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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178590
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ヘッドセット
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/06 20150101AFI20231211BHJP
   A63B 53/04 20150101ALI20231211BHJP
   A63B 60/04 20150101ALI20231211BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20231211BHJP
【FI】
A63B53/06 C
A63B53/04 E
A63B60/04
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091364
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】393000847
【氏名又は名称】キャスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】山本 豊
(72)【発明者】
【氏名】濱元 剛伸
(72)【発明者】
【氏名】竹田 敦
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA03
2C002CH05
2C002LL01
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】ヘッドセットは、番手が最小である第1ヘッド(12a)と、番手が最大である第3ヘッド(12c)と、番手が第1ヘッドと第3ヘッドとの間である第2ヘッド(12b)とを含む。第1ヘッド~第3ヘッドの各々には、トゥ側ポケット(32a~32c)が形成される。トゥ側ポケットには、第1重錘(60)及び第2重錘(62)から選択された1個以上が収容される。ソール部(16a~16c)が水平方向(H)に沿って延在したとき、トゥ側ポケットは、水平方向に対して傾斜する方向に延在する。トゥ側ポケットの延在方向と水平方向との交差角度(γ1~γ3)は、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッドの順で大きくなる。
【効果】第1ヘッド~第3ヘッドの重心高さ又は重心距離等を、プレイヤーが自分の好みに合わせて個別に設定することができる。これにより、様々なプレイヤーにおいて満足するショットが得られる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
番手が最小である第1アイアンクラブ用の第1ヘッドと、前記第1ヘッドよりも番手が大きな第2アイアンクラブ用の第2ヘッドと、番手が最大である第3アイアンクラブ用の第3ヘッドとを含むヘッドセットであって、
第1重錘と、前記第1重錘と質量が相違する第2重錘とを備え、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々は、ソール部、トゥ部、ヒール部、フェース部及びネック部を有し、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々において、前記トゥ部に近接する部位に、線状に延在するトゥ側ポケットが形成され、前記トゥ側ポケットは、前記第1重錘及び前記第2重錘から選択された1個以上を、前記トゥ側ポケットの延在方向に沿って配置された状態として収容することが可能であり、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々の前記ソール部が水平方向に沿って延在したとき、前記トゥ側ポケットの延在方向は、前記水平方向に対して傾斜する方向であり、
前記トゥ側ポケットの延在方向と、前記水平方向との交差角度が、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドの順で大きくなる、ヘッドセット。
【請求項2】
請求項1記載のヘッドセットにおいて、前記第3ヘッドにおける前記交差角度から、前記第1ヘッドにおける前記交差角度を差し引いた値が4°以上であるヘッドセット。
【請求項3】
請求項1記載のヘッドセットにおいて、前記ネック部の長さが、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドの順で大きくなる、ヘッドセット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のヘッドセットにおいて、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々において、前記ヒール部及び前記ソール部に近接する部位に、線状に延在するヒール側ポケットが形成され、前記ヒール側ポケットは、前記第1重錘及び前記第2重錘から選択された1個以上を、前記ヒール側ポケットの延在方向に沿って配置された状態として収容することが可能であり、
前記ヒール側ポケットは、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドの順で前記トゥ部に寄っている、ヘッドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番手が互いに異なるアイアンクラブ用のヘッドを少なくとも3個含むヘッドセットに関する。
