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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178849
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/50 20220101AFI20231211BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 47/24 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 47/25 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 45/38 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 45/355 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20231211BHJP
【FI】
H05B45/50
H05B45/375
H05B47/24
H05B47/25
H05B45/38
H05B45/355
H05B45/325
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091792
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
(72)【発明者】
【氏名】前田 貴史
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA20
3K273BA23
3K273BA27
3K273BA34
3K273BA35
3K273CA02
3K273CA03
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA25
3K273EA41
3K273FA11
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA33
3K273GA03
3K273GA05
3K273GA12
3K273GA14
3K273GA17
(57)【要約】
【課題】短時間での保護が可能な点灯装置および照明器具を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る点灯装置は、直流電源と負荷とを接続する一対の線路に設けられ、前記一対の線路の低電位側に設けられたスイッチング素子のオンオフにより前記負荷に電力を供給するDC-DC変換回路と、前記DC-DC変換回路の出力電圧の時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させる制御回路と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と負荷とを接続する一対の線路に設けられ、前記一対の線路の低電位側に設けられたスイッチング素子のオンオフにより前記負荷に電力を供給するDC-DC変換回路と、
前記DC-DC変換回路の出力電圧の時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させる制御回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記直流電源から前記DC-DC変換回路に入力される入力電圧と、前記負荷の低電位側と前記直流電源の低電位側との間の検出電圧と、の差分電圧の時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記差分電圧の時間に対する上昇率が予め定められた範囲のとき、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記差分電圧が予め定められた上限電圧よりも大きくなると、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする請求項2または3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記負荷の低電位側と前記直流電源の低電位側との間の検出電圧の、時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記検出電圧の時間に対する下降率が予め定められた範囲のとき、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする請求項5に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記直流電源から前記DC-DC変換回路に入力される入力電圧と、前記検出電圧との差分電圧が予め定められた上限電圧よりも大きくなると、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする請求項5または6に記載の点灯装置。
【請求項8】
直流電源と負荷とを接続する一対の線路に設けられ、前記一対の線路の低電位側に設けられたスイッチング素子のオンオフにより前記負荷に電力を供給するDC-DC変換回路と、
