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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178900
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20231211BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 45/305 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20231211BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20231211BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B45/10
H05B45/20
H05B45/305
H05B47/16
H05B47/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091890
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 笑
(72)【発明者】
【氏名】松林 容子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 諒
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA07
3K273QA13
3K273QA15
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA08
3K273RA13
3K273RA17
3K273SA12
3K273SA20
3K273SA21
3K273SA24
3K273SA37
3K273SA40
3K273SA46
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA32
3K273TA33
3K273TA35
3K273TA78
3K273TA79
3K273TA80
3K273UA02
3K273UA22
3K273VA01
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】より複雑な演出を容易に行うことが可能な照明システムを提供する。
【解決手段】照明システム1は、複数の光源と、制御部11と、を備える。複数の光源は、第1光源21と、第2光源22と、を少なくとも含む。第1光源21は、第1照明光を出力する。第2光源22は、第2照明光を出力する。制御部11は、第1照明光の光特性と、第2照明光の光特性と、の各々を周期的に変化させる。第1照明光の光特性及び第2照明光の光特性の各々は、光束と、色相と、彩度とのうち少なくとも1つに関する特性である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1照明光を出力する第1光源と、第2照明光を出力する第2光源と、を少なくとも含む複数の光源と、
前記第1照明光の光特性と、前記第2照明光の光特性と、の各々を周期的に変化させる制御部と、を備え、
前記第1照明光の前記光特性及び前記第2照明光の前記光特性の各々は、光束と、色相と、彩度とのうち少なくとも1つに関する特性である、
照明システム。
【請求項2】
前記制御部は、
第1周波数で前記第1照明光の前記光特性を変化させ、
第2周波数で前記第2照明光の前記光特性を変化させ、
前記第1周波数と前記第2周波数とは互いに異なる、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1照明光及び前記第2照明光の各々について、光束を一定に保ち、かつ、色相と彩度とのうち少なくとも1つを周期的に変化させることによって、前記第1照明光の前記光特性と前記第2照明光の前記光特性との各々を周期的に変化させる、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1照明光及び前記第2照明光の各々について、色相及び彩度を一定に保ち、かつ、光束を周期的に変化させることによって、前記第1照明光の前記光特性と前記第2照明光の前記光特性との各々を周期的に変化させる、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1照明光及び前記第2照明光の各々について、色相と彩度とのうち少なくとも1つと、光束と、を周期的に変化させることによって、前記第1照明光の前記光特性と前記第2照明光の前記光特性との各々を周期的に変化させる、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1照明光の前記光特性及び前記第2照明光の前記光特性の少なくとも1つについて、
彩度と光束とを同一周期で周期的に変化させ、
彩度が最大となる時刻と、光束が最大になる時刻とを異ならせる、
請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
彩度の制御範囲と光束の制御範囲との少なくとも1つを色相毎に記憶している記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記第1照明光及び前記第2照明光の各々の色相に基づき、前記記憶部に記憶されている前記彩度の制御範囲と前記光束の制御範囲とのうち少なくとも1つを用いて、前記第1照明光の前記光特性と前記第2照明光の前記光特性との各々を周期的に変化させる、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記複数の光源に含まれる光源数に基づき、前記複数の光源から、前記第1光源と、前記第2光源と、を選択する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項9】
前記制御部は、
第1周波数で前記第1照明光の前記光特性を変化させ、
第2周波数で前記第2照明光の前記光特性を変化させ、
前記第1周波数及び前記第2周波数は、0.05Hz以上1.0Hz以下である、
請求項8に記載の照明システム。
【請求項10】
前記複数の光源は、前記第1光源と前記第2光源とを各々複数含み、
前記複数の第2光源の間の最短距離は、前記複数の第1光源の間の最短距離よりも長く、
前記第2周波数は、前記第1周波数よりも高い、
請求項9に記載の照明システム。
【請求項11】
前記複数の光源は、前記第1光源と前記第2光源とを各々複数含み、
前記複数の第2光源の発光領域間距離は、前記複数の第1光源の発光領域間距離よりも長く、
前記第2周波数は、前記第1周波数よりも高い、
請求項9に記載の照明システム。
【請求項12】
基準色の入力を受け付ける入力部を更に備え、
前記制御部は、前記基準色に基づいて、前記第1照明光の前記光特性としての色相と、前記第2照明光の前記光特性としての色相と、を決定する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項13】
基準色を空間演出イメージと対応付けて記憶する記憶部と、
前記空間演出イメージの入力を受け付ける入力部と、を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部で前記空間演出イメージに対応付けて記憶されている前記基準色に基づいて、前記第1照明光の前記光特性としての色相と、前記第2照明光の前記光特性としての色相とを決定する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項14】
u’v’色度図において、
前記第1照明光の色相と等エネルギー白色点とを結ぶ線分と、前記基準色と等エネルギー白色点とを結ぶ線分との間の角度は、43度以下である、
請求項12又は13に記載の照明システム。
【請求項15】
u’v’色度図において、
前記第1照明光の色相と前記等エネルギー白色点とを結ぶ前記線分と、前記基準色と前記等エネルギー白色点とを結ぶ前記線分との間の角度は、25度以下である、
請求項14に記載の照明システム。
【請求項16】
u’v’色度図において、
前記第1照明光の色相と等エネルギー白色点とを結ぶ線分と、前記基準色と等エネルギー白色点とを結ぶ線分との間の角度は、43度より大きく、かつ、180度以下である、
請求項12又は13に記載の照明システム。
【請求項17】
彩度の制御範囲を色相毎に記憶している記憶部を更に備え、
xy色度図において、
前記彩度の制御範囲の下限値は、第1領域の外周上にあり、
前記彩度の制御範囲の上限値は、第2領域の外周上にあり、
前記第1領域は、JIS Z 8110における白の領域であり、
前記第2領域の外周は、(x,y)=(0.52,0.36)、(0.502,0.295)、(0.423,0.205)、(0.275,0.148)、(0.212,0.144)、(0.2157,0.16)、(0.158,0.314)、(0.241,0.458)、(0.351,0.525)、(0.479,0.475)、(0.522,0.401)の各座標で示される点を含む、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項18】
光束の制御範囲を色相毎に記憶している記憶部を更に備え、
前記光束の制御範囲の上限値は、マンセル表色系における色相毎の最高明度であり、
前記制御部は、前記第1照明光の光束と前記第2照明光の光束との比を、前記第1照明光の色相に対応する前記光束の制御範囲の上限値と、前記第2照明光の色相に対応する前記光束の制御範囲の上限値との比と等しくする、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項19】
前記第1照明光の前記光特性と前記第2照明光の前記光特性とのうち少なくとも一方について、制御範囲と変化の周期とのうち少なくとも一方の程度を示す演出強度の入力を受け付ける入力部を更に備え、
前記制御部は、前記演出強度に基づいて、前記第1照明光の前記光特性又は前記第2照明光の前記光特性の制御範囲と、前記変化の周期とのうち少なくとも1つを決定する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項20】
前記第1照明光の前記光特性又は前記第2照明光の前記光特性と、環境装置の制御情報とを対応付けて記憶している記憶部、を更に備え、
前記制御部は、前記第1照明光の前記光特性又は前記第2照明光の前記光特性に対応する前記環境装置の制御情報を前記記憶部が記憶している場合、前記環境装置の制御情報を前記環境装置に出力する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項21】
前記光源の設置場所に関する情報を取得するセンサ部を更に備え、
