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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178883
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】排気装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/00 20100101AFI20231211BHJP
   F01N 9/00 20060101ALI20231211BHJP
   F01N 13/08 20100101ALI20231211BHJP
【FI】
F01N13/00 B
F01N9/00 A
F01N13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091844
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】兼松 雅斗
(72)【発明者】
【氏名】林 克洋
【テーマコード(参考)】
3G004
3G091
【Fターム(参考)】
3G004AA01
3G004BA05
3G004BA07
3G004DA01
3G004DA14
3G004GA01
3G004GA06
3G091AA02
3G091BA27
3G091BA39
(57)【要約】
【課題】排ガスがセンサに向かうように促しつつ、凝縮水がセンサに接触するのを抑制する。
【解決手段】排気装置は、車両に搭載され、シェルと仕切り板とを備える。シェルは、排ガスの流路を形成し、センサが取付けられるよう構成される。仕切り板は、センサに対面するようにセンサの下側に設けられ、メイン流路とサブ流路とを形成するように排ガスの流路を分割する。センサは、メイン流路に位置する。仕切り板は、排ガスの流れ方向の下流側に向かうに従いセンサに接近するように配置される案内部を有する。また、サブ流路は、出口が入口よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される排気装置であって、
排ガスの流路を形成する部位であって、前記排ガスの流路に設けられるセンサが取付けられるよう構成された部位であるシェルと、
前記センサに対面するように前記センサの下側に設けられた部位であって、メイン流路とサブ流路とが形成されるように前記排ガスの流路を分割する板状の部位である仕切り板と、を備え、
前記センサは、前記メイン流路に位置し、
前記メイン流路及び前記サブ流路は、それぞれ、前記シェルの内周面に隣接し、
前記仕切り板は、排ガスの流れ方向の下流側に向かうに従い前記センサに接近するように配置される案内部を有し、
前記仕切り板は、前記排ガスの流れ方向の上流側の端部に位置する前記サブ流路への入口と、前記下流側の端部に位置する前記サブ流路からの出口とを、前記シェルの内周面との間に形成し、
前記出口の面積は、前記入口の面積よりも大きい
排気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気装置であって、
前記仕切り板は、前記案内部の下流側に隣接する部位であって、前記排ガスの流れ方向に沿って延びる部位である本体部をさらに有する
排気装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の排気装置であって、
前記シェルは、前記センサが取り付けられる上部材と、前記排ガスの流路を挟んで前記上部材の下側に位置する下部材とを接合することで形成され、
前記仕切り板は、前記上部材と前記下部材とにより挟持される
排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の排ガスの状態を検出するためのセンサを、排気管に搭載する技術が知られている。一例として、特許文献1に開示された排気管は、排気管における上側の部分にセンサが設けられると共に、センサに対面するように、排ガスの流路を上側と下側とに分割する仕切り板が設けられる。
【0003】
