IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フタバ産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-排ガス浄化装置 図1
  • 特開-排ガス浄化装置 図2
  • 特開-排ガス浄化装置 図3
  • 特開-排ガス浄化装置 図4
  • 特開-排ガス浄化装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178768
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】排ガス浄化装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
F01N3/28 311E
F01N3/28 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091654
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 誠
(72)【発明者】
【氏名】田中 規
(72)【発明者】
【氏名】塚田 泰明
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AA17
3G091AA18
3G091AB13
3G091BA07
3G091BA09
3G091GA06
3G091GA16
3G091HA28
(57)【要約】
【課題】破損を抑制し、かつ、圧力損失の増加を抑制しながら、排ガス処理体の移動を抑制することができる技術を提案する。
【解決手段】排ガス浄化装置は、ケースと、排ガス処理体と、支持部材と、を備える。排ガス処理体は、柱状の形状であり、当該柱状の形状の長さ方向に延びる複数の孔を有する。支持部材は、ケースにおける排ガス処理体の下流に設けられる。排ガス処理体の複数の第1の孔には、当該排ガス処理体の下流側端部において、排ガスの流れを制限する目封じ部が形成されている。支持部材を排ガス処理体の端面に投影したときに、対向壁は、複数の第2の孔が形成された位置それぞれに貫通孔が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス浄化装置であって、
ケースと、
前記ケースに収容され、柱状の形状であり、当該柱状の形状の長さ方向に延びる複数の孔を有する排ガス処理体と、
前記ケースにおける前記排ガス処理体の下流に設けられ、前記排ガス処理体の下流側端面に対向して当該端面に沿って広がる対向壁を有する支持部材と、を備え、
前記排ガス処理体の前記複数の孔のうちの一部の孔である複数の第1の孔には、当該排ガス処理体の下流側端部において、排ガスの流れを制限する目封じ部が形成されており、
前記支持部材を前記排ガス処理体の前記端面に投影したときに、前記対向壁は、前記複数の孔のうち前記複数の第1の孔以外の孔である複数の第2の孔が形成された位置それぞれに貫通孔が形成されている、排ガス浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排ガス浄化装置であって、
前記対向壁には、前記排ガス処理体の前記複数の第1の孔それぞれに向かって延び出す複数の突起部が設けられており、
前記複数の突起部は、前記目封じ部のそれぞれに刺し込まれている、排ガス浄化装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化装置であって、
前記対向壁は、前記排ガス処理体の下流側端面に当接している、排ガス浄化装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化装置であって、
前記支持部材を前記排ガス処理体の前記端面に投影したときに、複数の前記貫通孔それぞれの面積は、前記複数の第2の孔それぞれの面積よりも大きい、排ガス浄化装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化装置であって、
前記支持部材を前記排ガス処理体の前記端面に投影したときに、前記複数の第2の孔の重心の位置は、複数の前記貫通孔の重心の位置と一致する、排ガス浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、柱状の排ガス処理体を有する排ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、触媒やパティキュレートフィルタ等の排ガス処理体を備える排ガス浄化装置が用いられている。特許文献1では、排ガス処理体であるフィルタの下流に、フィルタの下流への移動を抑制する支持部材(押さえ部材)を備える構成が開示されている。このような構成では、排ガス処理体が排ガスのガス圧や振動で下流に移動してしまうことが、排ガス処理体と押さえ部材とが当接することによって抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-303126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排ガス処理体の下流に支持部材が配置されていると、支持部材が排ガス処理体の出口部分を塞いでしまうことによって、排ガスの排気系における圧力損失が高くなってしまう可能性がある。しかし、特許文献1のように多数の貫通孔を全面に形成するなど、排ガスの通過可能な流路を多く形成すると、支持部材の強度低下に繋がり、破損しやすくなってしまう。
