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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178709
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20231211BHJP
   A47J 31/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
A47J31/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091541
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】有田 正吾
(72)【発明者】
【氏名】今岡 広樹
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082CC04
3E082CC10
3E082EE01
3E082EE04
3E082FF09
4B104AA11
4B104BA90
4B104EA36
(57)【要約】
【課題】ファンを回転させたときの振動により箱形排気ダクトの内部で共鳴して発生する音を低減させる。
【解決手段】飲料供給装置10は、飲料を生成する過程の空気を排出する排気構造60を備え、排気構造60は、飲料を生成する過程の空気を通過させる排気通路63bが内部に形成された箱形排気ダクト63と、飲料を生成する過程の空気を箱形排気ダクト63内の排気通路63bに吸引するファン66と、箱形排気ダクト63の一側面部側に設けられてファン66を固定した取付板67と、箱形排気ダクト63の一側面部と取付板67との間に設けられてファン66による振動が箱形排気ダクト63に伝達するのを抑制する柔軟弾性材よりなる振動抑制部材68とを備え、取付板67にはファン66から離間する方向に延びるアーム部67aを設け、このアーム部67aを箱形排気ダクト63に固定した。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を生成する過程の空気を排出する排気構造を備えた飲料供給装置であって、
前記排気構造は、飲料を生成する過程の空気を通過させる排気通路が内部に形成された箱形排気ダクトと、飲料を生成する過程の空気を前記箱形排気ダクト内の排気通路に吸引するファンと、前記箱形排気ダクトの一側面部側に設けられて前記ファンが固定された取付板と、前記箱形排気ダクトの一側面部と前記取付板との間に設けられて前記ファンによる振動が前記箱形排気ダクトに伝達するのを抑制する柔軟弾性材よりなる振動抑制部材とを備え、
前記取付板には前記ファンから離間する方向に延びるアーム部を設け、このアーム部を前記箱形排気ダクトに固定したことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記アーム部を少なくとも前記箱形排気ダクトの一側面部と隣接する隣接面部まで延出させたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記振動抑制部材が前記取付板によって前記箱形排気ダクトの一側面部に押圧された状態で前記アーム部が前記箱形排気ダクトに固定されたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項4】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記箱形排気ダクトには外側に延びるフランジ部が設けられており、
前記アーム部を前記フランジ部に固定したことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項5】
請求項1に記載の飲料供給装置において、
前記アーム部は前記取付板の延出方向の一方の端部に設けられ、
前記取付板の延出方向の他方の端部には、前記取付板と前記箱形排気ダクトの前記一側面部と対向する対向面部とを挟み込むようにして前記取付板の前記他方の端部を前記箱形排気ダクトに固定する固定具を設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料の粉末原料と原料水とを混合して生成した飲料や、茶葉に湯を注いで生成した茶等の飲料を供給する飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には飲料供給装置の湯気排出構造の発明が開示されている。この湯気排出構造が用いられている飲料供給装置は、飲料の原料となる粉原料を収納するための粉原料貯蔵部と、貯蔵されている粉原料を供給する粉原料供給部と、粉原料供給部により供給される粉原料と湯水を撹拌して混合するミキシングボール部とを備えている。飲料供給装置の湯気排出構造は、ミキシングボールから湯気を吸引して排気する湯気吸引部を有しており、湯気吸引部は、ミキシングボールから湯気を取り込む複数の開口部が設けられた上部筐体と、ミキシングボールから上部筐体に湯気を誘導する湯気誘導部と、ミキシングボールの装着側と反対の方向に着脱可能に装着される蓋部と、上部筐体の内部に着脱可能に設けられて複数の挿通孔が形成されたパネル部と、上部筐体の下側に分割可能に設けられて内部に湯気排出ダクトが形成された下部筐体(箱形排気ダクト)と、ファンを回転させて湯気の吸引を行うブロアを有している。
【0003】
