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特開2023-17891ケーブルおよびアッパーテンショナを有する自動化されたフットウェア
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017891
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】ケーブルおよびアッパーテンショナを有する自動化されたフットウェア
(51)【国際特許分類】
   A43C 7/06 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
A43C7/06
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022176161
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2021101813の分割
【原出願日】2018-03-14
(31)【優先権主張番号】62/471,850
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/475,105
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】サマー エル シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ナリッサ チャン
(72)【発明者】
【氏名】エリック ピー アバール
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ジー ベル
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アンドン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動化されたレーシングエンジンにおいて、アッパーおよびレーシングシステムの機能を改善して、所望の張力で足の形状に適合させる。
【解決手段】テンショナは、複数のレースガイドの2つのレースガイド間に延びる弾性部材と、アッパーの第1の部分と第2の部分との間に延びる弾性部材と、アッパーの一部と複数のレースガイドのうちの1つのレースガイドとの間に延びる弾性部材と、アッパーのヒール部に連結されて、内部空間へのアクセスを容易にするように構成されたヒールチャネルと、フットウェアアセンブリに連結されて、レースケーブルの締め付け中にトルク対レース変位曲線を滑らかにするように機能する弾性部材と、トウボックスおよびレースケーブル近傍のアッパーの側部に固定された張力部材と、トウボックスおよびレースケーブル近傍のアッパーの側部に取り付けられたフローティングオーバーレイと、を含むことができる。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットウェアアセンブリであって:
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含み、前記内甲側面部お
よび前記外甲側面部がそれぞれ、前記トウボックス部から前記ヒール部まで近位に延びる
、フットウェアアッパーと;
前記内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第1の端部と、前記外甲側面部
の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を備える、レースケーブルと;
前記内甲側面部および前記外甲側面部に沿って分配配置された複数のレースガイドであ
って、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、前記レースケーブルの部分を受け入
れるようになっており、前記レースケーブルが、前記複数のレースガイドの各々を通って
、前記フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成
する、レースガイドと;
前記レースケーブルを、前記複数のレースガイドの内甲側部分によって形成される前記
パターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジンに
係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;
前記レースケーブルを、当該レースケーブルが前記レーシングエンジンに係合できる位
置から、前記複数のレースガイドの外甲側部分によって形成される前記パターンにルーテ
ィングする、外甲側近位レースガイドと;
前記複数のレースガイドの第1および第2のレースガイド間に延びる、第1の弾性部材
と、を含む、フットウェアアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の弾性部材が、前記フットウェアアッパーの中心線部分を横断して、前記第1
のレースガイドと前記第2のレースガイドとを連結している、請求項1に記載のフットウ
ェアアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の弾性部材が、前記フットウェアアッパーの前記ヒール部を横断して、前記第
1のレースガイドと前記第2のレースガイドとを連結している、請求項1に記載のフット
ウェアアセンブリ。
【請求項4】
前記複数のレースガイドの第3のレースガイドと第4のレースガイドとの間に延びる、
第2の弾性部材をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のフットウェアアセン
ブリ。
【請求項5】
前記第1の弾性部材が、前記フットウェアアッパーのフィット特性を変えるために弾性
率を変化させる異なる弾性部材と交換可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の
フットウェアアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の弾性部材が、前記レースケーブルの締め付け中に、トルク対レース変位曲線
を滑らかにするように機能する、請求項1~5のいずれか一項に記載のフットウェアアセ
ンブリ。
【請求項7】
フットウェアアセンブリであって:
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含み、前記内甲側面部お
よび前記外甲側面部がそれぞれ、前記トウボックス部から前記ヒール部まで近位に延びる
、フットウェアアッパーと;
前記内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第1の端部と、前記外甲側面部
の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を備える、レースケーブルと;
前記内甲側面部および前記外甲側面部に沿って分配配置された複数のレースガイドであ
って、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、前記レースケーブルの部分を受け入
れるようになっており、前記レースケーブルが、前記複数のレースガイドの各々を通って
、前記フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成
する、レースガイドと;
前記レースケーブルを、前記複数のレースガイドの内甲側部分によって形成される前記
パターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジンに
係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;
前記レースケーブルを、当該レースケーブルが前記レーシングエンジンに係合できる位
置から、前記複数のレースガイドの外甲側部分によって形成される前記パターンにルーテ
ィングする、外甲側近位レースガイドと;
前記フットウェアアッパーの第1および第2の部分間に延びる、第1の弾性部材と、を
含む、フットウェアアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の弾性部材が、少なくとも前記トウボックス部から足開口部まで近位に延びる
弾性中心線部分を含み、かつ前記フットウェアアッパーの前記第1および第2の部分が、
それぞれ前記内甲および外甲側面部を含む、請求項7に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の弾性部材が、足開口部の近位に延びる弾性ヒール部分を含み、前記フットウ
ェアアッパーの前記第1および第2の部分が、それぞれ前記ヒール部の内甲および外甲側
面部分を含む、請求項7に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の弾性部材が、前記レースケーブルの締め付け中に、トルク対レース変位曲線
を滑らかにするように機能する、請求項7~9のいずれか一項に記載のフットウェアアセ
ンブリ。
【請求項11】
前記第1の弾性部材が、前記フットウェアアッパー内の内部空間へのアクセスを可能に
するために開口または拡張され得る、請求項7~10のいずれか一項に記載のフットウェ
アアセンブリ。
【請求項12】
フットウェアアセンブリであって:
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含み、前記内甲側面部お
よび前記外甲側面部がそれぞれ、前記トウボックス部から前記ヒール部まで近位に延びる
、フットウェアアッパーと;
前記内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第1の端部と、前記外甲側面部
の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を備える、レースケーブルと;
前記内甲側面部および前記外甲側面部に沿って分配配置された複数のレースガイドであ
って、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、前記レースケーブルの部分を受け入
れるようになっており、前記レースケーブルが、前記複数のレースガイドの各々を通って
、前記フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成
する、レースガイドと;
前記レースケーブルを、前記複数のレースガイドの内甲側部分によって形成される前記
パターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジンに
係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;
前記レースケーブルを、当該レースケーブルが前記レーシングエンジンに係合できる位
置から、前記複数のレースガイドの外甲側部分によって形成される前記パターンにルーテ
ィングする、外甲側近位レースガイドと;
前記フットウェアアッパーの第1の部分と前記複数のレースガイドの第1のレースガイ
ドとの間に延びる、第1の弾性部材と、を含む、フットウェアアセンブリ。
【請求項13】
前記フットウェアアッパーの前記第1の部分がヒール部を含み、前記第1のレースガイ
ドが前記ヒール部に近接して配置されている、請求項12に記載のフットウェアアセンブ
リ。
【請求項14】
前記フットウェアアッパーの前記第1の部分が、前記フットウェアアッパーの前記内甲
側面部または前記外甲側面部のいずれか一方を含み、前記第1のレースガイドが、前記ア
ッパーのスロートに近接して配置されている、請求項12に記載のフットウェアアセンブ
リ。
【請求項15】
前記フットウェアアッパーの第2の部分と前記複数のレースガイドの第2のレースガイ
ドとの間に延びる、第2の弾性部材をさらに含む、請求項12~14のいずれか一項に記
載のフットウェアアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の弾性部材が、前記フットウェアアッパーのフィット特性を変えるために弾性
率を変化させる、異なる弾性部材と交換可能である、請求項12~15のいずれか一項に
記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の弾性部材が、前記レースケーブルの締め付け中に、トルク対レース変位曲線
を滑らかにするように機能する、請求項12~16のいずれか一項に記載のフットウェア
アセンブリ。
【請求項18】
フットウェアアセンブリであって:
ソール構造と;
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を画定するフットウェアア
