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特開2023-178840扉用モータ制御装置、扉用モータ制御方法、扉用モータ制御プログラム、鉄道用扉制御装置、モータ制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178840
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】扉用モータ制御装置、扉用モータ制御方法、扉用モータ制御プログラム、鉄道用扉制御装置、モータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/00 20160101AFI20231211BHJP
【FI】
H02P29/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091777
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】宇野 博生
【テーマコード(参考)】
5H501
【Fターム(参考)】
5H501AA30
5H501CC01
5H501DD06
5H501DD08
5H501EE01
5H501HA07
5H501HA08
5H501HB16
5H501JJ03
5H501JJ04
5H501JJ17
5H501JJ22
5H501JJ25
5H501KK06
5H501LL16
5H501LL22
5H501LL23
5H501LL36
5H501LL51
5H501MM02
5H501PP02
5H501PP04
(57)【要約】
【課題】効果的にモータを制御できる扉用モータ制御装置等を提供する。
【解決手段】扉用モータ制御装置2は、扉100の駆動力を供給するモータ131と、モータ131が有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶部32と、モータ131を駆動するために印加される駆動電圧と、当該駆動電圧が印加された際にモータ131のコイルに流れたコイル電流と、を取得する取得部31と、記憶部32によって記憶されたコイル抵抗と、取得部31によって取得された駆動電圧およびコイル電流とからコイルに生じる逆起電力を算出し、記憶部32によって記憶された逆起電力定数で除算することでモータ131の回転速度を推定する推定部33と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉の駆動力を供給するモータと、
前記モータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶部と、
前記モータを駆動するために印加される駆動電圧と、前記駆動電圧が印加された際に前記コイルに流れたコイル電流と、を取得する取得部と、
前記駆動電圧と前記コイル抵抗と前記コイル電流とから前記コイルに生じる逆起電力を算出し、前記逆起電力定数で除算することで前記モータの回転速度を推定する推定部と、
を備える扉用モータ制御装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記モータの駆動力を前記扉に伝達する伝達機構の変速比を更に記憶し、
前記変速比と前記推定部によって推定された前記回転速度とから算出した前記扉の速度を積分し、その積分期間に亘る前記扉のストローク量を算出するストローク量算出部を更に備える、
請求項1に記載の扉用モータ制御装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記扉の全開位置と全閉位置との間の距離を示す基準ストローク量を記憶し、
前記回転速度から前記扉の位置を算出する位置算出部と、
前記扉が前記全開位置から前記全閉位置に移動した場合、または、前記全閉位置から前記全開位置に移動した場合、前記ストローク量算出部によって算出された前記扉のストローク量と前記記憶部によって記憶された前記基準ストローク量を比較し、その比較結果に基づいて前記記憶部によって記憶された前記コイル抵抗および前記逆起電力定数の少なくともいずれかを補正する補正部と、
を更に備える、
請求項2に記載の扉用モータ制御装置。
【請求項4】
前記モータは、三相交流によって駆動される三相モータであり、
前記取得部は、前記三相モータを駆動するために相間に印加される前記駆動電圧としての相間電圧と、前記相間電圧が印加された際に各相のコイル間に流れた前記コイル電流としての相間電流と、を取得し、
前記推定部は、前記各相間電圧と前記コイル抵抗と前記各相間電流とから算出される各相間の逆起電力を前記逆起電力定数で除算することで前記三相モータの回転速度を推定する、
請求項1から3のいずれかに記載の扉用モータ制御装置。
【請求項5】
前記モータは、前記駆動電圧としての直流の開駆動電圧によって駆動されて前記扉の開駆動力を供給し、前記開駆動電圧と逆方向の前記駆動電圧としての直流の閉駆動電圧によって駆動されて前記扉の閉駆動力を供給する直流モータである、請求項1から3のいずれかに記載の扉用モータ制御装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記駆動電圧が印加されていない時の電圧を零として、正方向および負方向の前記駆動電圧を取得する、請求項1から3のいずれかに記載の扉用モータ制御装置。
【請求項7】
前記取得部によって取得された前記コイル電流の大きさに基づいて、前記扉に物体が挟まる戸挟みおよび過電流の少なくともいずれかを検知する異常検知部を更に備える、請求項1から3のいずれかに記載の扉用モータ制御装置。
【請求項8】
デューティ比が変化されたパルス幅変調信号が制御電極に印加され、直流電源電圧と前記デューティ比の積に比例する前記駆動電圧を生成する駆動トランジスタを更に備える、請求項1から3のいずれかに記載の扉用モータ制御装置。
【請求項9】
扉の駆動力を供給するモータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶ステップと、
前記モータを駆動するために印加される駆動電圧と、前記駆動電圧が印加された際に前記コイルに流れたコイル電流と、を取得する取得ステップと、
前記駆動電圧と前記コイル抵抗と前記コイル電流とから前記コイルに生じる逆起電力を算出し、前記逆起電力定数で除算することで前記モータの回転速度を推定する推定ステップと、
を備える扉用モータ制御方法。
【請求項10】
扉の駆動力を供給するモータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶ステップと、
前記モータを駆動するために印加される駆動電圧と、前記駆動電圧が印加された際に前記コイルに流れたコイル電流と、を取得する取得ステップと、
前記駆動電圧と前記コイル抵抗と前記コイル電流とから前記コイルに生じる逆起電力を算出し、前記逆起電力定数で除算することで前記モータの回転速度を推定する推定ステップと、
をコンピュータに実行させる扉用モータ制御プログラム。
【請求項11】
鉄道車両の乗降口を開閉する扉部と、
