入力IFは、ユーザによるさまざまな情報を入力するためのインタフェース機能を有し、車両整備支援装置100の外部より情報が入力される。入力IFには、車両整備支援装置100と接続された、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボール、及び、音声認識デバイス等を通じてユーザによって情報が入力される。また、入力IFは、外部記憶装置(図示なし)等からデータを入力するためのデータ入力端子として、情報を入力することができる。
【0052】
入出力IF130における出力IFは、車両整備支援装置100に接続された表示装置(図示なし)に、後述の車両情報やユーザ情報を表示させることができる。表示装置は、例えば、ディスプレイ装置、プロジェクター装置などである。
【0053】
通信IF140は、ネットワーク50を介して、車両整備支援装置100と、車両20、ユーザ端末30、及び/又は整備業者端末40との相互の通信を可能にするためのインタフェースである。
【0054】
(車両整備支援装置100の機能)
次に図3に示す車両整備支援装置100の制御部110が備える各機能の詳細について説明する。
【0055】
車両情報取得部111は、車両20の状態に関する車両情報を取得する。具体的には、車両情報取得部111は、車両20に搭載された診断装置及び/又はセンサにより取得した車両20の状態を示す情報であって、車両20から送信される情報を取得する。また、車両情報取得部111は、車両20の型式に対応するリコール情報を、ネットワーク50を介して取得する。
【0056】
整備要否判定部112は、車両情報に基づいて、車両20に対して整備が必要か否かを判定する。具体的には、整備要否判定部112は、車両情報DB121に格納された車両情報の異常度合又はリコール情報に情報(「なし」以外の情報)が格納されている場合に、車両20に対して整備が必要であると判定する。
【0057】
また、整備要否判定部112は、車両20に対して整備が必要であると判定した場合には、その結果を「判定結果」の欄に格納する。さらに、整備要否判定部112は、車両20に対して整備が必要であると判定した場合には、車両情報に基づいて、整備に必要な時間を算出し、その整備にかかる所定の時間を判定結果に格納する。
【0058】
ここで、本実施形態において、整備にかかる所定の時間は、取得情報、異常度合、及びリコール情報に対して予め目安となる時間が定められているものとする。例えば、図4に示す例においては、「異常度合」が軽の場合の整備に係る目安の時間が2時間と定められている例を示す。また、図4に示す例において、「リコール情報」の「サービスキャンペーン対象」の場合には、整備に係る目安の時間が4時間と定められている例を示す。
【0059】
候補日時抽出部113は、整備要否判定部112で整備の必要があると判定された場合には、整備要否判定部112で判定された判定結果と、ユーザ情報と、整備業者情報と、に基づいて車両20の整備が可能な候補日時を抽出する。ユーザ情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された車両20の使用者であるユーザ31に関する情報であって、ユーザ31の勤務形態情報及びユーザ31が勤務先で使用する駐車場情報を含む。また、整備業者情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された整備業者に関する整備業者情報である。
【0060】
候補日時抽出部113は、ユーザ情報の勤務形態情報に基づいて、例えば、1週間後から所定の期間の間で、整備業者情報の整備可能日時から、整備可能な日時を抽出する。本実施形態において所定の期間は例えば1週間が定められる。なお、候補日時抽出部113が抽出する候補日時は、所定の期間内において複数の候補となる日時であってもよい。
【0061】
候補日時通知部114は、候補日時抽出部113で抽出された候補日時に関する情報を、車両20の使用者であるユーザ31のユーザ端末30に通知する。本実施形態において、候補日時に関する情報には、候補日時抽出部113で抽出された候補日時の他に、例えば、その候補日時に整備可能かをユーザ31に対して問い合せるための情報を含んでもよい。このユーザ31に対して問い合わせるための情報とは、例えば、ユーザ端末30の画面に表示されるチェックボタンや回答入力欄などに対応する情報に相当する。
【0062】
図7は、候補日時通知部114からユーザ端末30に通知された候補日時に関する情報の一例を示す。図7に示す例において、候補日時に関する情報には、候補日時抽出部113で抽出された候補日時の他に、その候補日時に整備可能かをユーザ31に対して問い合せるための情報として、チェックボタンが設けられた例を示す。また、図7に示す例において、候補日時にユーザ31の都合の良い日時が存在しない場合には、ユーザ31は、「その他」のチェックボタンにチェックし、カレンダーによって表示される日時を入力することで回答してもよい。本実施形態において、カレンダーによって表示される日時に対する入力は、回答入力欄による回答に相当する。
