(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178634
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】オペレータ支援システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G10L 15/22 20060101AFI20231211BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231211BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G10L15/22 453
G06Q50/10
G10L15/10 200W
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091432
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】川本 優里
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】曖昧な問合せに応対するオペレータの負荷を低減するオペレータ支援システムを提供すること。
【解決手段】本開示に係るオペレータ支援システムは、オペレータとクライアントの間の通話を音声認識した結果を取得する取得手段と、音声認識した結果に含まれ、問合せ内容を特定するために発話された第1のキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する、第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索するキーワード検索手段と、検索された第2のキーワードをオペレータに表示させる表示制御手段と、表示された第2のキーワードのうち、オペレータが発話した第2のキーワードに関連する情報を選択する情報選択手段と、を備え、表示制御手段は、選択された第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータとクライアントの間の通話を音声認識した結果を取得する取得手段と、
音声認識した結果に含まれ、問合せ内容を特定するために発話された第1のキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、
前記第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する、前記第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索するキーワード検索手段と、
検索された前記第2のキーワードをオペレータに表示させる表示制御手段と、
表示された前記第2のキーワードのうち、オペレータが発話した前記第2のキーワードに関連する情報を選択する情報選択手段と、を備え、
前記表示制御手段は、選択された前記第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる
オペレータ支援システム。
【請求項2】
前記キーワード抽出手段は、クライアントによって発話され、オペレータが復唱した前記第1のキーワードを抽出する
請求項1に記載のオペレータ支援システム。
【請求項3】
前記キーワード抽出手段は、オペレータが所定の操作を行った時を基準として所定時間以内に発話された前記第1のキーワードの重みを、他の前記第1のキーワードの重みよりも大きく設定し、
前記キーワード検索手段は、前記第1のキーワードに設定された重みに基づいて、前記第1のキーワードに対応付けられた前記第2のキーワードを検索する
請求項1または2に記載のオペレータ支援システム。
【請求項4】
前記情報選択手段は、オペレータが所定の操作を行った時を基準として所定時間以内に発話された前記第2のキーワードに関連する情報を選択する
請求項1または2に記載のオペレータ支援システム。
【請求項5】
前記第2のキーワードに関連する情報は、前記第2のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する情報である
請求項1または2に記載のオペレータ支援システム。
【請求項6】
前記第2のキーワードに関連する情報は、前記第2のキーワードに関する応対方法を指示するマニュアルである
請求項1または2に記載のオペレータ支援システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、オペレータが発話した前記第2のキーワードに対して、クライアントが同意する発話をした場合、前記第2のキーワードの表示を中止させる
請求項1または2に記載のオペレータ支援システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、オペレータが所定のボタンを押した場合、前記第2のキーワードの表示を中止させる
請求項1または2に記載のオペレータ支援システム。
【請求項9】
オペレータとクライアントの間の通話データを音声認識した結果を取得し、
音声認識した結果に含まれる、問合せ内容が推定される第1のキーワードを抽出し、
前記第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する、前記第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索し、
検索された前記第2のキーワードをオペレータに表示させ、