仕切り板には複数の貫通孔が設けられており、仕切り板の上側の凝縮水が各貫通孔を通過して仕切り板の下側に移動するため、凝縮水がセンサに触れるのを抑制できる。また、各貫通孔の縁部から、下流側に向かうに従い下方に向かうように傾斜する壁が延出しており、これらの壁により、各貫通孔が下流側に向けられている。このため、仕切り板の下側にて排ガスの流れにより下流側に向かって飛散した凝縮水は、各貫通孔に進入し難くなり、該凝縮水が各貫通孔を通過して仕切り板の上側に移動するのを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-257261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、仮に、特許文献1の仕切り板が設けられた排気管が搭載された車両が、該排気管の上流側が下側に位置するように傾いたとする。この場合、仕切り板の下側に溜まった凝縮水が、下流側から上流側へと流れ、下流側に向けられている各貫通孔を通過して仕切り板の上側に移動し、センサに触れる恐れがある。
【0006】
本開示の一態様では、排ガスがセンサに向かうように促しつつ、凝縮水がセンサに接触するのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、車両に搭載される排気装置であって、シェルと、仕切り板と、を備える。シェルは、排ガスの流路を形成する部位であって、排ガスの流路に設けられるセンサが取付けられるよう構成された部位である。仕切り板は、センサに対面するようにセンサの下側に設けられた部位であって、メイン流路とサブ流路とが形成されるように排ガスの流路を分割する板状の部位である。センサは、メイン流路に位置する。メイン流路及びサブ流路は、それぞれ、シェルの内周面に隣接する。仕切り板は、排ガスの流れ方向の下流側に向かうに従いセンサに接近するように配置された案内部を有する。また、仕切り板は、排ガスの流れ方向の上流側の端部に位置するサブ流路への入口と、下流側の端部に位置するサブ流路からの出口とを、シェルの内周面との間に形成する。出口の面積は、入口の面積よりも大きい。
【0008】
上記構成によれば、仕切り板の案内部により排ガスがセンサに向かって誘導され得る。また、仕切り板により形成されるサブ流路の出口は、入口よりも大きくなっているため、サブ流路における出口の付近で負圧が生じ、その結果、凝縮水が入口からサブ流路に進入するように促される。したがって、排ガスがセンサに向かうように促しつつ、凝縮水がセンサに接触するのを抑制できる。
【0009】
本開示の一態様は、仕切り板は、案内部の下流側に隣接する部位であって、排ガスの流れ方向に沿って延びる部位である本体部をさらに有してもよい。
上記構成によれば、メイン流路が狭くなるのを抑制できる。このため、センサの周辺における排ガスの流れを促進できる。
【0010】
本開示の一態様では、シェルは、センサが取り付けられる上部材と、排ガスの流路を挟んで上部材の下側に位置する下部材とを接合することで形成されてもよい。仕切り板は、上部材と下部材とにより挟持されてもよい。
【0011】
上記構成によれば、上部材と下部材とにより仕切り板を保持可能となるため、溶接を行うことなく仕切り板をシェルに接合できるか、又は、仕切り板をシェルに接合するための溶接箇所を減らすことができる。このため、溶接による熱伸びの影響による破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】排気管のセンサ取付部における軸線を含む断面図である。
図2図1におけるII-II断面図である。
図3図1におけるIII-III断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0014】
[1.センサ取付部]
車両のエンジンからの排ガスの流路11を形成する排気管1には、センサ2を取り付けるためのセンサ取付部3が設けられている(図1参照)。なお、一例として、センサ取付部3に取り付けられるセンサ2は、排ガス中の空燃比を検出するA/Fセンサとして構成される。しかし、これに限らず、様々なセンサがセンサ取付部3に取り付けられ得る。センサ2の先端は、排ガスの流路11内に位置し、センサ素子が設けられている。また、センサ2は、排ガスの流路11内に突出するように配置される。
【0015】
センサ取付部3は、一例として、排ガスの流路11における水平方向に延びる真っすぐな区間に設けられており、シェル30と仕切り板4とを備える。無論、センサ取付部3は、排ガスの流路11における水平方向に対し傾斜した区間に設けられていても良いし、湾曲した区間に設けられていても良い。
