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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178584
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電源装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/14 20200101AFI20231211BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20231211BHJP
【FI】
H05B45/14
H05B45/345
H05B45/375
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091348
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】石北 徹
(72)【発明者】
【氏名】寺坂 博志
(72)【発明者】
【氏名】清水 智章
(72)【発明者】
【氏名】小和田 貴勇
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聖
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA09
3K273CA02
3K273CA12
3K273CA14
3K273EA07
3K273EA25
3K273EA35
3K273FA07
3K273FA14
3K273FA30
3K273GA14
(57)【要約】
【課題】定格電流設定用抵抗の抵抗値にかかわらず、光源の定格電流を設定できる電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置12は、変換回路21と、検出回路30と、制御部22とを備える。変換回路21は、光源15および光源15の定格電流を設定するための定格電流設定用抵抗16を有する光源部11が接続され、入力電力を光源15が点灯する点灯電力に変換して光源15に供給する。検出回路30は、定格電流設定用抵抗16に検出用電流を供給しかつ供給する検出用電流の電流値を変化させることが可能で、定格電流設定用抵抗16の抵抗値に応じた検出電圧を検出する。制御部22は、検出回路30で検出された検出電圧に応じて光源15の定格電流を設定し、点灯電力の電流が定格電流となるように変換回路21を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源およびこの光源の定格電流を設定するための定格電流設定用抵抗を有する光源部が接続され、入力電力を前記光源が点灯する点灯電力に変換して前記光源に供給する変換回路と;
前記定格電流設定用抵抗に検出用電流を供給しかつ供給する検出用電流の電流値を変化させることが可能で、前記定格電流設定用抵抗の抵抗値に応じた検出電圧を検出する検出回路と;
前記検出回路で検出された検出電圧に応じて前記光源の定格電流を設定し、前記点灯電力の電流が前記定格電流となるように前記変換回路を制御する制御部と;
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記光源部は、前記光源と前記定格電流設定用抵抗とが直列に接続された光源回路を有し、
前記光源の定格電流の設定時に前記光源回路の前記定格電流設定用抵抗と前記検出回路とを接続し、前記光源の定格電流を設定した後に前記変換回路と接続される前記光源回路の前記定格電流設定用抵抗をバイパスする切換回路を備える
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記光源部は、前記光源と前記定格電流設定用抵抗とが直列に接続された光源回路を有し、
前記光源回路の前記光源の両端と前記変換回路とを接続する点灯経路と、
前記光源回路の前記定格電流設定用抵抗の両端と前記検出回路とを接続する検出経路とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項4】
前記光源部は、前記光源と前記定格電流設定用抵抗とが独立して設けられ、
前記変換回路は、前記光源に接続され、