前記制御部は、前記センサ部から取得される前記情報を変化させるように、前記第1照明光の光特性及び前記第2照明光の前記光特性を制御する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項22】
前記センサ部は、前記設置場所に存在する人の生理的信号を取得し、
前記制御部は、前記第1照明光の光特性及び前記第2照明光の前記光特性の変化周波数を、前記生理的信号に基づいて決定する、
請求項21に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システムに関し、より詳細には、複数の光源を備える照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、色や明るさの揺らぎによるリラックス効果を得ることができる照明装置(照明システム)が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示の照明装置は、1つの光源(発光部)と、照明信号に基づいて光源を制御する制御装置(制御部)とを備える。照明信号は、互いに周波数が異なる複数の波が合成される合成波である。制御装置は、繰り返し読み取られた一連なりの複数の照明信号に基づいて光源を発光させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-46334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の照明装置では、照明信号の波形によっては、照明光による演出が単調となる場合がある。
【0006】
本開示は、より複雑な演出を容易に行うことが可能な照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明システムは、複数の光源と、制御部と、を備える。前記複数の光源は、第1光源と、第2光源と、を少なくとも含む。前記第1光源は、第1照明光を出力する。前記第2光源は、第2照明光を出力する。前記制御部は、前記第1照明光の光特性と、前記第2照明光の光特性と、の各々を周期的に変化させる。前記第1照明光の前記光特性及び前記第2照明光の前記光特性の各々は、光束と、色相と、彩度とのうち少なくとも1つに関する特性である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る照明システムによれば、より複雑な演出を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係る照明システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、同上の照明システムにおける演出パターンの波形を示すグラフである。
図3図3は、同上の照明システムにおける設置状況の説明図である。
図4図4は、実施形態1の変形例に係る照明システムの構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、同上の照明システムにおける設置状況の説明図である。
図6図6は、同上の照明システムの光源ユニットにおいて、第1光源、第2光源及び第3光源の配置を示す概略図である。
図7図7Aは、同上の照明システムにおいて照射面における第1照明光の照度を示すグラフである。図7Bは、同上の照明システムにおいて照射面における第2照明光の照度を示すグラフである。図7Cは、同上の照明システムにおいて照射面における第3照明光の照度を示すグラフである。
図8図8は、実施形態2に係る照明システムの動作を説明するためのu’v’色度図である。
図9図9は、実施形態3に係る照明システムの動作を説明するためのxy色度図である。
図10図10は、同上の照明システムにおける演出パターンの波形を示すグラフである。
図11図11は、実施形態4に係る照明システムの動作を説明するための等色当面を示す図である。
図12図12Aは、実施形態5に係る照明システムにおける演出パターンの彩度の波形を示すグラフである。図12Bは、同上の照明システムにおける演出パターンの光束の波形を示すグラフである。
図13図13は、実施形態7に係る照明システムの構成を示す機能ブロック図である。
図14図14は、実施形態8に係る照明システムの構成を示す機能ブロック図である。
図15図15は、実施形態9に係る照明システムの構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る照明システムについて、図面を参照して説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例に過ぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態1)
1.照明システム
実施形態1に係る照明システム1の構成について、図1を参照して説明する。
【0012】
実施形態1に係る照明システム1は、制御装置10と、光源20と、を備える。
【0013】
2.照明システムの各要素
以下、実施形態1に係る照明システム1の各構成要素について説明する。
【0014】
(1)制御装置
制御装置10は、図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、入力部13とを備える。
【0015】
制御部11は、光源20の点灯制御を行う。より詳細には、制御部11は、光源20に含まれる第1光源21及び第2光源22について、各々が出力する照明光の光特性が周期的に変化するように、光源20を制御する。以下、照明光の光特性がどのように変化するかを示す情報を、演出パターンという。実施形態1において、照明光の光特性は、照明光の光束である。より詳細には、図2に示すように、第1照明光の光特性である照明光の光束Lf1は、時間に対して正弦波状に変化する。
【0016】
制御部11は、演出パターンに基づく制御信号を第1光源21と第2光源22との各々に出力する。制御信号は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号であり、第1光源21又は第2光源22に含まれる発光素子に印加される電圧の大きさ(電圧値)に関する情報を有する信号である。
【0017】
記憶部12は、複数の演出パターンを記憶している記憶媒体である。上述したように、記憶部12は、演出パターンは、例えば、光束の最大値Lfmaxと、光束の最小値Lfminと、変化周波数との組合せにより示される。ここで、変化周波数とは、照明光の光特性(ここでは光束)の時間に対する変化を示す周波数である。また、光束の最大値Lfmaxと、光束の最小値Lfminとで示される光束Lf1の取り得る値の範囲を、以下の説明において、光束の制御範囲ともいう。制御部11は、記憶部12から光束の最大値Lfmaxと、光束の最小値Lfminと、変化周波数との組合せを取得し、図2に示すような、時間ごとの光束の値を算出する。
【0018】
入力部13は、作業者から第1光源21及び第2光源22に適用する演出パターンを決定するための情報の入力を受け付ける入力デバイスである。作業者は、例えば、照明システム1の設置工事業者、又は、照明システム1が設置されている施設の施設管理者である。入力部13は、例えば、タッチパネルである。
【0019】
制御装置10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御装置10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0020】
また、制御装置10における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御装置10に必須の構成ではなく、制御装置10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御装置10の少なくとも一部の機能、例えば、制御部11の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0021】
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている制御装置10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、制御部11と入力部13とに分散されている制御装置10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0022】
(2)光源
光源20は、図1に示すように、複数の第1光源21と、複数の第2光源22とを含む。第1光源21及び第2光源22は、例えば、図3に示すように、会議室の壁面、商業施設の通路の壁面、その他人の目に触れる機会が多い場所の壁面に対して間接照明による演出照明(グラデーション照明)を行う用途に用いられる。第1光源21と第2光源22とは、壁面などの照射面32の上部に設置される。第1光源21は、照射面32に第1照明光L1を出力する。第2光源22は、照射面32に第2照明光L2を出力する。
【0023】
第1光源21は、例えば、光色の異なる4種類(例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)、W(白色))の発光ダイオード(LED)を複数備える光源ユニットである。なお、第1光源21が有するLEDは、R、G、B、Wの4色のLEDに限定されず、W以外の色を更に備えてもよいし、Wを備えていなくてもよい。
【0024】
第2光源22は、例えば、光色の異なる4種類(例えば、R、G、B、W)のLEDを複数備える光源ユニットである。なお、第2光源22が有するLEDは、R、G、B、Wの4色のLEDに限定されず、W以外の色を更に備えてもよいし、Wを備えていなくてもよい。
【0025】
第1光源21及び第2光源22は、光軸を照射面32側に傾けるように天井面に固定されている。なお、第1光源21及び第2光源22の照射面32の反対側には、遮光板31が設けられている。より詳細には、遮光板31は、第1光源21及び第2光源22の設置場所を利用するユーザによる第1光源21及び第2光源22の直接視認を抑止している。なお、第1光源21及び第2光源22の設置状態はこの場合に限らず、例えば、照射面32に接して天井面に設けられた溝に、第1光源21及び第2光源22が設置されてもよい。
【0026】
なお、第1光源21と第2光源22の各々は光源ユニットでなくてもよく、例えば、LEDテープなど、1つの発光素子又は複数の発光素子の集合体であってもよい。また、第1光源21及び第2光源22の各々は、例えば、LEDモジュールであり、同一の光源ユニットに搭載されていてもよい。また、光源20に含まれる第1光源21又は第2光源22の数は複数に限られず、例えば、光源20に含まれる第1光源21の数は1つでもよい。同様に、例えば、光源20に含まれる第2光源22の数は1つでもよい。
【0027】
3.制御部による発光制御
以下、演出パターンに基づく第1光源21及び第2光源22の制御について、より詳細に説明する。
【0028】
