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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178586
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/18 20120101AFI20231211BHJP
   G07D 11/36 20190101ALI20231211BHJP
   G07D 11/235 20190101ALI20231211BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20231211BHJP
【FI】
G06Q20/18
G07D11/36
G07D11/235
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091356
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】山中 章義
【テーマコード(参考)】
3E141
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA03
3E141AA06
3E141BA08
3E141CA02
5L055AA39
(57)【要約】
【課題】 自動取引装置の休止を早期に発見することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、第1のネットワークを介して自動取引装置と接続する情報処理装置であって、所定のタイミングで前記自動取引装置が取引可能な状態であるか又は取引不可能な状態であるかを示す情報を取得する状態取得手段と、前記状態取得手段で取得した前記自動取引装置の状態を基に、取扱時間帯になっても取引不可能な状態の前記自動取引装置が一定数以上存在するか否かを判定する状態判定手段と、前記自動取引装置が取引不可能な状態が一定数存在することを外部装置に警告する警告手段とを有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークを介して自動取引装置と接続する情報処理装置であって、
所定のタイミングで前記自動取引装置が取引可能な状態であるか又は取引不可能な状態であるかを示す情報を取得する状態取得手段と、
前記状態取得手段で取得した前記自動取引装置の状態を基に、取扱時間帯になっても取引不可能な状態の前記自動取引装置が一定数以上存在するか否かを判定する状態判定手段と、
前記自動取引装置が取引不可能な状態が一定数存在することを外部装置に警告する警告手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記第1のネットワークの上位に位置するホストコンピュータ、又は該ホストコンピュータと前記自動取引装置間を中継するサーバであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記自動取引装置は、前記第1のネットワークより狭帯域な第2のネットワークを介して、前記外部装置と接続され、
前記外部装置は、前記自動取引装置を監視する監視装置である
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記状態取得手段は、前記自動取引装置の状態の取得を要求する取扱中状態確認要求電文を前記自動取引装置に送信し、前記自動取引装置から前記自動取引装置の状態の情報が含まれる取扱中状態確認応答電文が返信されることにより、前記自動取引装置の状態の情報を取得することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、金融機関等に設置されている1又は複数の現金自動預け払い装置(ATM:Auto Teller Machine)において、ATMが正常に稼働されているか否か等を遠隔から監視する監視システムが存在する(特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、各ATMが自装置の状態が変化した際に、その情報を監視サーバに通知し、監視サーバがATMから受信した情報に基づいて、ATMの稼働状況を把握し、必要に応じて、上位(例えば、金融機関のホストコンピュータ)に対して警告を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-145426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の監視技術では、以下のような場合にはATMから監視システムへ通知を上げることができない。
【0006】
