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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178759
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電源管理装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20231211BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/38 150
H02J3/38 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091628
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】北川 友葵
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB07
5G066KB01
5G066KB03
(57)【要約】
【課題】最適な計画値を算出する電源管理装置を提供する。
【解決手段】電源管理装置10であって、太陽電池装置が電力系統に供給すると予測される予測太陽電池電力量を予測する第1電力量予測部11と、電源装置が電力系統に供給可能な最大供給可能電力量を予測する第2電力量予測部12と、計画対象時間帯に太陽電池装置が発電すると予測される予測太陽電池電力量が大きいほど、係数を小さく設定する係数設定部13と、第2電力量予測部12が算出した最大供給可能電力量に係数設定部13が設定した係数を乗算して得られる、電源装置が計画対象時間帯の間に電力系統へ供給する電力についての目標電力量と、第1電力量予測部11が算出した計画対象時間帯での予測太陽電池電力量との和を、太陽電池装置及び電源装置が計画対象時間帯の間に電力系統へ供給する計画電力量として算出する計画値算出部14とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に接続される太陽電池装置の運転と、前記電力系統に接続され、出力電力を自在に調節可能な電源装置の運転とを管理する電源管理装置であって、
前記太陽電池装置及び前記電源装置が前記電力系統への電力の供給を計画している計画対象時間帯に前記太陽電池装置が前記電力系統に供給すると予測される予測太陽電池電力量を予測する第1電力量予測部と、
前記計画対象時間帯に前記電源装置が前記電力系統に供給可能な最大供給可能電力量を予測する第2電力量予測部と、
1以下の値である係数を、前記予測太陽電池電力量が大きいほど小さく設定する係数設定部と、
前記第2電力量予測部が算出した前記最大供給可能電力量に前記係数設定部が設定した前記係数を乗算して得られる、前記電源装置が前記計画対象時間帯の間に前記電力系統へ供給する電力についての目標電力量と、前記第1電力量予測部が算出した前記計画対象時間帯での前記予測太陽電池電力量との和を、前記太陽電池装置及び前記電源装置が前記計画対象時間帯の間に前記電力系統へ供給する計画電力量として算出する計画値算出部とを備える電源管理装置。
【請求項2】
前記計画対象時間帯の途中の所定タイミングで、前記計画対象時間帯の開始時から終了時までに前記太陽電池装置及び前記電源装置が前記電力系統に供給すると予測される予測供給電力量を算出する予測値算出部と、
前記計画電力量が前記予測供給電力量よりも第1設定値以上大きい場合には、前記所定タイミングの後に前記電源装置が前記電力系統に供給する電力を増加側に変化させる指令を当該電源装置に与え、前記計画電力量が前記予測供給電力量よりも第2設定値以上小さい場合には、前記所定タイミングの後に前記電源装置が前記電力系統に供給する電力を減少側に変化させる指令を当該電源装置に与える指令出力部とを備える請求項1に記載の電源管理装置。
【請求項3】
前記予測値算出部は、前記所定タイミングで、前記太陽電池装置が前記計画対象時間帯の開始時以降に既に前記電力系統に供給した実太陽電池電力量と、前記太陽電池装置が前記計画対象時間帯の終了時までに前記電力系統に供給すると予測される予測当日太陽電池電力量と、前記電源装置が前記計画対象時間帯の開始時以降に既に前記電力系統に供給した実電源電力量と、前記電源装置が前記計画対象時間帯の終了時までに前記電力系統に供給すると予測される予測当日電源電力量との和を、前記予測供給電力量として算出する請求項2に記載の電源管理装置。
【請求項4】
前記係数設定部は、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ理論上与えられる最大の日射量に対する、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定する請求項1~3の何れか一項に記載の電源管理装置。
【請求項5】
前記係数設定部は、