【0016】
[2.シェル]
シェル30は、排気管1の一部の区間を形成する略円筒形状の部位であり、シェル30における排ガス流れ方向12(換言すれば、軸線10)に直交する断面(以後、直交断面と記載)は、略円形となっている(図1~3参照)。
【0017】
シェル30は、その直交断面が略半円形である溝状の部材である上部材32及び下部材33を有する。上部材32及び下部材33は、上下方向に対面するように配置されており、これらの部材の間に排ガスの流路11が形成される。
【0018】
下部材33は上部材32の下側に位置し、上部材32における幅方向の両端に位置する上側縁部32Bと、下部材33における幅方向の両端に位置する下側縁部33Aとが、それぞれ接合(一例として、溶接)されている。具体的には、各下側縁部33Aは、シェル30の直交断面の略中心を通過する軸線10を中心とした径方向の外側に突出する段差を有している。そして、各下側縁部33Aの内周面は、それぞれ、各上側縁部32Bの外周面に当接する。
【0019】
シェル30の上部材32の上部には、平面状に広がる取付面32Aが形成されており、取付面32Aにおける軸線10の真上に位置する最上部32Cに、上部材32を貫通するセンサ取付穴31が形成されている。無論、センサ取付穴31は、最上部32Cに限らず、取付面32Aにおける適切な位置に形成され得る。
【0020】
また、上部材32の外周面には、センサ取付穴31を囲むようにボス20が接合されている。そして、センサ2は、ボス20及びセンサ取付穴31を貫通した状態でボス20に接合されており、排ガスの流路11におけるシェル30の内側の領域に突出するように設けられる。
【0021】
一例として、センサ2は、先端が排ガス流れ方向12の下流側(以後、単に下流側と記載)に位置するよう、軸線10に直交する方向に対し傾斜して設けられる。このため、上部材32の取付面32Aは、軸線10に平行な断面(以後、平行断面と記載)において、軸線10に対し傾斜している。しかし、これに限らず、センサ2は、軸線10に直交する向きに設けられていても良いし、先端が排ガス流れ方向12の上流側(以後、単に上流側と記載)に位置するよう、軸線10に直交する方向に対し傾斜して設けられていても良い。
【0022】
[3.仕切り板]
仕切り板4は、センサ2に対面するようにセンサ2の下側に設けられた板状の部位である(図1~3参照)。仕切り板4は、排ガスの流れ方向12におけるセンサ取付穴31よりも上流側の位置から、センサ2よりも下流側の位置まで延びており、排ガスの流路11におけるセンサ2が位置する区間を、メイン流路11Aとサブ流路11Bとに分割する。なお、本実施形態では、仕切り板4には当該仕切り板4を貫通する貫通孔は形成されていない。しかし、これに限らず、仕切り板4には少なくとも1つの貫通孔が形成されていても良い。
【0023】
メイン流路11A及びサブ流路11Bは、上下方向に並んでいる。また、メイン流路11A及びサブ流路11Bは、それぞれ、上流側に位置する排ガスの入口と、下流側に位置する排ガスの出口を有し、各流路11A、11Bでは、入口から流入した排ガスは出口から流出する。
【0024】
また、メイン流路11A及びサブ流路11Bは、それぞれ、シェル30の内周面に隣接しており、サブ流路11Bはメイン流路11Aの下側に位置する。また、センサ2の先端は、メイン流路11Aに位置し、サブ流路11Bは、シェル30の下部材33における軸線10の真下に位置する最下部33Bに隣接する。また、メイン流路11Aの直交断面は、サブ流路11Bの直交断面よりも大きい。
【0025】
また、仕切り板4は、入口部41と、案内部42と、本体部44と、縁部45とを有する。入口部41、案内部42、及び本体部44は、軸線10の方向に並んでいる。また、縁部45は、仕切り板4における幅方向の両端に設けられた帯状の部位であり、仕切り板4の上流側の端部から下流側の端部まで延びる。つまり、入口部41、案内部42、及び本体部44の各々における幅方向の両端には、縁部45が設けられている。
【0026】
[4.入口部]
入口部41は、仕切り板4における上流側の端部を含む部位である(図1、2参照)。入口部41は、シェル30の下部材33における最下部33Bの付近に設けられる。入口部41の上流側の端部と、下部材33の内周面との間には隙間が設けられており、該隙間により、サブ流路11Bへの排ガスの入口40が形成される。