前記扉部を開閉駆動する駆動機構と、
前記駆動機構に動力を供給するモータと、
前記モータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶部と、
前記モータを駆動するために印加される駆動電圧と、前記駆動電圧が印加された際に前記コイルに流れたコイル電流と、を取得する取得部と、
前記駆動電圧と前記コイル抵抗と前記コイル電流とから前記コイルに生じる逆起電力を算出し、前記逆起電力定数で除算することで前記モータの回転速度を推定する推定部と、
を備える鉄道用扉制御装置。
【請求項12】
駆動力を供給するモータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶部と、
前記モータを駆動するために印加される駆動電圧と、前記駆動電圧が印加された際に前記コイルに流れたコイル電流と、を取得する取得部と、
前記駆動電圧と前記コイル抵抗と前記コイル電流とから前記コイルに生じる逆起電力を算出し、前記逆起電力定数で除算することで前記モータの回転速度を推定する推定部と、
を備えるモータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータ制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサレスの三相ブラシレスモータが開示されている。三相ブラシレスモータの各相のコイルで発生する逆起電圧と中点電圧を比較することで、センサレスで三相ブラシレスモータの回転位置が検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-299283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、十分な逆起電圧が発生していない起動時や低速回転時には、逆起電圧および中点電圧のそれぞれがばらつくため、三相ブラシレスモータの回転位置の検知精度が低下してしまう。このため、十分な逆起電圧が発生するまでの期間は位相非同期制御(例えば強制駆動)を継続して行う必要があり、この期間に異音や脱調が発生する可能性がある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、効果的にモータを制御できる扉用モータ制御装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の扉用モータ制御装置は、扉の駆動力を供給するモータと、モータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶部と、モータを駆動するために印加される駆動電圧と、駆動電圧が印加された際にコイルに流れたコイル電流と、を取得する取得部と、駆動電圧とコイル抵抗とコイル電流とからコイルに生じる逆起電力を算出し、逆起電力定数で除算することでモータの回転速度を推定する推定部と、を備える。
【0007】
この態様では、記憶部によって記憶されるコイル抵抗および逆起電力定数と、取得部によって取得される駆動電圧およびコイル電流に基づいて、推定部によってモータの回転速度が推定される。特許文献1のように逆起電力(逆起電圧)を直接的に測定するものではないため、十分な逆起電力が発生していない起動時や低速回転時でも高精度にモータの回転速度を算出できる。
【0008】
本発明の別の態様は、モータ制御方法である。この方法は、扉の駆動力を供給するモータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶ステップと、モータを駆動するために印加される駆動電圧と、駆動電圧が印加された際にコイルに流れたコイル電流と、を取得する取得ステップと、駆動電圧とコイル抵抗とコイル電流とからコイルに生じる逆起電力を算出し、逆起電力定数で除算することでモータの回転速度を推定する推定ステップと、を備える。
【0009】
本発明の更に別の態様は、鉄道用扉制御装置である。この装置は、鉄道車両の乗降口を開閉する扉部と、扉部を開閉駆動する駆動機構と、駆動機構に動力を供給するモータと、モータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶部と、モータを駆動するために印加される駆動電圧と、駆動電圧が印加された際にコイルに流れたコイル電流と、を取得する取得部と、駆動電圧とコイル抵抗とコイル電流とからコイルに生じる逆起電力を算出し、逆起電力定数で除算することでモータの回転速度を推定する推定部と、を備える。
【0010】
本発明の更に別の態様は、モータ制御装置である。この装置は、駆動力を供給するモータが有するコイルのコイル抵抗と、逆起電力定数と、を記憶する記憶部と、モータを駆動するために印加される駆動電圧と、駆動電圧が印加された際にコイルに流れたコイル電流と、を取得する取得部と、駆動電圧とコイル抵抗とコイル電流とからコイルに生じる逆起電力を算出し、逆起電力定数で除算することでモータの回転速度を推定する推定部と、を備える。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、これらの表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラム等に変換したものも、本発明に包含される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、効果的にモータを制御できる扉用モータ制御装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】鉄道車両用の扉を概略的に示す正面図である。
図2】第1実施例に係る扉用モータ制御装置の回路構成を模式的に示す。
図3】第1実施例に係る扉用モータ制御装置のモータ電圧検知回路およびモータ電流検知回路の模式的な機能ブロック図である。
図4】直流モータの端子間に現れる電圧を模式的に示す。
図5図4の端子間電圧積分することで得られる駆動電圧を模式的に示す。
図6】増幅回路が出力する直流モータのコイル電流を模式的に示す。
図7】整流回路によって正方向に整流されたコイル電流を模式的に示す。
図8】扉用モータ制御装置の機能ブロック図である。
図9】駆動電圧、コイル電流、扉速度、ストローク量の例を示す。
図10】扉用モータ制御装置によるモータ制御処理のフローチャートである。
図11】第2実施例に係る扉用モータ制御装置の回路構成を模式的に示す。
