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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178625
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231211BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
H02J7/00 K
H02J7/00 S
H01M10/48 P
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091419
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】森本 充晃
(72)【発明者】
【氏名】杉村 一男
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博照
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 翔也
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA05
5G503BB02
5G503CC02
5G503DA06
5G503DA16
5G503FA16
5G503GA01
5G503GA12
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
【課題】負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供する。
【解決手段】正極側入力端子を、第1の正極側バッテリ端子に接続し、負極側入力端子を、第2の負極側バッテリ端子に接続し、スイッチを、第1の負極側バッテリ端子と第2の正極側バッテリ端子との間と、正極側入力端子と第1の正極側バッテリ端子との間の第1の接続点と第2の正極側バッテリ端子との間と、第1の負極側バッテリ端子と負極側入力端子と第2の負極側バッテリ端子との間の第2の接続点との間と、に接続し、正極側出力端子を、正極側変換器出力端子に接続し、負極側出力端子を、負極側変換器出力端子に接続し、正極側変換器入力端子を、正極側入力端子と第1の正極側バッテリ端子とを接続するラインに接続し、負極側変換器入力端子は、負極側入力端子と第2の負極側バッテリ端子とを接続するラインに接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを接続するための第1の正極側バッテリ端子および第1の負極側バッテリ端子と、
バッテリを接続するための第2の正極側バッテリ端子および第2の負極側バッテリ端子と、
充電器を接続するための正極側入力端子および負極側入力端子と、
負荷を接続するための正極側出力端子および負極側出力端子と、
第1のスイッチと、
第2のスイッチと、
第3のスイッチと、
電力変換器と、を有し、
前記正極側入力端子は、前記第1の正極側バッテリ端子に接続され、
前記負極側入力端子は、前記第2の負極側バッテリ端子に接続され、
前記第1のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と前記第2の正極側バッテリ端子との間に接続され、
前記第2のスイッチは、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子との間の第1の接続点と、前記第2の正極側バッテリ端子と、の間に接続され、
前記第3のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子との間の第2の接続点と、の間に接続され、
前記電力変換器は、正極側変換器入力端子と、負極側変換器入力端子と、正極側変換器出力端子と、負極側変換器出力端子と、を有し、
前記正極側出力端子は、前記正極側変換器出力端子に接続され、
前記負極側出力端子は、前記負極側変換器出力端子に接続され、
前記正極側変換器入力端子は、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子とを接続するラインに接続され、
前記負極側変換器入力端子は、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子とを接続するラインに接続されている、電源装置。
【請求項2】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記電力変換器を制御する制御部をさらに有し、
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、駆動電圧が第1の電圧である第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、駆動電圧が前記第1の電圧である第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、前記第1の電圧の電力を供給する第1の充電器が接続され、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、駆動電圧が前記第1の電圧である負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが開き、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが閉じるように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御し、入力された電力を変換せずに出力するように、前記電力変換器を制御する、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、前記第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、前記第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、前記第1の電圧の2倍の電圧である第2の電圧の電力を供給する第2の充電器が接続され、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、前記負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが閉じ、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが開くように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御し、入力された電力を前記第1の電圧の電力に変換して出力するように、前記電力変換器を制御する、請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、前記第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、前記第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、充電器が接続されておらず、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、前記負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが開き、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが閉じるように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御し、入力された電力を変換せずに出力するように、前記電力変換器を制御する、請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記電力変換器は、降圧チョッパの回路構成を含み、前記降圧チョッパの回路構成を構成するダイオードとして、ダイオードが並列に接続されたスイッチング素子を有する、請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記電力変換器を制御する制御部をさらに有し、
