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特開2023-178799運行管理システム及び運行管理サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178799
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】運行管理システム及び運行管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20231211BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091711
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】佃 大河
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】荷物を輸送する各車両の荷待ち時間を削減するために役立つ運行管理システムを提供すること。
【解決手段】車両10に搭載可能な車載器11と、車両の運行状態を管理するサーバ20と、運送事業者が利用可能な事務所PC31と、荷主が利用可能な荷主PC41とを備える。サーバ20は車両が荷主エリアに到着し荷待ち状態へ移行したことを車載器11からの通知により検知し、荷待ち状態の情報21を事務所PC31、荷主PC41に対してそれぞれ通知する。サーバ20は車載器11から荷待ち解除情報を受信した場合は、荷待ち解除を事務所PC31および荷主PC41に対してそれぞれ通知する。サーバ20が荷主PC41から荷待ち解除情報を受信した場合には、車載器11および事務所PC31に対して荷待ち解除をそれぞれ通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を運送する車両に搭載可能な車載器と、
少なくとも前記車両の運行状態を管理可能なサーバと、
前記車両を管理する運送事業者が利用可能な事業者端末と、
前記車両で運送される荷物の荷主が利用可能な荷主端末と、
を備え、
前記サーバが、
管理対象の前記車両が前記荷主の指定した荷積みまたは荷卸しの場所に到着し、荷待ち状態へ移行したことを検知して、荷待ち状態を表す情報を前記事業者端末および前記荷主端末に対してそれぞれ通知する荷待ち通知部と、
前記車載器から荷待ち解除情報を受信した場合に、荷待ち解除を前記事業者端末および前記荷主端末に対してそれぞれ通知し、前記荷主端末から荷待ち解除情報を受信した場合には、前記車載器および前記事業者端末に対して荷待ち解除をそれぞれ通知する荷待ち解除通知部と、
を有する運行管理システム。
【請求項2】
前記荷主端末は、管理対象の前記車両が前記荷待ち状態へ移行した際に、荷待ち状態の車両を表す可視情報を画面上に表示すると共に、荷待ち解除を指示するための入力操作を受け付け可能な操作ボタンを表示するユーザインタフェースを有する、
請求項1に記載の運行管理システム。
【請求項3】
前記車載器は、自車両が前記荷待ち状態の時に、自車両の走行開始を検知した場合には、前記荷待ち解除情報を前記サーバへ自動的に送信する荷待ち解除検知部を有する、
請求項1に記載の運行管理システム。
【請求項4】
荷物を運送する車両における現在位置の情報、および前記車両の荷待ち状態を表す情報を前記車両に搭載された車載器から取得する車両管理部と、
前記車載器から取得した情報に基づいて顧客を特定する顧客特定部と、
前記荷待ち状態の解除を指示する外部からの信号を受信可能な解除指示受信部と、
車両が前記荷待ち状態になってからそれが解除されるまでの荷待ち時間を記録する荷待ち時間計測部と、
計測した前記荷待ち時間の情報を、該当する顧客に紐付けした状態で記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部が記憶した情報を顧客毎に集計して出力する集計部と、
を備える運行管理サーバ。
【請求項5】
前記集計部は、前記情報記憶部が記憶した情報を顧客毎に集計し、集計の結果を日報形式のデータに自動編集してから出力する、
請求項4に記載の運行管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送事業者が顧客の荷物を運送する車両を管理するために利用可能な運行管理システム及び運行管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
トラックなどの車両を利用して様々な顧客の荷物を運送する運送事業者は、顧客の指示に従い、ある荷積み地点で荷物を車両に積み込み、指定された荷卸し地点まで車両を運行し、荷卸し地点に到着すると車両から荷物を下ろして荷主に引き渡すように荷物を扱う。
【0003】
実際には、それぞれの車両の運転を担当する各運転手が、事前に作成された運行計画に従い、車両の運転、荷積み作業、及び荷卸し作業を行うのが一般的である。
【0004】
一方、車両が指定された荷積み地点に到着しても、顧客側の準備がまだできていない状況では、運転手は即座に荷積みの作業を開始することができず、荷待ち状態になる。車両が指定された荷卸し地点に到着した場合も同様である。また、荷積み地点や荷卸し地点の近傍で、荷待ちの多数のトラックが並んで渋滞が発生しているような場合にも、それぞれの車両が荷待ち状態になる。