ッパーであって、前記ソール構造に連結されて足を受容する内部空間を形成し、当該内部
空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する、フットウェアアッパーと;
前記ソール構造内に配置された、レーシングエンジンと;
レーシングシステムであって:
前記フットウェアアッパーにアンカーされる内甲側および外甲側の端部、ならびに前
記レーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブルと;
前記レースケーブルを、当該内甲側および外甲側の端部と前記レーシングエンジンと
の間で前記フットウェアアッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、を
含む、レーシングシステムと;
前記ヒール部に連結されて、前記内部空間へのアクセスを容易にするように構成された
ヒールチャネルと、を含む、フットウェアアセンブリ。
【請求項19】
前記ヒールチャネルが、前記ヒール部の内甲側部分と外甲側部分とを連結する弾性部材
を含む、請求項18に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項20】
前記弾性部材が、前記フットウェアアセンブリに連結されており、前記レースケーブル
の締め付け中に、トルク対レース変位曲線を滑らかにするように機能する、請求項19に
記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項21】
前記ヒールチャネルがジッパーを含む、請求項18に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項22】
前記ヒールチャネルが、前記ヒール部の内甲側部分および外甲側部分にそれぞれ配置さ
れた面ファスナ材料のストリップを含む、請求項18に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項23】
フットウェアアセンブリであって:
ソール構造と;
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を画定するフットウェアア
ッパーであって、前記ソール構造に連結されて足を受容する内部空間を形成し、当該内部
空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する、フットウェアアッパーと;
前記ソール構造内に配置された、レーシングエンジンと;
レーシングシステムであって:
前記フットウェアアッパーにアンカーされる内甲側および外甲側の端部、ならびに前
記レーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブルと;
前記レースケーブルを、当該内甲側および外甲側の端部と前記レーシングエンジンと
の間で前記フットウェアアッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、を
含む、レーシングシステムと;
前記フットウェアアセンブリに連結されて、前記レースケーブルの締め付け中にトルク
対レース変位曲線を滑らかにするように機能する、弾性部材と、を含む、フットウェアア
センブリ。
【請求項24】
前記弾性部材は、前記レーシングエンジンが前記レースケーブルを締め付けた後に延び
るように構成されている、請求項23に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項25】
前記弾性部材の弾性率は、前記フットウェアアッパーの弾性率よりも低い、請求項23
に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項26】
前記弾性部材が、前記カラーを広げるように構成されている、請求項23~25のいず
れか一項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項27】
前記弾性部材が、前記複数のレースガイドの第1および第2のレースガイドを連結して
いる、請求項23~25のいずれか一項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項28】
前記第1および第2のレースガイドが、それぞれ前記ヒール部の内甲側部分および外甲
側部分に配置されている、請求項27に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項29】
前記第1および第2のレースガイドが、それぞれ前記フットウェアアッパーの前記内甲
側面部および前記外甲側面部に配置されている、請求項27に記載のフットウェアアセン
ブリ。
【請求項30】
前記第1および第2のレースガイドが、前記フットウェアアッパーに対して浮いている
、請求項27~29のいずれか一項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項31】
前記弾性部材が、前記複数のレースガイドの第1のレースガイドを前記シューアッパー
の第1の部分に連結している、請求項23に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項32】
前記第1のレースガイドが、前記フットウェアアッパーの前記内甲または外甲側面部の
いずれかに配置され、前記シューアッパーの前記第1の部分が、前記ヒール部に配置され
ている、請求項31に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項33】
前記第1のレースガイドおよび前記シューアッパーの前記第1の部分が、前記フットウ
ェアアッパーの前記内甲または外甲側面部のいずれかに配置され、前記シューアッパーの
前記第1の部分が前記スロートに配置されている、請求項31に記載のフットウェアアセ
ンブリ。
【請求項34】
前記第1および第2のレースガイドが、前記フットウェアアッパーに対して浮いている
、請求項32または33に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項35】
前記弾性部材が、前記シューアッパーの第1の部分と第2の部分とを連結している、請
求項23に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項36】
前記シューアッパーの前記第1の部分が前記外甲側面部を含み、前記シューアッパーの