作業者は、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を入力部13に入力する。制御部11は、入力された第1照明光L1の色相に対応する演出パターンを記憶部12から読み出す。演出パターンは、例えば、光束の最大値が第1光源21の最大光束の100%であり、光束の最小値が第1光源21の最大光束の50%であり、変化周波数が0.3Hzである第1演出パターンである。また、制御部11は、入力された第2照明光L2の色相に対応する演出パターンを記憶部12から読み出す。演出パターンは、例えば、光束の最大値が第2光源22の最大光束の80%であり、光束の最小値が第2光源22の最大光束の60%であり、変化周波数が0.1Hzである第2演出パターンである。なお、第1演出パターンの変化周波数と、第2演出パターンの変化周波数とは、異なることが好ましい。これにより、第1照明光L1と第2照明光L2とで異なる周期の揺らぎが演出されるため、単一の光源を用いる場合より多様な演出が実現可能となる。
【0029】
制御部11は、第1光源21に対し、第1演出パターンに基づく調光信号を出力する。同様に、制御部11は、第2光源22に対し、第2演出パターンに基づく調光信号を出力する。
【0030】
4.効果
実施形態1に係る照明システム1では、第1光源21と第2光源22とを含む光源20を用いた間接照明において、第1照明光L1と第2照明光L2との各々の光特性である光束が、演出パターンに基づいて周期的に制御される。したがって、第1照明光L1及び第2照明光L2の光束が周期的に揺らぐため、リラックス効果、又はリフレッシュ効果をもたらす照明光による演出が可能となる。さらに、第1光源の演出パターンと第2光源の演出パターンとを異ならせることにより、第1照明光L1及び第2照明光L2を用いた照明光による演出のバリエーションを増加させることができる。
【0031】
また、実施形態1に係る照明システム1では、第1照明光L1と第2照明光L2との各々について、色相に対応した演出パターンが適用される。したがって、色相と演出パターンとが適切に組み合わされ、目的に合わせて適切な演出を行うことが可能となる。
【0032】
(変形例)
図4に示すように、実施形態1の変形例に係る照明システム1では、光源20が複数の光源ユニット24を含む。光源ユニット24の各々は、第1光源21、第2光源22、又は第3光源23のいずれかとして制御される。
【0033】
光源ユニット24の各々は、例えば、光色の異なる4種類(例えば、R、G、B、W)の発光ダイオード(LED)を複数備える光源ユニットである。なお、光源ユニット24が有するLEDは、R、G、B、Wの4色のLEDに限定されず、W以外の色を更に備えてもよいし、Wを備えていなくてもよい。
【0034】
光源ユニット24は、個別に制御装置10に接続されている。制御装置10は、光源ユニット24の各々を、第1光源21、第2光源22、又は第3光源23として制御する。光源ユニット24は、例えば、図5に示すように、間接照明による演出照明(グラデーション照明)を行う用途に用いられる。第1光源21として制御される光源ユニット24は、照射面32に第1照明光L1を出力する。第2光源22として制御される光源ユニット24は、照射面32に第2照明光L2を出力する。第3光源23として制御される光源ユニット24は、照射面32に第3照明光L3を出力する。
【0035】
以下、光源ユニット24の各々の制御方法について、より詳細に説明する。
【0036】
実施形態1の変形例に係る制御装置10では、入力部13が作業者から光源ユニット24の数の入力を受け付ける。制御装置10は、作業者が入力する光源ユニット24の数に応じて、複数の光源ユニット24の各々について、第1光源21、第2光源22、又は第3光源23のいずれとして制御するかを決定する。第1光源21として制御される光源ユニット24は、第1演出パターンに従って第1照明光L1を出射する。第2光源22として制御される光源ユニット24は、第2演出パターンに従って第2照明光L2を出射する。第3光源23として制御される光源ユニット24は、第3パターンに従って第3照明光を出射する。すなわち、制御装置10は、複数の光源ユニット24の各々に、3つの演出パターンのうちのいずれか1つを割り当てる。
【0037】
制御装置10は、第1光源21、第2光源22、及び第3光源23の各々の空間周波数に基づいて、第1光源21、第2光源22、及び第3光源23の各々の演出パターンを決定する。以下、演出パターンの説明に先立ち、第1光源21、第2光源22、及び第3光源23の各々の空間周波数について、詳細に説明する。
【0038】
実施形態1の変形例に係る光源20において、光源ユニット24の並びの一部を図6に示す。より詳細には、一直線上に等間隔で配置されている複数の光源ユニット24のうち、図5における左端の光源ユニット24(24a)を含む7つの光源ユニット24を図6に示している。互いに隣接する光源ユニット24の中心間の距離は距離d0である。
【0039】
図7Aは、図5における照射面32上の仮想線SL1における第1照明光L1の照度を示す。すなわち、図7Aは、第1光源21のみを点灯し、第2光源22及び第3光源23を消灯した場合における、照射面32上の仮想線SL1における照度を示している。図7Aに示すように、照度のピークは、第1光源21の各々に対応して生じる。このとき、図6に示すように、第1光源21(光源ユニット24a)と第1光源21(光源ユニット24e)との中心間の距離は距離d0の4倍である。したがって、2つの異なる第1光源21において第1照明光L1の照射範囲が重複しない。したがって、照射面32における第1照明光L1の照射範囲の中心の間隔は、第1光源21(光源ユニット24a)と第1光源21(光源ユニット24e)との中心間の距離d1に対応する。ここで、第1光源21(光源ユニット24a)と第1光源21(光源ユニット24e)の中心間の距離d1を、「第1光源21の発光領域間距離d1」という。
【0040】
また、図7Bは、図5における照射面32上の仮想線SL1における第2照明光L2の照度を示す。すなわち、図7Bは、第2光源22のみを点灯し、第1光源21及び第3光源23を消灯した場合における、照射面32上の仮想線SL1における照度を示している。図7Bに示すように、照度のピークは、第2光源22の各々に対応して生じる。このとき、図6に示すように、第2光源22(光源ユニット24b)と第2光源22(光源ユニット24g)との中心間の距離は距離d0の5倍である。したがって、2つの異なる第2光源22において第2照明光L2の照射範囲が重複しない。したがって、照射面32における第2照明光L2の照射範囲の中心の間隔は、第2光源22(光源ユニット24b)と第2光源22(光源ユニット24g)との中心間の距離d2に対応する。ここで、第2光源22(光源ユニット24b)と第2光源22(光源ユニット24g)との中心間の距離d2を、「第2光源22の発光領域間距離d2」という。
【0041】
また、図7Cは、図5における照射面32上の仮想線SL1における第3照明光L3の照度を示す。すなわち、図7Cは、第3光源23のみを点灯し、第1光源21及び第2光源22を消灯した場合における、照射面32上の仮想線SL1における照度を示している。図7Cに示すように、照度のピークは、第3光源23の各々に対応して生じる。ここで、第3光源23(光源ユニット24c)と第3光源23(光源ユニット24d)との中心間の距離は距離d0と小さいため、光源ユニット24cと光源ユニット24dとで、第3照明光L3の照射範囲が重複する。なお、「光源ユニット24cと光源ユニット24dとで、第3照明光L3の照射範囲が重複する」とは、光源ユニット24cから出射された第3照明光L3の照度がその最大照度の50%以上である範囲の一部と、光源ユニット24dから出射された第3照明光L3の照度がその最大照度の50%以上である範囲の一部とが重複していることをいう。この場合、光源ユニット24cと光源ユニット24dとに対し、照射面32上の仮想線SL1に1つの照度のピークが対応する。すなわち、光源ユニット24cと光源ユニット24dとが、1つの第3光源23の発光領域を形成する。したがって、照射面32における第2照明光L2の照射範囲の中心の間隔は、第3光源23の中心(光源ユニット24cと光源ユニット24dとの間の中心)と、第3光源23(光源ユニット24f)の中心と、の間の距離である距離d3に対応する。ここで、第3光源23の中心(光源ユニット24cと光源ユニット24dとの間の中心)と、第3光源23(光源ユニット24f)の中心と、の間の距離を、「第3光源23の発光領域間距離d3」という。
【0042】
ここで、第1照明光L1の照度のピークの空間上の密度を、第1光源21の空間周波数という。「第1光源21の空間周波数が高い」とは、第1光源21の空間上の密度が高いことをいう。言い換えると、「第1光源21の空間周波数が高い」とは、第1照明光L1の照度がピークとなる位置の空間上の密度が高いことをいう。また、「第1光源21の空間周波数が低い」とは、第1照明光L1の照度がピークとなる位置の空間上の密度が低いことをいう。すなわち、第1光源21の発光領域間距離d1が長いほど第1光源21の空間解像度が低く、第1光源21の発光領域間距離d1が短いほど第1光源21の空間解像度が高い。
【0043】
同様に、第2照明光L2の照度のピークの空間上の密度を、第2光源22の空間周波数という。図6に示すように、第2光源22の発光領域間距離d2は、第1光源21の発光領域間距離d1よりも長い。したがって、第2光源22の空間周波数は、第1光源21の空間周波数よりも低い。
【0044】
同様に、第3照明光L3の照度のピークの空間上の密度を、第3光源23の空間周波数という。図6に示すように、第3光源23の発光領域間距離d3は、第1光源21の発光領域間距離d1よりも短く、かつ、第2光源22の発光領域間距離d2よりも短い。したがって、第3光源23の空間周波数は、第1光源21の空間周波数よりも高く、かつ、第2光源22の空間周波数よりも高い。
【0045】
次に、制御装置10は、第1光源21、第2光源22、及び第3光源23の各々について、演出パターンを決定する。演出パターンは、照明光の光特性の最大値及び最小値と、変化周波数とを示す情報を含む。光特性の変化周波数は、0.05Hz以上1.0Hz以下であることが好ましい。これにより、光特性の揺らぎが知覚されてリラックス効果等を発揮し、かつ、光特性の変化が激しいことによる不快感の惹起を抑止することができる。
【0046】
ここで、制御装置10は、第1光源21、第2光源22、及び第3光源23の各々について、空間周波数が高い光源ほど照明光の光特性の変化周波数を低くし、空間周波数が低い光源ほど照明光の光特性の変化周波数を高くする。その理由は、照明光の光特性の変化周波数が同一である場合、光源の空間周波数が高いほど、照明光の光特性の揺らぎが認知されやすいからである。すなわち、空間周波数が高い光源では、照明光の光特性の揺らぎが認知されやすいため、不快感の惹起を防ぐために光特性の変化周波数は低いことが好ましい。一方、空間周波数が低い光源では、照明光の光特性の揺らぎによる不快感の惹起が生じにくいため、光特性の変化周波数を高くすることが可能となる。