前記直流電源から前記DC-DC変換回路に入力される入力電圧に応じて保護閾値を設定し、前記負荷の低電位側と前記直流電源の低電位側との間の検出電圧が前記保護閾値に到達すると、前記DC-DC変換回路の動作を停止させる制御回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項9】
前記制御回路は、前記直流電源が動作を開始した後、前記DC-DC変換回路が動作を開始する前に、前記保護閾値を設定することを特徴とする請求項8に記載の点灯装置。
【請求項10】
前記直流電源は、交流電源から電力を供給され、前記DC-DC変換回路に前記交流電源の大きさに応じた前記入力電圧を供給し、
前記制御回路は、前記DC-DC変換回路が動作を開始する前に、前記交流電源の大きさに応じて前記保護閾値を設定することを特徴とする請求項8に記載の点灯装置。
【請求項11】
前記制御回路は、前記直流電源が動作を開始する前に、前記交流電源の大きさに応じて前記保護閾値を設定することを特徴とする請求項10に記載の点灯装置。
【請求項12】
前記制御回路は、前記直流電源が動作を開始した後、前記入力電圧が予め定められた電圧に到達する前には、前記検出電圧が前記保護閾値に到達しても前記DC-DC変換回路の動作を停止させないことを特徴とする請求項10または11に記載の点灯装置。
【請求項13】
前記直流電源は力率改善回路であることを特徴とする請求項1から3、5、6、8から11の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項14】
請求項1から3、5、6、8から11の何れか1項に記載の点灯装置と、
前記負荷である光源と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、LEDを有する光源に電力を供給する電源回路と、制御回路とを備えた点灯装置が開示されている。電源回路は、降圧チョッパ回路であって、インダクタとスイッチング素子を備える。また、電源回路は、第1分圧回路と第2分圧回路とを備える。第1分圧回路は、電源回路への入力電圧を分圧するように構成される。第2分圧回路は、電源回路のスイッチング素子がオンの時に、インダクタに印加される電圧を分圧するように構成される。制御回路は、第1分圧回路からの検知信号の信号電圧と、第2分圧回路からの検知信号の信号電圧との差分から、LEDの順方向電圧を検知するように構成される。制御回路は、この差分が小さくなれば光源が無負荷であると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-157781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光源を点灯させるための点灯装置は、一般に商用交流電源を整流、平滑して直流電圧を生成するAC-DC変換回路部と、直流電圧から光源に最適な電流を供給するDC-DC変換回路部を備える。多くの照明器具においては高力率が要求される。このため、昇圧チョッパ型の力率改善回路をAC-DC変換回路として用いて、DC-DC変換回路に降圧チョッパ回路を用いた2コンバータ方式が広く採用されている。
【0005】
このような点灯装置には、DC-DC変換回路の出力電圧、すなわち光源への印加電圧を検出する電圧検出回路が設けられることがある。電圧検出回路により、例えば光源点灯中に光源が点灯装置から取り外されたこと、または光源が断線したことを検出できる。このような異常を検出した場合、DC-DC変換回路の動作を停止するなどして、DC-DC変換回路の出力電圧に過電圧が発生することを抑制できる。
【0006】
降圧チョッパ回路において、スイッチング素子がハイサイドに配置される場合、降圧チョッパ回路の低電位側の出力端子がグラウンド電位となる。このため、降圧チョッパ回路の出力電圧は、抵抗等で容易に検出することができる。しかしながら、スイッチング素子をハイサイドに配置した場合、スイッチング素子の駆動回路に高耐圧部品が必要となり、部品コストの増大につながるおそれがある
【0007】
降圧チョッパ回路のスイッチング素子をローサイドに配置した場合、スイッチング素子の駆動回路に高耐圧部品が不要となる。しかし、降圧チョッパ回路の低電位側の出力端子が、AC-DC変換回路を構成する整流回路の低電位側のグラウンド電位と異なる電位となる。このため、降圧チョッパ回路の出力電圧の検出が困難となり、フォトカプラのような高価な部品が必要となるおそれがある。
【0008】
特許文献1には、フォトカプラを使用しなくても出力電圧の検出が可能となる構成が開示されている。特許文献1の制御回路は、第1分圧回路の検出信号と第2分割回路の検出信号との差分から出力電圧を検知する。このため、正確に出力電圧を算出でき、異常判定を正しく行うことができる。しかし、光源点灯中に常に2つの検出信号の読み込みと差分電圧を求める演算処理が必要となる。このため、例えば異常判定をマイクロコンピュータ等で実施する場合、マイクロコンピュータの演算負荷が高くなり、異常判定が遅れるおそれがある。これにより、例えば光源が無負荷状態となった場合には、異常が発生してから電源回路の動作を停止するまでの間に、更に出力電圧が上昇するおそれがある。
【0009】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、短時間での保護が可能な点灯装置および照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の開示に係る点灯装置は、直流電源と負荷とを接続する一対の線路に設けられ、前記一対の線路の低電位側に設けられたスイッチング素子のオンオフにより前記負荷に電力を供給するDC-DC変換回路と、前記DC-DC変換回路の出力電圧の時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させる制御回路と、を備える。