前記第2の部分が前記内甲側面部を含み、前記弾性部材が前記ヒール部にまたがる、請求
項35に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項37】
前記シューアッパーの前記第1の部分が前記外甲側面部を含み、前記シューアッパーの
前記第2の部分が前記内甲側面部を含み、前記弾性部材が前記フットウェアアッパーのス
ロート部分にまたがる、請求項35に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項38】
前記レーシングシステムに組み込まれる複数の弾性部材をさらに含む、請求項23に記
載のフットウェアアセンブリ。
【請求項39】
フットウェアアセンブリであって:
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含み、前記内甲側面部お
よび前記外甲側面部がそれぞれ、前記トウボックス部から前記ヒール部まで近位に延びる
、フットウェアアッパーと;
前記トウボックスに近接する前記アッパーの前記内甲側面部に固定された、内甲側張力
部材と;
前記トウボックスに近接する前記アッパーの前記外甲側面部に固定された、外甲側張力
部材と;
前記内甲側張力部材に取り付けられた第1の端部と、前記外甲側張力部材に取り付けら
れた第2の端部と、を備えるレースケーブルと;
前記内甲側面部および前記外甲側面部に沿って分配配置された複数のレースガイドであ
って、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、前記レースケーブルの部分を受け入
れるようになっており、前記レースケーブルが、前記複数のレースガイドの各々を通って
、前記フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成
する、レースガイドと、を含む、フットウェアアセンブリ。
【請求項40】
前記フットウェアアッパーが、当該フットウェアアッパーの前記内甲側面部と前記外甲
側面部とを前記フットウェアアッパーのスロート領域に沿って連結する弾性部材をさらに
備える、請求項39に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項41】
前記内甲側および外甲側張力部材がそれぞれ、前記フットウェアアッパーの前記内甲お
よび外甲側面部のそれぞれに対して少なくとも部分的に浮いている、請求項39に記載の
フットウェアアセンブリ。
【請求項42】
前記内甲側および外甲側張力部材の各々が:
ロックアウトゾーンと;
ストレッチゾーンと、を含む、請求項41に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項43】
前記ロックアウトゾーンが前記レースケーブルに連結され、前記ストレッチゾーンが前
記フットウェアアッパーに連結されている、請求項42に記載のフットウェアアッパー。
【請求項44】
前記ストレッチゾーンの下端が前記フットウェアアッパーに連結されている、請求項4
3に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項45】
前記ロックアウトゾーンが前記フットウェアアッパーに対して完全に浮いている、請求
項42に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項46】
前記ロックアウトゾーンが伸び抑制コーティングを含む、請求項42に記載のフットウ
ェアアセンブリ。
【請求項47】
前記ロックアウトゾーンおよび前記ストレッチゾーンが、材料の連続シートから構成さ
れている、請求項42に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項48】
前記レースケーブルの前記第1および第2の端部が、前記ロックアウトゾーンにおいて
、前記内甲側および外甲側張力部材に縫合されている、請求項42に記載のフットウェア
アセンブリ。
【請求項49】
前記レースケーブルが:
前記フットウェアアッパーの前記内甲側面部および前記レースケーブルの前記第1の端
部に連結される第1の近位部分と;
前記フットウェアアッパーの前記外甲側面部および前記レースケーブルの前記第2の端
部に連結される第2の近位部分と;をさらに含み、
前記レースケーブルの前記第1の端部が前記内甲側張力部材に連結され、前記レースケ
ーブルの前記第2の端部が前記外甲側張力部材に連結されている、請求項39に記載のフ
ットウェアアセンブリ。
【請求項50】
前記レースケーブルの前記第1の端部および前記第2の端部が、前記フットウェアアッ
パーのスロート領域を横切っている、請求項39に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項51】
前記レースケーブルが:
前記フットウェアアッパーの前記内甲側面部および前記レースケーブルの前記第1の端
部に連結された、第1の近位部分と;
前記フットウェアアッパーの前記外甲側面部および前記レースケーブルの前記第2の端
部に連結された、第2の近位部分と;をさらに含み、
前記レースケーブルの前記第1の端部が、前記外甲側張力部材に連結され、前記レース
ケーブルの前記第2の端部が、前記内甲側張力部材に連結されている、請求項50に記載
のフットウェアアセンブリ。
【請求項52】
前記レースケーブルを、前記複数のレースガイドの内甲側部分によって形成される前記
パターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジンに
係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;
前記レースケーブルを、当該レースケーブルが前記レーシングエンジンに係合できる位
置から、前記複数のレースガイドの外甲側部分によって形成される前記パターンにルーテ
ィングする、外側近位レースガイドと、をさらに含む、請求項39に記載のフットウェア
アセンブリ。
【請求項53】
フットウェアアセンブリであって:
ソール構造と;
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を画定するフットウェアア
ッパーであって、前記ソール構造に連結されて足を受容する内部空間を形成し、当該内部
空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する、フットウェアアッパーと;