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、駆動電圧が第1の電圧である第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、駆動電圧が前記第1の電圧である第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、前記第1の電圧の2倍の電圧である第2の電圧の電力を供給する第2の充電器が接続され、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、駆動電圧が前記第2の電圧である負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが閉じ、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが開くように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御し、入力された電力を変換せずに出力するように、前記電力変換器を制御する、請求項1に記載の電源装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、前記第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、前記第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、前記第1の電圧の電力を供給する第1の充電器が接続され、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、前記負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが開き、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが閉じるように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御し、入力された電力を前記第2の電圧の電力に変換して出力するように、前記電力変換器を制御する、請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の正極側バッテリ端子および前記第1の負極側バッテリ端子に、前記第1のバッテリが接続され、前記第2の正極側バッテリ端子および前記第2の負極側バッテリ端子に、前記第2のバッテリが接続され、前記正極側入力端子および前記負極側入力端子に、充電器が接続されておらず、前記正極側出力端子および前記負極側出力端子に、前記負荷が接続されたならば、前記第1のスイッチが閉じ、前記第2のスイッチおよび前記第3のスイッチが開くように、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチを制御し、入力された電力を変換せずに出力するように、前記電力変換器を制御する、請求項7に記載の電源装置。
【請求項9】
前記電力変換器は、昇圧チョッパの回路構成を含み、前記昇圧チョッパの回路構成を構成するダイオードとして、ダイオードが並列に接続された2つのスイッチング素子を有する、請求項8に記載の電源装置。
【請求項10】
前記昇圧チョッパの回路構成を構成するインダクタが前記2つのスイッチング素子の間に接続されている、請求項9に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV;Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)が普及し、これらの電動自動車のバッテリに充電を行うことが可能な充電設備も普及してきている。現在設置されている充電設備の規格には様々な種類があり、電動自動車の電源装置は複数の規格の充電装置に対応する必要ある。例えば、特許文献1には、2つのバッテリの接続を並列と直列に切り替えることで、急速充電器と、供給電力の電圧が急速充電器よりも高い超急速充電器と、に対応する電源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-150784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された電源装置では、2つのバッテリの接続が切り替えられたときに、負荷にかかる電圧が大きく変化する。このため、特許文献1に開示された電源装置では、この2つのバッテリの接続の切り替え中は、負荷を動作させることができない。
【0005】
そこで、本発明は、負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る一実施形態に係る電源装置は、バッテリを接続するための第1の正極側バッテリ端子および第1の負極側バッテリ端子と、バッテリを接続するための第2の正極側バッテリ端子および第2の負極側バッテリ端子と、充電器を接続するための正極側入力端子および負極側入力端子と、負荷を接続するための正極側出力端子および負極側出力端子と、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、電力変換器と、を有し、前記正極側入力端子は、前記第1の正極側バッテリ端子に接続され、前記負極側入力端子は、前記第2の負極側バッテリ端子に接続され、前記第1のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と前記第2の正極側バッテリ端子との間に接続され、前記第2のスイッチは、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子との間の第1の接続点と、前記第2の正極側バッテリ端子と、の間に接続され、前記第3のスイッチは、前記第1の負極側バッテリ端子と、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子との間の第2の接続点と、の間に接続され、前記電力変換器は、正極側変換器入力端子と、負極側変換器入力端子と、正極側変換器出力端子と、負極側変換器出力端子と、を有し、前記正極側出力端子は、前記正極側変換器出力端子に接続され、前記負極側出力端子は、前記負極側変換器出力端子に接続され、前記正極側変換器入力端子は、前記正極側入力端子と前記第1の正極側バッテリ端子とを接続するラインに接続され、前記負極側変換器入力端子は、前記負極側入力端子と前記第2の負極側バッテリ端子とを接続するラインに接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る電源装置100を示す図である。