前記検出回路は、前記定格電流設定用抵抗に接続される
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項5】
光源およびこの光源の定格電流を設定するための定格電流設定用抵抗を有する光源部と;
前記光源部が接続される請求項1ないし4いずれか一記載の電源装置と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電源装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源を有する光源部が接続され、光源の定格電流に応じた点灯電流を光源に供給する電源装置では、光源の定格電流が異なる種類の光源部に対応可能とした電源装置がある。この場合、光源部は、光源とともにこの光源の定格電流を設定するための定格電流設定用抵抗を備え、また、電源装置は、定格電流設定用抵抗に電流を流し、定格電流設定用抵抗の抵抗値に応じた検出電圧を検出し、検出電圧に応じて光源の定格電流を設定する。
【0003】
電源装置は、対応する範囲の抵抗値の定格電流設定用抵抗を有する光源部のみに対応可能で、異なる範囲の抵抗値の定格電流設定用抵抗を有する光源部には対応できないため、定格電流設定用抵抗の抵抗値にかかわらず、光源の定格電流を設定できることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-66433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、定格電流設定用抵抗の抵抗値にかかわらず、光源の定格電流を設定できる電源装置および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電源装置は、変換回路と、検出回路と、制御部とを備える。変換回路は、光源および光源の定格電流を設定するための定格電流設定用抵抗を有する光源部が接続され、入力電力を光源が点灯する点灯電力に変換して光源に供給する。検出回路は、定格電流設定用抵抗に検出用電流を供給しかつ供給する検出用電流の電流値を変化させることが可能で、定格電流設定用抵抗の抵抗値に応じた検出電圧を検出する。制御部は、検出回路で検出された検出電圧に応じて光源の定格電流を設定し、点灯電力の電流が定格電流となるように変換回路を制御する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の電源装置によれば、定格電流設定用抵抗の抵抗値にかかわらず、光源の定格電流を設定することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の検出経路を示す照明装置の回路図である。
図2】同上第1の点灯経路を示す照明装置の回路図である。
図3】同上第2の点灯経路を示す照明装置の回路図である。
図4】同上照明装置の動作を示すフローチャートである。
図5】第2の実施形態を示す照明装置の回路図である。
図6】第3の実施形態を示す照明装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図3に示すように、照明装置10は、光源部11と、この光源部11が接続される電源装置12とを備える。照明装置10は、例えば、天井に設置されるベースライトやダウンライト、その他の照明用の機器などのいずれでもよい。
【0011】
光源部11は、光源15と、この光源15の定格電流を設定するための定格電流設定用抵抗16とを備えている。光源15と定格電流設定用抵抗16とは直列に接続され、直列回路である光源回路17が構成されている。
【0012】
光源15は、例えばLEDなどの発光素子が用いられる。光源15は、1つ以上の発光素子が用いられ、複数の発光素子が用いられる場合には複数の発光素子が直列または直並列に接続される。光源15は、発光素子の明るさや発光色などの種類に応じて、点灯に適した定格電流が異なっている。
【0013】
定格電流設定用抵抗16の抵抗値は光源15の定格電流の値と予め対応付けられており、光源15の定格電流の値の違いに対応して定格電流設定用抵抗16の抵抗値が変えられている。
【0014】
定格電流設定用抵抗16の抵抗値は、一般的に、数Ω程度の低い抵抗値の範囲である第1の抵抗値範囲とし、この第1の抵抗値範囲で光源15の定格電流の違いに対応して抵抗値が変えられている。
