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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178787
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】価格情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20231211BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20231211BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231211BHJP
【FI】
G06Q30/02 450
G06N20/00
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091685
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】横山 大樹
(72)【発明者】
【氏名】金子 智洋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】センサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される工業製品の適切な価格情報をユーザに提供する。
【解決手段】価格情報提供装置は、所定のセンサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される工業製品の価格を決定する価格決定部17と、ユーザからの要求に応じて、工業製品の価格に関する価格情報をユーザに提供する情報提供部18とを備える。価格決定部は、機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が多いときには、訓練データセットの数が少ないときと比べて、工業製品の価格を高くする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のセンサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される工業製品の価格を決定する価格決定部と、
ユーザからの要求に応じて、前記工業製品の価格に関する価格情報を前記ユーザに提供する情報提供部と
を備え、
前記価格決定部は、前記機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が多いときには、該訓練データセットの数が少ないときと比べて、前記工業製品の価格を高くする、価格情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は価格情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両においてセンサによって取得されたデータを用いて機械学習モデルの学習を行い、学習済みの機械学習モデルを別の車両の制御のために用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-067911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
斯かる機械学習モデルは、所定の入力パラメータから所定の出力パラメータを出力することができ、同一の出力パラメータを出力するセンサの代用品として用いることができる。基本的に、学習済みの機械学習モデルを搭載した工業製品(例えば車両等)は、センサを搭載した工業製品よりも安価に製造可能である。
【0005】
しかしながら、現在のところ、学習済みの機械学習モデルの価値を適切に評価してユーザに適切な価格情報を提供する手法が確立されていない。
【0006】
そこで、上記課題に鑑みて、本発明の目的は、センサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される工業製品の適切な価格情報をユーザに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、所定のセンサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される工業製品の価格を決定する価格決定部と、ユーザからの要求に応じて、前記工業製品の価格に関する価格情報を前記ユーザに提供する情報提供部とを備え、前記価格決定部は、前記機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が多いときには、該訓練データセットの数が少ないときと比べて、前記工業製品の価格を高くする、価格情報提供装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、センサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される工業製品の適切な価格情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る価格情報提供装置を含むクライアントサーバシステムの概略的な構成図である。
図2図2は、サーバの構成を概略的に示す図である。
図3図3は、第一実施形態におけるサーバのプロセッサの機能ブロック図である。
図4図4は、第一実施形態における価格決定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図5図5は、第一実施形態における情報提供処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図6図6は、第一実施形態において、ユーザ端末に表示される価格表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、第二実施形態におけるサーバのプロセッサの機能ブロック図である。
