(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178810
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】データ中継装置、計測システム、データ中継方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A61B5/11 230
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091725
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 浩司
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA12
4C038VB14
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】対象者の日常生活に合わせて、対象者の歩行に応じて取得された歩行データを的確に収集できるデータ中継装置等を提供する。
【解決手段】対象者の履物に搭載された計測装置によって計測された足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む歩行データを受信する通信部と、受信された歩行データを記憶する記憶部と、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力する音声入出力部と、予め設定された送信タイミングにおいて、記憶部に記憶された歩行データを含む対象データを出力する出力部と、を備えるデータ中継装置とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の履物に搭載された計測装置によって計測された足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む歩行データを受信する通信手段と、
受信された前記歩行データを記憶する記憶手段と、
前記歩行データの受信に応じて、前記対象者に対する音声を出力する音声入出力手段と、
予め設定された送信タイミングにおいて、前記記憶手段に記憶された前記歩行データを含む対象データを出力する出力手段と、を備えるデータ中継装置。
【請求項2】
前記音声入出力手段は、
前記対象者の音声に応じた音声データを生成し、
生成された前記音声データを前記記憶手段に記憶させ、
前記出力手段は、
予め設定された前記送信タイミングにおいて、前記記憶手段に記憶された前記歩行データと前記音声データとを含む前記対象データを出力する請求項1に記載のデータ中継装置。
【請求項3】
前記通信手段は、
前記対象者による前記履物の着脱を示す着脱信号を受信し、
前記音声入出力手段は、
前記着脱信号に応じて、前記対象者に対する音声を出力する請求項1に記載のデータ中継装置。
【請求項4】
前記着脱信号は、前記履物の着靴および脱靴を示す情報を含み、
前記着脱信号が前記履物の着靴を示す場合、
前記音声入出力手段は、
前記対象者の外出に合わせた音声を出力し、
前記着脱信号が前記履物の靴脱を示す場合、
前記音声入出力手段は、
前記対象者の帰宅に応じた音声を出力する請求項3に記載のデータ中継装置。
【請求項5】
前記データ中継装置の近傍における前記対象者を含む人物の検知に応じた検知信号を受信する検知手段を備え、
前記通信手段は、
前記検知信号の受信に応じて、前記歩行データの送信を要求するデータ要求信号を送信し、
前記データ要求信号に応じて送信されてきた前記歩行データを前記記憶手段に記憶させる請求項1に記載のデータ中継装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ中継装置と、
対象者の履物に搭載された計測装置とを備え、
前記計測装置は、
空間加速度および空間角速度を計測し、計測した前記空間加速度および前記空間角速度を用いて足の動きに関するセンサデータを生成し、生成した前記センサデータを出力するセンサと、
前記センサデータの時系列データを取得し、前記センサデータの時系列データから歩容に関する特徴量を抽出し、抽出された前記特徴量を含む歩行データを生成し、生成された前記歩行データを前記データ中継装置に送信する歩行データ生成手段と有する計測システム。
【請求項7】
前記計測装置は、
前記センサデータを用いて、前記対象者による前記履物の着脱を検知し、
前記対象者による前記履物の着脱の検知に応じて、前記対象者による前記履物の着脱を示す着脱信号を前記データ中継装置に送信する請求項6に記載の計測システム。
【請求項8】
前記データ中継装置の近傍に配置され、前記対象者を含む人物の検知に応じて、前記データ中継装置に検知信号を送信する人感センサを含み、
前記データ中継装置は、
前記検知信号の受信に応じて、前記歩行データの送信を要求するデータ要求信号を前記計測装置に送信し、
前記計測装置は、
前記データ要求信号に応じて、蓄積された前記歩行データを前記データ中継装置に送信する請求項6に記載の計測システム。
【請求項9】
コンピュータが、
対象者の足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む歩行データを受信し、
受信された前記歩行データを記憶し、
前記歩行データの受信に応じて、前記対象者に対する音声を出力し、
予め設定された送信タイミングにおいて、記憶された前記歩行データを含む対象データを出力するデータ中継方法。
【請求項10】
対象者の足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む歩行データを受信する処理と、
受信された前記歩行データを記憶する処理と、
前記歩行データの受信に応じて、前記対象者に対する音声を出力する処理と、
予め設定された送信タイミングにおいて、記憶された前記歩行データを含む対象データを出力する処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データの中継に用いられるデータ中継装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケアへの関心の高まりに伴って、歩容に応じた情報を提供するサービスに注目が集まっている。例えば、靴等の履物に実装されたセンサによって計測されたセンサデータを用いて、歩容を解析する技術が開発されている。センサデータの時系列データには、身体状態と関連する歩行イベントに伴った特徴が表れる。歩行イベントに伴った特徴を含む歩行データを解析することによって、対象者の身体状態を推定できる。
【0003】
特許文献1には、靴に装着される歩数計について開示されている。特許文献1の歩数計は、第1の信号生成器、第2の信号生成器、およびセンサ組立体を備える。第1の信号生成器と第2の信号生成器は、一定距離だけ離されて、第1の靴の異なる部分に装着される。センサ組立体は、第2の靴に装着される。センサ組立体は、近接センサおよびマイクロコントローラ・ユニットを有する。近接センサは、第1の信号生成器および第2の信号生成器により生成された信号を感知し、対応する電気信号を生成する。マイクロコントローラ・ユニットは、近接センサに結合された入力を持ち、対応する電気信号を受信して該対応する電気信号を歩行者の動作データに変換する。
【0004】
特許文献2には、歩数等を計測する計測装置について開示されている。特許文献2の装置は、計測手段、計測情報記憶手段、および無線通信手段を備える。計測手段は、利用者の歩数、歩幅、および歩行速度を計測する。計測情報記憶手段は、計測した情報および計測時刻を含む計測情報を記憶する。無線通信手段は、外部と無線通信を行う。
【0005】
特許文献3には、閉環境の空間に設置されたセンサによって得られる情報を用いて、その部屋の中にいる対象者の特定の状態を検出する状態検出装置について開示されている。特許文献3の装置は、第2のセンサから得られた第2情報を用いて、対象者が特定の行動を行った行動区間と、対象者が特定の行動を行わなかった非行動区間とを特定する。特許文献3の装置は、行動区間および非行動区間ごとに、対象者の特定の状態を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-113527号公報
【特許文献2】特開2006-308301号公報
【特許文献3】国際公開第2016/139844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の歩数計は、第1の信号生成器および第2の信号生成器の各々から発せられた磁気インパルス信号を、近接センサによって受信することによって、歩数を計測する。特許文献1の歩数計は、片方の靴が他方の靴を通り過ぎたときに、歩数カウントおよび一歩時間を生成する。特許文献1の歩数計は、歩数を計測することはできる。しかし、特許文献1の歩数計は、歩容の解析に用いられる加速度や角速度を計測できなかった。
【0008】
特許文献2の装置は、利用者の靴に装着される。特許文献2の装置は、利用者が靴を履いて歩行さえすれば、その利用者の歩行に応じて、歩数、歩幅、および歩行速度を計測できる。特許文献2には、センサデータを収集するタイミングについては開示されていない。そのため、特許文献2の手法では、利用者の歩行に関するデータを的確に収集できない場合があった。
【0009】
特許文献3の装置は、閉環境の空間にいる対象者の特定の状態を検出する。対象者の歩容を解析するためには、閉環境の外における歩行に応じて計測された歩行データが必要である。しかし、特許文献3の装置は、閉環境の外で歩行する対象者の特定の状態を検出できなかった。
【0010】
本開示の目的は、対象者の日常生活に合わせて、対象者の歩行に応じて取得された歩行データを、的確に収集できるデータ中継装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様のデータ中継装置は、対象者の履物に搭載された計測装置によって計測された足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む歩行データを受信する通信部と、受信された歩行データを記憶する記憶部と、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力する音声入出力部と、予め設定された送信タイミングにおいて、記憶部に記憶された歩行データを含む対象データを出力する出力部と、を備える。
【0012】
