(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178695
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】水平提示ユニット及びそれを備えた顔面装着具
(51)【国際特許分類】
G02C 5/00 20060101AFI20231211BHJP
G01C 9/12 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G02C5/00
G01C9/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091520
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】西部 美紗
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006AA00
(57)【要約】
【課題】水平位置を認識可能でありながら視野が狭くなりにくい水平位置認識ユニットを提供する。
【解決手段】水平提示ユニット(1)は、透明の第1平板(11a)を有する第1筐体(11)と、透明の第2平板(12a)を有する第2筐体(12)とを有し、第1筐体(11)と第2筐体(12)とが第1平板(11a)と第2平板(12a)とが同芯で対向するよう組み合わせされて内部に空間(Va)を形成する筐体(K)と、空間(Va)に収容され、重心(G)が偏心し第1平板(11a)と第2平板(12a)とに共通の軸線(CL11)まわりに回動可能に支持された回動体(13)と、を備える。回動体(13)は、透明の円形平板の平板部(13a)と、平板部(13a)の直径線(LN1)を端面(15a)に含む錘(15)とを有し、重心(G)は、筐体(K)を軸線(CL11)が水平となる姿勢にしたときに、直径線(LN1)が水平となるよう偏心している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明の第1平板を有する第1筐体と、透明の第2平板を有する第2筐体とを有し、前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第1平板と前記第2平板とが同芯で対向するよう組み合わせされて内部に空間を形成する筐体と、
前記空間に収容され、重心が偏心し前記第1平板と前記第2平板とに共通の軸線まわりに回動可能に支持された回動体と、
を備え、
前記回動体は、透明の円形平板の平板部と、前記平板部の直径線を端面に含む錘とを有し、前記重心は、前記筐体を前記軸線が水平となる姿勢にしたときに、前記直径線が水平となるよう偏心している水平提示ユニット。
【請求項2】
前記第1平板は、前記第2平板と対向する面に前記軸線を軸として凹んだすり鉢状の第1軸受け部を有し、
前記第2平板は、前記第1平板と対向する面に前記軸線を軸として凹んだすり鉢状の第2軸受け部を有し、
前記回動体は、前記平板部の両面から前記軸線に沿って突出した一対の突出軸部を有し、前記一対の突出軸部がそれぞれ前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部に係合することで回動可能に支持されている請求項1記載の水平提示ユニット。
【請求項3】
前記回動体における前記突出軸部と前記平板部との境界の直径は、前記第1軸受け部及び前記第2軸受け部の開口縁部の直径よりも大きい請求項2記載の水平提示ユニット。
【請求項4】
前記筐体の内部の前記空間に充填されて前記回動体の回動の加速度を抑制する液体を有する請求項1記載の水平提示ユニット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の水平提示ユニットと、
前記水平提示ユニットが取り付けられた一対のユニット保持部と、
前記一対のユニット保持部を連結する連結部と、
前記一対のユニット保持部それぞれから延出した一対の耳掛け部と、
を備えて眼鏡状に形成され、
前記一対のユニット保持部に取り付けられた前記水平提示ユニットが視野内に入るよう顔面に装着可能な眼鏡状の顔面装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平提示ユニット及びそれを備えた顔面装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、液体が部分的に入れられた中空の環状部材を有して眼鏡状に形成され、使用者が装着した状態で環状部材が視野に入って液面を水平位置として認識できることから動揺病(乗り物酔い)になりにくいとされる酔い止め防止具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された酔い止め防止具は、環状部材が視野の周縁に入るため、実質的に視野が狭くなるという点で改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、水平位置を認識可能でありながら視野が狭くなりにくい水平位置認識ユニット及びそれを備えた顔面装着具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は次の1)、2)の構成を有する。