【0015】
さらに、定格電流設定用抵抗16の抵抗値は、第1の抵抗値範囲とは別に、第1の抵抗値範囲よりも高い抵抗値の範囲である第2の抵抗値範囲とし、この第2の抵抗値範囲で光源15の定格電流の違いに対応して抵抗値が変えられている場合もある。
【0016】
したがって、定格電流設定用抵抗16は、低い抵抗値の範囲である第1の抵抗値範囲と、高い抵抗値の範囲である第2の抵抗値範囲との少なくとも2段階の抵抗値範囲があり、光源部11毎にいずれかに設定されている。なお、定格電流設定用抵抗16は、第1および第2の抵抗値範囲以外に、例えば第2の抵抗値範囲よりもさらに高い抵抗値となる、第3の抵抗値範囲、第4の抵抗値範囲というように、2段階以上の抵抗値範囲があってもよい。
【0017】
光源部11は、光源回路17の高電位側である発光素子のアノード側に接続される第1の光源端子18aと、光源回路17の低電位側に接続される第2の光源端子18bと、光源15の低電位側である発光素子のカソード側と定格電流設定用抵抗16との接続点に接続される第3の光源端子18cとを有し、これら光源端子18a,18b,18cを通じて電源装置12に電気的に接続されている。光源端子18a,18b,18cは、電源装置12と電気的に接続される例えばコネクタなどで構成されてもよい。
【0018】
光源部11は、照明装置10に対して着脱および交換が可能な構造であってもよいし、着脱および交換ができない一体形の構造であってもよい。
【0019】
また、電源装置12は、異なる定格電流の光源15を有する複数種類の光源部11に対応可能とする。電源装置12は、入力電力を光源15が点灯する点灯電力に変換して光源部11に供給する変換回路21と、この変換回路21を制御する制御部22とを備えている。
【0020】
変換回路21は、第1の変換回路であるAC/DC回路23と、第2の変換回路であるDC/DC回路24とを備えている。
【0021】
AC/DC回路23は、交流電源25から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、DC/DC回路24に供給する。AC/DC回路23は、交流電源25から供給される交流電圧を直流電圧に整流する整流回路を備え、さらに、整流回路で整流された直流電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路である力率改善回路などを備えていてもよい。
【0022】
DC/DC回路24は、AC/DC回路23から供給される直流電力を光源15が点灯する直流の点灯電力に変換し、光源15に供給する。DC/DC回路24は、AC/DC回路23で昇圧された直流電圧を降圧する降圧チョッパ回路などを備えた定電流回路で構成され、この定電流回路(降圧チョッパ回路)が有するスイッチング素子のスイッチングを制御部22で制御することで、光源15の定格電流に応じた一定の点灯電流を光源15に供給する。
【0023】
電源装置12は、DC/DC回路24の点灯電力の高電位側の出力部に接続される第1の電源端子26aと、DC/DC回路24の点灯電力の低電位側の出力部に接続される第2の電源端子26bと、DC/DC回路24(検出回路30)の検出用電流を出力する出力部に接続される第3の電源端子26cとを有し、これら各電源端子26a,26b,26cと光源部11の各光源端子18a,18b,18cとが電気的に接続される。電源端子26a,26b,26cは、光源部11の光源端子18a,18b,18cと電気的に接続される例えばコネクタなどで構成されてもよい。
【0024】
また、DC/DC回路24は、光源部11の定格電流設定用抵抗16に検出用電流を供給し、定格電流設定用抵抗16の抵抗値に応じた検出電圧を検出する検出回路30を備えている。なお、検出回路30は、DC/DC回路24や変換回路21とは別に設けられていてもよい。
【0025】
検出回路30は、DC/DC回路24に供給された直流電力によって検出用電流を生成し、生成した検出用電流を第3の電源端子26c、第3の光源端子18c、定格電流設定用抵抗16、第2の光源端子18b、第2の電源端子26bを通る検出経路Aに流し、定格電流設定用抵抗16の抵抗値に応じて生じる電圧を検出電圧として検出し、制御部22に出力する。