前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ与えられる最大の日射量が基準日射量以上の場合、前記最大の日射量に対する、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定し、
前記最大の日射量が前記基準日射量未満の場合、前記係数を予め設定した値にする請求項1~3の何れか一項に記載の電源管理装置。
【請求項6】
前記係数設定部は、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置が理論上発電できる最大の電力量に対する、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置が発電すると予測される前記予測太陽電池電力量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定する請求項1~3の何れか一項に記載の電源管理装置。
【請求項7】
前記電源装置は燃料電池を備える請求項1~3の何れか一項に記載の電源管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統に接続される太陽電池装置の運転と、電力系統に接続され、出力電力を自在に調節可能な電源装置の運転とを管理する電源管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力システムでは電力の安定供給のため電力需給の同時同量が必要で、小売電気事業者及び発電事業者は、計画値同時同量制度の下で発電計画値と発電実績値とを一致させる必要がある。一方で太陽光発電等の自然変動電源は発電出力が変動するため、発電実績値と発電計画値の差分であるインバランスが発生しやすい傾向がある。再生可能エネルギーに関しては、現行のFIT(固定価格買取)制度では、計画値同時同量義務を一般送配電事業者が担っているが、今後はFIP(フィードインプレミアム)制度導入に伴い計画値同時同量義務は発電事業者が担う必要があり、自らインバランスを抑制する必要がある。
【0003】
特許文献1(特開2018-143045号公報)には、事前に策定した単位時間(例えば、30分)ごとの計画発電量と、電力系統へ実際に供給する単位時間ごとの電力量とを一致させるシステムが記載されている。このシステムでは、発電機として、ゴミ焼却炉などごみや汚泥、バイオマスなどを燃料として発電する第1の発電機と、その第1の発電機より出力安定性が高い、化石燃料を用いた火力、および、水力などを用いて発電する発電機である第2の発電機という2種類の発電機を用いている。そして、実際に単位時間(例えば30分)での発電の計画値と発電の実績値とを一致させる制御を行う場合には、単位時間(例えば30分)を複数の制御期間に切り分け、一の制御期間内での第1の発電機の計画発電量と実績発電量との差を検出し、検出した差に相当する発電量を、次制御期間内での第2の発電機の発電量の増減量として設定するといった制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-143045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脱炭素化に向けて普及が拡大している太陽電池装置等の自然変動電源は、気候等の影響で発電出力が大きく変動することから上述したインバランスが発生し易い。そのため、例えば太陽電池装置と、発電電力を自在に変更可能な電源装置とを併用して、発電の計画値と発電の実績値とを一致させる制御を行うことが好ましい。
【0006】
尚、特許文献1には記載されていないが、適切な発電の計画値(計画電力量)を設定することが重要になる。例えば、事前に予測される天候予報が晴天の場合、太陽電池装置の予測太陽電池電力量は太陽電池装置の最大発電電力量に近い値、即ち大きな値になる。しかし、実際の天候が曇天になった場合、太陽電池電力量は最大発電電力量よりも大幅に小さい値になるため、計画電力量からみて大きな不足電力量が発生する可能性がある。その場合、発生し得る不足電力量を、太陽電池装置とは別の種類の電源装置を用いて賄う必要があるが、不足電力量が大きすぎる場合には、電源装置でその不足電力量を賄うことができない、即ち、太陽電池装置及び電源装置が電力系統に供給する電力量が計画電力量と一致しないというインバランスが発生することになる。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、最適な計画値を算出する電源管理装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る電源管理装置の特徴構成は、電力系統に接続される太陽電池装置の運転と、前記電力系統に接続され、出力電力を自在に調節可能な電源装置の運転とを管理する電源管理装置であって、
前記太陽電池装置及び前記電源装置が前記電力系統への電力の供給を計画している計画対象時間帯に前記太陽電池装置が前記電力系統に供給すると予測される予測太陽電池電力量を予測する第1電力量予測部と、