この飲料供給装置にて飲料を生成するときには、ミキシングボールから湯気排出構造によって湯気を排出させており、湯気排出構造のブロアのファンを回転させると、上部筐体及び下部筐体内で負圧が生じ、ミキシングボール内の湯気を含む空気が開口部から上部筐体内に吸引され、上部筐体内に吸引された湯気を含む空気はパネル部の複数の挿通孔を通って下部筐体内に送られ、下部筐体内に送られた湯気を含む空気は湯気排出ダクトを通って湯気排出口から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-283115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この飲料供給装置においては、湯気排出構造のブロアは下部筐体の側面に固定されており、ブロアのファンを回転させたときには、ブロアのファンの回転による振動が下部筐体に伝達され、下部筐体に伝達された振動が内部で共鳴して異音が発生することがある。この種の飲料供給装置はオフィス等の静かな環境に設置されることがあり、下部筐体内の内部で共鳴して発生した音がオフィス等の静かな環境下でユーザに不快な音として認識されるおそれがある。本発明は、ファンを回転させたときの振動により箱形排気ダクトの内部で共鳴して発生する音を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、飲料を生成する過程の空気を排出する排気構造を備えた飲料供給装置であって、排気構造は、飲料を生成する過程の空気を通過させる排気通路が内部に形成された箱形排気ダクトと、飲料を生成する過程の空気を箱形排気ダクト内の排気通路に吸引するファンと、箱形排気ダクトの一側面部側に設けられてファンが固定された取付板と、箱形排気ダクトの一側面部と取付板との間に設けられてファンによる振動が箱形排気ダクトに伝達するのを抑制する柔軟弾性材よりなる振動抑制部材とを備え、取付板にはファンから離間する方向に延びるアーム部を設け、このアーム部を箱形排気ダクトに固定したことを特徴とする飲料供給装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した飲料供給装置においては、排気構造は、飲料を生成する過程の空気を通過させる排気通路が内部に形成された箱形排気ダクトと、飲料を生成する過程の空気を箱形排気ダクト内の排気通路に吸引するファンと、箱形排気ダクトの一側面部側に設けられてファンが固定された取付板と、箱形排気ダクトの一側面部と取付板との間に設けられてファンによる振動が箱形排気ダクトに伝達するのを抑制する柔軟弾性材よりなる振動抑制部材とを備え、取付板にはファンから離間する方向に延びるアーム部を設け、このアーム部を箱形排気ダクトに固定している。ファンを作動させたときの振動はファンを固定した取付板に伝達されるが、取付板に伝達された振動は、振動抑制部材によって箱形排気ダクトに伝達されにくくなるとともに、取付板を箱形排気ダクトに固定するためのアーム部を伝わるときに減衰された状態で箱形排気ダクトに伝達されるので、箱形排気ダクトの内部で共鳴する音の発生を抑制することができる。この場合において、アーム部を少なくとも箱形排気ダクトの一側面部と隣接する隣接面部まで延出させるのが好ましい。
【0008】
上記のように構成した飲料供給装置においては、振動抑制部材が取付板によって箱形排気ダクトの一側面部に押圧された状態でアーム部が箱形排気ダクトに固定されるのが好ましい。このようにしたときには、箱形排気ダクトの一側面部と取付板との間に振動抑制部材によって隙間が生じにくくなり、ファンによる吸引性能を高く維持することができる。
【0009】
上記のように構成した飲料供給装置においては、箱形排気ダクトには外側に延びるフランジ部が設けられており、アーム部をフランジ部に固定するのが好ましい。このようにしたときには、アーム部をフランジ部に固定するためにねじ部材等の係合部材を用いたとしても、ねじ部材等の係合部材が箱形排気ダクトの排気通路内に挿通されないようになり、取付板からアーム部に伝達された振動が箱形排気ダクト内に直接伝達されるのを防ぐことができる。
【0010】
上記のように構成した飲料供給装置においては、アーム部は取付板の延出方向の一方の端部に設けられ、取付板の延出方向の他方の端部には、取付板と箱形排気ダクトの一側面部と対向する対向面部とを挟み込むようにして取付板の他方の端部を箱形排気ダクトに固定する固定具を設けるのが好ましい。取付板は延出方向の一方の端部がアーム部によって箱形排気ダクトに固定されるとともに他方の端部が固定具によって箱形排気ダクトに固定されるので、取付板は延出方向の両端部で箱形排気ダクトに固定されるようになり、取付板は延出方向にて安定して箱形排気ダクトに固定されるようになる。さらに、取付板の延出方向の他方の端部を箱形排気ダクトに固定する固定具は、取付板と箱形排気ダクトの対向面部とを挟み込むようにしたものであるので、箱形排気ダクトの内部にねじ部材等の係合部材が挿通されないため、取付板から固定具に伝達された振動が箱形排気ダクト内に直接伝達されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の飲料供給装置の正面図である。
図2図1の斜視図である。
図3図1の前面パネルを取り外した状態の斜視図である。
図4】A-A線での縦方向断面図である。
図5】ベースに形成した原料水供給口に給湯部と給水部が接続された状態を示す概略図である。
図6】給湯部と給水部の概略図である。
図7図3から飲料生成部と、載置部と、スチームガイド等とを前側に移動させた斜視図である。
図8】箱形排気ダクトに取付板を用いてファンを組み付けた状態の前方から見た斜視図である。
図9図8の分解斜視図である。
図10図8の後方から見た斜視図である。
図11】制御装置のブロック図である。