【0011】
第2の開示に係る点灯装置は、直流電源と負荷とを接続する一対の線路に設けられ、前記一対の線路の低電位側に設けられたスイッチング素子のオンオフにより前記負荷に電力を供給するDC-DC変換回路と、前記直流電源から前記DC-DC変換回路に入力される入力電圧に応じて保護閾値を設定し、前記負荷の低電位側と前記直流電源の低電位側との間の検出電圧が前記保護閾値に到達すると、前記DC-DC変換回路の動作を停止させる制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
第1の開示に係る点灯装置では、DC-DC変換回路の出力電圧の時間に対する変化率に応じて、DC-DC変換回路の動作を停止させる。このため、異常を短時間で検出でき、短時間での保護が可能となる。
第2の開示に係る点灯装置では、負荷の低電位側と直流電源の低電位側との間の検出電圧のみに応じて、DC-DC変換回路の動作を停止させることができる。このため、制御回路の演算時間に起因する遅延を抑制でき、短時間での保護が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る照明器具の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具の動作波形を示す図である。
図3】実施の形態2に係る照明器具の動作波形を示す図である。
図4】実施の形態3に係る照明器具の動作波形を示す図である。
図5】実施の形態3の変形例に係る照明器具の回路ブロック図である。
図6】実施の形態4に係る照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
各実施の形態に係る点灯装置および照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100の回路ブロック図である。照明器具100は、点灯装置10と、負荷である光源2とを備える。点灯装置10は、交流電源1から電力の供給を受けて光源2を点灯させる。光源2は、例えば発光素子2aとしてLED(Light Emitting Diode)を用いたLEDランプである。発光素子2aは、有機EL等であっても良い。
【0016】
点灯装置10は、整流回路3、力率改善回路4、DC-DC変換回路5および制御回路6を備える。整流回路3は4つのダイオードから構成されたダイオードブリッジ回路である。整流回路3は、交流電源1から入力される交流電圧を全波整流する。この全波整流電圧は、力率改善回路4の動作中は平滑されず、交流電源1の2倍の周波数を有する脈動電圧となる。すなわち、整流回路3の直流出力側に接続されたフィルタコンデンサC1は全波整流電圧を平滑化しない。フィルタコンデンサC1は、力率改善回路4のスイッチングリップルを除去する程度の小容量のコンデンサである。
【0017】
力率改善回路4は昇圧チョッパ型である。力率改善回路4は、フィルタコンデンサC1、インダクタL1、スイッチング素子SW1、ダイオードD1、平滑コンデンサC2を備えている。スイッチング素子SW1は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。制御回路6はスイッチング素子SW1をオンオフして、力率改善回路4を制御する。力率改善回路4は、スイッチング素子SW1とインダクタL1でエネルギーの充放電を行い、整流回路3が全波整流した電圧を昇圧して予め定められた直流電圧に変換する。このように、力率改善回路4は、交流電源1から電力を供給され、DC-DC変換回路5に直流電源を提供するAC-DC変換回路である。力率改善回路4は、さらに制御回路6によるスイッチング素子SW1の制御により、入力電流波形が正弦波状、且つ、交流電源1の電圧とほぼ同位相となるように、力率改善を行う。
【0018】
直流電源である力率改善回路4の出力と光源2とを接続する一対の線路9a、9bには、DC-DC変換回路5が設けられる。一対の線路9a、9bのうち線路9aが高電位側、線路9bが低電位側である。DC-DC変換回路5は降圧チョッパ型である。DC-DC変換回路5は、インダクタL2、スイッチング素子SW2、ダイオードD2、平滑コンデンサC3を備えている。スイッチング素子SW2は例えばMOSFETである。DC-DC変換回路5は力率改善回路4からの直流電圧を受けて、スイッチング素子SW2とインダクタL2でエネルギーの充放電を行い、光源2の点灯に適した直流電圧及び直流電流を出力する。これにより光源2は点灯する。
【0019】
スイッチング素子SW2はローサイドに接続される。すなわちスイッチング素子SW2のソース端子は整流回路3の低圧端子および平滑コンデンサC2の負極に接続される。DC-DC変換回路5は、低電位側の線路9bに設けられたスイッチング素子SW2のオンオフにより光源2に電力を供給する。なお、整流回路3の低圧端子および平滑コンデンサC2の負極を、グラウンド電位と呼ぶ。
【0020】