本開示の一態様のデータ中継方法においては、対象者の足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む歩行データを受信し、受信された歩行データを記憶し、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力し、予め設定された送信タイミングにおいて、記憶された歩行データを含む対象データを出力する。
【0013】
本開示の一態様のプログラムは、対象者の足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む歩行データを受信する処理と、受信された歩行データを記憶する処理と、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力する処理と、予め設定された送信タイミングにおいて、記憶された歩行データを含む対象データを出力する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、対象者の日常生活に合わせて、対象者の歩行に応じて取得された歩行データを的確に収集できるデータ中継装置等を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態に係る計測システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る計測システムが備える計測装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る計測システムが備える計測装置の配置例を示す概念図である。
【
図4】第1の実施形態に係る計測システムが備える計測装置に関する説明で用いられる人体面について説明するための概念図である。
【
図5】第1の実施形態に係る計測システムが備える計測装置に関する説明で用いられる歩行周期について説明するための概念図である。
【
図6】第1の実施形態に係る計測システムが備えるデータ中継装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】第1の実施形態に係る計測システムが備える計測装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係る計測システムによる歩行データ計測処理の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図9】第1の実施形態に係る計測システムが備えるデータ中継装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図10】第2の実施形態に係る計測システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第2の実施形態に係る計測システムの設置例を示す概念図である。
【
図12】第2の実施形態に係る計測システムが備えるデータ中継装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】第2の実施形態に係る計測システムが備える計測装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図14】第2の実施形態に係る計測システムが備えるデータ中継装置の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
【
図15】第2の実施形態に係る計測システムの適用例について説明するための概念図である。
【
図16】第2の実施形態に係る計測システムの適用例について説明するための概念図である。
【
図17】第2の実施形態に係る計測システムの適用例について説明するための概念図である。
【
図18】第3の実施形態に係るデータ中継装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図19】各実施形態の制御や処理を実行するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0017】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る計測システムの構成について、図面を参照しながら説明する。計測システムは、靴などの履物に設置されたセンサを用いて、対象者の歩行に応じた足の動きに関するセンサデータを計測する。計測システムは、対象者の行動に合わせて、センサデータを収集する。例えば、計測システムは、対象者による靴の着脱に応じて送信されたセンサデータを収集する。計測システムは、計測されたセンサデータから、対象者の身体状態の推定に用いられる特徴を含む歩行データを抽出する。計測システムは、収集した歩行データを、クラウドやサーバに構築されたデータベース等に送信する。
【0018】
(構成)
図1は、本実施形態に係る計測システム1の構成の一例を示すブロック図である。計測システム1は、計測装置10およびデータ中継装置15を備える。計測装置10は、データ中継装置15との通信範囲内に位置する状況において、データ中継装置15に歩行データを送信する。データ中継装置15は、イントラネットやインターネットなどのネットワーク140を介して、データベース150に接続される。データ中継装置15は、予め設定されたタイミングにおいて、データ中継装置15に蓄積された歩行データをデータベース150に送信する。以下において、計測システム1の概要について説明してから、計測装置10およびデータ中継装置15の構成について個別に説明する。
【0019】
計測装置10は、歩行データの収集対象である対象者(ユーザ)の履物等に設置される。計測装置10は、対象者の歩行に応じて、センサデータを計測する。計測装置10は、計測されたセンサデータから、対象者の身体状態の推定に用いられる特徴を含む歩行データを抽出する。計測装置10は、抽出された歩行データを蓄積する。計測装置10は、対象者による靴の着脱の検知に応じて、自装置に蓄積された歩行データを送信する。例えば、計測装置10は、特定方向の加速度や速度、位置の変化に応じて、靴の着脱を検知する。
【0020】
対象者による靴の着脱が検知された時点において歩行データが蓄積されていなかった場合、計測装置10は、対象者が靴を着脱したことを示す信号(着脱信号とも呼ぶ)を送信する。例えば、靴を履く動作を検出した場合と、靴を脱ぐ動作を検出した場合とで異なる信号を送信されれば、データ中継装置15の側で、対象者の外出/帰宅を区別できる。
【0021】
データ中継装置15は、対象者の居住する住居の玄関等の所定位置に配置される。データ中継装置15は、計測装置10から送信された歩行データを受信する。データ中継装置15は、受信した歩行データを蓄積する。例えば、データ中継装置15は、携帯型デバイスを所有していない対象者に関して計測された歩行データを収集する。例えば、対象者は、要介護/要支援の対象である高齢者である。そのような高齢者は、スマートフォンなどの携帯型デバイスを所有していない場合が多い。例えば、対象者は、携帯型デバイスを所有していない低年齢層の子供や、青少年であってもよい。また、対象者は、携帯型デバイスを持ち歩く習慣のない人物や、携帯型デバイスの携帯を忘れがちな人物であってもよい。また、対象者は、携帯型デバイスを携帯している人物であってもよい。歩行データを用いて身体状態を推定する対象であれば、対象者について限定を加えない。
【0022】
データ中継装置15は、対象者の居住する住居以外に配置されてもよい。要介護/要支援の対象である高齢者が対象者である場合、データ中継装置15は、対象者が通うデイサービスや病院、診療所などの施設に配置されてもよい。老人ホームや介護施設などの施設に、対象者が入所している状況が想定される。そのような状況において、データ中継装置15は、対象者が滞在する部屋の出入り口や、対象者に割り当てられたベッドの近辺に配置されてもよい。対象者の靴が配置された位置の近辺であれば、データ中継装置15が配置される位置に限定を加えない。例えば、社員の健康状態を会社で管理する用途の場合、対象者のオフィスや、社屋の出入り口の近辺に、データ中継装置15が配置されてもよい。
【0023】
データ中継装置15は、歩行データを受信すると、対象者に対する音声を出力する。対象者が靴を履いたタイミングで計測装置10から送信された歩行データを受信すると、データ中継装置15は、外出する対象者に向けた音声を出力する。対象者が靴を脱いだタイミングで計測装置10から送信された歩行データを受信すると、データ中継装置15は、帰宅した対象者に向けた音声を出力する。
【0024】
また、データ中継装置15は、対象者に対して出力された音声に対して、その対象者から発せられた音声を受音する。データ中継装置15は、受音した音声を音声データに変換する。データ中継装置15は、変換後の音声データを記憶する。音声データは、音声を受音した時刻と紐づけられて、記憶されることが好ましい。音声データと時刻とが紐づけられて記憶されていれば、対象者の外出/帰宅した時刻を判別できる。また、外出時刻と帰宅時刻とを判別できれば、対象者の外出時間を計算できる。
【0025】
データ中継装置15は、ネットワーク140を介して、クラウドやサーバに構築されたデータベース150に対象データを送信する。対象データは、歩行データと音声データの総称である。対象者の音声データを記憶している場合、データ中継装置15は、歩行データに加えて、音声データをデータベース150に送信する。データベース150に蓄積された対象データは、対象者の身体状態の推定等に用いられる。データベース150に蓄積された対象データの用途には、限定を加えない。例えば、データ中継装置15は、要介護/要支援の対象である対象者を担当する介護支援専門員等が扱う端末装置(図示しない)に、対象データを送信してもよい。
【0026】
〔計測装置〕
図2は、計測装置10の構成の一例を示すブロック図である。計測装置10は、センサ11および歩行データ生成部12を有する。本実施形態においては、センサ11と歩行データ生成部12が一体化された例をあげる。センサ11と歩行データ生成部12は、別々の装置として提供されてもよい。
【0027】
<センサ>
図2のように、センサ11は、加速度センサ111および角速度センサ112を有する。
図2には、加速度センサ111と角速度センサ112が、センサ11に含まれる例をあげる。センサ11には、加速度センサ111および角速度センサ112以外のセンサが含まれてもよい。センサ11に含まれうる加速度センサ111および角速度センサ112以外のセンサについては、説明を省略する。
【0028】
加速度センサ111は、3軸方向の加速度(空間加速度とも呼ぶ)を計測するセンサである。加速度センサ111は、足の動きに関する物理量として、加速度(空間加速度とも呼ぶ)を計測する。加速度センサ111は、計測した加速度を歩行データ生成部12に出力する。例えば、加速度センサ111には、圧電型や、ピエゾ抵抗型、静電容量型等の方式のセンサを用いることができる。加速度センサ111として用いられるセンサは、加速度を計測できれば、その計測方式に限定を加えない。
