(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178743
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/20 20060101AFI20231211BHJP
A47L 5/36 20060101ALI20231211BHJP
A47L 5/28 20060101ALI20231211BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
A47L9/20 A
A47L5/36
A47L5/28
A47L9/00 104
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091607
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 剛徳
(72)【発明者】
【氏名】内田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】狩野 泰毅
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006MA03
(57)【要約】
【課題】掃除機本体の集塵部から置き台の回収部に塵埃を回収するときに集塵部に塵埃が残留することを抑制する上で有利になる電気掃除機を提供する。
【解決手段】本開示に係る電気掃除機は、掃除機本体と、掃除機本体が置かれる置き台と、を備える。掃除機本体は、塵埃を吸い込むための吸込部と、吸込部から吸い込まれた塵埃を集める集塵部と、塵埃を吸引する吸引風を発生させる本体側電動送風機とを備える。置き台は、置き台に置かれた掃除機本体の集塵部から塵埃を回収するための回収部と、集塵部に付着した塵埃を除去するための除塵手段とを備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体と、
前記掃除機本体が置かれる置き台と、
を備える電気掃除機であって、
前記掃除機本体は、塵埃を吸い込むための吸込部と、前記吸込部から吸い込まれた塵埃を集める集塵部と、塵埃を吸引する吸引風を発生させる本体側電動送風機とを備え、
前記置き台は、前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記集塵部から塵埃を回収するための回収部と、前記集塵部に付着した塵埃を除去するための除塵手段とを備える電気掃除機。
【請求項2】
前記除塵手段は、前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記集塵部に振動を与えるための振動子を備える請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記置き台は、前記振動子を振動させるための除塵用モータを備える請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記掃除機本体は、前記吸込部に配置された回転ブラシと、前記回転ブラシを回転させるブラシ駆動部とを備え、
前記置き台は、前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記回転ブラシの回転を用いて前記振動子を振動させる動力伝達装置を備える請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記置き台は、前記掃除機本体の充電池を充電する機能を有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記置き台に前記掃除機本体が置かれると、前記除塵手段が作動し、その後、前記集塵部から塵埃を前記回収部へ移送する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記置き台は、移送用電動送風機を備え、
前記置き台に前記掃除機本体が置かれると、前記移送用電動送風機の吸引風により、前記集塵部から塵埃を前記回収部に移送する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記集塵部と前記回収部とをつなぐ通路に配置された開閉弁を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示された従来の電気掃除機では、掃除機本体を置き台にセットし、置き台内に設けられた移送用電動送風機を作動し、掃除機本体の集塵部に入っている塵埃を置き台の集塵箱に移送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来の電気掃除機では、置き台内に設けられた移送用電動送風機の吸引力により、掃除機本体の集塵部から塵埃を置き台の集塵箱に移送するが、集塵部に付着した塵埃をすべて除去することは困難である。特に、集塵部に付着した微細な塵埃は、除去が困難であり、集塵部に残留しやすい。集塵部に塵埃が残留すると、集塵部の圧損が増加し、塵埃吸引性能が低下したり運転音が悪化したりする可能性がある。