例えば、金融機関等に設置されたATMの取扱時間が7時から開始の場合、7時を境に、ホストコンピュータからの指示に基づき、ATMは取扱中止(取扱休止)の状態から取扱可能な状態へ遷移する。そして、監視システムでは、ATMから状態変化の通知を受けることにより、ATMの状態変化を知ることができる。
【0007】
しかしながら、7時になっても、何らかの要因(例えば、ホストコンピュータからATMに上述の指示が無い場合等)により、ATMが取扱中止のままだった場合、ATMは、状態が変わらないので、監視システムへ通知を行わないことになる。
【0008】
何らかの要因によりATMの状態が変わらないことも問題であるが、監視システムに各ATMから情報が集まらず、実際に起きている状況(大規模なATMの休止)を把握できないのも問題である。
【0009】
そのため、自動取引装置の休止を早期に発見することができる情報処理装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1のネットワークを介して自動取引装置と接続する情報処理装置であって、(1)所定のタイミングで前記自動取引装置が取引可能な状態であるか又は取引不可能な状態であるかを示す情報を取得する状態取得手段と、(2)前記状態取得手段で取得した前記自動取引装置の状態を基に、取扱時間帯になっても取引不可能な状態の前記自動取引装置が一定数以上存在するか否かを判定する状態判定手段と、(3)前記自動取引装置が取引不可能な状態が一定数存在することを外部装置に警告する警告手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自動取引装置の休止を早期に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る金融取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
図2】実施形態に係るATMの内部構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るATMの外観構成を示す外観斜視図である。
図4】実施形態に係る中継装置の内部構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る取扱中状態確認要求電文及び取扱中状態確認応答電文のフォーマットを示す説明図である。
図6】実施形態に係る金融取引システムの動作(ATM取扱中止状態検知処理)について示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による情報処理装置の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0014】
(A-1)実施形態の構成
(A-1-1)全体構成
図1は、実施形態に係る金融取引システムの全体構成を示す全体構成図である。図1において、金融取引システム5は、ATM1、ホストコンピュータ2、中継装置3、及び監視装置4を有して構成される。
【0015】
ATM1及び中継装置3間は、ネットワークN1を介して接続され、中継装置3及びホストコンピュータ2間は、ネットワークN2を介して接続される。また、ATM1及び監視装置4間は、ネットワークMを介して接続される。
【0016】
ネットワークN(N1、N2)は、金融取引に関するデータを通信することができる通信網であり、例えば、専用網を適用することができる。この実施形態では、ネットワークNは、ネットワークMより広帯域通信網であることを前提とする。
【0017】
ネットワークMは、ATM1の稼働状況等に関するデータを通信することができる通信網であり、例えば、専用網を適用することができる。この実施形態では、ネットワークMは、上述のネットワークNより狭帯域通信網であることを前提とする。
【0018】
ATM1は、例えば、金融機関、駅、コンビニエンスストア、ホテル等に設けられている現金自動預け払い装置(ATM)である。ATM1は、中継装置3を介して、ホストコンピュータ2と通信可能であり、例えば、振り込み取引、預け入れ取引(入金取引)、引き出し取引(出金取引)、等の各種金融取引を行うものである。なお、図2では、説明を容易にするために、1台のATM1のみ図示している。しかし、実際には、複数台のATM1のそれぞれが、中継装置3を介して、ホストコンピュータ2と接続する。
【0019】
ホストコンピュータ2は、金融機関のホストコンピュータであり、ATM1から取引に関する情報を取得すると、取得した取引に関する情報に基づいて、顧客が行った取引の内容を管理するものである。
【0020】
中継装置3は、ATM1及びホストコンピュータ2間の電文送受信を中継する装置である。中継装置3は、例えば図示しない監視センタ内に設置される。この実施形態では、中継装置3は、各拠点に配置された全てのATM1に対して定期的に状態取得電文(ATM1が取引可能か状態か又は不可能な状態かを取得する電文)を送信する。そして、中継装置3は、ATM1から返信された電文に基づき、ATM1の状態を把握し、必要に応じて監視装置4に警告を行う。