力率改善回路4の出力である線路9a、9bの間には、検出抵抗R1、R2が接続される。直列に接続された検出抵抗R1、R2の接続点の電圧は、制御回路6に入力される。これにより制御回路6は、直流電源からDC-DC変換回路5に入力される入力電圧を検出する。
【0021】
光源2の低電位側と力率改善回路4の出力の低電位側との間には、検出抵抗R3、R4が接続される。つまり、検出抵抗R3、R4は、DC-DC変換回路5の低圧側出力とグラウンド電位との間に接続される。直列に接続された検出抵抗R3、R4の接続点の電圧は、制御回路6に入力される。これにより制御回路6は、光源2の低電位側と直流電源の低電位側との間の電圧を検出する。また、DC-DC変換回路5の出力間に、平滑コンデンサC3と並列に放電抵抗R5を設けても良い。
【0022】
制御回路6は、例えば入力される電圧信号をデジタル信号に変換するADコンバータと、各種演算処理を行うマイクロコンピュータと、スイッチング素子SW1、SW2を駆動するドライバ回路を備える。
【0023】
次に、実施の形態1にかかる点灯装置10の動作を説明する。点灯装置10に交流電源1が印加されると、整流回路3は入力された交流電圧を全波整流し、整流された電圧がフィルタコンデンサC1の両端に印加される。次に制御回路6が起動し、力率改善回路4とDC-DC変換回路5の動作を開始する。力率改善回路4では、スイッチング素子SW1が高周波でスイッチング動作を行い、入力電圧に対して昇圧された電圧が出力される。また、入力電流波形が電源電圧と同位相、且つ、正弦波状に制御され、高力率化が可能となる。
【0024】
DC-DC変換回路5ではスイッチング素子SW2が高周波でスイッチング動作を行い、入力された電圧よりも低い電圧が出力される。DC-DC変換回路5では、光源2に予め定められた電流が供給されるように、定電流フィードバック制御が実施される。スイッチング素子SW2と直列に、図示しない電流検出抵抗が接続されても良い。制御回路6は、例えば電流検出抵抗により検出される信号を用いて、スイッチング電流が目標値となるように、スイッチング素子SW2のオン時間を制御する。
【0025】
次に、光源2が点灯中に断線した場合、または、点灯装置10から取り外されて点灯装置10が無負荷状態となった場合の動作について説明する。図2は、実施の形態1に係る照明器具100の動作波形を示す図である。以降では、検出抵抗R1、R2で検出されるDC-DC変換回路5への入力電圧と、検出抵抗R3、R4で検出される検出電圧との差分を差分電圧と呼ぶ。制御回路6は、検出抵抗R1、R2の接続点の検出電圧と、検出抵抗R3、R4の接続点の検出電圧を読み込み、差分電圧を演算する。
【0026】
ここで、検出抵抗R1、R2の接続点の検出電圧は、力率改善回路4の出力電圧に比例する。また、検出抵抗R3、R4の接続点の検出電圧は、力率改善回路4の出力電圧からDC-DC変換回路5の出力電圧を差し引いた電圧に比例する。従って、上記の差分電圧からDC-DC変換回路5の出力電圧を求めることができる。
【0027】
図2において時刻T0~T1間では、光源2がDC-DC変換回路5に接続され、正常に点灯している。時刻T1において、光源2が点灯装置10から取り外され、光源電流がゼロとなる。DC-DC変換回路5が定電流フィードバック制御で駆動している場合、光源2が接続されない状態においても出力側に電流を流し続けようとする。すなわち、目標電流値に対して電流がゼロとなるため、スイッチング素子SW2のオンデューティ比が増加する。このため、DC-DC変換回路5の出力電圧は上昇する。
【0028】
制御回路6は、差分電圧から求めたDC-DC変換回路5の出力電圧の、時間に対する変化率を演算する。制御回路6は、時間ΔT当たりの電圧上昇値ΔVを求める。制御回路6は、例えばDC-DC変換回路5の出力電圧の1ms周期当たりの電圧上昇値を求める。制御回路6は、この変化率に応じて、DC-DC変換回路5の動作を停止させる。制御回路6は、例えば差分電圧の時間に対する上昇率が予め定められた範囲のとき、DC-DC変換回路5が無負荷状態と判別して、DC-DC変換回路5の動作を停止させる。予め定められた範囲は、プログラム等で設定される。このとき、力率改善回路4の動作も停止して良い。図2においては時刻T2で、DC-DC変換回路5と力率改善回路4が動作を停止する。これにより、力率改善回路4の出力電圧とDC-DC変換回路5の出力電圧は減少する。
【0029】
時刻T3では、力率改善回路4の平滑コンデンサC2の電圧が、交流電源1のピーク電圧まで下降する。時刻T3以降で点灯装置10は待機状態となる。時刻T3以降のDC-DC変換回路5の出力電圧は、平滑コンデンサC2の充電電圧すなわち交流電源1のピーク電圧を、放電抵抗R5、検出抵抗R3、R4で分圧した電圧となる。ここでは平滑コンデンサC3に印加される電圧が光源2の点灯電圧以下となるように、放電抵抗R5の抵抗値が決定される。
【0030】
本実施の形態では、DC-DC変換回路5の出力電圧の変化率に応じて、無負荷状態を判別できる。この場合、DC-DC変換回路5の出力電圧の傾きが分かれば良いため、DC-DC変換回路5の出力電圧が所定の閾値に達してから動作を停止させる場合と比較して、異常を短時間で検出できる。従って、短時間での保護が可能となる。これにより、DC-DC変換回路5の出力電圧の上昇を抑制することができる。
【0031】
