(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001786
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】成形機用足場装置
(51)【国際特許分類】
B22D 17/26 20060101AFI20221226BHJP
B29C 45/03 20060101ALI20221226BHJP
B22D 46/00 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
B22D17/26 K
B29C45/03
B22D17/26 H
B22D46/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102721
(22)【出願日】2021-06-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】592206178
【氏名又は名称】三明機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】弁理士法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂輝
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM14
4F206JA07
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】メンテナンス作業をより安全に行うことを可能にすることで、メンテナンス作業の効率向上が可能な成形機用足場装置を提供することを可能とする。
【解決手段】横型成形機に使用される成形機用足場装置120であって、平面視で、可動型102の移動範囲の外側に配置されるベース部122と、ベース部122に回動可能に支持される第1足場部材124と、第1足場部材124と連動して回動可能とされている第2足場部材126と、ベース部122に支持され、直立方向(Z方向)に折り畳まれた第1足場部材124及び第2足場部材126を、移動方向(Y方向)に直交する侵入方向(X方向)に同時に展開させる回動装置140と、を備え、第1足場部材124及び第2足場部材126がすべて展開された際には、すべての下側タイバー106Bの上側に、第1足場部材124及び第2足場部材126が配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型と、該固定型に対して水平に移動する可動型と、該可動型の移動方向への移動を案内する上下それぞれ2本以上のタイバーを備える横型成形機に使用される成形機用足場装置であって、
平面視で、前記可動型の移動範囲の外側に配置されるベース部と、
該ベース部に回動可能に支持される第1足場部材と、該第1足場部材と連動して回動可能とされている1以上の第2足場部材と、
該ベース部に支持され、直立方向に折り畳まれた該第1足場部材及び該1以上の第2足場部材を、前記移動方向に直交する侵入方向に同時に展開させる回動装置と、
を備え、
前記第1足場部材及び1以上の第2足場部材がすべて展開された際には、前記タイバーのうちの下側に配置されるすべての下側タイバーの上側に、該第1足場部材及び1以上の第2足場部材が配置される
ことを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項2】
請求項1において、
平面視で、2本の前記下側タイバー上に配置される前記1以上の第2足場部材の長さは、該2本の下側タイバーの距離よりも長くされている状態であることを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記回動装置は、前記第1足場部材に取付けられた回転シャフトを回動させることで、該第1足場部材を回動させ、
前記ベース部には、該回転シャフトと中心を共通とする主円形部材が固定され、
前記第1足場部材の回動により生じる、該第1足場部材に対する前記主円形部材の相対的な回転変位により、該第1足場部材に回動可能に支持される副円形部材を回動させることで、該副円形部材と一体とされた前記第2足場部材を回動させることを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
平面視で、前記下側タイバー上に配置される前記1以上の第2足場部材の前記下側タイバーに接触する部分には、弾性部材が設けられていることを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記回動装置は、前記第1足場部材を回動させる減速機構の少なくとも一部にウォームギヤ減速機構を使用することを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記ベース部と前記第1足場部材とは、前記第1足場部材及び1以上の第2足場部材が展開された際に引張り力を生じさせる部材で接続されていることを特徴とする成形機用足場装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形機用足場装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固定型と、該固定型に対して水平に移動する可動型、該可動型の移動方向への移動を案内する上下それぞれ2本のタイバーを備える横型成形機(ダイキャストマシン)が知られている。このような横型成形機においては、例えば固定型と可動型とから構成される金型のキャビティ内に付着した金属を取り除くといったメンテナンス作業を定期的に行う必要がある。このメンテナンス作業は、固定型と可動型とを離間させて型開き状態にして、作業者が足場となる板状部材を下側の2本のタイバーに架け渡して設置し、その板状部材に作業者が乗ることにより行われている。しかし、このような作業は、作業者がいちいち手作業で板状部材を設置することから、足場が不安定となり、落下事故も生じやすい面も残り、メンテナンス作業を十分に効率的に行うことができないおそれがあった。