【0047】
上述したように、第3光源23の空間周波数は、第1光源21の空間周波数及び第2光源22の空間周波数よりも高い。したがって、第3光源23の演出パターンの変化周波数を、第1光源21の演出パターンの変化周波数及び第2光源22の演出パターンの変化周波数よりも低くする。また、第2光源22の空間周波数は、第1光源21の空間周波数よりも低い。したがって、第2光源22の演出パターンの変化周波数を第1光源21の演出パターンの変化周波数よりも高くする。制御装置10は、例えば、第1光源21、第2光源22、及び第3光源23の各々の演出パターンの変化周波数を、0.2Hz、0.3Hz、0.1Hzとする。
【0048】
実施形態1の変形例に係る照明システム1では、複数の光源ユニット24を含む光源20を用いた間接照明において、光源ユニット24を第1光源21、第2光源22又は第3光源23として制御する。また、実施形態1の変形例に係る照明システム1では、第1照明光L1、第2照明光L2、第3照明光の各々について、演出パターンに基づいて照明光の光特性である光束を周期的に変化させる。したがって、リラックス効果、又はリフレッシュ効果をもたらす照明光による演出が可能となる。
【0049】
また、実施形態1の変形例に係る照明システム1では、光源20に含まれる複数の光源ユニット24の数に基づいて、光源ユニット24を第1光源21、第2光源22又は第3光源23として制御する。したがって、光源ユニット24の数に応じて好適な演出を行うことができる。また、光源ユニット24の増減、又は、照明システム1が設置されている部屋の模様替えにおいて、第1光源21、第2光源22及び第3光源23の配置変更を制御装置10で行えるため、光源20と制御装置10との間の配線変更を行う必要がない。さらに、例えば、演出パターンに応じて、第1光源21と第2光源22との数量の比を変更することも可能となる。
【0050】
また、実施形態1の変形例に係る照明システム1では、制御装置10は、第1光源21、第2光源22、及び第3光源23の各々について、光源の空間周波数が高いほど照明光の光特性の変化周波数を低くし、光源の空間周波数が低いほど照明光の光特性の変化周波数を高くする。したがって、不快感を惹起させずに変化周波数の高い演出を行うことが可能となり、目的に合わせて適切な演出を行うことが可能となる。
【0051】
なお、実施形態1の変形例に係る照明システム1では、複数の光源ユニット24が第1光源21、第2光源22及び第3光源23を含むとしたが、複数の光源ユニット24が第3光源23を含まないとしてもよい。この場合においても、複数の光源ユニット24で互いに異なる2種類の演出パターンを用いた演出が可能となる。また、複数の光源ユニット24が第4光源を更に含んでもよく、第5光源を更に含んでもよい。
【0052】
(実施形態2)
実施形態2に係る照明システム1では、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を、基準色に基づいて決定する。
【0053】
実施形態2に係る照明システム1では、入力部13は、作業者から基準色の入力を受け付ける。より詳細には、制御部11は、例えば、タッチパネルである入力部13に複数のサンプル色を表示させ、作業者にいずれか1つのサンプル色を選択させる。なお、基準色の入力方法はこの例に限定されず、例えば、作業者に色の名称を選択させる方法、又は、色の名称を入力させる方法でもよい。
【0054】
制御部11は、入力された基準色に基づき、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を決定する。制御部11は、例えば、基準色の類似色相を、第1照明光L1の色相として決定する。また、制御部11は、例えば、基準色を第2照明光L2の色相として決定する。
【0055】
図8は、CIE 1976UCS色度図(以下、「u’v’色度図」という)である。図8に示すu’v’色度図において、色W0は、等エネルギー白色点を示す。また、色C0は、基準色である。ここで、u’v’色度図において、色W0と基準色C0とを結ぶ線分L10と、色W0を端とする半直線L21及びL22とを仮定する。半直線L21と、線分L10との間の角度は角度θ1である。また、半直線L22と、線分L10との間の角度は角度θ1である。角度θ1は、43°である。このとき、u’v’色度図において、半直線L21と半直線L22とに挟まれた領域AR1の外周及び内部に位置する色は、基準色C0の類似色相である。ここで、領域AR1の外周及び内部に位置する色と色W0とを結ぶ線分と、線分L10との間の角度は43°以下である。例えば、領域AR1に含まれる色C11は、色W0と色C11とを結ぶ線分と線分L10との間の角度が43°以下であり、かつ、色C11は基準色C0の類似色相である。したがって、制御部11は、領域AR1に含まれる色を、第1照明光L1の色相として決定する。例えば、制御部は、色C11、色C12、色C21、及び色C22のうちいずれか1つを、第1照明光L1の色相として決定する。なお、色C11、色C12、色C21、及び色C22は、基準色C0の類似色相の例示であり、制御部11は、領域AR1に含まれる任意の色を第1照明光L1の色相として決定してよい。
【0056】
以上の処理により、第1照明光L1の色相と、第2照明光L2の色相とが、互いに類似する。したがって、第1光源21の照明光による演出と第2光源22の照明光による演出との調和が容易に実現でき、リラックス効果又はリフレッシュ効果をもたらす演出の実現が容易となる。
【0057】
なお、照明システム1において、第1照明光L1の色相を基準色C0とし、第2照明光L2の色相を基準色C0の類似色相としてもよい。
【0058】
また、光源20が第3光源23を含む場合、第3光源23の照明光の色相は、基準色C0の類似色相としてもよい。ここで、第1照明光L1の色相と、第2照明光L2の色相と、第3光源23の照明光の色相とは、互いに異なることが好ましい。例えば、第1照明光L1の色相を色C11とし、第2照明光L2の色相を基準色C0とし、第3光源23の照明光の色相を色C12としてもよい。この構成により、第1光源21の照明光、第2光源22の照明光、第3光源23の照明光の各々の色相が互いに異なり、かつ、互いに類似する。したがって、リラックス効果又はリフレッシュ効果をもたらす演出の実現が容易となる。
【0059】
(変形例1)
実施形態2の変形例1に係る照明システム1では、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を、基準色に基づいて決定する。
【0060】
制御部11は、基準色に基づき、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を決定する。制御部11は、例えば、基準色の同系色を、第1照明光L1の色相として決定する。また、制御部11は、例えば、基準色を第2照明光L2の色相として決定する。
【0061】
図8に示すu’v’色度図において、線分L10に対し、色W0を端とする半直線L31、L32を仮定する。半直線L31と、線分L10との間の角度は角度θ2である。また、半直線L32の各々と、線分L10との間の角度は角度θ2である。角度θ2は、25°である。このとき、半直線L31と半直線L32とに挟まれた領域AR2の外周及び内部に位置する色は、基準色C0の同系色である。ここで、領域AR2の外周及び内部に位置する色と色W0とを結ぶ線分と、線分L10との間の角度は25°以下である。例えば、領域AR2に含まれる色C21は、色W0と色C21とを結ぶ線分と線分L10との間の角度が25°以下であり、かつ、色C21は基準色C0の同系色である。したがって、制御部11は、領域AR2に含まれる色を、第1照明光L1の色相として決定する。例えば、制御部は、色C21、色C22のうちいずれか1つを、第1照明光L1の色相として決定する。なお、色C21、色C22は、基準色C0の同系色の例示であり、領域AR2に含まれる任意の色を第1照明光L1の色相として決定してもよい。
【0062】
以上の処理により、第1照明光L1の色相と、第2照明光L2の色相とが、互いに同系色の関係となる。したがって、第1光源21の照明光による演出と第2光源22の照明光による演出との調和が実施形態2よりもさらに容易に実現できるため、リラックス効果又はリフレッシュ効果をもたらす演出の実現が容易となる。
【0063】
なお、照明システム1において、第1照明光L1の色相を基準色C0とし、第2照明光L2の色相を基準色C0の同系色としてもよい。
【0064】
また、光源20が第3光源23を含む場合、第3光源23の照明光の色相は、基準色C0の同系色としてもよい。ここで、第1照明光L1の色相と、第2照明光L2の色相と、第3光源23の照明光の色相とは、互いに異なることが好ましい。例えば、第1照明光L1の色相を色C21とし、第2照明光L2の色相を基準色C0とし、第3光源23の照明光の色相を色C22としてもよい。この構成により、第1光源21の照明光、第2光源22の照明光、第3光源23の照明光の各々の色相が互いに異なり、かつ、互いに同系色の関係となる。したがって、リラックス効果又はリフレッシュ効果をもたらす演出の実現が容易となる。
【0065】
(変形例2)
実施形態2の変形例2に係る照明システム1では、第1光源21及び第2光源22の色相を、基準色に基づいて決定する。
【0066】
制御部11は、基準色に基づき、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を決定する。制御部11は、例えば、基準色の類似色相でない色を、第1照明光L1の色相として決定する。また、制御部11は、基準色を第2照明光L2の色相として決定する。
【0067】
図8のu’v’色度図において、領域AR1の外側の全領域である領域AR3に位置する色は、基準色C0と類似色相の関係にない。ここで、領域AR3に位置する色と色W0とを結ぶ線分と、線分L10との間の角度は43°より大きく180°以下である。例えば、領域AR3に含まれる色C31は、色W0と色C31とを結ぶ線分と線分L10との間の角度が43°より大きく180°以下であり、かつ、色C31は基準色C0と類似色相の関係にない。したがって、制御部11は、領域AR3に含まれる色を、第1照明光L1の色相として決定する。例えば、制御部11は、色C31又は色C32を、第1照明光L1の色相として決定する。なお、色C31及び色C32は、基準色C0の類似色相でない色の例示であり、領域AR3に含まれる任意の色を第1照明光L1の色相として決定してもよい。
【0068】
以上の処理により、第1照明光L1の色相と、第2照明光L2の色相とは、互いに類似しない。したがって、第1光源21の照明光による演出と第2光源22の照明光による演出が全く異なる印象を与えるため、エンターテイメント性の高い華美な演出の実現が容易となる。
【0069】
なお、照明システム1において、第1照明光L1の色相を基準色C0とし、第2照明光L2の色相を基準色C0の類似色相でない色としてもよい。
