(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178773
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】スクリーン枠に取り付けるスクリーン及びスクリーン枠に対するスクリーンの取付構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
E06B9/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091660
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000107930
【氏名又は名称】セイキ販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】戸田 宏次
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
(57)【要約】
【課題】スクリーン枠にスクリーンを、皺を生じない状態で簡単に張設することができるようにする。
【解決手段】スクリーン1の左右の縦辺1a,1bに取り付けた縦取付部材8,8及び上下の横辺1c,1dに取り付けた横取付部材9,9が、並行する一対の弾性係止片12a,12b,22a,22bが形成された板状のプレート部10,20と、前記スクリーン1に取り付けるための帯状をした取付部11,21とを有し、前記縦取付部材8の一対の弾性係止片12a,12bを、スクリーン枠3における左右の縦枠杆3a,3bの係止溝6,6に係止させると共に、前記横取付部材9,9の一対の弾性係止片22a,22bを、スクリーン枠3における上下の横枠杆3c,3dの係止溝7,7に係止させることにより、該スクリーン1を前記スクリーン枠3に張設可能とする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形のスクリーン枠に嵌め殺し式に張設するためのスクリーンであって、
前記スクリーンは、左右の縦辺に取り付けられた左右の縦取付部材、及び、上下の横辺に取り付けられた上下の横取付部材を有していて、前記縦取付部材及び横取付部材は、並行する一対の弾性係止片が形成された板状のプレート部と、前記スクリーンに取り付けるための帯状をした取付部とを有し、前記左右の縦取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における左右の縦枠杆に形成された係止溝に係止させると共に、前記上下の横取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における上下の横枠杆に形成された係止溝に係止させることにより、前記スクリーン枠に張設可能である、
ことを特徴とするスクリーン枠に取り付けるスクリーン。
【請求項2】
前記縦取付部材及び前記横取付部材における一対の弾性係止片は、前記プレート部に連なる脚部と、該脚部の先端に該脚部に対して傾斜した状態に連なる頭部とを有し、前記頭部が前記スクリーン枠の前記係止溝に係止することを特徴とする請求項1に記載されたスクリーン。
【請求項3】
前記一対の弾性係止片に形成された2つの頭部は、互いに同じ方向に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載されたスクリーン。
【請求項4】
前記2つの頭部のうち、先端が前記係止溝の内側を向く方向に傾斜する頭部の基端部には、該頭部を傾斜方向に延長することにより顎部が形成され、該顎部が前記係止溝に係止することを特徴とする請求項3に記載されたスクリーン。
【請求項5】
前記左右の縦取付部材及び上下の横取付部材の何れか一方又は両方には、前記一対の弾性係止片の長さ方向の両端部を部分的に切除することにより、該一対の弾性係止片がプレート部に形成されていない係止片切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載されたスクリーン。
【請求項6】
前記係止片切欠部における前記プレート部は、前記スクリーン枠の縦枠杆又は横枠杆に当接して前記係止溝を覆うことを特徴とする請求項5に記載されたスクリーン。
【請求項7】
左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形のスクリーン枠にスクリーンを嵌め殺し式に取り付けるための取付構造であって、
前記左右の縦枠杆の互いに対向する内向面、及び、前記上下の横枠杆の互いに対向する内向面に、係止溝がそれぞれ形成され、