【0003】
そこで、特許文献1では、進退駆動装置により、自動で板状部材を固定型と移動型とが離間して対向する侵入位置に侵入させ、自動で板状部材を侵入位置から退避させることができる足場装置を提案している。この足場装置を使用することで、作業者が手作業により足場となる板状部材を設置する作業工程を削減することができ、メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。また、手作業に比べて、足場の設置状態を安定させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で示す足場装置では、足場となる板状部材の内部に他の板状部材が収容される構成となっている。このため、板状部材が複数から構成される際には、先端に配置される板状部材ほど、薄くかつ小さくなるので、実質的に侵入位置に配置される板状部材が小さくならざるを得ず、かつ強度的に十分でないおそれも残る。同時に、複数の板状部材の境界部分ではどうしても段差が生じてしまうので、例えば表面の段差でのつまずきなどの発生の可能性や、下面に生じる段差により板状部材をタイバー上に安定して載せることが困難な可能性も残る。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、メンテナンス作業をより安全に行うことを可能にすることで、メンテナンス作業の効率向上が可能な成形機用足場装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、固定型と、該固定型に対して水平に移動する可動型と、該可動型の移動方向への移動を案内する上下それぞれ2本以上のタイバーを備える横型成形機に使用される成形機用足場装置であって、平面視で、前記可動型の移動範囲の外側に配置されるベース部と、該ベース部に回動可能に支持される第1足場部材と、該第1足場部材と連動して回動可能とされている1以上の第2足場部材と、該ベース部に支持され、直立方向に折り畳まれた該第1足場部材及び該1以上の第2足場部材を、前記移動方向に直交する侵入方向に同時に展開させる回動装置と、を備え、前記第1足場部材及び1以上の第2足場部材がすべて展開された際には、前記タイバーのうちの下側に配置されるすべての下側タイバーの上側に、該第1足場部材及び1以上の第2足場部材が配置されることにより、前記課題を解決したものである。
【0008】
本発明では、ベース部に回動可能に支持される第1足場部材と、第1足場部材と連動して回動可能とされている1以上の第2足場部材と、ベース部に支持され、直立方向に折り畳まれた第1足場部材及び1以上の第2足場部材を、移動方向に直交する侵入方向に同時に展開させる回動装置と、を備える。そして、第1足場部材と1以上の第2足場部材とは、回動することにより、直立方向から侵入方向に同時に展開される構成となっている。即ち、第1足場部材の内部に1以上の第2足場部材が収容される構成ではなく、第1足場部材と1以上の第2足場部材とが折り畳まれた状態から展開される形態をとる。このため、第2足場部材の形状は、第1足場部材に制限されることなく、最適な厚みと大きさとすることができる。
【0009】
また、第1足場部材及び1以上の第2足場部材がすべて展開された際には、タイバーのうちの下側に配置されるすべての下側タイバーの上側に、第1足場部材及び1以上の第2足場部材が配置される。このため、下側タイバーが第1足場部材と第2足場部材を支持可能となり、仮に第1足場部材と第2足場部材に上から極端に大きな外力が加わっても、第1足場部材と第2足場部材は、その外力を安定して支持することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、メンテナンス作業をより安全に行うことを可能にすることで、メンテナンス作業の効率向上が可能な成形機用足場装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る成形機と成形機用足場装置とを示す模式図(上面図(A)、側面図(B))
【
図2】
図1の成形機用足場装置を示す図(正面図(A)、側面図(B)、上面図(C))
【
図3】
図2の成形機用足場装置の回動装置から伝達される駆動力を説明するための模式図
【
図4】
図1の成形機のタイバーと成形機用足場装置との位置関係を示す図(側面図(A)、上面図(B))
【
図5】
図1の成形機用足場装置の第1足場部材と第2足場部材とが展開される際のそれぞれの状態を示す連続図
【
図6】
図4の成形機用足場装置の第2足場部材の下面を示す模式図(第2足場部材全体を示す図(A)、下側タイバー上に配置される支持部の位置を示す図(B))
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1~
図6を参照して、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0013】
最初に、
図1に基づいて、成形機100と、成形機用足場装置120とについて、概略説明する。