【0021】
監視装置4は、ATM1から状態変化を示す通知や障害の発生を示す通知を受信することにより、ATM1の稼働や障害の発生状況を監視する装置である。この実施形態では、監視装置4は、上述の中継装置3と同じ拠点(監視センタ)に設置され、互いに通信可能であることを前提とする。
【0022】
(A-1-2)ATM1の詳細な構成
図3は、実施形態に係るATMの外観構成を示す外観斜視図である。図3において、実施形態のATM1は、操作表示部12、カード入出口13、紙幣入出口14、及びレシート排出口16を有する。
【0023】
操作表示部12は、例えば、取引種類の選択メニュー画面、各取引の操作画面、取引内容の確認画面等を表示したり、顧客が入力した入力情報を取り込んだりするものである。操作表示部12は、例えば、タッチパネル方式の操作表示部を適用することができる。なお、操作表示部12は、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル方式のものに限らず、操作部と表示部とがそれぞれ物理的に別の構成のものであってもよい。
【0024】
カード入出口13は、顧客がキャッシュカードを挿入したり又はキャッシュカードを取り出したりするものである。
【0025】
紙幣入出口14は、顧客が紙幣を挿入したり又は紙幣を取り出したりするものである。紙幣入出口14は、例えば、開閉可能な開閉体を有するバケットタイプのものを用いることができる。顧客が紙幣を投入するときには、顧客はバケットの開口部に紙幣を投入し、その後ATM1は、開閉体が閉じて投入された紙幣を取り込む。またATM1が紙幣を返却するときには、ATM1はバケットに紙幣を繰り出し、その後、開閉体が開放する。
【0026】
レシート排出口16は、取引内容を印刷した明細票(レシート)を排出するものである。
【0027】
図2は、実施形態に係るATMの内部構成を示すブロック図である。図2において、ATM1は、制御部10、記憶部20、通信部25、操作表示制御部40、カード処理部50、紙幣入出金部60、及び明細票発行部80を有する。
【0028】
制御部10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶部20から所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部を制御して入金取引、出金取引、残高照会取引等の種々の処理を行う。
【0029】
取扱中状態制御部11は、中継装置3から後述する取扱中状態確認要求電文を受信すると、現在のATM1の状態を保持する取扱中状態パラメータPを参照する。続いて、取扱中状態制御部11は、取扱中状態パラメータPに保持されている値を含む取扱中状態確認応答電文を作成する。そして、取扱中状態制御部11は、作成した取扱中状態確認応答電文を中継装置3に返信する。
【0030】
上記取扱中状態パラメータPには、例えば、ATM1がホストコンピュータ2により稼働指示が通知され、ATM1が取引可能な状態になった場合には、「ATM取扱中」と設定される。一方、ATM1がホストコンピュータ2により稼働中止指示や障害等により、ATM1が取引不可能な状態になった場合には、「ATM取扱中止」と設定される。
【0031】
記憶部20は、制御部10が実行する処理プログラム等を記憶するものあり、例えば、フラッシュメモリやHDD等により構成される。
【0032】
通信部25は、ネットワークN及びネットワークMを介して各装置と接続するためのネットワークインタフェースである。
【0033】
操作表示制御部40は、制御部10の制御の下、操作表示部12の動作を制御するものである。操作表示制御部40は、制御部10から画面情報に基づいて、操作表示部12に画面を表示させたり、又は操作表示部12から入力された情報を制御部10に与えたりするものである。
【0034】
カード処理部50は、カード入出口13に挿入されたカード(キャッシュカード)の処理を行う。カード処理部50は、制御部10の制御に応じて、カードの処理を行う。
【0035】
紙幣入出金部60は、制御部10の制御の下、紙幣を金種別に収納・管理するものである。
【0036】
明細票発行部80は、制御部10の制御の下、取引明細票に取引結果を印刷して、レシート排出口16から発行(排出)を行うものである。
【0037】
(A-1-3)中継装置3の詳細な構成
図4は、実施形態に係る中継装置の内部構成を示すブロック図である。図4において、中継装置3は、制御部30、記憶部35、及び通信部36を有する。
【0038】
制御部30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶部20から所定のプログラムを読み出して実行することにより、電文の中継等の種々の処理を行う。