表示された前記第2のキーワードのうち、オペレータが発話した前記第2のキーワードに関連する情報を選択し、
選択された前記第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる
オペレータ支援方法。
【請求項10】
オペレータとクライアントの間の通話データを音声認識した結果を取得し、
音声認識した結果に含まれる、問合せ内容が推定される第1のキーワードを抽出し、
前記第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する、前記第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索し、
検索された前記第2のキーワードをオペレータに表示させ、
表示された前記第2のキーワードのうち、オペレータが発話した前記第2のキーワードに関連する情報を選択し、
選択された前記第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オペレータ支援システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
コールセンターでは、オペレータは、クライアントからの様々な問合せの電話を受ける。オペレータは、例えば、製品やサービスについての問合せに回答したり、苦情に対応したりする。このようなオペレータの応対業務を補助するシステムが種々検討されている。
【0003】
特許文献1は、オペレータが復唱した製品コードを音声認識し、認識した結果に応じた製品についての納期を表示させる機能を有する応対業務補助システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クライアントの話している問合せ内容が曖昧である場合、オペレータは問合せ内容を特定するために聞き取りを行う。聞き取りの結果、特定された問合せ内容に応じて、オペレータは応対を行う。
【0006】
本開示は、曖昧な問い合わせに応対するオペレータの負荷を低減するオペレータ支援システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るオペレータ支援システムは、オペレータとクライアントの間の通話を音声認識した結果を取得する取得手段と、音声認識した結果に含まれ、問合せ内容を特定するために発話された第1のキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、前記第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する、前記第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索するキーワード検索手段と、検索された前記第2のキーワードをオペレータに表示させる表示制御手段と、表示された前記第2のキーワードのうち、オペレータが発話した前記第2のキーワードに関連する情報を選択する情報選択手段と、を備え、前記表示制御手段は、選択された前記第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる。
【0008】
本開示に係るオペレータ支援方法は、オペレータとクライアントの間の通話データを音声認識した結果を取得し、音声認識した結果に含まれる、問合せ内容が推定される第1のキーワードを抽出し、前記第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する、前記第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索し、検索された前記第2のキーワードをオペレータに表示させ、表示された前記第2のキーワードのうち、オペレータが発話した前記第2のキーワードに関連する情報を選択し、選択された前記第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる。
【0009】
本開示に係るプログラムは、オペレータとクライアントの間の通話データを音声認識した結果を取得し、音声認識した結果に含まれる、問合せ内容が推定される第1のキーワードを抽出し、前記第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する、前記第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索し、検索された前記第2のキーワードをオペレータに表示させ、表示された前記第2のキーワードのうち、オペレータが発話した前記第2のキーワードに関連する情報を選択し、選択された前記第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる処理をコンピュータに実行させる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、曖昧な問合せに応対するオペレータの負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】オペレータ支援システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】表示制御部が表示させる画面の例を示す図である。
【
図3】表示制御部が表示させる画面の他の例を示す図である。
【
図4】オペレータ支援システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図5】表示制御部が表示させる画面の他の例を示す図である。