1) 透明の第1平板を有する第1筐体と、透明の第2平板を有する第2筐体とを有し、前記第1筐体と前記第2筐体とが前記第1平板と前記第2平板とが同芯で対向するよう組み合わせされて内部に空間を形成する筐体と、
前記空間に収容され、重心が偏心し前記第1平板と前記第2平板とに共通の軸線まわりに回動可能に支持された回動体と、
を備え、
前記回動体は、透明の円形平板の平板部と、前記平板部の直径線を端面に含む錘とを有し、前記重心は、前記筐体を前記軸線が水平となる姿勢にしたときに、前記直径線が水平となるよう偏心している水平提示ユニットである。
2)1)に記載の水平提示ユニットと、
前記水平提示ユニットが取り付けられた一対のユニット保持部と、
前記一対のユニット保持部を連結する連結部と、
前記一対のユニット保持部それぞれから延出した一対の耳掛け部と、
を備えて眼鏡状に形成され、
前記一対のユニット保持部に取り付けられた前記水平提示ユニットが視野内に入るよう顔面に装着可能な眼鏡状の顔面装着具である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、水平位置を認識可能でありながら視野が狭くなりにくい、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る顔面装着具91を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る水平提示ユニット1を顔面装着フレーム2に装着する方法を示した斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるS3-S3位置での断面図である。
【
図4】
図4は、
図1におけるS4-S4位置での断面図である。
【
図6】
図6は、水平提示ユニット1が有する回動体13の平面図である。
【
図7】
図7は、顔面装着具91の使用状態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る水平提示ユニット及びそれを備えた顔面装着具を、実施例の水平提示ユニット1及びそれを備えた顔面装着具91により説明する。
まず、顔面装着具91の概要を、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、顔面装着具91を示す斜視図であり、
図2は、水平提示ユニット1を顔面装着フレーム2に装着する方法を示す斜視図である。
【0010】
図1に示されるように、顔面装着具91は、眼鏡状に形成されており、一対の水平提示ユニット1と顔面装着フレーム2とを備えている。
顔面装着フレーム2は、一対の円環状のユニット保持部21と、一対のユニット保持部21を連結する連結部23と、一対のユニット保持部21それぞれに取り付けられた耳掛け部22とを有する。
【0011】
図2に示されるように、ユニット保持部21には、水平提示ユニット1が着脱自在に装着される。
顔面装着具91は、眼鏡と同様に、耳掛け22を耳に掛けて鼻に載せるように顔面に装着できる。顔面装着具91を顔面に装着した状態で、水平提示ユニット1は、眼鏡のレンズと同様に、左右それぞれの目の視野に入る位置にある。
【0012】
水平提示ユニット1について
図3を参照して詳述する。
図3は、
図2におけるS3-S3位置での断面図である。
水平提示ユニット1は、第1筐体11,第2筐体12,及び回動体13を含んで構成されている。
【0013】
第1筐体11は、第1平板11a,周壁部11b,及びフランジ部11cを有し扁平の円盤状に形成されている。第1筐体11は、透明な樹脂で形成される。樹脂例はアクリル樹脂である。
第1平板11aは透明な円形の板状部材である。
周壁部11bは、第1平板11aの全周縁から90°の角度で
図3の右方に環状に延出した部分である。
フランジ部11cは、周壁部11bの外面から全周にわたり径方向の外方に延出した鍔状の部分である。フランジ部11cと第1平板11aは、軸線CL11を共通の軸線としている。
【0014】
周壁部11bの内面には、雌ねじ部11dが形成されている。また、
図1及び