【0005】
例えば特許文献1には、目的地付近における待機時間を考慮した到着時間を搭乗者及び管理者に通知して目的地付近における待機時間の削減を図ることを目的とした到着時間通知システムが開示されている。この到着時間通知システムは、車載器と受信端末と管理装置とサーバとを備えている。また、車載器は、自車両の位置情報を取得するとともに、自車両の待機時間と周辺車両の待機時間とを計測し、自車両の位置情報と自車両及び周辺車両それぞれの待機時間とをサーバに送信する機能を有する。サーバは、指定エリア内におけるエリア待機時間を到着時間に加えた修正後の到着時間を受信端末又は管理装置の少なくとも一方に送信する機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-15456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、現状では、運送事業者の会社等に所属して勤務しているトラック運転手の業務時間の中には、運転時間の他に荷積み、荷卸し等の作業時間も含まれる。また、運転手の運転している車両が荷待ち状態にある場合の時間もトラック運転手の業務時間に含まれる。また、荷待ちに伴って業務時間が増えると、各運転手の残業時間も事前の予想以上に増えてしまう懸念がある。また、運送事業者から荷主に対し費用を請求する際に、荷待ち状態に起因したコストが明確化されなければ、当事者同士でどのようにこのコストを負担すべきかについてトラブルが発生する懸念もある。
【0008】
一方、特許文献1の技術では車載器が自車両の待機時間と周辺車両の待機時間とを計測し、自車両の位置情報と自車両及び周辺車両それぞれの待機時間とをサーバに送信することができる。しかしながら、運送事業者側の管理者や、荷主側の管理者は、それぞれの車両が実際に荷待ち状態になっていたとしてもその状況をリアルタイムで知ることができない。
【0009】
したがって、荷待ち状態の車両に対して荷主側、あるいは運送事業者側の管理者がリアルタイムで何らかの行動を行って、荷待ち状態を早期に解消するような対策をすることはできなかった。また、車両の運行実績に関する従来の日報などのデータを統計的に分析したとしても、荷待ち状態の実際の発生状況や発生原因を運送事業者側および荷主側のいずれにおいても正しく把握することは困難であり、各車両における荷待ち状態の時間を削減するための根本的な対策はできなかった。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、荷物を輸送する各車両の荷待ち時間を削減するために役立つ運行管理システム及び運行管理サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
【0012】
荷物を運送する車両に搭載可能な車載器と、
少なくとも前記車両の運行状態を管理可能なサーバと、
前記車両を管理する運送事業者が利用可能な事業者端末と、
前記車両で運送される荷物の荷主が利用可能な荷主端末と、
を備え、
前記サーバが、
管理対象の前記車両が前記荷主の指定した荷積みまたは荷卸しの場所に到着し、荷待ち状態へ移行したことを検知して、荷待ち状態を表す情報を前記事業者端末および前記荷主端末に対してそれぞれ通知する荷待ち通知部と、
前記車載器から荷待ち解除情報を受信した場合に、荷待ち解除を前記事業者端末および前記荷主端末に対してそれぞれ通知し、前記荷主端末から荷待ち解除情報を受信した場合には、前記車載器および前記事業者端末に対して荷待ち解除をそれぞれ通知する荷待ち解除通知部と、
を有する運行管理システム。
【0013】
荷物を運送する車両における現在位置の情報、および前記車両の荷待ち状態を表す情報を前記車両に搭載された車載器から取得する車両管理部と、
前記車載器から取得した情報に基づいて顧客を特定する顧客特定部と、
前記荷待ち状態の解除を指示する外部からの信号を受信可能な解除指示受信部と、
車両が前記荷待ち状態になってからそれが解除されるまでの荷待ち時間を記録する荷待ち時間計測部と、
計測した前記荷待ち時間の情報を、該当する顧客に紐付けした状態で記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部が記憶した情報を顧客毎に集計して出力する集計部と、
を備える運行管理サーバ。
【発明の効果】
【0014】
本発明の運行管理システム及び運行管理サーバによれば、荷物を輸送する各車両の荷待ち時間を削減することが可能である。すなわち、運行管理システムのサーバが荷待ち状態の情報を事業者端末および荷主端末に対してそれぞれ通知するので、運送事業者側の管理者および荷主側の管理者は、荷待ち状態の発生をリアルタイムで正確に把握でき、荷待ち状態を早期に解消するために必要な措置を取ることも可能になる。
【0015】
