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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178772
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】自律移動体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20231211BHJP
【FI】
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091659
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 克弘
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301BB07
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301FF11
5H301GG03
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG12
5H301LL11
(57)【要約】
【課題】外部機器と通信装置との通信が阻害されることを抑制すること。
【解決手段】自律移動体は、制御装置と、補助記憶装置と、を備える。制御装置は、外部機器と通信装置との通信状況が予め定められた通信状況悪条件に合致するか否かを判定する。制御装置は、通信状況悪条件に合致すると判定した時点での自己位置を通信状況悪化地点として補助記憶装置に記憶する。制御装置は、通信状況悪化地点を避けるように経路を生成して、自律移動体が経路に追従するように自律移動体を移動させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と通信するように構成された通信装置と、
制御装置と、
記憶装置と、を備えた自律移動体であって、
前記制御装置は、
前記自律移動体の自己位置を推定し、
前記外部機器と前記通信装置との通信状況が予め定められた通信状況悪条件に合致するか否かを判定し、
前記通信状況悪条件に合致すると判定した時点での前記自己位置を通信状況悪化地点として前記記憶装置に記憶し、
前記通信状況悪化地点を避けるように経路を生成して、前記自律移動体が前記経路に追従するように前記自律移動体を移動させる、自律移動体。
【請求項2】
前記制御装置は、前記経路を生成する際に、前記通信状況悪化地点が前記経路に含まれないように前記経路を生成することによって、前記通信状況悪化地点を避けるように前記経路を生成する、請求項1に記載の自律移動体。
【請求項3】
前記制御装置は、前記経路を生成する際に、前記通信状況悪化地点を含めて前記経路を生成し、前記通信状況悪化地点を前記自律移動体が移動する際に、前記通信状況が前記通信状況悪条件に合致する場合、前記通信状況悪化地点が前記経路に含まれないように前記経路を再生成する、請求項1に記載の自律移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の自律移動体は、センサと、制御装置と、車輪と、を備える。制御装置は、センサの検出結果を含むデータを取得する。制御装置は、センサの検出結果に基づき車輪を回転させる。車輪が回転することで、自律移動体は移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-81847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律移動体は、外部機器と通信を行う通信装置を備えている場合がある。自律移動体の位置によっては、外部機器と通信装置との通信状況が悪化するおそれがある。この場合、外部機器と通信装置との通信が阻害されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する自律移動体は、外部機器と通信するように構成された通信装置と、制御装置と、記憶装置と、を備えた自律移動体であって、前記制御装置は、前記自律移動体の自己位置を推定し、前記外部機器と前記通信装置との通信状況が予め定められた通信状況悪条件に合致するか否かを判定し、前記通信状況悪条件に合致すると判定した時点での前記自己位置を通信状況悪化地点として前記記憶装置に記憶し、前記通信状況悪化地点を避けるように経路を生成して、前記自律移動体が前記経路に追従するように前記自律移動体を移動させる。
【0006】
制御装置は、外部機器と通信装置との通信状況が通信状況悪条件に合致する場合には、通信状況悪条件に合致した時点での自己位置を通信状況悪化地点として記憶装置に記憶する。これにより、制御装置は、通信状況悪化地点を学習していく。制御装置は、通信状況悪化地点を避けるように経路を生成する。このため、外部機器と通信装置との通信が阻害されることが抑制される。
【0007】
上記自律移動体について、前記制御装置は、前記経路を生成する際に、前記通信状況悪化地点が前記経路に含まれないように前記経路を生成することによって、前記通信状況悪化地点を避けるように前記経路を生成してもよい。
【0008】
