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特開2023-178758議事録作成支援装置及び議事録作成支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178758
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】議事録作成支援装置及び議事録作成支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20231211BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091627
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小浜 隼人
(72)【発明者】
【氏名】内藤 大智
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容易に適切な議事録を作成できる議事録作成支援装置及び議事録作成支援方法を提供する。
【解決手段】CPU11と、ディスク装置20とを備え、会議の内容を示す会議文書データに基づいて、議事録を作成する議事録作成支援装置10において、ディスク装置20は、複数の議題のそれぞれに関する重要用語を記憶し、CPU11は、会議における複数の対象議題を受け付け、会議文書データにおける前記重要用語の出現状況に基づいて、会議文書データにおける対象議題が変わる境界を検出し、会議文書データを境界に基づいて対象議題毎の内容に切り分けて、会議の内容を対象議題毎にまとめて議事録を作成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の内容を示す会議文書データに基づいて、議事録を作成する議事録作成支援装置であって、
プロセッサと、記憶デバイスとを備え、
前記記憶デバイスは、
複数の議題のそれぞれに関する重要用語を記憶し、
前記プロセッサは、
前記会議における議題である対象議題を複数受け付け、
前記会議文書データにおける前記重要用語の出現状況に基づいて、前記会議文書データにおける対象議題が変わる境界を検出し、
前記会議文書データを前記境界に基づいて前記対象議題毎の内容に切り分けて、前記会議の内容を前記対象議題毎にまとめて議事録を作成する
議事録作成支援装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記会議文書データの各文について内容に応じて分類し、
前記議事録において、前記各文を分類に応じた前記議事録の箇所に埋め込む
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項3】
前記記憶デバイスは、
作成する議事録の基礎となる、記述すべき内容と、記述すべき箇所とが規定された議事録フォーマットを記憶し、
前記プロセッサは、
前記会議文書データの各文を、前記議事録フォーマットにおける前記文が属する範囲の議題における、前記各文の分類に応じた内容に対応する記述すべき箇所に対して埋め込むことにより、前記議事録を作成する
請求項2に記載の議事録作成支援装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記議事録フォーマットにおいて、埋め込まれていない箇所に対応する内容を特定し、特定した前記内容の提供を促す
請求項3に記載の議事録作成支援装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記会議文書データの各文の中の不要な内容であると分類された文については、前記議事録に埋め込む対象から除外する
請求項2に記載の議事録作成支援装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
複数の前記対象議題と対応する議題である対応議題を有する他の議事録に基づいて、それぞれの前記対象議題における複数の重要用語の出現度を推定し、
前記会議文書データにおいて、前記対象議題における複数の重要用語の出現回数が前記出現度に基づく基準回数に到達した部分を、前記対象議題が変わる境界として検出する
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記対象議題に対する会議時間を受け付け、
前記出現度に対して、前記対象議題に対する会議時間の前記対応議題の会議時間に対する比を乗算することにより前記基準回数を算出する
請求項6に記載の議事録作成支援装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記複数の重要用語に対する前記基準回数と、前記複数の重要用語についての出現回数とに基づいて、前記対象議題に対する会議の進捗状況を特定して出力する