【
図6】コンピュータのハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態に係るオペレータ支援システム100は、コールセンターのオペレータがクライアントの問合せ内容を明確にすることを支援する。さらに、オペレータ支援システム100は、明確となった問合せ内容のオペレータによる応対を支援する。
【0013】
図1は、一実施形態に係るオペレータ支援システム100の構成例を示すブロック図である。一実施形態に係るオペレータ支援システム100は、音声認識部101、取得部102、キーワード抽出部103、キーワード検索部104、情報選択部105及び表示制御部106を備える。また、一実施形態に係るオペレータ支援システム100は、クライアント端末20及びオペレータ端末30とネットワークを介して通信可能に接続される。
【0014】
以下において、オペレータ支援システム100が音声認識部101を備える実施形態について説明する。ただし、音声認識部101は、必要に応じてオペレータ支援システム100に設けられればよい。オペレータ支援システム100が音声認識部101を備える場合、取得部102は、音声認識部101に含まれてもよい。
【0015】
クライアント端末20は、コールセンターに対して問合せを行うクライアントが利用する端末である。クライアント端末20はマイク21を備える。クライアント端末20は、マイク21が取得した音声データを音声認識部101に送信する。
【0016】
オペレータ端末30は、クライアントからの問合せに応対するオペレータが利用する端末である。オペレータ端末30は、マイク31、ディスプレイ32及び入力装置33を備える。オペレータ端末30は、マイク31が取得した音声データを音声認識部101に送信する。ディスプレイ32は、オペレータに対して情報を表示する。入力装置33は、オペレータが情報の入力のために操作する装置であり、例えばキーボードまたはマウスである。
【0017】
オペレータ端末30は、入力装置33であるキーボードのボタンが押下されたことに応じて、各ボタンに割り当てられた処理の実行をオペレータ支援システム100に指示してもよい。あるいは、オペレータ端末30は、ディスプレイ32に表示されたボタンの入力装置33であるマウスによるクリックに応じて、各ボタンに割り当てられた処理の実行をオペレータ支援システム100に指示してもよい。
【0018】
音声認識部101は、オペレータとクライアントの間の通話を音声認識する。音声認識部101は、クライアント端末20から、クライアントが発話した音声のデータを取得する。さらに、音声認識部101は、オペレータ端末30から、オペレータが発話した音声のデータを取得する。音声認識部101は、取得した音声データを、音声認識により、テキストデータに変換する。
【0019】
音声認識部101は、通話が開始されたことを条件に、音声認識処理を開始してもよい。あるいは、音声認識部101は、オペレータが入力装置33を用いて、所定のボタンを押すなど、所定の操作をしたことを条件に、音声認識処理を開始してもよい。
【0020】
取得部102は、オペレータとクライアントの間の通話を音声認識した結果を取得する。例えば、取得部102は、音声認識部101が音声認識した結果であるテキストデータを取得する。
【0021】
キーワード抽出部103は、音声認識した結果に含まれる第1のキーワードを抽出する。第1のキーワードは、問合せ内容を特定するために発話されたキーワードである。ここで第1のキーワードは、曖昧さがあり、問合せ内容を具体的に特定できないキーワードを主に想定する。したがって、第1のキーワードが発話された後、オペレータが引き続いて、クライアントに対して問合せ内容の聞き取りを行うことが必要となる。例えば、「最近発売された」という第1のキーワードからは、電話が新商品についての問合せであることが特定されるが、具体的にどの商品についての問合せであるかが特定できない。
【0022】
第1のキーワードは、例えば、クライアントが発話した内容を示す文字列である。第1のキーワードは、オペレータが発話した内容を示す文字列であってもよい。
【0023】
一例において、第1のキーワードは、商品の特徴に関連するキーワードである。商品の特徴は、例えば、商品のクライアントが特定の商品に関する問合せを希望している場合に、クライアントは、商品の特徴に関連するキーワードを発話する。また、オペレータは、クライアントが発話した商品の特徴を聞いて、商品を推定し、商品の他の特徴を発話する場合がある。キーワード抽出部103は、クライアントまたはオペレータが発話した商品の特徴に関連するキーワードを第1のキーワードとして抽出する。
【0024】
キーワード抽出部103は、クライアントによって発話され、オペレータが復唱した文字列を第1のキーワードとして抽出してもよい。例えば、キーワード抽出部103は、クライアントとオペレータの一方が発話した文字列と同じ文字列が所定時間以内に他方によって繰り返された場合に、繰り返された文字列を第1のキーワードとして抽出してもよい。
【0025】
キーワード抽出部103は、所定の文章パターンの前または後に発話された文字列を第1のキーワードとして抽出してもよい。所定の文章パターンは、オペレータがクライアントの発話した内容を復唱する際に発話するよう、予め設定された語句である。文章パターンとして、例えば、「確認いたしますが、」「ですね。」「でお間違いないでしょうか。」などが設定され得る。