【背景技術】
【0002】
アイアンクラブセットは、ロフト角が互いに異なる少なくとも3本のアイアンクラブから構成される。ロフト角の相違は、番手として表される。番手が小さいほど、ロフト角が小さい。なお、小さい番手は「低番手」とも呼ばれる。大きい番手は「高番手」とも呼ばれる。
【0003】
特許文献1には、このようなアイアンクラブセットにおいて、重心距離を低番手になるにつれて小さく(高番手になるにつれて大きく)設定することが提案されている。ここで、重心距離とは、シャフトの中心線からフェースの重心までの距離である。
【0004】
特許文献2には、重心高さを高番手になるにつれて高く設定することが提案されている。ここで、重心高さとは、芯からリーディングエッジまでの距離である。芯とは、クラブヘッドをトゥ側から見たとき、重心からフェースに引いた線と、フェースとが交差する点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-271545号公報
【特許文献2】特開平8-112378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したアイアンクラブセットのうち任意の1本を用いて打球したとき、全てのプレイヤーにおいてショットが容易であるとは限らない。換言すれば、ショットが困難であると感じるプレイヤーが少なからず存在する。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、番手が最小である第1アイアンクラブ用の第1ヘッドと、前記第1ヘッドよりも番手が大きな第2アイアンクラブ用の第2ヘッドと、番手が最大である第3アイアンクラブ用の第3ヘッドとを含むヘッドセットであって、
第1重錘と、前記第1重錘と質量が相違する第2重錘とを備え、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々は、ソール部、トゥ部、ヒール部、フェース部及びネック部を有し、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々において、前記トゥ部に近接する部位に、線状に延在するトゥ側ポケットが形成され、前記トゥ側ポケットは、前記第1重錘及び前記第2重錘から選択された1個以上を、前記トゥ側ポケットの延在方向に沿って配置された状態として収容することが可能であり、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々の前記ソール部が水平方向に沿って延在したとき、前記トゥ側ポケットの延在方向は、前記水平方向に対して傾斜する方向であり、
前記トゥ側ポケットの延在方向と、前記水平方向との交差角度が、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドの順で大きくなる、ヘッドセットが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、トゥ側ポケットに収容する重錘を適宜変更することが可能である。この変更に伴い、第1ヘッド~第3ヘッドの重心高さ又は重心距離等を任意に調節することができる。すなわち、第1ヘッド~第3ヘッドの重心高さ又は重心距離等を、プレイヤーが自分の好みに合わせて個別に設定することができる。これにより、様々なプレイヤーにおいて満足するショットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1ヘッドを備える第1アイアンクラブの要部正面図である。
図2図2は、第1アイアンクラブの要部背面図である。
図3図3は、第1ヘッドの第1トゥ部から見た第1アイアンクラブの要部側面図である。
図4図4は、第2ヘッドを備える第2アイアンクラブの要部正面図である。
図5図5は、第2アイアンクラブの要部背面図である。
図6図6は、第2ヘッドの第2トゥ部から見た第2アイアンクラブの要部側面図である。
図7図7は、第3ヘッドを備える第3アイアンクラブの要部正面図である。
図8図8は、第3アイアンクラブの要部背面図である。
図9図9は、第3ヘッドの第3トゥ部から見た第3アイアンクラブの要部側面図である。
図10図10は、実施例に係るヘッドセットにおける番手、ロフト角、トゥ側ポケットと水平方向との交差角度、及びネック部長さを示す図表である。
図11図11は、第1プレイヤーが試打したクラブセットにおける重錘の配置、重心高さ、重心距離を示す図表である。
図12図12は、第2プレイヤーが試打したクラブセットにおける重錘の配置、重心高さ、重心距離を示す図表である。
図13図13は、第3プレイヤーが試打したクラブセットにおける重錘の配置、重心高さ、重心距離を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図9に、本実施形態に係るヘッドセットを備えるクラブセットを示す。クラブセットは、少なくとも、図1図3に示す第1アイアンクラブ10aと、図4図6に示す第2アイアンクラブ10bと、図7図9に示す第3アイアンクラブ10cとを含む。以下、第1アイアンクラブ10a~第3アイアンクラブ10cについて説明する。なお、第2アイアンクラブ10b及び第3アイアンクラブ10cにおいて、第1アイアンクラブ10aの構成要素に対応する構成要素については、概略説明に留めることがある。
【0012】