また、本発明の運行管理サーバは各車両で実際に発生した荷待ち状態の時間を計測した結果を顧客毎に集計して出力するので、運送事業者側の管理者および荷主側の管理者は、荷待ち状態の発生の傾向や原因を正確に分析し、荷待ち状態の発生頻度やその時間を削減したり、荷待ちの発生を未然に回避するために必要な対応を取ることが可能になる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係る運行管理システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、車載器の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、サーバの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、運行管理システムの動作例の一部分を示すシーケンス図である。
図5図5は、運行管理システムの動作例の一部分を示すシーケンス図である。
図6図6は、運行管理システムの動作例の一部分を示すシーケンス図である。
図7図7は、勤怠日報の構成例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0019】
<システムの概要>
図1は、本発明の実施形態に係る運行管理システム100の構成例を示すブロック図である。
【0020】
運送事業者が、荷主事業所40から依頼された荷物の輸送をトラック車両10で行う場合には、トラックの運転手は最初にトラック車両10を運送事業者の事業所の駐車場から荷主が指定した荷積み地点の荷主事業所まで運行する。次に、荷主事業所で荷主から預かった荷物をトラック車両10に荷積みする。荷積み作業が完了すると、運転手は輸送先の荷主事業所までトラック車両10を運行する。輸送先の荷主事業所に到着すると、トラック車両10からの荷卸し作業を行って荷物を荷主に引き渡す。
【0021】
しかし、荷積み地点の近傍(荷主エリア)にトラック車両10が到着しても、荷主の都合や作業待ちの他車両の渋滞などに起因して、直ちに荷積み作業を開始できない場合がある。これが「荷待ち発生」の状況であり、運転手は荷積みできる状態になるまでそのまま待機しなければならず、これが運転手の労務上の大きな負担となる。荷卸しの場合も同様である。
【0022】
図1に示した運行管理システム100においては、各トラック車両10に車載器11が搭載されている。この車載器11は、トラック車両10における荷待ちの状態を検出する機能や、荷待ち時間の記録機能12などを備えている。また、車載器11は無線通信によりサーバ20との間で通信することができる。
【0023】
運送事業者の事務所30内には各トラック車両10の運行を管理するための機能を有する事務所PC(パーソナルコンピュータ)31が配置されている。また、荷主事業所40内には荷主が荷物の輸送状態を管理するための機能を有する荷主PC41が配置されている。事務所PC31および荷主PC41は、それぞれが例えばインターネットを経由してサーバ20との間で通信することができる。
【0024】
サーバ20は、車載器11との間の通信により、トラック車両10が荷待ち状態になったことを検知すると、荷待ち状態の通知21を事務所PC31および荷主PC41のそれぞれに対して送信する機能を有している。
【0025】
また、荷主PC41から荷待ち解除の通知22が送信された場合には、サーバ20は荷待ち解除の通知22を車載器11および事務所PC31にそれぞれ送信する。また、車載器11が自車両の走行検知などにより荷待ち解除の通知22を送信した場合には、サーバ20は荷待ち解除の通知22を事務所PC31および荷主PC41にそれぞれ送信する。
【0026】
荷待ち状態の通知21および荷待ち解除の通知22は、荷待ち車両表示機能32により事務所PC31の画面表示に反映される。したがって、運送事業者の事務所30の管理者は、事務所PC31の画面表示により各トラック車両10の荷待ち状態をリアルタイムで把握できる。
【0027】
また、荷待ち状態の通知21は荷待ち車両表示機能42により荷主PC41の画面表示に反映される。したがって、荷主事業所40の管理者は、荷主PC41の画面表示により各トラック車両10の荷待ち状態をリアルタイムで把握できる。また、荷主事業所40の管理者は、荷主PC41の画面に対する入力操作により、荷待ち状態を解除するための指示をすることができる。この指示がサーバ20を経由して荷待ち解除の通知22として事務所PC31および車載器11に送信される。
【0028】
したがって、運送事業者の事務所30の管理者および荷主事業所40の管理者は、事務所PC31および荷主PC41における共通の画面表示により、トラック車両10の荷待ち状態について共通の認識を持つことができる。
【0029】
事務所PC31の日報出力機能33は、荷待ち時間の記録機能12により記録されたデータ、或いはサーバ20上で記録されたデータの集計により、「荷待ち情報」が記載された日報を出力することができる。この日報により、各管理者は各トラック車両10で発生した荷待ち状態についてより正確な情報を入手できる。これにより、各管理者はトラック運転手の荷待ち時間が削減されるように、原因を究明したり根本的な対策をすることが容易になる。
【0030】
なお、荷待ち時間の記録機能12については、車載器11およびサーバ20の少なくとも一方に実装すれば良い。また、荷待ち時間の集計を行う機能については、サーバ20上に配置しても良いし、事務所PC31上に配置しても良い。
【0031】