請求項6に記載の議事録作成支援装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
作成された前記議事録に基づいて、不足している情報を特定し、前記不足して情報の提供を促す
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記会議の内容を示す会議文書データの一部分を前記会議の進捗に応じて逐次取得し、
前記取得した前記会議文書データの一部分に基づいて、前記議事録を逐次更新し、
逐次更新される前記議事録を表示させる
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記議事録を編集可能に表示させる
請求項10に記載の議事録作成支援装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
複数の前記対象議題と対応する議題である対応議題を有する他の議事録を受け付け、前記他の議事録に基づいて、各対象議題における重要用語を推定して前記記憶デバイスに記憶させる
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記会議の音声データを受け付け、
前記音声データから前記会議の内容を示す文書を認識して前記会議文書データを作成する
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項14】
会議の内容を示す会議文書データに基づいて、議事録を作成する議事録作成支援装置による議事録作成支援方法であって、
前記議事録作成支援装置は、複数の議題のそれぞれに関する重要用語を記憶し、
前記議事録作成支援装置は、
前記会議における議題である対象議題を複数受け付け、
前記会議文書データにおける前記重要用語の出現状況に基づいて、前記会議文書データにおける対象議題が変わる境界を検出し、
前記会議文書データを前記境界に基づいて前記対象議題毎の内容に切り分けて、前記会議の内容を前記対象議題毎にまとめた議事録を作成する
議事録作成支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議の議事録の作成を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、会議を開催した際には、会議の議事録を作成することが行われている。近年では、通信技術の進歩と社会情勢の変化等により在宅勤務が一般化し、オンライン会議が当たり前になっている。このため、オンライン会議の音声から文字を起こして議事録を作成する機会が増加している。音声から文字を起こした文書においては、必要な情報が整理されておらず、議事録作成における負荷が生じている。
【0003】
これに対して、音声の認識結果を音声認識テキストとして出力し、音声認識テキスト内でユーザにより選択された内容から議事録を作成する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-67830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術においては、音声認識テキストのなかから必要な情報を抜粋して議事録を作成することにとどまっており、議事録において必要な情報が整理されたものとなっていない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、容易に適切な議事録を作成することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、一観点に係る議事録作成支援装置は、会議の内容を示す会議文書データに基づいて、議事録を作成する議事録作成支援装置であって、プロセッサと、記憶デバイスとを備え、前記記憶デバイスは、複数の議題のそれぞれに関する重要用語を記憶し、前記プロセッサは、前記会議における議題である対象議題を複数受け付け、前記会議文書データにおける前記重要用語の出現状況に基づいて、前記会議文書データにおける対象議題が変わる境界を検出し、前記会議文書データを前記境界に基づいて前記対象議題毎の内容に切り分けて、前記会議の内容を前記対象議題毎にまとめて議事録を作成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容易に適切な議事録を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る計算機システムの全体構成図である。
図2図2は、一実施形態に係る議事録作成支援装置の構成図である。
図3図3は、一実施形態に係る議題情報の構成図である。
図4図4は、一実施形態に係る議題毎重要用語情報の構成図である。
図5図5は、一実施形態に係る議事録の構成図である。
図6図6は、一実施形態に係る議事録抽出ルールの構成図である。