前記計画対象時間帯に前記電源装置が前記電力系統に供給可能な最大供給可能電力量を予測する第2電力量予測部と、
1以下の値である係数を、前記予測太陽電池電力量が大きいほど小さく設定する係数設定部と、
前記第2電力量予測部が算出した前記最大供給可能電力量に前記係数設定部が設定した前記係数を乗算して得られる、前記電源装置が前記計画対象時間帯の間に前記電力系統へ供給する電力についての目標電力量と、前記第1電力量予測部が算出した前記計画対象時間帯での前記予測太陽電池電力量との和を、前記太陽電池装置及び前記電源装置が前記計画対象時間帯の間に前記電力系統へ供給する計画電力量として算出する計画値算出部とを備える点にある。
ここで、前記電源装置は燃料電池を備えていてもよい。
【0009】
上記特徴構成によれば、計画値算出部は、算出する計画電力量に、計画対象時間帯に電源装置が電力系統に供給可能な最大供給可能電力量をそのままの値で含めるのではなく、その最大供給可能電力量に1以下の係数を乗算した上で含める。つまり、電源装置は、実際の計画対象時間帯に最大供給可能電力量以下の電力量を出力するように動作、即ち、実際の計画対象時間帯に電力系統へ供給する電力量を増加させる余力を少なくとも有した状態で動作することになる。その結果、実際の計画対象時間帯に太陽電池装置が電力系統へ供給する電力が予測太陽電池電力量から減少しても、電源装置が電力系統へ供給する電力量を増加させることで、計画値同時同量を達成できる可能性が高まる。
【0010】
特に、係数設定部は、1以下の値である係数を、予測太陽電池電力量が大きいほど小さく設定している。そのため、計画値算出部が算出する計画電力量に含まれる、電源装置が計画対象時間帯の間に電力系統へ供給する電力についての目標電力量は、予測太陽電池電力量が大きいほど、電源装置の最大供給可能電力量と比べて大幅に小さい値になる。つまり、計画電力量を算出する計画段階で予測太陽電池電力量が大きい場合、電源装置には、実際の計画対象時間帯に電力系統へ供給する電力量を増加させる余力がより大きく残される。その結果、例えば事前に予測される計画対象時間帯の天候予報が晴天であったために太陽電池装置の予測太陽電池電力量がその最大発電電力量に近い大きな値になっていたが、実際の計画対象時間帯の天候が曇天になることで実際の太陽電池電力量が最大発電電力量よりも大幅に小さい値になったとしても、電源装置は電力系統に供給する電力量を大きく増加させることができるため、計画値同時同量を達成できる可能性が高まる。
【0011】
それに対して、計画値算出部が算出する計画電力量に含まれる、電源装置が計画対象時間帯の間に電力系統へ供給する電力についての目標電力量は、予測太陽電池電力量が小さいほど、電源装置の最大供給可能電力量に近い値になる。つまり、計画電力量を算出する計画段階で予測太陽電池電力量が小さい場合、電源装置には、実際の計画対象時間帯に電力系統へ供給する電力量を減少させる余力がより大きく残される。その結果、例えば事前に予測される計画対象時間帯の天候予報が曇天であったために太陽電池装置の予測太陽電池電力量がその最大発電電力量によりも大幅に小さい値になっていたが、実際の計画対象時間帯の天候が晴天になることで実際の太陽電池電力量が最大発電電力量に近い大きな値になったとしても、電源装置は電力系統に供給する電力量を大きく減少させることができるため、計画値同時同量を達成できる可能性が高まる。
【0012】
以上のように、計画対象時間帯に太陽電池装置が電力系統に供給する電力量が予測太陽電池電力量から大幅に増減した場合であっても計画値同時同量を達成できる可能性が高い最適な計画値を算出する電源管理装置を提供できる。
【0013】
本発明に係る電源管理装置の別の特徴構成は、前記計画対象時間帯の途中の所定タイミングで、前記計画対象時間帯の開始時から終了時までに前記太陽電池装置及び前記電源装置が前記電力系統に供給すると予測される予測供給電力量を算出する予測値算出部と、
前記計画電力量が前記予測供給電力量よりも第1設定値以上大きい場合には、前記所定タイミングの後に前記電源装置が前記電力系統に供給する電力を増加側に変化させる指令を当該電源装置に与え、前記計画電力量が前記予測供給電力量よりも第2設定値以上小さい場合には、前記所定タイミングの後に前記電源装置が前記電力系統に供給する電力を減少側に変化させる指令を当該電源装置に与える指令出力部とを備える点にある。
ここで、前記予測値算出部は、前記所定タイミングで、前記太陽電池装置が前記計画対象時間帯の開始時以降に既に前記電力系統に供給した実太陽電池電力量と、前記太陽電池装置が前記計画対象時間帯の終了時までに前記電力系統に供給すると予測される予測当日太陽電池電力量と、前記電源装置が前記計画対象時間帯の開始時以降に既に前記電力系統に供給した実電源電力量と、前記電源装置が前記計画対象時間帯の終了時までに前記電力系統に供給すると予測される予測当日電源電力量との和を、前記予測供給電力量として算出できる。
【0014】