図1は第1アイアンクラブ10aの要部正面図であり、図2は第1アイアンクラブ10aの要部背面図である。第1アイアンクラブ10aは、第1ヘッド12a及び第1シャフト14aを備える。第1ヘッド12aは、第1ソール部16a、第1トゥ部18a、第1ヒール部20a、第1フェース部22a、第1バックフェース部24a及び第1ネック部26aを有する。なお、図1は第1ヘッド12aを第1フェース部22aから見た場合を示し、図2は第1ヘッド12aを第1バックフェース部24aから見た場合を示している。第1ネック部26aに第1シャフト14aが取り付けられることで、第1アイアンクラブ10aが構成される。
【0013】
図1及び図2に示す水平線Hは、第1ソール部16aを通って水平方向に沿って延在する線を表す。このとき、第1ネック部26aは水平線Hに対して傾斜する方向に延在する。水平線Hに対する第1ネック部26aの交差角度α1は、第1ヘッド12aにおけるライ角である。また、第1ネック部26aの上端から水平線Hまでの長さN1は、第1ネック部26aの長さとして定義される。
【0014】
図2に示すように、第1ヘッド12aの背部には、第1トゥ部18aに近接する第1トゥ側肉厚部28aと、第1ヒール部20a及び第1ソール部16aに近接する第1ヒール側肉厚部30aとが設けられる。第1トゥ側肉厚部28aの厚み、及び第1ヒール側肉厚部30aの厚みは、第1フェース部22aから第1バックフェース部24aまでの厚みに比べて大きい。
【0015】
第1トゥ側肉厚部28aには、第1トゥ側ポケット32aが形成される。第1トゥ側ポケット32aは、第1トゥ側肉厚部28aから円柱体を刳り抜いたような形状をなす有底穴である。第1ソール部16aが水平線Hに沿って延在するとき、第1トゥ側ポケット32aは、水平線Hに対して傾斜する方向に線状に延在する。第1トゥ側ポケット32aと水平線Hとは、交差角度γ1で交差する。第1トゥ側ポケット32aにおける開口近傍の内周壁には、図示しない雌ネジが形成されている。
【0016】
第1トゥ側肉厚部28aには、第1窓36及び第2窓38が形成される。第1窓36は、第2窓38と比べて第1ソール部16aに近接する。第1窓36及び第2窓38は、第1トゥ側ポケット32aまで貫通する。すなわち、プレイヤーは、第1窓36及び第2窓38を介して第1トゥ側ポケット32a内を視認することが可能である。
【0017】
第1ヒール側肉厚部30aには、第1ヒール側ポケット40aが形成される。第1ヒール側ポケット40aは、第1ヒール側肉厚部30aから円柱体を刳り抜いたような形状をなす有底穴である。第1ソール部16aが水平線Hに沿って延在するとき、第1ヒール側ポケット40aは、水平線Hに対して略平行に線状に延在する。第1ヒール側ポケット40aにおける開口近傍の内周壁には、図示しない雌ネジが形成されている。
【0018】
第1ヒール側肉厚部30aには、第3窓44及び第4窓46が形成される。第3窓44は、第4窓46に比べて第1ヒール部20aに近接する。第3窓44及び第4窓46は、第1ヒール側ポケット40aまで貫通する。すなわち、プレイヤーは、第3窓44及び第4窓46を介して第1ヒール側ポケット40a内を視認することが可能である。
【0019】
図3は、第1トゥ部18aから見た第1アイアンクラブ10aの要部側面図である。図3に示す鉛直線Vは、鉛直方向に沿って延在する線を表す。図3では、第1ネック部26a及び第1シャフト14aが鉛直線Vに沿って延在する状態を示している。このとき、第1フェース部22aは鉛直線Vに対して傾斜する方向に延在する。鉛直線Vに対する第1ネック部26aの交差角度β1は、第1ヘッド12aにおけるロフト角である。
【0020】
図4は第2アイアンクラブ10bの要部正面図であり、図5は第2アイアンクラブ10bの要部背面図である。第2アイアンクラブ10bは、第2ヘッド12b及び第2シャフト14bを備える。第2ヘッド12bは、第2ソール部16b、第2トゥ部18b、第2ヒール部20b、第2フェース部22b、第2バックフェース部24b及び第2ネック部26bを有する。第2ネック部26bに第2シャフト14bが取り付けられることで、第2アイアンクラブ10bが構成される。
【0021】
水平線Hに対する第2ネック部26bの交差角度α2は、第2ヘッド12bにおけるライ角である。また、第2ネック部26bの上端から水平線Hまでの長さN2は、第2ネック部26bの長さを表す。
【0022】
図5に示すように、第2ヘッド12bの背部には、第2トゥ部18bに近接する第2トゥ側肉厚部28bと、第2ヒール部20b及び第2ソール部16bに近接する第2ヒール側肉厚部30bとが設けられる。第2トゥ側肉厚部28bには、第1トゥ側ポケット32aと同一径及び同一長さの第2トゥ側ポケット32bが形成される。第2ソール部16bが水平線Hに沿って延在するとき、第2トゥ側ポケット32bは、水平線Hに対して傾斜する方向に線状に延在する。第2トゥ側ポケット32bと水平線Hとは、交差角度γ2で交差する。第2トゥ側ポケット32bにおける開口近傍の内周壁には、図示しない雌ネジが形成されている。
【0023】
第2ヒール側肉厚部30bには、第1ヒール側ポケット40aと同一径及び同一長さの第2ヒール側ポケット40bが形成される。第2ソール部16bが水平線Hに沿って延在するとき、第2ヒール側ポケット40bは、水平線Hに対して略平行に線状に延在する。第2ヒール側ポケット40bにおける開口近傍の内周壁には、図示しない雌ネジが形成されている。
【0024】
第2トゥ側肉厚部28bには、第1窓36及び第2窓38が形成される。第2ヒール側肉厚部30bには、第3窓44及び第4窓46が形成される。
【0025】
図6は、第2トゥ部18bから見た第2アイアンクラブ10bの要部側面図である。鉛直線Vに対する第2ネック部26bの交差角度β2は、第2ヘッド12bにおけるロフト角である。