【0029】
角速度センサ112は、3軸周りの角速度(空間角速度とも呼ぶ)を計測するセンサである。角速度センサ112は、足の動きに関する物理量として、角速度(空間角速度とも呼ぶ)を計測する。角速度センサ112は、計測した角速度を歩行データ生成部12に出力する。例えば、角速度センサ112には、振動型や静電容量型等の方式のセンサを用いることができる。角速度センサ112として用いられるセンサは、角速度を計測できれば、その計測方式に限定を加えない。
【0030】
センサ11は、例えば、加速度や角速度を計測する慣性計測装置によって実現される。慣性計測装置の一例として、IMU(Inertial Measurement Unit)があげられる。IMUは、3軸方向の加速度を計測する加速度センサ111と、3軸周りの角速度を計測する角速度センサ112を含む。センサ11は、VG(Vertical Gyro)やAHRS(Attitude Heading)などの慣性計測装置によって実現されてもよい。また、センサ11は、GPS/INS(Global Positioning System/Inertial Navigation System)によって実現されてもよい。センサ11は、足の動きに関する物理量を計測できれば、慣性計測装置以外の装置によって実現されてもよい。
【0031】
図3は、計測装置10の配置例を示す概念図である。
図3の例では、両足の靴100の中に、計測装置10が配置される。
図3の例では、足弓の裏側に当たる位置に、計測装置10が設置される。例えば、計測装置10は、靴100の中に挿入されるインソールに配置される。例えば、計測装置10は、靴100の底面に配置されてもよい。例えば、計測装置10は、靴100の本体に埋設されてもよい。計測装置10は、靴100から着脱できてもよいし、靴100から着脱できなくてもよい。計測装置10は、足の動きに関するセンサデータを計測できさえすれば、足弓の裏側ではない位置に設置されてもよい。また、計測装置10は、対象者が履いている靴下や、対象者が装着しているアンクレット等の装飾品に設置されてもよい。また、計測装置10は、足に直に貼り付けられたり、足に埋め込まれたりしてもよい。
図3には、右足の靴100に計測装置10が設置される例を示す。計測装置10は、片足の靴100に設置されてもよい。
【0032】
図4は、人体に対して設定される面(人体面とも呼ぶ)について説明するための概念図である。本実施形態では、身体を左右に分ける矢状面、身体を前後に分ける冠状面、身体を水平に分ける水平面が定義される。
【0033】
<歩行データ生成部>
図2のように、歩行データ生成部12(歩行データ生成装置とも呼ぶ)は、取得部121、正規化部122、抽出部123、記憶部125、検知部126、および送受信部127を有する。歩行データ生成部12は、計測装置10の全体制御やデータ処理を行う。例えば、歩行データ生成部12は、マイクロコンピュータやマイクロコントローラによって実現される。例えば、歩行データ生成部12は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を有する。歩行データ生成部12は、加速度センサ111および角速度センサ112を制御して、角速度や加速度を計測する。歩行データ生成部12は、対象者(ユーザ)の携帯する携帯端末(図示しない)の側に実装されてもよい。
【0034】
取得部121は、加速度センサ111から、3軸方向の加速度を取得する。また、取得部121は、角速度センサ112から、3軸周りの角速度を取得する。例えば、取得部121は、取得された角速度および加速度等の物理量(アナログデータ)をAD変換(Analog-to-Digital Conversion)する。なお、加速度センサ111および角速度センサ112によって計測された物理量(アナログデータ)は、加速度センサ111および角速度センサ112の各々においてデジタルデータに変換されてもよい。
【0035】
取得部121は、変換後のデジタルデータ(センサデータとも呼ぶ)を正規化部122に出力する。取得部121は、図示しない記憶部にセンサデータを記憶させるように、構成されてもよい。センサデータには、デジタルデータに変換された加速度データと、デジタルデータに変換された角速度データとが少なくとも含まれる。加速度データは、3軸方向の加速度ベクトルを含む。角速度データは、3軸周りの角速度ベクトルを含む。加速度データおよび角速度データには、それらのデータの取得時間が紐付けられる。取得部121は、加速度データおよび角速度データに対して、実装誤差や温度補正、直線性補正などの補正を加えてもよい。また、取得部121は、センサデータの座標系を、計測装置10のローカル座標系から世界座標系に変換してもよい。座標系の変換は、正規化部122で行われてもよい。
【0036】
また、取得部121は、靴の着脱を検知するためのセンサデータを検知部126に出力する。靴の着脱は、対象者が靴を履く動作や、対象者が靴を脱ぐ動作に基づいて検知される。例えば、靴の着脱は、空間加速度/空間角速度の値や変化、波形に応じて検知できる。例えば、取得部121は、取得したセンサデータの全てを検知部126に出力する。例えば、取得部121は、取得したセンサデータのうち、予め設定された閾値を越えた空間加速度/空間角速度を検知部126に出力する。例えば、取得部121は、取得したセンサデータのうち、予め設定された変化量を越えた空間加速度/空間角速度を検知部126に出力する。
【0037】
正規化部122は、取得部121からセンサデータを取得する。正規化部122は、センサデータに含まれる3軸方向の加速度および3軸周りの角速度の時系列データから、一歩行周期分の時系列データ(歩行波形データとも呼ぶ)を抽出する。正規化部122は、抽出された一歩行周期分の歩行波形データの時間を、0~100%(パーセント)の歩行周期に正規化(第1正規化とも呼ぶ)する。0~100%の歩行周期に含まれる1%や10%などのタイミングを、歩行フェーズとも呼ぶ。また、正規化部122は、第1正規化された一歩行周期分の歩行波形データに関して、立脚相が60%、遊脚相が40%になるように正規化(第2正規化とも呼ぶ)する。立脚相は、足の裏側の少なくとも一部が地面に接している期間である。遊脚相は、足の裏側が地面から離れている期間である。歩行波形データを第2正規化すれば、特徴量が抽出される歩行フェーズのずれを低減できる。
【0038】
図5は、右足を基準とする一歩行周期において検出される歩行イベントについて説明するための概念図である。
図5の横軸は、右足の一歩行周期を100パーセント(%)として正規化された歩行周期である。右足の踵が地面に着地した時点を起点(0%)とし、次に右足の踵が地面に着地した時点を終点(100%)とする。一歩行周期に含まれる複数のタイミングの各々が、歩行フェーズである。片足の一歩行周期は、立脚相と遊脚相とに大別される。
図5の例では、立脚相が60%を占め、遊脚相が40%を占めるように、歩行周期が正規化される。立脚相は、立脚初期T1、立脚中期T2、立脚終期T3、遊脚前期T4に細分される。遊脚相は、遊脚初期T5、遊脚中期T6、遊脚終期T7に細分される。一歩行周期の歩行波形は、踵が地面に着地した時点を起点としなくてもよい。例えば、一歩行周期の歩行波形の起点は、立脚相の中央の時点などに設定されてもよい。
【0039】
歩行イベントE1は、一歩行周期の始まりの踵接地(HC:Heel Contact)を表す。踵接地は、遊脚相において地面から離れていた右足の踵が、地面に着地する事象である。歩行イベントE2は、反対足爪先離地(OTO:Opposite Toe Off)を表す。反対足爪先離地は、右足の足裏の接地面が接地した状態で、左足の爪先が地面から離れる事象である。歩行イベントE3は、踵持ち上がり(HR:Heel Rise)を表す。踵持ち上がりは、右足の足裏の接地面が接地した状態で、右足の踵が持ち上がる事象である。歩行イベントE4は、反対足踵接地(OHS:Opposite Heel Strike)を表す。反対足踵接地は、左足の遊脚相において地面から離れていた左足の踵が、地面に着地する事象である。歩行イベントE5は、爪先離地(TO:Toe Off)を表す。爪先離地は、左足の足裏の接地面が接地した状態で、右足の爪先が地面から離れる事象である。歩行イベントE6は、足交差(FA:Foot Adjacent)を表す。足交差は、左足の足裏の接地面が接地した状態で、左足と右足が交差する事象である。歩行イベントE7は、脛骨垂直(TV:Tibia Vertical)を表す。脛骨垂直は、左足の足裏が接地した状態で、右足の脛骨が地面に対してほぼ垂直になる事象である。歩行イベントE8は、一歩行周期の終わりの踵接地(HS:Heel Strike)を表す。歩行イベントE8は、歩行イベントE1から始まる歩行周期の終点に相当するとともに、次の歩行周期の起点に相当する。
【0040】
正規化部122は、歩行フェーズが0%の踵接地HCから、その踵接地HCに後続する爪先離地TOまでの区間を0~60%に正規化する。また、正規化部122は、爪先離地TOから、爪先離地TOに後続する歩行フェーズが100%の踵接地HCまでの区間を60~100%に正規化する。その結果、一歩行周期分の歩行波形データは、歩行周期が0~60%の区間(立脚相)と、歩行周期が60~100%の区間(遊脚相)とに正規化される。
図8には、第2正規化後の歩行波形データを実線で示す。第2正規化後の歩行波形データでは、爪先離地TOのタイミングが60%に一致する。
【0041】
正規化部122は、進行方向加速度以外の加速度/角速度に関して、進行方向加速度の歩行周期に合わせて、一歩行周期分の歩行波形データを抽出/正規化する。また、正規化部122は、3軸周りの角速度の時系列データを積分することで、3軸周りの角度の時系列データを生成してもよい。その場合、正規化部122は、3軸周りの角度に関しても、進行方向加速度の歩行周期に合わせて、一歩行周期分の歩行波形データを抽出/正規化する。
【0042】
正規化部122は、進行方向加速度以外の加速度/角速度に基づいて、一歩行周期分の歩行波形データを抽出/正規化してもよい。例えば、正規化部122は、垂直方向加速度の時系列データから、踵接地HCや爪先離地TOを検出してもよい。踵接地HCのタイミングは、垂直方向加速度の時系列データに表れる急峻な極小ピークのタイミングである。急峻な極小ピークのタイミングにおいては、垂直方向加速度の値がほぼ0になる。踵接地HCのタイミングの目印になる極小ピークは、一歩行周期分の歩行波形データの最小ピークに相当する。連続する踵接地HCの間の区間が、一歩行周期である。爪先離地TOのタイミングは、垂直方向加速度の時系列データが、踵接地HCの直後の極大ピークの後に変動の小さい区間を経た後に、なだらかに増大する途中の変曲点のタイミングである。