【0005】
本開示の目的は、破損を抑制し、かつ、圧力損失の増加を抑制しながら、排ガス処理体の移動を抑制することができる技術を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、排ガス浄化装置であって、ケースと、排ガス処理体と、支持部材と、を備える。排ガス処理体は、ケースに収容される。また排ガス処理体は、柱状の形状であり、当該柱状の形状の長さ方向に延びる複数の孔を有する。支持部材は、ケースにおける排ガス処理体の下流に設けられる。また支持部材は、排ガス処理体の下流側端面に対向して当該端面に沿って広がる対向壁を有する。排ガス処理体の複数の孔のうちの一部の孔である複数の第1の孔には、当該排ガス処理体の下流側端部において、排ガスの流れを制限する目封じ部が形成されている。支持部材を排ガス処理体の端面に投影したときに、対向壁は、複数の孔のうち複数の第1の孔以外の孔である複数の第2の孔が形成された位置それぞれに貫通孔が形成されている。
【0007】
このような構成であれば、複数の第2の孔から排出された排ガスは、支持部材の貫通孔をスムーズに通過する。そのため、支持部材による排気系の圧力損失の増加量を低減できる。また、貫通孔が上述した配置であるから、圧力損失の増加抑制を効果的に実現できる結果、貫通孔が不要に増加することによる支持部材の強度低下を抑制することができる。したがって、上記支持部材の破損を抑制し、かつ、圧力損失の増加を抑制しながら、支持部材によって排ガス処理体の移動を抑制することができる。
【0008】
上述した排ガス浄化装置において、対向壁には、排ガス処理体の複数の第1の孔それぞれに向かって延び出す複数の突起部が設けられていてもよい。複数の突起部は、目封じ部のそれぞれに刺し込まれていてもよい。
【0009】
このような構成であれば、突起部によって、排ガス処理体と支持部材との位置がずれてしまうことを抑制できる。そのため、複数の第2の孔と複数の貫通孔との位置ずれの発生を抑制でき、圧力損失の増加をより好適に抑制することができる。
【0010】
また上述した排ガス浄化装置において、対向壁は、排ガス処理体の下流側端面に当接していてもよい。このような構成であれば、複数の第2の孔から排出された排ガスが複数の貫通孔にスムーズに流れ込むため、圧力損失の増加をより好適に抑制することができる。
【0011】
また上述した排ガス浄化装置において、支持部材を排ガス処理体の端面に投影したときに、複数の貫通孔それぞれの面積は、複数の第2の孔それぞれの面積よりも大きくてもよい。このような構成であれば、複数の貫通孔の面積が複数の第2の孔よりも小さいことに起因して圧力損失が増加してしまうことを抑制できる。
【0012】
また上述した排ガス浄化装置において、支持部材を排ガス処理体の端面に投影したときに、複数の第2の孔の重心の位置は、複数の貫通孔の重心の位置と一致してもよい。このような構成であれば、複数の第2の孔から排出される排ガスが複数の貫通孔をスムーズに通過するため、圧力損失の増加をより好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の排ガス浄化装置の、排ガスの流れ方向に沿った平面による断面模式図である。
図2】実施形態の排ガス処理体を下流側から見た斜視図である。
図3】実施形態の支持部材を上流側から見た斜視図である。
図4】実施形態の支持部材を排ガス処理体の下流側端面に投影したときの図である。
図5】変形例の支持部材を排ガス処理体の下流側端面に投影したときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
[1.実施形態]
[1-1.排ガス浄化装置の構成]
図1に示す排ガス浄化装置1は、排ガスに含まれる環境汚染物質を処理するための装置である。本実施形態では、ガソリンエンジンの排ガスを処理する装置を例示する。排ガス浄化装置1は、ケース11と、排ガス処理体12と、支持部材13と、を備える。図1において、排ガスは、左から右に向かって流れる。すなわち、排ガスの流れに関して、左側が上流側となる。
【0015】
ケース11は、排ガスの発生源であるガソリンエンジンからシステムの外部に至るまでの排ガス流路の一部を構成する。ケース11は、全体として筒状の形状であり、本体部21、入口部22、及び出口部23を有する。ケース11は、例えば、金属で構成されていてもよい。