図12】第2実施例に係る扉用モータ制御装置のモータ電圧検知回路およびモータ電流検知回路の模式的な機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る扉用モータ制御装置を含む扉駆動装置1が適用される鉄道車両用の扉100を概略的に示す正面図である。扉100は、開閉駆動される扉部110と、扉駆動装置1の主要部が設けられて扉100全体を制御するコントローラ120と、扉用モータ制御装置の主要部が設けられて動力を発生させる扉エンジン130と、動力を扉部110に伝達する伝達機構140とを主に備える。なお、以下の説明では、図1における左右方向を水平方向とし、図1における上下方向を鉛直方向とするが、扉100は任意の姿勢で設置することができ、その設置方向が以下の例に限定されるものではない。また、図示される扉100は左右に開閉する引き戸式だが、開き戸式や折り戸式といった他の形式の扉にも本実施形態の扉駆動装置1および/または扉用モータ制御装置は適用できる。また、本発明に係る扉用モータ制御装置は、鉄道車両等の車両用の扉の駆動力を供給するモータの制御に限らず、鉄道駅等に設置されるホーム扉や一般の建物等に設置される自動扉の駆動力を供給するモータの制御にも利用できる。以下の本実施形態では、人や物を輸送する車両として鉄道車両の扉100を例に取って説明するが、自動車等の他の車両の扉にも本実施形態の扉駆動装置1および/または扉用モータ制御装置は適用できる。
【0015】
扉部110は、それぞれ水平方向に可動に設けられる第1の可動扉111Lと第2の可動扉111Rと、第1の可動扉111Lおよび第2の可動扉111Rが開状態のときにそれぞれを収容する扉収容部112L、112Rと、第1の可動扉111Lと第2の可動扉111Rの水平方向の動作をガイドするガイド機構113を備える。第1の可動扉111L、第2の可動扉111Rは、鉛直方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きい縦長の矩形状に構成される。扉部110の開駆動時には、図1で左側に示される第1の可動扉111Lが左方向に駆動され、図1で右側に示される第2の可動扉111Rが右側に駆動される。また、扉部110の閉駆動時には、開駆動時とは逆に、第1の可動扉111Lが右方向に駆動され、第2の可動扉111Rが左方向に駆動される。なお、扉部110を構成する扉の数や形状は上記に限られず、設置場所のニーズに合わせて適宜設計可能である。また、同様に、扉部110の可動方向も水平方向に限られず、水平方向から傾斜した方向としてもよい。
【0016】
ガイド機構113は、走行レール1131と、戸車1132と、ガイドレール1133と、振れ止め部1134を備える。走行レール1131は、可動扉111L、111Rの上方において、その可動域の全体に亘って水平方向に延伸する柱状のレール部材である。戸車1132は、可動扉111L、111Rの上部にそれぞれ二つずつ設けられ、各可動扉111L、111Rを走行レール1131に懸架する。各可動扉111L、111Rが水平方向に開閉駆動される際、戸車1132が走行レール1131を転動するため、円滑な開閉動作が可能となる。ガイドレール1133は、可動扉111L、111Rの下方において、その可動域の全体に亘って水平方向に延伸する溝状のレール部材である。振れ止め部1134は、可動扉111L、111Rの下部から張り出して溝状のガイドレール1133に収まる。各可動扉111L、111Rが水平方向に開閉駆動される際、振れ止め部1134がガイドレール1133に沿って動くため、各可動扉111L、111Rの見込み方向(図1の紙面に垂直な方向)の振動を抑制できる。
【0017】
コントローラ120は、扉100における各種の情報処理と制御を司る。後述するように本実施形態の扉駆動装置1の主要部は、コントローラ120および/または以下の扉エンジン130内に実装される。
【0018】
扉エンジン130は、モータ131と、駆動プーリ132を備える。モータ131は、扉駆動装置1の扉用モータ制御装置で生成される駆動電圧が印加されて、コイル電流としての駆動電流が流される一相または多相のコイルを有する。本実施形態ではモータ131の例として、三相交流によって駆動される三相ブラシレスモータと、直流によって駆動される直流モータについて具体的に後述するが、ここでのモータ131はU相、V相、W相の三相のコイルを有する三相ブラシレスモータとする。詳細は後述するが、本実施形態に係る三相ブラシレスモータでは、予め記憶されるコイル抵抗および逆起電力定数と、測定される駆動電圧およびコイル電流に基づいて、モータ131の回転速度および/または回転位置が算出される。従って本実施形態では、モータ131の回転位置を検出するためのホール素子等のセンサを設ける必要がない。換言すれば、本実施形態におけるモータ131は簡素なセンサレスモータとして構成できる。本実施形態に係る扉用モータ制御装置は、算出した回転速度および/または回転位置に応じてモータ131の各相の駆動電圧および/またはコイル電流を変化させることで、正回転(扉部110の開駆動に対応)または逆回転(扉部110の閉駆動に対応)の回転磁界を発生させ、モータ131の回転子を回転させる。モータ131によって回転駆動される駆動プーリ132は、図示しない歯車機構等を介してモータ131の回転子と連結され、連動して回転する。
【0019】
伝達機構140は、扉エンジン130で発生された動力を扉部110に伝達し、可動扉111L、111Rを開閉駆動する。伝達機構140は、動力伝達ベルト141、従動プーリ142、連結部材143を備える。動力伝達ベルト141は、内周面に多数の歯が形成された環状のタイミングベルトであり、図1の右側において駆動プーリ132に巻き付けられ、図1の左側において従動プーリ142に巻き付けられる。この状態において動力伝達ベルト141の水平方向の寸法は、駆動プーリ132と従動プーリ142の水平方向の距離に等しく、また可動扉111L、111Rの可動域の水平方向の寸法と同程度である。モータ131により駆動プーリ132が回転すると、動力伝達ベルト141を介して従動プーリ142が連動して回転する。
【0020】
連結部材143は、可動扉111L、111Rをそれぞれ動力伝達ベルト141に連結して、開閉駆動する。ここで、一方の可動扉は動力伝達ベルト141の上側に連結され、他方の可動扉は動力伝達ベルト141の下側に連結される。図1の例では、動力伝達ベルト141が時計回りに回転(正回転)すると、第1の可動扉111Lが左側に移動し第2の可動扉111Rが右側に移動する開動作となり、動力伝達ベルト141が反時計回りに回転(逆回転)すると、第1の可動扉111Lが右側に移動し第2の可動扉111Rが左側に移動する閉動作となる。
【0021】
扉部110は、可動扉111L、111Rが全開位置または全閉位置にあることを検知する全開閉位置検知部としての全開スイッチまたは全閉スイッチを備えてもよい。図1では可動扉111Rが全開位置にあることを検知する全開位置検知部としての全開スイッチ114のみを例示的に示す。全開スイッチ114は、ガイド機構113の走行レール1131における第2の(右側の)可動扉111R側の端(右端)に設けられる。第2の可動扉111Rが第1の可動扉111Lと連動して全開位置(右端)に到達すると、第2の可動扉111Rの右側の戸車1132が全開スイッチ114を押すため、可動扉111L、111Rが全開位置に到達したことを検知できる。図示は省略するが、全開スイッチ114と同様の全開スイッチが、第1の(左側の)可動扉111Lの全開検知のために走行レール1131における対応する端(左端)に設けられてもよい。また、可動扉111L、111Rが全閉位置にあることを検知する全閉位置検知部としての全閉スイッチが、走行レール1131の中央部等に設けられてもよい。