【0014】
成形機100は、
図1(A)に示す如く、固定型104と、固定型104に対して水平に移動する可動型102と、可動型102の移動方向(Y方向)への移動を案内する上下それぞれ2本のタイバー106(
図4(A)、2本の上側タイバー106Aと2本の下側タイバー106B)を備える横型成形機(ダイカストマシン)である。固定型104は、固定金型104Aと、固定ダイプレート104Bと、を備えている。そして、固定金型104Aは、固定ダイプレート104Bに固定されている。また、可動型102は、可動金型102Aと、可動ダイプレート102Bと、を備えている。そして、可動金型102Aは、可動ダイプレート102Bに固定されている。タイバー106は、Y方向に延在する丸棒形状であり、潤滑油が塗布され、可動ダイプレート102Bの移動をガイドする。タイバー106は、固定金型104A及び可動金型102Aの外側であって、固定ダイプレート104B及び可動ダイプレート102Bの4角に配置されている。例えば、タイバー106は、直径30cm程度、間隔は160cm程度とされている(これに限定されなくてもよい)。
【0015】
本実施形態の成形機100は、型締めを行い、固定金型104Aと可動金型102Aとが合わさった際に形成されるキャビティに、液体状の金属を射出して凝固させることにより成形品を製造するように構成されている。
【0016】
成形機100に隣接して、
図1(A)に示す如く、作業スペースが設けられている。作業スペースには、内側作業床108と、仕切壁110と、外側作業床112と、が設けられている。なお、内側作業床108と外側作業床112は、
図1(B)に示す如く、架台107により、ほぼ下側タイバー106Bの高さ(例えば、床面から100cm~140cm)に設定されている。内側作業床108と外側作業床112は、従来から成形機100のメンテナンス用に用いられている。なお、外側作業床112には、複数段のステップ(不図示)がつながっており、床面から作業者が円滑に外側作業床112に昇れるようになっている。
【0017】
なお、本実施形態では、
図1(A)に示す如く、外側作業床112にガイド機構114を設けている。ガイド機構114は、例えば、Y方向に延びる複数のレールを備えている。成形機用足場装置120は、このレールに嵌合し、Y方向に移動可能とされている。本実施形態では、成形機用足場装置120を使用しないときには、
図1(A)、(B)に示すように、成形機用足場装置120をY方向プラス側にスライドさせ、作業者の邪魔にならない場所に移動させておく。そして、成形機用足場装置120を使用するときには、成形機用足場装置120をY方向マイナス側にスライドさせ、
図1(A)の点線部分の位置に移動させる。本実施形態では、成形機用足場装置120の移動は、作業者が直接に成形機用足場装置120を押引きすることで実現している(これに限らず、成形機を制御する図示せぬ制御装置により、電気や空気圧を用いて、成形機用足場装置を移動制御するようにしてもよい)。なお、符号116、118は、いずれも手摺を示している。
【0018】
成形機用足場装置120は、
図1(A)、(B)に示す如く、成形機100に使用される装置である。成形機用足場装置120は、
図2(A)、(B)、(C)に示す如く、ベース部122と、第1足場部材124と、第2足場部材126と、回動装置140と、を備える。ベース部122は、平面視で、可動型102の移動範囲の外側に配置されている。第1足場部材124は、ベース部122に回動可能に支持されている。第2足場部材126は、第1足場部材124と連動して回動可能とされている。そして、回動装置140は、ベース部122に支持され、直立方向(Z方向)に折り畳まれた第1足場部材124及び第2足場部材126を、移動方向(Y方向)に直交する侵入方向(X方向)に同時に展開させることができる構成となっている。
【0019】
次に、成形機用足場装置120の各構成要素について、詳細に説明する。
【0020】
ベース部122は、
図2(A)、(B)、(C)に示す如く、板状部材であり、下面でガイド機構114と嵌合している。
図1(A)から明らかなように、成形機用足場装置120は、成形機100からX方向下側の外側作業床112に配置されている。つまり、ベース部122は、平面視で、可動型102の移動範囲の外側に配置されている。なお、
図2(C)に示す凹部122Aは、成形機用足場装置120のY方向の位置を固定するために使用されるピン(不図示)が係合する部分である。
【0021】
ベース部122上には、
図2(A)、(C)に示す如く、第1足場部材124と第2足場部材126と回動装置140の他に、2つのスタンド130が第1足場部材124、第2足場部材126をY方向で挟むように設けられている。
【0022】
図2(A)、(B)に示す如く、2つのスタンド130にはそれぞれ、連結調整部132が接続されており、そこにシリンダ部材134の一端が回動可能に連結されている。連結調整部132は、スタンド130の直立方向(Z方向)に沿って、スタンド130に連結されるシリンダ部材134の一端の高さを調整可能としている。シリンダ部材134のもう一端は、第1足場部材124の側面に配置された連結部136に回動可能に支持されている。シリンダ部材134は、初期状態で、棒形状の可動部がシリンダ形状の固定部に収納されることで縮んだ状態となっており、可動部が固定部から引き出されてシリンダ部材134が伸びた状態となると、縮もうとする引張り力を生じさせる構成となっている。つまり、ベース部122と第1足場部材124とは、第1足場部材124及び第2足場部材126が展開された際に引張り力を生じさせる部材(シリンダ部材134)で接続されている構成となっている。