上記特徴構成によれば、予測値算出部は、計画対象時間帯の途中の所定タイミングで、計画対象時間帯の開始時から終了時までに太陽電池装置及び電源装置が電力系統に供給すると予測される予測供給電力量を算出し、指令出力部は、計画電力量が予測供給電力量よりも第1設定値以上大きい場合には、前記所定タイミングの後に前記電源装置が前記電力系統に供給する電力を増加側に変化させる指令を当該電源装置に与え、前記計画電力量が前記予測供給電力量よりも第2設定値以上小さい場合には、前記所定タイミングの後に前記電源装置が前記電力系統に供給する電力を減少側に変化させる指令を当該電源装置に与える。その結果、計画対象時間帯に太陽電池装置及び電源装置が電力系統に供給する電力量を予め設定した計画電力量に近づけることができる。
【0015】
本発明に係る電源管理装置の更に別の特徴構成は、前記係数設定部は、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ理論上与えられる最大の日射量に対する、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定する点にある。
【0016】
計画対象時間帯に太陽電池装置へ理論上与えられる最大の日射量に対する、計画対象時間帯に太陽電池装置へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、計画対象時間帯に太陽電池装置が電力系統に供給すると予測される予測太陽電池電力量は大きくなる。そこで本特徴構成において係数設定部は、計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ理論上与えられる最大の日射量に対する、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定する。
【0017】
本発明に係る電源管理装置の更に別の特徴構成は、前記係数設定部は、
前記最大の日射量が基準日射量以上の場合、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ与えられる最大の日射量に対する、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定し、
前記最大の日射量が前記基準日射量未満の場合、前記係数を予め設定した値にする点にある。
【0018】
例えば、朝及び夕方などの時間帯は、太陽電池装置へ理論上与えられる最大の日射量が非常に小さいため、予測日射量に誤差が発生すると、その誤差は最大の日射量に対する予測日射量の比率に大きく影響してしまう。そして、上記係数の大きさに大きく影響してしまう。そのため、朝及び夕方などの時間帯は、別の手法で上記係数を決定するのが好ましい。
そこで本特徴構成では、計画対象時間帯に太陽電池装置へ理論上与えられる最大の日射量が基準日射量未満の場合、上記係数を予め設定した値にする。その結果、予測日射量に発生した誤差が最大の日射量に対する予測日射量の比率に大きく影響し、上記係数の大きさに大きく影響してしまうことを回避できる。
【0019】
本発明に係る電源管理装置の更に別の特徴構成は、前記係数設定部は、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置が理論上発電できる最大の電力量に対する、前記計画対象時間帯に前記太陽電池装置が発電すると予測される前記予測太陽電池電力量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定する点にある。
【0020】
計画対象時間帯に太陽電池装置が理論上発電できる最大の電力量に対する、計画対象時間帯に前記太陽電池装置が発電すると予測される前記予測太陽電池電力量の比率が大きいということは、計画対象時間帯に太陽電池装置が電力系統に供給すると予測される予測太陽電池電力量が大きいことを意味する。そこで本特徴構成において係数設定部は、計画対象時間帯に太陽電池装置が理論上発電できる最大の電力量に対する、計画対象時間帯に前記太陽電池装置が発電すると予測される前記予測太陽電池電力量の比率が大きいほど、前記係数を小さく設定する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】電源管理装置の構成を示す図である。
図2】計画値の算出処理を説明する図である。
図3】実太陽電池電力量、予測当日太陽電池電力量、実電源電力量、及び、予測当日電源電力量について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に図面を参照して本発明の実施形態に係る電源管理装置10について説明する。
図1は電源管理装置10の構成を示す図である。図2は計画値の算出処理を説明する図である。電源管理装置10は、電力系統1に接続される太陽電池装置2の運転と、電力系統1に接続され、出力電力を自在に調節可能な電源装置3の運転とを管理する。
【0023】