図8図8は、第二実施形態における情報提供処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図9図9は、第二実施形態において、ユーザ端末に表示される価格表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0011】
<第一実施形態>
最初に、図1図6を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る価格情報提供装置を含むクライアントサーバシステム100の概略的な構成図である。クライアントサーバシステム100は、サーバ1と、複数の車両2と、複数のユーザ端末3とを備える。
【0012】
車両2は、車両2と車両2の外部との通信を可能とする通信装置(例えばデータ通信モジュール(DCM(Data communication module)))を備える。通信装置は無線基地局5にアクセスすることによって車両2を無線基地局5を介して通信ネットワーク4に接続する。車両2は無線基地局5及び通信ネットワーク4を介してサーバ1と通信する。また、車両2は、車両2の状態量等を検出する複数のセンサを備え、複数のセンサによって取得されたデータは車両2からサーバ1に送信される。
【0013】
ユーザ端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等であり、ユーザによって所有され又は店舗等に設置される。ユーザ端末3は、ユーザ端末3上で各種処理を行うプロセッサと、入力部(タッチパネル、操作ボタン、マイクロフォン、キーボード、マウス等)と、出力部(ディスプレイ、スピーカー等)と、通信部とを有する。通信部は無線基地局5にアクセスすることによってユーザ端末3を無線基地局5を介して通信ネットワーク4に接続する。ユーザ端末3は無線基地局5及び通信ネットワーク4を介してサーバ1と通信する。なお、ユーザ端末3は無線基地局5を介することなく通信ネットワーク4に接続されてもよい。
【0014】
図2は、サーバ1の構成を概略的に示す図である。図2に示されるように、サーバ1は、通信インターフェース11、ストレージ装置12、メモリ13及びプロセッサ14を備える。通信インターフェース11、ストレージ装置12及びメモリ13は、信号線を介してプロセッサ14に接続されている。なお、サーバ1は、キーボード及びマウスのような入力装置、ディスプレイのような出力装置等を更に備えていてもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータから構成されていてもよい。
【0015】
通信インターフェース11は、サーバ1を通信ネットワーク4に接続するためのインターフェース回路を有する。サーバ1は通信インターフェース11及び通信ネットワーク4を介してサーバ1の外部(例えば複数の車両2)と通信する。通信インターフェース11はサーバ1の通信部の一例である。
【0016】
ストレージ装置12は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SDD)又は光記録媒体及びそのアクセス装置を有する。ストレージ装置12は、各種データを記憶し、例えば、プロセッサ14が各種処理を実行するためのコンピュータプログラム等を記憶する。ストレージ装置12はサーバ1の記憶部の一例である。
【0017】
メモリ13は不揮発性の半導体メモリ(例えばRAM)を有する。メモリ13は、例えばプロセッサ14によって各種処理が実行されるときに使用される各種データ等を一時的に記憶する。メモリ13はサーバ1の記憶部の別の一例である。
【0018】
プロセッサ14は、一つ又は複数のCPU及びその周辺回路を有し、各種処理を実行する。なお、プロセッサ14は、論理演算ユニット、数値演算ユニット又はグラフィック処理ユニットのような他の演算回路を更に有していてもよい。
【0019】
本実施形態では、サーバ1は、車両2から送信されるデータを用いて、車両においてセンサの代用品として用いられる機械学習モデルの学習を行う。また、サーバ1は、価格情報提供装置として機能し、センサの搭載状況が異なる複数種類の車両(例えば新車)をユーザが比較検討するための価格情報をユーザに提供する。
【0020】
図3は、第一実施形態におけるサーバ1のプロセッサ14の機能ブロック図である。本実施形態では、プロセッサ14は、データ取得部15、学習部16、価格決定部17及び情報提供部18を有する。データ取得部15、学習部16、価格決定部17及び情報提供部18は、サーバ1のストレージ装置12に記憶されたコンピュータプログラムをサーバ1のプロセッサ14が実行することによって実現される機能モジュールである。なお、これら機能モジュールは、プロセッサ14に設けられた専用の演算回路によって実現されてもよい。
【0021】
機械学習モデルは複数の入力パラメータから所定の出力パラメータを出力する。センサの代わりに機械学習モデルが搭載された車両では、センサの出力の代わりに機械学習モデルの出力に基づいて車両の制御が行われる。斯かる機械学習モデルの学習では、複数の入力パラメータの実測値と、これら実測値に対応する所定の出力パラメータの実測値(正解データ)との組合せから成る訓練データセットが用いられる。
【0022】
データ取得部15は、複数の車両2からデータを受信し、機械学習モデルの入力パラメータ及び出力パラメータの対応する実測値を組み合わせて訓練データセットを作成する。データ取得部15によって作成された訓練データセットはサーバ1のストレージ装置12に記憶される。なお、訓練データセットはサーバ1のオペレータのような人によって作成されてもよい。
【0023】
学習部16は、データ取得部15によって作成された訓練データセットを用いて機械学習モデルの学習を行う。例えば、機械学習モデルがニューラルネットワークモデルである場合には、学習部16は、訓練データセットを用いて、ニューラルネットワークモデルの出力値と出力パラメータの実測値との差が小さくなるように、公知の誤差逆伝播法によってニューラルネットワークモデルにおける重み及びバイアスを繰り返し更新する。この結果、ニューラルネットワークモデルが学習され、学習済みのニューラルネットワークモデルが生成される。学習部16によって生成された機械学習モデルに関する情報(例えば、ニューラルネットワークモデルの重み、バイアス等)はサーバ1のストレージ装置12に記憶される。
