(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178729
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 19/00 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
F25D19/00 560B
F25D19/00 560C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091579
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 文雄
(72)【発明者】
【氏名】武田 博充
(57)【要約】
【課題】機械室の側壁を構成するパネルを小型化しつつ、着脱可能に安定的に取り付ける。
【解決手段】冷却貯蔵庫10は、貯蔵庫本体12と、貯蔵庫本体12内を冷却する冷却装置34の少なくとも一部が収容される機械室33と、機械室33の側壁を構成するパネル40であって、外気の通気口41Bが設けられる本体部41と、パネル40以外の他部材17に対して着脱可能に固定される固定部47Aと、を有するパネル40と、を備える。固定部47Aは、本体部41の一部と平面に視て重なるように本体部41の機械室33側に配置され、締結部材49が取り付けられる取付孔47A1を有しており、本体部41は、取付孔47A1と平面に視て重なる位置に、締結部材49を取付孔47A1に取り付けるための挿通孔41Eを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵庫本体と、
前記貯蔵庫本体内を冷却する冷却装置の少なくとも一部が収容される機械室と、
前記機械室の側壁を構成するパネルであって、外気の通気口が設けられる本体部と、前記パネル以外の他部材に対して着脱可能に固定される固定部と、を有するパネルと、を備え、
前記固定部は、
前記本体部の一部と平面に視て重なるように前記本体部の前記機械室側に配置され、
締結部材が取り付けられる取付孔を有しており、
前記本体部は、前記取付孔と平面に視て重なる位置に、前記締結部材を前記取付孔に取り付けるための挿通孔を有する冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記通気口を覆うように前記パネルに取り付けられるフィルターを備え、
前記フィルターは、枠体と、前記枠体に貼り付けられるシート状のフィルター部材と、を有し、
前記挿通孔の少なくとも一部は、前記フィルターが前記本体部に取り付けられた状態において、前記枠体によって覆われている請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記フィルターの前記枠体は、前記パネルの前記本体部に係止される係止片を有し、
前記本体部は、前記係止片が挿入される係止孔を有し、
前記挿通孔は、前記挿通孔の少なくとも一部を覆う前記枠体の延出方向について前記係止孔と並んでいる請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却貯蔵庫では、冷却装置の一部である機器等を収容するために機械室が設けられ、機械室の側壁を構成するパネルには、機械室内の機器を空冷するために通気口が設けられることが知られており、その一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のフロントパネルは着脱可能に設けられており、通気口が形成されている本体部の下側に、他の部材に対して取り付け固定されるための固定部を備える。固定部は、本体部から下方に延出し、特許文献1の
図3によれば、その延出長は通気口の上下4段分程度であることが看取される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上記した機械室のパネルの上下方向の寸法(長さ)を、冷却貯蔵庫の仕様変更等に応じて小さくする場合、本体部の長さを小さくすると通気口の数が減少し、外気の通気量が減少してしまう。一方、固定部を小さくすると、パネルの着脱作業が困難になったり、安定的に固定できなくなってしまう。
【0005】