図7図7は、一実施形態に係る議事録フォーマットの構成図である。
図8図8は、一実施形態に係る議事録作成処理のフローチャートである。
図9図9は、一実施形態に係る議事録を表示する表示画面の例を示す図である。
図10図10は、変形例に係る議事録を表示する表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、一実施形態に係る計算機システムの全体構成図である。
【0012】
計算機システム1は、1以上の端末2と、オンライン会議システム3と、議事録作成支援装置10とを備える。端末2と、オンライン会議システム3と、議事録作成支援装置10とは、ネットワーク5を介して接続されている。
【0013】
ネットワーク5は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、WAN(Wide Area Network)などである。
【0014】
オンライン会議システム3は、ネットワーク5を介して複数の端末2に対してオンライン会議を提供する。オンライン会議システム3は、オンライン会議に参加している各端末2から音声データを取得し、他の端末2に音声データを出力する。また、オンライン会議システム3は、オンライン会議に参加している各端末2からの音声データに対して音声認識を行うことにより文書テキストデータ(会議文書データの一例)に変換し、議事録作成支援装置10に送信する。
【0015】
議事録作成支援装置10は、オンライン会議システム3から文書テキストデータを受信し、文書テキストデータに基づいて議事録を作成する処理を行う。また、議事録作成支援装置10は、作成した議事録を表示する画面を各端末2に表示させる。
【0016】
端末2は、オンライン会議の参加者が使用する端末であり、例えば、PC(Personal Computer)等の計算機により構成される。端末2は、参加者(端末2の利用者)の音声を入力して音声データをオンライン会議システム3に送信するとともに、オンライン会議システム3から送信される音声データに基づいて音声を出力する。また、端末2は、議事録作成支援装置10から送信される議事録を表示する画面を表示させるとともに、議事録に対する参加者からの編集の指示等を受け付け、議事録作成支援装置10に送信する。
【0017】
図2は、一実施形態に係る議事録作成支援装置の構成図である。
【0018】
議事録作成支援装置10は、プロセッサの一例としてのCPU11と、入出力部12と、ネットワークアダプタ13と、記憶デバイスの一例としてのメインメモリ14と、記憶デバイスの一例としてのディスク装置20とを備える。CPU11と、入出力部12と、ネットワークアダプタ13と、メインメモリ14と、ディスク装置20とは、バスを介して接続されている。
【0019】
ネットワークアダプタ13は、例えば、有線LANカードや無線LANカードなどのインターフェースであり、ネットワーク5を介して他の装置(例えば、端末2、オンライン会議システム3等)と通信する。
【0020】
CPU11は、メインメモリ14及び/又はディスク装置20に格納されているプログラムに従って各種処理を実行する。
【0021】
メインメモリ14は、例えば、RAM(RANDOM ACCESS MEMORY)であり、CPU11で実行されるプログラムや、必要な情報を記憶する。
【0022】
ディスク装置20は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などであり、CPU11で実行されるプログラムや、CPU11に利用されるデータを記憶する。ディスク装置20は、議題解析部21と、音声テキスト変換部22と、文脈解析部23と、議事録作成部24と、議事録修正部25とを構成するためのプログラムを格納する。また、ディスク装置20は、議題情報26と、議題毎重要用語情報27と、議事録28と、議事録抽出ルール29と、議事録フォーマット30とを格納する。
【0023】
入出力部12は、マウス、キーボード等の入力装置31と、ディスプレイ等の出力装置32と接続され、入力装置31からの情報の入力を受け付け、出力装置32に各種情報を出力する。
【0024】
図3は、一実施形態に係る議題情報の構成図である。
【0025】
議題情報26は、例えば、議事録の作成対象の会議の議題(対象議題)に関する情報であり、例えば、議事録作成の担当者(例えば、参加者の一人)により入力される情報である。議題情報26は、例えば、会議における複数の議題と、それぞれの議題に対する予定所要時間とを含む。
【0026】
図4は、一実施形態に係る議題毎重要用語情報の構成図である。
【0027】
議題毎重要用語情報27は、議題解析部21により作成される情報であり、議題毎の1以上の重要用語と、議題における各重要用語についての想定される出現度とを含む。図4の例では、議題1においては、人員、メンバ、体制、経験、開発、拡販等が重要用語であり、それぞれの重要用語についての想定される出現度は、それぞれ、3、3、3、1、5、4等である。