図3に示されるように、周壁部11bの外面における周方向の一部(この例において
図3における上左部)には、径方向外方に突出した注入部112が設けられている。
注入部112には、周壁部11bの内面と外面とを連通する貫通孔である注入孔112aが形成されている。
【0015】
第1平板11aにおける周壁部11bが延出する側の面である内面11a1には、第1平板11aの軸線CL11を中心とするすり鉢状の凹部である第1軸受け部11eが形成されている。
【0016】
第2筐体12は、第2平板12a及び周壁部12bを有し扁平の円盤状に形成されている。第2筐体12は、透明な樹脂で形成される。樹脂例はアクリル樹脂である。
第2平板12aは透明な円形の板状部材である。
周壁部12bは、第2平板12aの周縁近傍位置から全周にわたり
図3の左方に90°の角度で
図3の左方に延出した部分である。
【0017】
周壁部12bの外面には雄ねじ部12dが形成されている。周壁部12bの外径は、第1筐体11の周壁部11bの外径よりも小さい径で形成されており、雄ねじ部12dは、第1筐体11における雌ねじ部11dと螺合するようになっている。
すなわち、第1筐体11と第2筐体12とは、
図3に示されるように螺着させて、扁平で中空の円盤状の筐体Kとすることができる。
筐体Kは、内部に、螺着により一体化した第1筐体11及び第2筐体12によって形成された空間Vaを有する。空間Vaは、外部空間に対し注入孔112a以外で封止されている。
雄ねじ部12dと雌ねじ部11dとは、螺進させていくと、内面11a1と内面12a1とが所定の距離dで対向するときに突き当てとなってそれ以降のねじ込みを規制する不図示の規制部を有する。
【0018】
第2平板12aにおける周壁部12bが延出する側の面である内面12a1には、第2平板12aの軸線CL12を中心とするすり鉢状の凹部である第2軸受け部12eが形成されている。
図3に示されるように、軸線CL11は雌ねじ部11dの軸心であり、軸線CL12は雄ねじ部12dの軸心である。従って、筐体Kにおいて軸線CL11と軸線CL12とは一致して同芯となっている。
【0019】
次に、
図3,
図5,及び
図6を参照して回動体13について詳述する。
図5は、
図3のA5部の拡大図であり、
図6は、回動体13の平面図である。
【0020】
回動体13は、平板部13a,突出軸部13b,及び錘15を有する。
平板部13aは、円形の平板として透明の樹脂で形成されている。樹脂の例は、アクリル樹脂である。平板部13aの外径は、第2筐体12の周壁部12bの内径よりも小さい。
突出軸部13bは、平板部13aと一体的に、その両面それぞれにおいて平板部13aの軸線CL13に沿って細い山形形状に突出形成された部分である。
図5に示されるように、突出軸部13bの根元は、全周にわたり、断面において半径Rの曲線となる曲面で平板部13aと連結されている。
【0021】
錘15は、平板部13aの外径と同じ外径で形成された半円の円弧形状(以下、半円弧形状)の薄い板状部材であり、外形から径方向に所定の幅を有して形成されている。錘15の材質は、例えば金属であり、具体例はステンレスである。
錘15は、平板部13aの両面それぞれに対し同じ周方向位置で取り付けられている。
図6に示されるように、一対の錘15それぞれの二か所の端面15aは、平板部13aの軸線CL13を通る直径線LN1上に沿って位置する。すなわち、錘15の二か所の端面15aを視認することで、直径線LN1が認識され得る。
回動体13の重心Gは、一対の錘15が周方向において偏って取り付けられていることから、軸線CL13が通る中心の位置から、軸線CL13と交わり直径線LN1に直交する直線LN2上の錘15の側に偏った位置にある。
【0022】
図5に示されるように、筐体Kにおいて、第1軸受け部11e及び第2軸受け部12eそれぞれの最深位置の軸線CL13方向の距離を距離daとする。
回動体13における一対の突出軸部13bの先端位置の間の距離Daは、筐体Kにおける距離daと同じかわずかに小さく設定されている。
また、第1軸受け部11e及び第2軸受け部12eの開口角度θは、例えば90°以上とされる。
【0023】
次に、上述の第1筐体11,第2筐体12,及び回動体13を組み立てて水平提示ユニット1を製造する手順について説明する。
まず、回動体13の組み立てについて説明する。
【0024】
回動体13の平板部13aに対し、錘15を接着剤などによって固定する。
この例では、二つの錘15を平板部13aの両面に固定した例を示しているが、回動体13は、一つの錘15を平板部13aの一方面のみに固定するものであってもよい。
この例のように回動体13の両面それぞれに錘15を取り付ける際は、