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、機械室の側壁を構成するパネルを小型化しつつ、着脱可能に安定的に取り付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に関わる冷却貯蔵庫は、貯蔵庫本体と、前記貯蔵庫本体内を冷却する冷却装置の少なくとも一部が収容される機械室と、前記機械室の側壁を構成するパネルであって、外気の通気口が設けられる本体部と、前記パネル以外の他部材に対して着脱可能に固定される固定部と、を有するパネルと、を備え、前記固定部は、前記本体部の一部と平面に視て重なるように前記本体部の前記機械室側に配置され、締結部材が取り付けられる取付孔を有しており、前記本体部は、前記取付孔と平面に視て重なる位置に、前記締結部材を前記取付孔に取り付けるための挿通孔を有する。
【0007】
また、前記通気口を覆うように前記パネルに取り付けられるフィルターを備え、前記フィルターは、枠体と、前記枠体に貼り付けられるシート状のフィルター部材と、を有し、前記挿通孔の少なくとも一部は、前記フィルターが前記本体部に取り付けられた状態において、前記枠体によって覆われていてもよい。
【0008】
前記フィルターの前記枠体は、前記パネルの前記本体部に係止される係止片を有し、前記本体部は、前記係止片が挿入される係止孔を有し、前記挿通孔は、前記挿通孔の少なくとも一部を覆う前記枠体の延出方向について前記係止孔と並んでいてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本技術によれば、機械室の側壁を構成するパネルを小型化しつつ、着脱可能に安定的に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図9】フィルターを取り外した状態を示す機械室付近の拡大斜視図
【
図10】フロントパネル、及びフィルターを取り外した状態を示す機械室付近の拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態1>
実施形態1に係る冷却貯蔵庫10として、横型冷蔵庫について
図1から
図10を参照して説明する。各図に示した符号F,B,L,R,U,Dはそれぞれ、冷却貯蔵庫10の前後方向における前、後、正面から見たときの幅方向における左、右、鉛直方向の上、下を示している。
【0012】
冷却貯蔵庫10は、
図1及び
図2に示すように、前面開口12Aを有する箱状の貯蔵庫本体12と、前面開口12Aを開閉する一対の観音開き式の扉19と、貯蔵庫本体12の左方に配された機械室33と、これらを下方から支持し、設置床面I(設置面の一例)に載置される4つのキャスター付の脚11と、を備えている。貯蔵庫本体12は、外箱21と、外箱21の内側に配された内箱20と、外箱21と内箱20との間に充填される断熱材と、を備える断熱箱体である。
【0013】
貯蔵庫本体12の内部空間は、内箱20内の大部分を占め、被貯蔵物(食材等)が収容される貯蔵室22と、貯蔵室22の左方に配され、貯蔵室22と連通する冷却器室23と、にダクト25によって仕切られている。ダクト25は、貯蔵庫本体12内において上下方向に延在するように取り付けられている。ダクト25には、貯蔵室22内の空気を冷却器室23内に吸い込むための吸込口25Aと、吸込口25Aより上側に配され、冷却器室23内の冷気を貯蔵室22に吹き出すための吹出口25Bと、が形成されている。
【0014】
機械室33は、
図3及び
図4に示すように、左方及び後方を左サイドパネル14及びリアパネル(不図示)に、右方を貯蔵庫本体12の左側壁13に、前方をフロントパネル40(パネルの一例)に、上方をトップパネル16に、下方をベースパネル17にそれぞれ覆われており、概ねこれらによって画成されている。左サイドパネル14、及びリアパネルには、外気の通気口がそれぞれ形成されている。
【0015】
フロントパネル40には、
図4に示すように、機械室33の内気の排気口41A、及び外気の吸気口41B(通気口の一例)が形成されている。吸気口41Bの後方には外気を機械室33に吸い込む凝縮器ファン37(
図10参照)が設けられている。フロントパネル40の前面には、外気と共に吸気口41Bから吸い込まれる塵埃等の異物を捕獲するためのフィルター70が取り付けられている。なお、
図5以外の図面では、吸気口41B等を明示するためにフィルター70の枠体71だけが図示され、枠体71に貼り付けられるシート状のフィルター部材74は省略されている。
【0016】