図12】箱形排気ダクトに取付板として上部取付板と下部取付板とを用いてファンを組み付けた実施形態の後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の飲料供給装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の飲料供給装置10は、飲料ディスペンサとも呼ばれるものであり、カップ等の容器内に湯を含めた5種類の温かい茶等の温飲料、冷水(水)を含めた5種類の冷たい茶等の冷飲料を供給可能としている。図1図4に示したように、飲料供給装置10は、略直方体形状のハウジング11内の前部に茶等の飲料を生成するための茶等の粉末原料と湯及び/または冷水(水)とを混合して飲料を生成する飲料生成室20と、ハウジング11の後部に機械室21とを備え、ハウジング11内は仕切部22によって飲料生成室20と機械室21とに仕切られている。
【0013】
図1図4に示したように、ハウジング11は前側が開口したハウジング本体12と、ハウジング本体12の前面開口を塞ぐ前面パネル13とを備え、前面パネル13はハウジング本体12の右側部に鉛直軸線回りに回動可能に軸支されている。図1及び図2に示したように、前面パネル13の下部には左右方向の中央部に開口部13aが形成されており、飲料生成室20内の下部にはこの開口部13aが形成された位置にカップ等の容器を載置する載置部23が設けられている。図1図4に示したように、載置部23は、カップ等の容器を載置する受台部24と、受台部24の上側を覆うカバー部25とを備えている。受台部24は簀の子状に形成され、カップ等の容器から溢出した飲料を下側に流すことができるようになっている。
【0014】
図3に示したように、飲料生成室20には載置部23に載置した容器内に飲料を供給する飲料供給部30が設けられている。この実施形態では、飲料生成室20には湯または冷水と、湯または冷水以外に4種類の温かいまたは冷たい飲料の粉末原料を供給するために4つの飲料供給部30が設けられている。湯または冷水以外の4つの飲料供給部30は実質的に同一の構成となっているので、以後の説明では主として1つの飲料供給部30を用いて説明する。
【0015】
図3及び図4に示したように、飲料供給部30は、載置部23に載置した容器に飲料を供給するものであり、湯及び/または冷水(水)よりなる原料水と飲料の粉末原料とから飲料を生成する飲料生成部31と、飲料生成部31で生成した飲料を載置部23の容器に案内する飲料ガイド35とを備えている。飲料生成部31は、飲料の粉末原料を貯える粉末原料容器32と、飲料の粉末原料と原料水を混合する混合容器33と、混合容器33内で粉末原料と原料水とを撹拌して混合させる撹拌装置34とを備えている。
【0016】
粉末原料容器32は、茶等の粉末よりなる飲料の粉末原料を貯えるものであり、飲料生成室20に設けたベース14に着脱可能に取り付けられている。粉末原料容器32の底部には粉末原料の搬出口32aが設けられており、粉末原料は搬出口32aから混合容器33に搬出される。粉末原料容器32の下部にはスクリュー32bが設けられており、スクリュー32bはカップリング部材32cを介してモータ32dの駆動が伝達される。モータ32dの回転によってスクリュー32bが回転すると、粉末原料容器32内の粉末原料は搬出口32aから混合容器33内に搬出される。
【0017】
図4に示したように、混合容器33は、粉末原料と湯及び/または冷水(水)よりなる原料水とを撹拌して混合させるものであり、飲料生成室20に設けたベース14に着脱可能に支持されている。混合容器33は粉末原料容器32の下側で開口しており、粉末原料容器32の搬出口32aから搬出される粉末原料は混合容器33内に搬入される。混合容器33の底部には放出口33aが形成されており、混合容器33内で撹拌されて混合された飲料は放出口33aから下側に設けた飲料ガイド35に放出される。
【0018】
図5に示したように、ベース14には混合容器33内に湯及び/または冷水(水)よりなる原料水を供給するための原料水供給口14aが設けられている。原料水供給口14aには後述する給湯部40及び給水部50が接続されており、混合容器33には給湯部40及び/または給水部50から送られる原料水としての湯及び/または冷水が原料水供給口14aを通って供給される。
【0019】
図4に示したように、混合容器33には撹拌装置34が設けられており、撹拌装置34は、混合容器33の後側のベース14に設けた撹拌用モータ34aと、撹拌用モータ34aによって回転する回転軸34dと、回転軸34dの先端に設けられた円板部34eとを備えている。撹拌用モータ34aの出力軸にはカップリング用のマグネット34bが設けられ、回転軸34dの撹拌用モータ34a側となる基端にはカップリング用のマグネット34cが設けられている。回転軸34dはカップリング用のマグネット34b,34cによって撹拌用モータ34aに着脱可能に連結され、撹拌用モータ34aはカップリング用のマグネット34b,34cを介して回転軸34dを回転させる。回転軸34dは混合容器33の底部の放出口33aの上側に延出し、回転軸34dの先端には放出口33aの上側で円板部34eが設けられている。回転軸34dの先端の円板部34eの下面には撹拌羽根34fが設けられており、混合容器33内の粉末原料と原料水とは円板部34eの回転によって撹拌混合されて飲料となる。
【0020】
図3に示したように、飲料ガイド35は飲料生成部31で生成した飲料を載置部23に載置した容器に案内するものである。飲料ガイド35は、混合容器33の放出口33aの下側から載置部23の前部で左右方向の中央部まで延びる浅い箱形をし、載置部23のカバー部25の上側に支持されている。飲料ガイド35には載置部23の前部で左右方向の中央部の上側で下方に延びる円筒形をした飲料注出部35aが設けられており、混合容器33から飲料ガイド35に放出された飲料は飲料注出部35aから載置部23の容器に注出される。