図6に示される直径線LN1が、両面それぞれにおいて平行となり平面視で一致するように位置決めする。
【0025】
次いで、組み立てた回動体13を用いて水平提示ユニット1を組み立てる。
錘15を取り付けた回動体13を第1筐体11と第2筐体12との間に挟み、回動体13の一対の突出軸部13bがそれぞれ第1筐体11の第1軸受け部11e及び第2筐体12の第2軸受け部12eに入り込むようにして、第1筐体11に第2筐体12を突き当てとなるまでねじ込む。
これにより、内部に回動体13を収容した筐体Kが形成される。
【0026】
上述のように、一対の突出軸部13bの先端間の距離Daは、第1軸受け部11eと第2軸受け部12eとの最奥位置間の距離daと同じかわずかに小さい。
また、突出軸部13bは先端に向かうに従って、開口角度θよりも小さい角度ですぼまるように細く形成されている。一方、これに対する第1軸受け部11e及び第2軸受け部12eは開口角度θが十分広く、一対の突出軸部13bは、第1軸受け部11e及び第2軸受け部12eに実質的に点接触で支持され低摩擦で容易に回動できるようになっている。
また、平板部13aの外径は、第2筐体12の周壁部12bの内径よりも小さい。
そのため、回動体13は、筐体Kの内部において、突出軸部13bが第1軸受け部11e及び第2軸受け部12eに支持され軸線CL11まわりに容易に回動可能となっている。
【0027】
また、回動体13の重心Gの位置は、軸線CL13よりも錘15側に偏った位置にある。具体的には、平面図である
図6において、重心Gは、軸線CL13と交わり直径線LN1に直交する直線LN2上の、軸線CL13から錘15側に寄った位置にある。
これにより、回動体13は、筐体Kの姿勢が変化したときに、重心Gが軸線CL13に対し回動体13の平面視で常に鉛直下方に位置するように自然に回動し、錘15の端面15aから認識される直径線LN1は、常に水平となる。
【0028】
次に、回動体13を収容した筐体Kを、注入孔112aが上方を向く姿勢にして注入孔112aから液体16を空間Vaに注入し充填する.液体16の材質例は、シリコーンオイルである。液体16に用いるシリコーンオイルは、無色透明で、回動体13の回動に対し適度な抵抗を与える粘性を有し、筐体K及び平板部13aの材質の屈折率と同じ屈折率又は近い屈折率を有する物性のものが選択される。
液体16は、回動体13の回動の加速度を抑制する。
これにより、顔面装着具91を装着した装着者Hが水平位置を認識するときに、水平位置が急激に変化して認識がしにくくなることを防止する。
【0029】
空間Vaを液体16で満たしたら、封止剤17によって注入孔112aを封止する。以上の手順で水平提示ユニット1が得られる。
【0030】
次に、水平提示ユニット1を顔面装着フレーム2に装着する構造について説明する。
顔面装着フレーム2において、水平提示ユニット1を装着可能なユニット保持部21は、硬質のゴムを用い弾力性を有するように形成されている。
【0031】
図2及び
図4に示されるように、ユニット保持部21には、水平提示ユニット1の外形形状に対応した内形形状の貫通孔である開口部21aが形成されている。
開口部21aの内面には、水平提示ユニット1のフランジ部11cが係合可能な周溝部21bが形成されている。
また、開口部21aの内面における上部(
図2及び
図4の左側)には、内面からユニット保持部21外方に向かって、注入部112が進入する凹部21cが形成されている。
【0032】
ユニット保持部21に水平提示ユニット1を装着する際は、水平提示ユニット1の注入部112の位置を、ユニット保持部21の凹部21cの位置に合わせ、開口部21aを広げるように弾性変形させながら水平提示ユニット1を周溝部21bにフランジ部11cを進入させるようにして嵌め込む。
次いで、ユニット保持部21の弾性変形を解消して元の状態に戻すことで、水平提示ユニット1は、ユニット保持部21に装着される。水平提示ユニット1の取り外しは、逆の手順で開口部21aを弾性変形させて広げ、水平提示ユニット1を抜き取ることにより、手作業で実行可能である。
【0033】
図7は、上述の水平提示ユニット1とそれを装着した顔面装着フレーム2とを含む顔面装着具91を顔面に装着した例を示す前面図である。
図7に示されるように、装着者Hが首を傾けて、顔面装着具91が水平線LHに対して時計まわりに角度θaだけ傾いた姿勢にすると、回動体13は、錘15の端面15aを含む直径線LN1が水平となるように反時計まわりに角度θaだけ自ずと回動する(矢印DRa参照)。
これにより、顔面装着具91を装着した装着者Hは、自身の姿勢によらず常に視野の中に水平提示ユニット1の錘15の端面15aによって水平位置が提示されるので、動揺病になりにくくなることが期待される。