【0027】
一例として、入口部41は、平面状に広がり、その平行断面において軸線10に沿って延びるよう形成される。しかし、これに限らず、入口部41は、例えば、湾曲した形状を有していても良いし、軸線10に対し傾斜していても良い。
【0028】
[5.案内部]
案内部42は、仕切り板4における入口部41の下流側に隣接する部位である(図1参照)。案内部42は、一例として、その平行断面において下流側に向かうに従いセンサ2に接近する(換言すれば、上側に向かう)よう、軸線10に対し傾斜する。
【0029】
また、一例として、案内部42は、平面状に広がる。しかし、これに限らず、案内部42は、例えば、湾曲した形状を有していても良い。無論、このような形状を有する場合であっても、案内部42は、その平行断面において、下流側に向かうに従いセンサ2に接近するように配置される。
【0030】
また、案内部42は、階段状の部位として形成されていても良い。すなわち、案内部42は、上側に突出する少なくとも1つの段差を有していても良い。案内部42における段差の下流側の部分は、該段差の上流側の部分に比べ上側に位置しており、案内部42は、該段差により、その平行断面において下流側に向かうに従いセンサ2に接近するよう形成されても良い。
【0031】
[6.本体部]
本体部44は、案内部42の下流側に隣接すると共に、仕切り板4における下流側の端部を含む部位である(図1、3参照)。本体部44は、その平行断面において、軸線10に沿って(換言すれば、軸線10に対し平行又は略平行に)延びるよう形成される。また、本体部44は、一例として平面状に広がる。しかし、これに限らず、本体部44は、湾曲した形状を有していても良い。
【0032】
この外にも、本体部44は、その平行断面において、下流側に向かうに従い下側に接近するよう軸線10に対し傾斜していても良い。この場合においても、本体部44は、平面状であっても良いし、湾曲した形状であっても良い。
【0033】
また、本体部44における下流側の端部と、下部材33の内周面との間には隙間が設けられており、該隙間により、サブ流路11Bからの排ガスの出口43が形成される。また、本体部44における排ガスの流れ方向12の長さは、入口部41における排ガスの流れ方向12の長さよりも長い。
【0034】
[7.縁部]
仕切り板4の各縁部45における入口部41及び案内部42に位置する部分は、下部材33の内周面に当接する(図2参照)。なお、これらの部分と下部材33の内周面との間には、若干の隙間が形成されていても良い。
【0035】
一方、各縁部45における本体部44に位置する部分は、それぞれ、上部材32の各上側縁部32Bと、下部材33の各下側縁部33Aとにより挟持される(図3参照)。上述したように、上部材32の各上側縁部32Bと、下部材33の各下側縁部33Aとは、それぞれ接合されており、仕切り板4は、各縁部45が上側縁部32Bと下側縁部33Aとにより挟持されることで保持される。
【0036】
このため、本実施形態では、一例として、仕切り板4はシェル30に溶接されない。しかし、これに限らず、仕切り板4の各縁部45の全部又は一部をシェル30に溶接しても良い。
【0037】
また、仕切り板4の各縁部45の全体が上部材32と下部材33とにより挟持されても良い。また、本体部44に位置する各縁部45に替えて、入口部41及び/又は案内部42に位置する各縁部45が、上部材32と下部材33とにより挟持されても良い。また、上側縁部32Bと下側縁部33Aとにより仕切り板4を挟持すること無く、例えば溶接により、仕切り板4の各縁部45をシェル30に接合しても良い。
【0038】
[8.サブ流路の詳細]
サブ流路11Bの出口43の面積は、入口部41により形成されるサブ流路11Bの入口40の面積よりも大きくなっている(図1~3参照)。
【0039】
また、本実施形態では、一例として、仕切り板4は、センサ取付部3の直交断面において、下部材33の最下部33Bと本体部44との間の最短距離が、該最下部33Bと上部材32の最上部32Cとの間の距離の1/3以上となるように配置されている。無論、これに限らず、仕切り板4の位置は適宜定められ得る。
【0040】