前記ソール構造内に配置された、レーシングエンジンと;
前記トウボックス部に近接する前記フットウェアアッパーの前記内甲側面部に取り付け
られた、内甲側フローティングオーバーレイと;
前記トウボックス部に近接する前記フットウェアアッパーの前記外甲側面部に取り付け
られた、外甲側フローティングオーバーレイと;
レーシングシステムであって:
前記内甲側および外甲側フローティングオーバーレイにアンカーされる内甲側および
外甲側の端部、ならびに前記レーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブ
ルと;
前記レースケーブルを、当該内甲側および外甲側の端部と前記レーシングエンジンと
の間で前記フットウェアアッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、を
含む、レーシングシステムと、を含む、フットウェアアッパー。
【請求項54】
前記レースケーブルの前記内甲側の端部が前記内甲側フローティングオーバーレイに連
結され、前記レースケーブルの前記外甲側の端部が前記外甲側フローティングオーバーレ
イに連結されている、請求項53に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項55】
前記レースケーブルの前記内甲側および外甲側の端部が、前記内甲側面部と前記外甲側
面部との間で、前記フットウェアアッパーのスロート領域を横切っている、請求項53に
記載のフットウェアアッパー。
【請求項56】
前記レースケーブルの前記内甲側の端部が前記外甲側フローティングオーバーレイに連
結され、前記レースケーブルの前記外甲側の端部が前記内甲側フローティングオーバーレ
イに連結されている、請求項55に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項57】
前記フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部を連結する弾性部材をさらに備
える、請求項53に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項58】
前記内甲側および外甲側張力部材の各々が:
ロックアウトゾーンと;
ストレッチゾーンと、を含む、請求項53に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項59】
前記ロックアウトソーンが前記レースケーブルに連結され、前記ストレッチゾーンが前
記フットウェアアッパーに連結されている、請求項58に記載のフットウェアアッパー。
【請求項60】
前記ストレッチゾーンの下端が前記フットウェアアッパーに連結されている、請求項5
9に記載のフットウェアアッパー。
【請求項61】
前記ロックアウトゾーンが前記フットウェアアッパーに対して完全に浮いている、請求
項58に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項62】
前記ロックアウトゾーンが伸び抑制コーティングを含む、請求項58に記載のフットウ
ェアアセンブリ。
【請求項63】
前記ロックアウトゾーンおよび前記ストレッチゾーンが材料の連続シートを含む、請求
項58に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項64】
前記レースケーブルの前記内甲側および外甲側の端部が、ロックアウトゾーンにおいて
、前記内甲側および外甲側張力部材にそれぞれ縫合されている、請求項58に記載のフッ
トウェアアセンブリ。
【請求項65】
フットウェアアセンブリであって:
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含むフットウェアアッパ
ーであって、前記内甲側面部および前記外甲側面部が、前記トウボックス部から前記ヒー
ル部までそれぞれ近位に延びて、フットウェアアッパーのスロート領域を形成している、
フットウェアアッパーと;
前記トウボックスに近接する前記アッパーの前記内甲側面部に固定された、内甲側張力
部材と;
前記トウボックスに近接する前記アッパーの前記外甲側面部に固定された、外甲側張力
部材と;
前記内甲側張力部材に取り付けられた第1の端部と、前記外甲側張力部材に取り付けら
れた第2の端部と、を備えるレースケーブルと;
前記内甲側面部および前記外甲側面部に沿って分配配置された複数のレースガイドと;
を含み、
前記レースケーブルは、前記内甲側張力部材に位置する前記第1の端部から、前記スロ
ート領域を横断して、前記外甲側面部に沿って1つまたは複数のレースガイドを通って延
び;
前記レースケーブルは、前記外甲側張力部材に位置する前記第2の端部から、前記スロ
ート領域を横断して、前記内甲側面部に沿って1つまたは複数のレースガイドを通って延
びる、フットウェアアセンブリ。
【請求項66】
前記フットウェアアッパーが、当該フットウェアアッパーの前記内甲側面部と前記外甲
側面部とを該フットウェアアッパーの前記スロート領域に沿って連結する弾性部材をさら
に備える、請求項65に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項67】
前記内甲側および外甲側張力部材がそれぞれ、前記フットウェアアッパーの前記内甲お
よび外甲側面部のそれぞれに対して少なくとも部分的に浮いている、請求項65に記載の
フットウェアアセンブリ。
【請求項68】
前記内甲側および外甲側張力部材の各々が:
堅固なロックアウトゾーンと;
弾性のストレッチゾーンと、を含む、請求項67に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項69】
前記ロックアウトゾーンが、前記レースケーブルに連結され、前記ストレッチゾーンが
前記フットウェアアッパーに連結されている、請求項68に記載のフットウェアアッパー
【請求項70】
前記ロックアウトゾーンおよび前記ストレッチゾーンが、材料の連続シートから構成さ
れている、請求項68に記載のフットウェアアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本特許出願は、2017年3月15日付で出願された米国特許仮出願第62/4718
50号、および2017年3月22日付で出願された米国特許仮出願第62/47510