運行管理システム100を構成するために必要な車載器11については、トラック車両に一般的に搭載されるデジタルタコグラフのような運行記録計に特別な機能を追加することで実現できる。勿論、デジタルタコグラフ以外の車載器を利用することもできる。
【0032】
図2は、車載器11の構成例を示すブロック図である。
図2に示した車載器11は、車速検出部11a、GPS受信機11b、表示部11c、操作部11d、RTC11e、制御部11f、不揮発性メモリ11g、揮発性メモリ11h、メモリカードIF11i、無線通信部11j、及びメモリカード15を備えている。
【0033】
車速検出部11aは、車両側から出力される車速パルスの信号を入力し、制御部11fにおける車速検出の処理に適した信号に変換する。
GPS(Global Positioning System)受信機11bは、複数のGPS衛星からの電波を受信して、受信した信号の時間に基づいて自車両の現在位置を表す緯度/経度を算出することができる。
【0034】
表示部11cは、運転者の視認しやすい位置に配置され、運転者の入力操作の際に必要な案内の情報や数値、時間などの情報を表示可能な能力を有している。
【0035】
操作部11dは、運転者の操作しやすい位置に配置され、運転者からの入力操作を受け付け可能な多数のボタンを有している。このボタンの中には、自車両が「荷待ち」状態になった時に運転者により操作される荷待ちボタンも含まれている。
【0036】
RTC(Real Time Clock)11eは、半導体の集積回路(IC)により構成され、現在の日付、曜日、時刻(時分秒)の情報を生成したり、時間を計測するための時計機能を有している。
【0037】
制御部11fは、マイクロコンピュータを主体とする電子回路により構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、車載器11に必要とされる機能を実現するための各種制御を実施する。具体的には、次の(1)~(6)に示すような機能が含まれている。
【0038】
(1)現在位置、現在時刻、車速などを含む自車両の運行情報を定期的に取得して記録する機能
(2)「荷待ち」状態を検出する機能
(3)自車両の状態の監視により「荷待ち」の解除を検出する機能
(4)「荷待ち」状態をサーバ20へ通知する機能
(5)「荷待ち」解除の指示をサーバ20から受信する機能
(6)「荷待ち」状態の開始時刻と終了時刻、又は「荷待ち」状態の時間の長さを計測して記録する機能
【0039】
不揮発性メモリ11gは、車載器11の各種機能を実現するために必要な制御部11fのコンピュータが実行可能なプログラムや、各種定数データを保持している。また、保存の必要な各種データを書き込み登録することができる。
【0040】
揮発性メモリ11hは、制御部11fが動作中に生成した各種データを一時的に保持するために利用される。
メモリカードIF(インタフェース)11iは、メモリカード15を着脱自在に保持可能なスードスロットを有し、メモリカード15を制御部11fのマイクロコンピュータと接続することができる。
【0041】
無線通信部11jは、例えばLTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線通信機能を有し、移動体通信事業者などが提供する無線基地局と自車両との間で無線通信回線を確立することができる。
【0042】
メモリカード15は、不揮発性メモリを内蔵し、自車両を運行する運転者を特定する情報、車両を特定する情報、車載器11が生成した運行記録データなどを登録し保持することができる。
【0043】
図3は、サーバ20の構成例を示すブロック図である。
サーバ20は、例えば所定のデータセンタなどに設置されたコンピュータシステムにより構成されている。本実施形態のサーバ20は、運行管理システム100の全体の制御に必要な図3に示した各種機能をサーバ20が備えている。
【0044】
図3に示すように、サーバ20は通信部20a、車両管理部20b、運行記録DB20c、荷待ち管理部20d、荷待ち時間計測部20e、荷待ち通知部20f、荷待ち解除通知部20g、事務所管理部20h、荷主管理部20i、及びデータ集計部20jの各機能を備えている。
【0045】
通信部20aは、通信ネットワーク23と接続されている。サーバ20は、通信部20a及び通信ネットワーク23を経由して、インターネットなどの公共の通信網と接続可能であり、各トラック車両10に搭載された車載器11、事務所PC31、および荷主PC41との間でそれぞれ通信回線を接続できる。
【0046】
車両管理部20bは、通信部20aを介して各トラック車両10に搭載された車載器11との間でデータ通信を行い、各トラック車両10の各時点の運行状況を表す運行データを取得できる。この運行データの中には、車両や車載器11を特定するID、日時、車両の現在位置、現在の車速、車載器11が把握している現在の状態などの情報が含まれている。
【0047】
運行記録DB(データベース)20cは、車両管理部20bが各車両から取得した運行データを車両毎に及び荷主毎に区別して蓄積し保存する機能を有している。
荷待ち管理部20dは、各トラック車両10が荷待ち状態であるか否かを把握してそれを管理する機能を有している。
【0048】