図2】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
図3】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
図4】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
図5】電源装置100における電力の流れを説明する図である。
図6】電力変換器150の構成例を示す図である。
図7】電力変換器150の構成例を示す図である。
図8】電力変換器150の構成例を示す図である。
図9】電力変換器150の構成例を示す図である。
図10】電力変換器150の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<電源装置100>
図1は、本発明の一実施形態に係る電源装置100を示す図である。電源装置100は、第1の正極側バッテリ端子111と、第1の負極側バッテリ端子112と、第2の正極側バッテリ端子121と、第2の負極側バッテリ端子122と、正極側入力端子131と、負極側入力端子132と、第1のスイッチSW1と、第2のスイッチSW2と、第3のスイッチSW3と、正極側出力端子141と、負極側出力端子142と、電力変換部150と、を有する。
【0010】
第1の正極側バッテリ端子111および第1の負極側バッテリ端子112は、第1のバッテリ210を接続するための端子であり、第1のバッテリ210の正極は、第1の正極側端子111に接続され、第1のバッテリ210の負極は、第1の負極側バッテリ端子112に接続される。第2の正極側バッテリ端子121および第2の負極側バッテリ端子122は、第2のバッテリ220を接続するための端子であり、第2のバッテリ220の正極は、第2の正極側端子121に接続され、第2のバッテリ220の負極は、第2の負極側バッテリ端子122に接続される。第1のバッテリ210および第2のバッテリ220は、電力を充放電可能な蓄電池であり、例えば、リチウムイオン電池である。第1のバッテリおよび第2のバッテリ220の駆動電圧は、同じであり、第1の電圧(例えば、400Vや500V)である。
【0011】
正極側入力端子131および負極側入力端子132は、充電器300を接続するための端子である。第1の電圧の電力を供給する第1の充電器300A(例えば、急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されると、正極側入力端子131、負極側入力端子132から第1の電圧の電力が入力される。第1の電圧の2倍の電圧である第2の電圧(例えば、800Vや1000V)の電力を供給する第2の充電器300B(例えば、超急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されると、正極側入力端子131、負極側入力端子132から第2の電圧の電力が入力される。
【0012】
電力変換部150は、正極側変換部入力端子151と、負極側変換部入力端子152と、正極側変換部出力端子153と、負極側変換部出力端子154と、を有し、正極側変換部入力端子151および負極側変換部入力端子152から入力された電力を、正極側変換部出力端子153および負極側変換部出力端子154から出力する。このとき、電力変換部150は、正極側変換部入力端子151および負極側変換部入力端子152から入力された電力の電圧を変換せずに正極側変換部出力端子153および負極側変換部出力端子154から出力するモード(中継モード)と、正極側変換部入力端子151および負極側変換部入力端子152から入力された電力の電圧を変換して正極側変換部出力端子153および負極側変換部出力端子154から出力するモード(電力変換モード)と、で動作する。電力変換モードは、第1の電圧の電力を第2の電圧の電力に変換するモード(昇圧モード)と、第2の電圧の電力を第1の電圧の電力に変換するモード(降圧モード)の少なくともいずれかを含む。
【0013】
本実施形態では、正極側入力端子131は、第1の正極側バッテリ端子111に接続されており、負極側入力端子132は、第2の負極側バッテリ端子122に接続されている。
【0014】
そして、第1のスイッチSW1は、第1の負極側バッテリ端子122と第2の正極側バッテリ端子121との間に接続されている。第2のスイッチSW2は、正極側入力端子131と第1の正極側バッテリ端子111との間の第1の接続点CP1と、第2の正極側バッテリ端子121と、の間に接続されている。第3のスイッチSW3は、第1の負極側バッテリ端子112と、負極側入力端子132と第2の負極側バッテリ端子122との間の第2の接続点CP2と、の間に接続されている。
【0015】
このため、本実施形態では、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じた状態において、図2に示すように、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220は、正極側入力端子131と負極側入力端子132との間で、並列に接続される。よって、図2に示すように、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じた状態で、正極側入力端子131と負極側入力端子132に充電器を接続した場合、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220とが並列の状態で充電することが可能である。
【0016】
そこで、本実施形態では、第1の充電器300A(例えば、急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されるときに、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じ、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を並列の状態で充電する。このようにすることで、本実施形態では、第1のバッテリ210およぶ第2のバッテリ220を、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の駆動電圧である第1の電圧の電力により充電することが可能になる。
【0017】
また、本実施形態では、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開いた状態において、図3に示すように、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220は、正極側入力端子131と負極側入力端子132との間で、直列に接続される。よって、図3に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開いた状態で、正極側入力端子131と負極側入力端子132に充電器300を接続した場合、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を直列の状態で充電することが可能である。
【0018】