また、掃除機本体の電動送風機に負荷が掛かることにより、排気風の温度あるいは掃除機各部の温度が上昇する原因にもなりうる。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、掃除機本体の集塵部から置き台の回収部に塵埃を回収するときに集塵部に塵埃が残留することを抑制する上で有利になる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電気掃除機は、掃除機本体と、掃除機本体が置かれる置き台と、を備える電気掃除機であって、掃除機本体は、塵埃を吸い込むための吸込部と、吸込部から吸い込まれた塵埃を集める集塵部と、塵埃を吸引する吸引風を発生させる本体側電動送風機とを備え、置き台は、置き台に置かれた掃除機本体の集塵部から塵埃を回収するための回収部と、集塵部に付着した塵埃を除去するための除塵手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、掃除機本体の集塵部から置き台の回収部に塵埃を回収するときに集塵部に塵埃が残留することを抑制する上で有利になる電気掃除機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1による電気掃除機を示す模式的な一部断面側面図である。
【
図2】実施の形態1による電気掃除機を示す模式的な一部断面側面図である。
【
図6】掃除機本体の集塵部が取り外された状態を示す側面図である。
【
図7】置き台から掃除機本体を取り外した状態を示す側面図である。
【
図8】除塵手段の構成を説明するための模式的な断面側面図である。
【
図9】実施の形態2による電気掃除機を示す模式的な一部断面側面図である。
【
図10】実施の形態3による電気掃除機の一部を示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。なお、本開示で角度に言及した場合において、和が360°となる優角と劣角とがあるときには原則として劣角の角度を指すものとし、和が180°となる鋭角と鈍角とがある場合には原則として鋭角の角度を指すものとする。以下に示す実施の形態に示した構成は、本開示による技術的思想の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示に記載の複数の技術的思想を組み合わせることも可能である。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略または変更することも可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1及び
図2は、実施の形態1による電気掃除機50を示す模式的な一部断面側面図である。これらの図に示すように、本実施の形態の電気掃除機50は、掃除機本体1と、掃除機本体1が置かれる置き台30とを備える。
図1及び
図2は、置き台30に掃除機本体1が載置された状態を示している。
【0011】
図3は、掃除機本体1の側面図である。
図4は、掃除機本体1の断面側面図である。
図5は、掃除機本体1の正面図である。これらの図に示すように、掃除機本体1は、吸込口体2と、接続管3と、連結路4と、本体側電動送風機5と、集塵部6と、フィルタ7と、制御部10と、充電池11とを備える。本体側電動送風機5は、塵埃を吸引する吸引風を発生させる。充電池11は、本体側電動送風機5を作動させる電力を供給する。本開示において、制御部10の各機能は、処理回路により達成されてもよい。制御部10の処理回路は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備えてもよい。
【0012】
掃除機本体1は、塵埃を空気と共に吸込む。掃除機本体1は、含塵空気から塵埃を取り除き、清浄空気を排出する。本実施の形態において、「塵埃」は、ちり及び埃等のゴミの総称である。「含塵空気」は、塵埃が混じった空気である。「清浄空気」は、含塵空気から塵埃が取り除かれた空気である。なお、含塵空気から全ての塵埃を取り除くことはできない。清浄空気は、含塵空気に対して相対的に用いられる表現である。掃除機本体1により清掃される表面を「被清掃面」と称する。被清掃面は、例えば、床、絨毯、畳などでもよい。
【0013】
本実施の形態に示す掃除機本体1は、コードレスタイプのスティック型の電気掃除機である。図示の例に限らず、本開示における掃除機本体は、コード付きの電気掃除機でもよいし、ハンディ型あるいはキャニスタ型の電気掃除機でもよいし、自走式ロボット型の電気掃除機でもよい。
【0014】
吸込口体2は、塵埃を吸い込むための吸込部に相当する。
図4に示すように、吸込口体2には、回転ブラシ2aと、回転ブラシ2aを回転させるブラシ駆動部(図示省略)とが備えられている。回転ブラシ2aは、被清掃面の塵埃を掻き上げるためのものである。ブラシ駆動部は、電動機でもよい。
【0015】
吸込口体2に、接続管3の一端が接続される。接続管3の他端は、連結路4に接続される。吸込口体2から吸い込まれた含塵空気は、接続管3及び連結路4を通って、集塵部6に流入する。集塵部6は、吸込口体2から吸い込まれた塵埃を集める。集塵部6の下流にフィルタ7が配置されている。フィルタ7は、例えばプリーツ状の形状の濾材を有していてもよい。フィルタ7は、含塵空気から塵埃を分離する。フィルタ7を通過した清浄空気は、本体側電動送風機5に吸い込まれる。