【0026】
検出回路30で生成する検出用電流の値は、定格電流設定用抵抗16が低い抵抗値の範囲である第1の抵抗値範囲にある場合に対応して検出電圧を検出可能とする大きい電流値(第2の電流値よりも大きい電流値)である第1の電流値と、定格電流設定用抵抗16が高い抵抗値の範囲である第2の抵抗値範囲にある場合に対応して検出電圧を検出可能とする、第1の電流値よりも小さい電流値である第2の電流値とがあり、少なくとも2段階に切り換え可能とする。なお、検出回路30は、定格電流設定用抵抗16の抵抗値範囲が、第1および第2の抵抗値範囲以外に、第3の抵抗値範囲、第4の抵抗値範囲というように、2段階以上の抵抗値範囲に対応する場合には、2段階以上の電流値に切り換え可能とする。
【0027】
検出回路30から供給する検出用電流の値は、小さい値から大きい値に、または大きい値から小さい値に、段階的に切り換えてもよいし、連続的に変化させてもよい。
【0028】
また、制御部22は、検出回路30から流す検出用電流の値(第1の電流値または第2の電流値)と検出回路30で検出された検出電圧の値とから光源15の定格電流の値を判断し、特定された場合に光源15の定格電流として設定し、光源15に供給する点灯電力の電流が設定された定格電流となるように変換回路21を制御、つまりDC/DC回路24のスイッチング素子のスイッチングを制御する。
【0029】
検出回路30で検出される検出電圧の値と光源15の定格電流の値とは予め対応付けられており、制御部22は、この対応関係に基づいて、検出回路30で検出された検出電圧の値から光源15の定格電流の値を特定し、その特定された値の定格電流を電源装置12と接続された光源部11の光源15の定格電流として設定する。
【0030】
制御部22は、検出回路30で検出された検出電圧の値から光源15の定格電流の値を特定するための閾値を備える。この場合、検出回路30から大きい第1の電流値の検出用電流を抵抗値の低い第1の抵抗値範囲にある定格電流設定用抵抗16に流したときに得られる検出電圧を特定する第1の検出電圧閾値と、検出回路30から小さい第2の電流値の検出用電流を抵抗値の高い第2の抵抗値範囲にある定格電流設定用抵抗16に流したときに得られる検出電圧を特定する第2の検出電圧閾値とがあり、少なくとも2段階の検出電圧閾値が含まれる。なお、制御部22は、定格電流設定用抵抗16の抵抗値範囲が、第1および第2の抵抗値範囲以外に、第3の抵抗値範囲、第4の抵抗値範囲というように、2段階以上の抵抗値範囲がある場合には、第1および第2の検出電圧閾値以外に、2段階以上の検出電圧閾値を備えていてもよい。
【0031】
制御部22は、検出回路30から大きい第1の電流値の検出用電流を抵抗値の高い第2の抵抗値範囲にある定格電流設定用抵抗16に流したときに得られる検出電圧や、検出回路30から小さい第2の電流値の検出用電流を抵抗値の低い第1の抵抗値範囲にある定格電流設定用抵抗16に流したときに得られる検出電圧などは、第1および第2の検出電圧閾値外にあるため、定格電流を特定することはない。
【0032】
なお、比較器を用いて検出回路30で検出された検出電圧と順次変化させる基準電圧とを比較することで、制御部22において定格電流を特定してもよい。
【0033】
制御部22は、1チップ化された1つの集積回路で構成してもよいし、複数の集積回路を組み合わせて構成してもよい。
【0034】
また、電源装置12は、光源部11に点灯電力が流れる点灯経路を切り換える切換回路33を備えている。切換回路33は、DC/DC回路24が備えていてもよいし、DC/DC回路24とは別に設けられていてもよい。
【0035】
切換回路33は、第2の電源端子26b側と第3の電源端子26c側との間で、定格電流設定用抵抗16と並列に接続されるスイッチング素子34を備えている。スイッチング素子34は、例えばnチャネル型のMOSFETなどが用いられ、ドレインが第3の電源端子26c側に接続され、ソースが第2の電源端子26b側に接続され、ゲートが制御部22に接続され、制御部22によってオンオフされる。
【0036】
切換回路33は、光源15の定格電流の設定時(検出時)に、図1に示すように、スイッチング素子34をオフすることで、検出回路30と定格電流設定用抵抗16とを接続する検出経路Aを形成する。
【0037】