そこで、本実施形態では、第2の充電器300B(例えば、超急速充電器)が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されるときに、第1のスイッチSW1を閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3を開き、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を直列の状態で充電する。このようにすることで、本実施形態では、第1のバッテリ210およぶ第2のバッテリ220を、第2の電圧の半分の電圧である第1の電圧の電力により充電することが、つまり、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の駆動電圧である第1の電圧の電力により充電することが可能になる。
【0019】
正極側出力端子121および負極側出力端子121は、負荷400を接続するための端子である。
【0020】
本実施形態では、正極側出力端子121は、電力変換部150の正極側変換器出力端子153に接続しており、負極側出力端子122は、電力変換部150の負極側変換器出力端子154に接続している。
【0021】
そして、電力変換部150の正極側変換器入力端子151は、正極側入力端子141と第1の正極側バッテリ端子111とを接続するラインに接続され、電力変換部150の負極側変換器入力端子152は、負極側入力端子142と第2の負極側バッテリ端子122とを接続するラインに接続されている。
【0022】
このため、本実施形態では、電力変換部150には、充電器300から出力される電圧が入力されることになる。
【0023】
そこで、本実施形態では、図2に示すように、第1の充電器300Aが正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されている場合、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第1の電圧であるならば、電力変換部150は、入力された電力の電圧を変換せずに出力する。また、このとき、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第1の電圧よりも低いならば、電力変換部150は、第1の電圧を負荷400の駆動電圧に降圧して出力し、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第1の電圧よりも高いならば、電力変換部150は、第1の電圧を負荷400の駆動電圧に昇圧して出力する。特に、このとき、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第2の電圧であるならば、電力変換部150は、第1の電圧の電力を第2の電圧の電力に変換して出力する。
【0024】
また、本実施形態では、図3に示すように、第2の充電器300Bが正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されている場合、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第2の電圧であるならば、電力変換部150は、入力された電力の電圧を変換せずに出力する。また、このとき、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第2の電圧よりも低いならば、電力変換部150は、第2の電圧を負荷400の駆動電圧に降圧して出力し、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第2の電圧よりも高いならば、電力変換部150は、第2の電圧を負荷400の駆動電圧に昇圧して出力する。特に、このとき、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第1の電圧であるならば、電力変換部150は、第2の電圧の電力を第1の電圧の電力に変換して出力する。
【0025】
また、本実施形態では、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていない場合(例えば、走行時)、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第1の電圧であるならば、例えば、図4に示すように、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じ、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が並列に接続されるようにし、電力変換部150は、入力された電力の電圧を変換せずに出力する。
【0026】
また、本実施形態では、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていない場合(例えば、走行時)、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第2の電圧であるならば、例えば、図5に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開き、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が直列に接続されるように、電力変換部150が、入力された電力の電圧を変換せずに出力する。
【0027】
また、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていない場合(例えば、走行時)、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第1の電圧より低いならば、電力変換部150が、入力された電力の電圧を負荷400の駆動電圧に降圧して出力する。このとき、図4に示すように、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じ、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が並列に接続されるようにしても良いし、図5に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開き、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が直列に接続されるようにしても良い。
【0028】
また、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていない場合(例えば、走行時)、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第1の電圧より高く、第2の電圧より低いならば、図4に示すように、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じ、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が並列に接続されるようにし、電力変換部150が、入力された電力の電圧を負荷400の駆動電圧に昇圧して出力するようにしても良いし、図5に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開き、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が直列に接続されるようにし、電力変換部150が、入力された電力の電圧を負荷400の駆動電圧に降圧して出力するようにしても良い。
【0029】