本実施の形態の比較例として、DC-DC変換回路5の出力電圧が所定の閾値に達してから動作を停止する場合において、例えば光源2の点灯電圧を200V、無負荷を判別するための閾値を250Vとする。点灯中に何らかの原因により光源2が外れた場合、DC-DC変換回路5の出力電圧が200Vから上昇して250Vに達した時点で異常が検出される。これによりDC-DC変換回路5は動作を停止する。比較例において、出力電圧が250Vに到達するまで無負荷状態を検出できない。また、検出回路の遅延および出力電圧の演算時間を加味すると、実際に動作が停止する段階では、出力電圧は250Vよりも高い可能性がある。
【0032】
また、例えば光源2にLEDを用いる場合、製造ばらつき等により点灯電圧の個体差が大きく、周囲温度の影響によっても点灯電圧が大きく変動する。このため、通常時の点灯電圧と閾値が近いと、異常が誤検出される可能性がある。よって、点灯電圧200Vに対して、250V等の十分に高い閾値を設定する必要がある。以上から、比較例においては、DC-DC変換回路5に使用する電子部品には、耐圧が高いものが選択される必要がある。
【0033】
一方、出力電圧の変化率に応じて無負荷状態を判別する場合、無負荷となって出力電圧が上昇するタイミングで無負荷状態の検出が可能である。このため、出力電圧が低い状態で、DC-DC変換回路5を停止することができる。これによりDC-DC変換回路5に使用する電子部品の耐圧を低くすることができ、低コスト化が可能となる。また、出力電圧の変化率で無負荷状態を検出するため、光源2の点灯電圧のばらつき、および、周囲温度の影響による点灯電圧の変動があっても、誤検出を抑制でき、確実に無負荷状態を検出することができる。
【0034】
無負荷時のDC-DC変換回路5の出力電圧の変化率は、制御回路6のフィードバック制御の速度および平滑コンデンサC3の静電容量等に影響される。変化率から異常を判別するための閾値は、予め測定等により求めた変化率を基に設定すれば良い。この時、正常な変化率の範囲を制御回路6に予め設定しても良く、異常な変化率の範囲を制御回路に予め設定しても良い。
【0035】
変化率が正常な範囲外となった場合、直ちに無負荷と判別せず、動作を継続しても良い。例えば制御回路6は再度、変化率を演算し、変化率が予め設定された値よりも大きかった場合はノイズによる影響と判別し、DC-DC変換回路5の動作を継続しても良い。これにより、例えば何らかの原因によりサージ電圧等が点灯装置10に混入した場合に、制御回路6が無負荷状態と誤判定されることを防止できる。
【0036】
また制御回路6は、差分電圧がプログラム等で予め定められた上限電圧よりも大きくなると、DC-DC変換回路5の動作を停止させても良い。つまり、DC-DC変換回路5の出力電圧の上限電圧による過電圧保護を併用しても良い。
【0037】
力率改善回路4の出力電圧は、交流電源1の電圧に応じて異なる電圧に設定しても良い。例えば交流電源1の電圧が100Vのとき力率改善回路4の出力電圧を300V、交流電源1の電圧が200Vのとき力率改善回路4の出力電圧を400Vとしても良い。本実施の形態では、力率改善回路4の出力電圧と、検出抵抗R3、R4による検出電圧とから、DC-DC変換回路5の出力電圧およびその変化率を演算する。このため、力率改善回路4の出力電圧が交流電源1の電圧に応じて変化しても、正確にDC-DC変換回路5の出力電圧および変化率を求めることができる。力率改善回路4の出力電圧を交流電源1の電圧に応じて設定することで、力率改善回路4の入力電圧と出力電圧の比である昇圧比、つまり出力電圧/入力電圧を低減できる。従って、力率改善回路4の損失を低減することができる。
【0038】
また、制御回路6は、光源2の低電位側と直流電源の低電位側との間の検出電圧、つまり検出抵抗R3、R4の検出電圧の、時間に対する変化率に応じて、DC-DC変換回路5の動作を停止させても良い。図2に示されるように、検出抵抗R3、R4の検出電圧は、DC-DC変換回路5の出力電圧に応じて変化する。このため、DC-DC変換回路5の出力電圧の変化率に応じた異常検出は、検出抵抗R3、R4の検出電圧の変化率のみによっても実施できる。この場合、制御回路6は差分電圧を演算しなくても良い。制御回路6は、検出抵抗R3、R4の検出電圧の時間に対する下降率を演算する。制御回路6は、下降率がプログラム等で予め定められた範囲のとき、DC-DC変換回路5が無負荷状態と判別して、DC-DC変換回路5の動作を停止させる。
【0039】
これにより、力率改善回路4の出力電圧の変動の影響を受けずに、正確に無負荷状態の判別ができる。また、差分電圧の演算が不要となるため、無負荷時に、さらに短時間での動作停止が可能となる。
【0040】
また、検出抵抗R3、R4の検出電圧の変化率による保護と、DC-DC変換回路5の出力電圧の上限電圧による過電圧保護を併用しても良い。つまり、制御回路6は、検出抵抗R3、R4による検出電圧の変化率に応じてDC-DC変換回路5の動作を停止させ、かつ、差分電圧が予め定められた上限電圧よりも大きくなるとDC-DC変換回路5の動作を停止させても良い。
【0041】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0042】
実施の形態2.
本実施の形態の照明器具100の回路構成は、実施の形態1の照明器具100と同一である。本実施の形態の制御回路6では、検出抵抗R3、R4で検出される、光源2の低電位側と力率改善回路4の出力の低電位側との間の検出電圧が、保護閾値に到達すると、DC-DC変換回路5の動作を停止させる。
【0043】