【0028】
図5は、一実施形態に係る議事録の構成図である。
【0029】
議事録28は、例えば、議事録の作成対象の会議の議題と対応する(同一又は類似である)議題(対応議題)を有していた過去の他の会議(例えば、前年度の同じ議題の会議)の議事録である。なお、議事録28は、テキストデータと、テキストデータに対して議事録における内容を示すパターン(例えば、タグ)とを対応付けているマックアップ言語のデータであってもよい。
【0030】
図6は、一実施形態に係る議事録抽出ルールの構成図である。
【0031】
議事録抽出ルール29は、議事録28から必要な情報を取得するためのルールを示す情報である。図6の議事録抽出ルール29では、「header」における「title」が会議名を表すパターンであり、「date_and_time」が開催日時を表すパターンであり、「member」がメンバ(参加者)を表すパターンであり、「contents」における「agenda」が議題を表すパターンであり、「decision」が決定事項を表すパターンであり、「actions」が宿題事項を表すパターンであり、「note」が質疑応答を表すパターンであることを示している。
【0032】
図7は、一実施形態に係る議事録フォーマットの構成図である。
【0033】
議事録フォーマット30は、議事録の形式を示す情報であり、会議に関する各内容についての配置位置(プレースフォルダー:図中の<>で示される記載部分)を示している。図7に示す議事録フォーマット30は、会議名、日時、メンバを配置し、その後に、議題毎に、決定事項、宿題事項、質疑応答を配置することを示している。
【0034】
次に、議事録作成支援装置10による処理動作について説明する。
【0035】
図8は、一実施形態に係る議事録作成処理のフローチャートである。
【0036】
議題解析部21は、議事録作成対象の会議(対象会議:例えば、実施予定の会議)の議題情報26と、過去の会議(例えば、前年度の同様な会議)の議事録28とを受け付け、議事録抽出ルール29に基づいて、議事録28を解析することにより、議事録28から、会議名、日時、及び議題(対応議題)を抽出するとともに、議題毎の決定事項、宿題事項、及び質疑応答の内容を抽出する(ステップS11)。
【0037】
次いで、議題解析部21は、決定事項、宿題事項、及び質疑応答のテキストに対して構文解析を実行し、過去の会議の議題(対応議題)毎の重要用語(議題毎重要用語)を抽出する(ステップS12)。具体的には、議題解析部21は、対応議題に対応する決定事項、宿題事項、及び質疑応答のテキストにおける、主語、述語、目的語をその対応議題についての議題毎重要用語として抽出する。この対応議題についての議題毎重要用語が、対応議題が対応している議事録作成対象の会議の議題(対象議題)における議題毎重要用語として推定されたものとなる。なお、固有名詞、人称代名詞等の単語については、議題毎重要用語から除外してもよい。
【0038】
次いで、議題解析部21は、抽出した議題毎重要用語のそれぞれの出現回数(出現度)を集計する(ステップS13)。
【0039】
次いで、議題解析部21は、会議における各対象議題に関してそれぞれの議題毎重要用語が出現すると想定される基準回数を決定(推定)する(ステップS14)。具体的には、例えば、議題解析部21は、ステップS13で集計した出現回数に対して、過去の対応議題に対する所要時間に対する対象会議の対象議題に対する予定所要時間の比を乗算することにより、基準回数を決定する。このように補正することにより、対象会議の予定所要時間に則した回数に調整することができるが、例えば、ステップS13で集計した出現回数をそのまま基準回数としてもよい。
【0040】
ここで、本実施形態では、議事録作成支援装置10の文脈解析部23は、会議におけるの各時点の部分データ、すなわち、会議文書データの一部分の文に対応する部分データをリアルタイムで逐次受け取る度に、以下のステップS15~ステップS20の処理を実行する。ここで、会議文書データは、テキスト形式のデータ(テキストデータ)であってもよく、テキストデータを含むEメールデータであってもよく、要は、会議における参加者の発言のテキストデータが含まれているデータであればよい。なお、会議における会議文書データの全体を一度に受け取る場合には、ステップS15~ステップS20の処理をこの会議文書データを対象に一度実行すればよい。
【0041】
文脈解析部23は、議事録を作成する対象の文書情報である、オンライン会議システム3から送信される文書テキストデータの各文を分類する(ステップS15)。具体的には、文脈解析部23は、各文に対して議事録における内容を示すラベルを付与することにより分類する。付与するラベルとしては、「決定事項」、「宿題事項」、「質疑応答」、「ノイズ」等がある。「ノイズ」は、議事録としては不要な内容であることを示すラベルである。文に対してラベルを付与する方法としては、ルールベースを用いてもよいし、機械学習モデルを用いてもよい。例えば、ルールベースを用いたラベル付与の方法としては、「・・・と決定する。」との文であれば、「決定事項」のラベルを付与する等のルールに従ってラベルを付与すればよい。