【0021】
図6に示したように、給湯部40は、載置部23のカップ等の容器で受ける飲料の原料水となる湯を供給するものである。給湯部40は、飲料の原料水となる湯を貯える貯湯タンク41を備えており、貯湯タンク41には水道等の給水源から導出された第1給水管42が接続されている。第1給水管42には第1及び第2給水弁42a,42bが介装されており、給水源の水は第1及び第2給水弁42a,42bを開放することによって貯湯タンク41に供給される。
【0022】
貯湯タンク41にはヒータ43と温度センサ44とが設けられている。ヒータ43は貯湯タンク41内の水(湯)を加熱して湯を生成するものである。温度センサ44は貯湯タンク41内の水(湯)の温度を検出するものである。ヒータ43は温度センサ44の検出温度に基づいて作動するように制御され、貯湯タンク41内の湯はヒータ43によって主に飲むのに適した温度となるように加熱(保温)されている。また、貯湯タンク41内には水位センサ45が設けられており、水位センサ45は貯湯タンク41内の水位を検出する。第1及び第2給水弁42a,42bは水位センサ45の検出水位によって開閉されるように制御され、貯湯タンク41内の水(湯)は所定の水位の範囲となるように維持されている。
【0023】
貯湯タンク41の下部には送湯管46が接続されており、送湯管46には送湯ポンプ47が介装されている。貯湯タンク41内の湯は送湯ポンプ47によって送湯管46に送られる。また、送湯管46には三方弁よりなる第1~第5湯送出弁48a~48eが介装されており、第1~第5湯送出弁48a~48eには第1~第5湯送出管49a~49eが接続されている。第1湯送出管49aの導出端部は左側の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されており、第2湯送出管49bの導出端部は左から2番目の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されており、第3湯送出管49cの導出端部は左から3番目(右から2番目)の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続され、第4湯送出管49dの導出端部は右側の飲料供給部30の原料水供給口14aに接続されている。第5湯送出管49eの導出端部は飲料ガイド35の飲料注出部(図示省略)に接続されている。
【0024】
送湯ポンプ47を作動させ、第1~第4湯送出弁48a~48dの何れか1つを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は、送湯管46と、開放させた第1~第4湯送出弁48a~48dに対応する第1~第4湯送出管49a~49dとを通って混合容器33内に供給される。また、送湯ポンプ47を作動させ、第5湯送出弁48eを開放させることで、貯湯タンク41内の湯は送湯管46と第5湯送出管49eとを通って載置部23に載置したカップ等の容器に供給される。
【0025】
図6に示したように、給水部50は、載置部23のカップ等の容器で受ける飲料の原料水となる冷水(水)を供給するものである。給水部50は、飲料の原料水となる冷水を生成するための冷却タンク51を備えており、冷却タンク51には冷却水が貯えられている。また、冷却タンク51内には冷凍装置の蒸発管52が設けられており、冷却タンク51内の冷却水は冷凍装置の蒸発管52を循環する冷媒が気化する気化熱によって冷却されている。冷却タンク51内には原料水となる水を冷却するための水冷却管53が設けられている。
【0026】
水冷却管53の水の導入端部には第1給水管42の第1給水弁42aの直ぐ下流側(第1給水弁42aと第2給水弁42bの間)から導出した第2給水管54が接続されており、水道等の給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51内の水冷却管53に送出される。水冷却管53の水の導出端部には送水管55が接続されており、水冷却管53により冷却された冷水は送水管55に送出される。送水管55には4つの分岐部55a~55dが設けられており、分岐部55a~55dから導出された管部と送水管55の先端部55eには第1~第5冷水送出弁56a~56eが介装されている。第1~第5冷水送出弁56a~56eには第1~第5冷水送出管57a~57eが接続されており、第1~第5冷水送出管57a~57eの導出端部は第1~第5湯送出管49a~49eの中間部に接続されている。
【0027】
第1給水弁42aと第1~第4冷水送出弁56a~56dの何れか1つとを開放させることで、給水源の水は第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となる。冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と、開放させた第1~第4冷水送出弁56a~56dに対応する第1~第4冷水送出管57a~57dと、第1~第4冷水送出管57a~57dに対応して接続された第1~第4湯送出管49a~49dとを通って混合容器33内に供給される。また、第1給水弁42aと第5冷水送出弁56eとを開放させることで、給水源の水は、第1給水管42の一部と第2給水管54を通って冷却タンク51の水冷却管53に送られて冷却されて冷水となり、冷却タンク51内の水冷却管53で冷却された冷水は、送水管55と第5冷水送出管57eと第5湯送出管49eとを通って載置部23に載置したカップ等の容器に供給される。
【0028】