【0026】
図7は第3アイアンクラブ10cの要部正面図であり、図8は第3アイアンクラブ10cの要部背面図である。第3アイアンクラブ10cは、第3ヘッド12c及び第3シャフト14cを備える。第3ヘッド12cは、第3ソール部16c、第3トゥ部18c、第3ヒール部20c、第3フェース部22c、第3バックフェース部24c及び第3ネック部26cを有する。第3ネック部26cに第3シャフト14cが取り付けられることで、第3アイアンクラブ10cが構成される。
【0027】
水平線Hに対する第3ネック部26cの交差角度α3は、第3ヘッド12cにおけるライ角である。また、第3ネック部26cの上端から水平線Hまでの長さN3は、第3ネック部26cの長さを表す。
【0028】
図8に示すように、第3ヘッド12cの背部には、第3トゥ部18cに近接する第3トゥ側肉厚部28cと、第3ヒール部20c及び第3ソール部16cに近接する第3ヒール側肉厚部30cとが設けられる。第3トゥ側肉厚部28cには、第1トゥ側ポケット32a及び第2トゥ側ポケット32bと同一径及び同一長さの第3トゥ側ポケット32cが形成される。第3ソール部16cが水平線Hに沿って延在するとき、第3トゥ側ポケット32cは、水平線Hに対して傾斜する方向に線状に延在する。第3トゥ側ポケット32cと水平線Hとは、交差角度γ3で交差する。第3トゥ側ポケット32cにおける開口近傍の内周壁には、図示しない雌ネジが形成されている。
【0029】
第3ヒール側肉厚部30cには、第1ヒール側ポケット40a及び第2ヒール側ポケット40bと同一径及び同一長さの第3ヒール側ポケット40cが形成される。第3ソール部16cが水平線Hに沿って延在するとき、第3ヒール側ポケット40cは、水平線Hに対して略平行に線状に延在する。第3ヒール側ポケット40cにおける開口近傍の内周壁には、図示しない雌ネジが形成されている。
【0030】
第3トゥ側肉厚部28cには、第1窓36及び第2窓38が形成される。第3ヒール側肉厚部30cには、第3窓44及び第4窓46が形成される。
【0031】
図9は、第3トゥ部18cから見た第3アイアンクラブ10cの要部側面図である。鉛直線Vに対する第3ネック部26cの交差角度β3は、第3ヘッド12cにおけるロフト角である。
【0032】
本実施形態に係るヘッドセットは、少なくとも、上記した第1ヘッド12a、第2ヘッド12b及び第3ヘッド12cの3個のアイアンクラブ用ヘッドを含む。第1ヘッド12a、第2ヘッド12b及び第3ヘッド12cの順で、番手が大きくなる。すなわち、第1ヘッド12aの番手は3個のうちで最小であり、第3ヘッド12cの番手は3個のうちで最大である。第2ヘッド12bの番手は、第1ヘッド12aの番手と、第3ヘッド12cの番手との間である。第1ヘッド12a、第2ヘッド12b及び第3ヘッド12cの番手の一例を挙げると、それぞれ、5番手、8番手及び11番手である。
【0033】
ただし、第1ヘッド12a、第2ヘッド12b及び第3ヘッド12cのそれぞれの番手は、この一例に特に限定されない。ヘッドセットは、番手が第1ヘッド12aと第2ヘッド12bとの間である別のヘッドを含んでもよい。ヘッドセットは、番手が第2ヘッド12bと第3ヘッド12cとの間である別のヘッドを含んでもよい。第1ヘッド12aが、例えば、7番手であるとき、ヘッドセットは、5番手又は6番手のヘッドを含んでもよい。第3ヘッド12cが、例えば、9番手であるとき、ヘッドセットは、10番手又は11番手のヘッドを含んでもよい。
【0034】
第1ヘッド12a~第3ヘッド12cは、例えば、金属の溶湯を用いる精密鋳造によって作製される。溶湯となる金属の具体例としては、ステンレス鋼又はチタン等が挙げられる。精密鋳造において、第1トゥ側肉厚部28a~第3トゥ側肉厚部28c及び第1ヒール側肉厚部30a~第3ヒール側肉厚部30cが成形される。同時に、第1トゥ側肉厚部28a~第3トゥ側肉厚部28cに、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32c、第1窓36及び第2窓38がそれぞれ形成される。また、第1ヒール側肉厚部30a~第3ヒール側肉厚部30cに、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40c、第3窓44及び第4窓46がそれぞれ形成される。
【0035】
以上の構成において、ロフト角β1(図3参照)、ロフト角β2(図6参照)及びロフト角β3(図9参照)の大きさを対比すると、ロフト角β1、ロフト角β2、ロフト角β3の順で大きくなる。すなわち、高番手となるにつれてロフト角が高角度となる。
【0036】
また、交差角度γ1(図2参照)、交差角度γ2(図5参照)及び交差角度γ3(図8参照)の大きさを対比すると、交差角度γ1、交差角度γ2、交差角度γ3の順で高角度となる。換言すれば、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cにおいて、番手及びロフト角が大きくなるに従い、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各延在方向と、水平線Hとの交差角度が大きくなる。すなわち、以下の関係が成り立っている。
交差角度γ1<交差角度γ2<交差角度γ3
【0037】
さらに、本実施形態では、第1ネック部26aの長さN1(図1参照)、第2ネック部26bの長さN2(図4参照)及び第3ネック部26cの長さN3(図7参照)の大きさを対比すると、第1ネック部26aの長さN1、第2ネック部26bの長さN2、第3ネック部26cの長さN3の順で大きくなる。すなわち、以下の関係が成り立っている。