【0022】
図2は、第1実施例に係る扉用モータ制御装置2の回路構成を模式的に示す。前述のように扉用モータ制御装置2は、扉100(不図示)を駆動する扉駆動装置1の主要部であり、扉100の駆動力を供給するモータ131を制御する。第1実施例におけるモータ131は、直流の駆動電圧(開駆動電圧および閉駆動電圧)によって駆動される直流モータである。直流モータ131は、そのコイルに流れる直流電流としてのコイル電流の方向に応じて開方向および閉方向の駆動力を扉100に供給する。図示の例では、開駆動電圧によって点線の矢印で示されるように右から左にコイル電流が流された直流モータ131は、開方向の駆動力すなわち開駆動力を扉100に供給し、閉駆動電圧によって実線の矢印で示されるように左から右にコイル電流が流された直流モータ131は、閉方向の駆動力すなわち閉駆動力を扉100に供給する。このように、左向きのコイル電流を流す開駆動電圧と、右向きのコイル電流を流す閉駆動電圧は互いに逆方向である。
【0023】
以上のような直流モータ131の開駆動および閉駆動は、高電位ライン22と低電位ライン23の間に接続された複数の駆動トランジスタ21によって行われる。図示の例における駆動トランジスタ21は、直流モータ131の第1端子M1側(左側)に設けられる二つの駆動トランジスタ21LH、21LLと、直流モータ131の第2端子M2側(右側)に設けられる二つの駆動トランジスタ21RH、21RLを含む。
【0024】
第1端子M1側の二つの駆動トランジスタ21LH、21LLは、高電位ライン22と低電位ライン23の間に直列に接続されている。具体的には、駆動トランジスタ21LHが高電位ライン22側に設けられ、駆動トランジスタ21LLが低電位ライン23側に設けられる。また、これらの二つの駆動トランジスタ21LH、21LLの接続点が直流モータ131の第1端子M1に接続されている。
【0025】
第2端子M2側の二つの駆動トランジスタ21RH、21RLは、高電位ライン22と低電位ライン23の間に直列に接続されている。具体的には、駆動トランジスタ21RHが高電位ライン22側に設けられ、駆動トランジスタ21RLが低電位ライン23側に設けられる。また、これらの二つの駆動トランジスタ21RH、21RLの接続点が直流モータ131の第2端子M2に接続されている。
【0026】
各駆動トランジスタ21は、コントローラ120(図1)からの制御信号によってスイッチング制御される。具体的には、コントローラ120は、デューティ比を変化させたパルス幅変調信号(PWM信号)を各駆動トランジスタ21の制御電極(MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)の場合はゲート、バイポーラトランジスタの場合はベース)に印加する。また、各駆動トランジスタ21には、制御電極ではない二つの電極(MOSFETの場合はソースおよびドレイン、バイポーラトランジスタの場合はエミッタおよびコレクタ)を短絡する経路上に、実質的に低電位ライン23側から高電位ライン22側のみに電流を流すことが可能なダイオード24が併設されている。
【0027】
扉100の開駆動時には、図示の点線の矢印の開側電流を直流モータ131のコイルに流すために、第2端子M2側かつ高電位側の駆動トランジスタ21RHと、第1端子M1側かつ低電位側の駆動トランジスタ21LLの制御電極に実質的に同じPWM信号が印加される。この時、駆動トランジスタ21RHを介して高電位ライン22に導通する高電位の第2端子M2と、駆動トランジスタ21LLを介して低電位ライン23に導通する低電位の第1端子M1の間に、高電位ライン22と低電位ライン23の間の直流電源電圧VDCとPWM信号のデューティ比の積に比例する開駆動電圧(以下では便宜的に「M2-M1」とも表記する)が直流モータ131に印加される。なお、扉100の開駆動時には、第1端子M1側かつ高電位側の駆動トランジスタ21LHと、第2端子M2側かつ低電位側の駆動トランジスタ21RLの制御電極にはPWM信号が印加されない。
【0028】
扉100の閉駆動時には、図示の実線の矢印の閉側電流を直流モータ131のコイルに流すために、第1端子M1側かつ高電位側の駆動トランジスタ21LHと、第2端子M2側かつ低電位側の駆動トランジスタ21RLの制御電極に実質的に同じPWM信号が印加される。この時、駆動トランジスタ21LHを介して高電位ライン22に導通する高電位の第1端子M1と、駆動トランジスタ21RLを介して低電位ライン23に導通する低電位の第2端子M2の間に、高電位ライン22と低電位ライン23の間の直流電源電圧VDCとPWM信号のデューティ比の積に比例する閉駆動電圧(以下では便宜的に「M1-M2」とも表記する)が直流モータ131に印加される。なお、扉100の閉駆動時には、第2端子M2側かつ高電位側の駆動トランジスタ21RHと、第1端子M1側かつ低電位側の駆動トランジスタ21LLの制御電極にはPWM信号が印加されない。
【0029】
扉用モータ制御装置2は、後述する直流モータ131の回転速度および/または回転位置の算出のために、駆動電圧を取得する駆動電圧取得部としてのモータ電圧検知回路25と、コイル電流を取得するコイル電流取得部としてのモータ電流検知回路26を備える。
【0030】
モータ電圧検知回路25は、直流モータ131に対して並列に接続され、第1端子M1および第2端子M2の間の開駆動電圧「M2-M1」および閉駆動電圧「M1-M2」を検知する。モータ電流検知回路26は、二つの低電位側の駆動トランジスタ21LL、21RLと低電位ライン23の間にそれぞれ直列に接続される二つのシャント抵抗27を流れるコイル電流(開側電流および閉側電流)を電圧の形で検知する。なお、図2では便宜的にモータ電流検知回路26を第2端子M2側のシャント抵抗27のみに並列に示しているが、このモータ電流検知回路26は第1端子M1側のシャント抵抗27を流れるコイル電流(開側電流)も検知できる。前述のように、開側電流と閉側電流は実質的に同時に流れることはないため、一つのモータ電流検知回路26を開側電流と閉側電流の検知のために時分割で共用できる。
【0031】
図3は、扉用モータ制御装置2のモータ電圧検知回路25およびモータ電流検知回路26の模式的な機能ブロック図である。モータ電圧検知回路25は、実質的に積分回路251によって構成される。積分回路251は、直流モータ131の第1端子M1および第2端子M2の間の電圧を積分することで、開駆動電圧「M2-M1」および閉駆動電圧「M1-M2」を検知する。積分回路251で得られた直流モータ131の駆動電圧は、後述する扉用モータ制御装置2の他の機能ブロックを備えるコントローラ120にフィードバックされる。
【0032】