荷待ち時間計測部20eは、各トラック車両10が荷待ち状態になった時の開始時刻およびその終了時刻をそれぞれ検出して記録する、又は荷待ち状態の時間の長さを計測する機能を有している。荷待ち時間計測部20eが計測した荷待ち状態の時間の情報は、車両毎に運行記録DB20cに書き込まれる。その場合、運行記録DB20cは、荷待ち状態の時間の情報を荷主と紐付けした状態で荷待ちが発生した場所の位置情報と共に記憶する。
【0049】
荷待ち通知部20fは、荷待ち管理部20dが各トラック車両10の車載器11から送信される情報により荷待ち状態になったことを検知すると、荷待ち状態の通知21を事務所PC31および荷主PC41の両方に対してそれぞれ送信する。
【0050】
荷待ち解除通知部20gは、荷待ち管理部20dが把握している荷待ち状態が解除された場合に、荷待ち解除の通知22を送信する。各トラック車両10の車載器11から受信した情報により荷待ち状態が解除された場合には、荷待ち解除通知部20gは荷待ち解除の通知22を事務所PC31および荷主PC41の両方を送信先として荷待ち解除の通知22を送信する。また、荷主PC41からの荷待ち解除の指示により荷待ち状態が解除された場合には、荷待ち解除通知部20gは車載器11および事務所PC31の両方を送信先として荷待ち解除の通知22をそれぞれ送信する。
【0051】
事務所管理部20hは、事務所PC31の画面上に表示すべきWebページの情報や、事務所PC31がアクセスするために必要な情報や、メッセージなどの送信先を表す情報を保持し管理している。
【0052】
荷主管理部20iは、運送事業者の顧客であるそれぞれの荷主の情報を保持し管理している。具体的には、各荷主が荷積み地や荷卸し地として指定する各事業所の地点やその領域の範囲を表す情報や、荷主PC41の画面上に表示すべきWebページの情報や、荷主PC41がアクセスするために必要な情報や、メッセージなどの送信先を表す情報を保持し管理している。
【0053】
データ集計部20jは、運行記録DB20cが蓄積している情報を荷主毎に区分して、荷待ち時間を集計し、その結果を記憶する。データ集計部20jが記憶した荷待ち時間の集計結果は、事務所PC31からの要求により出力できる。また、データ集計部20jは事前に定めた日報の形式で荷待ち時間を集計し出力することもできる。
【0054】
運行管理システム100の動作例を図4図5、及び図6に示す。図4は荷主側の指示で荷待ちを解除する場合の動作を表し、図5は車載器が自動的に解除する場合の動作を表している。
【0055】
<荷待ち状態を荷主の指示で解除する場合の動作>
図4に示した動作について以下に説明する。
【0056】
例えば図1に示すようにトラック車両10が荷主エリアに到着した場合に、車載器11はGPS受信機11bで検出した車両の現在位置と、事前に把握している荷積み地などのエリアとを比較して、到着を検知する(S10)。
【0057】
ここで、他のトラックなどが並んで渋滞が発生しているような場合は、すぐに荷積み又は荷卸しなどの作業を開始できないので、トラック車両10は荷待ち状態になる。トラック車両10の運転手が荷待ちである事を確認し、車載器11の操作部11dにある「荷待ちボタン」を操作すると、車載器11はS11で荷待ち検知状態になる。荷待ちでない場合は、図6のS51の処理に進む。
【0058】
車載器11は、荷待ち検知状態になると荷待ち状態の通知i01をサーバ20へ送信する。また、車載器11はRTC11eの時間計測機能を用いてS12で荷待ち時間の記録および計測を開始する。
【0059】
一方、サーバ20は車載器11からの荷待ち状態の通知i01を受信して、該当するトラック車両10が荷待ち状態になったことを認識する。この場合、サーバ20の荷待ち通知部20fは、事務所PC31および荷主PC41のそれぞれに対してS13で荷待ち通知i02を送信する。また、サーバ20の荷待ち時間計測部20eは、S14で荷待ち時間の記録および計測を開始する。
【0060】
荷主PC41は、サーバ20から送信される荷待ち通知i02の受信により、管理対象のトラック車両10が荷待ち状態であることが分かるようにS15で画面上に表示する。実際には、荷待ち状態を表すWebページが荷主PC41の画面上のブラウザにより表示される。
【0061】
同様に、事務所PC31は、サーバ20から送信される荷待ち通知i02の受信により、管理対象のトラック車両10が荷待ち状態であることが分かるようにS16で画面上に表示する。実際には、荷待ち状態を表すWebページが事務所PC31の画面上のブラウザにより表示される。
【0062】
また、荷主PC41が表示するWebページの中には、「荷待ち解除」ボタンが含まれている。荷主PC41を操作する荷主側の管理者は、Webページの画面上で、「荷待ち解除」ボタンをマウスなどで操作することができる。
【0063】
荷主側の管理者が該当するトラック車両10における荷待ちの原因が解消されたことを確認した後で、「荷待ち解除」ボタンを操作すると、荷主PC41は解除入力があったことをS17で検知して荷待ち解除通知i03をS18でサーバ20へ送信する。
【0064】
サーバ20の荷待ち解除通知部20gは、荷主PC41からの荷待ち解除通知i03を受信すると、荷待ち解除通知i04をS19で車載器11および事務所PC31のそれぞれに送信する。
【0065】