【0043】
また、正規化部122は、進行方向加速度および垂直方向加速度の両方に基づいて、一歩行周期分の歩行波形データを抽出/正規化してもよい。また、正規化部122は、進行方向加速度および垂直方向加速度以外の加速度や角速度、角度等に基づいて、一歩行周期分の歩行波形データを抽出/正規化してもよい。
【0044】
抽出部123は、正規化部122によって正規化された一歩行周期分の歩行波形データを取得する。抽出部123は、一歩行周期分の歩行波形データから、膝の状態を示す指標値の推定に用いられる特徴量を抽出する。抽出部123は、抽出した特徴量を記憶部125に記憶させる。例えば、抽出部123は、予め設定された条件に基づいて、時間的に連続する歩行フェーズを統合した歩行フェーズクラスターから、歩行フェーズクラスターごとの特徴量を抽出する。歩行フェーズクラスターは、少なくとも一つの歩行フェーズを含む。歩行フェーズクラスターには、単一の歩行フェーズも含まれる。
【0045】
抽出部123は、歩行フェーズクラスターの特徴量(第2特徴量)を生成してもよい。歩行フェーズクラスターは、時間的に連続する歩行フェーズを統合したクラスターである。歩行フェーズクラスターは、少なくとも一つの歩行フェーズを含む。歩行フェーズクラスターは、単一の歩行フェーズで構成されてもよい。抽出部123は、歩行フェーズクラスターごとの特徴量を記憶部125に記憶させる。
【0046】
例えば、抽出部123は、歩行フェーズクラスターを構成する歩行フェーズの各々から抽出された特徴量(第1特徴量)に特徴量構成式を適用して、第2特徴量を生成する。特徴量構成式は、歩行フェーズクラスターの特徴量を生成するために、予め設定された計算式である。例えば、特徴量構成式は、四則演算に関する計算式である。例えば、特徴量構成式を用いて算出される第2特徴量は、歩行フェーズクラスターに含まれる各歩行フェーズにおける第1特徴量の積分平均値や算術平均値、傾斜、ばらつきなどである。例えば、抽出部123は、歩行フェーズクラスターを構成する歩行フェーズの各々から抽出された第1特徴量の傾斜やばらつきを算出する計算式を、特徴量構成式として適用する。例えば、歩行フェーズクラスターが単独の歩行フェーズで構成される場合は、傾斜やばらつきを算出できないため、積分平均値や算術平均値などを計算する特徴量構成式を用いればよい。
【0047】
計測装置10から送信される歩行データの種別に応じて、正規化部122や抽出部123が省略されてもよい。例えば、正規化されていないセンサデータが歩行データとして送信される場合、正規化部122および抽出部123が省略されてもよい。例えば、正規化されたセンサデータが歩行データとして送信される場合、抽出部123が省略できる。
【0048】
記憶部125には、歩行データが記憶される。例えば、記憶部125には、抽出部123によって抽出された特徴量が歩行データとして記憶される。例えば、記憶部125には、抽出部123によって生成された歩行フェーズクラスターの特徴量が歩行データとして記憶されてもよい。また、記憶部125には、センサデータの生データや、正規化されたセンサデータが歩行データとして記憶されてもよい。記憶部125に記憶された歩行データは、検知部126による靴の着脱の検知に応じて、送受信部127によって出力される。靴脱のタイミングにおいて歩行データが出力された場合、その次の着靴のタイミングにおいては、歩行データが記憶部125に記憶されていない。そのため、記憶部125に記憶された歩行データは、主に脱靴のタイミングに出力される。靴脱のタイミングにおいては、対象者の歩行に応じて計測された歩行データが記憶部125に蓄積されている。そのため、靴脱のタイミングは、蓄積された歩行データを的確に出力できるタイミングである。
【0049】
検知部126は、靴の着脱を検知するためのセンサデータを、取得部121から取得する。検知部126は、対象者が靴を履く動作や、対象者が靴を脱ぐ動作に基づいて、靴の着脱を検知する。例えば、検知部126は、空間加速度/空間角速度の値や変化、波形に応じて、靴の着脱を検知する。着靴を検知すると、検知部126は、着靴を示す信号を送受信部127に出力する。着靴した対象者は、外出するものと推測される。靴脱を検知すると、検知部126は、靴脱を示す信号を送受信部127に出力する。靴脱した対象者は、帰宅したものと推測される。このように、靴の着脱の検知によって、対象者の外出/帰宅を判定できる。
【0050】
一例として、検知部126は、取得部121が取得したセンサデータの全てを取得する。例えば、検知部126は、空間加速度/空間角速度が、ほぼゼロの状態から急激に変化したことに応じて、着靴を検知する。例えば、検知部126は、空間加速度/空間角速度が、ほぼゼロの状態に急激に変化したことに応じて、靴脱を検知する。空間加速度/空間角速度の変化量に閾値を設けておけば、空間加速度/空間角速度の変化量が閾値を越えたことに応じて、検知部126は、靴の着脱を検知できる。
【0051】
例えば、検知部126は、取得部121取得したセンサデータのうち、予め設定された閾値を越えた空間加速度/空間角速度を取得する。例えば、検知部126は、取得部121が取得したセンサデータのうち、予め設定された変化量を越えた空間加速度/空間角速度を取得する。検知部126は、予め設定された閾値を越えた空間加速度/空間角速度や、予め設定された変化量を越えた空間加速度/空間角速度の取得に応じて、靴の着脱を検知できる。
【0052】
検知部126は、対象者が靴を着脱するときに行う特定の動作に応じて、靴の着脱を検知してもよい。検知部126による検知対象である特定の動作については、特に限定を加えない。以下に、検知対象である特定の動作の一例を列挙する。例えば、靴の着脱は、対象者によって癖があることが多い。そのため、対象者の靴の着脱における特徴を学習させたモデルを生成しておき、そのモデルを用いて、靴の着脱が検知されるように構成されてもよい。そのように構成されれば、靴の着脱において検知された特徴に応じて、対象者を識別できる。
【0053】
例えば、対象者が、靴を履くために、玄関に置かれた靴の中に足を入れて、踵を持ち上げることが想定される。そのような場合、センサデータに基づく計測装置10の角度が急激に変化したことを、検知部126が検知することによって、靴が履かれたことを検知できる。例えば、対象者が、玄関に置かれた靴を履くために、一定以上の高さに靴を持ち上げることが想定される。そのような場合、センサデータに基づく計測装置10の高さが一定以上の高さに持ち上げられたことを、検知部126が検知することによって、靴が履かれたことを検知できる。例えば、対象者が、靴を履くために、玄関に置かれた靴の中に足を入れた後に、爪先を地面にトントンとたたきつけることが想定される。そのような場合、センサデータに基づく計測装置10の空間位置が周期的に変化したことを、検知部126が検知することによって、靴が履かれたことを検知できる。
【0054】
例えば、対象者は、帰宅した際に、ドアの前で一旦歩行を停止し、そして玄関の中まで移動して靴を脱ぐことが想定される。そのような場合、センサデータに基づく計測装置10の空間加速度が一定時間ゼロになり、その直後に空間加速度/空間角速度が複雑な変化を示してゼロになったことを、検知部126が検知することによって、靴脱を検知できる。例えば、対象者は、帰宅した際に、玄関で靴を脱ぎ、脱いだ靴を並べることが想定される。そのような場合、左右の靴に設置されたセンサデータに基づく計測装置10の向きがそろった後に、空間加速度/空間角速度がゼロになったことを、検知部126が検知することによって、靴脱を検知できる。例えば、対象者は、帰宅した際に、玄関で脱がれた靴が、履かれた状態ではありえない位置関係で放置されること想定される。そのような場合、左右の靴に設置されたセンサデータに基づく計測装置10の向きや位置が異なり、空間加速度/空間角速度がゼロになったことを、検知部126が検知することによって、靴脱を検知できる。
【0055】
送受信部127は、検知部126による靴の着脱の検知に応じて、記憶部125に蓄積された歩行データを送信する。例えば、送受信部127は、無線通信を介して、データ中継装置15に歩行データを送信する。例えば、送受信部127は、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)などの規格に則した無線通信機能(図示しない)を介して、データ中継装置15に歩行データを送信するように構成される。なお、送受信部127の通信機能は、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)以外の規格に則していてもよい。
【0056】
〔データ中継装置〕
図6は、データ中継装置15の構成の一例を示すブロック図である。データ中継装置15は、通信部151、音声入出力部153、記憶部155、および出力部157を有する。
【0057】
通信部151は、計測装置10から送信された歩行データを受信する。通信部151は、受信した歩行データを記憶部155に記憶させる。通信部151は、計測装置10の送受信部127と共通の通信方式で通信する。例えば、通信部151は、無線通信を介して、データ中継装置15から歩行データを受信する。例えば、通信部151は、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)などの規格に則した無線通信機能(図示しない)を介して、データ中継装置15から歩行データを受信するように構成される。なお、通信部151の通信機能は、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)以外の規格に則していてもよい。
【0058】
音声入出力部153は、音声を出力するスピーカと、音声を受音するマイクロフォンとを有する。音声入出力部153は、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力する。対象者に対する音声に変換される音声データは、記憶部155に記憶させておけばよい。対象者が靴を履いたタイミングで計測装置10から送信された歩行データを受信すると、音声入出力部153は、外出する対象者に向けた音声を出力する。対象者が靴を脱いだタイミングで計測装置10から送信された歩行データを受信すると、音声入出力部153は、帰宅した対象者に向けた音声を出力する。音声出力のみを行う場合、マイクロフォンが省略されてもよい。
【0059】