【0023】
なお、
図2(A)に示す如く、2つのスタンド130の第1足場部材124側にはそれぞれ、スプロケット固定部130Aが設けられており、そこにスプロケットSR5、SR6(
図3、主円形部材)が固定されている。
【0024】
第1足場部材124は、
図2(A)、
図4(B)に示す如く、複数の板状部材(歩み板ともいう)を並べて連結した部材(幅W1)である(なお、
図4(A)、(B)は、チェーンカバー124Bを外した状態である)。その板状部材は、例えばアルミ製であり、軽量化と滑り防止のために表面にパンチング孔が設けられていてもよい。第1足場部材124は、図示せぬ取付部により回転シャフトFTS(
図3)に取り付けられ、回転シャフトFTSと一体的に回動するようにされている。第1足場部材124の下面には、
図4(A)に示す如く、シャフト支持部124Cが設けられている。シャフト支持部124Cは、回転シャフトSCS(
図3)を回動可能に支持している。そして、
図3に示す如く、回転シャフトSCSの両端にはスプロケットSR7、SR8(副円形部材)が設けられ、チェーンCN3、CN4(係合部材)を介して、スタンド130に固定されたスプロケットSR5、SR6と連結している。第1足場部材124及び第2足場部材126は、展開された際には、第2足場部材126が2つの下側タイバー106B上に配置されるような長さとされている。なお、符号124Aは、回転シャフトFTSのシャフトカバーである。また、チェーンカバー124Bは、スプロケットSR5、SR6と、第2足場部材126に一体とされたスプロケットSR7、SR8とに連結(係合)しているチェーンCN3、CN4のカバーである。
【0025】
第2足場部材126は、
図4(B)に示す如く、第1足場部材124と同様に、複数の板状部材を並べて連結した部材である。ただし、第2足場部材126の幅W2は、第1足場部材124の幅W1よりも広くされている。また、第2足場部材126の長さMLは、2本の下側タイバー106Bの距離TGよりも長くされている(つまり、平面視で、2本の下側タイバー106B上に配置される第2足場部材126の長さMLは、2本の下側タイバー106Bの距離TGよりも長くされている状態である)。第2足場部材126は、
図2(C)、
図4(A)に示すシャフト連結部126Aにより、回転シャフトSCS(
図3)と一体的に回動するように回転シャフトSCSに接続されている。
【0026】
なお、第2足場部材126は、
図6(A)に示す如く、部材連結板126AB、126BBによって、互いに連結されている。部材連結板126ABの下面には、回転シャフトSCSに取り付けられるシャフト連結部126Aが取り付けられている。そして、シャフト連結部126Aの下面には、
図4(A)に示す如く、弾性部材126AAが設けられている。また、部材連結板126BBの下面には、
図6(A)に示す如く、支持部126Bが取り付けられている。支持部126Bの下面には、
図4(A)に示す如く、弾性部材126BAが設けられている。弾性部材126AA、126BAは、例えば、多少弾力があり圧縮可能な樹脂板とされている(たとえば、MCナイロン)。なお、第2足場部材126にボルトBtで連結される部材連結板126BBにはX方向に長い孔NHが設けられている。このため、成形機用足場装置120の据え付け、組み立て、及び部品単位の誤差(許容差)を吸収するように、第2足場部材126に対する部材連結板126BBの位置調整が可能であり、支持部126BのX方向の位置を微調整することが可能となっている。
【0027】
回動装置140は、
図2(A)、(C)に示す如く、Y方向においてスタンド130に隣接して、ベース部122に支持されている。回動装置140は、直立方向(Z方向)に折り畳まれた第1足場部材124及び第2足場部材126を、移動方向(Y方向)に直交する侵入方向(X方向)に同時に展開させる装置である。具体的に、回動装置140は、
図3に示す如く、電動アシスト機構ESUと、ハンドル146と、ウォームギヤ減速機構WGUと、を備えている(つまり、回動装置140は、第1足場部材124を回動させる減速機構の少なくとも一部にウォームギヤ減速機構WGUを使用する構成である)。
【0028】
図3に示す電動アシスト機構ESUは、ハンドル146から入力される作業者による駆動力に応じて、電動でその力を増幅させて、作業者の操作をアシストする機構である。電動アシスト機構ESUは、ハンドル146の上部に配置されている。電動アシスト機構ESUは、回転シャフトESSに設けられたスプロケットSR1により、ハンドル146の回転シャフト146Aに設けられたスプロケットSR2と、チェーンCN1で連結している。ハンドル146は、回転シャフト146Aを介して回動装置140のフレーム体(不図示)に軸支されている。このため、ハンドル146を回動させることで、回転シャフト146Aに設けられた2つのスプロケットSR2、SR3を同時に回動させることができる。スプロケットSR2は、上述の如く、チェーンCN1を介して、スプロケットSR1を回動させる。
【0029】
なお、
図2(A)に示す如く、電動アシスト機構ESUの部分は上段カバー142で覆われ、電動アシスト機構ESUを有効にする際に使用する電源スイッチ144が電動アシスト機構ESUの近傍に設けられている。電動アシスト機構ESUは、バッテリー駆動とされているので、設置場所の自由度が高い(これに限らず、電動アシスト機構ESUには電源ケーブルによる給電がなされてもよい)。