図4は、直流モータ131の第1端子M1および第2端子M2の間に現れる電圧を模式的に示す。以下では便宜的に、第2端子M2が第1端子M1より高電位となる場合の端子間電圧「M2-M1」を「正」の電圧といい、第1端子M1が第2端子M2より高電位となる場合の端子間電圧「M1-M2」を「負」の電圧という。また、第1端子M1と第2端子M2が同電位である場合の電圧を「零」として扱い、以下では中性点ともいう。前述のように、直流モータ131に正の端子間電圧「M2-M1」が印加される場合は扉100が開駆動され、直流モータ131に負の端子間電圧「M1-M2」が印加される場合は扉100が閉駆動される。従って、本図の左側は正の端子間電圧「M2-M1」が印加される扉100の開駆動期間を模式的に表し、本図の右側は負の端子間電圧「M1-M2」が印加される扉100の閉駆動期間を模式的に表す。
【0033】
前述のように、扉100の開駆動期間では駆動トランジスタ21RH、21LLの制御電極に実質的に同じPWM信号が印加される。このため、直流電源電圧VDCと絶対値が略等しい正の振幅Eのパルス波がデューティ期間に断続的に現れる。同様に、扉100の閉駆動期間では駆動トランジスタ21LH、21RLの制御電極に実質的に同じPWM信号が印加される。このため、直流電源電圧VDCと絶対値が略等しい負の振幅-Eのパルス波がデューティ期間に断続的に現れる。
【0034】
図5は、図4の端子間電圧(PWM信号によって生成されるパルス波)を積分回路251が積分することで得られる駆動電圧を模式的に示す。図5の左側における扉100の開駆動期間では、直流電源電圧VDCと絶対値が略等しい正の振幅EとPMW信号のデューティ比の積に比例する(正の)開駆動電圧が得られる。図5の右側における扉100の閉駆動期間では、直流電源電圧VDCと絶対値が略等しい負の振幅-EとPMW信号のデューティ比の積に比例する(負の)閉駆動電圧が得られる。なお、積分回路251に含まれる不図示のコンデンサの影響によって、開駆動期間および閉駆動期間の開始時に駆動電圧が開駆動電圧および閉駆動電圧に達するまでに僅かな時間を要する。このように、駆動電圧取得部としてのモータ電圧検知回路25は、直流モータ131に駆動電圧が印加されていない時の電圧を零(中性点)として、正方向(開方向)および負方向(閉方向)の駆動電圧を取得できる。一つのモータ電圧検知回路25または積分回路251によって正負両方の駆動電圧を検知できるため、扉用モータ制御装置2の大型化を防止できる。
【0035】
図3におけるモータ電流検知回路26は、増幅回路261と、整流回路262と、戸挟検知回路263と、過電流検知回路264を備える。増幅回路261は、シャント抵抗27を流れるコイル電流を電圧の形で検知して増幅する。増幅回路261で得られた直流モータ131のコイル電流は、後述する扉用モータ制御装置2の他の機能ブロックを備えるコントローラ120にフィードバックされる。
【0036】
また、増幅回路261で得られた直流モータ131のコイル電流は、整流回路262にも提供される。整流回路262は、正方向の開側電流と負方向の閉側電流を同じ方向(例えば正方向)に整流する。図6は、増幅回路261が出力する直流モータ131のコイル電流を模式的に示す。図4における直流モータ131の端子間電圧と同様に、第2端子M2が第1端子M1より高電位となって開方向に流れるコイル電流(開側電流)を「正」のコイル電流といい、第1端子M1が第2端子M2より高電位となって閉方向に流れるコイル電流(閉側電流)を「負」のコイル電流という。また、第1端子M1と第2端子M2が同電位となる中性点におけるコイル電流は「零」である。図4と同様に、本図の左側は正のコイル電流が流れる扉100の開駆動期間を模式的に表し、本図の右側は負のコイル電流が流れる扉100の閉駆動期間を模式的に表す。
【0037】
コイル電流(モータ電流)は、開駆動期間および閉駆動期間において、同様の波形を示す。開駆動期間および閉駆動期間の開始時には扉100を静止状態から加速する必要があるため、コイル電流の絶対値が極大値またはピークを取る。扉100の加速が完了した後の定速区間では、コイル電流の絶対値が略一定となる。扉100が全開位置または全閉位置に到達すると、戸当り、全開スイッチ114、全閉スイッチ、他方の扉等に当接するため、コイル電流の絶対値が一時的に増加する。
【0038】
図7は、整流回路262によって正方向に整流されたコイル電流を模式的に示す。整流回路262の後段には、コイル電流の大きさ(絶対値)に基づいて、扉100に物体(人や物)が挟まる戸挟みを検知する異常検知部としての戸挟検知回路263と、過電流を検知する異常検知部としての過電流検知回路264が並列に設けられる。戸挟検知回路263は、整流回路262から提供されるコイル電流の絶対値と、図7に模式的に示される戸挟検知閾値を比較するコンパレータを備える。戸挟みが発生するとコイル電流の絶対値が増加して戸挟検知閾値を超えるため、戸挟検知回路263は戸挟みを検知できる。戸挟検知回路263は、戸挟みが発生した旨をコントローラ120に報知する。過電流検知回路264は、整流回路262から提供されるコイル電流の絶対値と、図7に模式的に示される過電流検知閾値(典型的に戸挟検知閾値より大きい)を比較するコンパレータを備える。過電流が発生するとコイル電流の絶対値が増加して過電流検知閾値を超えるため、過電流検知回路264は過電流を検知できる。過電流検知回路264は、過電流が発生した旨をコントローラ120に報知する。なお、過電流の発生を検知した過電流検知回路264は迅速な安全確保のため、コントローラ120を介さずに直流モータ131を強制的に停止または遮断させてもよい。
【0039】
図8は、本実施形態に係る扉用モータ制御装置2の機能ブロック図である。扉用モータ制御装置2は、コントローラ120で実現するのが好ましい機能ブロックとして、取得部31と、記憶部32と、推定部33と、ストローク量算出部34と、位置算出部35と、全開閉位置検知部36と、補正部37を備える。これらの機能ブロックは、コンピュータの中央演算処理装置、メモリ、入力装置、出力装置、コンピュータに接続される周辺機器等のハードウェア資源と、それらを用いて実行されるソフトウェアの協働により実現される。コンピュータの種類や設置場所は問わず、上記の各機能ブロックは、単一のコンピュータのハードウェア資源で実現してもよいし、複数のコンピュータに分散したハードウェア資源を組み合わせて実現してもよい。
【0040】
取得部31は、直流モータ131を駆動するために印加される駆動電圧e(t)[V]を前述のモータ電圧検知回路25から取得し、この駆動電圧が印加された際に直流モータ131のコイルに流れたコイル電流i(t)[A]を前述のモータ電流検知回路26から取得する。ここで「t」は時間を表す。
【0041】
記憶部32は、直流モータ131のコイルのコイル抵抗R[Ω]と、逆起電力定数Ke[V/krpm]を予め記憶する。また、記憶部32は、直流モータ131の駆動力を扉100に伝達する伝達機構140の変速比を更に記憶する。例えば、直流モータ131の回転動力を扉100の直線動力に変換するための伝達機構140としてスクリュー軸が設けられる場合、記憶部32は当該スクリュー軸のリードl[mm](スクリュー軸が1回転した時に扉100が移動する距離)を変速比として記憶する。また、記憶部32は、扉100の全開位置と全閉位置との間の距離を示す基準ストローク量も記憶する。
【0042】