【0034】
装着者Hが顔面装着具91を装着した場合、水平提示ユニット1の部材のうち装着者Hの視野に入って認識される部材は不透明の錘15のみであり、錘15は半円弧形状に形成されている。そのため、視野を狭くする領域は極めてわずかである。
これにより、水平提示ユニット1を備えた顔面装着具91は、装着者が水平位置を認識可能でありながら視野が狭くなりにくい。
【0035】
水平提示ユニット1は、回動体13の突出軸部13bが細く形成されている。
図5に示される、突出軸部13bの平板部13aと突出軸部13bとの境界位置Pは、平板部13aの平面視で円形を呈する(
図6参照)。その直径を直径Dbとする。また、第1平板11aの第1軸受け部11eの開口縁部の直径を直径Dc11とし、第2平板12aの第2軸受け部12eの開口縁部の直径を直径Dc12とする。
このとき、第1軸受け部11eの直径Dc11と第2軸受け部12eの直径Dc12とを等しく、かつ、それぞれ直径Dbより小さく設定する。
また、既述のように、突出軸部13bの根元は、断面において半径Rの曲線となる曲面で平板部13aと連結されている。
【0036】
これらにより、第1平板11aの第1軸受け部11e及び第2平板12aの第2軸受け部12eは、回動体13の突出軸部13bの領域内に含まれ、視野の中で認識しにくくなっている。また、突出軸部13bも、平板部13aとの接続部分が断面で半径Rの曲線となる曲面になっているので、視野のうちの、突出軸部13bに対応した範囲において歪みは把握されるものの明瞭な境界線としては認識しにくく、違和感のほとんどない視野が得られる。
【0037】
以上詳述した実施例は、その構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0038】
第1筐体11,第2筐体12,及び回動体13は、同じ材質で形成されていることが望ましい。第1筐体11と第2筐体12とは、ねじの螺合によって一体化され筐体Kを構成するものに限定されない。接着剤による接着或いは溶着で一体化されていてもよい。
錘15は、半円弧形状の一つのものに限定されない。半円弧形状を周方向に分割した複数であってもよい。例えば、錘15は、平板部13aの周縁部に配置された複数の錘からなるものであって、直径方向に対向する二つの錘と、それら二つの錘の中間位置にあって重心位置を偏心させる錘との合計3つの錘であってもよい。
錘15は、既述のように、平板部13aの両面それぞれにではなく例えば目に近い側の面にのみ取り付けられていてもよい。
錘15の材質は限定されない。樹脂であってもよい。錘15には材料の地色以外に、色が付されていてもよい。樹脂の場合は色付きの透明であってもよい。これにより、水平位置の認識がより容易になる。
錘15が色付きの透明の場合、装着者Hが顔面装着具91を装着すると、水平提示ユニット1の部材のうち装着者Hの視野に入って認識される部材は色付き透明の錘15のみである。錘15が透明であるため、視野を狭くする領域は実質的に存在せず、視野の一部として錘15の部分に色が着いていることを認識するのみである。
また、錘15の端面15aとその近傍のみに色が付されていてもよい。これにより、視野の中で錘15の存在をできるだけ目立たなくする一方、提示された水平位置は強調され、その認識がより容易になる。
顔面装着具91は、水平提示ユニット1が顔面装着フレーム2に着脱自在とされているものに限らず、一体的に固定されているものであってもよい。
【0039】
第1平板11a及び第2平板12aは、円形でなくてもよい。第1平板11a及び第2平板12aの形状は、平面視で回動体13の平板部13aを包含する平面を有する形状であれば限定されるものではなく、例えば長方形、楕円形などであってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 水平提示ユニット
11 第1筐体
11a 第1平板
11a1 内面
11b 周壁部
11c フランジ部
11d 雌ねじ部
11e 第1軸受け部
112 注入部
112a 注入孔
12 第2筐体
12a 第2平板
12a1 内面
12b 周壁部
12d 雄ねじ部
12e 第2軸受け部
13 回動体
13a 平板部
13b 突出軸部
15 錘
15a 端面
16 液体
17 封止剤
2 顔面装着フレーム
21 ユニット保持部
21a 開口部
21b 周溝部
21c 凹部
22 耳掛け部
23 連結部
91 顔面装着具
CL11,CL12,CL13 軸線
d,da,Da 距離
Db,Dc11,Dc12 直径
G 重心
H 装着者
K 筐体
LH 水平線
LN1 直径線
LN2 直線
P 境界位置
Va 空間
θ 開口角度
θa 角度