上記自律移動体について、前記制御装置は、前記経路を生成する際に、前記通信状況悪化地点を含めて前記経路を生成し、前記通信状況悪化地点を前記自律移動体が移動する際に、前記通信状況が前記通信状況悪条件に合致する場合、前記通信状況悪化地点が前記経路に含まれないように前記経路を再生成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部機器と通信装置との通信が阻害されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】自律移動体が運用される区域の模式図である。
図2】自律移動体の概略構成図である。
図3】移動制御を示すフローチャートである。
図4】通信状況判定制御を示すフローチャートである。
図5】変更例の移動制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、自律移動体の一実施形態について説明する。
<自律移動体>
図1に示すように、自律移動体11は、区域A1で用いられる。区域A1は、倉庫、工場、公共施設、及び商業施設等の全体、あるいは、一部である。区域A1には、障害物O1,O2,O3が存在している。障害物O1,O2,O3は、自律移動体11の移動の障害となる物体である。自律移動体11は、障害物O1,O2,O3に接触しないような経路で区域A1を移動する。
【0012】
図2に示すように、自律移動体11は、車輪12と、駆動機構13と、通信装置21と、外界センサ25と、制御装置31と、補助記憶装置41と、を備える。自律移動体11は、例えば、自律走行を行う産業車両である。自律走行を行う産業車両としては、例えば、搬送車、フォークリフト、及びトーイングトラクタを挙げることができる。
【0013】
図示は省略するが、車輪12は複数設けられている。
駆動機構13は、モータ14と、モータドライバ15と、エンコーダ16と、を備える。駆動機構13は、車輪12の数と同数設けられている。駆動機構13は、車輪12毎に1つずつ設けられている。
【0014】
モータ14は、車輪12を回転させる。
モータドライバ15には、指令回転数を示す情報と指令回転方向を示す情報を含む指令が制御装置31から入力される。モータドライバ15は、指令回転数に追従するようにモータ14の回転数を制御する。モータドライバ15は、指令回転方向とモータ14の回転方向が一致するようにモータ14を制御する。
【0015】
エンコーダ16は、例えば、モータ14の回転軸の回転量に基づいたパルス信号を出力するインクリメンタル型のエンコーダである。エンコーダ16は、モータ14の回転軸の回転数を検出する。モータドライバ15は、エンコーダ16の検出結果から、モータ14の回転数、及び回転方向を認識可能である。自律移動体11は、モータ14の駆動による車輪12の回転によって移動する。
【0016】
通信装置21は、Wi-Fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)、LPWA(Low Power Wide Area)、又は移動通信システム等、任意の無線通信方式で通信を行うことが可能な通信機器である。本実施形態において、通信装置21は、Wi-Fiによって外部機器22と通信を行う。通信装置21は、外部機器22とデータの送受信を行う。外部機器22から通信装置21に送信されるデータとしては、例えば、地図データを挙げることができる。通信装置21から外部機器22に送信されるデータとしては、例えば、自律移動体11の周辺を映す映像データを挙げることができる。通信装置21が映像データを外部機器22に送信する場合、自律移動体11は、カメラを備える。通信装置21は、制御装置31から入力されたデータを外部機器22に送信する。通信装置21は、外部機器22から受信したデータを制御装置31に出力する。
【0017】
外界センサ25は、自律移動体11の周囲に存在する物体の座標を検出する。物体の座標は、外界センサ25を基準とする相対座標である。物体の座標は、二次元座標であってもよいし、三次元座標であってもよい。外界センサ25としては、例えば、ミリ波レーダー、ステレオカメラ、ToF(Time of Flight)カメラ、及びレーザー距離計を挙げることができる。
【0018】
制御装置31は、プロセッサ32と、記憶部33と、を備える。プロセッサ32としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。記憶部33は、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部33は、処理をプロセッサ32に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部33、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置31は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置31は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0019】