【0024】
価格決定部17は、車両において所定のセンサが学習済みの機械学習モデルに置換された場合の車両の価格、すなわち所定のセンサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される車両の価格を決定する。基本的に、機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が多いほど、学習済みの機械学習モデルの精度が高くなり、学習済みの機械学習モデルが搭載される車両の信頼性が向上する。このため、価格決定部17は、機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が多いときには、機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が少ないときと比べて、学習済みの機械学習モデルが搭載される車両の価格を高くする。例えば、価格決定部17は、学習に用いられた訓練データセットの数が多いほど、学習済みの機械学習モデルが搭載される車両の価格を高くする。このことによって、学習済みの機械学習モデルが搭載される車両に対する適正な価格設定が可能となる。
【0025】
情報提供部18は、ユーザからの要求に応じて、価格決定部17によって決定された車両の価格に関する価格情報をユーザに提供する。このことによって、センサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される車両の適切な価格情報をユーザに提供することができる。
【0026】
以下、図4及び図5のフローチャートを参照して、上記の処理のための制御フローについて説明する。図4は、第一実施形態における価格決定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、サーバ1のプロセッサ14によって繰り返し実行され、車両において用いられる機械学習モデルが複数存在する場合には、複数の機械学習モデルの各々について実行される。
【0027】
最初に、ステップS101において、学習部16は、機械学習モデルの前回の学習が終了してからデータ取得部15によって新たに作成された訓練データセットの数が所定数以上であるか否かを判定する。新たに作成された訓練データセットの数が所定数未満であると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、新たに作成された訓練データセットの数が所定数以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS102に進む。なお、機械学習モデルの学習が一度も行われていない場合には、データ取得部15によって作成された訓練データセットの数が所定数に達したときにステップS101の判定が肯定され、本制御ルーチンはステップS102に進む。
【0028】
ステップS102では、学習部16は、新たに作成された所定数の訓練データセットを用いて、機械学習モデルの学習を行う。例えば、機械学習モデルがニューラルネットワークモデルである場合、学習部16は公知の誤差逆伝播法によって機械学習モデルの所定のパラメータ(重み及びバイアス)を更新する。
【0029】
次いで、ステップS103において、価格決定部17は、所定のセンサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載される車両(以下、「センサレス車両」という)の価格を決定する。具体的には、価格決定部17は、ステップS102における学習が行われた後のセンサレス車両の価格をステップS102における学習が行われる前のセンサレス車両の価格よりも高くすることによってセンサレス車両の価格を更新する。すなわち、価格決定部17は、機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が多いときには、機械学習モデルの学習に用いられた訓練データセットの数が少ないときと比べて、センサレス車両の価格を高くする。
【0030】
本実施形態では、センサレス車両の価格に関する価格情報が、センサレス車両の価格と所定のセンサが搭載された車両の価格との差額として算出され、サーバ1のストレージ装置12に記憶される。例えば、センサレス車両の価格が所定のセンサが搭載された車両の価格よりも3万円安いときには、センサレス車両の価格に関する価格情報は-3万円となる。ステップS103の後、本制御ルーチンは終了する。
【0031】
図5は、第一実施形態における情報提供処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、サーバ1のプロセッサ14によって所定の実行間隔で繰り返し実行される。
【0032】
最初に、ステップS201において、情報提供部18は、ユーザから情報提供が要求されたか否かを判定する。例えば、情報提供部18は、ユーザ端末3からサーバ1に情報要求信号が送信された場合に、ユーザから情報提供が要求されたと判定する。ユーザは、例えば、車両情報を提示するアプリケーション又はウェブサイト上で特定の車両の価格情報を要求するための操作を行い、この操作に応じてユーザ端末3からサーバ1に情報要求信号が送信される。
【0033】
ステップS201においてユーザから情報提供が要求されていないと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS201においてユーザから情報提供が要求されたと判定された場合、本制御ルーチンはステップS202に進む。
【0034】
ステップS202では、情報提供部18は、ユーザによって指定された特定の車両に対応する、センサレス車両の価格に関する価格情報をストレージ装置12から取得する。
【0035】
次いで、ステップS203において、情報提供部18は、センサレス車両の価格に関する価格情報をユーザに提供する。具体的は、情報提供部18は価格情報をユーザ端末3に送信する。この結果、ユーザ端末3は価格情報をユーザ端末3の出力部に表示する。ステップS203の後、本制御ルーチンは終了する。
【0036】