前記スクリーンは、左右の縦辺に取り付けられた縦取付部材、及び、上下の横辺に取り付けられた横取付部材を有していて、前記縦取付部材及び横取付部材は、並行する一対の弾性係止片が形成された板状のプレート部と、前記スクリーンに取り付けるための帯状をした取付部とを有し、前記左右の縦辺に取り付けられた前記縦取付部材の一対の弾性係止片を前記スクリーン枠における左右の縦枠杆の係止溝に係止させると共に、前記上下の横辺に取り付けられた前記横取付部材の一対の弾性係止片を前記スクリーン枠における上下の横枠杆の係止溝に係止させることにより、前記スクリーンを前記スクリーン枠に取り付け可能とした、
ことを特徴とするスクリーン枠に対するスクリーンの取付構造。
【請求項8】
前記縦取付部材及び前記横取付部材における一対の弾性係止片は、前記プレート部に連なる脚部と、該脚部の先端に該脚部に対して傾斜した状態に連なる頭部とを有し、前記頭部が前記スクリーン枠の前記係止溝に係止することを特徴とする請求項7に記載されたスクリーン。
【請求項9】
前記一対の弾性係止片に形成された2つの頭部は、互いに同じ方向に傾斜していることを特徴とする請求項8に記載されたスクリーンの取付構造。
【請求項10】
前記2つの頭部のうち、先端が前記係止溝の内側を向く方向に傾斜する頭部の基端部には、該頭部を傾斜方向に延長することにより顎部が形成され、該顎部が前記係止溝に係止することを特徴とする請求項9に記載されたスクリーンの取付構造。
【請求項11】
前記左右の縦取付部材及び上下の横取付部材の何れか一方又は両方には、前記一対の弾性係止片の長さ方向の両端部を部分的に切除することにより、該一対の弾性係止片がプレート部に形成されていない係止片切欠部が設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載されたスクリーンの取付構造。
【請求項12】
前記係止片切欠部における前記プレート部は、前記スクリーン枠の縦枠杆又は横枠杆に当接して前記係止溝を覆うことを特徴とする請求項11に記載されたスクリーン。
【請求項13】
左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形のスクリーン枠にスクリーンを嵌め殺し式に張設してなるスクリーン装置であって、
前記左右の縦枠杆の互いに対向する内向面、及び、前記上下の横枠杆の互いに対向する内向面に、係止溝がそれぞれ形成され、
前記スクリーンは、左右の縦辺に取り付けられた左右の縦取付部材、及び、上下の横辺に取り付けられた上下の横取付部材を有していて、前記縦取付部材及び横取付部材は、並行する一対の弾性係止片が形成された板状のプレート部と、前記スクリーンに取り付けるための帯状をした取付部とを有し、前記左右の縦取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における左右の縦枠杆の係止溝に係止させると共に、前記上下の横取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における上下の横枠杆の係止溝に係止させることにより、該スクリーンが前記スクリーン枠に張設されている、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項14】
前記縦取付部材及び前記横取付部材における一対の弾性係止片は、前記プレート部に連なる脚部と、該脚部の先端に該脚部に対して傾斜した状態に連なる頭部とを有し、前記頭部が前記スクリーン枠の前記係止溝に係止することを特徴とする請求項13に記載されたスクリーン装置。
【請求項15】
前記一対の弾性係止片に形成された2つの頭部は、互いに同じ方向に傾斜していることを特徴とする請求項14に記載されたスクリーン装置。
【請求項16】
前記2つの頭部のうち、先端が前記係止溝の内側を向く方向に傾斜する頭部の基端部には、該頭部を傾斜方向に延長することにより顎部が形成され、該顎部が前記係止溝に係止することを特徴とする請求項15に記載されたスクリーン装置。
【請求項17】
前記左右の縦取付部材及び上下の横取付部材の何れか一方又は両方には、前記一対の弾性係止片の長さ方向の両端部を部分的に切除することにより、該一対の弾性係止片がプレート部に形成されていない係止片切欠部が設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載されたスクリーン装置。
【請求項18】