切換回路33は、変換回路21から光源15に点灯電力を供給する点灯時に、図2に示すように、スイッチング素子34をオフすることで、第1の電源端子26a、第1の光源端子18a、光源15、定格電流設定用抵抗16、第2の光源端子18b、第2の電源端子26bを通る第1の点灯経路B1を形成し、また、図3に示すように、スイッチング素子34をオンすることで、第1の電源端子26a、第1の光源端子18a、光源15、第3の光源端子18c、第3の電源端子26c、スイッチング素子34を通る第2の点灯経路B2を形成し、第1の点灯経路B1と第2の点灯経路B2とを切換可能とする。第2の点灯経路B2は、変換回路21と接続される光源回路17の定格電流設定用抵抗16をバイパスする経路である。
【0038】
次に、電源装置12の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
電源装置12に接続される光源部11の定格電流設定用抵抗16の抵抗値は、低い抵抗値の範囲である第1の抵抗値範囲の場合と、高い抵抗値の範囲である第2の抵抗値範囲の場合とがある。
【0040】
交流電源25から電源装置12に電力供給され、制御部22が起動した際、制御部22は、DC/DC回路24から光源15に点灯電力を供給する前に、光源部11の定格電流設定用抵抗16の抵抗値から光源15の定格電流を特定する動作を実行する。
【0041】
検出回路30が検出用電流を生成し、図1に示すように、生成した検出用電流を第3の電源端子26c、第3の光源端子18c、定格電流設定用抵抗16、第2の光源端子18b、第2の電源端子26bを通る検出経路Aに流し、定格電流設定用抵抗16の抵抗値に応じて生じる電圧を検出電圧として検出し、制御部22に出力する。
【0042】
このとき、検出回路30は、小さい電流値である第2の電流値の検出用電流を検出経路Aに流し(ステップS1)、定格電流設定用抵抗16の抵抗値に応じた検出電圧を検出する検出する。
【0043】
次に、制御部22は、予め対応付けられている検出回路30で検出される検出電圧の値と光源15の定格電流の値との対応関係に基づいて、検出回路30で検出された検出電圧の値から、光源15の定格電流の値を特定する。例えば、ここでは第2の電流値の検出用電流を流しているため、検出回路30で検出された検出電圧の値を、検出回路30から第2の電流値の検出用電流を第2の抵抗値範囲にある定格電流設定用抵抗16に流したときに得られる検出電圧を特定する第2の検出電圧閾値と比較することで、検出回路30で検出された検出電圧の値から光源15の定格電流の値を特定する。
【0044】
制御部22は、検出回路30で検出された検出電圧の値が第2の検出電圧閾値の範囲内にあれば(ステップS2のYES)、その検出電圧の値と第2の検出電圧閾値とから定格電流の値を特定し(ステップS3)、電源装置12と接続された光源部11の光源15の定格電流として設定する。
【0045】
制御部22は、検出回路30から第2の電流値の検出用電流を定格電流設定用抵抗16に流して光源15の定格電流の値を特定した場合、定格電流設定用抵抗16が抵抗値の高い第2の抵抗値範囲にあるものと判断し、切換回路33のスイッチング素子34をオンする。この場合、図3に示すように、第1の電源端子26a、第1の光源端子18a、光源15、第3の光源端子18c、第3の電源端子26c、スイッチング素子34を通る第2の点灯経路B2を形成し、つまり定格電流設定用抵抗16をバイパスするバイパス経路に切り換える(ステップS4)。
【0046】
制御部22は、光源15の定格電流を設定した後、DC/DC回路24を制御し、DC/DC回路24から光源15に点灯電力を供給するように制御するとともに(ステップS5)、その点灯電力の電流が定格電流となるように制御する。そのため、光源15は、定格電流の点灯電力が供給されて点灯する。
【0047】
このとき、切換回路33により第2の点灯経路B2を形成しているため、DC/DC回路24からの点灯電力を第2の点灯経路B2に流し、抵抗値の高い定格電流設定用抵抗16をバイパスすることで、定格電流設定用抵抗16での電力損失を無くすことができる。
【0048】