推定部33は、取得部31によって取得された駆動電圧e(t)およびコイル電流i(t)と、記憶部32によって記憶されたコイル抵抗Rからコイルに生じる逆起電力「e(t)-Ri(t)」を算出し、記憶部32によって記憶された逆起電力定数Keで除算することで直流モータ131の回転速度または回転数Ω(t)[rpm]を推定する。すなわち「Ω(t)=(e(t)-Ri(t))/Ke」である。
【0043】
ストローク量算出部34は、記憶部32によって記憶された変速比lと推定部33によって推定された回転速度Ω(t)とから算出した扉100の速度「v(t)=Ω(t)/60×l」を積分し、その積分期間に亘る扉100のストローク量(移動量)x(t)を算出する。図9は、取得部31によって取得された駆動電圧e(t)およびコイル電流i(t)と、推定部33およびストローク量算出部34によって算出された扉速度v(t)およびストローク量x(t)の例を示す。本図は図4図7の左側に示される扉100の開駆動期間を表す。本図の駆動電圧e(t)は図5の左側と同様であるが、扉100が全開位置に近づくと減速のために弱められている点が異なる。また、本図のコイル電流i(t)は図6の左側と同様であるが、扉100の減速時に直流モータ131で発生する回生電力によって一時的に逆方向に流れる点が異なる。
【0044】
位置算出部35は、推定部33によって推定された回転速度Ω(t)から扉100の位置を算出する。位置算出部35は、ストローク量算出部34によって算出されたストローク量x(t)に基づいて扉100の位置を算出してもよい。一方、全開閉位置検知部36は、扉100が全開位置または全閉位置にあることを、前述の全開スイッチ114または全閉スイッチ(以下では総称して全開閉スイッチ114ともいう)によって検知する。なお、全開閉位置検知部36は、全開閉スイッチ114によらずに、扉100が全開位置または全閉位置に到達した際に発生するコイル電流の絶対値の一時的な増加をモータ電流検知回路26によって検知し、扉100が全開位置または全閉位置にあることを認識してもよい。また、全開閉位置検知部36は、全開閉スイッチ114によらずに、推定部33および/またはストローク量算出部34によって算出される扉速度v(t)が零になったことを検知し、扉100が全開位置または全閉位置にあることを認識してもよい。
【0045】
補正部37は、扉100が全開位置から全閉位置に移動した場合、または、扉100が全閉位置から全開位置に移動した場合、ストローク量算出部34によって算出された扉100のストローク量と記憶部32によって記憶された基準ストローク量を比較し、その比較結果に基づいて記憶部32によって記憶されたコイル抵抗R、逆起電力定数Ke、変速比lの少なくともいずれかを補正する。理想的な状況ではストローク量算出部34が算出するストローク量は設計上の基準ストローク量と一致するが、実際には戸挟検知回路263で検知される戸挟みの繰返しに伴う扉100の各部の特性の変化または劣化や、扉100の戸先や戸尻に取り付けられるゴム等の弾性材の劣化等によって、推定部33、ストローク量算出部34、位置算出部35等における演算精度が悪化するために差が生じる可能性がある。この差が小さくなるように、補正部37は記憶部32によって記憶されたパラメータを補正する。
【0046】
図10は、扉用モータ制御装置2によるモータ制御処理のフローチャートである。フローチャートにおける「S」はステップまたは処理を意味する。S1では、全閉スイッチが「ON」になっており、扉100が全閉位置にある。S2では、コントローラ120が扉100の開指令を発する。S3では、コントローラ120が、S2の扉開指令に応じて、各駆動トランジスタ21(具体的には21RHおよび21LL)の制御電極にPWM信号を印加して、直流モータ131に開方向のコイル電流(図2における開側電流)を流して扉100を開駆動する。S4では、推定部33、ストローク量算出部34、位置算出部35が、取得部31によって取得された駆動電圧およびコイル電流と、記憶部32によって記憶されたコイル抵抗、逆起電力定数、変速比に基づいて、扉100のストローク量および/または扉100の位置を算出する。
【0047】
S5では、全開閉位置検知部36が、S4において算出された扉100の速度が零であるか否かを判定する。S5で「No」と判定された場合は扉100が開動作状態にあり、S4に戻って例えば10msec毎に扉ストローク量等が更新される。S5で「Yes」と判定された場合は扉100が全開位置に到達しておりS6に進む。S6では、補正部37が、扉100の全閉位置(S1)から全開位置(S5)への移動に関して、S4で算出された扉100のストローク量と記憶部32によって記憶された基準ストローク量を比較し、その比較結果に基づいて記憶部32によって記憶されたコイル抵抗R、逆起電力定数Ke、変速比lの少なくともいずれかを補正する。例えば、S4で算出されたストローク量と記憶された基準ストローク量の差が10%を超える場合、補正部37が記憶部32によって記憶されたパラメータを補正する。
【0048】
S7では、コントローラ120が扉100の閉指令を発する。S8では、コントローラ120が、S7の扉閉指令に応じて、各駆動トランジスタ21(具体的には21LHおよび21RL)の制御電極にPWM信号を印加して、直流モータ131に閉方向のコイル電流(図2における閉側電流)を流して扉100を閉駆動する。S9では、S4と同様に、推定部33、ストローク量算出部34、位置算出部35が、取得部31によって取得された駆動電圧およびコイル電流と、記憶部32によって記憶されたコイル抵抗、逆起電力定数、変速比に基づいて、扉100のストローク量および/または扉100の位置を算出する。S6における補正によって、S9における演算精度はS4における演算精度より向上することが期待される。S10では、扉100が全閉位置に到達することで全閉スイッチが「ON」となり、S1の状態に戻る。
【0049】
以上の第1実施例によれば、記憶部32によって記憶されるコイル抵抗Rおよび逆起電力定数Keと、取得部31によって取得される駆動電圧e(t)およびコイル電流i(t)に基づいて、推定部33によって直流モータ131の回転速度「Ω(t)=(e(t)-Ri(t))/Ke」が推定される。特許文献1のように逆起電力「KeΩ(t)」を直接的に測定するものではないため、十分な逆起電力が発生していない起動時や低速回転時でも高精度に直流モータ131の回転速度を算出できる。
【0050】
図11は、第2実施例に係る扉用モータ制御装置2の回路構成を模式的に示す。図2図10の第1実施例と同様の構成や処理には同一の符号を付して重複する説明を省略する。第2実施例におけるモータ131は、三相交流の駆動電圧によって駆動される三相ブラシレスモータである。三相ブラシレスモータ131は、U相コイル131Uと、V相コイル131Vと、W相コイル131Wを備える。
【0051】
三相ブラシレスモータ131の開駆動(例えば時計回り方向の回転駆動)および閉駆動(例えば反時計回り方向の回転駆動)は、コントローラ120の制御の下で、U相ドライブ回路121U、V相ドライブ回路121V、W相ドライブ回路121Wによって行われる。
【0052】