車載器11は、サーバ20から荷待ち解除通知i04を受信した場合には、それをS21で検知してS22の処理に進む。そして、S22で荷待ち時間の計測を終了してその時間を記憶し、S23で荷待ち状態を解除する。
【0066】
また、サーバ20は荷待ち解除通知i03の受信によりS24からS25の処理に進む。そして、荷待ち時間計測部20eにおける荷待ち時間の計測を終了してその時間を運行記録DB20cに記憶し、S26で該当するトラック車両10の荷待ち状態を解除する。
【0067】
また、荷主PC41の画面においては、該当するトラック車両10の荷待ち状態が解除されたことがS27で表示される。
また、事務所PC31はサーバ20からの荷待ち解除通知i04の受信によりS28からS29の処理に進む。そして、事務所PC31の画面上に、該当するトラック車両10の荷待ち状態が解除されたことがS29で表示される。
【0068】
<荷待ち状態を車両走行検知により自動解除する場合の動作>
図5に示した動作について以下に説明する。なお、図5中に示した各ステップS10~S16については図4と同一なので説明は省略する。
【0069】
車載器11の制御部11fはトラック車両10側から出力される車速パルスに基づいて車速を常時、又は定期的に監視しているので自車両の走行の有無を識別することができる。車載器11は、自車両が荷待ち状態になっている時に自車両の走行をS31で検知すると次のS32の処理に進み、荷待ち解除通知i11をサーバ20へ送信する。
【0070】
サーバ20の荷待ち解除通知部20gは、車載器11からの荷待ち解除通知i11を受信すると、荷待ち解除通知i12をS19Aで荷主PC41および事務所PC31のそれぞれに送信する。
【0071】
また、サーバ20は荷待ち解除通知i11の受信によりS35からS36の処理に進む。そして、荷待ち時間計測部20eにおける荷待ち時間の計測を終了してその時間を運行記録DB20cに記憶し、S37で該当するトラック車両10の荷待ち状態を解除する。
【0072】
また、荷主PC41はサーバ20からの荷待ち解除通知i12の受信によりS38からS39の処理に進む。そして、荷主PC41の画面上に、該当するトラック車両10の荷待ち状態が解除されたことがS39で表示される。
【0073】
また、事務所PC31はサーバ20からの荷待ち解除通知i12の受信によりS40からS41の処理に進む。そして、事務所PC31の画面上に、該当するトラック車両10の荷待ち状態が解除されたことがS41で表示される。
【0074】
<荷待ち以外の動作>
図6に示した動作について以下に説明する。
【0075】
荷主エリアに到着したトラック車両10の運転手は、その場所で荷積み又は荷卸しの作業を開始する(S51)。例えば運転手が車載器11の操作部11dにある作業開始ボタンを操作することにより、車載器11は作業開始を認識し、作業開始時刻などの情報を運行記録データと共に車載器11上のメモリカード15等に記録することができる。
【0076】
荷積み又は荷卸しの作業が終了すると、例えば運転手が操作部11dにある作業終了ボタンを操作することで、車載器11は作業終了をS52で認識する。これにより、作業終了時刻などの情報を運行記録データと共に車載器11上のメモリカード15等に記録することができる。
【0077】
運転手がトラック車両10を運転して荷主エリアを出発すると、車載器11は自車両の走行速度などに基づいてS53で出発を認識することができる。
【0078】
トラック車両10の当日の運行が終了すると、運転手の運転によりトラック車両10は運送事業者の事務所30に戻る。これを車載器11がS54で認識する。また、運転手は所定の車載器11に対してS55で入庫手続きを実施する。
【0079】
例えば、運転手が車載器11からメモリカード15を取り外し、メモリカード15に記録された運行記録データを事務所PC31で読み込む。また、メモリカード15の内容と同等のデータがサーバ20上にも存在するので、サーバ20から事務所PC31へ運行記録データを転送することも可能である。
【0080】
事務所PC31は、車載器11のメモリカード15から読み込んだ運行記録データ、又はサーバ20から読み込んだ運行記録データの内容をS61で確認し、当日の運行記録データの中に「荷待ち」を表す情報が含まれているか否かを識別する。「荷待ち」を表す情報が含まれていない場合は、事務所PC31は運行記録データを集計して通常形式の日報をS62で作成し紙への印刷などの出力を実行する。
【0081】
一方、当日の運行記録データの中に「荷待ち」を表す情報が含まれている場合には、事務所PC31は通常形式の日報と、荷待ちの特別な日報(図7の勤怠日報70)の両方を運行記録データに基づいてS63で作成し紙への印刷などの出力を実行する。
【0082】
事務所PC31は、作成した荷待ちの日報の情報と共に、荷待ちが発生したことを表すメッセージを含む電子メールを、荷主側の担当者に対してS64で送信する。或いは、サーバ20を利用して、荷主PC41の画面に表示するWebページの中に、荷待ちが発生したことを表すメッセージや荷待ちの日報の内容を反映するように事務所PC31がメッセージを送信する。
【0083】
<勤怠日報の構成例>
図7は、勤怠日報70の構成例を示す正面図である。図7のような荷待ちの情報を含む勤怠日報70が図6のS63で生成され出力される。
【0084】