【0039】
取扱中状態取得部31は、ATM1に対して、取扱中状態確認要求電文を送信して、ATM1から返信される取扱中状態確認応答電文からATM1の取扱中状態を取得するものである。
【0040】
取扱中状態判定部32は、ATM1が本来取引可能な状態になっていなければいけない時間帯(取扱時間帯)になっても、取引が不可能な状態のATM1が一定数存在するか否かを判定する(閾値Tを基準にして判定する)。例えば、閾値Tは、ATM全体の内の何割かの値を設定して良い。なお、上述の判定は、都道府県等のエリア単位で行っても良い。
【0041】
警告部33は、取扱中状態判定部32の判定により取引が不可能な状態のATM1が一定数存在したと判定された場合には、監視装置4にアラームを通知する。
【0042】
(A-1-4)取扱中状態確認要求電文及び取扱中状態確認応答電文の詳細な構成
この実施形態では、中継装置3がATM1の状態(取扱中状態)を取得するために、取扱中状態確認要求電文をATM1に送信する。そして、ATM1は、取扱中状態の情報を含む取扱中状態確認応答電文を中継装置3に返信する。
【0043】
中継装置3が生成する取扱中状態確認要求電文と、ATM1が生成する取扱中状態確認応答電文のフォーマットについては限定されないものだが、この実施形態では、各電文の構成は図5のように表すことができる。
【0044】
図5(A)に示す取扱中状態確認要求電文100は、大別すると、ヘッダ部110と、当該電文に係る実体的な内容を表すデータ部120の2つの構成要素を有する。ヘッダ部110は、送信先の情報(ここでは、送信先はATM1であるのでATM1に関する情報)を示す「送信先」と、送信元の情報(ここでは、送信元は中継装置3であるので中継装置3に関する情報)を示す「送信元」と、送信電文の区分(ここでは、取扱中状態確認要求電文を示す情報)を示す「電文区分」の項目を有する。また、データ部120は、電文の送信日時を示す「送信日時」と、取扱中状態を確認したいATM1を識別するための情報を示す「端末番号」を有する。
【0045】
一方、図5(B)に示す取扱中状態確認応答電文200は、大別すると、ヘッダ部210と、当該電文に係る実体的な内容を表すデータ部220の2つの構成要素を有する。ヘッダ部210は、上述のヘッダ部110と同様に、「送信先」と、「送信元」と、「電文区分」の項目を有する。ここでは、送信先には、中継装置3に関する情報が記載され、送信元には、ATM1に関する情報が記載され、電文区分には、取扱中状態確認応答電文を示す情報が記載される。また、データ部220は、上述のデータ部120で示した「送信日時」と、「端末番号」に加えて、ATM1が取扱可能(取引可能)な状態であるか否かを示す「取扱中状態」の項目を有する。取扱中状態には、上述の取扱中状態パラメータPに保持されている値(ATM取扱中又はATM取扱中止のいずれかを示す値)が記載される。
【0046】
(A-2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する実施形態の金融取引システム5の動作を説明する。以下の説明において、ATM1は、複数台存在することを前提とする。
【0047】
図6は、実施形態に係る金融取引システムの動作(ATM取扱中止状態検知処理)について示すシーケンス図である。
【0048】
中継装置3の取扱中状態取得部31は、所定のタイミング(例えば、数分間隔の周期ごと)で、各ATM1に対して、取扱中状態確認要求電文100を送信する(S101)。ここでは、全てのATM1に対して取扱中状態確認要求電文100を送信するが、変形例として、取扱中状態取得部31は、取扱時間帯以外のATM1に対しては取扱中状態確認要求電文100を送信しなくても良い。言い換えれば、取扱中状態取得部31は、取扱時間帯のATM1のみ電文を送信しても良い。
【0049】
各ATM1は、取扱中状態確認要求電文100を受信すると、取扱中状態パラメータPを参照して、取扱中状態確認応答電文200(電文中の取扱中状態の項目に「ATM取扱中」又は「ATM取扱中止」のいずれかが記載された応答電文)を生成し、当該取扱中状態確認応答電文200を中継装置3に送信する(S102)。この実施形態では、各ATM1は、取扱中状態確認要求電文100受信時にATM1が取引中だった場合には、取引が終了したタイミングで取扱中状態確認応答電文200を送信するものとする。変形例として、各ATM1は、ATM1が取引中だった場合には、取引を中断して、取扱中状態確認応答電文200を送信する処理を優先しても良い。
【0050】
中継装置3の取扱中状態判定部32は、各ATM1から受信した取扱中状態確認応答電文200を基に、取扱時間帯になっても中止(休止)となっている一定数のATM1が存在するか否か判定を行う(S103)。当該ステップS103の処理を実行するタイミングは、例えば、上述のステップS101の処理を行った後、所定期間経過後に実行する。また、ここでの所定期間は、例えば、ネットワークN1の通信環境を考慮して定める。