例えば、電源管理装置10は、太陽電池装置2及び電源装置3が電力系統1への電力の供給を計画している計画対象時間帯よりも前に(例えば、計画対象時間帯の前日に、又は、当日の計画対象時間帯よりも1時間前などに)、太陽電池装置2及び電源装置3がその計画対象時間帯の間に電力系統1へ供給する計画電力量を算出する。そして、電源管理装置10は、実際の計画対象時間帯では、計画対象時間帯の開始時から終了時までに太陽電池装置2及び電源装置3が電力系統1に供給する電力量が、上記計画電力量と等しくなるように太陽電池装置2及び電源装置3の動作を制御する。電源装置3は例えば燃料電池を備える装置であり、発電電力を自在に増減させることができる。
【0024】
電源管理装置10は、第1電力量予測部11と、第2電力量予測部12と、係数設定部13と、計画値算出部14とを備える。加えて、本実施形態の電源管理装置10は、予測値算出部15と、指令出力部16と、電源管理装置10で取り扱われる情報を記憶する情報記憶部17を備える。
【0025】
第1電力量予測部11は、太陽電池装置2及び電源装置3が電力系統1への電力の供給を計画している計画対象時間帯に太陽電池装置2が電力系統1に供給すると予測される予測太陽電池電力量を予測する。例えば、第1電力量予測部11は、情報提供サーバ装置4から提供される、計画対象時間帯に太陽電池装置2が受けることができる予測日射量に基づいて予測太陽電池電力量を予測できる。この予測日射量は、太陽電池装置2が設置されている地域の天候予報などが考慮された値である。
【0026】
第2電力量予測部12は、計画対象時間帯に電源装置3が電力系統1に供給可能な最大供給可能電力量を予測する。具体的に説明すると、情報記憶部17には、電源装置3が設けられている施設での、1時間毎などの単位時間毎の負荷電力量の推移が分かる過去負荷データが記憶されている。そのため、第2電力量予測部12は、その過去負荷データに基づいて、1時間毎などの単位時間毎の負荷電力量の予測値の推移を算出できる。また、情報記憶部17には、電源装置3の定格電力等の出力可能電力が分かるデータ、即ち、電源装置3の1時間毎などの単位時間毎の出力可能電力量が分かるデータが記憶されている。その結果、第2電力量予測部12は、出力可能電力量から負荷電力量の予測値を減算して、電源装置3の1時間毎などの単位時間毎に電力系統1に供給可能な最大の電力量を算出できる。尚、この「供給可能な最大の電力量」はゼロ以上の値であり、ある単位時間で電源装置3が出力可能な電力量が負荷電力量の予測値以下である場合には、その単位時間での「供給可能な最大の電力量」はゼロとなる。例えば、電源装置3の出力可能電力が700W(即ち、1時間での最大出力可能電力量が700Wh)であり、1時間での負荷電力量の予測値が200Whの場合、電源装置3が電力系統1に供給可能な電力量は0Wh~500Wh、即ち、電源装置3が電力系統1に供給可能な最大の電力量は500Whとなる。その結果、第2電力量予測部12は、1時間毎などの単位時間毎に電源装置3が電力系統1に供給可能な最大の電力量を合計して、計画対象時間帯に電源装置3が電力系統1に供給可能な最大供給可能電力量を予測できる。尚、上記電源装置3として含まれる装置の台数は適宜変更可能である。
【0027】
係数設定部13は、1以下の値である係数を、計画対象時間帯に太陽電池装置2が発電すると予測される予測太陽電池電力量が大きいほど小さく設定する。そして、計画値算出部14は、第2電力量予測部12が算出した最大供給可能電力量に係数設定部13が設定した係数を乗算して得られる、電源装置3が計画対象時間帯の間に電力系統1へ供給する電力についての目標電力量と、第1電力量予測部11が算出した計画対象時間帯での予測太陽電池電力量との和を、太陽電池装置2及び電源装置3が計画対象時間帯の間に電力系統1へ供給する計画電力量として算出する。
【0028】
つまり、計画値算出部14は、第1電力量予測部11が算出した太陽電池装置2の予測太陽電池電力量と、第2電力量予測部12が算出した電源装置3の最大供給可能電力量との和を、上記計画電力量として算出するのではなく、電源装置3の最大供給可能電力量を上記係数で補正した上で予測太陽電池電力量と合計して、計画電力量を導出する。
【0029】
以下に、上記計画電力量を算出するために係数設定部13が設定する係数を用いる理由について説明する。
【0030】
実際の計画対象時間帯では、太陽電池電力量と電源装置3が電力系統1に供給する電力量との和を予め設定した計画電力量に一致させる計画値同時同量を達成する必要があるため、太陽電池電力量が計画段階の値から増減変動した場合、その変動分は電源装置3の出力を増減させて対応しなければならない。
【0031】
例えば、事前に予測される計画対象時間帯での天候予報が晴天の場合、第1電力量予測部11が予測する予測太陽電池電力量は太陽電池装置2の最大発電電力量に近い値、即ち大きな値になる。しかし、実際の天候が曇天になった場合、太陽電池電力量は最大発電電力量よりも大幅に小さい値になる可能性がある。このように、第1電力量予測部11が予測した予測太陽電池電力量が大きいほど、実際の計画対象時間帯での実際の太陽電池電力量が予測太陽電池電力量よりも小さくなる場合の減少幅は大きいが、大きくなる場合の増加幅は小さい。