図7に示したように、ハウジング11内には、飲料生成部31にて飲料を生成する過程で混合容器33内の空気を排出する排気構造60が設けられている。この実施形態では、飲料生成部31は混合容器33内で湯よりなる原料水と飲料の粉末原料を混合して温かい飲料を生成可能としているので、混合容器33内の空気には湿気(湯気)とともに粉末原料が含まれており、排気構造60は飲料を生成する過程で湿気とともに粉末原料が含まれる空気を排出可能としている。排気構造60は、4つの飲料生成部31の各混合容器33内にて飲料を生成する過程の空気を通過させるスチームガイド61と、スチームガイド61を通って送られた空気を通過させる排気通路63bが内部に形成された箱形排気ダクト63と、混合容器33内にて飲料を生成する過程の空気をスチームガイド61を介して箱形排気ダクト63内の排気通路63bに吸引するファン66とを備えている。
【0029】
図7に示したように、スチームガイド61は、混合容器33内の空気を排出する排気経路を構成するとともに、混合容器33から溢出した原料水または飲料を排水する排水経路を構成している。スチームガイド61は、4つの混合容器33から排気及び排水を受けるものであり、ハウジング11の幅方向に延びる上面が開口した箱形のケーシング61aを備え、飲料生成室20内にて4つの混合容器33の後側でベース14に着脱可能に取り付けられている。スチームガイド61は、ケーシング61aの上面開口を開閉自在に塞ぐ蓋部62を備え、蓋部62には各混合容器33と対向する位置に切り欠きよりなる流入口62aが形成されている。スチームガイド61のケーシング61aには後壁左側部の上部に空気の流出口61bが形成されており、この流出口61bの後側には箱形排気ダクト63の空気の導入口63aに接続されている。
【0030】
図8図10に示したように、箱形排気ダクト63は、混合容器33からスチームガイド61を介して排出される空気を通過させるための排気通路63bを内部に備えた略箱形をしている。箱形排気ダクト63は上下方向の下半部が前後方向の奥行き方向の長さが長くなっており、箱形排気ダクト63の後面部の上下方向の中間部には段部63cが形成されている。箱形排気ダクト63の前面部には開口部63dが形成されており、開口部63dは上部の空気の導入口63aと一体的に形成されている。図7に示したように、箱形排気ダクト63の前面部の開口部63dが仕切部22に形成された開口部22aから露出する位置で、箱形排気ダクト63は機械室21内にて仕切部22の後側に取り付けられている。箱形排気ダクト63の前面部には導入口63aより下側の開口部63dを塞ぐ蓋部64が仕切部22の前側から着脱可能に設けられており、箱形排気ダクト63の内部は蓋部64を取り外すことによって清掃等のメンテナンスが可能となっている。
【0031】
図8及び図9に示したように、箱形排気ダクト63内には上下に延びる通路形成部63eが形成されており、排気通路63bは下部にて折り返された折返構造となっている。図7に示したように、箱形排気ダクト63の空気の流れの下流部なる左側部にはフィルタ65が設けられており、排気通路63bを通過する空気に含まれる原料粉末はフィルタ65によって補足される。蓋部64にはフィルタ65と対向する位置に開口部64aが形成されており、フィルタ65は開口部64aから引き出して取外可能となっている。
【0032】
図8に示したように、箱形排気ダクト63の左側面部側(一側面部側)にはファン66が設けられており、ファン66は取付板67及び振動抑制部材68を介して箱形排気ダクト63の左側面部に取り付けられている。箱形排気ダクト63内の排気通路63bはファン66の作動によって負圧化され、混合容器33内の空気はスチームガイド61を通って箱形排気ダクト63内の排気通路63b内に吸引されて機械室21内にて箱形排気ダクト63の外側に排出される。
【0033】
図8図10に示したように、取付板67は、ファン66を箱形排気ダクト63の左側面部に取り付けるためのものであり、略長方形状の板金部材の周縁部を箱形排気ダクト63側に曲げ加工して浅い箱形形状をしている。取付板67の上部にはファン66のベース部66aがねじ部材によって固定されており、ファン66を取付板67に固定するねじ部材が箱形排気ダクト63に直接接触しないようになっている。取付板67の下端部(上下方向の延出方向の一方の端部)にはファン66から離間する方向(箱形排気ダクト63の外周面に沿ってファン66から離間する方向)に延びるアーム部67aが設けられており、取付板67はアーム部67aが箱形排気ダクト63にねじ部材によって固定されている。この実施形態では、アーム部67aはファン66から離間する方向として箱形排気ダクト63の左側面部側からこれに隣接する前面部まで延出しており、アーム部67aは箱形排気ダクト63の前面下縁部に外側に延出したフランジ部63fにねじ部材によって固定されている(アーム部67aは仕切部22の前側から仕切部22とともにフランジ部63fに共締めされている)。アーム部67aが箱形排気ダクト63のフランジ部63fにねじ部材によって固定された状態で、取付板67は振動抑制部材68の厚みより箱形排気ダクト63の左側面部側に近い位置に配置され、振動抑制部材68は取付板67によって箱形排気ダクト63の左側面部に押圧されるようになる。
【0034】
図9に示したように、振動抑制部材68は、ファン66を回転させたときに生じる振動が取付板67から箱形排気ダクト63に伝達されるのを抑制するものである。振動抑制部材68は、ポリエチレンフォーム等の柔軟弾性材よりなり、箱形排気ダクト63の左側面部と取付板67との間に介装されている。振動抑制部材68にはファン66と対向する位置に通風口68aが形成されており、箱形排気ダクト63内の排気通路63bの空気は振動抑制部材68の通風口68aを通ってファン66から吸引される。ファン66のベース部66aよりも下側には取付板67及び振動抑制部材68の下半部が配置されており、ファン66の回転による振動は取付板67及び振動抑制部材68の下半部で拡散されて減衰されるとともに、アーム部67aでもさらに減衰されて箱形排気ダクト63に伝達される。