前記係止片切欠部における前記プレート部は、前記スクリーン枠の縦枠杆又は横枠杆の内向面に当接して前記係止溝を覆うことを特徴とする請求項17に記載されたスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に付設されたスクリーン枠に取り付けるための防虫網や目隠しシート等のスクリーン、及び、前記スクリーン枠に対するスクリーンの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に付設されたスクリーン枠に防虫網や目隠しシート等のスクリーンを張設することは、従来より広く行われている。
このようにスクリーンをスクリーン枠に張設する場合、従来では、例えば特許文献1に記載されているように、網張り用の工具を使用して、前記スクリーン枠に形成された取付溝内に、網押さえ用のチューブをスクリーンと共に押し込んで固定する方法が用いられていた。
【0003】
しかし、このような方法は、スクリーンの他に網張り用の工具や網押さえ用のチューブ等を必要とするため、事前にそれらの用具を用意しなければならず、準備に手間や時間がかかることになる。しかも、前記工具やチューブ等を使用してクリーンを皺や弛みが生じないように緊張状態に張設するのは容易ではなく、ある程度の習熟が必要とされるため、誰もが簡単にスクリーンを張設することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、スクリーン枠に対してスクリーンを、網張り用の工具や網押さえチューブ等を使用せずに簡単に、しかも皺や弛み等を生じない状態に張設することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明によれば、左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形のスクリーン枠に嵌め殺し式に張設するためのスクリーンが提供される。
前記スクリーンは、左右の縦辺に取り付けられた左右の縦取付部材、及び、上下の横辺に取り付けられた上下の横取付部材を有していて、前記縦取付部材及び横取付部材は、並行する一対の弾性係止片が形成された板状のプレート部と、前記スクリーンに取り付けるための帯状をした取付部とを有し、前記左右の縦取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における左右の縦枠杆に形成された係止溝に係止させると共に、前記上下の横取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における上下の横枠杆に形成された係止溝に係止させることにより、前記スクリーン枠に張設可能である。
【0007】
また、本発明によれば、左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形のスクリーン枠に嵌め殺し状態に取り付けるための取付構造が提供される。
前記取付構造において、前記左右の縦枠杆の互いに対向する内向面、及び、前記上下の横枠杆の互いに対向する内向面には、係止溝がそれぞれ形成され、前記スクリーンは、左右の縦辺に取り付けられた縦取付部材、及び、上下の横辺に取り付けられた横取付部材を有していて、前記縦取付部材及び横取付部材は、並行する一対の弾性係止片が形成された板状のプレート部と、前記スクリーンに取り付けるための帯状をした取付部とを有し、前記左右の縦辺に取り付けられた前記縦取付部材の一対の弾性係止片を前記スクリーン枠における左右の縦枠杆の係止溝に係止させると共に、前記上下の横辺に取り付けられた前記横取付部材の一対の弾性係止片を前記スクリーン枠における上下の横枠杆の係止溝に係止させることにより、前記スクリーンを前記スクリーン枠に取り付け可能としている。
【0008】
更に、本発明によれば、左右の縦枠杆及び上下の横枠杆からなる矩形のスクリーン枠に嵌め殺し状態に張設してなるスクリーン装置が提供される。
前記スクリーン装置において、前記左右の縦枠杆の互いに対向する内向面、及び、前記上下の横枠杆の互いに対向する内向面には、係止溝がそれぞれ形成され、前記スクリーンは、左右の縦辺に取り付けられた左右の縦取付部材、及び、上下の横辺に取り付けられた上下の横取付部材を有していて、前記縦取付部材及び横取付部材は、並行する一対の弾性係止片が形成された板状のプレート部と、前記スクリーンに取り付けるための帯状をした取付部とを有し、前記左右の縦取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における左右の縦枠杆の係止溝に係止させると共に、前記上下の横取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における上下の横枠杆の係止溝に係止させることにより、該スクリーンが前記スクリーン枠に張設されている。
【0009】