音声入出力部153は、対象者に対して出力された音声に対して、その対象者から発せられた音声を受音する。音声入出力部153は、受音した音声を音声データに変換する。音声データは、デジタルデータである。音声入出力部153は、変換後の音声データを記憶部155に記憶させる。音声データは、音声を受音した時刻と紐づけられて、記憶されることが好ましい。そのため、データ中継装置15には、リアルタイムクロックなどのクロックが含まれることが好ましい。音声データが時刻と紐づけられて記憶されていれば、対象者の外出/帰宅した時刻を判別できる。
【0060】
記憶部155には、歩行データと音声データを記憶する。記憶部155に記憶された歩行データと音声データは、対象データと総称される。記憶部155には、出力部157による対象データの送信間隔において、対象データが蓄積される。記憶部155に蓄積された対象データは、対象データの送信タイミングにおいて出力される。記憶部155に蓄積された対象データは、対象データの送信に合わせて削除される。例えば、送信された対象データがデータベース150まで到達しない状況も想定される。そのため、対象データの受信を通知する信号をデータベース150から取得してから、記憶部155に蓄積された対象データが削除されるように構成されてもよい。
【0061】
出力部157は、対象データを送信する通信インターフェースである。出力部157は、ネットワーク140を介して、クラウドやサーバに構築されたデータベース150に対象データを送信する。データベース150に蓄積された対象データは、対象者の身体状態の推定等に用いられる。例えば、推定対象の身体状態として、外反拇趾や回内/回外の度合、歩行における左右のバランスなどがあげられる。例えば、推定対象の身体状態として、握力や膝伸展力などの筋力指標や、動的バランス、下肢筋力、移動能力、静的バランス、易転倒性などがあげられる。推定対象の身体状態は、対象データに含まれる歩行データを用いて推定できれば、特に限定されない。例えば、出力部157は、要介護/要支援の対象である対象者を担当する介護支援専門員や医師、理学療法士など等が扱う端末装置(図示しない)に、対象データを送信してもよい。データベース150に蓄積された歩行データの用途には、限定を加えない。
【0062】
出力部157は、通信インターフェースではなく、標準化された規格に準拠する汎用インターフェースであってもよい。例えば、国際的な規格として、USB(Universal Serial Bus)やIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)などがあげられる。出力部157に適用される規格については、特に限定を加えない。
【0063】
出力部157は、通信インターフェースではなく、記録媒体にデータを読み書き可能なインターフェースであってもよい。例えば、記録媒体の一例として、光学記録媒体や半導体記録媒体、磁気記録媒体があげられる。光学記録媒体の一例として、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などがあげられる。半導体記録媒体の一例として、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどがあげられる。磁気記録媒体の一例として、フレキシブルディスクがあげられる。出力部157を介してデータが読み書きされる記録媒体の種類については、特に限定を加えない。
【0064】
(動作)
次に、計測システム1の動作について図面を参照しながら説明する。ここでは、計測システム1に含まれる計測装置10およびデータ中継装置15について、個別に説明する。
【0065】
〔計測装置〕
図7は、計測装置10の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図7のフローチャートに沿った説明においては、計測装置10を動作主体として説明する。
【0066】
図7において、まず、計測装置10は、待機モードでセンサデータを計測する(ステップS101)。待機モードは、靴の着脱を検知するための低消費電力の動作モードである。待機モードにおいて、計測装置10は、計測モードと比べて疎な計測間隔で、センサデータを計測する。すなわち、待機モードにおいて、計測装置10は、計測モードと比べて長い計測間隔で、センサデータを計測する。待機モードにおいて、計測装置10は、靴の着脱の検知に用いられる空間加速度/空間角速度のみを計測してもよい。
【0067】
次に、計測装置10は、対象者の着靴を判定する(ステップS102)。対象者の着靴を検知すると(ステップS102でYes)、計測装置10は、蓄積された歩行データを送信する(ステップS103)。計測装置10から送信された歩行データは、データ中継装置15によって受信される。この段階においては、計測装置10に歩行データが蓄積されていない可能性がある。そのような場合、計測装置10は、対象者の着靴を通知する信号(着靴通知信号とも呼ぶ)を送信するように構成されればよい。データ中継装置15は、着靴通知信号を受信することによって、対象者が外出するタイミングに合わせた処置を実行できる。対象者の着靴を検知していない場合(ステップS102でNo)、ステップS101に戻る。
【0068】
ステップS103の次に、計測装置10は、計測モードでセンサデータを計測する(ステップS104)。計測装置10は、計測モードと比べて密な計測間隔で、センサデータを計測する。すなわち、計測モードにおいて、計測装置10は、待機モードと比べて短い計測間隔で、センサデータを計測する。計測モードにおいて、計測装置10は、身体状態の推定に用いられる全ての空間加速度/空間角速度を計測する。
【0069】
次に、計測装置10は、対象者の歩行を判定する(ステップS105)。対象者の歩行を検知すると(ステップS105でYes)、計測装置10は、歩行データ計測処理を実行する(ステップS106)。歩行データ計測処理において、計測装置10は、センサ11によって計測されたセンサデータを用いて、歩行データを計測する。歩行データ計測処理の詳細に対は、後述する。対象者の歩行を検知していない場合(ステップS105でNo)、ステップS107に進む。
【0070】
ステップS106の次、または、ステップS105でNoの場合、計測装置10は、対象者による脱靴を判定する(ステップS107)。対象者による脱靴を検知すると(ステップS107でYes)、計測装置10は、蓄積された歩行データを送信する(ステップS108)。この段階においては、外出していた対象者の歩行に応じて、計測装置10が計測したセンサデータに基づく歩行データが、その計測装置10に蓄積されている。対象者による脱靴を検知しなかった場合(ステップS107でNo)、ステップS106に戻る。
【0071】
ステップS108の次に、計測を停止する場合(ステップS109でYes)、
図7のフローチャートに沿った処理は終了である。計測を継続する場合(ステップS109でNo)、ステップS101に戻る。計測の停止/継続の判定基準は、予め設定されればよい。
【0072】
<歩行データ計測処理>
次に、
図8のフローチャートにおける歩行データ計測処理(ステップS106)の詳細について、図面を参照しながら説明する。
図8のフローチャートに沿った説明においては、計測装置10を動作主体として説明する。
【0073】
図8において、まず、計測装置10は、センサデータの時系列データから一歩行周期分の歩行波形を抽出する(ステップS121)。例えば、計測装置10は、センサデータの時系列データから踵接地および爪先離地を検出する。計測装置10は、連続する踵接地間の区間の時系列データを、一歩行周期分の歩行波形として抽出する。
【0074】
次に、計測装置10は、抽出された一歩行周期分の歩行波形を正規化する(ステップS122)。計測装置10は、一歩行周期分の歩行波形を0~100%の歩行周期に正規化する(第1正規化)。さらに、計測装置10は、第1正規化された一歩行周期分の歩行波形の立脚相と遊脚相の比を60:40に正規化する(第2正規化)。正規化された歩行波形を歩行波形データと呼ぶ。
【0075】
次に、計測装置10は、正規化された歩行波形データから、身体状態の推定に用いられる特徴量を抽出する(ステップS123)。抽出される特徴量は、推定対象の身体状態に応じて設定される。
【0076】
次に、計測装置10は、抽出された特徴量を用いて、歩行フェーズクラスターごとの特徴量を生成する(ステップS124)。
【0077】
次に、計測装置10は、歩行フェーズクラスターごとの特徴量を統合して、一歩行周期分の歩行データを生成する(ステップS125)。
【0078】
次に、計測装置10は、生成された歩行データを、歩行データとして記録する(ステップS126)。ステップS126の次は、
図7のフローチャートのステップS107に進む。
【0079】
〔データ中継装置〕
図9は、データ中継装置15の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図9のフローチャートに沿った説明においては、データ中継装置15を動作主体として説明する。
【0080】
図9において、まず、データ中継装置15は、対象者による着靴/脱靴の有無を判定する(ステップS151)。対象者による着靴/脱靴に応じた歩行データを受信すると(ステップS151でYes)、データ中継装置15は、受信した歩行データを記録する(ステップS152)。計測装置10から着靴通知信号を受信した場合、データ中継装置15は、着靴通知信号の受信時刻を記録すればよい。着靴通知信号の受信時刻は、対象者の外出時刻に相当する。対象者による着靴/脱靴に応じた歩行データを受信しなかった場合(ステップS151でNo)、ステップS156に進む。対象者による着靴/脱靴の有無の判定は、予め設定されたタイミングで行われればよい。
【0081】
ステップS152の次に、データ中継装置15は、対象者による着靴/脱靴に応じて、その対象者に対する音声情報を出力する(ステップS153)。例えば、対象者による着靴に応じた歩行データが受信された場合、データ中継装置15は、「いってらっしゃい」などといった音声情報を出力する。例えば、対象者による脱靴に応じた歩行データが受信された場合、データ中継装置15は、「おかえりなさい」などといった音声情報を出力する。データ中継装置15から出力される音声情報については、特に限定を加えない。
【0082】
ステップS153の次に、対象者の音声を受音すると(ステップS154でYes)、データ中継装置15は、受音した音声に応じた音声データを記録する(ステップS155)。データ中継装置15は、音声データを受音した時刻を、その音声データに対応付けて記録する。また、データ中継装置15は、音声データを受音した時点において蓄積されている歩行データと、その音声データとを対応付けた対象データを記録する。