【0035】
図8図10に示したように、取付板67の上端部(上下方向の延出方向の他方の端部)には、取付板67の上端部を箱形排気ダクト63に固定する固定具69が設けられている。固定具69は、細長い帯板状の板金部材を長手方向の両端部が下方に延出するように曲げ加工したものであり、箱形排気ダクト63の段部63cの上側に配置される基板部69aと、基板部69aの取付板67側となる左端部にて下方に延びて取付板67の上端部に係合する係合部69bと、基板部69aの箱形排気ダクト63の右側面部側(対向面部側)となる右端部にて下方に延びて箱形排気ダクト63の右側面部(対向面部)に係合する係合部69cとを備えている。
【0036】
固定具69は、左側の係合部69bが取付板67の上端部に係合し、右側の係合部69cが箱形排気ダクト63の右側面部(対向面部)に係合して箱形排気ダクト63の左右両側を挟み込むようにして、取付板67の上端部を箱形排気ダクト63の左側面部に固定している。ファン66のベース部66aよりも上側には取付板67及び振動抑制部材68の上端部が配置されており、ファン66の回転による振動は取付板67及び振動抑制部材68の上端部で減衰されるとともに、固定具69でもさらに減衰されて箱形排気ダクト63に伝達される。図8及び図10に示したように、左側の係合部69bは取付板67に対してねじ部材によって固定されているのに対し、右側の係合部69cはねじ部材等を用いずに箱形排気ダクト63の右側面部(対向面部)に係合している。右側の係合部69cからねじ部材等の係合部材が箱形排気ダクト63の内部に挿通されないため、固定具69から箱形排気ダクト63の内部に振動が伝達されにくい。
【0037】
固定具69は取付板67の上端部を振動抑制部材68の厚みより箱形排気ダクト63の左側面部側に近い位置に配置するようにしており、振動抑制部材68は取付板67によって箱形排気ダクト63の左側面部に押圧されるようになる。上述したように、取付板67の下端部はアーム部67aによって振動抑制部材68の厚みより箱形排気ダクト63の左側面部側に近い位置に配置されるようになっているとともに、取付板67の上端部は固定具69によって振動抑制部材68の厚みより箱形排気ダクト63の左側面部側に近い位置に配置されるようになっているので、振動抑制部材68は取付板67の上端部及び下端部の両方の端部から箱形排気ダクト63の左側面部に押し付けられ、取付板67と箱形排気ダクト63の左側面部との間には振動抑制部材68によって隙間が生じにくくなり、ファン66の吸引性能を高く維持することができる。
【0038】
図1及び図2に示したように、前面パネル13の前面には開口部13aの上側に飲料供給部30から飲料を供給させるための操作パネル部70が設けられている。操作パネル部70の左右方向の中央部には飲料の種類を表示するための表示用パネル71が設けられ、操作パネル部70の表示用パネル71の左右両側の隣接する位置に飲料供給部30から飲料を供給させる操作をするための供給操作部72が設けられている。
【0039】
この実施形態では、表示用パネル71の左側に5種類の冷たい飲料を供給するための5つの供給操作部72A~72Eが上下に並べて配置され、表示用パネル71の右側に5種類の温かい飲料を供給するための5つの供給操作部72F~72Jが上下に並べて配置されている。また、温度の異なる(冷たいのと温かい)同じ飲料を供給するための供給操作部72A~72Eと供給操作部72F~72Jとが同じ高さ位置で左右に並べて配置されている。
【0040】
図11に示したように、飲料供給装置10は、載置部23に載置した容器に飲料の供給を制御する制御装置80を備えており、制御装置80は、飲料原料搬出用モータ32d、撹拌用モータ34a、第1及び第2給水弁42a,42b、ヒータ43、温度センサ44、水位センサ45、送湯ポンプ47、第1~第5湯送出弁48a~48e、第1~第5冷水送出弁56a~56e、ファン66及び操作パネル部70に接続されている。
【0041】
制御装置80は、飲料供給部30にて生成した飲料を供給する飲料供給手段として、冷却タンク51内で冷却された冷水(水)を用いた冷飲料をカップ等の容器の容量に応じた量で供給する冷飲料供給手段と、冷却タンク51内で冷却された冷水をカップ等の容器に供給する冷水供給手段と、貯湯タンク41内の湯を用いた温飲料をカップ等の容器の容量に応じた量で供給する温飲料供給手段と、貯湯タンク41内の湯をカップ等の容器に供給する湯供給手段を備えている。
【0042】
供給操作部72A~72Dの何れか1つを押下操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、供給操作部72A~72Dに対応した冷飲料供給手段を実行して飲料供給部30から冷たい飲料を供給するように制御する。供給操作部72Eを押下操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、冷水供給手段を実行して飲料供給部30から冷水を供給するように制御する。
【0043】