補助記憶装置41は、制御装置31が読み取り可能な情報を記憶している。補助記憶装置41としては、例えば、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブを挙げることができる。補助記憶装置41は、地図データを記憶している。補助記憶装置41は、記憶装置である。
【0020】
地図データとは、区域A1に存在する物体の形状、区域A1の広さ等、区域A1の物理的構造に関する情報である。本実施形態において、地図データは、区域A1の構造を地図座標系の座標で表したデータである。地図座標系は、区域A1の任意の一点を原点とする座標系である。
【0021】
補助記憶装置41は、通信状況悪化地点データ42を記憶している。通信状況悪化地点データ42は、通信状況悪化地点を示すデータである。通信状況悪化地点とは、外部機器22と通信装置21との通信が阻害されると予想される位置である。通信状況悪化地点は、地図座標系での座標で表される。
【0022】
制御装置31は、自律移動体11の自己位置を推定する。自己位置とは、地図座標系での自律移動体11の一点を示す座標である。自律移動体11の一点は任意であるが、例えば、自律移動体11の水平方向での中心位置を挙げることができる。
【0023】
自己位置の推定は、外界センサ25の検出結果と地図データとを照合することで行われる。制御装置31は、外界センサ25の検出結果から得られたランドマークと同一形状のランドマークを地図データから抽出する。制御装置31は、地図データからランドマークの位置を認識する。ランドマークの位置と自律移動体11との位置関係は、外界センサ25の検出結果から把握できる。従って、制御装置31は、ランドマークの位置を認識することで、自己位置を推定することができる。ランドマークとは外界センサ25により識別可能な特徴を有する物体である。ランドマークは、位置の変化しにくい物理的構造物である。ランドマークとしては、例えば、壁、及び柱を挙げることができる。自己位置の推定は、内界センサを用いたデッドレコニングを用いて行われてもよい。自己位置の推定は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星から送信される衛星信号を用いた自己位置推定によって行われてもよい。自己位置の推定は、外界センサ25を用いた自己位置推定、デッドレコニング、及びGNSSを用いた自己位置推定の組み合わせによって行われてもよい。
【0024】
<移動制御>
自律移動体11を移動させる際に制御装置31が行う移動制御について説明する。移動制御は、自律移動体11の動作中に繰り返し実行される。
【0025】
図3に示すように、ステップS1において、制御装置31は、目標地点までの経路を生成する。この際、制御装置31は、通信状況悪化地点が経路に含まれないように経路を生成する。
【0026】
次に、ステップS2において、制御装置31は、自律移動体11が経路を追従するように制御を行う。制御装置31は、自己位置推定によって自己位置を認識しながら自律移動体11が経路に沿って移動するように駆動機構13の制御を行う。制御装置31が移動制御を行うことによって、自律移動体11は、目標地点に向けて移動する。
【0027】
<通信状況判定制御>
次に、自律移動体11の移動中に制御装置31が行う通信状況判定制御について説明する。通信状況判定制御は、自律移動体11の移動中に繰り返し実行される。自律移動体11の移動中には、通信装置21と外部機器22との間で通信が行われている。
【0028】
図4に示すように、ステップS11において、制御装置31は、外部機器22と通信装置21との通信状況が予め定められた通信状況悪条件に合致するか否かを判定する。通信状況悪条件は、通信装置21がデータの再送を行うことである。外部機器22と通信装置21との通信では、通信装置21から送信されたデータを外部機器22が受信すると、外部機器22から通信装置21に肯定応答(ACK)が送信される。通信装置21は、肯定応答を受信できない場合には、データの再送を行う。制御装置31は、通信装置21がデータの再送を行った場合、言い換えれば、肯定応答を受信できなかった場合、通信状況が通信状況悪条件に合致すると判定する。ステップS11の判定結果が否定の場合、制御装置31は、通信状況判定制御を終了する。ステップS11の判定結果が肯定の場合、制御装置31は、ステップS12の処理を行う。
【0029】
ステップS12において、制御装置31は、通信状況悪条件に合致すると判定した時点での自己位置を通信状況悪化地点として補助記憶装置41に記憶する。この際、制御装置31は、自己位置を含む任意の所定範囲を通信状況悪化地点として補助記憶装置41に記憶してもよい。自律移動体11の移動中に通信状況判定制御を行うことによって通信状況悪条件に合致する度に、通信状況悪化地点が補助記憶装置41に記憶されていく。これによって、通信状況悪化地点データ42が更新されていく。従って、自律移動体11の移動によって通信状況悪化地点が学習されていく。
【0030】
なお、制御装置31は、ステップS11の判定結果が肯定になった回数を自己位置毎にカウントして、カウント数が一定値を超えた場合に、当該自己位置を通信状況悪化地点として補助記憶装置41に記憶してもよい。区域A1に存在する機器などの影響によって、外部機器22と通信装置21との通信状況が一時的に悪化する場合がある。カウント数が一定値を超えた場合に、通信状況悪化地点の記憶を行うことによって、通信状況が一時的に悪化した位置が通信状況悪化地点として記憶されないようにすることができる。一定値としては、任意の値を設定することができる。制御装置31は、任意の時間毎にカウント数をリセットしてもよい。