【0063】
回答受付部115は、車両20の使用者であるユーザ31のユーザ端末30から、候補日時に対する回答を受け付ける。候補日時に対する回答は、例えば、ユーザ31がユーザ端末30で、整備の候補日時に対して回答したチェックボタンのチェック内容や、回答入力欄の記入内容に相当する。
【0064】
整備日時決定部116は、回答受付部115で受け付けたユーザ31からの回答に基づいて、車両20の整備の日時を決定する。整備日時決定部116は、例えば、ユーザ端末30から受け取った回答において、候補日時のチェックボタンにチェックが入力されている場合には、その候補日時を整備日時として決定する。
【0065】
整備決定通知部117は、整備日時決定部116で決定した車両20の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末30及び整備業者端末40に通知する。本実施形態において、整備の日時に関する情報は、整備の開始時間、終了予定時間、予定される整備の概要、及び車両20の鍵の受け渡し情報、などが含まれる。
【0066】
ユーザ31はユーザ端末30を介して取得した整備の日時に関する情報に応じて、整備の当日、勤務先に鍵を預けて通常の勤務を行う。また、整備業者の担当は、整備業者端末40を介して取得した整備の日時に関する情報に応じて、整備の当日、ユーザ31の勤務地に整備に向かう。その後、整備日時において、ユーザ31の勤務中に、整備業者による車両20の整備が行われる。
【0067】
(車両整備支援装置100の処理フローの概略)
次に、図8に示すフローチャートを用いて車両整備支援装置100における処理の流れを示す。図8のフローチャートに示す車両整備支援装置100の一連の動作は、車両整備支援装置100が起動されると開始され、作業終了により処理を終了する。また、図8に示すフローチャートは、電源オフや処理終了の割り込みによっても処理は終了する。また、以下のフローチャートの説明において、上述の車両整備支援システム10及び車両整備支援装置100の説明で記載した内容と同じ内容については、省略又は簡略化して説明する。
【0068】
ステップS801において、車両情報取得部111は、車両の状態に関する車両情報を取得する。具体的には、車両情報取得部111は、車両20に搭載された診断装置及び/又はセンサにより取得した車両20の状態を示す情報であって、車両20から送信される情報を取得する。その後、処理はステップS802に進む。
【0069】
ステップS802において、整備要否判定部112は、車両情報に基づいて、車両に対して整備が必要か否かを判定する。具体的には、整備要否判定部112は、車両情報DB121に格納された車両情報の異常度合又はリコール情報に情報(「なし」以外の情報)が格納されている場合に、車両20に対して整備が必要であると判定する。その後、処理はステップS803に進む。
【0070】
ステップS803において、整備要否判定部112は、車両の整備が必要と判定した場合(ステップS803:YES)には、処理はステップS804に進む。一方で、整備要否判定部112は、車両の整備が必要でないと判定した場合(ステップS803:NO)には、処理はステップS801に戻り、ステップS801からの処理を繰り返し実施する。
【0071】
ステップS804において、候補日時抽出部113は、整備要否判定部112で判定された判定結果と、ユーザ情報と、整備業者情報と、に基づいて車両20の整備が可能な候補日時を抽出する。ユーザ情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された車両20の使用者であるユーザ31に関する情報であって、ユーザ31の勤務形態情報及びユーザ31が勤務先で使用する駐車場情報を含む。また、整備業者情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された整備業者に関する整備業者情報である。その後、処理はステップS805に進む。
【0072】
ステップS805において、候補日時通知部114は、候補日時抽出部113で抽出された候補日時に関する情報を、車両20の使用者であるユーザ31のユーザ端末30に通知する。本実施形態において、候補日時に関する情報には、候補日時抽出部113で抽出された候補日時の他に、例えば、その候補日時に整備可能かをユーザ31に対して問い合せるための情報を含んでもよい。このユーザ31に対して問い合わせるための情報とは、例えば、ユーザ端末30の画面に表示されるチェックボタンや回答入力欄などに対応する情報に相当する。その後、処理はステップS806に進む。
【0073】
ステップS806において、回答受付部115は、車両20の使用者であるユーザ31のユーザ端末30から、候補日時に対する回答を受け付ける。候補日時に対する回答は、例えば、ユーザ31がユーザ端末30で、整備の候補日時に対して回答したチェックボタンのチェック内容や、回答入力欄の記入内容に相当する。その後、処理はステップS807に進む。