【0030】
図3に示すウォームギヤ減速機構WGUは、X軸周りの回転量を、ウォームギヤを用いて減速してY軸周りの回転量に変換する機構である。ウォームギヤ減速機構WGUは、ウォームギヤを使用するため静止トルクが大きいので、ブレーキ機構を使わずとも、回転シャフトFTSのY軸周りの回転角度を保持することができる。ウォームギヤ減速機構WGUは回転シャフトWGSに設けられたスプロケットSR4を備える。スプロケットSR4は、チェーンCN2により、スプロケットSR3の回転量に応じて(減速)回動する。なお、
図2(A)に示す如く、ウォームギヤ減速機構WGUの部分には、下段カバー150が設けられ、上段カバー142との間には中段カバー148が設けられている。
【0031】
なお、ウォームギヤ減速機構WGUの出力軸WGOと回転シャフトFTSとは、
図3に示す如く、カップリング152により連結されている。カップリング152は、例えばチェーンカップリングとされている。チェーンカップリングは、ウォームギヤ減速機構WGUの出力軸WGOと回転シャフトFTSとに設けられた隣接するスプロケットに2列のローラーチェーンを巻き付けた構造を採用するフレキシブルカップリングである。チェーンカップリングは、他のカップリングに比べて低コストで、伝達能力が大きい。更に、チェーンカップリングは、軸ずれの許容度が大きく、構造が単純で分解組付けが容易であるといった特徴を備える。
【0032】
回転シャフトFTSの回転中心は、スタンド130に支持固定されたスプロケットSR5、SR6の中心と共通とされている(つまり、ベース部122には、回転シャフトFTSと中心を共通とするスプロケットSR5、SR6が固定されている)。回転シャフトFTSは、スプロケットSR5を支持するスプロケット固定部130Aに回動可能に支持され、スプロケットSR6の近傍まで延在している。つまり、回動装置140は、第1足場部材124に取付けられた回転シャフトFTSを回動させることで、第1足場部材124を回動させる。
【0033】
次に、回動装置140によって第1足場部材124と第2足場部材126の展開される形態を主に
図5を用いて説明する。なお、
図5の状態(B)、(C)、(D)では、第1足場部材124と第2足場部材126の動きを判別容易とするために、シリンダ部材134を省略している。
【0034】
まず、成形機100を型開きして、固定型104に対して可動型102をY方向プラス側に離間させる。そして、成形機用足場装置120をY方向において可動型102の移動方向とは反対側(Y方向プラス側)に移動させる。そして、成形機用足場装置120の第1足場部材124と第2足場部材126が固定金型104Aと可動金型102Aとの間のスペースに入ることを確認して、ベース部122を固定し、回動装置140の電源スイッチ144をONとして、電動アシスト機能を有効とする。
【0035】
次に、ハンドル146を回していく。最初は、第1足場部材124と第2足場部材126とは直立した状態であるが、回動装置140により直接的に回転シャフトFTSを回動させることで、第1足場部材124が徐々に傾斜していく。ここで、スプロケットSR7、SR8は、第1足場部材124に回動可能に支持され、スタンド130に固定されたスプロケットSR5、SR6にチェーンCN3、CN4で連結している。これにより、スタンド130に対する第1足場部材124の回転方向とは逆の回転方向に、スプロケットSR7、SR8は回動する。即ち、第1足場部材124の回動により生じる、第1足場部材124に対するスプロケットSR5、SR6の相対的な回転変位により、第1足場部材124に回動可能に支持されるスプロケットSR7、SR8を回動させることで、スプロケットSR7、SR8と一体とされた第2足場部材126を回動させる。なお、スプロケットSR5、SR6の歯数は、スプロケットSR7、SR8の歯数の2倍とされている。このため、スタンド130に対する第1足場部材124の回転角度が+90度となる際には、第1足場部材124に対する第2足場部材126の回転角度が-180度となる。即ち、
図5に示すように、ハンドル146を回動させることにより、第1足場部材124及び第2足場部材126が状態(A)から、状態(B)、状態(C)、そして、状態(D)に変化していくこととなる。最終的には、状態(E)に示すように、第1足場部材124及び第2足場部材126がすべて展開された際には、すべての下側タイバー106Bの上側に、第1足場部材124及び第2足場部材126が配置されることとなる。このとき、第2足場部材126に設けられた弾性部材126AA、126BAが下側タイバー106Bに当接することとなる。即ち、平面視で、下側タイバー106B上に配置される第2足場部材126の下側タイバー106Bに接触する部分には、弾性部材126AA、126BAが設けられている状態となる。また、同時に、第1足場部材124の表面と第2足場部材126の表面とは、段差のない同一平面を構成するようにされている。
【0036】