図6は、第一実施形態において、ユーザ端末3に表示される価格表示画面の一例を示す図である。図6の例では、車両において排気温センサが学習済みの機械学習モデル(AI1)に置換されたときの価格情報と、車両において空燃比センサが学習済みの機械学習モデル(AI2)に置換されたときの価格情報とが示されている。なお、センサレス車両の価格に関する価格情報は、センサレス車両の価格、所定のセンサに置換される学習済みの機械学習モデルの価格等であってもよい。
【0037】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る価格情報提供装置の構成及び制御は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る価格情報提供装置の構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0038】
図7は、第二実施形態におけるサーバ1のプロセッサ14の機能ブロック図である。第二実施形態では、プロセッサ14は、データ取得部15、学習部16、価格決定部17及び情報提供部18に加えて、センサ選択部19を有する。これらは、サーバ1のストレージ装置12に記憶されたコンピュータプログラムをサーバ1のプロセッサ14が実行することによって実現される機能モジュールである。なお、これら機能モジュールは、プロセッサ14に設けられた専用の演算回路によって実現されてもよい。
【0039】
上述したように、情報提供部18は、センサレス車両の価格に関する価格情報をユーザに提供する。しかしながら、ユーザが購入を希望する車両において、学習済みの機械学習モデルに置換可能なセンサが複数存在する場合には、どのセンサを機械学習モデルに置換すべきかをユーザが適切に判断することが困難である。
【0040】
このため、第二実施形態では、センサ選択部19は、ユーザによって予め入力された嗜好情報に基づいて、学習済みの機械学習モデルへの置換に適したセンサを選択し、情報提供部18は、センサ選択部19によって選択されたセンサを学習済みの機械学習モデルに置換することをユーザに提案する。このことによって、センサに置換される学習済みの機械学習モデルをユーザが適切に選択することを支援することができる。
【0041】
図8は、第二実施形態における情報提供処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、サーバ1のプロセッサ14によって所定の実行間隔で繰り返し実行される。
【0042】
最初に、図5のステップS201と同様に、ステップS301において、情報提供部18は、ユーザから情報提供が要求されたか否かを判定する。ユーザから情報提供が要求されていないと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS301においてユーザから情報提供が要求されたと判定された場合、本制御ルーチンはステップS302に進む。
【0043】
ステップS302では、図5のステップS202と同様に、情報提供部18は、ユーザによって指定された特定の車両に対応する、センサレス車両の価格に関する価格情報をストレージ装置12から取得する。
【0044】
次いで、ステップS303において、センサ選択部19は、ユーザによって予め入力された嗜好情報に基づいて、学習済みの機械学習モデルへの置換に適したセンサを選択する。例えば、ユーザは、嗜好情報をユーザ端末3に予め入力し、嗜好情報は情報要求信号と共にユーザ端末3からサーバ1に送信される。嗜好情報は、例えば、ユーザが車両を購入する際に車両に優先的に求める性能(例えば、加速性能、燃費、乗り心地等)である。例えば、嗜好情報として加速性能が選択された場合には、加速性能と強い相関を示すパラメータを出力するセンサ以外のセンサを、学習済みの機械学習モデルへの置換に適したセンサとして選択する。
【0045】
次いで、ステップS304において、情報提供部18は、センサレス車両の価格に関する価格情報をユーザに提供する。このとき、情報提供部18は、センサ選択部19によって選択されたセンサを学習済みの機械学習モデルに置換することをユーザに提案する。例えば、情報提供部18は、センサ選択部19によって選択されたセンサに置換される学習済みの機械学習モデルを強調して表示するようにユーザ端末3に指示する。ステップS304の後、本制御ルーチンは終了する。
【0046】
図9は、第二実施形態において、ユーザ端末3に表示される価格表示画面の一例を示す図である。図9の例では、排気温センサに置換される学習済みの機械学習モデル(AI1)の表示が星印によって強調されている。
【0047】
<その他の実施形態>
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
【0048】
例えば、価格決定部17は、学習済みの機械学習モデルが更新される場合のセンサレス車両の価格と、学習済みの機械学習モデルが更新されない場合のセンサレス車両の価格とを決定し、情報提供部18は両者の価格に関する価格情報をユーザに提供してもよい。このことによって、ユーザが両者の価格差を考慮して学習済みの機械学習モデルの更新の有無を選択することが可能となる。学習済みの機械学習モデルが更新される場合には、サーバ1において更なる学習が行われた機械学習モデルの情報(例えば更新された重み及びバイアスの値)がサーバ1から車両に送信され、車両において用いられる学習済みの機械学習モデルが更新される。
【0049】
また、車両以外の工業製品において所定のセンサの代わりに学習済みの機械学習モデルが搭載され、斯かる工業製品の価格に関する価格情報がユーザに提供されてもよい。また、工業製品において所定のセンサに置換される学習済みの機械学習モデルは、ランダムフォレスト、k近傍法、サポートベクターマシン等のニューラルネットワーク以外の機械学習モデルであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 サーバ
2 車両
14 プロセッサ
17 価格決定部
18 情報提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9