供給操作部72F~72Iの何れか1つを押下操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、供給操作部72F~72Iに対応した温飲料供給手段を実行して飲料供給部30から温かい飲料を供給するように制御する。供給操作部72Jを押下操作したときの操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は、湯供給手段を実行して飲料供給部30から湯を供給するように制御する。
【0044】
次に、冷飲料供給手段と、冷水供給手段と、温飲料供給手段及び湯供給手段の制御について説明する。供給操作部72A~72Dの何れか1つを押下操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は冷飲料供給手段を実行する。制御装置80は、冷飲料供給手段の実行によって、供給操作部72A~72Dに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、第1給水弁42aと供給操作部72A~72Dに対応する第1~第4冷水送出弁56a~56dを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、冷却タンク51内で冷却された冷水は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と冷水は撹拌混合されて冷飲料となり、生成された冷飲料は飲料ガイド35を通って載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに冷飲料が供給される。
【0045】
供給操作部72Eを押下操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は冷水供給手段を実行する。制御装置80は、冷水供給手段段の実行によって、第1給水弁42aと第5冷水送出弁56eを容器に応じた時間で開放させる。冷却タンク51内で冷却された冷水は載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに冷水(冷飲料)が供給される。
【0046】
供給操作部72F~72Iの何れか1つを押下操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は温飲料供給手段を実行する。制御装置80は、温飲料供給手段の実行により、供給操作部72F~72Iに対応する飲料供給部30の飲料原料搬出用モータ32dを作動させ、送湯ポンプ47を作動させ、供給操作部72F~72Iに対応する第1~第4湯送出弁48a~48dを開放させる。粉末原料容器32内の粉末原料は混合容器33内に搬出され、貯湯タンク41内の湯は混合容器33内に供給される。また、撹拌装置34の撹拌用モータ34aを作動させることで、混合容器33内に供給された飲料の粉末原料と湯は撹拌混合されて温飲料となり、生成された温飲料は飲料ガイド35を通って載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに温飲料が供給される。
【0047】
供給操作部72Jを押下操作による操作信号が制御装置80に入力されると、制御装置80は湯供給手段を実行する。制御装置80は、湯供給手段の実行により、送湯ポンプ47を容器に応じた時間で作動させるとともに第5湯送出弁48eを開放させる。貯湯タンク41内の湯は載置部23のカップ等の容器に注出され、ユーザに湯(温飲料)が供給される。
【0048】
この飲料供給装置10においては、少なくとも冷飲料または温飲料供給手段(特に温飲料供給手段)の実行時にはファン66を一定時間作動させている。飲料供給手段を実行して飲料を生成しているときに各混合容器33内の湿気(湯気)を含んで粉末原料が飛散する空気は、スチームガイド61と箱形排気ダクト63の排気通路63bを通って機械室21内に排出される。
【0049】
上記のように構成した飲料供給装置10は、飲料生成部31にて飲料を生成する過程の空気を排出する排気構造60を備え、排気構造60は、飲料を生成する過程の空気を通過させる排気通路63bが内部に形成された箱形排気ダクト63と、飲料を生成する過程の空気を箱形排気ダクト63内の排気通路63bに吸引するファン66とを備えている。この実施形態の飲料供給装置10においては、箱形排気ダクト63は前面部に開口部63dを有しており、この開口部63dを蓋部64によって開閉自在に塞ぐようにしている。ファン66を回転させたときの振動が箱形排気ダクト63に伝達されると、箱形排気ダクト63の内部で共鳴した音が開口部63dと蓋部64との間の僅かな隙間から外側に漏出しやすい。
【0050】
このため、飲料供給装置10の排気構造60は、箱形排気ダクト63の左側面部側(一側面部側)に設けられてファン66が固定された取付板67と、箱形排気ダクト63の左側面部(一側面部)と取付板67との間に設けられてファン66による振動が箱形排気ダクト63に伝達するのを抑制する柔軟弾性材よりなる振動抑制部材68とをさらに備え、取付板67にはファン66から離間する方向に延びるアーム部67aが設けられ、このアーム部67aを箱形排気ダクト63に固定している。この実施形態では、アーム部67aをファン66が取り付けられる箱形排気ダクト63の左側面部(一側面部)から左側面部に隣接する前面部(隣接面部)まで延出させている。
【0051】