第1ネック部26aの長さN1<第2ネック部26bの長さN2<第3ネック部26cの長さN3
【0038】
加えて、本実施形態では、高番手となるにつれて、ヒール側ポケットがトゥ部側に寄る。すなわち、第2ヒール側ポケット40bと第2ヒール部20bとの離間距離D2(図5参照)は、第1ヒール側ポケット40aと第1ヒール部20aとの離間距離D1(図2参照)よりも大きい。第3ヒール側ポケット40cと第3ヒール部20cとの離間距離D3(図8参照)は、第2ヒール側ポケット40bと第2ヒール部20bとの離間距離D2(図5参照)よりも大きい。
【0039】
本実施形態に係るヘッドセットは、図2図5及び図8に示す第1重錘60及び第2重錘62をさらに備える。第1重錘60及び第2重錘62は、直径及び高さが互いに略同等である円柱体からなる。ただし、第1重錘60及び第2重錘62は、比重が互いに異なる金属からなる。このため、第1重錘60と第2重錘62の質量とで、質量が互いに異なる。第1重錘60及び第2重錘62の組み合わせの一例を挙げると、第1重錘60はタングステン合金からなり、質量は5.0gである。第2重錘62はアルミニウム合金からなり、質量は1.0gである。
【0040】
第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各々は、2個の重錘を収容することが可能である。2個の重錘は、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各々の延在方向に沿って並べられる。ここで、2個の重錘として、例えば、2個の第1重錘60を選択し得る。又は、2個の重錘として、2個の第2重錘62を選択し得る。又は、2個の重錘を、1個の第1重錘60と1個の第2重錘62との組み合わせとしてもよい。この場合、例えば、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに第1重錘60を先に収容し、次に、第2重錘62を第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに収容し得る。これとは逆に、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに第2重錘62を先に収容し、次に、第1重錘60を第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに収容してもよい。
【0041】
このように、第1トゥ側ポケット32aに収容される2個の重錘の組み合わせは4通りである。第2トゥ側ポケット32bに収容される2個の重錘の組み合わせも4通りであり、第3トゥ側ポケット32cに収容される2個の重錘の組み合わせも4通りである。従って、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに収容される重錘の合計個数は6個であり、組み合わせは64通りである。
【0042】
プレイヤーは、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cのそれぞれに収容された重錘を、第1窓36及び第2窓38を介して視認することが可能である。第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに先に収容された重錘の一部は、第1窓36から視認される。第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに後から収容された重錘の一部は、第2窓38から視認される。従って、プレイヤーは、第1窓36及び第2窓38を介して、第1重錘60又は第2重錘62が如何なる順序で第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに収容されているのかを確認することができる。
【0043】
第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各雌ネジには、第1雄ネジ状プラグ64が螺合される。第1雄ネジ状プラグ64は、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各々に収容された2個の重錘を、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各々の底壁に押し付ける。これにより、2個の重錘が第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各々の内部で位置決めされる。また、第1雄ネジ状プラグ64が第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各開口を閉塞するので、2個の重錘が第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cから脱落することが回避される。
【0044】
第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cに収容される重錘の種類及び位置を変更することで、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cの重心高さGH1、GH2及びGH3をプレイヤーの好みに応じて調節することが可能である。ここで、上記したように、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cでは、番手及びロフト角が大きくなるに従い、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32cの各延在方向と、水平線Hとの交差角度が大きくなる。このため、高番手となるに従い、重心高さGH1、GH2及びGH3を効率的に高くすることができる。なお、重心高さGH1、GH2及びGH3は、それぞれ、図3図6及び図9に示されている。図3図6及び図9中の符号G1、G2及びG3は、それぞれ、第1ヘッド12a、第2ヘッド12b及び第3ヘッド12cの重心を示す。