図3は、実施の形態2に係る照明器具100の動作波形を示す図である。本実施の形態に係る点灯装置10の動作を、図3を用いて説明する。時刻T1で点灯装置10に交流電源1が投入される。交流電源1は交流電圧を出力するが、図3においては簡略化のため交流電源1の電圧が直流で示されている。交流電源1が投入されると、平滑コンデンサC2に交流電源1のピーク電圧が充電され、検出抵抗R1、R2の接続点には交流電源1のピーク電圧に比例した電圧が発生する。DC-DC変換回路5の出力電圧および検出抵抗R3、R4の接続点の電圧は、平滑コンデンサC2の電圧を放電抵抗R5、検出抵抗R3、R4で分圧した電圧で決定される。この時、DC-DC変換回路5の出力電圧が光源2の点灯電圧以下となるように、放電抵抗R5、検出抵抗R3、R4の分圧比が設定されることが望ましい。
【0044】
時刻T2で力率改善回路4が動作を開始し、力率改善回路4の出力電圧が上昇する。これに伴って、検出抵抗R1、R2の接続点の電圧も上昇する。力率改善回路4は入力電圧に対して昇圧された電圧を出力し、平滑コンデンサC2を充電する。力率改善回路4の出力電圧が所望の電圧に達すると、時刻T3で制御回路6は検出抵抗R1、R2の接続点の検出電圧を検出し、力率改善回路4の出力電圧を検出する。力率改善回路4の出力電圧は、交流電源1の電圧に応じて設定されても良い。
【0045】
制御回路6は、力率改善回路4の出力電圧、つまり直流電源からDC-DC変換回路5に入力される入力電圧に応じて、保護閾値を設定する。この保護閾値は、検出抵抗R3、R4の検出電圧に対しての保護閾値である。制御回路6は、力率改善回路4が動作を開始した後、DC-DC変換回路5が動作を開始する前に、保護閾値を設定する。
【0046】
DC-DC変換回路5の出力電圧が力率改善回路4の出力電圧によらず所定の一定値である場合、保護閾値は力率改善回路4の出力電圧が高いほど高く設定される。例えば力率改善回路4の出力電圧が400V、DC-DC変換回路5の出力電圧が100Vの場合、検出抵抗R3、R4の合計電圧が280Vとなる場合に相当する保護閾値が検出抵抗R3、R4の接続点に設定される。また、例えば力率改善回路4の出力電圧が300V、DC-DC変換回路5の出力電圧が100Vの場合、検出抵抗R3、R4の合計電圧が180Vとなる場合に相当する保護閾値が検出抵抗R3、R4の接続点に設定される。
【0047】
力率改善回路4の出力電圧が400V、検出抵抗R3、R4の合計電圧が280Vのとき、差分電圧であるDC-DC変換回路5の出力電圧は120Vである。力率改善回路4の出力電圧が300V、検出抵抗R3、R4の合計電圧が180Vのとき、差分電圧であるDC-DC変換回路5の出力電圧は120Vである。すなわち、通常時に100VであるDC-DC変換回路5の出力電圧に対して、120Vで過電圧保護をかける。このように力率改善回路4の出力電圧によって保護閾値は異なるが、DC-DC変換回路5の出力電圧に保護がかかる電圧は同一となる。制御回路6は、力率改善回路4の出力電圧に応じて、テーブルの参照または数式等から保護閾値を設定する。この際、光源2の点灯電圧は、予めプログラム等で設定され既知である。
【0048】
保護閾値が設定されると、時刻T4で、制御回路6はDC-DC変換回路5の動作を開始する。DC-DC変換回路5の出力電圧が光源2の点灯電圧に達すると、光源2に電流が流れて光源2が点灯する。光源2が正常に点灯している場合、検出抵抗R3、R4の検出電圧は保護閾値よりも高い。
【0049】
時刻T5で光源2が断線し、または点灯装置210から取り外され、点灯装置210が無負荷状態となったとする。DC-DC変換回路5は定電流フィードバック制御で駆動しているので、無負荷状態になるとスイッチング素子SW2のオンデューティ比が増加し、DC-DC変換回路5の出力電圧は上昇する。検出抵抗R3、R4に印加される電圧は、力率改善回路4の出力電圧からDC-DC変換回路5の出力電圧を差し引いた電圧である。力率改善回路4の出力電圧は一定なので、DC-DC変換回路5の出力電圧の上昇に伴い、検出抵抗R3、R4の検出電圧は低下する。
【0050】
時刻T6で、検出抵抗R3、R4の検出電圧は保護閾値に到達する。これにより制御回路6は、DC-DC変換回路5が無負荷状態と判別してDC-DC変換回路5の動作を停止する。また、制御回路6は、力率改善回路4の動作を停止しても良い。これにより力率改善回路4とDC-DC変換回路5の出力電圧は低下する。
【0051】
このように本実施の形態では、検出抵抗R3、R4の検出電圧のみに応じて、DC-DC変換回路5の動作を停止させることができる。このため、差分電圧からDC-DC変換回路5の出力電圧の演算をする必要がなく、制御回路6の演算時間に起因する遅延を抑制でき、短時間での保護が可能となる。従って、無負荷時のDC-DC変換回路5の出力電圧が過大に上昇することを抑制できる。これにより、DC-DC変換回路5に使用する電子部品の耐圧を低くすることができ、低コスト化が可能となる。
【0052】
また本実施の形態では、交流電源1の投入時に、力率改善回路4の出力電圧に応じて保護閾値を設定する。このため、例えば交流電源1の電圧に応じて力率改善回路4の出力電圧を異なる値に設定しても、無負荷状態を確実に検出できる。また、力率改善回路4の出力電圧を交流電源1の電圧に応じて設定することで、力率改善回路4の入力電圧と出力電圧の比である昇圧比を小さくでき、力率改善回路4の損失を低減することができる。
【0053】
実施の形態3.