【0051】
具体的に、取扱中状態判定部32は、各ATM1から受信した取扱中状態確認応答電文200の内、取扱時間帯になっても取扱中止状態となっているATM1の数をカウントとする。そして、取扱中状態判定部32は、ATM1全体に対する取扱中止状態となっているATM1の割合を算出して、この割合が閾値T以上か否かで問題が起こっているか否かを判定する。中継装置3は、取扱中止状態となっているATM1の割合が閾値T以上の場合には次のステップS104に移行し、一方、中継装置3は、取扱中止状態となっているATM1の割合が閾値T未満の場合には、一連の処理を終了する(この後、次の周期で上述のステップS101から処理を実行することになる)。
【0052】
なお、上述の割合の算出に際して、取扱中状態確認要求電文100に対する取扱中状態確認応答電文200の返信がないATM1については、取扱中止状態とみなして、上述の割合の算出を行っても良い。
【0053】
中継装置3の警告部33は、取扱中止状態となっているATM1の割合が閾値T以上の場合には、取引時間帯になっても中止となっている一定数のATM1が存在する旨の警告を監視装置4に対して行う(S104)。この警告の具体的な内容や方法は特に限定されないが、例えば、中止となっているATM1の数や、各ATM1を特定する情報を含むメッセージを、内部ネットワークを介して監視装置4に送信しても良い。そして、監視装置4では、画面にこの警告内容を表示するようにしても良い。この他、警告は電子メール等でも良い。いずれにしても警告内容及び警告手段は特に限定されるものではない。
【0054】
(A-3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0055】
上述の金融取引システム5では、例えば、ATM自体には問題がなく、金融機関ホストの問題でATMが取扱可能な状態にならないような事象(ホストコンピュータ2からの指示に基づき、ATM1が稼働するシーケンスに問題がある等)が起きたとしても、この問題を早期に発見することができる。
【0056】
また、一般的にATM監視装置とATMとの間のネットワーク帯域(ネットワークM)は狭いことが多く、金融機関ホスト向けのネットワーク(ネットワークN)は帯域が広い場合が多い。そのため、ATM監視装置で定期的にATMの状態を取得しようとするとネットワーク帯域の問題がある。この問題に対して、上述の金融取引システム5では、中継装置3が、帯域が広いネットワーク(ネットワークN)を介してATM1の状態を取得することで、この問題を解消している。
【0057】
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
【0058】
(B-1)上述の金融取引システム5の動作において、上述のステップS104の警告処理では、監視装置4にアラームを通知する例を示したが、変形例として、監視装置4の代わりにホストコンピュータ2に通知しても良い。一般的に、ATM監視システムと金融機関ホストは、ネットワークが隔離されており、ATM監視システムから金融機関ホストに対してアラームの通知ができない。しかし、金融機関ホスト(ホストコンピュータ2)との電文中継を行う中継装置3であれば通知が可能であり、関係各所への異常の通知が可能となる。
【0059】
(B-2)上述の金融取引システム5の動作において、中継装置3を起点として、各ATM1の取扱中状態を取得する例を示したが、各ATM1が起点となっても良い。即ち、ATM1は、定期的に上述の取扱中状態確認応答電文に相当する電文を中継装置3に送信する。そして、中継装置3は、上述のステップS103以下の処理を実行する。
【0060】
(B-3)上述の金融取引システム5の動作では、中継装置3が中心となって、取扱時間帯になっても一定数のATM1が取引中止状態となっていることを判定していたが、この処理(上述のステップS101、ステップS103の処理)は、ホストコンピュータ2が行っても良い。
【符号の説明】
【0061】
1…ATM、2…ホストコンピュータ、3…中継装置、4…監視装置、5…金融取引システム、10…制御部、11…取扱中状態制御部、12…操作表示部、13…カード入出口、14…紙幣入出口、16…レシート排出口、20…記憶部、25…通信部、30…制御部、31…取扱中状態取得部、32…取扱中状態判定部、33…警告部、35…記憶部、36…通信部、40…操作表示制御部、50…カード処理部、60…紙幣入出金部、80…明細票発行部、100…取扱中状態確認要求電文、110…ヘッダ部、120…データ部、200…取扱中状態確認応答電文、210…ヘッダ部、220…データ部、M…ネットワーク、N(N1、N2)…ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6