U相ドライブ回路121Uは、高電位ライン22と低電位ライン23の間に直列に接続された高電位側のU相駆動トランジスタ21UHと低電位側のU相駆動トランジスタULの制御電極にPWM信号を印加する。また、これらの二つのU相駆動トランジスタ21UH、21ULの接続点が三相ブラシレスモータ131のU相コイル131Uに接続されている。二つのU相駆動トランジスタ21UH、21ULの制御電極には、原則として同時にPWM信号がU相ドライブ回路121Uから印加されることはない。高電位側のU相駆動トランジスタ21UHの制御電極にPWM信号がU相ドライブ回路121Uから印加される場合は、PWM信号のデューティ期間に間欠的に導通する高電位側のU相駆動トランジスタ21UHを通じて、U相コイル131Uに高電位ライン22の高電位が間欠的に印加される。低電位側のU相駆動トランジスタ21ULの制御電極にPWM信号がU相ドライブ回路121Uから印加される場合は、PWM信号のデューティ期間に間欠的に導通する低電位側のU相駆動トランジスタ21ULを通じて、U相コイル131Uに低電位ライン23の低電位が間欠的に印加される。
【0053】
V相ドライブ回路121Vは、高電位ライン22と低電位ライン23の間に直列に接続された高電位側のV相駆動トランジスタ21VHと低電位側のV相駆動トランジスタVLの制御電極にPWM信号を印加する。また、これらの二つのV相駆動トランジスタ21VH、21VLの接続点が三相ブラシレスモータ131のV相コイル131Vに接続されている。二つのV相駆動トランジスタ21VH、21VLの制御電極には、原則として同時にPWM信号がV相ドライブ回路121Vから印加されることはない。高電位側のV相駆動トランジスタ21VHの制御電極にPWM信号がV相ドライブ回路121Vから印加される場合は、PWM信号のデューティ期間に間欠的に導通する高電位側のV相駆動トランジスタ21VHを通じて、V相コイル131Vに高電位ライン22の高電位が間欠的に印加される。低電位側のV相駆動トランジスタ21VLの制御電極にPWM信号がV相ドライブ回路121Vから印加される場合は、PWM信号のデューティ期間に間欠的に導通する低電位側のV相駆動トランジスタ21VLを通じて、V相コイル131Vに低電位ライン23の低電位が間欠的に印加される。
【0054】
W相ドライブ回路121Wは、高電位ライン22と低電位ライン23の間に直列に接続された高電位側のW相駆動トランジスタ21WHと低電位側のW相駆動トランジスタWLの制御電極にPWM信号を印加する。また、これらの二つのW相駆動トランジスタ21WH、21WLの接続点が三相ブラシレスモータ131のW相コイル131Wに接続されている。二つのW相駆動トランジスタ21WH、21WLの制御電極には、原則として同時にPWM信号がW相ドライブ回路121Wから印加されることはない。高電位側のW相駆動トランジスタ21WHの制御電極にPWM信号がW相ドライブ回路121Wから印加される場合は、PWM信号のデューティ期間に間欠的に導通する高電位側のW相駆動トランジスタ21WHを通じて、W相コイル131Wに高電位ライン22の高電位が間欠的に印加される。低電位側のW相駆動トランジスタ21WLの制御電極にPWM信号がW相ドライブ回路121Wから印加される場合は、PWM信号のデューティ期間に間欠的に導通する低電位側のW相駆動トランジスタ21WLを通じて、W相コイル131Wに低電位ライン23の低電位が間欠的に印加される。
【0055】
扉用モータ制御装置2は、後述する三相ブラシレスモータ131の回転速度および/または回転位置の算出のために、駆動電圧を取得する駆動電圧取得部としてのモータ電圧検知回路25と、コイル電流を取得するコイル電流取得部としてのモータ電流検知回路26を備える。
【0056】
モータ電圧検知回路25は、三相ブラシレスモータ131を駆動するために相間に印加される駆動電圧としての相間電圧を検知する三つの相間電圧検知回路を備える。具体的には、U相コイル131UおよびV相コイル131Vの間のUV相間電圧を検知するUV相モータ電圧検知回路25UVと、V相コイル131VおよびW相コイル131Wの間のVW相間電圧を検知するVW相モータ電圧検知回路25VWと、W相コイル131WおよびU相コイル131Uの間のWU相間電圧を検知するWU相モータ電圧検知回路25WUが設けられる。詳細については後述するが、各相間電圧検知回路25UV、25VW、25WUは、それぞれ図3におけるモータ電圧検知回路25と同様に構成できる。
【0057】
モータ電流検知回路26は、各相の低電位側の駆動トランジスタ21UL、21VL、21WLと低電位ライン23の間にそれぞれ直列に接続される各相のシャント抵抗27U、27V、27Wを流れる各相のコイル電流を電圧の形で検知する三つのコイル電流検知回路を備える。具体的には、U相の低電位側の駆動トランジスタ21ULと低電位ライン23の間に直列に接続されるU相のシャント抵抗27Uを流れるU相のコイル電流を電圧の形で検知するU相モータ電流検知回路26Uと、V相の低電位側の駆動トランジスタ21VLと低電位ライン23の間に直列に接続されるV相のシャント抵抗27Vを流れるV相のコイル電流を電圧の形で検知するV相モータ電流検知回路26Vと、W相の低電位側の駆動トランジスタ21WLと低電位ライン23の間に直列に接続されるW相のシャント抵抗27Wを流れるW相のコイル電流を電圧の形で検知するW相モータ電流検知回路26Wが設けられる。詳細については後述するが、各相のコイル電流検知回路26U、26V、26Wは、それぞれ図3におけるモータ電流検知回路26と同様に構成できる。
【0058】
図12は、扉用モータ制御装置2のモータ電圧検知回路25(25UV、25VW、25WU)およびモータ電流検知回路26(26U、26V、26W)の模式的な機能ブロック図である。
【0059】
各相間電圧検知回路25UV、25VW、25WUは、それぞれ実質的に積分回路251UV、251VW、251WUによって構成される。UV相間積分回路251UVは、三相ブラシレスモータ131のU相コイル131UおよびV相コイル131Vの間の電圧を積分することで、UV相間電圧Euvを検知する。VW相間積分回路251VWは、三相ブラシレスモータ131のV相コイル131VおよびW相コイル131Wの間の電圧を積分することで、VW相間電圧Evwを検知する。WU相間積分回路251WUは、三相ブラシレスモータ131のW相コイル131WおよびU相コイル131Uの間の電圧を積分することで、WU相間電圧Ewuを検知する。各積分回路251UV、251VW、251WUで得られた三相ブラシレスモータ131の駆動電圧Euv、Evw、Ewuは、後述する扉用モータ制御装置2の他の機能ブロックを備えるコントローラ120にフィードバックされる。
【0060】
各相のコイル電流検知回路26U、26V、26Wは、それぞれ増幅回路261U、261V、261Wと、整流回路262U、262V、262Wを備える。各増幅回路261U、261V、261Wは、それぞれ各相のシャント抵抗27U、27V、27Wを流れるコイル電流を電圧の形で検知して増幅する。各増幅回路261U、261V、261Wで得られた三相ブラシレスモータ131の各相のコイル電流Iu、Iv、Iwは、後述する扉用モータ制御装置2の他の機能ブロックを備えるコントローラ120にフィードバックされる。