【0026】
また、オペレータが復唱をするときに、オペレータが所定の操作を行う場合、キーワード抽出部103は、所定の操作を行った時を基準として所定時間以内に発話された文字列を第1のキーワードとして抽出してもよい。所定時間以内とは、所定の操作が行われる前、行われている間または行われた後のうち、任意に設定される。復唱をするときにオペレータが操作するボタンが設けられる場合、例えば、オペレータは復唱を開始する前に、所定のボタンを押下する。このようなボタンは「復唱開始ボタン」として、オペレータのディスプレイ32に表示されてもよい。
【0027】
オペレータがクライアントに対して問合せ内容の聞き取りを継続する間、キーワード抽出部103は、引き続いて発話された第1のキーワードの抽出を行う。
【0028】
キーワード検索部104は、キーワード抽出部103が抽出した第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索する。第2のキーワードは、第1のキーワードよりも問合せ内容を具体的に特定する文字列である。例えば第1のキーワードが商品の特徴を示す場合、第2のキーワードは商品名であってもよい。あるいは、第2のキーワードは、複数の商品を含む商品のカテゴリであってもよい。
【0029】
第1のキーワードと第2のキーワードの対応関係は、予めデータベース等に記憶される。対応関係は手動でデータベースに登録されてもよい。あるいは、対応関係は、例えば、インターネット上のウェブページ等に含まれる文章から対応関係があると自動で推定されたキーワードについて、データベースに登録されてもよい。例えば、同じウェブページに含まれるキーワードは対応関係があると推定される。
【0030】
1つの第1のキーワードには、複数の第2のキーワードが対応付けられてもよい。第2のキーワードには優先度を表す重みが設定されてもよい。例えば、問合せ件数の多い問合せ内容に関連する第2のキーワードには、大きい重みが設定されてもよい。キーワード検索部104は、設定された重みに基づいて、第2のキーワードを検索してもよい。
【0031】
キーワード検索部104は、例えば、データベースを検索した検索結果として、第2のキーワードを選択する。キーワード検索部104は、複数の第2のキーワードを選択してもよい。キーワード検索部104は、複数の第1のキーワードに基づいて、1つの第2のキーワードを選択してもよい。
【0032】
第2のキーワードとして記憶された文字列は、さらに、第1のキーワードとしても記憶される場合がある。第1のキーワードとしても記憶された当該第2のキーワードには、他の第2のキーワードが対応付けられる。他の第2のキーワードは、元の第2のキーワードよりも、問合せ内容をより具体的に特定する。例えば、発話された第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードが商品のカテゴリである場合、当該第2のキーワードには、他の第2のキーワードとして商品名が対応付けて記憶され得る。キーワード検索部104は、商品の特徴である第1のキーワードが発話された場合、商品のカテゴリである第2のキーワードを選択する。その後、第2のキーワードである商品のカテゴリが発話された場合、キーワード検索部104は、他の第2のキーワードとして商品名を選択する。こうしてキーワード検索部104は、より具体的に問合せ内容を特定するキーワードを段階的に検索できる。
【0033】
情報選択部105は、第2のキーワードのうち、オペレータが発話した第2のキーワードに関連する情報を選択する。第2のキーワードに関連する情報は、オペレータの回答の候補となる情報である。一例として、第2のキーワードに関連する情報は、第2のキーワードに関する応対方法を指示するマニュアルであってもよい。オペレータは、マニュアルに沿ってクライアントに対して応対できる。他の例として、第2のキーワードに関連する情報は、問合せ内容を第2のキーワードよりも具体的に特定するものであってもよい。第2のキーワードに関連する情報は、第2のキーワードと対応付けて予めデータベースに記憶される。
【0034】
第2のキーワードに関連する情報には、優先度を表す重みが設定されてもよい。過去に情報が応対に使用された回数が大きい情報には、大きい重みが設定されてもよい。情報選択部105は、第2のキーワードに関連する情報に設定された重みに基づいて、データベースから第2のキーワードに関連する情報を選択してもよい。
【0035】
情報選択部105は、キーワード検索部104が検索した第2のキーワードをオペレータが発話したことを判定する。例えば、情報選択部105は、取得部102が取得したオペレータの音声の認識結果に、キーワード検索部104が検索した第2のキーワードが含まれるかを判定する。情報選択部105は、後述する表示制御部106がオペレータに表示させた第2のキーワードをオペレータが発話したことを判定してもよい。オペレータが第2のキーワードを発話したと判定した場合、情報選択部105は、第2のキーワードに関連する情報をデータベースから取得する。そして、情報選択部105は、取得した情報を表示制御部106に送信する。
【0036】
表示制御部106は、キーワード検索部104が検索した第2のキーワードをオペレータに表示させる。例えば、表示制御部106は、ディスプレイ32に第2のキーワードを表示させる。オペレータに第2のキーワードが表示されることで、オペレータは、クライアントに問合せ内容を確認するために、第2のキーワードを発話できる。例えば、オペレータは、既に発話された内容を、第2のキーワードを用いて、より具体的に言い換えることができる。