【0042】
次いで、文脈解析部23は、「ノイズ」を除くラベルが付与された文について構文解析して、主語、述語、目的語を抽出する(ステップS16)。
【0043】
次いで、文脈解析部23は、対象議題の開始からのこの議題に対応する1以上の議題毎重要用語の出現回数を数え、議題毎重要用語の出現回数(出現状況)に基づいて文書データにおける議題の境界を特定する。具体的には、文脈解析部23は、対象議題に対応する議題毎重要用語のすべての出現回数が、それぞれの基準回数以上である場合に、議題の境界として特定する。次いで、文脈解析部23は、境界が特定された場合には、その境界で会議文書データをその議題についての文字情報(議題毎文字情報)に分割する(ステップS17)。なお、境界が特定できない場合には、文脈解析部23は、処理を次のステップに進める。
【0044】
次いで、議事録作成部24は、議事録フォーマット30の議題に対応するプレースフォルダーに対して、この議題についての議題毎文字情報のラベルが付加された文のテキストを挿入して議事録を作成する(ステップS18)。
【0045】
次いで、議事録修正部25は、作成された議事録の表示画面50(図9参照)を、会議に参加している参加者の端末2に表示させる(ステップS19)。端末2においては、参加者は、表示画面50に対する編集指示が可能になっている。
【0046】
次いで、議事録修正部25は、端末2から表示画面50の議事録に対する編集指示を受け付けた場合には、編集指示に従って表示画面50の議事録を変更し、変更した議事録を端末2に表示させる(ステップS20)。なお、会議文書データを逐次受け取る場合においては、処理は、ステップS15に進められる。
【0047】
その後、会議の全ての会議文書データを受信し、この会議文書データに対して、ステップS20までの処理を終えた場合には、議事録修正部25は、この時点の議事録をこの会議における議事録として確定し、この議事録をディスク装置20に格納するとともに、所定の送付先(例えば、1以上の参加者や、会議の管理者等)に送信し(ステップS21)、処理を終了する。
【0048】
次に、議事録作成支援装置10により端末2に表示される表示画面の例について説明する。
【0049】
図9は、一実施形態に係る議事録を表示する表示画面の例を示す図である。
【0050】
表示画面50は、会議全体情報表示領域51と、議題表示領域52と、議題毎表示領域53とを有する。
【0051】
会議全体情報表示領域51は、会議全体についての情報を表示する領域である。本実施形態では、会議全体情報表示領域51には、会議名と、会議の開催日時と、会議におけるメンバとの情報が表示される。
【0052】
議題表示領域52は、会議での複数の対象議題が表示される。本実施形態では、議事録修正部25は、議題表示領域52において、現在議論中の議題が、他の議題と異なる表示態様(例えば、表示色等)で表示する。
【0053】
議題毎表示領域53には、決定事項表示領域54と、宿題事項表示領域55と、質疑応答表示領域56とが表示される。決定事項表示領域54には、この領域に対応する議題に対する決定事項が表示される。宿題事項表示領域55には、この領域に対応する議題に対する宿題事項が表示される。質疑応答表示領域56には、この領域に対応する議題に対する質疑応答が表示される。
【0054】
議題毎表示領域53においては、新たな文のテキストデータが受信された場合には、この文のテキストが、分類されたラベルに対応する領域(決定事項表示領域54と、宿題事項表示領域55と、質疑応答表示領域56とのいずれかの領域)に表示される。
【0055】
端末2は、議題毎表示領域53に対して、参加者からの編集(文字の入力や、行の移動等)の指示を受付可能となっており、端末2は、受け付けた編集指示を議事録作成支援装置10に送信する。この場合には、議事録修正部25は、受信した編集指示に従う内容を議事録に反映させて、反映後の議事録を端末2に表示させる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る議事録作成支援装置10によると、議題毎に必要な項目を整理した議事録を容易に作成することができる。
【0057】
次に、議事録作成支援装置10の変形例について説明する。
【0058】
変形例に係る議事録作成支援装置10は、ディスク装置20に、CPU11に実行されることにより進捗表示部を構成するプログラムを更に有するとともに、議事録作成部24に新たな機能が追加されている。
【0059】