本発明において、前記縦取付部材及び前記横取付部材における一対の弾性係止片は、前記プレート部に連なる脚部と、該脚部の先端に該脚部に対して傾斜した状態に連なる頭部とを有し、前記頭部が前記スクリーン枠の前記係止溝に係止するように構成されていることが望ましい。
【0010】
また、本発明において、前記一対の弾性係止片に形成された2つの頭部は、互いに同じ方向に傾斜していることが望ましい。
この場合、前記2つの頭部のうち、先端が前記係止溝の内側を向く方向に傾斜する頭部の基端部には、該頭部を傾斜方向に延長することにより顎部が形成され、該顎部が前記係止溝に係止するように構成されていても良い。
【0011】
また、本発明において、前記左右の縦取付部材及び上下の横取付部材の一方又は両方には、前記一対の弾性係止片の長さ方向の両端部を部分的に切除することにより、該一対の弾性係止片がプレート部に形成されていない係止片切欠部が設けられていることが望ましい。
この場合、前記係止片欠部における前記のプレート部は、前記スクリーン枠の縦枠杆又は横枠杆の内向面に当接して前記係止溝を覆うようになっていることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記スクリーンの左右の縦辺に取り付けられた縦取付部材の一対の弾性係止片を、スクリーン枠における左右の縦枠杆の係止溝に係止させると共に、前記スクリーンの上下の横辺に取り付けられた横取付部材の一対の弾性係止片を、前記スクリーン枠における上下の横枠杆の係止溝に係止させることにより、前記スクリーンを、網張り用の工具や網押さえチューブ等を一切使用することなく、前記スクリーン枠に簡単にしかも皺や弛み等を生じることなく張設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るスクリーンをスクリーン枠に張設した状態の正面図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿った断面図である。
【
図5】縦取付部材の異なる構成例を示す
図4と同様の部分拡大図である。
【
図7】横取付部材の異なる構成例を示す
図6と同様の部分拡大図である。
【
図8】
図1のスクリーンをスクリーン枠に張設する直前の前の状態を示す正面図である。
【
図9】本発明に係るスクリーンをすべり出し窓に取り付けた例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図9及び
図10には、本発明に係るスクリーンの一種である防虫網1を、すべり出し窓のサッシ2に形成されたスクリーン枠3に嵌め殺し状態に張設した例が示されている。
【0015】
前記すべり出し窓は、前記サッシ2に取り付けられた障子4を、ハンドル5の操作により不図示の枢支軸を中心に室外側に押し出して開く窓のことで、前記枢支軸が水平方向を向く横滑りだし窓と、前記枢支軸が垂直方向を向く縦すべり出し窓とがある。
しかし、前記スクリーン1は、このようなすべり出し窓に限らず、横滑りだし式の障子を複数枚有するオーニング窓や、障子4を蝶番や軸金具等で回転させて開閉する開き窓、あるいは窓枠の上部を支点として障子4を室外側に突き出して開放する突き出し窓のように、ハンドル5等の操作で障子4を開閉操作する窓に取り付けることができる。
【0016】
前記スクリーン枠3は、
図1、
図9及び
図10から明らかなように、アルミニウム合金製の左右の縦枠杆3a,3b及び上下の縦枠杆3c,3dによって矩形枠状に形成され、建物開口部の前記障子4より室内側の位置に配設されている。
【0017】
前記左右の縦枠杆3a,3bの互いに対向する内向面3eには、
図2から明らかなように、前記スクリーン1の左右の縦辺1a,1bに取り付けられた縦取付部材8を係止させるための縦係止溝6が、該縦枠杆3a,3bの全長に渡ってそれぞれ形成され、前記上下の縦枠杆3c,3dの互いに対向する内向面3eには、
図3から明らかなように、前記スクリーン1の上下の横辺1c,1dに取り付けられた横取付部材9を係止させるための横係止溝7が、該横枠杆3c,3dの全長に渡ってそれぞれ形成されている。
なお、以下の説明においては、前記縦係止溝6及び横係止溝7を、単に「係止溝」と呼ぶこともある。
【0018】
前記スクリーン1は、
図1に示すように、正面視形状が矩形をなすもので、その左右の縦辺1a,1bには、ゴム弾性を有するエラストマーで一体成形された前記縦取付部材8が、該縦辺1a,1bの全長に渡ってそれぞれ取り付けられ、前記スクリーン1の上下の横辺1c,1dには、ゴム弾性を有するエラストマーで一体成形された前記横取付部材9が、該横辺1c,1dの全長に渡ってそれぞれ取り付けられている。
【0019】