ベースパネル17は、上方に開口した浅いトレー状をなしており、
図3に示すように、その底面が機械室33の下面を構成している。ベースパネル17の下には、蒸発皿収容部材60に収容される形で蒸発皿50が設けられている。蒸発皿収容部材60の下には、外装パネル18が設けられている。外装パネル18は、下方からベースパネル17及び蒸発皿収容部材60を覆っており、これにより外観の意匠性が向上されている。
【0017】
ベースパネル17は、
図3に示すように、設置床面Iからの距離が貯蔵庫本体12の外底面12B(外箱21の底面)に比べて差分Gだけ大きくなるように配置されている。これによってベースパネル17と設置床面Iとの間に、蒸発皿収容部材60及び蒸発皿50を設けるためのスペースが確保されている。その結果、設置床面Iからの距離の制約が厳しく、脚11の長さを小さくせざるを得ない場合であっても、機械室33の下(外部)に蒸発皿50を配設可能となる。また、蒸発皿50を機械室33の外部に設けることで、機械室33の内部に設ける場合と比べて蒸発皿50の着脱を容易にできる。既述したように、機械室33の前方はフロントパネル40で覆われており、仮に蒸発皿50を機械室33の内部に設けると、蒸発皿50を引き出す前にフロントパネル40等を取り外す必要が生じ、着脱容易性が低下してしまう。
【0018】
機械室33には、
図3に示すように、貯蔵室22を冷却するための冷却装置34の一部(圧縮機38、スパイラルコンデンサ(凝縮器)36、凝縮器ファン37等)、及び冷却貯蔵庫10の各部を制御するための制御装置30が収容されている。冷却装置34は、圧縮機38、スパイラルコンデンサ36、膨張弁(キャビラリーチューブ)、及び冷却器室23内の冷却器(蒸発器)39を備えており、これらが冷媒管で繋がれて冷媒が循環されることで、既知の冷凍回路(冷凍サイクル)が構成されている。
【0019】
冷却器室23内には、
図3に示すように、冷却器39、循環用ファン(庫内ファン)26、及び庫内ドレンパン27が設けられている。循環用ファン26は、冷却器39の貯蔵室22側(本実施形態では右側)に、ダクト25の吹出口25Bと対向するように配置されている。庫内ドレンパン27は、すり鉢状をなし、冷却器39の下方に配置されている。庫内ドレンパン27の底部の排水口には、下方から排水管28が接続されている。
【0020】
循環用ファン26が作動されると、貯蔵室22内の空気は、
図2に矢線で示すように、ダクト25の吸込口25Aから冷却器室23内に吸い込まれ、庫内ドレンパン27内を冷却器39に向かって右から左方向に通過して、冷却器39に下方から流入する。そして、冷却器39内を通過する間に冷却された空気は、循環用ファン26が配された冷却器39の右方から流出され、ダクト25の吹出口25Bから貯蔵室22内に戻される。貯蔵室22内の空気は、冷却運転が開始されると循環用ファン26によってこのように循環されながら、冷却器39を通過する過程で冷却される。
【0021】
また冷却運転中、冷却器39等には、温かく湿った空気が貯蔵室22から流れ込んで霜が付着するため、所定の冷却運転時間毎等には、霜を融解して取り除くための除霜運転が行われる。除霜運転は、圧縮機38を停止しつつ循環用ファン26を駆動して行われる(オフサイクルデフロスト方式)。または、冷却器39や循環用ファン26の近傍に除霜用ヒータを設け、ヒータの加熱によって霜を溶かして行ってもよい(ヒータデフロスト方式)。霜の融解によって発生する水滴(除霜水)は、庫内ドレンパン27で受け止められた後、排水管28を通って蒸発皿50に貯留される。
【0022】
続いて、フロントパネル40、及びこれに取り付けられるフィルター70について詳しく説明する。フィルター70は、
図5に示すように、枠体71と、フィルター部材74と、磁石76と、を備える。枠体71は、縦長の矩形状をなしており、例えば樹脂製とされる。枠体71の上部71A(上枠)には左右方向の中央に取っ手72が一体形成され、枠体71の下部71B(下枠)には左右方向に所定の間隔をあけて2つの係止片73が一体形成されている。磁石76は、枠体71の上部71Aの後面に埋設されており、フロントパネル40の前面に磁気吸着される。
【0023】
フロントパネル40は、
図4に示すように、機械室33の前壁(側壁の一例)を構成する金属製のパネル部材である。フロントパネル40は、
図5から