【0037】
表示制御部106は、複数の第2のキーワードを表示させてもよい。表示制御部106は、優先度が高い順に第2のキーワードを表示させてもよい。オペレータは、表示された複数の第2のキーワードを組み合わせて、あるいは、取捨選択して、クライアントに問合せ内容を確認することができる。
【0038】
表示制御部106は、さらに、取得部102が取得した音声認識の結果をオペレータに表示させてもよい。また、表示制御部106は、キーワード抽出部103が抽出した第1のキーワードをオペレータに表示させてもよい。
【0039】
また、表示制御部106は、情報選択部105が選択した第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる。例えば、表示制御部106は、ディスプレイ32に第2のキーワードに関連する情報を表示させる。表示制御部106は、第2のキーワードに関連する複数の情報を優先度が高い順に表示させてもよい。表示制御部106は、第2のキーワードに関連する情報を選択可能に表示させてもよい。表示制御部106は、オペレータが選択した情報をより詳細に表示させてもよい。
【0040】
図2は、表示制御部106がディスプレイ32に表示させる画面の例を示す図である。領域D1は、取得部102が取得した音声認識の結果を表示する領域である。
図2において領域D1は、クライアントの発話内容を表示する。領域D2は、キーワード抽出部103が抽出した第1のキーワードを表示する領域である。領域D3は、キーワード検索部104が検索した第2のキーワードを表示する領域である。領域D4は、情報選択部105が選択した第2のキーワードに関連する情報を表示する領域である。
【0041】
図3は、表示制御部106がディスプレイ32に表示させる画面の他の例を示す図である。表示制御部106は、
図2の画面を表示した後、オペレータが発話をした場合に、
図3の画面を表示させてもよい。
図3において領域D1は、
図2と比べて、続けて認識されたオペレータの発話内容をさらに表示する。情報選択部105が情報を選択した場合、表示制御部106は、領域D4に選択された情報を表示する。
【0042】
表示制御部106は、所定の条件に応じて、第2のキーワードの表示を中止させてもよい。所定の条件は、オペレータがクライアントに確認した問合せ内容が正しいことを判別する条件である。
【0043】
表示制御部106は、オペレータが発話した第2のキーワードに対して、クライアントが同意する発話をしたことを所定の条件として、第2のキーワードの表示を中止させてもよい。あるいは、表示制御部106は、表示された第2のキーワードである商品名をオペレータが発話し、発話された商品名に対してクライアントが同意する発話をしてことを所定の条件として、第2のキーワードの表示を中止させてもよい。
【0044】
また、表示制御部106は、オペレータが表示された第2のキーワードに関連する情報を用いた応対をしていることを所定の条件として、第2のキーワードの表示を中止させてもよい。オペレータが表示された情報を用いて応対をしていることは、任意の方法で判別される。例えば、オペレータが表示された情報を用いて応対をしていることは、マウスのカーソルの動きや音声認識の結果に基づいて判別され得る。
【0045】
さらに、表示制御部106は、オペレータが、問合せ内容が明確になったと判断して、入力装置33を用いて所定の操作をしたことを所定の条件として、第2のキーワードの表示を中止させてもよい。所定の操作とは、例えば所定のボタンを押す操作である。このようなボタンの例として、表示制御部106は、
図3の「提案中止ボタン」D5を表示させてもよい。「提案中止ボタン」D5が押下された場合、例えば、表示制御部106は、第2のキーワードの表示を中止させる。
【0046】
表示制御部106は、オペレータが発話した第2のキーワードに対して、クライアントが同意する発話をした場合や、オペレータが第2のキーワードに関連する情報を用いた応対をしている場合に「提案中止ボタン」D5を表示させてもよい。
【0047】
第2のキーワードが常に表示されると、オペレータにとって煩わしい場合がある。例えば、通話が続いている間、新たに選択される第2のキーワードが次々と表示されると煩わしい。表示制御部106が、問合せ内容が明確となった場合に、第2のキーワードの表示を中止することで、不要な情報の表示を低減できる。
【0048】
キーワード抽出部103及びキーワード検索部104も、表示制御部106と同様の所定の条件に応じて、第1のキーワードの抽出及び第2のキーワードの検索を終了してもよい。第1のキーワードの抽出または第2のキーワードの検索が終了することで、表示制御部106が新たな第2のキーワードを次々と表示させることを防止できる。
【0049】
図4は、一実施形態に係るオペレータ支援システム100の動作例を示すフローチャートである。オペレータ支援システム100は、例えば、音声認識部101がオペレータとクライアントの間の通話の音声認識を開始したことに応じて、
図4の動作を開始してもよい。
【0050】
取得部102は、オペレータとクライアントの間の通話を音声認識した結果を取得する(ステップS1)。取得部102は、例えば、取得した音声認識の結果をキーワード抽出部103及び情報選択部105に送信する。
【0051】
キーワード抽出部103は、音声認識した結果に含まれ、問合せ内容が推定される第1のキーワードを抽出する(ステップS2)。キーワード抽出部103は、抽出した第1のキーワードをキーワード検索部104に送信する。