また、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていない場合(例えば、走行時)、正極側出力端子141および負極側出力端子142に接続された負荷400の駆動電圧が第2の電圧より高いならば、電力変換部150が、入力された電力の電圧を負荷400の駆動電圧に昇圧して出力する。このとき、図4に示すように、第1のスイッチSW1が開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が閉じ、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が並列に接続されるようにしても良いし、図5に示すように、第1のスイッチSW1が閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3が開き、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220が直列に接続されるようにしても良い。
【0030】
このように、本実施形態では、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第1の充電器300Aと第2の充電器300Bのどちらが接続されたとしても、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を充電することが可能である。また、本実施形態では、正極側出力端子141および負極側出力端子142にどのような駆動電圧の負荷400が接続されたとしても、負荷400に適切な電圧の電力を供給することが可能である。このため、本実施形態では、負荷の動作を中断することなく、複数の充電器に対応する電源装置を提供することが可能である。
【0031】
また、本実施形態では、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていないとき(例えば、走行時)に、負荷400には、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の両方から電力が供給することが可能である。このため、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を均等に使用することが可能である。
【0032】
<第1~第3のスイッチ141~143と電力変換器150の制御>
電源システム100は、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2、第3のスイッチSW3、電力変換器150を制御する制御部160をさらに有するようにする良い。
【0033】
制御部160は、正極側入力端子131および負極側入力端子132に充電器300が接続されていないときに、駆動電圧が第1の電圧である負荷400が接続されたならば、図4に示すように、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を閉じるように制御し、電力変換器150を中継モードで動作するように制御すると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220とが並列に接続され、電力変換器150における電力変換を行うことなく、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の両方から負荷400に電力を供給することが可能になる。
【0034】
また、制御部160は、正極側入力端子131および負極側入力端子132に充電器300が接続されていないときに、駆動電圧が第2の電圧である負荷400が接続されたならば、図5に示すように、第1のスイッチSW1を閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を開くように制御し、電力変換器150を中継モードで動作するように制御すると良い。このようにすることで、このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220とが直列に接続され、電力変換器150における電力変換を行うことなく、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の両方から負荷400に電力を供給することが可能になる。
【0035】
また、制御部160は、正極側入力端子131および負極側入力端子132に充電器400が接続されていないときに、駆動電圧が第1の電圧とも第2の電圧とも異なる負荷400が接続されたならば、電力変換器150を入力された電力を負荷400の駆動電圧の電力に変換するように制御すると良い。このようにすることで、駆動電圧が第1の電圧とも第2の電圧ともと異なる負荷400にも、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220の両方から負荷400に電力を供給することが可能になる。このとき、制御部160は、図4に示すように、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を閉じるように制御しても良いし、図5に示すように、第1のスイッチSW1を閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を開くように制御しても良い。
【0036】
制御部160は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第1の充電器300Aが接続されたときに、駆動電圧が第1の電圧である負荷400が接続されたならば、図2に示すように、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を閉じるように制御し、電力変換器150を中継モードで動作するように制御すると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220と負荷400とを並列に接続することが可能になり、第1の充電器300Aから、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220と負荷400に、第1の電圧の電力を供給することが可能になる。
【0037】
制御部160は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第1の充電器300Aが接続されたときに、駆動電圧が第1の電圧とは異なる負荷400が接続されたならば、図2に示すように、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を閉じるように制御し、電力変換器150を入力された電力を負荷400の駆動電圧の電力に変換するように制御すると良い。特に、駆動電圧が第2の電圧である負荷400が接続されたならば、図2に示すように、第1のスイッチSW1を開き、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を閉じるように制御し、電力変換器150を入力された電力を第2の電圧の電力に変換するように制御すると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220に、第1の電圧の電力を供給しつつ、負荷400に、負荷400の駆動電圧の電力を供給することが可能になる。
【0038】