【0032】
それに対して、事前に予測される計画対象時間帯での天候予報が曇天の場合、第1電力量予測部11が予測する予測太陽電池電力量は太陽電池装置2の最大発電電力量よりも大幅に小さい値になる。しかし、実際の天候が晴天になった場合、太陽電池電力量は最大発電電力量に近い値になる可能性がある。このように、第1電力量予測部11が予測した予測太陽電池電力量が小さいほど、実際の計画対象時間帯での実際の太陽電池電力量が予測太陽電池電力量よりも大きくなる場合の増加幅は大きいが、小さくなる場合の減少幅は小さい。
【0033】
そのため、例えば、計画対象時間帯での実際の太陽電池電力量が予測太陽電池電力量よりも小さくなる場合の減少幅が大きくなり得る場合には、実際の計画対象時間帯に電源装置3の出力を計画段階よりも大幅に増加できるように、予め電源装置3の出力電力量の計画値を意図的に小さめに設定する処理を行っておけばよい。それに対して、計画対象時間帯での実際の太陽電池電力量が予測太陽電池電力量よりも大きくなる場合の増加幅が大きくなり得る場合には、実際の計画対象時間帯に電源装置3の出力を計画段階よりも大幅に減少できるように、予め計画値を意図的に大きめに設定する処理を行っておけばよい。このように、計画値を意図的に大きめに又は小さめに設定するために用いるのが、係数設定部13が設定する係数である。
【0034】
特に、本実施形態では、係数設定部13は、計画対象時間帯に太陽電池装置2が発電すると予測される予測太陽電池電力量が大きいほど、係数を小さく設定する。そして、電源装置3が計画対象時間帯の間に電力系統1へ供給する電力についての目標電力量は、第2電力量予測部12が算出した最大供給可能電力量に係数設定部13が設定した係数を乗算して得られた値になる。つまり、第1電力量予測部11が予測した太陽電池装置2の予測太陽電池電力量が大きいほど上記係数は小さな値になり、その結果、電源装置3の出力電力量の計画値は意図的に小さめに設定される。それに対して、第1電力量予測部11が予測した太陽電池装置2の予測太陽電池電力量が小さいほど上記係数は大きな値になり、その結果、電源装置3の出力電力量の計画値は意図的に大きめに設定される。
【0035】
〔係数設定部13により設定される係数の例1〕
この例の場合、係数設定部13は、計画対象時間帯に太陽電池装置2へ理論上与えられる最大の日射量に対する、計画対象時間帯に太陽電池装置2へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、係数を小さく設定する。つまり、計画対象時間帯に太陽電池装置2へ理論上与えられる最大の日射量に対する、計画対象時間帯に太陽電池装置2へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きい場合、計画対象時間帯に太陽電池装置2が発電すると予測される予測太陽電池電力量が大きくなる。そのため、係数設定部13は、それに応じて係数を小さく設定する。計画対象時間帯に太陽電池装置2へ理論上与えられる最大の日射量は、例えば大気外日射量に基づいて算出できる。
【0036】
〔係数設定部13により設定される係数の例2〕
この例の場合、係数設定部13は、最大の日射量が基準日射量以上の場合、計画対象時間帯に太陽電池装置2へ与えられる最大の日射量に対する、計画対象時間帯に太陽電池装置2へ与えられると予測される予測日射量の比率が大きいほど、係数を小さく設定し、最大の日射量が基準日射量未満の場合、係数を予め設定した値にする。
【0037】
〔係数設定部13により設定される係数の例3〕
この例の場合、係数設定部13は、計画対象時間帯に太陽電池装置2が理論上発電できる最大の電力量に対する、計画対象時間帯に太陽電池装置2が発電すると予測される予測太陽電池電力量の比率が大きいほど、係数を小さく設定する。つまり、計画対象時間帯に太陽電池装置2が理論上発電できる最大の電力量に対する、計画対象時間帯に太陽電池装置2が発電すると予測される予測太陽電池電力量の比率が大きい場合、計画対象時間帯に太陽電池装置2が発電すると予測される予測太陽電池電力量が大きくなる。そのため、係数設定部13は、それに応じて係数を小さく設定する。計画対象時間帯に太陽電池装置2が理論上発電できる最大の電力量は、例えば太陽電池装置2の定格出力電力に基づいて算出できる。
【0038】
以上のように、計画値算出部14は、算出する計画電力量に、計画対象時間帯に電源装置3が電力系統1に供給可能な最大供給可能電力量をそのままの値で含めるのではなく、その最大供給可能電力量に1以下の係数を乗算した上で含める。つまり、電源装置3は、実際の計画対象時間帯に最大供給可能電力量以下の電力量を出力するように動作、即ち、実際の計画対象時間帯に電力系統1へ供給する電力量を増加させる余力を少なくとも有した状態で動作することになる。その結果、実際の計画対象時間帯に太陽電池装置2が電力系統1へ供給する電力が予測太陽電池電力量から減少しても、電源装置3が電力系統1へ供給する電力量を増加させることで、計画値同時同量を達成できる可能性が高まる。