前記スクリーン1の左右の縦辺1a,1bに取り付けられた左右の縦取付部材8,8は、互いに同一形状を有するもので、
図2から明かなように、前記左右の縦辺1a,1bに互いに左右反転する向きに取り付けられている。前記縦取付部材8の構成を、
図4に代表的に示した左側の縦取付部材8を参照して説明する。この縦取付部材8は、その全長に渡って延在する細幅薄板状のプレート部10と、該縦取付部材8を前記スクリーン1の縦辺1aに取り付けるための帯状をした取付部11とを有し、前記プレート部10の前記縦枠杆3a側を向く外側面10aに、該縦枠杆3aに形成された前記縦係止溝6に弾力的に係止する一対の弾性係止片12a,12bが、前記プレート部10の長さ方向に並行して延在するように形成されている。
【0020】
前記一対の弾性係止片12a,12bは、前記プレート部10の外側面10aに連なる脚部13と、該脚部13の先端に該脚部13に対して傾斜した姿勢で連なる頭部14a,14bとを有し、該頭部14a,14bが前記縦係止溝6の溝縁6aに係止するものであり、前記一対の弾性係止片12a,12bに形成された2つの頭部14a,14bは、互いに同じ方向に傾斜している。また、前記2つの頭部14a,14bのうち、一方の弾性係止片12aに先端が前記縦係止溝8の内側を向くように形成された頭部14aの基端部には、該頭部14aを傾斜方向に延長することにより顎部14cが形成され、この顎部14cが前記縦係止溝6の溝縁6aに係止するようになっている。
【0021】
前記一対の弾性係止片12a,12bを前記縦枠杆3aの縦係止溝6に係止させるときは、該一対の弾性係止片12a,12bの頭部14a,14bを前記縦係止溝6内に挿入し、そのまま該係止溝6内に強く押し込むようにする。そうすると、前記一対の弾性係止片12a,12bが、互いの間隔が狭まる方向に一旦弾性変形したあと、頭部14a,14b全体が前記縦係止溝6内に挿入されることで復元するため、前記頭部14a,14bが前記縦係止溝6の溝縁6aに弾性的に係止する。このとき、前記プレート部10は、前記縦枠杆3a,3bの内向面3eに当接することにより前記縦係止溝6を塞ぎ、虫が進入する隙間の形成を防止する。
【0022】
また、前記取付部11の基端部11bは、前記スクリーン1の縦辺1aに熱溶着等の方法で面接着され、該取付部11の先端部11aは、前記プレート部10の内側面10bの幅方向の一端寄りの位置に連結されている。そして、該取付部11には、その一部を弾性的に屈伸可能な傾斜部とすることにより弾性屈伸部15が形成され、前記スクリーン1を前記スクリーン枠3に張設した際に、この弾性屈伸部15が前記取付部11の先端部11aを支点として弾性的に屈伸することにより、該スクリーン1に左右方向の張力が付与されるようになっている。
【0023】
なお、前記弾性屈伸部15は、前記取付部11の一部を傾斜部としての屈曲癖を付けることにより形成されているが、
図5に示すように、前記取付部11の一部にS形や波形等の屈曲癖を付けることにより形成することもできる。
また、前記取付部11の先端部11aは、前記プレート部10の内側面10bにその幅方向の中央位置で連結しても良い。
【0024】
一方、前記スクリーン1の上下の横辺1c,1dに取り付けられた上下の横取付部材9,9は、互いに同一形状を有するもので、
図3から明かなように、前記上下の横辺1c,1dに互いに上下反転する向きに取り付けられている。前記横取付部材9の構成を、
図6に代表的に示した上側の横取付部材9を参照して説明する。該横取付部材9は、その全長に渡って延在する細幅薄板状のプレート部20と、前記スクリーン1の上側の横辺1cに取り付けるための帯状をした取付部21とを有し、前記プレート部20の前記横枠杆3c,3d側を向く外側面20aに、該横枠杆3cの横係止溝7に弾力的に係止する一対の弾性係止片22a,22bが、該プレート部20の長さ方向に並行して延在するように形成されている。
【0025】
前記一対の弾性係止片22a,22bは、前記プレート部20の外側面20aに連なる脚部23と、該脚部23の先端に該脚部23に対して傾斜した姿勢で連なる頭部24a,24bとをそれぞれ有し、該頭部24a,24bが前記横係止溝7の溝縁7aに係止するものであり、前記一対の弾性係止片22a,22bに形成された2つの頭部24a,24bは互いに同じ方向に傾斜している。
【0026】
前記2つの頭部24a,24bのうち、一方の弾性係止片22aに先端が前記縦係止溝7の内側に向けて傾斜するように形成された頭部24aの基端部には、該頭部24aを傾斜方向に延長することにより係止用の顎部24cが形成され、この顎部24cが前記横係止溝7の溝縁7aに係止するようになっている。
【0027】