制御部160は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第2の充電器300Bが接続されたときに、駆動電圧が第2の電圧である負荷400接続されたならば、図3に示すように、第1のスイッチSW1を閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を開くように制御し、電力変換器150を中継モードで動作するように制御すると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220を直列に接続することが可能になり、第2の充電器300Bから、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220に、第1の電圧の電力を供給しつつ、負荷400に、第2の電圧の電力を供給することが可能になる。
【0039】
制御部160は、例えば、正極側入力端子131および負極側入力端子132に第2の充電器300Bが接続されたときに、駆動電圧が第2の電圧とは異なる負荷400が接続されたならば、図3に示すように、第1のスイッチSW1を閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を開くように制御し、電力変換器150を第2の電圧の電力を負荷400の駆動電圧の電力に変換するように制御すると良い。特に、駆動電圧が第1の電圧である負荷400が接続されたならば、図3に示すように、第1のスイッチSW1を閉じ、第2のスイッチSW2、第3のスイッチ142を開くように制御し、電力変換器150を入力された電力を第1の電圧の電力に変換するように制御すると良い。このようにすることで、第1のバッテリ210と第2のバッテリ220に、第1の電圧の電力を供給しつつ、負荷400に、負荷400の駆動電圧の電力を供給することが可能になる。
【0040】
図1、2に示すように、正極側入力端子131に第4のスイッチSW4を設け、負極側入力端子132に第5のスイッチSW5を設けるようにしても良い。そして、制御部160は、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を制御するようにしても良い。
【0041】
このとき、制御部160は、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されているときは、図2、3に示すように、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を閉じるようにし、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続していないときは、図4、5に示すように、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を開くようにし、第4のスイッチSW4、第5のスイッチSW5を制御するようにしても良い。このようにすることで、充電器300が正極側入力端子131および負極側入力端子132に接続されていないときに、正極側入力端子131および負極側入力端子132を第1のバッテリ210、第2のバッテリ220から分離することが可能になる。
【0042】
<電力変換部150の構成>
電力変換器150は、例えば、スイッチとダイオードとインダクタLとコンデンサCとからなる降圧チョッパの回路構成を含むようにすると良い。このとき、電力変換器150は、例えば、図6に示すように、降圧チョッパの回路構成を構成するスイッチとして、第6のスイッチSW6を有するようにすると良い。第6のスイッチSW6は、図6に示すように、スイッチング素子(例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor))で構成されるようにすると良い。このようにすることで、高電圧経路に異常電流が発生した場合、スイッチSW6は、半導体FUSEとして動作し、異常電流を遮断することが可能になる。また、このように、半導体で遮断した場合、アークも発生しないため、安全で高速な遮断が可能である。また、第6のスイッチSW6は、図7に示すように、直列に接続した2つのスイッチング素子S1、S2で構成されるようにしても良い。
【0043】
また、電力変換器150は、例えば、図6、7に示すように、降圧チョッパの回路構成を構成するダイオードとして、ダイオードが並列に接続されたスイッチング素子S1を有するようにしても良い。このようにすることで、負荷400への電力供給を停止する際に、第6のスイッチSW6を開いた後、スイッチングS1をオンすることで、コンデンサCに蓄えられた電力を速やかに放電することが可能になる。
【0044】
電力変換器150は、例えば、スイッチとダイオードとインダクタLとコンデンサCとからなる昇圧チョッパの回路構成を含むようにしても良い。このとき、電力変換器150は、例えば、図8に示すように、降圧チョッパの回路構成を構成するダイオードとして、第7のスイッチSW7を有するようにすると良い。第7のスイッチSW7は、例えば、ダイオードが並列に接続された2つのスイッチング素子S4、S5で構成されるようにすると良い。このとき、2つにスイッチング素子S4、S5に並列に接続されるダイオードは、順方向が互いに逆向きになるようにする。
【0045】
第6のスイッチSW6を2つのスイッチング素子S2、S3で構成する場合、図9に示すように、2つのスイッチング素子S2、S3の間にインダクタLが接続されるようにし、第7のスイッチSW7を2つのスイッチング素子S4、S5で構成する場合、図10に示すように、2つのスイッチング素子S4、S5の間にインダクタLが接続されるようにしても良い。このようにすることで、図9の降圧チョッパの回路構成における3つのスイッチング素子S1~S3とインダクタLからなる部分と、図10の昇圧チョッパの回路構成における3つのスイッチング素子S4~S6とインダクタLからなる部分と、は、接続方向が異なるだけになる。このため、図9の降圧チョッパの回路構成における3つのスイッチング素子S1~S3とインダクタLからなる部分の接続方向を変更するだけで、図10の昇圧チョッパの回路構成を得ることが可能になり、降圧チョッパと昇圧チョッパで同じ部品を使用することが可能になる。
【0046】
また、電力変換器150は、図6~10に示すように、負極側変換器入力端子152と負極側変換器出力端子154との間に接続された第8のスイッチSW8を有するようにしても良い。このとき、負荷400への電力供給を開始する際に、第8のスイッチを閉じた後に、第6のスイッチSW6または第7のスイッチSW7を閉じるようにすると、インダクタLの電流の立ち上がりが遅れ、負荷400へのプリチャージが可能になる。また、負荷400への電力供給を停止する際に、コンデンサCに蓄えられた電力の放電後に、第8のスイッチSW8を開くことで、負荷400側の残留電圧を速やかに除去することが可能になる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
100 電源装置
111 第1の正極側バッテリ端子
112 第1の負極側バッテリ端子
121 第2の正極側バッテリ端子
122 第2の負極側バッテリ端子
131 正極側入力端子
132 負極側入力端子
141 正極側出力端子
142 負極側出力端子
150 電力変換器
151 正極側変換器入力端子
152 負極側変換器入力端子
153 正極側変換器出力端子
154 負極側変換器出力端子
160 制御部
SW1 第1のスイッチ
SW2 第2のスイッチ
SW3 第3のスイッチ
210 第1のバッテリ
220 第2のバッテリ
300 充電器
300A 第1の充電器
300B 第2の充電器
400 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10