【0045】
交差角度γ3から交差角度γ1を差し引いた値は、4°以上であることが好ましい。交差角度γ3から交差角度γ1を差し引いた値が4°未満であると、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cの間で重心高さを十分に相違させることが容易でなくなる。γ1、γ2及びγ3の組み合わせの一例は、例えば、50°、61.5°及び70°である。このとき、交差角度γ3から交差角度γ1を差し引いた値は20°である。
【0046】
さらに、本実施形態では、上記したように第1ネック部26aの長さN1<第2ネック部26bの長さN2<第3ネック部26cの長さN3の関係が成り立っている。換言すれば、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cにおいて、番手及びロフト角が大きくなるに従い、ネック部の長さが大きくなる。このように、高番手になるに従ってネック部の長さを大きくすることによっても、高番手になるに従って重心高さを効率的に高くすることが可能である。N1、N2及びN3の組み合わせの一例は、63mm、66mm、69mmである。
【0047】
第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cの各々も、2個の重錘を収容することが可能である。2個の重錘は、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cの各々の延在方向に沿って並べられる。上記と同様に、2個の重錘としては、2個の第1重錘60又は2個の第2重錘62を選択し得る。又は、2個の重錘を、1個の第1重錘60と1個の第2重錘62との組み合わせとしてもよい。この場合、例えば、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに第1重錘60を先に収容し、次に、第2重錘62を第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容する。これとは逆に、図2図5及び図8に示すように、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに第2重錘62を先に収容し、次に、第1重錘60を第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容してもよい。
【0048】
このように、第1ヒール側ポケット40aに収容される2個の重錘の組み合わせは4通りである。第2ヒール側ポケット40bに収容される2個の重錘の組み合わせも4通りであり、第3ヒール側ポケット40cに収容される2個の重錘の組み合わせも4通りである。従って、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容される重錘の合計個数は6個であり、組み合わせは64通りである。
【0049】
プレイヤーは、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cのそれぞれに収容された重錘を、第3窓44及び第4窓46を介して視認することが可能である。第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに先に収容された重錘の一部は、第4窓46から視認される。第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに後から収容された重錘の一部は、第3窓44から視認される。従って、プレイヤーは、第3窓44及び第4窓46を介して、第1重錘60又は第2重錘62が如何なる順序で第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容されているのかを確認することができる。
【0050】
第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cの各雌ネジには、第2雄ネジ状プラグ66が螺合される。第2雄ネジ状プラグ66は、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cの各々に収容された2個の重錘を、第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cの各々の底壁に押し付ける。これにより、2個の重錘が第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cの各々の内部で位置決めされる。また、第2雄ネジ状プラグ66が第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cの各開口を閉塞するので、2個の重錘が第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cから脱落することが回避される。
【0051】