進捗表示部は、文脈解析部23によって数えられた対象議題に対応する議題毎重要用語の出現回数と、それぞれの基準回数とに基づいて、会議の進捗度(進捗状況の一例)を推定する。具体的には、進捗表示部は、対象議題についての各議題毎重要用語の出現回数(ただし、特定の議題毎重要用語の出現回数が基準回数を超える場合には、その議題毎重要用語については基準回数)の合計を、対象議題についての各議題毎重要用語の基準回数の合計で除算することにより進捗度を推定する。
【0060】
また、進捗表示部は、会議における議題に関する進捗度を示す画像と、会議の開始からの経過時間を示す画像と、議事録とを含む表示画面60(図10参照)を端末2に表示させる。
【0061】
議事録作成部24は、議事録の表示画面において、議事録フォーマット30において記入がされていないプレースフォルダーを認識可能に表示させたり、記入がされていないプレースフォルダーへの入力や、追加入力すべき情報の入力を促す表示をさせたりする。
【0062】
次に、議事録作成支援装置10により端末2に表示される表示画面の例について説明する。
【0063】
図10は、変形例に係る議事録を表示する表示画面の例を示す図である。
【0064】
表示画面60は、進捗度表示領域61と、経過時間表示領域65と、議事録表示領域66とを有する。
【0065】
進捗度表示領域61には、会議の進捗度を表示する領域であり、議題を示すシンボル62と、議題に関する進捗を示す進捗画像63とが表示される。進捗画像63は、進捗度の大きさを示す複数(図10では、5つ)の画像片63aで構成される。進捗画像63においては、進捗度の大きさに応じて、画像片63aの色が変更される。図10では、次年度体制検討の議題に対する進捗度が0.8(80%)である場合の例を示しており、5つの画像片63aの中の80%である4つの画像片63aの色が変更されている。この進捗度表示領域61によると、議題に対する進捗の状態を容易且つ適切に把握することができる。
【0066】
経過時間表示領域65は、会議の経過時間を表示する領域であり、例えば、経過時間が着色部分の長さにより表示されている。
【0067】
議事録表示領域66には、表示画面50と同様な内容が表示されるとともに、必要な内容が入力をされていないことを示す記号70や、必要な情報の入力を促すコメント71等が表示される。
【0068】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0069】
例えば、上記実施形態では、議事録作成支援装置10は、オンライン会議システム3から会議の音声データに基づく文字データを受信し、その文字データを用いて議事録を作成するようにしていたが、本発明はこれに限られず、議事録作成支援装置10は、オンライン会議システム3から会議の音声データを取得し、音声テキスト変換部22により音声データを文字データに変換して、その文字データを用いて議事録を作成するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、会議における音声データをリアルタイムで文字データに変換して、議事録作成支援装置10に送信するようにしていたが、本発明はこれに限られず、会議における音声データをリアルタイムで文字データに変換して送信しなくてもよく、例えば、会議終了後に会議における全ての音声データを文字データに変換し、この文字データを議事録作成支援装置10に送信するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、受け付けた他の会議の議事録を用いて、議題毎重要用語を抽出するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、複数の議事録をディスク装置20等に格納しておき、受け付けた議題に対応する(同一又は類似する)議題の議事録を特定し、その議事録を用いて議題毎重要用語を抽出するようにしてもよい。また、予め議題と重要用語とを対応付けた辞書を用意しておき、その辞書から議題に対応する議題毎重要用語を抽出するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態において、プロセッサが行っていた処理の一部又は全部を、専用のハードウェア回路で行うようにしてもよい。また、上記実施形態におけるプログラムは、プログラムソースからインストールされてよい。プログラムソースは、プログラム配布サーバ又は記録メディア(例えば可搬型の記録メディア)であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…計算機システム、2…端末、3…オンライン会議システム、10…議事録作成支援装置、11…CPU、14…メインメモリ、20…ディスク装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の内容を示す会議文書データに基づいて、議事録を作成する議事録作成支援装置であって、