【0074】
ステップS807において、整備日時決定部116は、回答受付部115で受け付けたユーザ31からの回答に基づいて、車両の整備の日時を決定する。ステップS807において、整備日時決定部116は、整備日時が決定したと判定した場合(ステップS807:YES)には、処理はステップS808に進む。一方で、ステップS807において、整備日時決定部116は、整備日時が決定しないと判定した場合(ステップS807:NO)には、処理はステップS804に戻り、次に可能な整備日時等の調整処理を実施する。
【0075】
ステップS808において、整備決定通知部117は、整備日時決定部116で決定した車両20の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末30及び整備業者端末40に通知する。本実施形態において、整備の日時に関する情報は、整備の開始時間、終了予定時間、予定される整備の概要、及び車両20の鍵の受け渡し情報、などが含まれる。
【0076】
上述の通り、本実施形態における車両整備支援装置100は、車両情報取得部111と、整備要否判定部112と、候補日時抽出部113と、候補日時通知部114と、回答受付部115と、整備日時決定部116と、整備決定通知部117と、を備える。車両情報取得部111は、車両の状態に関する車両情報を取得する。整備要否判定部112は、車両情報取得部111で取得した車両情報に基づいて、整備が必要か否かを判定する。候補日時抽出部113は、判定結果と、ユーザ情報と、整備業者情報と、に基づいて、車両の整備が可能な候補日時を抽出する。整備日時決定部116は、ユーザ31からの回答に基づいて、車両の整備の日時を決定する。整備決定通知部117は、車両の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末30及び整備業者端末40に通知する。
【0077】
これにより、車両整備支援装置100を用いることで、ユーザ31は、休日等に車両20のための往来を行う必要がなくなる。すなわち、車両整備支援装置100は、車両の整備において、整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援装置を実現することが可能となる。
【0078】
また、車両情報取得部111は、車両20に設けられた診断装置及び/又はセンサによって取得された情報であって、車両20から送信された車両情報を取得する。これにより、車両整備支援装置100は、ユーザ31が日頃の車両20の運転においては認識できない車両20の異常等を取得し、整備を支援することで、メンテナンス不備による事故の未然防止や車両故障による渋滞の発生を防ぐことが可能となる。
【0079】
また、整備要否判定部112は、車両情報に基づいて、整備に必要な時間を算出し、判定結果に格納する。これにより、車両整備支援装置100は、ユーザ31の勤務時間に適切な整備時間を割り当てることが可能となり、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援装置を実現することができる。
【0080】
(他の実施形態)
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0081】
上述の実施形態において、車両情報取得部111は、車両20の診断装置及び/又はセンサによって取得した車両20の状態を示す車両情報を取得する構成を示した。この車両情報取得部111によって取得する車両情報は、車両20から送られる情報に限定されず、例えば、ユーザ31がユーザ端末30を介して入力した車両20の状態を示す情報であってもよい。例えば、ユーザ31は、日ごろ運転している車両20に対して、診断装置やセンサ等では検知されない不具合や、気になる点などを認識している場合がある。このような情報をユーザ31がユーザ端末30を介して、車両整備支援装置100に送付し、車両情報取得部111が車両情報DB121に格納することで、車両20の不具合に関し、早期に発見することが可能になるなどの効果が得られる。
【0082】
上述の実施形態において、車両整備支援装置100は、ユーザ31の使用する車両20の自動車損害賠償責任保険などの保険情報をデータとして格納しておいてもよい。本実施形態において、ユーザ31は、勤務先の駐車場の利用を申請する際、保険情報を勤務先に提出する場合がある。車両整備支援装置100は、この保険情報に基づき、車検(自動車検査登録制度)を実施するタイミングに、車両20の整備の支援を行うことで、ユーザ31は効率よく車両20の点検整備を受けることが可能となる。
【0083】