【0031】
[本実施形態の作用]
図1に示すように、障害物O1と障害物O2との間に、通信状況悪化地点A2が存在しているとする。通信状況悪化地点A2を含む経路R1を制御装置31が生成したとすると、自律移動体11は通信状況悪化地点A2を通過して目標地点E1に到達することになる。この場合、通信状況悪化地点A2を通過する際に、外部機器22と通信装置21との通信状況が悪化するおそれがある。これにより、通信装置21から外部機器22に送信されたデータを外部機器22が受信できなかったり、受信が遅延したりする場合がある。
【0032】
本実施形態において、制御装置31は、通信状況悪化地点A2が含まれないように経路R2を生成している。これにより、通信状況悪化地点A2を避けるような経路R2を生成することができる。経路R2は、障害物O2と障害物O3との間を通っている。障害物O2と障害物O3との間には、通信状況悪化地点が存在していない。自律移動体11は、通信状況悪化地点を通過することなく、目標地点E1に到達することができる。
【0033】
[本実施形態の効果]
(1)制御装置31は、通信状況悪条件に合致した時点での自己位置を通信状況悪化地点として補助記憶装置41に記憶する。これにより、制御装置31は、通信状況悪化地点を学習していく。制御装置31は、通信状況悪化地点を避けるように経路を生成する。このため、外部機器22と通信装置21との通信が阻害されることが抑制される。
【0034】
(2)制御装置31は、経路を生成する際に、通信状況悪化地点が経路に含まれないように経路を生成する。自律移動体11が通信状況悪化地点を通過しないため、外部機器22と通信装置21との通信が阻害されることが抑制される。
【0035】
(3)制御装置31は、通信状況悪条件に合致するか否かの判定を行うことによって通信状況悪化地点を学習していく。未知の場所であっても、通信状況悪化地点を学習することができるため、通信状況悪化地点を予め調査する必要がない。
【0036】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0037】
○移動制御は、図5に示すように変更してもよい。図5に示すように、ステップS21において、制御装置31は、経路を生成する。この際、制御装置31は、通信状況悪化地点を含めて経路を生成する。例えば、図1に示す障害物O1が、通信装置21の通信に用いられる周波数帯と同一の周波数帯の電波を出力する機器であるとする。この場合、障害物O1の周辺は、通信状況悪化地点になる。制御装置31は、障害物O1の周辺を通過する経路を生成する。なお、「通信状況悪化地点を含めて経路を生成する」とは、経路を生成する際に、通信状況悪化地点を除外せずに経路を生成することを意味する。
【0038】
次に、ステップS22において、制御装置31は、通信状況が通信状況悪条件に合致するか否かを判定する。自律移動体11が障害物O1の周辺を通過する際に、障害物O1が電波を出力している場合、通信状況が通信状況悪条件に合致する。ステップS22の判定結果が否定の場合、制御装置31は、移動制御を終了する。ステップS22の判定結果が肯定の場合、制御装置31は、ステップS23の処理を行う。
【0039】
ステップS23において、制御装置31は、通信状況悪化地点が経路に含まれないように経路を再生成する。これにより、制御装置31は、通信状況悪化地点を避けるように経路を生成する。
【0040】
上記したような移動制御を行う場合、通信状況悪条件としては、障害物O1から電波が出力されていることであってもよい。制御装置31は、障害物O1からの電波と外部機器22からの電波とを区別することができる。例えば、制御装置31は、外部機器22のIPアドレスを認識しているため、電波に含まれるIPアドレスから外部機器22から送信された電波と障害物O1から送信された電波を区別することができる。この場合、通信状況判定制御を行う際であっても、通信状況悪条件として上記した条件を設定することが好ましい。
【0041】
区域A1に、通信装置21の通信に用いられる周波数帯と同一の周波数帯の電波を出力する機器が存在する場合、当該機器から出力される電波によって通信状況が悪化する場合がある。一方で、機器が電波を出力していない場合には、通信状況が悪化しない。上記したような移動制御を行うことによって、機器から電波が出力されていない場合には、当該機器の周辺を通過できる。これにより、通信装置21の通信に用いられる周波数帯と同一の周波数帯の電波を出力する機器によって経路が制限されることを抑制できる。
【0042】
○外部機器22から受信した電波の受信強度が閾値未満であることを通信状況悪条件としてもよい。閾値としては、例えば、データに誤りが生じないと想定される値に設定される。
【0043】
○記憶装置は、記憶部33であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
11…自律移動体、21…通信装置、22…外部機器、31…制御装置、41…記憶装置である補助記憶装置。
図1
図2
図3
図4
図5