【0016】
掃除機本体1の制御部10は、本体側電動送風機5の動作と、回転ブラシ2aを回転させるブラシ駆動部の動作とを制御する。
【0017】
掃除機本体1は、連結路4に接続管3を接続せずに使用することもできる。例えば、連結路4に吸込口体2を直接接続した状態で掃除機本体1を使用することもできる。
【0018】
図示の例に限らず、本開示における集塵部6は、含塵空気を旋回させることによって含塵空気から塵埃を分離するサイクロン方式の分離装置を備えたであってもよい。
【0019】
図6は、掃除機本体1の集塵部6が取り外された状態を示す側面図である。
図6に示すように、掃除機本体1は、集塵部6が取り外し可能となるように構成されていてもよい。ユーザーが集塵部6内のゴミを捨てる際に、集塵部6を取り外すことで、作業が容易になる。図示の例では、フィルタ7と集塵部6とが一体となって取り外される。
【0020】
図7は、置き台30から掃除機本体1を取り外した状態を示す側面図である。なお、
図7では、置き台30の一部を模式的な断面図としている。置き台30は、載置部31と、回収部32と、除塵手段20と、制御部(図示省略)とを備える。置き台30に掃除機本体1が置かれると、載置部31の上に吸込口体2が載置される。
【0021】
回収部32は、置き台30に置かれた掃除機本体1の集塵部6から塵埃を回収するためのものである。置き台30に掃除機本体1が置かれると、回収部32の上に集塵部6が配置される。回収部32は、集塵部6から移送された塵埃を集積する。回収部32の上面に、集塵部6からの塵埃を通す通路となる開口が形成されている。
【0022】
除塵手段20は、集塵部6から塵埃を回収部32へ移送するときに、集塵部6に付着した塵埃を除去するためのものである。本実施の形態における除塵手段20は、集塵部6のケーシングに振動を与えることで、集塵部6のケーシングの内壁面に付着した塵埃を除去することができる。除塵手段20の具体的な構造については後述する。
【0023】
本実施の形態における置き台30は、移送用電動送風機33及び排気部34をさらに備える。移送用電動送風機33が作動すると、吸引力が回収部32内に作用し、回収部32内が負圧になる。本実施の形態であれば、移送用電動送風機33の吸引風により、集塵部6から塵埃を回収部32に移送することができる。移送用電動送風機33により吸引された空気は、排気部34から排出される。図示の例において、回収部32の下方に、移送用電動送風機33が配置される。
【0024】
置き台30の制御部は、除塵手段20の動作と、移送用電動送風機33の動作とを制御する。掃除機本体1の制御部10と、置き台30の制御部とが通信して連携してもよい。
【0025】
本開示では、置き台30が移送用電動送風機33及び排気部34を備えなくてもよい。本開示では、例えば、置き台30に置かれた掃除機本体1の集塵部6から塵埃を重力により回収部32へ落下させることで、塵埃を移送するように構成されていてもよい。
【0026】
集塵部6のケーシングの底部に開閉弁8及び開閉バネ9が設けられている。開閉弁8は、開閉バネ9を中心に回転移動することで、開閉する。開閉バネ9は、例えばコイルバネでもよい。開閉弁8が開くと、集塵部6のケーシングの底部に形成された開口が開放される。開閉弁8が閉じると、当該開口が塞がれる。開閉バネ9は、開閉弁8が閉じる方向に開閉弁8を付勢する。掃除機本体1が置き台30に置かれると、集塵部6のケーシングの底部の開口の位置と、回収部32の上面の開口の位置とが一致する。これらの開口は、集塵部6と回収部32とをつなぐ通路に相当する。開閉弁8は、当該通路に配置される。図示の例において、集塵部6の外側へ向かって開閉弁8が回転移動することで開閉弁8が開く。
【0027】
ユーザーが掃除機本体1を用いて通常の掃除動作を行っている場合には、本体側電動送風機5の吸気により、集塵部6に吸引力が作用する。また、通常の掃除動作のときには、開閉バネ9の付勢力によって開閉弁8が閉じられている。
【0028】
掃除が終わって、ユーザーが掃除機本体1を置き台30にセットすると、置き台30の制御部は、まず、除塵手段20を作動させる。これにより、集塵部6に捕獲された塵埃、主に微細塵が、集塵部6のケーシングの内壁面から除去される。その後、置き台30の制御部は、移送用電動送風機33を作動させる。これにより、
図2に示すように、移送用電動送風機33の吸引力により、開閉バネ9の付勢に逆らって、開閉弁8が下向きに開く。開閉弁8が開くと、集塵部6内と回収部32内とをつなぐ通路が開通し、移送用電動送風機33の吸引力によって、集塵部6から塵埃が開閉弁8を通って回収部32内に移送される。このとき、集塵部6のケーシングの内壁面に付着していた塵埃、特に微細塵が、除塵手段20によって内壁面から除去されている。このため、微細塵を含め、塵埃を集塵部6内に残さずに、回収部32内に移送することが可能となる。
【0029】