本実施の形態の照明器具100の回路構成は、実施の形態1の照明器具100と同一である。本実施の形態では保護閾値の設定のタイミングが実施の形態2と異なる。図4は、実施の形態3に係る照明器具100の動作波形を示す図である。本実施の形態に係る照明器具100の動作を、図4を用いて説明する。
【0054】
時刻T1において、点灯装置10に交流電源1が印加されると、平滑コンデンサC2に交流電源1のピーク電圧が充電され、検出抵抗R1、R2の接続点には交流電源1のピーク値に比例した電圧が発生する。
【0055】
時刻T2において、制御回路6は、検出抵抗R1、R2の検出電圧から交流電源1の電圧を判別する。平滑コンデンサC2の電圧は、例えば交流100Vのときは141V、交流200Vのときは282Vとなる。制御回路6は、この電圧を検出抵抗R1、R2の接続点の検出電圧から読み取り、交流電源1の電圧を判別する。なお、点灯装置10は複数の入力電圧に対応可能である。つまり、点灯装置10は、例えば交流100V、交流200Vの何れの交流電圧を入力されても動作可能である
【0056】
制御回路6は交流電源1の電圧を判別すると、交流電源1の電圧に応じて保護閾値を設定する。つまり制御回路6は、力率改善回路4とDC-DC変換回路5が動作を開始する前に、交流電源1の大きさに応じて保護閾値を設定する。力率改善回路4の出力電圧によらずDC-DC変換回路5の出力電圧が一定とすると、保護閾値は交流電源1の電圧が高いほど高く設定される。
【0057】
保護閾値が設定されると、時刻T3において力率改善回路4とDC-DC変換回路5が動作を開始する。力率改善回路4は、交流電源1から電力を供給され、DC-DC変換回路5に交流電源1の大きさに応じた入力電圧を供給する。力率改善回路4の出力電圧は、交流電源1の電圧に応じて異なる値に設定される。例えば交流電源1の電圧が100Vのとき力率改善回路4は300Vを出力し、交流電源1の電圧が200Vのとき力率改善回路4は400Vを出力する。
【0058】
時刻T4においてDC-DC変換回路5の出力電圧が光源2の点灯電圧に達すると、光源電流が流れて光源2は点灯を開始する。時刻T4~T5は光源2が正常に点灯している状態である
【0059】
時刻T5において、光源2が断線し、または点灯装置10から取り外され、点灯装置10が無負荷状態になったとする。これにより、DC-DC変換回路5の出力電圧は上昇し、検出抵抗R3、R4の接続点の検出電圧は低下する。時刻T6において検出抵抗R3、R4の検出電圧が保護閾値に達すると、制御回路6はDC-DC変換回路5の動作を停止する。また、制御回路6は力率改善回路4の動作を停止しても良い。
【0060】
このように、本実施の形態においても、検出抵抗R3、R4の検出電圧のみに応じて、DC-DC変換回路5の動作を停止させることができる。このため、差分電圧からDC-DC変換回路5の出力電圧の演算をする必要がなく、制御回路6の演算時間に起因する遅延を抑制でき、短時間での保護が可能となる。また、制御回路6は、交流電源1の電圧に応じて力率改善回路4の出力電圧を決定する。このため、交流電源1の電圧を検出することで、力率改善回路4の動作開始前に力率改善回路4の出力電圧を把握できる。従って、力率改善回路4の動作開始前に、力率改善回路4の出力電圧に応じた保護閾値を設定できる。この場合、力率改善回路4の動作開始後に力率改善回路4の出力電圧を検出して保護閾値を設定する場合と比較して、光源2が点灯するまでの時間を短縮できる。すなわち、力率改善回路4が起動後、出力電圧が定常状態に安定するまでの待機時間が不要となり、保護閾値を設定するための時間を短縮できる。
【0061】
なお時刻T3~T4では、力率改善回路4の出力電圧が目標電圧に達していない。このため、検出抵抗のR3、R4の検出電圧が保護閾値付近となり、無負荷状態と誤判定されるおそれがある。このため、制御回路6は、力率改善回路4が動作を開始した後、DC-DC変換回路5への入力電圧が予め定められた電圧に到達する前には、検出抵抗R3、R4の検出電圧が保護閾値に到達してもDC-DC変換回路5の動作を停止させないことが望ましい。力率改善回路4の出力電圧が予め定められた電圧に達してから保護動作を開始することで、誤判定を防止できる。
【0062】
図5は、実施の形態3の変形例に係る照明器具200の回路ブロック図である。照明器具200は点灯装置210を備える。点灯装置210は、整流回路3の直流出力電圧を検出する検出抵抗R6、R7が設けられる点が点灯装置10と異なる。交流電源1の電圧は検出抵抗R6、R7の接続点の検出電圧から判別されても良い。検出抵抗R6、R7によれば、力率改善回路4が動作中であっても交流電源1の電圧を検出することができる。
【0063】
実施の形態4.