【0070】
また、光源20が第3光源23を含む場合、第3光源23の照明光の色相は、基準色C0の類似色相でない色としてもよい。ここで、第1照明光L1の色相と、第2照明光L2の色相と、第3光源23の照明光の色相とは、互いに異なることが好ましい。また、第1照明光L1の色相と、第3光源23の照明光の色相とが、互いに類似色相の関係にないことが好ましい。例えば、第1照明光L1の色相を色C31とし、第2照明光L2の色相を基準色C0とし、第3光源23の照明光の色相を色C32としてもよい。この構成により、第1光源21の照明光、第2光源22の照明光、第3光源23の照明光の各々の色相が互いに異なり、かつ、互いに類似色相の関係にもない。したがって、照明システム1による、エンターテイメント性の高い華美な演出の実現が容易となる。
【0071】
(実施形態3)
実施形態3に係る照明システム1では、第1照明光L1及び第2照明光L2において、照明光の光特性として彩度が周期的に変化するように、光源20を制御する。制御部11は、演出パターンに基づく制御信号を第1光源21と第2光源22との各々に出力する。第1光源21に出力される制御信号は、例えば、PWM信号であり、第1光源21に含まれるR、G、B、Wの4色のLEDの各々に印加される電圧の大きさ(電圧値)に関する情報を有する信号である。
【0072】
演出パターンは、例えば、時間ごとの照明光の彩度を示す情報である。図10に示すように、実施形態3において、第1照明光L1の光特性である照明光の彩度S1は、時間に対して正弦波状に変化する。演出パターンは、例えば、時間ごとの第1照明光L1の彩度S1を示すデータである。あるいは、演出パターンは、例えば、彩度の最大値Smaxと、彩度の最小値Sminと、変化周波数との組合せにより示されてもよい。ここで、変化周波数とは、照明光の光特性(ここでは彩度)の時間に対する変化を示す周波数である。
【0073】
制御部11は、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相に基づき、第1光源21と第2光源22との各々について、彩度の最大値Smaxと、彩度の最小値Sminと、変化周波数とを決定する。制御部11は、例えば、記憶部12から、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相の各々に対応する変化周波数を読み出す。なお、制御部11は、例えば、第1光源21と第2光源22との各々の空間周波数に基づいて、変化周波数を決定してもよい。
【0074】
また、制御部11は、記憶部12から、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相の各々に対応する彩度の最大値Smaxと、彩度の最小値Sminとを読み出す。ここにおいて、色相に対応する彩度の最大値Smaxと最小値Sminとは、以下の条件を満たすように決定されている。
【0075】
図9は、CIE 1931xy色度図(以下、「xy色度図」という)である。図9のxy色度図において、第1領域D1は、JIS Z 8110において、白色と定義されている領域である。また、第2領域D2は、以下の条件を満たす領域である。すなわち、第2領域D2は、以下の11個の点Cr、Cp、Crv、Cv、Cbv、Cb、Cbg、Cg、Cyg、Cy、Cyrを外周に含む。第2領域D2の外周は、例えば、11角形状である。11個の点の各々の座標を以下の表に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
色相に対応する彩度の最大値Smaxは、彩度の最大値Smaxと色相との組合せである色C2が、図9に示すxy色度図において、第2領域D2の外周上、又は、第2領域D2の内部かつ第1領域D1の外部に存在するように決定される。また、色相に対応する彩度の最小値Sminは、彩度の最小値Sminと色相との組合せである色C1が、図9に示すxy色度図において、第1領域D1の外周上、又は、第2領域D2の内部かつ第1領域D1の外部に存在するように決定される。
【0078】
以下にその理由を説明する。色のゆらぎを知覚しやすくするためには、彩度の変化幅を大きくする方が好ましい。しかしながら、人の視覚特性である色順応のため、有彩色から大きく無彩色に光色を変化させると、見た人に補色残像を知覚させる。例えば、赤の有彩色から無彩色の白色に変化させると、人は赤の補色である緑色を知覚してしまうことがある。この補色残像は不快に感じる見えを呈しているため、照明光の彩度の変化範囲は、赤から白色領域の手前(第1領域D1の外部)までの変化範囲に収まっていることが好ましい。
【0079】
したがって、第1照明光L1及び第2照明光L2がいずれも、第1領域D1以上第2領域D2以内の範囲で色が変動することにより、好ましい色のゆらぎを提供することができる。
【0080】
また、実施形態3では、第1照明光L1の色及び第2照明光L2の色が、xy色度図において第2領域D2の外周上又は内部に存在するため、彩度が過剰であることによる不快感の惹起を抑止することが可能となる。すなわち、照明システム1は、知覚されやすく、かつ、快適に見ることができる演出を提供することが可能となる。
【0081】
(実施形態4)
実施形態4に係る照明システム1では、第1光源21及び第2光源22の演出パターンにおいて、照明光の光特性として光束が変化するように、光源20を制御する。
【0082】
制御部11は、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相に基づき、第1光源21と第2光源22との各々について、光束の最大値Lfmaxと、最小値Lfminと、変化周波数とを決定する。制御部11は、例えば、記憶部12から、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相の各々に対応する変化周波数を読み出す。なお、制御部11は、例えば、第1光源21と第2光源22との各々の空間周波数に基づいて、変化周波数を決定してもよい。
【0083】
また、制御部11は、記憶部12から、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相の各々に対応する光束の最大値Lfmaxと、最小値Lfminとを読み出す。ここにおいて、色相に対応する光束の最大値Lfmaxは、以下の条件を満たすように決定されている。
【0084】
図11は、マンセル表色系において色相5Rの等色相面を示す。なお、図11の等色相面では、明度と彩度との組合せについて、明度と彩度の組み合わせが存在するか否かの情報を示している。図11において、白い四角は、明度と彩度の組み合わせが存在することを示す。例えば、彩度14、明度4の四角は、色相5R、彩度14、明度4の色が存在することを示す。一方、図11において、四角がない明度と彩度との組み合わせは、明度と、彩度と、色相としての5Rとの組み合わせで示される色が存在しないことを示す。すなわち、例えば、色相5R、彩度6、明度9で示される色は存在しない。
【0085】
実施形態4に係る照明システム1では、色相毎に、光束の最大値Lfmaxが、代表色の最高明度となるように設定する。以下に、色相と、色相の代表色に対応する最高明度との関係を示す。
【0086】
【表2】
【0087】
光束の最大値Lfmaxは、色相に対応する値が、色相の代表色に対応する最高明度と比例するように設定される。すなわち、例えば、色相5Rに対応する光束の最大値Lfmaxと、色相5YRに対応する光束の最大値Lfmaxとは、値の比が4:7である。また、例えば、色相5Yに対応する光束の最大値Lfmaxと、色相5GYに対応する光束の最大値Lfmaxとは、値が等しい。
【0088】
色相に対応する光束の最大値Lfmaxが上述の関係を有することにより、第1光源21及び第2光源22の光束を変化させる際に、第1照明光L1及び第2照明光L2において、光束の変化に伴って色相又は彩度が変化することを抑止することができる。したがって、第1照明光L1及び第2照明光L2の色相又は彩度を変化させずに光束を容易に変化させることができる。これにより、容易に光束のみを変化させる演出を照明システム1で実施することができる。
【0089】
(実施形態5)
実施形態5に係る照明システム1では、第1光源21及び第2光源22の演出パターンにおいて、照明光の光特性として光束と彩度の両方が変化するように、光源20を制御する。より詳細には、制御部11は、第1照明光L1について、光束と彩度を同一の変化周波数に従って周期的に変化させる。同様に制御部11は、第2照明光L2について、光束と彩度を同一の変化周波数に従って周期的に変化させる。
【0090】
制御部11は、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相に基づき、第1照明光L1と第2照明光L2との各々について、光束の最大値Lfmaxと、最小値Lfminと、彩度の最大値Smaxと、彩度の最小値Sminと、変化周波数と、光束と彩度との位相差とを決定する。
【0091】
ここで、光束と彩度との位相差について説明する。以下、光束と彩度との位相差の代表例として、0度の場合と180度の場合とを検討する。例えば、光束と彩度との位相差を0度とする場合、照明光は、彩度と光束が同時に最大となり、彩度と光束が同時に最小となる。この場合、鮮やかな色は明るく見えるH-K(Helmholtz-Kohlrausch)効果によって、光束が小さいときは実際の光束の大きさ通りに見え、光束が大きいときは実際の光束よりも明るく見える。したがって、光束の変化幅が、実際の光束の変化幅よりも大きく見える。すなわち、光束と彩度との位相差が0度の場合、光束の変化の幅が強調されて感じられる。これに対し、例えば、光束と彩度との位相差を180度とする場合、彩度S3は図12Aに示すように時刻t0及びt1で最小値Sminとなり、光束Lf3は図12Bに示すように時刻t0及びt1で最大値Lfmaxとなる。すなわち、照明光は、彩度S3が最大値Smaxの時に光束Lf3が最小値Lfminとなり、彩度S3が最小値Sminの時に光束Lf3が最大値Lfmaxとなる。この場合、H-K効果によって、光束が小さいときは実際の光束より明るく見え、光束が大きいときは実際の光束通りに見える。したがって、光束の変化幅が、実際の光束の変化幅よりも小さく見える。すなわち、光束と彩度との位相差が180度の場合、光束の変化の幅が弱く感じられる。
【0092】
制御部11は、例えば、第1光源21の空間周波数が第2光源22の空間周波数よりも高い場合、第1照明光L1における光束と彩度との位相差を180°に近くする。これにより、空間周波数が高い、すなわち、空間的に密である第1光源21について、演出が過剰となることを抑止することができる。あるいは、制御部11は、例えば、第1光源21の空間周波数が第2光源22の空間周波数よりも高い場合、第2照明光L2について光束と彩度の両方を変化させ、第1光源21について光束と彩度のいずれか一方のみを変化させる、としてもよい。