図8に示すように、本体部41と、補強フレーム45と、固定用部材47と、を備える。本体部41は、後方に開口する縦長矩形状の箱体である。本体部41の前面には、排気口41A及び吸気口41Bに加えて、操作用開口41C、2つの係止孔41D、及び第1挿通孔41Eが設けられ、本体部41の底面には第2挿通孔41Fが設けられている。
【0024】
操作用開口41Cは、制御装置30の前面に設けられる操作表示部に外部からアクセスするための開口である。操作用開口41Cは、
図4に示すように、制御装置30の前方に設けられ、半透明な扉が設けられている。排気口41Aは、
図6に示すように、本体部41の上部において操作用開口41Cの左方に設けられている。排気口41Aは上下段に複数並んで形成されている。吸気口41Bは、本体部41の下部、より詳しくは上下方向について補強フレーム45と固定用部材47との間に設けられている。本実施形態では、吸気口41Bは、左右2列で上下段に複数並んで形成されている。
【0025】
係止孔41Dは、
図6、
図7及び
図9に示すように、本体部41の前面において最下段の吸気口41Bより下方に2つ形成されている。係止孔41Dは、フィルター70の係止片73を係止するために設けられている。係止孔41Dは、係止片73が前方から挿入されて係止可能となる位置に、左右方向に所定の間隔をあけて形成されている。
【0026】
第1挿通孔41Eは、
図6及び
図7に示すように、フロントパネル40を着脱する際に、ネジ49(締結部材の一例、
図9)を操作するドライバー(工具の一例)の先端を外部から挿通するために設けられている。第1挿通孔41Eは、フロントパネル40の着脱作業時に作業者がネジ49を視認できるように、横長状に形成されている。より詳しくは、ドライバーが第1挿通孔41Eに挿入された状態において、第1挿通孔41Eのうちドライバーが挿入されていない部分(隙間)からネジ49を視認できる形状及び大きさに形成されている。
【0027】
第1挿通孔41Eは、本体部41の前面において、吸気口41Bより下方、かつ2つの係止孔41Dの間に配置されている。第1挿通孔41Eは、左右方向について係止孔41Dと並んで形成されている。後述するようにフィルター70がフロントパネル40に取り付けられると、第1挿通孔41Eの一部(上部)、及び2つの係止孔41Dは、枠体71の下部71Bによって前方から覆われるようになる。換言すると第1挿通孔41E、及び2つの係止孔41Dは、枠体71の下部71Bに覆われるように、枠体71の下部71Bの延出方向(本実施形態では左右方向)に並んでいる。
【0028】
第2挿通孔41Fは、
図7に示すように、本体部41の底面において左右方向の略中央に設けられている。第2挿通孔41Fは、フロントパネル40を着脱する際に、作業者が指を挿通するために設けられている。第2挿通孔41Fは、親指と人差し指の2本の指先が挿通する程度の形状及び大きさに形成されている。
【0029】
補強フレーム45は、
図5及び
図6に示すように、左右方向に延出する細長状の横フレームであり、本体部41の上下方向についての略中央に設けられている。補強フレーム45は、箱状の本体部41内に収容されており、本体部41の後面開口41Sの開口縁の左右両側部42にビス止めされている。補強フレーム45は、本体部41の強度及び剛性を補強している。
【0030】
固定用部材47は、
図5から
図8に示すように、左右方向に延出する細長状の横フレームであり、本体部41の下縁部に沿って設けられている。固定用部材47は、箱状の本体部41内に収容される形で本体部41の後側(機械室33側)に配置されている。固定用部材47は、本体部41の後面開口41Sの開口縁の左右両側部42にビス止めされている。固定用部材47は、フロントパネル40をベースパネル17(他部材の一例)の前面に取り付け固定する役割を担うと共に、補強フレーム45と同様に、本体部41の強度及び剛性を補強している。固定用部材47は、本体部41の下縁部と平面に視て重なる位置に平板状の固定部47Aを有する。固定部47Aは、ベースパネル17の前面に当てつけられて固定される。固定部47Aには、本体部41の第1挿通孔41Eと平面に視て重なる位置に、ネジ49(
図9参照)が取り付けられる取付孔47A1を有する。取付孔47A1は、ネジ49のネジ頭を通さず、ネジ部(螺合部分)が挿通される大きさに形成されている。
【0031】
なお、固定部47Aは、横フレームである固定用部材47ではなく、本体部41と一体形成されていても構わない。例えば固定部は、後面開口41Sの開口縁の下部43(