【0083】
ステップS155の次、または、ステップS151でNoもしくはステップS154でNoの場合、対象データの送信タイミングであれば(ステップS156でYes)、ステップS157に進む。対象データの送信タイミングでなければ(ステップS156でNo)、ステップS151に戻る。
【0084】
ステップS156でYesであり、計測を停止する場合(ステップS157でYes)、
図9のフローチャートに沿った処理は終了である。計測を継続する場合(ステップS157でNo)、ステップS151に戻る。計測の停止/継続の判定基準は、予め設定されればよい。
【0085】
以上のように、本実施形態の計測システムは、計測装置とデータ中継装置を備える。計測装置は、対象者の履物に搭載される。計測装置は、センサと歩行データ生成部を有する。センサは、空間加速度および空間角速度を計測する。センサは、計測した空間加速度および空間角速度を用いて足の動きに関するセンサデータを生成する。センサは、生成したセンサデータを出力する。歩行データ生成部は、センサデータの時系列データを取得する。歩行データ生成部は、センサデータの時系列データから歩容に関する特徴量を抽出する。歩行データ生成部は、抽出された特徴量を含む歩行データを生成する。歩行データ生成部は、生成された歩行データをデータ中継装置に送信する。
【0086】
データ中継装置は、通信部、音声入出力部、記憶部、および出力部を備える。通信部は、歩行データを受信する。歩行データは、対象者の履物に搭載された計測装置によって計測された足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む。音声入出力部は、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力する。記憶部は、受信された歩行データを記憶する。出力部は、予め設定された送信タイミングにおいて、記憶部に記憶された歩行データを含む対象データを出力する。
【0087】
本実施形態のデータ中継装置は、対象者の歩行に応じて計測された歩行データの受信に応じて、その対象者に対する音声を出力する。対象者の歩行データが送信されるのは、その対象者が履物を着脱するタイミングとほぼ一致する。対象者が履物を履くのは、その対象者が外出するタイミングである。一方、対象者が履物を脱ぐのは、その対象者帰宅したタイミングである。対象者が外出している期間には、その対象者が歩行をしている期間が含まれる。対象者の歩行に応じて計測された歩行データがデータ中継装置に送信されるのは、その対象者が外出/帰宅するタイミングに合わせられる。そのため、本実施形態によれば、対象者の日常生活に合わせて、対象者の歩行に応じて取得された歩行データを的確に収集できる。
【0088】
本実施形態の一態様において、音声入出力部は、対象者の音声に応じた音声データを生成する。音声入出力部は、生成された音声データを記憶部に記憶させる。出力部は、予め設定された送信タイミングにおいて、記憶部に記憶された歩行データと音声データとを含む対象データを出力する。対象者の音声データは、その対象者の外出/帰宅のタイミングにおいて取得される。そのため、本態様によれば、対象者の日常生活に合わせて取得された音声データを含む対象データを的確に収集できる。
【0089】
本実施形態の一態様において、通信部は、対象者による履物の着脱を示す着脱信号を受信する。音声入出力部は、着脱信号に応じて、対象者に対する音声を出力する。本態様においては、対象者による履物の着脱に応じて、その対象者に対する音声を出力する。そのため、本態様によれば、対象者による履物の着脱に応じた音声を出力できる。
【0090】
本実施形態の一態様において、着脱信号は、履物の着靴および脱靴を示す情報を含む。着脱信号が履物の着靴を示す場合、音声入出力部は、対象者の外出に合わせた音声を出力する。着脱信号が履物の靴脱を示す場合、音声入出力部は、対象者の帰宅に応じた音声を出力する。本態様においては、履物の着靴および脱靴を示す情報を含む着脱信号に応じて、対象者の外出と帰宅を区別できる。そのため、本態様によれば、対象者の外出/帰宅に応じて、データ中継装置から適切な音声を出力できる。
【0091】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る計測システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の計測システムは、第1の実施形態の計測システムに人感センサが追加された構成である。
【0092】
(構成)
図10は、本実施形態に係る計測システム2の構成の一例を示すブロック図である。計測システム2は、計測装置20、データ中継装置25、および人感センサ26を備える。データ中継装置25は、イントラネットやインターネットなどのネットワーク240を介して、データベース250に接続される。データ中継装置25は、予め設定されたタイミングにおいて、データ中継装置25に蓄積された歩行データをデータベース250に送信する。以下において、計測システム2の概要について説明してから、データ中継装置25の構成について説明する。計測装置20の構成は、第1の実施形態と同様なので、省略する。
【0093】
図11は、計測システム2の配置例を示す概念図である。
図11は、対象者の住居の間取りの一部を、上方の視座から見下ろした図である。計測システム2を構成する計測装置20、データ中継装置25、および人感センサ26は、対象者の住居の玄関に配置される。計測装置20は、対象者の靴200に配置される。データ中継装置25は、玄関にある靴箱の上に配置される。人感センサ26は、玄関のドアの上方に配置される。
図11は、計測システム2の配置の一例であって、計測システム2の配置を限定するものではない。例えば、データ中継装置25は、所定のタイミングにおいて、蓄積された対象データを、別の部屋に配置されたルーター270に送信する。ルーター270は、受信した対象データを、ネットワーク240を経由してデータベース250に送信する。
【0094】
人感センサ26は、データ中継装置25の近傍に配置される。人感センサ26は、データ中継装置25に接続される。例えば、人感センサ26は、無線通信によって、データ中継装置25に接続される。人感センサ26は、有線通信によって、データ中継装置25に接続されてもよい。人感センサ26とデータ中継装置25との接続方式に関しては、特に限定を加えない。
【0095】
人感センサ26は、検知範囲に進入した人物を検出する。人感センサ26は、人物の検知に応じて、人物を検知したことを通知する信号(検知信号とも呼ぶ)を、データ中継装置25に出力する。例えば、人感センサ26は、サーモパイルや赤外線センサなどの赤外線によって、人物を検知する。人感センサ26の構成については、特に限定を加えない。例えば、人感センサ26は、音波や振動などの波動によって、人物を検知するように構成されてもよい。
【0096】
データ中継装置25は、人感センサ26から検知信号を受信する。データ中継装置25は、計測装置20に接続される。データ中継装置25は、人感センサ26から送信された検知信号の受信に応じて、データ要求信号を計測装置20に送信する。例えば、データ中継装置25は、無線通信によって、計測装置20に接続される。データ中継装置25は、有線通信によって、計測装置20に接続されてもよい。データ中継装置25と計測装置20の接続方式に関しては、特に限定を加えない。
【0097】
計測装置20は、対象者の履物に搭載される。計測装置20は、データ中継装置25との通信範囲内に位置する状況において、データ中継装置25からデータ要求信号を受信する。計測装置20は、データ要求信号に応じて、蓄積された歩行データをデータ中継装置25に送信する。
【0098】
データ中継装置25は、データ要求信号に応じて計測装置20から送信された歩行データを受信する。データ中継装置25は、受信した歩行データを蓄積する。データ中継装置25は、歩行データを受信すると、対象者に対する音声を出力する。対象者が靴を履いたタイミングで計測装置20から送信された歩行データを受信すると、データ中継装置25は、外出する対象者に向けた音声を出力する。対象者が靴を脱いだタイミングで計測装置20から送信された歩行データを受信すると、データ中継装置25は、帰宅した対象者に向けた音声を出力する。
【0099】
また、データ中継装置25は、対象者に対して出力された音声に対して、その対象者から発せられた音声を受音する。データ中継装置25は、受音した音声を音声データに変換する。データ中継装置25は、変換後の音声データを記憶する。音声データは、音声を受音した時刻と紐づけられて、記憶されることが好ましい。音声データが時刻と紐づけられて記憶されていれば、対象者の外出/帰宅した時刻を判別できる。
【0100】
データ中継装置25は、対象者の音声に応じて、その対象者の感情や疲労度を推定するように構成されてもよい。例えば、機械学習の手法を用いて、対象者の音声の周波数や声色に応じた感情や疲労度を、データ中継装置25に予め学習させておく。そのようにすれば、対象者の音声の入力に応じて、その対象者の感情や疲労度を推定できる。データ中継装置25は、対象者の返答内容をテキスト分析することによって、その対象者の状態を推定するように構成されてもよい。そのように構成されれば、対象者の返答内容に含まれるテキストに応じて、喜怒哀楽を推定することも可能である。
【0101】
データ中継装置25は、ネットワーク240を介して、クラウドやサーバに構築されたデータベース250に対象データを送信する。対象データは、歩行データと音声データの総称である。対象者の音声データを記憶している場合、データ中継装置25は、歩行データに加えて、音声データをデータベース250に送信する。データベース250に蓄積された対象データは、対象者の身体状態の推定等に用いられる。データベース250に蓄積された対象データの用途には、限定を加えない。例えば、データ中継装置25は、要介護/要支援の対象である対象者を担当する介護支援専門員等が扱う端末装置(図示しない)に、対象データを送信してもよい。
【0102】
〔データ中継装置〕
図12は、データ中継装置25の構成の一例を示すブロック図である。データ中継装置25は、通信部251、音声入出力部253、記憶部255、検知部256、および出力部257を有する。
【0103】
通信部251は、検知部256による検知信号の受信に応じて、データ要求信号を送信する。通信部251から送信されたデータ要求信号は、計測装置20に向けて送信される。通信部251は、データ要求信号に応じた計測装置20から送信された歩行データを受信する。通信部251は、受信した歩行データを記憶部255に記憶させる。通信部251は、計測装置20と共通の通信方式で通信する。