このように、本実施形態では、第1足場部材124と、第2足場部材126と、回動装置140と、を備える。そして、第1足場部材124と第2足場部材126とは、回動することにより、直立方向(Z方向)から侵入方向(X方向)に同時に展開される構成となっている。即ち、第1足場部材124の内部に第2足場部材126が収容される構成ではなく、第1足場部材124と第2足場部材126とが折り畳まれた状態から展開される形態をとる。このため、第2足場部材126の形状(厚みや大きさ)が第1足場部材124に制限されることなく、最適な厚みと大きさとすることができる。具体的には、本実施形態では、第2足場部材126の幅W2は、第1足場部材124の幅W1よりも広くされて、第2足場部材126上での作業者の作業性を向上させている。また、第1足場部材124と第2足場部材126の表面とは同一平面を形成して、段差がない状態を構成し、作業者の第1足場部材124と第2足場部材126との間のより安全で円滑な移動を可能としている。更には、第1足場部材の内部に第2足場部材を収納する形態とは異なり、第2足場部材126には、第2足場部材126の下面から突出したシャフト連結部126Aと支持部126Bとを設けることを可能としている。このため、第1足場部材124と第2足場部材126の表面とが同一平面を形成しながら、下側タイバー106Bで第2足場部材126を確実に支持する構成を可能としている。
【0037】
また、本実施形態では、第1足場部材124及び第2足場部材126がすべて展開された際には、すべて(2本)の下側タイバー106Bの上側に、第1足場部材124及び第2足場部材126が配置される。このために、下側タイバー106Bが(第2足場部材126に連結されている)第1足場部材124と第2足場部材126を支持可能である。つまり、仮に第1足場部材124と第2足場部材126に上から極端に大きな外力が加わっても、下側タイバー106Bが支持することができる。このため、第1足場部材124と第2足場部材126は、作業者によるメンテナンス作業で生じる変動負荷などの外力を安定して支持することが可能である。
【0038】
また、本実施形態では、第2足場部材126の部材連結板126BBの位置が調整可能となっていることから、下側タイバー106Bに支持される支持部126BのX方向位置を微調整することができる。このため、安定した状態で下側タイバー106Bは支持部126Bを介して、第2足場部材126を支持することができる。なお、これに限らず、支持部のX方向位置は固定された状態であってもよい。その際には、設計上の下側タイバーの位置と支持部との位置ずれが気にならないくらいに支持部をX方向に大きくするようにしておくことができる。
【0039】
また、本実施形態では、平面視で、2本の下側タイバー106B上に配置される第2足場部材126の長さMLは、2本の下側タイバー106Bの距離TGよりも長くされている状態である。つまり、複数の部材の結合部分が2本の下側タイバー106Bの間にきてしまうことを防止できるので、上からの大きな外力などでその結合部分での破断や分解などのおそれがない。また、仮に第2足場部材126だけに分離されてしまうような事態が生じても、第2足場部材126の落下のおそれを低減して、作業者の安全を確保することが可能である。なお、これに限らず、平面視で、2本の下側タイバー上に配置される第1足場部材及び第2足場部材の長さが、2本の下側タイバーの距離よりも長くされていなくてもよい。例えば、可動部分や間接部分が2本の下側タイバーの間にきても、その可動部分や間接部分の点検を予めして破損や破断の可能性がないことを確認しておくことで、不慮の事故を未然に防ぐことができるからである。
【0040】
また、本実施形態では、回動装置140が、第1足場部材124に取付けられた回転シャフトFTSを回動させることで、第1足場部材124を回動させている。そして、ベース部122には、回転シャフトFTSと中心を共通とするスプロケットSR5、SR6が固定されている。更に、第1足場部材124の回動により生じる、第1足場部材124に対するスプロケットSR5、SR6の相対的な回転変位により、第1足場部材124に回動可能に支持されるスプロケットSR7、SR8を回動させることで、スプロケットSR7、SR8と一体とされた第2足場部材126を回動させる構成となっている。即ち、回動装置140の出力軸WGOで直接的に回動させる部材が第1足場部材124のみであるので、直接的に回動させる部材が第1足場部材と第2足場部材であった場合に比べて、動力伝達系を簡素かつ効率的に構成することができる。このため、故障の少ない安定した動作が可能な回動装置140とすることが可能である。同時に、ハンドル146からの駆動力の伝達はすべてスプロケットSR1~SR8であり、スプロケットSR1~SR8それぞれを連結するのがチェーンCN1~CN4である。このため、ハンドル146から急激な駆動力を加えても、滑ることなく、確実にその駆動力を伝達することが可能である。
【0041】
なお、これに限らず、回動装置で直接的に回動させる部材が第1足場部材と第2足場部材の両方であってもよい。また、主円形部材と副円形部材を含めてスプロケットSR1~SR4がすべてプーリであり、それらプーリを連結するのがワイヤやベルトやタイミングベルトなどであってもよい。あるいは、主円形部材と副円形部材を含めてスプロケットSR1~SR4がすべて歯車であり、主円形部材と副円形部材とが直接噛合するようにしてもよい。あるいは、主円形部材と副円形部材を含めてスプロケットSR1~SR4がすべて歯車であり、主円形部材と副円形部材とが1以上の歯車を介して連結される形態であってもよい。
【0042】