一方、第2の検出電流を流した際に検出された検出電圧が第2の検出電圧閾値の範囲を超えた値(大きい値または小さい値)である場合(ステップS2のNO)、検出電圧が第2の検出電圧閾値よりも高いか判断する(ステップS6)。検出電圧が第2の検出電圧閾値よりも高い場合(ステップS6のYES)、適応外の光源15が装着されていたり、光源15が未装着であると判断し(ステップS7)、DC/DC回路24から電力の供給をしない(ステップS8)。
【0049】
また、第2の検出電流を流した際に検出された検出電圧が第2の検出電圧閾値の範囲よりも小さい値である場合(ステップS6のNO)、検出回路30は、検出電流を第1の検出電流値に切り換えて、第1の検出電流値の検出電流を検出経路Aに流し(ステップS9)、定格電流設定用抵抗16の抵抗値に応じた検出電圧を検出する。
【0050】
次に、制御部22は、予め対応付けられている検出回路30で検出される検出電圧の値と光源15の定格電流の値との対応関係に基づいて、検出回路30で検出された検出電圧の値から、光源15の定格電流の値を特定する。例えば、ここでは第1の電流値の検出用電流を流しているため、検出回路30で検出された検出電圧の値を、検出回路30から第1の電流値の検出用電流を第1の抵抗値範囲にある定格電流設定用抵抗16に流したときに得られる検出電圧を特定する第1の検出電圧閾値と比較することで、検出回路30で検出された検出電圧の値から光源15の定格電流の値を特定する。
【0051】
制御部22は、検出回路30で検出された検出電圧の値が第1の検出電圧閾値の範囲内にあれば(ステップS10のYES)、その検出電圧の値と第1の検出電圧閾値とから定格電流の値を特定し(ステップS11)、電源装置12と接続された光源部11の光源15の定格電流として設定する。
【0052】
制御部22は、光源15の定格電流を設定した後、DC/DC回路24を制御し、DC/DC回路24から光源15に点灯電力を供給するように制御するとともに(ステップS12)、その点灯電力の電流が定格電流となるように制御する。そのため、光源15は、定格電流の点灯電力が供給されて点灯する。
【0053】
制御部22は、検出回路30から第1の電流値の検出用電流を定格電流設定用抵抗16に流して光源15の定格電流の値を特定した場合、定格電流設定用抵抗16は抵抗値が低い第1の抵抗値範囲にあるものと判断し、切換回路33のスイッチング素子34をオフしてもよい。この場合、図2に示すように、第1の電源端子26a、第1の光源端子18a、光源15、定格電流設定用抵抗16、第2の光源端子18b、第2の電源端子26bを通る第1の点灯経路B1を形成し、DC/DC回路24からの点灯電力を第1の点灯経路B1に流し、光源15が点灯する。この第1の点灯経路B1では、点灯電流が定格電流設定用抵抗16に流れるが、定格電流設定用抵抗16の抵抗値は低いために電力損失の影響は少ない。
【0054】
ただし、図3に示すように、切換回路33のスイッチング素子34をオンすることで、第1の電源端子26a、第1の光源端子18a、光源15、第3の光源端子18c、第3の電源端子26c、スイッチング素子34を通る第2の点灯経路B2を形成し、DC/DC回路24からの点灯電力を第2の点灯経路B2に流し、定格電流設定用抵抗16をバイパスすることで、定格電流設定用抵抗16での電力損失を無くすようにしてもよい。
【0055】
一方、検出回路30から第1の電流値の検出用電流を検出経路Aに流しても、検出回路30で検出された検出電圧の値から、光源15の定格電流の値を特定できない場合(ステップS10のNO)、適応外の光源15が装着されていたり、光源15が未装着であると判断し(ステップS7)、DC/DC回路24から電力の供給をしない(ステップS8)。
【0056】
ところで、定格電流設定用抵抗16の抵抗値が低い第1の抵抗値範囲にある場合、光源部11と電源装置12とを接続するコネクタの接触抵抗や電線の抵抗などの影響で、定格電流設定用抵抗16の抵抗値に応じた検出電圧にばらつきが生じ、検出電圧から設定する光源15の定格電流が実際の光源15の定格電流からずれる虞がある。また、抵抗値が低い定格電流設定用抵抗16に電流値が小さい検出電流を流した場合、検出される電圧が小さく正しく検出できない虞がある。
【0057】