また、上述した車両整備支援装置100における処理(車両整備支援方法)をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム(車両整備支援プログラム)、及びそのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。ここで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の種類は任意である。また、上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0084】
以下に、車両整備支援装置100、車両整備支援システム10、及び車両整備支援方法の特徴について記載する。
【0085】
第1の態様に係る車両整備支援装置100は、ユーザが使用する車両の整備を支援する車両整備支援装置である。車両整備支援装置100は、車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部111を備える。車両整備支援装置100は、車両情報に基づいて、車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部112を備える。車両整備支援装置100は、整備要否判定部112で車両の整備が必要と判定された場合に、整備要否判定部112で判定された判定結果と、ユーザ情報と、整備業者情報と、に基づいて、車両20の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部113を有する。ユーザ情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された車両20の使用者であるユーザ31に関する情報であって、ユーザ31の勤務形態情報及びユーザ31が勤務先で使用する駐車場情報を含む情報である。整備業者情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された整備業者に関する情報である。また、車両整備支援装置100は、候補日時抽出部113で抽出された候補日時に関する情報を、ユーザ31のユーザ端末30に通知する候補日時通知部114を備える。また、車両整備支援装置100は、ユーザ31のユーザ端末30から、候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部115を備える。また、車両整備支援装置100は、回答受付部115で受け付けたユーザ31からの回答に基づいて、車両20の整備の日時を決定する整備日時決定部116を備える。さらに、車両整備支援装置100は、整備日時決定部116で決定した車両20の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末30及び整備業者端末40に通知する整備決定通知部117と、を備える。
【0086】
上記構成によれば、車両整備支援装置100を用いることで、ユーザ31は、休日等に車両20のための往来を行う必要がなくなる。すなわち、車両整備支援装置100は、車両の整備において、整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援装置を実現することが可能となる。
【0087】
第2の態様に係る車両整備支援装置100の車両情報取得部111は、車両20に設けられた診断装置及び/又はセンサによって取得された情報であって、車両20から送信された車両情報を取得してもよい。
【0088】
上記構成によれば、車両整備支援装置100は、ユーザ31が日頃の車両20の運転においては、認識できない車両20の異常等を取得し、整備を支援することで、メンテナンス不備による事故の未然防止や車両故障による渋滞の発生を防ぐことが可能となる。
【0089】
第3の態様に係る車両整備支援装置100の車両情報取得部111は、ユーザ31のユーザ端末30から送信された車両情報を取得してもよい。
【0090】
上記構成によれば、車両整備支援装置100は、ユーザ31がユーザ端末30を介して、車両整備支援装置100に送付し、車両情報取得部111が車両情報DB121に格納することで、車両20の不具合に関し、早期に発見することが可能となる。
【0091】
第4の態様に係る車両整備支援装置100の整備要否判定部112は、車両情報に基づいて、整備に必要な時間を算出し、判定結果に格納してもよい。
【0092】
上記構成によれば、車両整備支援装置100は、ユーザ31の勤務時間に適切な整備時間を割り当てることが可能となり、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援装置を実現することができる。
【0093】