また、本実施形態では、平面視で、下側タイバー106B上に配置される第2足場部材126の下側タイバー106Bに接触する部分には、弾性部材126AA、126BAが設けられている。このため、第2足場部材126が展開される際に、第2足場部材126の支持部126Bが勢いよく下側タイバー106Bに配置され、衝突するようなことが生じても、下側タイバー106Bが破損・変形することを防止することができる。同時に、第2足場部材126にメンテナンス作業中に重量物を落とした際であっても、下側タイバー106Bが破損・変形することを防止することができる。なお、これに限らず、弾性部材126AA、126BAが設けられていなくてもよい。下側タイバーに局所的な応力集中が生じないように、支持部などが下側タイバーと点接触しないように構成しておくようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、回動装置140が、第1足場部材124を回動させる減速機構の少なくとも一部にウォームギヤ減速機構WGUを使用している。即ち、ウォームギヤ減速機構WGUが大きな静止トルクを有するので、回動装置140にブレーキ機能を不要としながら、第1足場部材124及び第2足場部材126の展開状態を任意の角度で静止することができる。これにより、緊急時に第1足場部材124及び第2足場部材126の動きを停止させる必要があるときには迅速に対応することが可能である。なお、これに限らず、回動装置に、ウォームギヤ減速機構WGUを使用せず、ブレーキ機構を組み込んで、ラックとピニオンの組合せや傘歯歯車を用いた減速機構などを用いてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、ベース部122と第1足場部材124とは、第1足場部材124及び第2足場部材126が展開された際に引張り力を生じさせるシリンダ部材134で接続されている。このため、特に第1足場部材124と第2足場部材126とを展開した状態から折り畳んだ状態に戻す際に必要な力をシリンダ部材134で小さくすることができる。即ち、作業者はそれほど労力をかけずに、簡単に、第1足場部材124と第2足場部材126とを折り畳んだ状態に戻すことができる。しかも、シリンダ部材134は、第1足場部材124の両側に接続されているので、第1足場部材124の展開と折り畳みの際にねじれが生じるおそれもない。同時に、電動アシスト機構ESUでアシストに使用する消費電力も少なくできるので、電動アシスト機構ESUのバッテリー充電頻度を少なくすることもできる。また、シリンダ部材134は、第1足場部材124の両側に取り付けられているので、作業者が第1足場部材124から誤って足を踏み外すといったことの可能性を低くすることができる。なお、これに限らず、シリンダ部材が第1足場部材124の片側のみに取り付けられていてもよいし、シリンダ部材が取り付けられていなくてもよい。また、シリンダ部材は、引張り力を生じさせるものではなく、第1足場部材と第2足場部材の展開と折り畳みの際の衝撃を緩和するダンピング効果だけを有するシリンダ部材であってもよい。
【0045】
また、本実施形態では、第2足場部材126の展開と折り畳みを、第1足場部材124のY方向の両側に配置されたスプロケットSR5~SR8とチェーンCN3、CN4で実現している。このため、第1足場部材124及び第2足場部材126の展開と折り畳みを、ねじれが生じることなく実現できる。また、第1足場部材124と第2足場部材126にメンテナンス作業時にかかる負荷をY方向で均等に分散することができ、メンテナンス作業中に第1足場部材124と第2足場部材126にねじれるような変形が生じることを防止することもできる。なお、これに限らず、第1足場部材のY方向の一方側、例えばスプロケットSR5、SR7とチェーンCN3だけで第2足場部材が展開と折り畳みがなされるように構成されていてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、回動装置140に電動アシスト機構ESUを採用し、作業者がハンドル146を回動させることで、第1足場部材124と第2足場部材126の展開と折り畳みとを行う。このため、作業者は第1足場部材124と第2足場部材126の展開と折り畳みとをあまり労力を使わずに行うことができる。そして、成形機用足場装置120の制御は、成形機100の制御とは独立している。しかも、電動アシスト機構ESUはバッテリー駆動であることから、成形機用足場装置120のための電源ケーブルの引き回しが不要である。このため、使用場所の制限が少なく、新規だけでなく既存の成形機100に後付けする形も採用できるので、幅広く使用することができる。なお、これに限らず、例えば、電動アシスト機構ESUがない全くの人力で第1足場部材と第2足場部材の展開と折り畳みを行ってもよいし、作業者がスイッチ1つで第1足場部材と第2足場部材の展開と折り畳みを行えるように電動としてもよいし、更には成形機の操作と連動させて自動で第1足場部材と第2足場部材の展開と折り畳みを行ってもよい。
【0047】
よって、本実施形態では、メンンテナンス作業をより安全に行うことを可能にすることで、メンテナンス作業の効率向上が可能な成形機用足場装置120を提供することが可能である。
【0048】
本発明について第1実施形態を挙げて説明したが、本発明は第1実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
【0049】