そこで、定格電流設定用抵抗16の抵抗値を高い第2の抵抗値範囲にすることで、上述のような影響が軽減されるが、検出回路30から供給する検出用電流を第2の抵抗値範囲の定格電流設定用抵抗16に対応して第2の電流値とした電源装置12では、抵抗値が低い第1の抵抗値範囲にある定格電流設定用抵抗16を備えた光源部11との互換性が無くなってしまう。また、抵抗値が高い定格電流設定用抵抗16に電流値が大きい検出電流を流した場合、定格電流設定用抵抗16の定格電力を超えてしまい、発熱により定格電流設定用抵抗16が破損する虞がある。
【0058】
本実施形態の電源装置12では、検出回路30から定格電流設定用抵抗16に供給する検出用電流の値を変化させることが可能であるため、つまり第1の電流値と第2の電流値とに切り換えることが可能であるため、定格電流設定用抵抗16の抵抗値にかかわらず、光源15の定格電流を設定できる。
【0059】
また、定格電流設定用抵抗16の抵抗値を大きくすることで、光源部11と電源装置12とを接続するコネクタの接触抵抗や電線の抵抗などの影響を軽減でき、しかも、定格電流設定用抵抗16の抵抗値を大きくしても、切換回路33により抵抗値の高い定格電流設定用抵抗16をバイパスすることで、点灯電力が定格電流設定用抵抗16に流れず、定格電流設定用抵抗16で電力損失が生じるのを防止できる。
【0060】
なお、第1の電流値の検出用電流と第2の電流値の検出用電流とを検出経路Aに順次流し、取得される全ての検出電圧から光源15の定格電流を特定し、設定してもよい。
【0061】
次に、図5に第2の実施形態を示す。
【0062】
検出回路30から検出用電流を流す検出経路Aは、第3の電源端子26c、第3の光源端子18c、定格電流設定用抵抗16、第2の光源端子18b、第2の電源端子26bを通る経路であって、定格電流設定用抵抗16の両端と検出回路30とを接続する経路である。
【0063】
DC/DC回路24から点灯電流を流す点灯経路Bは、第1の電源端子26a、第1の光源端子18a、光源15、第2の光源端子18b、第2の電源端子26bを通る経路であって、光源15の両端とDC/DC回路24とを接続する経路である。
【0064】
検出経路Aには、検出回路30と第3の電源端子26cとの間に、点灯電力が定格電流設定用抵抗16に流れるのを防止する逆流防止回路37が設けられる。逆流防止回路37は、カソードが第3の電源端子26cに接続され、アノードが検出回路30に接続されるダイオード38が用いられる。
【0065】
そして、第2の実施形態では、点灯経路Bを流れる点灯電力が定格電流設定用抵抗16に流れず、定格電流設定用抵抗16で電力損失が生じるのを防止できる。
【0066】
なお、逆流防止回路37は、制御部22によってオンオフされるスイッチであってもよい。
【0067】
次に、図6に第3の実施形態を示す。
【0068】
光源部11は、光源15と、定格電流設定用抵抗16とが独立して設けられる。光源部11は、光源15の両端と接続される第1の光源端子18aおよび第2の光源端子18b、定格電流設定用抵抗16の両端と接続される第3の光源端子18cおよび第4の光源端子18dを備える。
【0069】
電源装置12は、DC/DC回路24の点灯電力の出力部と接続される第1の電源端子26aおよび第2の電源端子26b、検出回路30の検出用電流の出力部と接続される第3の電源端子26cおよび第4の電源端子26dを備える。
【0070】
検出回路30から検出用電流を流す検出経路Aは、第3の電源端子26c、第3の光源端子18c、定格電流設定用抵抗16、第4の光源端子18d、第4の電源端子26dを通る経路である。
【0071】
DC/DC回路24から点灯電流を流す点灯経路Bは、第1の電源端子26a、第1の光源端子18a、光源15、第2の光源端子18b、第2の電源端子26bを通る経路である。
【0072】
そして、第3の実施形態では、検出経路Aと点灯経路Bとが独立して設けられるため、点灯電力が定格電流設定用抵抗16に流れず、定格電流設定用抵抗16で電力損失が生じるのを防止できる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10 照明装置
11 光源部
12 電源装置
15 光源
16 定格電流設定用抵抗
17 光源回路
21 変換回路
22 制御部
30 検出回路
33 切換回路
A 検出経路
B 点灯経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6