図6は、実施の形態4に係る照明器具300の断面図である。照明器具300は、器具本体40、コネクタ41、光源基板42および点灯装置43を備える。器具本体40は、点灯装置43などを取り付けるための筺体である。コネクタ41は、商用電源などの交流電源1から電力の供給を受けるための接続部である。光源基板42は、LEDまたは有機EL素子などの発光素子2aを電気的光源として実装した基板である。光源基板42は実施の形態1~3の光源2に該当する。
【0064】
点灯装置43は、実施の形態1~3の点灯装置に該当する。点灯装置43には、コネクタ41、電源配線44を介して交流電源1からの電力が入力される。点灯装置43は出力配線45を介して光源基板42に接続される。点灯装置43は、入力された電力を光源基板42に供給する電力へと変換し、変換した電力を光源基板42に供給する。光源基板42の発光素子2aは、点灯装置43からの供給電力により点灯する。
【0065】
以上から、実施の形態1~3と同様の効果が得られる照明器具300を提供できる。つまり、点灯装置43の無負荷時状態を正確かつ短時間で検出でき、DC-DC変換回路5の動作を確実に停止することができる。
【0066】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【0067】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
直流電源と負荷とを接続する一対の線路に設けられ、前記一対の線路の低電位側に設けられたスイッチング素子のオンオフにより前記負荷に電力を供給するDC-DC変換回路と、
前記DC-DC変換回路の出力電圧の時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させる制御回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
(付記2)
前記制御回路は、前記直流電源から前記DC-DC変換回路に入力される入力電圧と、前記負荷の低電位側と前記直流電源の低電位側との間の検出電圧と、の差分電圧の時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする付記1に記載の点灯装置。
(付記3)
前記制御回路は、前記差分電圧の時間に対する上昇率が予め定められた範囲のとき、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする付記2に記載の点灯装置。
(付記4)
前記制御回路は、前記差分電圧が予め定められた上限電圧よりも大きくなると、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする付記2または3に記載の点灯装置。
(付記5)
前記制御回路は、前記負荷の低電位側と前記直流電源の低電位側との間の検出電圧の、時間に対する変化率に応じて、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする付記1に記載の点灯装置。
(付記6)
前記制御回路は、前記検出電圧の時間に対する下降率が予め定められた範囲のとき、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする付記5に記載の点灯装置。
(付記7)
前記制御回路は、前記直流電源から前記DC-DC変換回路に入力される入力電圧と、前記検出電圧との差分電圧が予め定められた上限電圧よりも大きくなると、前記DC-DC変換回路の動作を停止させることを特徴とする付記5または6に記載の点灯装置。
(付記8)
直流電源と負荷とを接続する一対の線路に設けられ、前記一対の線路の低電位側に設けられたスイッチング素子のオンオフにより前記負荷に電力を供給するDC-DC変換回路と、
前記直流電源から前記DC-DC変換回路に入力される入力電圧に応じて保護閾値を設定し、前記負荷の低電位側と前記直流電源の低電位側との間の検出電圧が前記保護閾値に到達すると、前記DC-DC変換回路の動作を停止させる制御回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
(付記9)
前記制御回路は、前記直流電源が動作を開始した後、前記DC-DC変換回路が動作を開始する前に、前記保護閾値を設定することを特徴とする付記8に記載の点灯装置。
(付記10)
前記直流電源は、交流電源から電力を供給され、前記DC-DC変換回路に前記交流電源の大きさに応じた前記入力電圧を供給し、
前記制御回路は、前記DC-DC変換回路が動作を開始する前に、前記交流電源の大きさに応じて前記保護閾値を設定することを特徴とする付記8に記載の点灯装置。
(付記11)
前記制御回路は、前記直流電源が動作を開始する前に、前記交流電源の大きさに応じて前記保護閾値を設定することを特徴とする付記10に記載の点灯装置。
(付記12)
前記制御回路は、前記直流電源が動作を開始した後、前記入力電圧が予め定められた電圧に到達する前には、前記検出電圧が前記保護閾値に到達しても前記DC-DC変換回路の動作を停止させないことを特徴とする付記10または11に記載の点灯装置。
(付記13)
前記直流電源は力率改善回路であることを特徴とする付記1から12の何れか1項に記載の点灯装置。
(付記14)
付記1から13の何れか1項に記載の点灯装置と、
前記負荷である光源と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【符号の説明】
【0068】
1 交流電源、2 光源、2a 発光素子、3 整流回路、4 力率改善回路、5 DC-DC変換回路、6 制御回路、9a、9b 線路、10 点灯装置、40 器具本体、41 コネクタ、42 光源基板、43 点灯装置、44 電源配線、45 出力配線、100、200 照明器具、210 点灯装置、300 照明器具、C1 フィルタコンデンサ、C2、C3 平滑コンデンサ、D1 ダイオード、D2 ダイオード、L1、L2 インダクタ、R1、R2、R3、R4 検出抵抗、R5 放電抵抗、R6、R7 検出抵抗、SW1 スイッチング素子、SW2 スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6