前記一対の弾性係止片22a,22bを前記横枠杆3cの横係止溝7に係止させるときは、該一対の弾性係止片22a,22bの頭部24a,24bを前記縦係止溝7内に挿入し、そのまま該係止溝7内に強く押し込むようにする。そうすると、前記一対の弾性係止片22a,22bが、互いの間隔が狭まる方向に一旦弾性変形したあと、頭部24a,24b全体が前記縦係止溝7内に挿入されることにより復元し、前記頭部24a,24bが前記縦係止溝7の溝縁7aに弾性的に係止する。このとき、前記プレート部20は、前記横枠杆3cの内向面3eに当接することによって前記横係止溝7を塞ぎ、虫が進入する隙間の形成を防止する。
【0028】
また、前記取付部21の基端部21bは、前記スクリーン1の端部に熱溶着等の方法で面接着され、該取付部21の先端部21aは、前記プレート部20の内側面20bの幅方向の一端寄りの位置に連結されている。そして、前記取付部21には、その一部を弾性的に屈伸可能な傾斜部とすることにより弾性屈伸部25が形成され、前記スクリーン1を前記スクリーン枠3に張設した際に、この弾性屈伸部25の屈伸によって該スクリーン1に上下方向の張力が付与されるように構成されている。
【0029】
なお、前記弾性屈伸部25は、前記取付部21の一部を傾斜部としての屈曲癖を付けることにより形成されているが、
図7に示すように、前記取付部21の一部にS形や波形等に屈曲して屈曲癖を付けることにより形成することもできる。
また、前記取付部21の先端部21aは、前記プレート部20の内側面20bにその幅方向の中央位置で連結しても良い。
【0030】
このように、前記スクリーン1の左右の縦取付部材8,8の取付部11及び上下の横取付部材9,9の取付部21にそれぞれ弾性屈伸部15及び25を設けたことにより、前記スクリーン1を前記スクリーン枠3に張設する際に、前記弾性屈伸部15,25の弾性的な屈伸によって該スクリーン1に左右方向及び上下方向の張力が自動的に付与されることになり、その結果、該スクリーン1を、前記スクリーン枠3に皺や弛み弛み等が生じない状態に簡単に張設することができる。
【0031】
ここで、前記構成を有するスクリーン1を前記スクリーン枠3に張設するときは、例えば
図6及び
図8に示すように、始めに、上下の横取付部材9,9にそれぞれ形成された一対の弾性係止片22a,22bを、上下の縦枠杆3c,3dの横係止溝7,7内に押し込んで2つの頭部24a,24bを該横係止溝7の溝縁7aに弾力的に係止させたあと、左右の縦取付部材8,8に形成された一対の弾性係止片12a,12bを、
図4に示すように、前記左右の縦枠杆3a,3bの縦係止溝6,6内に押し込んで頭部14a,14bを該縦係止溝6の溝縁6aに弾力的に係止させるようにするが、その際、前記左右の縦取付部材8,8の全長に渡って一対の弾性係止片12a,12bが形成されていると、該縦取付け部材8,8の上下両端部付近において、前記弾性係止片12a,12bが縦枠杆3a,3bに強く接触して不規則に変形させられるため、該弾性係止片12a,12bを前記縦係止溝6,6内に押し込むことが困難になる。
【0032】
そこで、本発明においては、
図1及び
図8に示すように、前記左右の縦取付部材8,8の長さ方向の両端部付近即ち上下両端部付近に、前記一対の弾性係止片12a,12bを部分的に切除することにより、該一対の弾性係止片12a,12bが前記プレート部10に形成されていない係止片切欠部16を設けている。
【0033】
これにより、前記係止片切欠部16,16の間に形成されている弾性係止片12a,12bを前記縦係止溝6,6内に押し込むだけで、前記スクリーン1を前記スクリーン枠3に容易に張設することができる。このとき、前記係止片切欠部16においては、プレート部10が縦枠杆3a,3bの内向面に当接して前記縦係止溝6を塞ぐため、蚊等の虫が侵入する隙間は形成されない。
【0034】
前記係止片切欠部16は、左右の縦取付部材8,8に形成する代わりに、上下の横取付部材9,9の両端部に形成しても良く、あるいは、左右の縦取付部材8,8及び上下の横取付部材9,9の両方に形成することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 スクリーン
1a,1b 縦辺
1c,1d 横辺
3 スクリーン枠
3a,3b 縦枠杆
3c,3d 横枠杆
3e 内向面
6,7 係止溝
8 縦取付部材
9 横取付部材
10,20 プレート部
11,21 取付部
11a,21a 先端部
11b,21b 基端部
12a,22a 弾性係止片
12b,22b 弾性係止片
13,23 脚部
14a,14b 頭部
14c,24c 顎部
16 係止片切欠部
24a,24b 頭部