【0104】
音声入出力部253は、第1の実施形態の音声入出力部153と同様の構成である。音声入出力部253は、音声を出力するスピーカと、音声を受音するマイクロフォンとを有する。音声入出力部253は、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力する。対象者に対する音声に変換される音声データは、記憶部255に記憶させておけばよい。対象者が靴を履いたタイミングで計測装置20から送信された歩行データを受信すると、音声入出力部253は、外出する対象者に向けた音声を出力する。対象者が靴を脱いだタイミングで計測装置20から送信された歩行データを受信すると、音声入出力部253は、帰宅した対象者に向けた音声を出力する。音声出力のみを行う場合、マイクロフォンが省略されてもよい。
【0105】
音声入出力部253は、対象者に対して出力された音声に対して、その対象者から発せられた音声を受音する。音声入出力部253は、受音した音声を音声データに変換する。音声データは、デジタルデータである。音声入出力部253は、変換後の音声データを記憶部255に記憶させる。音声データは、音声を受音した時刻と紐づけられて、記憶されることが好ましい。そのため、データ中継装置25には、リアルタイムクロックなどのクロックが含まれることが好ましい。音声データが時刻と紐づけられて記憶されていれば、対象者の外出/帰宅した時刻を判別できる。
【0106】
記憶部255は、第1の実施形態の記憶部155と同様の構成である。記憶部255には、歩行データと音声データを記憶する。記憶部255に記憶された歩行データと音声データは、対象データと総称される。記憶部255には、出力部257による対象データの送信間隔において、対象データが蓄積される。記憶部255に蓄積された対象データは、対象データの送信タイミングにおいて出力される。記憶部255に蓄積された対象データは、対象データの送信に合わせて削除される。例えば、送信された対象データがデータベース250まで到達しない状況も想定される。そのため、対象データの受信を通知する信号をデータベース250から取得してから、記憶部255に蓄積された対象データが削除されるように構成されてもよい。
【0107】
検知部256は、人感センサ26から検知信号を受信する。検知部256は、検知信号を受信すると、データ要求信号の送信指示を通信部251に出力する。検知信号は、人感センサ26の検知範囲に人物が進入したことを通知するための信号である。検知信号は、人物ではなく、動物などの検知に応じて送信されることがある。そのため、検知信号の受信に応じてデータ要求信号が送信されても、計測装置20からの応答(歩行データ)が受信されない場合もある。
【0108】
出力部257は、第1の実施形態の出力部157と同様の構成である。出力部257は、対象データを送信する通信インターフェースである。出力部257は、ネットワーク240を介して、クラウドやサーバに構築されたデータベース250に対象データを送信する。データベース250に蓄積された対象データは、対象者の身体状態の推定等に用いられる。データベース250に蓄積された歩行データの用途には、限定を加えない。出力部257は、通信インターフェースではなく、標準化された規格に準拠する汎用インターフェースであってもよい。出力部257は、通信インターフェースではなく、記録媒体にデータを読み書き可能なインターフェースであってもよい。
【0109】
(動作)
次に、計測システム2の動作について図面を参照しながら説明する。ここでは、計測システム2に含まれる計測装置20およびデータ中継装置25について、個別に説明する。人感センサ26の動作については、説明を省略する。
【0110】
〔計測装置〕
図13は、計測装置20の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図13のフローチャートに沿った説明においては、計測装置20を動作主体として説明する。
【0111】
図13において、まず、計測装置20は、待機モードでセンサデータを計測する(ステップS201)。待機モードは、データ要求信号を受信していない段階における低消費電力の動作モードである。待機モードにおいて、計測装置20は、計測モードと比べて疎な計測間隔で、センサデータを計測する。すなわち、待機モードにおいて、計測装置20は、計測モードと比べて長い計測間隔で、センサデータを計測する。計測装置20は、データ要求信号の受信に応じて、起動するように設定されてもよい。
【0112】
データ要求信号を受信すると(ステップS202でYes)、計測装置20は、蓄積された歩行データを送信する(ステップS203)。計測装置20から送信された歩行データは、データ中継装置25によって受信される。この段階においては、計測装置20に歩行データが蓄積されていない可能性がある。そのような場合、計測装置20は、対象者の着靴を通知する信号(着靴通知信号とも呼ぶ)を送信するように構成されればよい。データ中継装置25は、着靴通知信号を受信することによって、対象者が外出するタイミングに合わせた処置を実行できる。データ要求信号を受信していない場合(ステップS202でNo)、ステップS201に戻る。
【0113】
ステップS203の次に、計測装置20は、計測モードでセンサデータを計測する(ステップS204)。計測装置20は、計測モードと比べて密な計測間隔で、センサデータを計測する。すなわち、計測モードにおいて、計測装置20は、待機モードと比べて短い計測間隔で、センサデータを計測する。計測モードにおいて、計測装置20は、身体状態の推定に用いられる全ての空間加速度/空間角速度を計測する。計測装置20は、データ要求信号の受信に応じて起動して、空間加速度/空間角速度を計測するように設定されてもよい。
【0114】
対象者の歩行を検知すると(ステップS205でYes)、計測装置20は、歩行データ計測処理を実行する(ステップS206)。歩行データ計測処理において、計測装置20は、計測装置20によって計測されたセンサデータを用いて、歩行データを計測する。ステップS206の歩行データ計測処理は、第1の実施形態における歩行データ計測処理(
図8)と同様である。対象者の歩行を検知していない場合(ステップS205でNo)、ステップS207に進む。
【0115】
ステップS206の次、または、ステップS205でNoの場合、計測装置20は、対象者による脱靴を判定する(ステップS207)。対象者による脱靴を検知すると(ステップS207でYes)、計測装置20は、蓄積された歩行データを送信する(ステップS208)。この段階においては、外出していた対象者の歩行に応じて、計測装置20が計測したセンサデータに基づく歩行データが、その計測装置20に蓄積されている。対象者による脱靴を検知しなかった場合(ステップS207でNo)、ステップS206に戻る。対象者による脱靴は、人感センサ26による人物の検出に応じて判定されてもよい。
【0116】
ステップS208の次に、計測を停止する場合(ステップS209でYes)、
図13のフローチャートに沿った処理は終了である。計測を継続する場合(ステップS209でNo)、ステップS201に戻る。計測の停止/継続の判定基準は、予め設定されればよい。
【0117】
〔データ中継装置〕
図14は、データ中継装置25の動作の一例について説明するためのフローチャートである。
図14のフローチャートに沿った説明においては、データ中継装置25を動作主体として説明する。
【0118】
図14において、データ中継装置25は、人感センサ26から検知信号を受信すると(ステップS251でYes)、計測装置20に向けてデータ要求信号を送信する(ステップS252)。人感センサ26から検知信号を受信していない場合(ステップS251でNo)、ステップS258に進む。
【0119】
ステップS252の次に、歩行データを受信すると(ステップS253でYes)、データ中継装置25は、受信した歩行データを記録する(ステップS254)。計測装置20から着靴通知信号を受信した場合、データ中継装置25は、着靴通知信号の受信時刻を記録すればよい。着靴通知信号の受信時刻は、対象者の外出時刻に相当する。歩行データを受信しなかった場合(ステップS253でNo)、ステップS258に進む。
【0120】
ステップS254の次に、データ中継装置25は、対象者による着靴/脱靴に応じて、その対象者に対する音声情報を出力する(ステップS255)。例えば、対象者による着靴に応じた歩行データが受信された場合、データ中継装置25は、「いってらっしゃい」などといった音声情報を出力する。例えば、対象者による脱靴に応じた歩行データが受信された場合、データ中継装置25は、「おかえりなさい」などといった音声情報を出力する。データ中継装置25から出力される音声情報については、特に限定を加えない。
【0121】
ステップS255の次に、対象者の音声を受音すると(ステップS256でYes)、データ中継装置25は、受音した音声に応じた音声データを記録する(ステップS257)。データ中継装置25は、音声データを受音した時刻を、その音声データに対応付けて記録する。また、データ中継装置25は、音声データを受音した時点において蓄積されている歩行データと、その音声データとを対応付けた対象データを記録する。
【0122】
ステップS257の次、または、ステップS251、ステップS253、もしくはステップS256でNoの場合、対象データの送信タイミングであれば(ステップS258でYes)、ステップS259に進む。対象データの送信タイミングでなければ(ステップS258でNo)、ステップS251に戻る。
【0123】
ステップS258でYesであり、計測を停止する場合(ステップS259でYes)、
図14のフローチャートに沿った処理は終了である。計測を継続する場合(ステップS259でNo)、ステップS251に戻る。計測の停止/継続の判定基準は、予め設定されればよい。
【0124】
(適用例)
次に、本実施形態に係る適用例について図面を参照しながら説明する。
図15~
図17は、本適用例について説明するための概念図である。本適用例においては、対象者の住居の玄関には、計測システム2を構成する計測装置20、データ中継装置25、および人感センサ26が配置される。
【0125】
図15は、対象者が外出するために靴200を履いている様子を示す概念図である。靴200の内部には、計測装置20が搭載されている。人感センサ26は、対象者の検知に応じて、データ中継装置25に検知信号を送信する。データ中継装置25は、検知信号の受信に応じて、「行ってらっしゃい」という音声情報を出力する。対象者は、データ中継装置25から出力された音声情報に応じて、「行ってきます」と返答している。データ中継装置25は、対象者による返答に応じた音声データを記録する。