第5の態様に係る車両整備支援システム10は、ユーザが使用する車両20の整備を支援する車両整備支援システムであって、ユーザが使用するユーザ端末30と、車両20の整備を行う整備業者が使用する整備業者端末40と、車両整備支援装置100とを備える。車両整備支援装置100は、車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部111を有する。また、車両整備支援装置100は、車両情報に基づいて、車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部112を有する。車両整備支援装置100は、整備要否判定部112で車両の整備が必要と判定された場合に、整備要否判定部112で判定された判定結果と、ユーザ情報と、整備業者情報と、に基づいて、車両20の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部113を有する。ユーザ情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された車両20の使用者であるユーザ31に関する情報であって、ユーザ31の勤務形態情報及びユーザ31が勤務先で使用する駐車場情報を含む情報である。整備業者情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された整備業者に関する情報である。また、車両整備支援装置100は、候補日時抽出部113で抽出された候補日時に関する情報を、ユーザ31のユーザ端末30に通知する候補日時通知部114を有する。また、車両整備支援装置100は、ユーザ31のユーザ端末30から、候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部115を有する。また、車両整備支援装置100は、回答受付部115で受け付けたユーザ31からの回答に基づいて、車両20の整備の日時を決定する整備日時決定部116を有する。さらに、車両整備支援装置100は、整備日時決定部116で決定した車両20の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末30及び整備業者端末に通知する整備決定通知部117と、を有する。
【0094】
上記構成によれば、車両整備支援システム10を用いることで、ユーザ31は、休日等に車両20のための往来を行う必要がなくなる。すなわち、車両整備支援システム10は、車両の整備において、整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援システムを実現することが可能となる。
【0095】
第6の態様に係る車両整備支援方法は、コンピュータによって実行され、ユーザ31が使用する車両20の整備を支援する車両整備支援方法である。車両整備支援方法は、車両20の状態に関する車両情報を取得する処理を含む。また、車両整備支援方法は、車両情報に基づいて、車両に対して整備が必要か否かを判定する処理を含む。また、車両整備支援方法は、車両20の整備が必要と判定された場合に、ユーザ情報と、整備業者情報と、に基づいて、車両20の整備が可能な候補日時を抽出する処理を含む。ユーザ情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された車両20の使用者であるユーザ31に関する情報であって、ユーザ31の勤務形態情報及びユーザ31が勤務先で使用する駐車場情報を含む情報である。また、整備業者情報は、あらかじめ記憶部120に記憶された整備業者に関する情報である。また、車両整備支援方法は、候補日時に関する情報を、ユーザ31のユーザ端末30に通知する処理を含む。また、車両整備支援方法は、ユーザ31のユーザ端末30から、候補日時に対する回答を受け付ける処理を含む。また、車両整備支援方法は、ユーザ31からの回答に基づいて、車両20の整備の日時を決定する処理を含む。また、車両整備支援方法は、車両20の整備の日時に関する情報を、ユーザ端末30及び整備業者端末40に通知する処理を含む。
【0096】
上記構成によれば、車両整備支援方法を用いることで、ユーザ31は、休日等に車両20のための往来を行う必要がなくなる。すなわち、車両整備支援方法は、車両の整備において、整備工場との往来を軽減させ、効率よく車両を整備することが可能な車両整備支援方法を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0097】
10 車両整備支援システム
100 車両整備支援装置
110 制御部
111 車両情報取得部
112 整備要否判定部
113 候補日時抽出部
114 候補日時通知部
115 回答受付部
116 整備日時決定部
117 整備決定通知部
120 記憶部
121 車両情報DB
122 ユーザ情報DB
123 整備業者情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する車両を前記ユーザの勤務中に勤務先の駐車場に駐車させている間に、整備業者によって行われる前記車両の整備を支援する車両整備支援装置であって、