図示を省略するが、回収部32の上面の開口にも開閉弁(図示省略)と当該開閉弁を閉じる方向に付勢する開閉バネ(図示省略)とを設け、移送用電動送風機33の吸引力により、回収部32の上面の開閉弁と、開閉弁8とが同時に開くように構成してもよい。また、本開示では、移送用電動送風機33の吸引力によって開閉弁を動作させる構成に限定されない。例えば、アクチュエータを用いて開閉弁を動作させる構成にしてもよい。
【0030】
移送用電動送風機33が作動すると、移送用電動送風機33の吸引力によって、フィルタ7には、本体側電動送風機5で吸引した時とは逆方向の吸引力が作用する。このため、フィルタ7に付着している塵埃を取り除く効果を奏することも可能となる。
【0031】
本実施の形態であれば、掃除機本体1を置き台30にセットすることにより、集塵部6内にあった塵埃を回収部32に自動で移送でき、集塵部6を空にすることが可能となる。仮に、掃除をするたびに塵埃が集塵部6内に溜まっていくと、塵埃吸引性能が低下する可能性がある。これに対し、本実施の形態であれば、掃除が終わるたびに、毎回、掃除機本体1を置き台30にセットすることで、集塵部6を空にすることができる。さらに、本実施の形態であれば、除塵手段20により集塵部6に付着した塵埃を除去してから回収部32へと移送することが可能となる。これにより、塵埃のなかでも特に微細塵が集塵部6に残留することをより確実に抑制することができる。それゆえ、集塵部6の圧損の増大をより確実に抑制でき、塵埃吸引性能の低下を予防でき、運転音の悪化を予防できる。
【0032】
さらに、本実施の形態であれば、集塵部6から回収部32への塵移送能力の低下をより確実に予防でき、塵移送中の運転音悪化をより確実に予防できる。また、掃除機本体1の本体側電動送風機5に負荷が掛かることによる排気風の温度上昇及び掃除機各部の温度上昇等をより確実に防ぐことができる。その結果、電気掃除機50の塵埃吸引性能を常に維持し続ける上で、より有利になる。
【0033】
本実施の形態において、集塵部6に捕獲された塵埃は、開閉弁8を通って、回収部32に移送される。集塵部6に捕獲された塵埃は、回収部32に確実に全て入る必要がある。このため、塵埃の捕獲に供せられる容積である有効容積について、回収部32の有効容積は、集塵部6の有効容積よりも大きくなっている。回収部32には、ある程度の量の塵埃を溜めておくことができるようになっている。
【0034】
また、本実施の形態であれば、開閉弁8を用いて集塵部6と回収部32をつなぐように構成したことで、より複雑な機構を設けずに安価で、所望の塵埃吸引性能が確保された構成にすることができる。また、掃除機本体1と置き台30とで形成される電気掃除機50の外観の中に集塵部6、除塵手段20及び回収部32が配置されるため、意匠性に優れた電気掃除機50を提供することができる。
【0035】
本体側電動送風機5の定格出力よりも移送用電動送風機33の定格出力を大きくしてもよい。移送用電動送風機33の出力を大きくし、吸引力を強めることで、回収部32内に塵埃が入った時に移送用電動送風機33により塵埃を圧縮して塵埃をコンパクトな形にすることができる。これにより、塵埃が圧縮され、回収部32内のゴミを捨てる際に埃が立ちにくく清潔で、使い勝手のよいものにすることができる。
【0036】
回収部32内に、着脱可能な紙パックフィルタ(図示省略)を取り付けることができるように構成し、紙パックフィルタ内に塵埃を回収してもよい。
【0037】
図8は、除塵手段20の構成を説明するための模式的な断面側面図である。
図8に示すように、本実施の形態における除塵手段20は、置き台30に置かれた掃除機本体1の集塵部6に振動を与えるための振動子25を備える。掃除機本体1が置き台30に置かれると、振動子25が集塵部6のケーシングの側面に接する。振動子25が振動すると、集塵部6が振動することで、集塵部6の内壁面に付着していた塵埃を内壁面から効率良く除去することができる。
【0038】
本実施の形態において、振動子25がフィルタ7のケーシングの側面にも接している。これにより、振動子25が振動すると、フィルタ7が振動することで、フィルタ7に付着していた塵埃をフィルタ7から効率良く除去することができる。
【0039】
除塵手段20は、振動子25を振動させるための除塵用モータ21を備える。除塵用モータ21を用いて振動子25を振動させることで、十分に大きい振動を集塵部6及びフィルタ7に与えることができる。それゆえ、集塵部6あるいはフィルタ7に付着した塵埃をより確実に除去することができる。
【0040】
除塵用モータ21の出力軸に原節22が取り付けられている。原節22は、カムでもよい。原節22の外周面に、ローラ23の付いた従節24が接している。従節24は、ローラ23とは反対側の位置において、振動子25に連結されている。従節24は、図中で左右方向に移動可能になっている。除塵用モータ21の出力軸とともに原節22が回転すると、従節24のローラ23が接している部分の原節22の半径が変化することで、原節22の回転運動が従節24の左右運動へと変換され、振動が発生する。この振動を、振動子25を介して、集塵部6及びフィルタ7の側面に与えることで、集塵部6及びフィルタ7に付着した塵埃を除去することができる。
【0041】
実施の形態2.