図6に示した勤怠日報70は、運行区分表示欄71、作業時間表示欄72、荷待ち時間表示欄73、運行チャート表示欄74、日報情報表示欄75、荷主毎の荷待ち時間表示欄76等に区分された様々な情報の一覧として構成されている。
【0085】
勤怠日報70の運行区分表示欄71は、日報番号、乗務員名、車両名、走行時間、出庫日時、入庫日時、走行距離、稼働時間、連続運転時間などのそれぞれの情報を入力する項目を有している。
【0086】
また、勤怠日報70の作業時間表示欄72は、当日の荷積み、休憩、荷卸しなどの作業項目毎に、作業の種別、荷主名、着日時、発日時、および作業時間の各情報を入力する項目を有している。
【0087】
また、勤怠日報70の荷待ち時間表示欄73は、当日の車両運行において「荷待ち」が発生した場所のそれぞれについて、荷主名、荷主指定到着時刻、到着時刻、「荷待ち」の開始日時、「荷待ち」の終了日時、および荷待ち時間の各情報を入力する項目を有している。
【0088】
また、勤怠日報70の運行チャート表示欄74は、当日の車両の運行状態を時系列で表すチャートと、作業、休憩、残業、連続運転等の区分毎の状態変化を時系列で表すチャートとをそれぞれ表示する領域を有している。
【0089】
また、勤怠日報70の日報情報表示欄75は、荷積み時間、荷卸し時間、荷待ち合計時間、休憩時間、残業時間、深夜残業時間、拘束時間、月間累計残業時間、および月間累計拘束時間の各情報を入力する項目を有している。
【0090】
また、勤怠日報70の荷主毎の荷待ち時間表示欄76は、当日または一定期間の車両運行において、発生した「荷待ち」の累計時間を荷主毎に区分して荷主名と対応付けてそれぞれ入力する項目を有している。
【0091】
図7に示した勤怠日報70の各項目に入力する情報は、車載器11がメモリカード15に記録した運行記録データ、又はサーバ20が運行記録DB20cやデータ集計部20jで管理しているデータに基づいて生成できる。
なお、勤怠日報70の中には、トラック車両10の荷室における冷蔵・冷凍などの温度管理情報が含まれていてもよい。
【0092】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0093】
例えば、図5に示した動作例においては、車載器11はS31で自車両の走行を検知すると、即座に「荷待ち」を解除するように処理している。一方、所定エリア内で一定速度以下で自車両が移動したことをS31で検知したような走行状態では、「荷待ち」を解除しないように車載器11が処理するように変更してもよい。
【0094】
あるいは、自車両の走行検知により「荷待ち」を一旦解除し、その後で自車両が所定時間内に所定エリアから出ていなければ、再度荷待ち状態に移行するように処理してもよい。例えば、荷待ちしているトラックが順番に並んでいて、荷主の事業所内で渋滞している状況では、このような処理が適切である。
【0095】
上述の運行管理システム100を利用することで、荷主側の管理者および運送事業者側の管理者は、トラック車両10において実際に発生した荷待ちの状況をリアルタイムで把握できるので、荷待ちの状況を早期に解消するための対策を講じることが可能になる。その結果、荷待ちの時間が減り、トラック運転手の労務状況の改善が期待できる。
【0096】
また、荷主側の管理者および運送事業者側の管理者は、実際に発生したトラック車両10の荷待ちの時間について共通の認識を持つことができる。これにより、発生した荷待ち時間の対価として荷待ちの特別料金を運送事業者が荷主に請求しても問題のない状況が実現する。これにより、荷待ち時間の削減が期待できる。
【0097】
また、荷待ち時間を含む運行記録データを集計した結果を運行管理システム100が荷主毎に区分して勤怠日報70などの形式で発行することにより、荷待ちが発生している事業所の場所などの特定が容易になり、荷待ちの原因の究明や、荷待ちを削減するための根本的な対策を実現可能になる。
【0098】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る運行管理システム及び運行管理サーバの特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 荷物を運送する車両に搭載可能な車載器(11)と、
少なくとも前記車両の運行状態を管理可能なサーバ(20)と、
前記車両を管理する運送事業者が利用可能な事業者端末(事務所PC31)と、
前記車両で運送される荷物の荷主が利用可能な荷主端末(荷主PC41)と、
を備え、
前記サーバが、
管理対象の前記車両が前記荷主の指定した荷積みまたは荷卸しの場所に到着し、荷待ち状態へ移行したことを検知して、荷待ち状態を表す情報を前記事業者端末および前記荷主端末に対してそれぞれ通知する荷待ち通知部(20f、S13)と、
前記車載器から荷待ち解除情報を受信した場合に、荷待ち解除を前記事業者端末および前記荷主端末に対してそれぞれ通知し、前記荷主端末から荷待ち解除情報を受信した場合には、前記車載器および前記事業者端末に対して荷待ち解除をそれぞれ通知する荷待ち解除通知部(20g、S19、S19A)と、
を有する運行管理システム(100)。
【0099】