【0039】
特に、係数設定部13は、1以下の値である係数を、予測太陽電池電力量が大きいほど小さく設定している。そのため、計画値算出部14が算出する計画電力量に含まれる、電源装置3が計画対象時間帯の間に電力系統1へ供給する電力についての目標電力量は、予測太陽電池電力量が大きいほど、電源装置3の最大供給可能電力量と比べて大幅に小さい値になる。つまり、計画電力量を算出する計画段階で予測太陽電池電力量が大きい場合、電源装置3には、実際の計画対象時間帯に電力系統1へ供給する電力量を増加させる余力がより大きく残される。その結果、例えば事前に予測される計画対象時間帯の天候予報が晴天であったために太陽電池装置2の予測太陽電池電力量がその最大発電電力量に近い大きな値になっていたが、実際の計画対象時間帯の天候が曇天になることで実際の太陽電池電力量が最大発電電力量よりも大幅に小さい値になったとしても、電源装置3は電力系統1に供給する電力量を大きく増加させることができるため、計画値同時同量を達成できる可能性が高まる。
【0040】
それに対して、計画値算出部14が算出する計画電力量に含まれる、電源装置3が計画対象時間帯の間に電力系統1へ供給する電力についての目標電力量は、予測太陽電池電力量が小さいほど、電源装置3の最大供給可能電力量に近い値になる。つまり、計画電力量を算出する計画段階で予測太陽電池電力量が小さい場合、電源装置3には、実際の計画対象時間帯に電力系統1へ供給する電力量を減少させる余力がより大きく残される。その結果、例えば事前に予測される計画対象時間帯の天候予報が曇天であったために太陽電池装置2の予測太陽電池電力量がその最大発電電力量によりも大幅に小さい値になっていたが、実際の計画対象時間帯の天候が晴天になることで実際の太陽電池電力量が最大発電電力量に近い大きな値になったとしても、電源装置3は電力系統1に供給する電力量を大きく減少させることができるため、計画値同時同量を達成できる可能性が高まる。
【0041】
以上のようにして計画電力量を算出し、実際の計画対象時間帯では、その計画電力量と、実際に太陽電池電力量と電源装置3が電力系統1に供給する電力量との和を一致させる計画値同時同量を達成するための制御が行われる。その制御について以下に説明する。
【0042】
本実施形態では、電源管理装置10は、計画対象時間帯の途中の所定タイミングで、計画対象時間帯の開始時から終了時までに太陽電池装置2及び電源装置3が電力系統1に供給すると予測される予測供給電力量を算出する予測値算出部15と、計画電力量が予測供給電力量よりも第1設定値以上大きい場合(即ち、計画電力量が予測供給電力量よりも大きく、且つ、その差が第1設定値以上である場合)には、所定タイミングの後に電源装置3が電力系統1に供給する電力を増加側に変化させる指令を当該電源装置3に与え、計画電力量が予測供給電力量よりも第2設定値以上小さい場合(即ち、計画電力量が予測供給電力量よりも小さく、且つ、その差が第2設定値以上である場合)には、所定タイミングの後に電源装置3が電力系統1に供給する電力を減少側に変化させる指令を当該電源装置3に与える指令出力部16とを備える。ここで、第1設定値及び第2設定値は正の数である。尚、指令出力部16は、計画電力量が予測供給電力量よりも大きいものの、その差が第1設定値未満である場合、及び、計画電力量が予測供給電力量よりも小さいものの、その差が第2設定値未満である場合には、電源装置3が電力系統1に供給する電力を変化させる指令を当該電源装置3に与えない。ここで、上記第1設定値及び第2設定値の大きさは適宜設定可能であり、例えばゼロであってもよい。
【0043】
具体的には、予測値算出部15は、所定タイミングで、太陽電池装置2が計画対象時間帯の開始時以降に既に電力系統1に供給した実太陽電池電力量と、太陽電池装置2が計画対象時間帯の終了時までに電力系統1に供給すると予測される予測当日太陽電池電力量と、電源装置3が計画対象時間帯の開始時以降に既に電力系統1に供給した実電源電力量と、電源装置3が計画対象時間帯の終了時までに電力系統1に供給すると予測される予測当日電源電力量との和を、予測供給電力量として算出する。尚、予測当日太陽電池電力量及び予測当日電源電力量には、既に電力系統1に供給した電力は含まれず、今後に電力系統1に供給すると予測される電力量のみを含む。
【0044】
図3は、計画対象時間帯が30分間であり、上述した所定タイミングが、15分経過時点のタイミングである場合での、実太陽電池電力量、予測当日太陽電池電力量、実電源電力量、及び、予測当日電源電力量について説明する図である。
【0045】
電源管理装置10は、太陽電池装置2から、太陽電池装置2が電力系統1に供給した実際の太陽電池電力についての情報を逐次収集して記憶し、電源装置3から、電源装置3が電力系統1に供給した実際の供給電力についての情報を逐次収集して記憶しているものとする。