例えば、上記実施形態では、第2足場部材126は、1つとされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2足場部材は複数であってもよい。その際には、回動装置からの動力伝達を更に、スプロケットとチェーンの組み合わせで実現してもよいし、単に2つ目以降の第2足場部材はヒンジで連結しただけであってもよい。更には、2つ目以降の第2足場部材は、1つ目の第2足場部材が展開された後に、別途装着するような構成であってもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、2本の下側タイバー106B上に配置されるのが第2足場部材だけであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1足場部材が展開された際に2本の下側タイバー上に第1足場部材自身が直接配置されるような構成であってもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、成形機100は、ダイカストマシンであり、例えば、鋳鉄、鋼、アルミニウム合金、銅合金、マグネシウム合金、亜鉛合金、ニッケル合金、チタン合金など金属部品の成形をすることとしていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、樹脂部品やIC等の機能性素子の樹脂封止などを行う成形機であり、メンテナンス作業としては樹脂を取り除くことをする場合であってもよい。
【0052】
なお、上記実施形態では、4本のタイバー106を備える成形機100が対象であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、タイバーが合計6本以上あるようなより大型の成形機に対して、本発明の成形機用足場装置が使用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、金属部品や樹脂部品や樹脂封止部品などの様々な成形機で、主にメンテナンス作業に使用するのに好適である。
【符号の説明】
【0054】
100…成形機
102…可動型
102A…可動金型
102B…可動ダイプレート
104…固定型
104A…固定金型
104B…固定ダイプレート
106…タイバー
106A…上側タイバー
106B…下側タイバー
107…架台
108…内側作業床
110…仕切壁
112…外側作業床
114…ガイド機構
116、118…手摺
120…成形機用足場装置
122…ベース部
122A…凹部
124…第1足場部材
124A…シャフトカバー
124B…チェーンカバー
124C…シャフト支持部
126…第2足場部材
126A…シャフト連結部
126AA、126BA…弾性部材
126AB、126BB…部材連結板
126B…支持部
130…スタンド
130A…スプロケット固定部
132…連結調整部
134…シリンダ部材
136…連結部
140…回動装置
142…上段カバー
144…電源スイッチ
146…ハンドル
146A、ESS、FTS、SCS、WGS…回転シャフト
148…中段カバー
150…下段カバー
152…カップリング
Bt…ボルト
CN1、CN2、CN3、CN4…チェーン
ESU…電動アシスト機構
ML…長さ
NH…孔
SR1、SR2、SR3、SR4、SR5、SR6、SR7、SR8…スプロケット
TG…距離
W1、W2…幅
WGO…出力軸
WGU…ウォームギヤ減速機構
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型と、該固定型に対して水平に移動する可動型と、該可動型の移動方向への移動を案内する上下それぞれ2本以上のタイバーを備える横型成形機に使用される成形機用足場装置であって、
平面視で、前記可動型の移動範囲の外側に配置されるベース部と、
該ベース部に回動可能に支持される第1足場部材と、該第1足場部材と連動して回動可能とされている1以上の第2足場部材と、
該ベース部に支持され、直立方向に折り畳まれた該第1足場部材及び該1以上の第2足場部材を、前記移動方向に直交する侵入方向に同時に展開させる回動装置と、
を備え、
前記第1足場部材及び1以上の第2足場部材がすべて展開された際には、前記タイバーのうちの下側に配置されるすべての下側タイバーの上側に、該第1足場部材及び1以上の第2足場部材が配置される
ことを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項2】
請求項1において、
平面視で、2本の前記下側タイバー上に配置される前記1以上の第2足場部材の長さは、該2本の下側タイバーの中心軸間の距離よりも長くされている状態であることを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記回動装置は、前記第1足場部材に取付けられた回転シャフトを回動させることで、該第1足場部材を回動させ、
前記ベース部には、該回転シャフトと中心を共通とする主円形部材が固定され、
前記第1足場部材の回動により生じる、該第1足場部材に対する前記主円形部材の相対的な回転変位により、該第1足場部材に回動可能に支持される副円形部材を回動させることで、該副円形部材と一体とされた前記第2足場部材を回動させることを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
平面視で、前記下側タイバー上に配置される前記1以上の第2足場部材の前記下側タイバーに接触する部分には、弾性部材が設けられていることを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記回動装置は、前記第1足場部材を回動させる減速機構の少なくとも一部にウォームギヤ減速機構を使用することを特徴とする成形機用足場装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記ベース部と前記第1足場部材とは、前記第1足場部材及び1以上の第2足場部材が展開された際に引張り力を生じさせる部材で接続されていることを特徴とする成形機用足場装置。