図5)を上方に延出することで、本体部41と一体形成される。本実施形態のように固定部47Aを別部材である固定用部材47に設けると、補強機能をより向上できるようになる。
【0032】
次に、製造時、点検整備時等にフロントパネル40、及びフィルター70を取り付けたり、取り外したりする着脱方法について説明する。着脱の作業工程は、順番が逆で各工程は同一のため、以下では取り付け方法を例に説明する。作業者はまず、フロントパネル40の後面開口41Sの開口縁の上部44(
図5)を、制御装置30の上方に設けられている突起80(
図10)に引っ掛ける。次に、ネジ49をドライバーの先端に取り付け、これらをフロントパネル40の前方から第1挿通孔41Eに挿通する。または、ドライバーの先端を第1挿通孔41Eから挿通し、ネジ49を指で支えながら第2挿通孔41Fから挿通する。そして取付孔47A1を介してベースパネル17のネジ穴81にネジ49を固定する(
図9の状態)。これにより、ネジ49は取付孔47A1に取り付けられ、固定部47Aはベースパネル17の前面に固定される。
【0033】
フィルター70は、係止片73(
図5)をフロントパネル40の係止孔41D(
図9)に前方から挿入し、磁石76をフロントパネル40の前面に吸着させることで、取り付けられる(
図1及び
図4の状態)。フィルター70が取り付けられると、全ての吸気口41Bはフィルター70に覆われた状態となる。また、フロントパネル40の2つの係止孔41D、及び第1挿通孔41Eの上部は、フィルター70の枠体71によって覆われた状態となる。
【0034】
上記した構成のフロントパネル40によれば、固定部47Aは本体部41と平面に視て重なっており、特許文献1の従来技術のように本体部41から下方に延出しないものとなる。その結果、フロントパネル40全体の長さを小さくし小型化できる。フロントパネル40の長さを小さくすることで、本実施形態のように蒸発皿50を機械室33の下に設けやすくなる。またフロントパネル40を取り付ける際には、作業者はネジ49を取り付けたドライバーの先端を外部から第1挿通孔41Eに挿入して通過させ、ネジ49を取付孔47A1に取り付けできる。または、ドライバーの先端を第1挿通孔41Eから、ネジ49を第2挿通孔41Fからそれぞれ挿通し、ネジ49を取付孔47A1に取り付けできる。第1挿通孔41Eは、フィルター70の取り付けに用いられる係止孔41Dと左右方向に並んで設けられており、第1挿通孔41Eの配設によってフロントパネル40及びフィルター70の上下方向の寸法が増大してしまうことはない。このようにしてフロントパネル40を小型化しつつ、フロントパネル40及びフィルター70を安定的、かつ容易に取り付け固定できる。
【0035】
換言すると、フロントパネル40全体の長さを維持できる場合には、固定部47Aを本体部41と平面に視て重なるように設けることで、本体部41の長さを大きくできる。これにより吸気口41Bの数(上下段の段数)を増大して吸気量を増大し、機械室33内の機器の冷却効率を向上できる。その結果、フロントパネル40の吸気量を増大しつつ、フロントパネル40及びフィルター70を安定的、かつ容易に取り付け固定できる。
【0036】
また上記した構成のフィルター70によれば、係止片73がフロントパネル40の係止孔41Dに挿入されると、フロントパネル40の第1挿通孔41Eの上部を枠体71(具体的には下部71B)で容易に覆うことができ、第1挿通孔41Eを外部から視認されにくくできる。通常、使用者の視点となる上方からは、第1挿通孔41Eは視認されなくなる。その結果、第1挿通孔41Eによって外観の意匠性が損なわれる事態を抑制できる。
【0037】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
【0038】
(1)本技術は、横型冷蔵庫以外の冷却貯蔵庫に設けられる機械室に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
10:横型冷蔵庫(冷却貯蔵庫)、12:貯蔵庫本体、17:ベースパネル(他部材の一例)、33:機械室、34:冷却装置、40:フロントパネル(パネルの一例)、41:本体部、41D:係止孔、41E:第1挿通孔(挿通孔の一例)、47A:固定部、47A1:取付孔、49:ネジ(締結部材の一例)、70:フィルター、71:枠体、73:係止片、74:フィルター部材