【0052】
キーワード検索部104は、キーワード抽出部103が抽出した第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索する(ステップS3)。キーワード検索部104は、検索した第2のキーワードを情報選択部105及び表示制御部106に送信する。
【0053】
表示制御部106は、キーワード検索部104が検索した第2のキーワードをオペレータに表示させる(ステップS4)。
【0054】
情報選択部105は、キーワード検索部104が検索した第2のキーワードをオペレータが発話したことを判定する(ステップS5)。第2のキーワードが発話されない場合(ステップS5;No)、オペレータ支援システム100は、例えば、ステップS1からステップS4の動作を繰り返す。
【0055】
第2のキーワードが発話された場合(ステップS5;Yes)、情報選択部105は、第2のキーワードに関連する情報を選択する(ステップS6)。情報選択部105は、選択した第2のキーワードに関連する情報を表示制御部106に送信する。
【0056】
表示制御部106は、情報選択部105が選択した第2のキーワードに関連する情報をオペレータに表示させる(ステップS7)。
【0057】
第2のキーワードに関連する情報が表示された後、オペレータ支援システム100は
図4の動作を終了する。オペレータ支援システム100は、通話が終了するまで、ステップS1からの動作を繰り返してもよい。
【0058】
また、ステップS4の後、キーワード抽出部103は、オペレータが発話した第2のキーワードを、第1のキーワードとして抽出してもよい(ステップS2’)。キーワード検索部104は、当該第2のキーワードに対応付けられた他の第2のキーワードを検索する(ステップS3’)。そして情報選択部105は、他の第2のキーワードが発話された場合、当該他の第2のキーワードに関連する情報を選択する(ステップS4’)。このように、ステップS2からステップS4が繰り返されることで、オペレータは問合せ内容を段階的に具体的に特定できる。
【0059】
一実施形態によれば、取得部102が、オペレータとクライアントの間の通話を音声認識した結果を取得する。また、キーワード抽出部103が、音声認識した結果に含まれ、問合せ内容が推定される第1のキーワードを抽出する。さらに、キーワード検索部104が、キーワード抽出部103が抽出した第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索する。そして、情報選択部105が、第2のキーワードを表示させ、さらに、第2のキーワードに関連する情報を表示させる。
【0060】
したがって、オペレータ支援システム100は、問合せ内容の特定が困難な第1のキーワードが発話された場合に、オペレータが問合せ内容を確認できるよう、問合せ内容をより具体的に特定する第2のキーワードを表示する。さらに、オペレータ支援システム100は、オペレータが応対に使用できる第2のキーワードに関連する情報を表示する。よって、オペレータ支援システム100は、クライアントの問合せ内容が曖昧である場合に、応対するオペレータの負荷を低減できる。例えば、オペレータ支援システム100は、オペレータが問合せ内容を特定する負荷を低減でき、あるいは、オペレータが応対に使用する情報を特定する負荷を低減できる。
【0061】
上記実施形態は、変形して用いられてもよい。以下に変形例を説明する。
【0062】
(変形例)
オペレータ支援システム100が音声認識部101を備えない場合、取得部102は、図示しない他のシステムから通話を音声認識した結果を取得してもよい。この場合、オペレータ支援システム100は、クライアント端末20及びオペレータ端末30と必要に応じて通信可能に接続される。また、取得部102は、クライアント及びオペレータの音声をクライアント端末20またはオペレータ端末30が音声認識した結果を取得してもよい。
【0063】
クライアントとオペレータの間で通話が続けられる中で、クライアントまたはオペレータは、クライアントの問合せ内容との関連が低いキーワードを発話する場合がある。そこで、キーワード抽出部103は、オペレータが所定の操作を行った時を基準として所定時間以内に発話された第1のキーワードの重みを、抽出した他の第1のキーワードよりも大きく設定してもよい。第1のキーワードの重みは、第1のキーワードが問合せ内容を示す確からしさを表す。所定の操作とは、例えば所定のボタンを押す操作である。このようなボタンは、先述の「復唱開始ボタン」によっても実現可能である。
【0064】
このときキーワード検索部104は、キーワード抽出部103が設定した重み付けに基づいて、第1のキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索してもよい。
【0065】
キーワード抽出部103がオペレータの操作に応じて第1のキーワードに重みを設定することで、オペレータの判断によって、重視する第1のキーワードを設定することを可能とする。また、キーワード抽出部103が重みを設定することで、キーワード検索部104が、重みが大きい第1のキーワードを重視して、重みが大きい第1のキーワードとより関連する第2のキーワードを優先して選択することを可能とする。
【0066】
例えば、キーワード抽出部103は、所定のボタンが押されている間に発話されたキーワードの重みを1、ボタンが押されていない間に発話されたキーワードの重みを0と設定してもよい。これにより、キーワード検索部104は、ボタンが押されている間に発話されたキーワードに対応付けられた第2のキーワードを検索できる。重みはいくつかの段階に分けて設定されてもよい。