【0061】
また、各増幅回路261U、261V、261Wで得られた各相のコイル電流Iu、Iv、Iwは、それぞれ整流回路262U、262V、262Wにも提供される。各整流回路262U、262V、262Wは各相のコイル電流Iu、Iv、Iwを整流し、それぞれの絶対値および/または三相分の総コイル電流Iをコントローラ120に対して出力する。また、各整流回路262U、262V、262Wで得られた総コイル電流Iは、戸挟検知回路263および過電流検知回路264にも提供される。
【0062】
戸挟検知回路263は、各整流回路262U、262V、262Wから提供される総コイル電流Iと、図7で示したような戸挟検知閾値を比較するコンパレータを備える。戸挟みが発生すると総コイル電流Iが増加して戸挟検知閾値を超えるため、戸挟検知回路263は戸挟みを検知できる。戸挟検知回路263は、戸挟みが発生した旨をコントローラ120に報知する。過電流検知回路264は、各整流回路262U、262V、262Wから提供される総コイル電流Iと、図7で示したような過電流検知閾値(典型的に戸挟検知閾値より大きい)を比較するコンパレータを備える。過電流が発生すると総コイル電流Iが増加して過電流検知閾値を超えるため、過電流検知回路264は過電流を検知できる。過電流検知回路264は、過電流が発生した旨をコントローラ120に報知する。なお、過電流の発生を検知した過電流検知回路264は迅速な安全確保のため、コントローラ120を介さずに三相ブラシレスモータ131を強制的に停止または遮断させてもよい。
【0063】
本実施例に係る扉用モータ制御装置2は、図8の機能ブロック図と同様に構成できる。取得部31は、三相ブラシレスモータ131を駆動するために印加される駆動電圧としての各相間電圧Euv、Evw、Ewuを前述の各相間電圧検知回路25UV、25VW、25WU(モータ電圧検知回路25)から取得し、これらの相間電圧Euv、Evw、Ewuが印加された際に三相ブラシレスモータ131の各相のコイル間に流れた相間電流Iuv、Ivw、Iwuを前述の各相のコイル電流検知回路26U、26V、26W(モータ電流検知回路26)から取得する。
【0064】
記憶部32は、三相ブラシレスモータ131のコイルのコイル抵抗Rと、逆起電力定数Keを予め記憶する。なお、標準的な三相ブラシレスモータ131ではコイル抵抗Rおよび逆起電力定数Keは各相に共通の値となるが、そうでない多相モータにおいては相毎のコイル抵抗Rおよび逆起電力定数Keを記憶部32が記憶してもよい。以下の説明ではコイル抵抗Rおよび逆起電力定数Keは各相に共通の値であるものとする。記憶部32は、三相ブラシレスモータ131の駆動力を扉100に伝達する伝達機構140の変速比l(スクリュー軸のリード等)を更に記憶する。また、記憶部32は、扉100の全開位置と全閉位置との間の距離を示す基準ストローク量も記憶する。
【0065】
推定部33は、取得部31によって取得された各相間電圧Euv、Evw、Ewuおよび各相間電流Iuv、Ivw、Iwuと、記憶部32によって記憶されたコイル抵抗Rから算出される各相間の逆起電力「Euv-RIuv」「Evw-RIvw」「Ewu-RIwu」を、記憶部32によって記憶された逆起電力定数Keで除算することで、三相ブラシレスモータ131の回転速度および/または扉100の速度V(t)を構成する相間速度Vuv、Vvw、Vwuを推定する。具体的には、「Vuv=(Euv-RIuv)/Ke」「Vvw=(Evw-RIvw)/Ke」「Vwu=(Ewu-RIwu)/Ke」である。また、扉100の速度V(t)は、相間速度Vuv、Vvw、Vwuのそれぞれの絶対値の和である(V(t)=|Vuv|+|Vvw|+|Vwu|)。
【0066】
ストローク量算出部34は、推定部33によって推定された扉100の速度V(t)を積分し、その積分期間に亘る扉100のストローク量(移動量)X(t)を算出する。位置算出部35は、ストローク量算出部34によって算出されたストローク量X(t)に基づいて扉100の位置を算出する。一方、全開閉位置検知部36は、扉100が全開位置または全閉位置にあることを、前述の全開閉スイッチ114等によって検知する。
【0067】
補正部37は、扉100が全開位置から全閉位置に移動した場合、または、扉100が全閉位置から全開位置に移動した場合、ストローク量算出部34によって算出された扉100のストローク量と記憶部32によって記憶された基準ストローク量を比較し、その比較結果に基づいて記憶部32によって記憶されたコイル抵抗R、逆起電力定数Ke、変速比lの少なくともいずれかを補正する。
【0068】
以上の第2実施例によれば、記憶部32によって記憶されるコイル抵抗Rおよび逆起電力定数Keと、取得部31によって取得される各相間電圧Euv、Evw、Ewuおよび各相間電流Iuv、Ivw、Iwuに基づいて、推定部33によって三相ブラシレスモータ131の回転速度および/または扉100の速度V(t)が推定される。特許文献1のように各相間の逆起電力を直接的に測定するものではないため、十分な逆起電力が発生していない起動時や低速回転時でも高精度に三相ブラシレスモータ131の回転速度を算出できる。
【0069】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。例示としての実施形態における各構成要素や各処理の組合せには様々な変形例が可能であり、そのような変形例が本発明の範囲に含まれることは当業者にとって自明である。
【0070】
本発明は鉄道車両の扉100の駆動力を供給するモータの制御に限らず、鉄道車両の乗降口を開閉する扉部を開閉駆動する駆動機構に動力を供給するモータの制御にも適用できる。また、本発明は扉に限らない任意の物の駆動力を供給するモータの制御にも適用できる。
【0071】
なお、実施形態で説明した各装置や各方法の構成、作用、機能は、ハードウェア資源またはソフトウェア資源によって、あるいは、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働によって実現できる。ハードウェア資源としては、例えば、プロセッサ、ROM、RAM、各種の集積回路を利用できる。ソフトウェア資源としては、例えば、オペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
【0072】
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0073】
1 扉駆動装置、2 扉用モータ制御装置、21 駆動トランジスタ、24 ダイオード、25 モータ電圧検知回路、26 モータ電流検知回路、27 シャント抵抗、31 取得部、32 記憶部、33 推定部、34 ストローク量算出部、35 位置算出部、36 全開閉位置検知部、37 補正部、100 扉、120 コントローラ、131 モータ、263 戸挟検知回路、264 過電流検知回路。
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