【0016】
本体部21は内部に排ガス処理体12及び支持部材13を収容する筒状の部分である。本体部21は、例えば円筒状であってもよい。入口部22及び出口部23は、本体部21よりも直径が小さい筒状である。なお図1においては、ケース11は1つの部品として開示されているが、複数の部品により構成されていてもよい。例えば、本体部21、入口部22、及び出口部23はそれぞれ別の部品であり、溶接等により接合されていてもよい。また、本体部21において、排ガス処理体12を保持する部分と、支持部材13を保持する部分と、が別の部品であってもよい。
【0017】
排ガス処理体12は、ケース11に収容されるガソリンパティキュレートフィルタである。排ガス処理体12は、後述する目封じ部33を含め、例えばコージライト等のセラミックスで構成されていてもよいが、具体的な材料は特に限定されない。
【0018】
排ガス処理体12は、図2に示されるように、円柱状の形状である。円柱状の排ガス処理体12における下流側の端面を下流側端面12aとし、上流側の端面を上流側端面12bとする。以下の説明において、長さ方向とは、上述した円柱状の形状に関する長さ方向、すなわち、下流側端面12aと上流側端面12bとを結ぶ方向を意味する。
【0019】
排ガス処理体12は、円柱の長さ方向に延びる複数の孔を有する。複数の孔には、複数の第1の孔31と、複数の第2の孔32とが含まれる。複数の第1の孔31は、排ガス処理体12の複数の孔のうちの一部の孔であり、複数の第2の孔32は、排ガス処理体12の複数の孔のうち複数の第1の孔31以外の孔である。
【0020】
図1及び図2に示されるように、第1の孔31及び第2の孔32は、例えば孔の断面が矩形、或いは略正方形状をなし、交互に配置されてもよい。すなわち、第1の孔31及び第2の孔32は、格子状に配置され、第1の孔31の隣には第2の孔32が配置され、第2の孔32の隣には第1の孔31が配置される。なお図1及び図2では、理解を容易にするために、これらの孔を模式的に示している。例えば、第1の孔31及び第2の孔32の孔の広さは、図示される形状よりも排ガス処理体12に対して相対的に小さくてもよく、その結果、より多数の孔が排ガス処理体12に配置されていてもよい。
【0021】
第1の孔31は、上流側端面12bに開口を有するが、下流側端面12aには開口を有していない。一方、第2の孔32は、排ガス処理体12の下流側端面12aに開口を有するが、上流側端面12bには開口を有していない。
【0022】
第1の孔31には、排ガス処理体12の下流側端部において、排ガスの流れを制限する目封じ部33が形成されている。ここでいう下流側端部とは下流側端面12aの近傍を意味する。また第2の孔32には、排ガス処理体12の上流側端部において、排ガスの流れを制限する目封じ部33が形成されている。ここでいう上流側端部とは上流側端面12bの近傍を意味する。すなわち、上述した第1の孔31及び第2の孔32の開口の有無は、目封じ部33の有無により区別される。排ガスは、上流側端面12bに形成される第1の孔31の開口から排ガス処理体12内部に導入される。排ガスはその後、第1の孔31と第2の孔32を構成する壁面を通過して第1の孔31から第2の孔32に移動し、下流側端面12aに形成される第2の孔32の開口から排出される。
【0023】
目封じ部33の形成方法は特に限定されない。排ガス処理体12における他の部分と一体に形成されてもよいし、目封じ部33のみ後から形成してもよい。また、目封じ部33は排ガス処理体12の他の部分と別の材料により形成されていてもよい。
【0024】
排ガス処理体12の外周面には、排ガス処理体12を囲うようにマット35が配置されている。マット35は、耐熱性を有しており、また弾性変形する。排ガス処理体12はマット35を介してケース11の内部に固定される。
【0025】
支持部材13は、ケース11の内部における排ガス処理体12の下流に設けられる。支持部材13は、図1及び図3に示されるように、対向壁41と、接続部42と、を有する。支持部材13は、例えば金属で構成されていてもよい。
【0026】
対向壁41は、排ガス処理体12の下流側端面12aに対向し、下流側端面12aに沿って広がる円形の板状の部分である。接続部42は、対向壁41の外周に沿って設けられる筒状の部分である。対向壁41は、排ガス処理体12の下流側端面12aに当接している。なお、対向壁41と排ガス処理体12の下流側端面12aとの間に隙間があってもよい。
【0027】
支持部材13は、図1に示されるように、接続部42がケース11に当接しており、接続部42とケース11とが固定されることで支持部材13のケース11内での位置が固定される。なお、固定の方法は特に限定されないが、例えば溶接により固定されていてもよい。
【0028】