プロセッサと、記憶デバイスとを備え、
前記記憶デバイスは、
複数の議題のそれぞれに関する重要用語を記憶し、
前記プロセッサは、
前記会議における議題である対象議題を複数受け付け、
前記会議文書データにおける前記対象議題に対応する1以上の前記重要用語の出現回数がそれぞれの基準回数以上となった部分を、前記会議文書データのその部分を前記会議文書データにおける対象議題が変わる境界として検出し、
前記会議文書データを前記境界に基づいて前記対象議題毎の内容に切り分けて、前記会議の内容を前記対象議題毎にまとめて議事録を作成する
議事録作成支援装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記会議文書データの各文について内容に応じて分類し、
前記議事録において、前記各文を分類に応じた前記議事録の箇所に埋め込む
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項3】
前記記憶デバイスは、
作成する議事録の基礎となる、記述すべき内容と、記述すべき箇所とが規定された議事録フォーマットを記憶し、
前記プロセッサは、
前記会議文書データの各文を、前記議事録フォーマットにおける前記文が属する範囲の議題における、前記各文の分類に応じた内容に対応する記述すべき箇所に対して埋め込むことにより、前記議事録を作成する
請求項2に記載の議事録作成支援装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記議事録フォーマットにおいて、埋め込まれていない箇所に対応する内容を特定し、特定した前記内容の提供を促す
請求項3に記載の議事録作成支援装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記会議文書データの各文の中の不要な内容であると分類された文については、前記議事録に埋め込む対象から除外する
請求項2に記載の議事録作成支援装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
複数の前記対象議題と対応する議題である対応議題を有する他の議事録に基づいて、それぞれの前記対象議題における複数の重要用語の出現度を推定し、
前記基準回数は、前記出現度に基づく数である
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記対象議題に対する会議時間を受け付け、
前記出現度に対して、前記対象議題に対する会議時間の前記対応議題の会議時間に対する比を乗算することにより前記基準回数を算出する
請求項6に記載の議事録作成支援装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記複数の重要用語に対する前記基準回数と、前記複数の重要用語についての出現回数とに基づいて、前記対象議題に対する会議の進捗状況を特定して出力する
請求項6に記載の議事録作成支援装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記会議の内容を示す会議文書データの一部分を前記会議の進捗に応じて逐次取得し、
前記取得した前記会議文書データの一部分に基づいて、前記議事録を逐次更新し、
逐次更新される前記議事録を表示させる
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記議事録を編集可能に表示させる
請求項に記載の議事録作成支援装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
複数の前記対象議題と対応する議題である対応議題を有する他の議事録を受け付け、前記他の議事録に基づいて、各対象議題における重要用語を推定して前記記憶デバイスに記憶させる
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記会議の音声データを受け付け、
前記音声データから前記会議の内容を示す文書を認識して前記会議文書データを作成する
請求項1に記載の議事録作成支援装置。
【請求項13】
会議の内容を示す会議文書データに基づいて、議事録を作成する議事録作成支援装置による議事録作成支援方法であって、
前記議事録作成支援装置は、複数の議題のそれぞれに関する重要用語を記憶し、
前記議事録作成支援装置は、
前記会議における議題である対象議題を複数受け付け、
前記会議文書データにおける前記対象議題に対応する1以上の前記重要用語の出現回数がそれぞれの基準回数以上となった部分を、前記会議文書データのその部分を、前記会議文書データにおける対象議題が変わる境界として検出し、
前記会議文書データを前記境界に基づいて前記対象議題毎の内容に切り分けて、前記会議の内容を前記対象議題毎にまとめた議事録を作成する
議事録作成支援方法。