前記車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報に基づいて、前記車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部と、
前記整備要否判定部で前記車両の整備が必要と判定された場合に、前記整備要否判定部で判定された判定結果と、あらかじめ記憶部に記憶された前記車両の使用者である前記ユーザに関する情報であって、前記ユーザの勤務形態情報及び前記ユーザが前記勤務先で使用する前記駐車場に関する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ前記記憶部に記憶された前記整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、前記車両の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部と、
前記候補日時抽出部で抽出された前記候補日時に関する情報を、前記ユーザのユーザ端末に通知する候補日時通知部と、
前記ユーザの前記ユーザ端末から、前記候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部と、
前記回答受付部で受け付けた前記ユーザからの前記回答に基づいて、前記車両の整備の日時を決定する整備日時決定部と、
前記整備日時決定部で決定した前記車両の整備の日時に関する情報を、前記ユーザ端末及び整備業者端末に通知する整備決定通知部と、を備える車両整備支援装置。
【請求項2】
前記車両情報取得部は、前記車両に設けられた診断装置及び/又はセンサによって取得された情報であって、前記車両から送信された前記車両情報を取得する、請求項1に記載の車両整備支援装置。
【請求項3】
前記車両情報取得部は、前記ユーザの前記ユーザ端末から送信された前記車両情報を取得する、請求項1に記載の車両整備支援装置。
【請求項4】
前記整備要否判定部は、前記車両情報に基づいて、整備に必要な時間を算出し、前記判定結果に格納する、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両整備支援装置。
【請求項5】
ユーザが使用する車両を前記ユーザの勤務中に勤務先の駐車場に駐車させている間に、整備業者によって行われる前記車両の整備を支援する車両整備支援システムであって、
前記ユーザが使用するユーザ端末と、
前記車両の整備を行う前記整備業者が使用する整備業者端末と、
車両整備支援装置と、を備え、
前記車両整備支援装置は、
前記車両の状態に関する車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報に基づいて、前記車両に対して整備が必要か否かを判定する整備要否判定部と、
前記整備要否判定部で前記車両の整備が必要と判定された場合に、前記整備要否判定部で判定された判定結果と、あらかじめ記憶部に記憶された前記車両の使用者である前記ユーザに関する情報であって、前記ユーザの勤務形態情報及び前記ユーザが前記勤務先で使用する前記駐車場に関する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ前記記憶部に記憶された前記整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、前記車両の整備が可能な候補日時を抽出する候補日時抽出部と、
前記候補日時抽出部で抽出された前記候補日時に関する情報を、前記ユーザの前記ユーザ端末に通知する候補日時通知部と、
前記ユーザの前記ユーザ端末から、前記候補日時に対する回答を受け付ける回答受付部と、
前記回答受付部で受け付けた前記ユーザからの前記回答に基づいて、前記車両の整備の日時を決定する整備日時決定部と、
前記整備日時決定部で決定した前記車両の整備の日時に関する情報を、前記ユーザ端末及び前記整備業者端末に通知する整備決定通知部と、を有する、車両整備支援システム。
【請求項6】
コンピュータによって実行され、ユーザが使用する車両を前記ユーザの勤務中に勤務先の駐車場に駐車させている間に、整備業者によって行われる前記車両の整備を支援する車両整備支援方法であって、
前記車両の状態に関する車両情報を取得し、
前記車両情報に基づいて、前記車両に対して整備が必要か否かを判定し、
前記車両の整備が必要と判定された場合に、あらかじめ記憶部に記憶された前記車両の使用者である前記ユーザに関する情報であって、前記ユーザの勤務形態情報及び前記ユーザが前記勤務先で使用する前記駐車場に関する駐車場情報を含むユーザ情報と、あらかじめ前記記憶部に記憶された前記整備業者に関する整備業者情報と、に基づいて、前記車両の整備が可能な候補日時を抽出し、
前記候補日時に関する情報を、前記ユーザのユーザ端末に通知し、
前記ユーザの前記ユーザ端末から、前記候補日時に対する回答を受け付け、
前記ユーザからの前記回答に基づいて、前記車両の整備の日時を決定し、
前記車両の整備の日時に関する情報を、前記ユーザ端末及び整備業者端末に通知する、車両整備支援方法。