対向壁41には、複数の貫通孔43が形成されている。図4は、支持部材13を排ガス処理体の下流側端面12aに投影したときの投影図である。なお図4は、排ガス処理体12及び支持部材13を、上述した長さ方向を法線方向とする平面に投影したときの投影図とも言える。後述する図5においても同様である。図4では、支持部材13の構成要素を実線で示し、排ガス処理体12の構成要素を二点鎖線で示す。投影図において、支持部材13の複数の貫通孔43は、排ガス処理体12の複数の第2の孔32が形成された位置それぞれに形成されている。より詳細には、複数の貫通孔43の外縁形状と、それらに対応する複数の第2の孔32の外縁形状とは一致している。そのため、図4において、第2の孔32を示す二点鎖線は省略されている。
【0029】
また上記投影図において、任意の第2の孔32の面積と、それに対応する貫通孔43の面積は等しい。また、複数の第2の孔32の重心の位置は、対応する複数の貫通孔43の重心の位置と一致する。また、上記投影図において、複数の貫通孔43は、複数の第2の孔32の開口の設けられた範囲を閉塞しないように対向壁41に形成されている。
【0030】
対向壁41のうち、複数の貫通孔43が設けられていない部分は、閉塞部44である。閉塞部44は、投影図においては、少なくとも複数の第1の孔31と重なる位置にある。支持部材13の閉塞部44には、対向壁41から複数の第1の孔31それぞれに向かって延び出す複数の針状の突起部45が設けられている。複数の突起部45は、図1に示されるように、複数の目封じ部33のそれぞれに刺し込まれている。突起部45は、目封じ部33を貫通していてもよく、あるいは、目封じ部33の内部に収まっていてもよい。
【0031】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)本実施形態の排ガス浄化装置1では、排ガス処理体12における複数の第2の孔32が形成された位置に、複数の貫通孔43が形成されている。そのため、複数の第2の孔32から排出された排ガスは、支持部材13の貫通孔43をスムーズに通過する。これにより、支持部材13による排気系の圧力損失の増加量を低減できる。また、貫通孔43は複数の第2の孔32に対応する位置にのみ形成されているため、貫通孔43が不要に増加することによる支持部材13の強度低下を抑制することができる。
【0032】
(1b)排ガス浄化装置1では、対向壁41に設けられる突起部45が目封じ部33に刺し込まれている。そのため、排ガス処理体12と支持部材13との位置がずれてしまうことを抑制できる。具体的には、排ガス処理体12と支持部材13との相対的な位置が、排ガス処理体12や接続部42の周方向にずれること、及び、排ガス処理体12の軸方向(長さ方向)にずれることを抑制できる。
【0033】
また、予め排ガス処理体12と支持部材13とを組み付けてからケース11に収容するという手順で排ガス浄化装置1を製造する場合に、組み付けた後にケース11へ収容するときに排ガス処理体12と支持部材13の位置がずれてしまうことを抑制できる。
【0034】
(1c)排ガス浄化装置1では、支持部材13の対向壁41は、排ガス処理体12の下流側端面12aに当接している。複数の第2の孔32から排出された排ガスは、貫通孔43以外に流れる流路がないため貫通孔43にスムーズに流れ込む。そのため、圧力損失の増加をより好適に抑制することができる。
【0035】
また、排ガス処理体12と支持部材13が当接した状態で突起部45により固定されていることにより、例えばエンジンの振動によって排ガス処理体12と支持部材13が擦れて破損してしまうことを抑制できる。
【0036】
(1d)排ガス浄化装置1では、図4に示されるように、複数の貫通孔43それぞれの面積は、複数の第2の孔32それぞれの面積と等しく、また、形状も等しい。そのため、複数の貫通孔43の面積が複数の第2の孔32よりも小さいことに起因して圧力損失が増加してしまうことを抑制できる。
【0037】
また、図4に示されるように、複数の第2の孔32の重心の位置は、複数の貫通孔43の重心の位置と重なっていることから、複数の第2の孔32から排出される排ガスが複数の貫通孔43をスムーズに通過する。そのため、圧力損失の増加をより好適に抑制することができる。
【0038】
[2.その他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0039】
(2a)上記実施形態では、排ガス処理体12として、ガソリンパティキュレートフィルタを例示したが、排ガスの処理に用いられるものであれば具体的な機能は限定されない。例えば、排ガス処理体は、ディーゼルエンジンから生じた排ガスの浄化を行うディーゼルパティキュレートフィルタでもよく、あるいはそれら以外の触媒であってもよい。
【0040】
(2b)上記実施形態では、排ガス処理体12として、第1の孔31及び第2の孔32の大部分は断面が矩形である構成を例示した。しかしながら、排ガス処理体における孔の形状は特に限定されない。例えば、排ガス処理体に設けられる複数の孔は、断面が円形、四角形以外の多角形などの孔であってもよい。また上記実施形態では、排ガス処理体12として、全体として円柱状である部材を例示した。しかしながら、排ガス処理体全体の形状は特に限定されない。例えば、排ガス処理体の全体形状は、断面が楕円や矩形の柱状であってもよい。