【0093】
なお、人の視覚は視野の正面は色の変化に敏感であり、視野の周辺は明るさの変化に敏感である。したがって、室内の照明において、第1光源21が人の視野の正面に配置され、第2光源22が人の視野の周辺部に配置されている場合、第1光源について光束を変化させ、第2光源について彩度を変化させてもよい。このようにすることで、室内にいる人物が、彩度の周期的変化又は光束の周期的変化による不快感を惹起されにくく、適切な演出を行うことが容易となる。
【0094】
(実施形態6)
実施形態6に係る照明システム1では、第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を決定するための基準色を、空間演出イメージに基づいて決定する。
【0095】
照明システム1の記憶部12は、空間演出イメージと第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相との組合せを記憶している。空間演出イメージは、例えば、海、木漏れ日など、具体的な景色を想起させるイメージである。また、空間演出イメージは、例えば、リラックス、リフレッシュ、打合せ、発表会、など、空間演出の目的を示すイメージであってもよい。記憶部12は、空間演出イメージの各々について、対応する第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相をテーブルとして記憶している。なお、記憶部12は、空間演出イメージの各々について、対応する基準色をテーブルとして記憶していてもよい。
【0096】
入力部13は、作業者から空間演出イメージの入力を受け付ける。制御部11は、例えば、タッチパネルである入力部13に空間演出イメージのリストを表示させ、作業者に空間演出イメージを選択させる。制御部11は、作業者が入力した空間演出イメージに対応する第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を記憶部12から読み出し、読み出した第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相に基づいて、第1光源21及び第2光源22を用いた演出を行う。なお、制御部11は、例えば、作業者が入力した空間演出イメージに対応する基準色を記憶部12から読み出してもよい。この場合、制御部11は、基準色に基づいて第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相を決定し、第1光源21及び第2光源22を用いた演出を行う。
【0097】
実施形態6に係る照明システム1によれば、作業者が空間演出イメージに基づいて照明システム1で行う演出の内容を決定できる。したがって、作業者が第1照明光L1の色相及び第2照明光L2の色相、又は基準色を直接指定することなく、空間演出イメージに合致した演出を容易に実現することが可能となる。
【0098】
(実施形態7)
実施形態7に係る照明システム1aでは、第1光源21及び第2光源22を用いて行う演出の強度を、ユーザが選択可能である。
【0099】
図13に示すように、実施形態7に係る照明システム1aは、制御装置10に替えて制御装置10aを含む。制御装置10aは、制御部11a、記憶部12、及び入力部13に加えて、演出強度入力部14を含む。
【0100】
演出強度入力部14は、光源20を用いて行う演出の演出強度の入力をユーザから受け付ける。ユーザは、例えば、照明システム1が設置されている施設の利用者である。また、演出強度は、照明光の光特性の変化幅の大小を示す。演出強度入力部14は、例えば、回転式又はスライド式のつまみを有する。なお、演出強度入力部14は、現在の演出強度を示すインジケータと、演出強度を大きくするスイッチと、演出強度を小さくするスイッチとの組合せでもよい。
【0101】
制御部11aは、演出強度入力部14から入力された演出強度に従い、動的に演出内容を変更する。演出強度は、例えば、記憶部12から読み出した演出パターンに指定されている照明光の光特性の変化幅に対する比で示される。例えば、演出強度が75%である場合、制御部11aは、光束の最大値と最小値との差が、記憶部12から読み出した演出パターンに指定されている光束の最大値と最小値との差の75%となるように、光束の最大値と最小値とを変更する。より詳細には、例えば、光束の最大値が第1光源21の最大光束の100%であり、光束の最小値が第1光源21の最大光束の20%である場合、光束の最大値を第1光源21の最大光束の90%に変更し、光束の最小値を第1光源21の最大光束の30%に変更する。同様に、例えば、演出強度が75%である場合、制御部11aは、彩度の最大値と最小値との差が、記憶部12から読み出した演出パターンに指定されている彩度の最大値と最小値との差の75%となるように、彩度の最大値と最小値とを変更する。
【0102】
実施形態7に係る照明システム1aによれば、ユーザの嗜好に合わせて、光源20による演出の強度を強め、又は弱めることができる。したがって、例えば、ユーザが光束や彩度の変化に敏感な場合、演出による不快感が生じないように演出の強度を弱めることができる。また、例えば、ユーザが光束や彩度の変化に気づきにくい場合、演出を視認できるように演出の強度を強めることができる。
【0103】
なお、演出強度は、例えば、100%を超えてもよい。すなわち、照明システム1aにおいて、演出パターンに指定されている照明光の光特性の変化幅よりも、光特性の変化幅を大きくすることが可能であってもよい。このようにすることで、例えば、記憶部12に記憶する演出パターンでは、不快感を抱くユーザが生じないように照明光の光特性の変化幅を小さくしておき、演出が物足りないユーザが演出の強度を強めることができる。
【0104】
(実施形態8)
実施形態8に係る照明システム1bでは、第1光源21及び第2光源22を用いて行う演出に同期して、環境装置30を制御可能である。
【0105】
図14に示すように、実施形態8に係る照明システム1bは、環境装置30を更に含む。また、実施形態8に係る照明システム1bは、制御装置10に替えて制御装置10bを含む。制御装置10bは、制御部11b、記憶部12b、及び入力部13を含む。
【0106】
環境装置30は、例えば、光源20と同一の部屋に設置され、光以外を用いて演出を行う装置である。環境装置30の例としては、エアコン、アロマディフューザが挙げられる。
【0107】
記憶部12bは、例えば、第1光源21及び第2光源22の演出パターンの各々に対応する、環境装置30への動作指示を記憶している。制御部11bは、第1光源21及び第2光源22の演出パターンに従った演出に加えて、環境装置30に対して動作指示を送信する。例えば、制御部11bは、環境装置30がエアコンである場合、第1照明光L1の彩度が所定の彩度より高い時間に、風量を所定の強度に制御するようにエアコンに指示する。また、例えば、制御部11bは、環境装置30がアロマディフューザである場合、第1照明光L1の色相に対応したアロマを、第1照明光L1の光束が所定の光束より大きい時間において噴射するようアロマディフューザに指示する。
【0108】
実施形態8に係る照明システム1bによれば、光と、光以外の室内環境を組み合わせて、室内全体の環境を用いて演出を行うことができる。
【0109】
(実施形態9)
実施形態9に係る照明システム1cは、ユーザの情報を用いて第1光源21及び第2光源22の制御態様を変更する。
【0110】
図15に示すように、実施形態9に係る照明システム1cは、制御装置10に替えて制御装置10cを含む。制御装置10cは、制御部11c、記憶部12、及び入力部13に加えて、センサ部15を含む。
【0111】
センサ部15は、ユーザの感情状態及び行動状態を推定するための情報を取得するためのセンサと、センサから取得した情報に基づいてユーザの感情状態又は行動状態を出力する解析装置とを含む。センサ部15は、例えば、カメラ、マイクを含む。なお、センサ部15は、特定のユーザの生体情報を取得するための生体センサを含んでもよく、例えば、心拍センサや脳波センサである。生体センサは、例えば、スマートウォッチなどのウェアラブルセンサであってもよい。
【0112】
センサ部15の解析装置は、センサ部15から取得した情報を解析し、ユーザの感情状態又は行動状態を推定する。より詳細には、例えば、解析装置は、心拍数や脳波から、ユーザの感情状態を推定する。また、例えば、解析装置は、カメラから取得した画像、又はマイクから取得した音声を解析し、ユーザが行動しているか否かを推定する。
【0113】
制御装置10cは、センサ部15から取得したユーザの感情状態又は行動状態が変化していないことを検出すると、第1光源21及び第2光源22を用いた演出の態様を変更する。例えば、リラックスを目的とした演出パターンを第1光源21及び第2光源22で行っている場合、ユーザがリラックス状態になると、センサ部15がユーザの感情状態の変化として検出する。したがって、ユーザの感情状態が変化しない場合、第1光源21及び第2光源22を用いた演出がリラックス効果をもたらしていないため、制御装置10cは、他の演出パターンを第1光源21及び第2光源22に実施させる。
【0114】
また、制御装置10cは、ユーザの行動状態が変化しない場合には、第1光源21及び第2光源22を用いた演出の態様を変更する。例えば、照明システム1cにおいて、会議を円滑に行うことを目的とした演出パターンを第1光源21及び第2光源22で行っている場合、ユーザが発言すれば、発言行動をユーザの行動状態の変化としてセンサ部15が検出する。したがって、ユーザの行動状態が変化していない場合、第1光源21及び第2光源22を用いた演出が会議の円滑化をもたらしていないため、制御装置10cは、他の演出パターンを第1光源21及び第2光源22に実施させる。
【0115】
実施形態8に係る照明システム1cによれば、ユーザの感情又は行動に基づき、照明光を用いた演出の効果が得られていない場合には、照明光の演出の態様を変更する。これにより、照明光を用いた演出の効果が得られるように、演出の態様を変更することができる。
【0116】
(変形例)
実施形態8の変形例に係る照明システム1cは、ユーザの情報を用いて第1光源21及び第2光源22の制御態様を変更する。
【0117】
センサ部15は、ユーザの感情状態を推定するための情報を取得するための生体センサである。センサ部15は、例えば、心拍センサ、呼吸センサ、脳波センサである。センサ部15は、例えば、スマートウォッチなどのウェアラブルセンサであってもよい。
【0118】
制御装置10cは、センサ部15から取得した情報に基づき、ユーザの生体リズムと、照明光による演出とを同期させる。より詳細には、例えば、制御装置10cは、心拍数、呼吸スピード、又は脳波から、周波数を生体周波数として抽出する。制御装置10cは、照明光の光束、又は彩度を変化させる変化周波数を、生体周波数と一致させる。
【0119】
実施形態8の変形例に係る照明システム1cによれば、ユーザの生体リズムと、照明光の光特性の変化周波数とが一致する。したがって、ユーザは、生体リズムと照明光の揺らぎが一致することにより、特別なリラックス感などを得ることができる。