次に、
図9を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通する説明を簡略化または省略する。また、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付す。
【0042】
図9は、実施の形態2による電気掃除機50Aを示す模式的な一部断面側面図である。実施の形態2による電気掃除機50Aは、除塵手段20Aの構成が異なる点において、実施の形態1と異なる。
【0043】
本実施の形態における除塵手段20Aは、吸込口体2の回転ブラシ2aの回転により振動を発生させるように構成されている。実施の形態2による電気掃除機50Aは、置き台30Aを備える。吸込口体2には、回転ブラシ2a駆動用電動機(図示せず)の回転動力を吸込口体2外部に伝達するための軸継手(オス側)が吸込口体2に突出して設けられている。置き台30Aの載置部31側には、吸込口体2を置き台30Aの載置部31に載置させる操作に連動して、吸込口体2に設けた軸継手(オス側)と連結接合されるように構成された軸継手(メス側)が設けられている(図示せず)。また、置き台30Aの載置部31に設けた軸継手(メス側)に入力された動力が伝達されるよう、伝達ベルト26及び回転伝達軸27が設けられている(図示せず)。載置部31に吸込口体2が置かれた状態で回転ブラシ2aが回転すると、回転ブラシ2aの回転が連結接合された軸継手(オス側、メス側)を介して伝達ベルト26により回転伝達軸27に伝達されて、回転伝達軸27が回転駆動される。
【0044】
原節28が回転伝達軸27に対して同軸に固定されている。原節28は、カムでもよい。第一従節41の下端部に設けられたローラ29が原節28の外周面に接している。第一従節41は、上下方向に移動可能になっている。回転ブラシ2aが回転して回転伝達軸27及び原節28が回転すると、第一従節41のローラ29が接している部分の原節28の半径が変化することで、原節28の回転運動が第一従節41の上下運動へと変換され、振動が発生する。
【0045】
第一従節41の上端部に、斜面42が形成されている。振動子25は、左右方向に移動可能な第二従節43の一端に連結されている。第二従節43の他端に形成された斜面44は、第一従節41の上端部の斜面42に接している。第一従節41の上下運動すると、斜面42が斜面44に対して摺動することで、第一従節41の上下運動が第二従節43の左右運動へと変換される。このようにして第二従節43の左右運動に変換された振動を、振動子25を介して、集塵部6及びフィルタ7の側面に与えることで、集塵部6及びフィルタ7に付着した塵埃を除去することができる。
【0046】
本実施の形態であれば、回転ブラシ2aの回転運動を用いて振動子25を振動させることができるので、除塵用モータ21が不要になるという利点がある。本実施の形態において、伝達ベルト26、回転伝達軸27、原節28、ローラ29、第一従節41、斜面42、第二従節43、及び斜面44は、置き台30に置かれた掃除機本体1の回転ブラシ2aの回転を用いて振動子25を振動させる動力伝達装置に相当する。本開示において、当該動力伝達装置は、図示の構成に限定されない。例えば、当該動力伝達装置は、リンク機構、ギアトレーンなどを用いたものでもよい。
【0047】
本実施の形態では、吸込口体2を置き台30Aの載置部31上部かつ回転ブラシ2aに対向する位置に除塵部を設けてもよい(図示せず)。これにより、吸込口体2を置き台30Aの載置部31に載置させる操作に連動して、回転ブラシ2a駆動と、本体側電動送風機5を同時に駆動させることで、回転ブラシ2aに付着した塵埃や、絡みついた髪の毛やペットの毛が、回転ブラシ2aから剥離されて、かつ本体側電動送風機5の吸引力により、集塵部6へ搬送することができ、吸塵性能の維持および清潔性がより保たれる。
【0048】
実施の形態3.