【0041】
(2c)上記実施形態では、図4に示される投影図において、第2の孔32の形状と貫通孔43の形状とが一致する構成を例示した。しかしながら、それらの形状は一致していなくてもよい。なお、投影図において、複数の貫通孔43それぞれの面積が対応する複数の第2の孔32それぞれの面積よりも大きく構成されている場合も、圧力損失の増加を抑制できる。例えば、図5に示される支持部材113では、貫通孔143の面積が第2の孔32よりも大きい。なお支持部材113では、複数の第2の孔32の開口部分に対向壁141が被らず、全く閉塞しないように構成されているため、支持部材113による圧力損失の上昇を極めて小さくすることができる。
【0042】
また、対向壁41において、貫通孔が、複数の第2の孔32に対応する位置以外にも形成されていてもよい。つまり、第2の孔32が設けられていない位置に貫通孔が設けられていてもよい。また、複数の貫通孔43と複数の第2の孔32の位置は、僅かにずれていてもよい。一方、複数の第2の孔32が、貫通孔に対応する位置以外にも形成されていてもよい。
【0043】
(2d)上記実施形態では、対向壁41から突起部45が延び出す構成を例示したが、突起部45は設けられていなくてもよい。また、突起部45の数や設けられる位置は特に限定されない。また、突起部の具体的な形状は特に限定されない。例えば棒状であってもよい。また、突起部45以外の構造によって排ガス処理体12と支持部材13とが固定されていてもよい。例えば、排ガス処理体12と支持部材13とが接着剤で固定されていてもよい。
【0044】
(2e)上記実施形態では、排ガス処理体12と支持部材13とが当接している構成を例示した。しかしながら、排ガス処理体12と支持部材13との間に間隔を有していてもよい。
【0045】
(2f)上記実施形態では、支持部材13として、円形の板状の対向壁41と、筒状の接続部42と、を備える構成を例示した。しかしながら、支持部材は、支持部材を排ガス処理体の端面に投影したときに、複数の第2の孔が形成された位置それぞれに貫通孔が形成されていれば、その具体的な構成や形状は特に限定されない。例えば、対向壁の形状は円形でなくてもよいし、対向壁が大きな厚さを有していてもよい。接続部は筒状でなくてもよく、対向壁をケース内の所定の位置に固定することができればよい。
【0046】
(2g)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0047】
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
排ガス浄化装置であって、
ケースと、
前記ケースに収容され、柱状の形状であり、当該柱状の形状の長さ方向に延びる複数の孔を有する排ガス処理体と、
前記ケースにおける前記排ガス処理体の下流に設けられ、前記排ガス処理体の下流側端面に対向して当該端面に沿って広がる対向壁を有する支持部材と、を備え、
前記排ガス処理体の前記複数の孔のうちの一部の孔である複数の第1の孔には、当該排ガス処理体の下流側端部において、排ガスの流れを制限する目封じ部が形成されており、
前記支持部材を前記排ガス処理体の前記端面に投影したときに、前記対向壁は、前記複数の孔のうち前記複数の第1の孔以外の孔である複数の第2の孔が形成された位置それぞれに貫通孔が形成されている、排ガス浄化装置。
[項目2]
項目1に記載の排ガス浄化装置であって、
前記対向壁には、前記排ガス処理体の前記複数の第1の孔それぞれに向かって延び出す複数の突起部が設けられており、
前記複数の突起部は、前記目封じ部のそれぞれに刺し込まれている、排ガス浄化装置。
[項目3]
項目1又は項目2に記載の排ガス浄化装置であって、
前記対向壁は、前記排ガス処理体の下流側端面に当接している、排ガス浄化装置。
[項目4]
項目1から項目3のいずれか1項に記載の排ガス浄化装置であって、
前記支持部材を前記排ガス処理体の前記端面に投影したときに、複数の前記貫通孔それぞれの面積は、前記複数の第2の孔それぞれの面積よりも大きい、排ガス浄化装置。
[項目5]
項目1から項目4のいずれか1項に記載の排ガス浄化装置であって、
前記支持部材を前記排ガス処理体の前記端面に投影したときに、前記複数の第2の孔の重心の位置は、複数の前記貫通孔の重心の位置と一致する、排ガス浄化装置。
【符号の説明】
【0048】
1…排ガス浄化装置、11…ケース、12…排ガス処理体、12a…下流側端面、12b…上流側端面、13,113…支持部材、21…本体部、22…入口部、23…出口部、31…第1の孔、32…第2の孔、33…目封じ部、35…マット、41,141…対向壁、42…接続部、43,143…貫通孔、44…閉塞部、45…突起部。
図1
図2
図3
図4
図5