上記[1]の構成の運行管理システムによれば、車両において荷待ちが発生した場合に、運送事業者および荷主は、それぞれ事業者端末および荷主端末で状況を確認できる。また、荷待ちの解除を車載器が検知した場合は、運送事業者および荷主は、それぞれ事業者端末および荷主端末で荷待ちが解除されたことを確認できる。また、荷主が荷主端末の入力操作で荷待ち解除を指示した場合には、サーバ、車載器、および事業者端末は荷待ち解除を認識できる。したがって、運送事業者側の管理者および荷主側の管理者は実際に発生した荷待ちの状況をリアルタイムで把握でき、荷待ちの状況を早期に解消するための対策を講じることが可能になる。その結果、荷待ちの時間が減り、トラック運転手の労務状況の改善が期待できる。また、荷主側の管理者および運送事業者側の管理者は、実際に発生した車両の荷待ちの時間について共通の認識を持つことができる。これにより、発生した荷待ち時間の対価として荷待ちの特別料金を運送事業者が荷主に請求しても問題のない状況が実現する。これにより、荷待ち時間の削減が期待できる。
【0100】
[2] 前記荷主端末は、管理対象の前記車両が前記荷待ち状態へ移行した際に、荷待ち状態の車両を表す可視情報を画面上に表示すると共に、荷待ち解除を指示するための入力操作を受け付け可能な操作ボタンを表示するユーザインタフェース(荷主管理部20i、S13、S15、S17)を有する、
上記[1]に記載の運行管理システム。
【0101】
上記[2]の構成の運行管理システムによれば、荷主側の管理者は、管理対象の車両が荷待ち状態になっていることを荷主端末の画面上で確認できる。また、荷主側の管理者は、荷待ちの原因が解消されたことを確認した後で、ユーザインタフェースの操作ボタンを操作して、荷待ち状態の解除を指示することができる。
【0102】
[3] 前記車載器は、自車両が前記荷待ち状態の時に、自車両の走行開始を検知した場合には、前記荷待ち解除情報を前記サーバへ自動的に送信する荷待ち解除検知部(S31、S32)を有する、
上記[1]に記載の運行管理システム。
【0103】
上記[3]の構成の運行管理システムによれば、車載器の状態が荷待ち状態に移行した後、荷待ち状態の原因が解消された場合に、運転手が特別な操作を行わなくても、車載器の荷待ち状態を自動的に解除できる。また、荷待ちが解除されたことをシステム全体で把握できる。
【0104】
[4] 荷物を運送する車両における現在位置の情報、および前記車両の荷待ち状態を表す情報を前記車両に搭載された車載器から取得する車両管理部(20b)と、
前記車載器から取得した情報に基づいて顧客を特定する顧客特定部(荷待ち管理部20d、荷主管理部20i)と、
前記荷待ち状態の解除を指示する外部からの信号を受信可能な解除指示受信部(荷待ち管理部20d)と、
車両が前記荷待ち状態になってからそれが解除されるまでの荷待ち時間を記録する荷待ち時間計測部(20e)と、
計測した前記荷待ち時間の情報を、該当する顧客に紐付けした状態で記憶する情報記憶部(運行記録DB20c)と、
前記情報記憶部が記憶した情報を顧客毎に集計して出力する集計部(データ集計部20j)と、
を備える運行管理サーバ(サーバ20)。
【0105】
上記[4]の構成の運行管理サーバによれば、実際に車両において発生した荷待ちの時間の情報を荷主毎に正確に記録できる。また、記録した情報を荷主毎に集計して出力することで、これ以降に発生する荷待ちの発生時間や発生頻度を減らすために役立つ情報が得られる。
【0106】
[5] 前記集計部は、前記情報記憶部が記憶した情報を顧客毎に集計し、集計の結果を日報形式のデータ(勤怠日報70)に自動編集してから出力する、
上記[4]に記載の運行管理サーバ。
【0107】
上記[5]の構成の運行管理サーバによれば、集計の結果を日報として出力することで、荷待ちの根本的な原因を究明したり、荷待ちを解消するための対策を講じることが容易になる。また、発生した荷待ちの対価の料金を運送事業者が荷主に請求することも容易になり、荷待ちの削減に繋がる。これにより、運転手の労務状況も改善される。
【符号の説明】
【0108】
10 トラック車両
11 車載器
11a 車速検出部
11b GPS受信機
11c 表示部
11d 操作部
11e RTC
11f 制御部
11g 不揮発性メモリ
11h 揮発性メモリ
11i メモリカードIF
11j 無線通信部
12 荷待ち時間の記録機能
15 メモリカード
20 サーバ
20a 通信部
20b 車両管理部
20c 運行記録DB
20d 荷待ち管理部
20e 荷待ち時間計測部
20f 荷待ち通知部
20g 荷待ち解除通知部
20h 事務所管理部
20i 荷主管理部
20j データ集計部
21 荷待ち状態の通知
22 荷待ち解除の通知
23 通信ネットワーク
30 運送事業者の事務所
31 事務所PC
32 荷待ち車両表示機能
33 日報出力機能
40 荷主事業所
41 荷主PC
42 荷待ち車両表示機能
70 勤怠日報
71 運行区分表示欄
72 作業時間表示欄
73 荷待ち時間表示欄
74 運行チャート表示欄
75 日報情報表示欄
76 荷主毎の荷待ち時間表示欄
100 運行管理システム
i01 荷待ち状態の通知
i02 荷待ち通知
i03,i04,i11,i12 荷待ち解除通知
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7