【0067】
また、キーワード検索部104が検索した第2のキーワードは、クライアントの問合せ内容との関連が低い場合がある。そのため、オペレータが表示された第2のキーワードを発話した場合にも、発話された当該第2のキーワードは、クライアントの問合せ内容との関連が低い場合がある。そこで、情報選択部105は、オペレータが所定の操作をした時を基準として所定時間以内に発話された第2のキーワードに関連する情報を選択してもよい。
【0068】
例えば、オペレータは、発話する第2のキーワードに関連する情報をディスプレイ32に表示させたい場合、所定の操作として第2のキーワードを発話する前に所定のボタンを押下する。このようなボタンは「言い換え開始ボタン」として、オペレータのディスプレイ32に表示されてもよい。
【0069】
図5は、表示制御部106がディスプレイ32に表示させる画面の他の例を示す図である。
図5の画面は、復唱開始ボタンD6と、言い換え開始ボタンD7を含む。
【0070】
キーワード抽出部103は、復唱開始ボタンD6が押下された時を基準として所定時間以内に発話された第1のキーワードを抽出する。そして、情報選択部105は、言い換え開始ボタンが押下された時を基準として所定時間以内に発話された第2のキーワードを認識する。これにより、情報選択部105は、認識した第2のキーワードに関連する情報を選択することができる。
【0071】
[ハードウェア構成]
上述した各実施形態において、オペレータ支援システム100の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。オペレータ支援システム100の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0072】
図6は、コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図6を参照すると、コンピュータ500は、例えば、プロセッサ501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、プログラム504、記憶装置505、ドライブ装置507、通信インタフェース508、入力装置509、入出力インタフェース511、及び、バス512を含む。
【0073】
プロセッサ501は、コンピュータ500の全体を制御する。プロセッサ501は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などが挙げられる。プロセッサ501の数は特に限定されず、プロセッサ501は、1または複数である。
【0074】
プログラム504は、オペレータ支援システム100の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム504は、予め、ROM502やRAM503、記憶装置505に格納される。プロセッサ501は、プログラム504に含まれる命令を実行することにより、オペレータ支援システム100の各機能を実現する。また、RAM503は、オペレータ支援システム100の各機能において処理されるデータを記憶してもよい。
【0075】
ドライブ装置507は、記録媒体506の読み書きを行う。通信インタフェース508は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置509は、例えば、マウスやキーボード等であり、オペレータやコールセンターの管理者等からの情報の入力を受け付ける。出力装置510は、例えば、ディスプレイであり、オペレータやコールセンターの管理者等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース511は、周辺機器とのインタフェースを提供する。バス512は、これらハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム504は、通信ネットワークを介してプロセッサ501に供給されてもよいし、予め、記録媒体506に格納され、ドライブ装置507により読み出され、プロセッサ501に供給されてもよい。
【0076】
なお、
図6に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0077】
オペレータ支援システム100の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、オペレータ支援システム100が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0078】
また、オペレータ支援システム100の少なくとも一部がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてよい。すなわち、オペレータ支援システム100を実現するための機能の少なくとも一部が、ネットワーク経由で実行されるソフトウェアによって実行されてよい。
【0079】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0080】
100 オペレータ支援システム
101 音声認識部
102 取得部
103 キーワード抽出部
104 キーワード検索部
105 情報選択部
106 表示制御部
20 クライアント端末
21 マイク
30 オペレータ端末
31 マイク
32 ディスプレイ