【0120】
(実施形態に係るその他の変形例)
(1)実施形態1~8及びその変形例では、照明システム1、1a、1b、1cは、光束と彩度のうち一方又は両方を照明光の光特性として周期的に変化させる。しかしながら、照明光の光特性は光束及び彩度に限られない。照明システム1は、例えば、照明光の光特性として色相を周期的に変化させてもよい。この場合において、色相の変化する範囲を、例えば、実施形態2又はその変形例で説明している近似色の範囲又は類似色相の範囲としてもよい。これにより、第1照明光L1及び第2照明光L2の色相の変化を穏やかなものとすることができるため、リラックス効果又はリフレッシュ効果を発揮させることが可能となる。
【0121】
(2)実施形態1~8及びその変形例では、照明システム1、1a、1b、1cは、光束と彩度のうち一方又は両方を照明光の光特性として正弦波状に変化させる。しかしながら、照明光の光特性は周期的に変化すればよく、その変化の態様は正弦波状に限られない。例えば、変化周波数が0.1Hzである場合、照明光の光特性としての光束は、時間長が10秒間である予め定められたパターンを繰り返すように変化してもよい。
【0122】
(3)実施形態1、2、4~8及びその変形例では、照明システム1、1a、1b、1cは、第1光源21又は第2光源22の調光制御を行うことで、光束を照明光の光特性として周期的に変化させる。しかしながら、光束の調整方法は第1光源21又は第2光源22の調光制御に限られない。例えば、照明システム1が複数の第1光源21を含む場合、光束の調整方法は、複数の第1光源21の一部の点灯を停止させる方法でもよい。より具体的には、照明システム1は、例えば、12個の第1光源21のうち、6個の第1光源21を常時点灯させ、残りの6個の第1光源21を周期的に点滅させる。この方法により、複数の第1光源21の全体から出力される光束を変化させることができる。
【0123】
(まとめ)
第1の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、複数の光源と、制御部(11;11a;11b;11c)と、を備える。複数の光源は、第1光源(21)と、第2光源(22)と、を少なくとも含む。第1光源(21)は、第1照明光(L1)を出力する。第2光源(22)は、第2照明光(L2)を出力する。制御部(11;11a;11b;11c)は、第1照明光(L1)の光特性と、第2照明光(L2)の光特性と、の各々を周期的に変化させる。第1照明光(L1)の光特性及び第2照明光(L2)の光特性の各々は、光束と、色相と、彩度とのうち少なくとも1つに関する特性である。
【0124】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の各々の光束、色相、彩度の少なくとも1つが周期的に変化する。したがって、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)により、リラックス効果、リフレッシュ効果、又は、エンターテイメント効果を発揮できる。
【0125】
第2の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1の態様において、制御部(11;11a;11b;11c)は、第1周波数で第1照明光(L1)の光特性を変化させる。制御部(11;11a;11b;11c)は、更に、第2周波数で第2照明光(L2)の光特性を変化させる。第1周波数と第2周波数とは互いに異なる。
【0126】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)と第2照明光(L2)とで、光特性の変化周波数が異なる。したがって、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の揺らぎの態様を容易に複雑にすることができる。そのため、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)による、リラックス効果、リフレッシュ効果、又は、エンターテイメント効果を強化することが可能となる。
【0127】
第3の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1又は第2の態様において、制御部(11;11a;11b;11c)は、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の各々について、光束を一定に保ち、かつ、色相と彩度とのうち少なくとも1つを周期的に変化させることによって、第1照明光(L1)の光特性と第2照明光(L2)の光特性との各々を周期的に変化させる。
【0128】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の光束の周期的変化による不快感の惹起を抑止することができる。また、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の色相又は彩度の周期的変化により、リラックス効果、リフレッシュ効果、又は、エンターテイメント効果を発揮できる。
【0129】
第4の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1又は第2の態様において、制御部(11;11a;11b;11c)は、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の各々について、色相及び彩度を一定に保ち、かつ、光束を周期的に変化させることによって、第1照明光(L1)の光特性と第2照明光(L2)の光特性との各々を周期的に変化させる。
【0130】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の色の周期的変化による不快感の惹起を抑止することができる。また、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の光束の周期的変化により、リラックス効果、リフレッシュ効果、又は、エンターテイメント効果を発揮できる。
【0131】
第5の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1又は第2の態様において、制御部(11;11a;11b;11c)は、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の各々について、色相と彩度とのうち少なくとも1つと、光束と、を周期的に変化させることによって、第1照明光(L1)の光特性と第2照明光(L2)の光特性との各々を周期的に変化させる。
【0132】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の色と光束との両方を周期的変化させることで、リラックス効果、リフレッシュ効果、又は、エンターテイメント効果を強化することが可能となる。
【0133】
第6の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第5の態様において、制御部(11;11a;11b;11c)は、第1照明光(L1)の光特性及び第2照明光(L2)の光特性の少なくとも1つについて、彩度と光束とを同一周期で周期的に変化させ、彩度が最大となる時刻と、光束が最大になる時刻とを異ならせる。
【0134】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、彩度と光束とが同時に最大となり、かつ、同時に最小となることにより、光束の変化が過剰に感じられることを抑止できる。したがって、演出が華美すぎると感じられることによる不快感の惹起を抑止できる。
【0135】
第7の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1から第6の態様のいずれかにおいて、記憶部(12)を更に備える。記憶部(12)は、彩度の制御範囲と光束の制御範囲とのうち少なくとも1つを色相毎に記憶している。制御部(11;11a;11b;11c)は、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の各々の色相に基づき、記憶部(12)に記憶されている彩度の制御範囲と光束の制御範囲との少なくとも1つを用いて、第1照明光(L1)の光特性と第2照明光(L2)の光特性との各々を周期的に変化させる。
【0136】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の各々の彩度と光束とのうち少なくとも一方を、好適に揺らぎ制御することが容易となる。
【0137】
第8の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第1から第7の態様のいずれかにおいて、制御部(11;11a;11b;11c)は、複数の光源に含まれる光源数に基づき、複数の光源から、第1光源(21)と、第2光源(22)と、を選択する。
【0138】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、複数の光源に対し、第1光源(21)及び第2光源(22)を動的に選択できる。したがって、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の空間的デザインを光源数に基づいて容易に制御することが可能となる。
【0139】
第9の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第8の態様において、制御部(11;11a;11b;11c)は、第1周波数で第1照明光(L1)の光特性を変化させる。制御部(11;11a;11b;11c)は、更に、第2周波数で第2照明光(L2)の光特性を変化させる。第1周波数及び第2周波数は、0.05Hz以上1.0Hz以下である。
【0140】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の光特性の変化による不快感の惹起を抑止し、好適な演出を行うことが可能となる。
【0141】
第10の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第9の態様において、複数の光源は、第1光源(21)と第2光源(22)とを各々複数含む。複数の第2光源(22)の間の最短距離(d2)は、複数の第1光源(21)の間の最短距離(d1)よりも長い。第2周波数は、第1周波数よりも高い。
【0142】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、空間的に疎に配置されている第2光源(22)の光特性の変化周波数が、空間的に密に配置されている第1光源(21)の光特性の変化周波数よりも高い。したがって、第1照明光(L1)の光特性の変化による不快感の惹起を抑止し、第2照明光(L2)の光特性による強度の大きい演出を行うことが可能となる。