第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容される重錘の種類及び位置を変更することで、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cの重心距離GL1、GL2及びGL3をプレイヤーの好みに応じて調節することが可能である。ここで、上記したように、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cでは、番手及びロフト角が大きくなるに従い、ヒール側ポケットがトゥ部に寄っている。従って、高番手となるに従い、重心距離GL1、GL2及びGL3を効率的に大きくすることができる。なお、重心距離GL1、GL2及びGL3は、それぞれ、図1図4及び図7に示されている。図1図4及び図7中の符号G1、G2及びG3は、上記と同様に、第1ヘッド12a、第2ヘッド12b及び第3ヘッド12cのそれぞれの重心を示す。
【0052】
以上から理解されるように、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32c及び第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容される重錘の合計個数は、12個である。また、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32c及び第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容される重錘の組み合わせは、4096通りである。第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32c及び第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容される重錘の種類及び位置を変更することで、第1ヘッド12a~第3ヘッド12cの重心高さ及び重心距離をプレイヤーの好みに応じて調節することが可能である。
【0053】
上記した実施形態では、重錘を第1重錘60及び第2重錘62の2種類としたが、3種類以上であってもよい。この場合、3種類の重錘は互いに比重(質量)が相違する。また、第1トゥ側ポケット32a~第3トゥ側ポケット32c及び第1ヒール側ポケット40a~第3ヒール側ポケット40cに収容される重錘の個数は、1個であってもよいし3個以上であってもよい。
【実施例0054】
[実施例1]
第1ヘッド、第2ヘッド及び第3ヘッドを、それぞれ、5番手、7番手及び10番手とし、且つ第1ネック部、第2ネック部及び第3ネック部に第1シャフト、第2シャフト及び第3シャフトをそれぞれ取り付けた。以上により、第1アイアンクラブ、第2アイアンクラブ及び第3アイアンクラブを得た。第1ヘッド~第3ヘッドの各々におけるロフト角βを図10に示す。ロフト角βは、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッドの順に大きくなる。ロフト角βは、図3図6及び図9に示すロフト角β1、β2及びβ3に対応する。
【0055】
図10には、第1ヘッド~第3ヘッドの各々におけるトゥ側ポケットと水平方向(水平線H)との交差角度γを併せて示している。交差角度γは、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッドの順に大きくなる。交差角度γは、図2図5及び図8における交差角度γ1、γ2及びγ3に対応する。
【0056】
図10には、さらに、第1ヘッド~第3ヘッドの各々におけるネック部の長さNを併せて示している。ネック部の長さNは、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッドの順に大きくなる。ネック部の長さNは、図1図4及び図7における長さN1、N2及びN3に対応する。
【0057】
第1ヘッド、第2ヘッド及び第3ヘッドには、ヒール側ポケットをそれぞれ形成した。ヒール側ポケットは、番手が大きくなるにつれてトゥ部側に近接する。すなわち、ヒール部とヒール側ポケットとの離間距離は、第1ヘッド、第2ヘッド、第3ヘッドの順に大きくなる。ヒール部とヒール側ポケットとの離間距離は、図2図5及び図8に示す離間距離D1、D2及びD3に対応する。ただし、図10には、ヒール部とヒール側ポケットとの離間距離の数値は示していない。
【0058】
以上の第1アイアンクラブ~第3アイアンクラブの各々につき、トゥ側ポケットに、2個の第1重錘及び2個の第2重錘から選定した2個を収容した。ヒール側ポケットにも同様に、2個の第1重錘及び2個の第2重錘から選定した2個を収容した。ここで、第1重錘及び第2重錘は双方とも、高さ(軸方向の長さ)が10mm、底部の直径が6.7mmの円柱形状体である。第1重錘はタングステン合金からなり、質量は5.0gである。第2重錘はアルミニウム合金からなり、質量は1.0gである。
【0059】
トゥ側ポケット及びヒール側ポケットにおける重錘の組み合わせ及び配置を、図11に併せて示す。また、このときにおける第1ヘッド~第3ヘッドの各々の重心高さ及び重心距離を併せて示す。ただし、数値は実測値ではなく、第1ヘッドの重心高さ及び重心距離のそれぞれの数値を100とした相対値を示している。重心高さは、図3図6及び図9に示す重心高さGH1、GH2及びGH3に対応する。重心距離は、図1図4及び図7にそれぞれ示す重心距離GL1、GL2及びGL3に対応する。このクラブセットでは、第1ヘッド~第3ヘッドがいずれも低重心であり、且つ重心距離が短く設定されている。すなわち、重心がヒール部に寄っている。
【0060】