ここで、サブ流路11Bにおける入口部41が位置する部分(以後、入口部領域)の直交断面を、入口部断面と記載する。また、サブ流路11Bにおける本体部44が位置する部分(以後、本体部領域)の直交断面を、本体部断面と記載する。
【0041】
本実施形態では、一例として、入口部断面の面積は、サブ流路11Bの入口40の面積と同程度となっており、本体部断面の面積は、サブ流路11Bの出口43の面積と同程度となっている。このため、入口部断面の面積は、本体部断面の面積よりも小さい。
【0042】
また、入口部領域における排ガス流れ方向12の長さは、本体部領域における排ガス流れ方向12の長さよりも短く、本体部領域の体積は、入口部領域の体積よりも大きい。
[8.効果]
(1)上記実施形態によれば、仕切り板4の案内部42により、排ガスがセンサ2に向かって誘導され得る。このため、センサ取付部3の周辺における排ガスの流路11の形状や向き等に関わらず、排ガスがセンサ2に向かうよう促すことができる。
【0043】
また、仕切り板4により形成されるサブ流路11Bの出口43は、入口40よりも大きくなっているため、サブ流路11Bにおける出口43の付近で負圧が生じる。その結果、仕切り板4の上流側に溜まっている凝縮水13は、入口40からサブ流路11Bに進入するように促される。
【0044】
また、サブ流路11Bの出口43が入口40よりも高くなるように車両が傾斜した場合には、仕切り板4の下流側に溜まっている凝縮水13は、出口43からサブ流路11Bに進入するように促され、サブ流路11Bを通過して仕切り板4の上流側に誘導される。
【0045】
このため、センサ2が位置するメイン流路11Aに凝縮水13が進入するのを抑制できる。したがって、排ガスがセンサ2に向かうように促しつつ、凝縮水がセンサ2に接触するのを抑制できる。
【0046】
(2)また、従来であれば、センサ2への凝縮水の接触抑制のため、センサ2の取付位置が、例えば、凝縮水が溜まり難い傾斜した区間に制限される場合があった。また、従来であれば、排ガスのセンサ2への接触を促し、センサ2による検出精度を向上させるため、排ガスの流路11におけるセンサ2の上流側に位置する区間の形状を調整する場合があった。
【0047】
しかし、上記実施形態によれば、仕切り板4により排ガスがセンサ2に向かうように促しつつ、凝縮水がセンサ2に接触するのを抑制できるため、より自由にセンサ2の取付位置を定めることができる。
【0048】
(3)また、仕切り板4の本体部44は、その平行断面において排ガスの流れ方向12に沿って延びる形状であるため、メイン流路11Aが狭くなるのを抑制できる。このため、センサ2の周辺における排ガスの流れを促進できる。
【0049】
(4)また、排ガスの流れ方向12に沿って延びる入口部41及び本体部44を仕切り板4に設けたことで、サブ流路11Bにおける出口43の付近で負圧が生じやすくなる。
(5)また、仕切り板4は、シェル30の上部材32と下部材33とにより挟持される。このため、溶接を行うことなく仕切り板4をシェル30に接合できるか、又は、仕切り板4をシェル30に接合するための溶接箇所を減らすことができる。したがって、溶接による熱伸びの影響による破損を抑制できる。
【0050】
[9.他の実施形態]
(1)上記実施形態のセンサ2、センサ取付部3、及び仕切り板4は、排気管1に限らず、車両の排ガスの流路を形成する様々な排気装置(例えば、マフラ、排ガス浄化装置)に設けられ得る。
【0051】
(2)上記実施形態では、仕切り板4は入口部41を有する。しかし、仕切り板4に入口部41を設けず、案内部42の上流側の端部にてサブ流路11Bの入口40を形成しても良い。また、仕切り板4は本体部44を有するが、仕切り板4に本体部44を設けず、案内部42の下流側の端部にてサブ流路11Bの出口43を形成しても良い。
【0052】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0053】
[10.文言の対応関係]
上記実施形態の排気管1が、排気装置の一例に相当する。
【符号の説明】
【0054】
1…排気管、10…軸線、11…流路、11A…メイン流路、11B…サブ流路、12…排ガス流れ方向、13…凝縮水、2…センサ、3…センサ取付部、30…シェル、32…上部材、32B…上側縁部、33…下部材、33A…下側縁部、4…仕切り板、40…入口、42…案内部、43…出口、44…本体部、45…縁部。
図1
図2
図3