飲料生成部31にて飲料を生成する過程で、排気構造60のファン66を作動させたときの振動はファン66を固定した取付板67に伝達されるが、取付板67に伝達された振動は、振動抑制部材68によって箱形排気ダクト63に伝達されにくくなるとともに、箱形排気ダクト63に固定するためのアーム部67aを伝わるときに減衰された状態で箱形排気ダクト63に伝達されるので、箱形排気ダクト63の内部で共鳴する音の発生を抑制することができる。この実施形態では、アーム部67aをファン66から離れる方向としてファン66が取り付けられる箱形排気ダクト63の左側面部から隣接する前面部まで延出させているが、これに限られるものでなく、アーム部67aをファン66から離れる方向であれば取付板67と同一平面上に延出させたものであってもよいし、アーム部67aを箱形排気ダクト63の左側面部の隣接面部として後面部、下面部または上面部に延出させてねじ部材等の係合部材によって固定させてもよいし、さらに、隣接面部を経由して取付板67が取り付けられる一側面部と対向する対向面部まで延出させるようにしてねじ部材等の係合部材によって固定させてもよい。
【0052】
また、飲料供給装置10においては、振動抑制部材68が取付板67によって箱形排気ダクト63の左側面部に押圧された状態となるように、取付板67のアーム部67aが箱形排気ダクト63に固定されている。これにより、箱形排気ダクト63の左側面部と取付板67との間に振動抑制部材68によって隙間が生じにくくなり、ファン66による吸引性能を高く維持することができる。同様に、振動抑制部材68が取付板67によって箱形排気ダクト63の左側面部に押圧された状態となるように、取付板67の上端部は固定具69によって箱形排気ダクト63に固定されている。これにより、箱形排気ダクト63の左側面部と取付板67との間に振動抑制部材68によって隙間が生じにくくなり、ファン66による吸引性能を高く維持することができる。
【0053】
また、箱形排気ダクト63の前面下縁部には外側に延びるフランジ部63fが設けられており、取付板67のアーム部67aをフランジ部63fに固定している。アーム部67aをフランジ部63fに固定するためにねじ部材等の係合部材を用いたとしても、ねじ部材等の係合部材が箱形排気ダクト63の排気通路63b内に挿通されないようになり、取付板67からアーム部67aに伝達された振動が箱形排気ダクト63内に直接伝達されるのを防ぐことができる。
【0054】
また、飲料供給装置10においては、取付板67のアーム部67aが設けられた下端部(上下方向を延出方向とする一方の端部)と上下方向の反対側となる上端部(上下方向を延出方向とする他方の端部)には、取付板67の上端部を箱形排気ダクト63に固定する固定具69が設けられている。この固定具69は、取付板67の上端部と箱形排気ダクト63の右側面部とを挟み込むようにして、取付板67の上端部を箱形排気ダクト63に固定している。取付板67は、下端部がアーム部67aによって箱形排気ダクト63に固定されるとともに、上端部が固定具69によって箱形排気ダクト63に固定されるので、取付板67は上下方向の両端部(上下方向を延出方向とする両端部)で箱形排気ダクト63に固定されるようになり、取付板67は上下方向にて安定して箱形排気ダクト63に固定されるようになる。
【0055】
固定具69は、細長い帯板状の板金部材を長手方向の両端部が下方に延出するように曲げ加工されたものであり、両端部の各係合部69b,69cを取付板67の上端部と箱形排気ダクト63の右側面部(対向面部)に係合させている。この実施形態では、左側の係合部69bをねじ部材によって取付板67の上端部に固定しているのに対し、右側の係合部69cをねじ部材を用いず箱形排気ダクト63の右側面部に係合させている。箱形排気ダクト63の内部にねじ部材等の係合部材が挿通されないようにして、固定具69により取付板67を箱形排気ダクト63に固定するようにしているので、取付板67から固定具69に伝達された振動が箱形排気ダクト63内に直接伝達されるのを防ぐことができる。
【0056】
この実施形態の飲料供給装置10においては、排気構造60は上述した実施形態に限られるものでなく、図12に示したように、取付板67は、ファン66のベース部66aの上部を箱形排気ダクト63の左側面部に取り付けるための下側に開いたコ字形形状の上部取付板67Aと、ファン66のベース部66aの下部を箱形排気ダクト63の左側面部に取り付けるための上側に開いたコ字形形状の下部取付板67Bとからなり、ファン66を上部取付板67Aと下部取付板67Bを用いて箱形排気ダクト63の左側面部に取り付けるようにしてもよい。この場合には、上部取付板67Aと下部取付板67Bの間に柔軟弾性材よりなる振動抑制部材68を気密性を高めるために介装するとともに、ファン66のベース部66aと上部取付板67Aとの間、ファン66のベース部66aと下部取付板67Bとの間にも振動抑制部材を介装するだけでなく、ファン66のベース部66aとねじ部材の頭部との間に振動抑制部材を介装すると、ファン66の振動を箱形排気ダクト63に伝達するのを抑制することができる。
【0057】
上述した実施形態の飲料供給装置は、飲料の粉末原料と原料水とを混合して生成した飲料を供給するものであるが、本発明はこれに限られるものでなく、茶葉等の飲料の原料に湯等の原料水を注ぐようにして茶等の飲料を供給するものであってもよい。
【0058】
上述した実施形態のファン66、取付板67及び振動抑制部材68は、箱形排気ダクト63の一側面部として左側面部に配置されているが、これに限られるものでなく、箱形排気ダクト63の一側面部として右側面部、前面部、後面部、上面部または底面部に配置したものであってもよい。
【0059】
上述した実施形態の取付板67と固定具69は板金部材を曲げ加工して製造したものであるが、これに限られるものでなく、樹脂材を型成形によって製造したものであってもよい。
【0060】
10…飲料供給装置、60…排気構造、63…箱形排気ダクト、63b…排気通路、66…ファン、67…取付板、67a…アーム部、68…振動抑制部材、69…固定具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12