上記のようにして重錘を取り付けた第1アイアンクラブ~第3アイアンクラブを、第1プレイヤーが試打した。すなわち、第1アイアンクラブ~第3アイアンクラブを用いてゴルフボールを打った。その結果、第1アイアンクラブ~第3アイアンクラブのいずれにおいても、第1プレイヤーが満足するショットが得られた。
【0061】
[実施例2]
トゥ側ポケット及びヒール側ポケットにおける重錘の組み合わせ及び配置を、図12に示すようにしたことを除いては上記と同様にして、第1プレイヤーと別人である第2プレイヤーが試打した。なお、このときにおける第1ヘッド~第3ヘッドの各々の重心高さ及び重心距離は、図12に示すとおりであった。ただし、数値は実測値ではなく、実施例1の第1ヘッドの重心高さ及び重心距離のそれぞれの数値を100とした相対値を示している。このクラブセットでは、第1ヘッド~第3ヘッドがいずれも高重心であり、且つ重心距離が比較的長く設定されている。
【0062】
この場合においても、第1アイアンクラブ~第3アイアンクラブの全てで、第2プレイヤーが満足するショットが得られた。
【0063】
[実施例3]
トゥ側ポケット及びヒール側ポケットにおける重錘の組み合わせ及び配置を、図13に示すようにしたことを除いては上記と同様にして、第1プレイヤー及び第2プレイヤーと別人である第3プレイヤーが試打した。なお、このときにおける第1ヘッド~第3ヘッドの各々の重心高さ及び重心距離は、図13に示すとおりであった。ただし、数値は実測値ではなく、実施例1の第1ヘッドの重心高さ及び重心距離のそれぞれの数値を100とした相対値を示している。このクラブセットでは、第1ヘッドが低重心で且つ重心距離が短いのに対し、第2ヘッド及び第3ヘッドは高重心で且つ重心距離が比較的長くなっている。
【0064】
この場合においても、第1アイアンクラブ~第3アイアンクラブの全てで、第3プレイヤーが満足するショットが得られた。
【0065】
以上から理解されるように、重錘の組み合わせ及び位置を変更することにより、重心高さ及び重心距離をプレイヤーの好みに合わせて変更し得る。その結果、様々なプレイヤーが満足するショットが得られる。
【0066】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0067】
10a~10c…第1~第3アイアンクラブ
12a~12c…第1~第3ヘッド
14a~14c…第1~第3シャフト
16a~16c…第1~第3ソール部
18a~18c…第1~第3トゥ部
20a~20c…第1~第3ヒール部
22a~22c…第1~第3フェース部
24a~24c…第1~第3バックフェース部
26a~26c…第1~第3ネック部
32a~32c…第1~第3トゥ側ポケット
36、38、44、46…窓
40a~40c…第1~第3ヒール側ポケット
60、62…第1、第2重錘
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
番手が最小である第1アイアンクラブ用の第1ヘッドと、前記第1ヘッドよりも番手が大きな第2アイアンクラブ用の第2ヘッドと、番手が最大である第3アイアンクラブ用の第3ヘッドとを含むヘッドセットであって、
第1重錘と、前記第1重錘と質量が相違する第2重錘とを備え、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々は、ソール部、トゥ部、ヒール部、フェース部、バックフェース部及びネック部を有し、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々の前記バックフェース部において、前記トゥ部に近接する部位に、前記ソール部から前記トゥ部に向かって線状に延在するトゥ側ポケットが形成され、前記トゥ側ポケットは、前記第1重錘及び前記第2重錘から選択された1個以上を、前記トゥ側ポケットの延在方向に沿って配置された状態として収容することが可能であり、
前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々の前記ソール部が水平方向に沿って延在した状態を前記バックフェース部から見たとき、前記トゥ側ポケットの延在方向は、前記ソール部から前記トゥ部に向かい且つ前記水平方向に対して傾斜する方向であり、
前記トゥ側ポケットの延在方向と、前記水平方向との交差角度が、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドの順で大きくなる、ヘッドセット。
【請求項2】
請求項1記載のヘッドセットにおいて、前記第3ヘッドにおける前記交差角度から、前記第1ヘッドにおける前記交差角度を差し引いた値が4°以上であるヘッドセット。
【請求項3】
請求項1記載のヘッドセットにおいて、前記ネック部の長さが、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドの順で大きくなる、ヘッドセット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のヘッドセットにおいて、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド及び前記第3ヘッドの各々の前記バックフェース部において、前記ヒール部及び前記ソール部に近接する部位に、線状に延在するヒール側ポケットが形成され、前記ヒール側ポケットは、前記第1重錘及び前記第2重錘から選択された1個以上を、前記ヒール側ポケットの延在方向に沿って配置された状態として収容することが可能であり、
前記ヒール側ポケットは、前記第1ヘッド、前記第2ヘッド、前記第3ヘッドの順で前記トゥ部に寄っている、ヘッドセット。