【0046】
そして、予測値算出部15は、太陽電池装置2から設定タイミング毎(例えば1分毎など)に逐次収集した、太陽電池装置2が電力系統1に供給した実際の太陽電池電力についての情報に基づいて、太陽電池装置2が計画対象時間帯の開始時から15分経過時点までに既に電力系統1に供給した実太陽電池電力量を算出する。また、予測値算出部15は、太陽電池装置2が、15分経過時点から計画対象時間帯の終了時までの間の設定タイミング毎(例えば1分毎など)で電力系統1に供給できると予測される予測太陽電池電力を、情報提供サーバ装置4から提供される、太陽電池装置2が設置されている地域での上記設定タイミング毎の大気外日射量に基づいて算出し、その予測太陽電池電力に基づいて、15分経過時点から計画対象時間帯の終了時までの間に電力系統1に供給すると予測される予測当日太陽電池電力量を算出する。
【0047】
予測値算出部15は、電源装置3から設定タイミング毎(例えば1分毎など)に逐次収集した、電源装置3が電力系統1に供給した実際の供給電力についての情報に基づいて、電源装置3が計画対象時間帯の開始時から15分経過時点までに既に電力系統1に供給した実電源電力量を算出する。また、予測値算出部15は、電源装置3が、15分経過時点から計画対象時間帯の終了時までの間に電力系統1に供給できると予測される予測当日電源電力量を決定する。例えば、予測値算出部15は、電源装置3から収集した最新の供給電力の実績値を15分経過時点から計画対象時間帯の終了時まで電力系統1に継続して供給すると仮定して、即ち、最新の供給電力の実績値と同じ電力を、15分経過時点から計画対象時間帯の終了時までの間の設定タイミング毎で電力系統1に供給できると予測される予測供給電力として決定して、15分経過時点から計画対象時間帯の終了時までの間に電力系統1に供給すると予測される予測当日電源電力量を算出する。
【0048】
そして、予測値算出部15は、算出した実太陽電池電力量、予測当日太陽電池電力量、実電源電力量、及び、予測当日電源電力量の合計を、予測供給電力量として算出する。
【0049】
以上のように、計画値同時同量を達成するための実際の制御では、予測値算出部15は、計画対象時間帯の途中の所定タイミングで、計画対象時間帯の開始時から終了時までに太陽電池装置2及び電源装置3が電力系統1に供給すると予測される予測供給電力量を算出し、指令出力部16は、計画電力量が予測供給電力量よりも第1設定値以上大きい場合には、所定タイミングの後に電源装置3が電力系統1に供給する電力を増加側に変化させる指令を当該電源装置3に与え、計画電力量が予測供給電力量よりも第2設定値以上小さい場合には、所定タイミングの後に電源装置3が電力系統1に供給する電力を減少側に変化させる指令を当該電源装置3に与える。その結果、計画対象時間帯に太陽電池装置2及び電源装置3が電力系統1に供給する電力量を予め設定した計画電力量に近づけることができる。
【0050】
尚、図3には、電源装置3が電力系統1に供給する電力を制御するタイミングが30分の計画対象時間帯の15分時点である例を説明したが、そのタイミングは適宜変更可能である。例えば、30分の計画対象時間帯の5分毎のタイミングで電源装置3が電力系統1に供給する電力を制御してもよい。
【0051】
その場合、電源装置3が電力系統1に供給する電力の制御内容を各タイミング毎で異ならせてもよい。例えば、30分の計画対象時間帯の5分時点及び10分時点で予測供給電力量と計画電力量との間に相違が存在する場合、その相違電力量を残りの時間で均等に負担するように(例えば、10分時点で予測供給電力量が計画電力量よりも2000Wh小さい場合、5分毎に500Whの不足が解消されるように)電源装置3が電力系統1に供給する電力を制御し、15分時点、20分時点、25分時点で予測供給電力量と計画電力量との間に相違が存在する場合、その相違電力量を次の5分間で負担するように(例えば、15分時点で予測供給電力量が計画電力量よりも200Wh小さい場合、15分から20分の間の5分間でその200Whの不足が解消されるように)電源装置3が電力系統1に供給する電力を制御するといった制御を行ってもよい。
【0052】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、電源管理装置10の構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
【0053】
<2>
上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、最適な計画値を算出する電源管理装置に利用できる。
【符号の説明】
【0055】
1 電力系統
2 太陽電池装置
3 電源装置
4 情報提供サーバ装置
10 電源管理装置
11 第1電力量予測部
12 第2電力量予測部
13 係数設定部
14 計画値算出部
15 予測値算出部
16 指令出力部
17 情報記憶部
図1
図2
図3