【0126】
図16は、外出中の対象者が歩行している様子を示す概念図である。計測装置20は、対象者の歩行に応じて、センサデータを計測する。計測装置20は、センサデータに応じた歩行データを蓄積する。
【0127】
図17は、対象者が外出から帰宅した様子を示す概念図である。人感センサ26は、対象者の検知に応じて、データ中継装置25に検知信号を送信する。データ中継装置25は、検知信号の受信に応じて、「おかえりなさい」という音声情報を出力する。対象者は、データ中継装置25から出力された音声情報に応じて、「ただいま」と返答している。データ中継装置25は、対象者による返答に応じた音声データを記録する。さらに、データ中継装置25は、対象者の返答に応じて、その対象者の状態を推定する。
図17の例において、データ中継装置25は、対象者の返答から、その対象が疲労していると推定したものとする。データ中継装置25は、対象者の状態の推定結果に応じて、「お疲れ気味ですね。ゆっくり休憩してください。」という音声情報を出力する。データ中継装置25からの労いの言葉を聞いた対象者は、誰からの反応がないよりも、豊かな心持になれる可能性がある。
【0128】
本適用例によれば、対象者の日常生活に合わせて、対象者の歩行に応じて取得された歩行データを的確に収集できる。また、本適用例によれば、データ中継装置25からの音声情報による働きかけによって、一人暮らしの対象者のQOL(Quality Of Life)を向上できる可能性がある。
【0129】
以上のように、本実施形態の計測システムは、計測装置、データ中継装置、および人感センサを備える。人感センサは、データ中継装置の近傍に配置される。人感センサは、対象者を含む人物の検知に応じて、データ中継装置に検知信号を送信する。データ中継装置は、検知信号の受信に応じて、歩行データの送信を要求するデータ要求信号を計測装置に送信する。計測装置は、データ要求信号に応じて、蓄積された歩行データをデータ中継装置に送信する。データ中継装置は、データ要求信号に応じて送信されてきた歩行データを受信する。データ中継装置は、受信された歩行データを記憶する。
【0130】
本実施形態のデータ中継装置は、データ中継装置の近くにいる対象者の検知に応じて、その対象者の履物に搭載された計測装置から歩行データを取得する。対象者の住居の玄関にデータ中継装置が配置されている場合、その対象者がデータ中継装置の近くに来るタイミングは、その対象者の外出/帰宅のタイミングである可能性が高い。そのため、本実施形態によれば、対象者の日常生活に合わせて、対象者の歩行に応じて取得された歩行データを的確に収集できる。
【0131】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るデータ中継装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態のデータ中継装置は、第1~第2の実施形態の計測システムに含まれるデータ中継装置を簡略化した構成である。
【0132】
図18は、本実施形態に係るデータ中継装置35の構成の一例を示すブロック図である。データ中継装置35は、通信部351、音声入出力部353、記憶部355、および出力部357を備える。
【0133】
通信部351は、歩行データを受信する。歩行データは、対象者の履物に搭載された計測装置によって計測された足の動きに関するセンサデータから抽出された特徴量を含む。音声入出力部353は、歩行データの受信に応じて、対象者に対する音声を出力する。記憶部355は、受信された歩行データを記憶する。出力部357は、予め設定された送信タイミングにおいて、記憶部に記憶された歩行データを含む対象データを出力する。
【0134】
以上のように、本実施形態のデータ中継装置は、対象者の歩行に応じて計測された歩行データの受信に応じて、その対象者に対する音声を出力する。対象者の歩行データが送信されるのは、その対象者が履物を着脱するタイミングとほぼ一致する。対象者が履物を履くのは、その対象者が外出するタイミングである。一方、対象者が履物を脱ぐのは、その対象者帰宅したタイミングである。対象者が外出している期間には、その対象者が歩行をしている期間が含まれる。対象者の歩行に応じて計測された歩行データがデータ中継装置に送信されるのは、その対象者が外出/帰宅するタイミングに合わせられる。そのため、本実施形態によれば、対象者の日常生活に合わせて、対象者の歩行に応じて取得された歩行データを的確に収集できる。
【0135】
(ハードウェア)
ここで、本開示の各実施形態に係る制御や処理を実行するハードウェア構成について、
図19の情報処理装置90(コンピュータ)を一例としてあげて説明する。なお、
図19の情報処理装置90は、各実施形態の制御や処理を実行するための構成例であって、本開示の範囲を限定するものではない。
【0136】
図19のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96を備える。
図19においては、インターフェースをI/F(Interface)と略記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95、および通信インターフェース96は、バス98を介して、互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0137】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラム(命令)を、主記憶装置92に展開する。例えば、プログラムは、各実施形態の制御や処理を実行するためのソフトウェアプログラムである。プロセッサ91は、主記憶装置92に展開されたプログラムを実行する。プロセッサ91は、プログラムを実行することによって、各実施形態に係る制御や処理を実行する。
【0138】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92には、プロセッサ91によって、補助記憶装置93等に格納されたプログラムが展開される。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリによって実現される。また、主記憶装置92として、MRAM(Magneto resistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリが構成/追加されてもよい。
【0139】
補助記憶装置93は、プログラムなどの種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって実現される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0140】
入出力インターフェース95は、規格や仕様に基づいて、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。外部機器と接続されるインターフェースとして、入出力インターフェース95と通信インターフェース96とが共通化されてもよい。
【0141】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器が接続されてもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。入力機器としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルの機能を有する画面がインターフェースになる。プロセッサ91と入力機器とは、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0142】
情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器が備え付けられてもよい。表示機器が備え付けられる場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられる。情報処理装置90と表示機器は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0143】
情報処理装置90には、ドライブ装置が備え付けられてもよい。ドライブ装置は、プロセッサ91と記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体に格納されたデータやプログラムの読み込みや、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みを仲介する。情報処理装置90とドライブ装置は、入出力インターフェース95を介して接続される。
【0144】
以上が、本発明の各実施形態に係る制御や処理を可能とするためのハードウェア構成の一例である。
図19のハードウェア構成は、各実施形態に係る制御や処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。各実施形態に係る制御や処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。
【0145】
各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も、本発明の範囲に含まれる。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体によって実現されてもよい。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現されてもよい。プロセッサが実行するプログラムが記録媒体に記録されている場合、その記録媒体はプログラム記録媒体に相当する。
【0146】
各実施形態の構成要素は、任意に組み合わせられてもよい。各実施形態の構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。各実施形態の構成要素は、回路によって実現されてもよい。
【0147】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0148】
1、2 計測システム
10、20 計測装置
11 センサ
12 歩行データ生成部
15、25、35 データ中継装置
26 人感センサ
111 加速度センサ
112 角速度センサ
121 取得部
122 正規化部
123 抽出部
125 記憶部
126 検知部
127 送受信部
151、251、351 通信部
153、253、353 音声入出力部
155、255、355 記憶部
157、257、357 出力部
256 検知部