次に、
図10を参照して、実施の形態3について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通する説明を簡略化または省略する。また、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付す。
【0049】
図10は、実施の形態3による電気掃除機50Bの一部を示す断面側面図である。実施の形態3による電気掃除機50Bは、掃除機本体1Bと、置き台30Bとを備える。本実施の形態では、置き台30Bが、掃除機本体1B内の充電池11を充電する機能を有している。本実施の形態であれば、置き台30Bを、掃除機本体1B内の充電池11を充電する充電台として兼用することが可能となる。
【0050】
掃除機本体1Bは、充電池11を充電するための本体充電端子12を有している。図示の例において、吸込口体2に本体充電端子12が設けられている。
【0051】
置き台30Bは、置き台充電端子35及び充電基板36を備えている。掃除機本体1Bを置き台30Bに置くと、本体充電端子12が置き台充電端子35に接することで、掃除機本体1Bと置き台30Bとが電気的に接続される。置き台30Bの制御部は、掃除機本体1Bと置き台30Bとが電気的に接続されたことを検知すると、充電基板36を用いて、掃除機本体1B内の充電池11を充電する。本実施の形態であれば、掃除機本体1Bを置き台30Bにセットすると同時に充電池11が充電されるために、充電池11が充電された状態を常に維持することができる。そのため、ユーザーが掃除機本体1Bを用いて通常の掃除動作を開始する際、電気掃除機50Bの塵埃吸引性能をより確実に維持することができ、使用性を良好にすることができる。
【0052】
なお、上述した複数の実施の形態が有する特徴のうち、組み合わせることが可能な二つ以上の特徴を組み合わせて実施してもよい。
【0053】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0054】
(付記1)
掃除機本体と、
前記掃除機本体が置かれる置き台と、
を備える電気掃除機であって、
前記掃除機本体は、塵埃を吸い込むための吸込部と、前記吸込部から吸い込まれた塵埃を集める集塵部と、塵埃を吸引する吸引風を発生させる本体側電動送風機とを備え、
前記置き台は、前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記集塵部から塵埃を回収するための回収部と、前記集塵部に付着した塵埃を除去するための除塵手段とを備える電気掃除機。
(付記2)
前記除塵手段は、前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記集塵部に振動を与えるための振動子を備える付記1に記載の電気掃除機。
(付記3)
前記置き台は、前記振動子を振動させるための除塵用モータを備える付記2に記載の電気掃除機。
(付記4)
前記掃除機本体は、前記吸込部に配置された回転ブラシと、前記回転ブラシを回転させるブラシ駆動部とを備え、
前記置き台は、前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記回転ブラシの回転を用いて前記振動子を振動させる動力伝達装置を備える付記2に記載の電気掃除機。
(付記5)
前記置き台は、前記掃除機本体の充電池を充電する機能を有する付記1から付記4のいずれか一項に記載の電気掃除機。
(付記6)
前記置き台に前記掃除機本体が置かれると、前記除塵手段が作動し、その後、前記集塵部から塵埃を前記回収部へ移送する付記1から付記5のいずれか一項に記載の電気掃除機。
(付記7)
前記置き台は、移送用電動送風機を備え、
前記置き台に前記掃除機本体が置かれると、前記移送用電動送風機の吸引風により、前記集塵部から塵埃を前記回収部に移送する付記1から付記6のいずれか一項に記載の電気掃除機。
(付記8)
前記置き台に置かれた前記掃除機本体の前記集塵部と前記回収部とをつなぐ通路に配置された開閉弁を備える付記1から付記7のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【符号の説明】
【0055】
1 掃除機本体、 1B 掃除機本体、 2 吸込口体、 2a 回転ブラシ、 3 接続管、 4 連結路、 5 本体側電動送風機、 6 集塵部、 7 フィルタ、 8 開閉弁、 9 開閉バネ、 10 制御部、 11 充電池、 12 本体充電端子、 20 除塵手段、 20A 除塵手段、 21 除塵用モータ、 22 原節、 23 ローラ、 24 従節、 25 振動子、 26 伝達ベルト、 27 回転伝達軸、 28 原節、 29 ローラ、 30 置き台、 30A 置き台、 30B 置き台、 31 載置部、 32 回収部、 33 移送用電動送風機、 34 排気部、 35 置き台充電端子、 36 充電基板、 41 第一従節、 42 斜面、 43 第二従節、 44 斜面、 50 電気掃除機、 50A 電気掃除機、 50B 電気掃除機