【0143】
第11の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第9の態様において、複数の光源は、第1光源(21)と第2光源(22)とを各々複数含む。複数の第2光源(22)の発光領域間距離(d2)は、第1光源(21)の発光領域間距離(d1)よりも長い。第2周波数は、第1周波数よりも高い。
【0144】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第2光源(22)の発光領域間距離(d2)が第1光源(21)の発光領域間距離(d1)より長いため、第2光源(22)の空間周波数が第1光源(21)の空間周波数よりも低い。したがって、第2周波数を第1周波数より高くすることで、第1照明光(L1)の光特性の変化による不快感の惹起を抑止し、第2照明光(L2)の光特性による強度の大きい演出を行うことが可能となる。
【0145】
第12の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1から第11の態様のいずれかにおいて、入力部(13)を更に備える。入力部(13)は、基準色(C0)の入力を受け付ける。制御部(11;11a;11b;11c)は、基準色(C0)に基づいて、第1照明光の光特性としての色相と、第2照明光の光特性としての色相と、を決定する。
【0146】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)の色相及び第2照明光(L2)の色相を、基準色(C0)に基づく範囲で好適に決定することが可能となる。
【0147】
第13の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1から第11の態様において、記憶部(12)と、入力部(13)と、を更に備える。記憶部(12)は、基準色(C0)を空間演出イメージと対応付けて記憶する。入力部(13)は、空間演出イメージの入力を受け付ける。制御部(11;11a;11b;11c)は、記憶部(12)で空間演出イメージに対応付けて記憶されている基準色(C0)に基づいて、第1照明光(L1)の光特性としての色相と、第2照明光(L2)の光特性としての色相と、を決定する。
【0148】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)の色相及び第2照明光(L2)の色相を、空間演出イメージに適合するように決定することが可能となる。
【0149】
第14の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第12又は第13の態様において、u’v’色度図において、第1照明光(L1)の色相と等エネルギー白色点(W0)とを結ぶ線分と、基準色(C0)と等エネルギー白色点(W0)とを結ぶ線分(L10)との間の角度は、43度以下である。
【0150】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)の色相が、基準色(C0)と類似色相の範囲に存在する。したがって、照明システム(1;1a;1b;1c)による穏やかな演出が可能となり、演出によるリラックス効果やリフレッシュ効果を高めることができる。
【0151】
第15の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第14の態様において、u’v’色度図において、第1照明光(L1)の色相と等エネルギー白色点(W0)とを結ぶ線分と、基準色(C0)と等エネルギー白色点(W0)とを結ぶ線分(L10)との間の角度は、25度以下である。
【0152】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)の色相が、基準色(C0)と近似色の範囲に存在する。したがって、照明システム(1;1a;1b;1c)による穏やかな演出が可能となり、演出によるリラックス効果やリフレッシュ効果を高めることができる。
【0153】
第16の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)では、第12又は第13の態様において、u’v’色度図において、第1照明光(L1)の色相と等エネルギー白色点(W0)とを結ぶ線分と、基準色(C0)と等エネルギー白色点(W0)とを結ぶ線分(L10)との間の角度は、43度より大きく、かつ、180度以下である。
【0154】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)の色相が、基準色(C0)と類似色相の範囲に存在しない。したがって、照明システム(1;1a;1b;1c)による華美な演出が可能となり、演出のエンターテイメント性を高めることができる。
【0155】
第17の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1から第16の態様のいずれかにおいて、記憶部(12)を更に備える。記憶部(12)は、彩度の制御範囲を色相毎に記憶している。xy色度図において、彩度の制御範囲の下限値は、第1領域(D1)の外周上にある。さらに、xy色度図において、彩度の制御範囲の上限値は、第2領域(D2)の外周上にある。第1領域(D1)は、JIS Z 8110における白の領域である。第2領域(D2)の外周は、(x,y)=(0.52,0.36)、(0.502,0.295)、(0.423,0.205)、(0.275,0.148)、(0.212,0.144)、(0.2157,0.16)、(0.158,0.314)、(0.241,0.458)、(0.351,0.525)、(0.479,0.475)、(0.522,0.401)の各座標で示される点を含む。
【0156】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)の色及び第2照明光(L2)の色が、有彩色の範囲内であり、かつ、好適な範囲で制御される。したがって、補色残像による不快感の発生を抑止し、演出によるリラックス効果、リフレッシュ効果、又は、エンターテイメント効果を適切に発揮できる。
【0157】
第18の態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)は、第1から第17の態様のいずれかにおいて、記憶部(12)を更に備える。記憶部(12)は、光束の制御範囲を色相毎に記憶している。光束の制御範囲の上限値は、マンセル表色系における色相毎の最高明度である。制御部(11;11a;11b;11c)は、第1照明光(L1)の光束と第2照明光(L2)の光束との比を、第1照明光(L1)の色相に対応する光束の制御範囲の上限値と、第2照明光(L2)の色相に対応する前記光束の制御範囲の上限値との比と等しくする。
【0158】
上記態様に係る照明システム(1;1a;1b;1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の光束の制御範囲が、色相及び彩度に影響を与えずに光束の変化が可能な範囲に限定される。したがって、光束の変化による色相又は彩度の意図しない変化を抑止することができ、好適な演出が可能となる。
【0159】
第19の態様に係る照明システム(1a)は、第1から第18の態様のいずれかにおいて、入力部(14)を更に備える。入力部(14)は、演出強度の入力を受け付ける。演出強度は、第1照明光(L1)の光特性と第2照明光(L2)の光特性とのうち少なくとも一方について、制御範囲と変化の周期とのうち少なくとも一方の程度を示す。制御部(11a)は、演出強度に基づいて、第1照明光(L1)の光特性又は第2照明光(L2)の光特性の制御範囲と、変化の周期とのうち少なくとも1つを決定する。
【0160】
上記態様に係る照明システム(1a)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の演出の強度を、ユーザが選択することができる。したがって、ユーザの嗜好に適した演出が可能となる。
【0161】
第20の態様に係る照明システム(1b)は、第1から第19の態様のいずれかにおいて、記憶部(12)を更に備える。記憶部(12)は、第1照明光(L1)の光特性又は第2照明光(L2)の光特性と、環境装置(30)の制御情報とを対応付けて記憶している。制御部(11b)は、第1照明光(L1)の光特性又は第2照明光(L2)の光特性に対応する環境装置(30)の制御情報を記憶部(12)が記憶している場合、環境装置(30)の制御情報を環境装置(30)に出力する。
【0162】
上記態様に係る照明システム(1b)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)を用いた演出と、環境装置(30)による演出とを同期させることができる。したがって、第1光源(21)、第2光源(22)及び環境装置(30)を用いた演出が可能となる。
【0163】
第21の態様に係る照明システム(1c)は、第1から第20の態様のいずれかにおいて、センサ部(15)を更に備える。センサ部(15)は、光源の設置場所に関する情報を取得する。制御部(11c)は、センサ部(15)から取得される情報を変化させるように、第1照明光(L1)の光特性及び第2照明光(L2)の光特性を制御する。
【0164】
上記態様に係る照明システム(1c)によれば、センサ部(15)から取得した情報に基づいて第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)による演出が所望の効果を発揮しているか確認し、その確認結果に基づいて演出態様を変化させることができる。
【0165】
第22の態様に係る照明システム(1c)では、第21の態様において、センサ部(15)は、設置場所に存在する人の生理的信号を取得する。制御部(11c)は、第1照明光(L1)の光特性及び第2照明光(L2)の光特性の変化周波数を、ユーザの生理的信号に基づいて決定する。
【0166】
上記態様に係る照明システム(1c)によれば、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の光特性の変化周波数を、ユーザの生理的なリズムと一致させることが可能となる。したがって、特定のユーザに対して特に好適な演出を行うことができる。
【符号の説明】
【0167】
1、1a、1b、1c 照明システム
11、11a、11b、11c 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 演出強度入力部(入力部)
15 センサ部
21 第1光源
22 第2光源
30 環境装置
L1 第1照明光
L2 第2照明光
d1 最短距離(発光領域間距離)
d2 最短距離(発光領域間距離)
D1 第1領域
D2 第2領域
図1
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