5号の優先権の利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は、概して、フットウェアの張力調整システムに関する。より具体的には、本出
願は、フットウェアのフィット感を調整するためのアッパーおよびレーシング(ひも締め
)システムに関する。
【0003】
現在のフットウェアアッパーは、一般に寸法が固定されており、足の形状に容易に適合
させることができない。したがって、着用者は、通常、レーシングシステムでアッパーの
フィット感および張力を調整する。しかしながら、電動式のレーシングエンジンを含むフ
ットウェアでは、フットウェアの着用者は、手動式のレーシングシステムから得ることが
できる感触および触覚的なフィードバックでレーシングシステムを調整して足周りのアッ
パーを締め付けることができなくなる場合がある。そのため、特に自動化されたレーシン
グエンジンでは、アッパーおよびレーシングシステムの機能を改善して、所望の張力で足
の形状に適合させる必要がある。
【発明の概要】
【0004】
以下の明細書では、電動式または非電動式レーシングエンジン、該レーシングエンジン
に関連するフットウェアコンポーネント、自動化されたレーシングフットウェア・プラッ
トフォーム、および関連する製造プロセスを含む、レーシングシステムを含むフットウェ
アアセンブリの様々な態様を説明する。より具体的には、以下の明細書の大部分では、集
中型のレース(ひも)締め用の電動式または非電動式レーシングエンジンを含むフットウ
ェアで使用する、レーシング構造(構成)の様々な態様を説明する。加えて、以下の明細
書では、レーシング構造のアッパーなど、フットウェアアセンブリに組み込むことができ
る様々なテンショナ(張力調整装置)について説明する。
【0005】
フットウェアアセンブリは:トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール
部を含み、内甲側面部および外甲側面部がそれぞれ、トウボックス部からヒール部まで近
位に延びる、フットウェアアッパーと;内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされ
た第1の端部と、外甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を備
える、レースケーブルと;内甲側面部および外甲側面部に沿って分配配置された複数のレ
ースガイドであって、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、レースケーブルの部
分を受け入れるようになっており、レースケーブルが、複数のレースガイドの各々を通っ
て、フットウェアアッパーの内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成する、
レースガイドと;レースケーブルを、複数のレースガイドの内甲側部分によって形成され
るパターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジン
に係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;レースケーブルを、
当該レースケーブルがレーシングエンジンに係合できる位置から、複数のレースガイドの
外甲側部分によって形成されるパターンにルーティングする、外甲側近位レースガイドと
;複数のレースガイドの第1および第2のレースガイド間に延びる、第1の弾性部材と、
を含む。
【0006】
フットウェアアセンブリは:トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール
部を含み、内甲側面部および外甲側面部がそれぞれ、トウボックス部からヒール部まで近
位に延びる、フットウェアアッパーと;内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされ
た第1の端部と、外甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を備
える、レースケーブルと;内甲側面部および外甲側面部に沿って分配配置された複数のレ
ースガイドであって、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、レースケーブルの部
分を受け入れるようになっており、レースケーブルが、複数のレースガイドの各々を通っ
て、フットウェアアッパーの内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成する、
レースガイドと;レースケーブルを、複数のレースガイドの内甲側部分によって形成され
るパターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジン
に係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;レースケーブルを、
当該レースケーブルがレーシングエンジンに係合できる位置から、複数のレースガイドの
外甲側部分によって形成されるパターンにルーティングする、外甲側近位レースガイドと
;フットウェアアッパーの第1および第2の部分間に延びる、第1の弾性部材と、を含む
【0007】
フットウェアアセンブリは:トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール
部を含み、内甲側面部および外甲側面部がそれぞれ、トウボックス部からヒール部まで近
位に延びる、フットウェアアッパーと;内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされ
た第1の端部と、外甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を備
える、レースケーブルと;内甲側面部および外甲側面部に沿って分配配置された複数のレ
ースガイドであって、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、レースケーブルの部
分を受け入れるようになっており、レースケーブルが、複数のレースガイドの各々を通っ
て、フットウェアアッパーの内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成する、
レースガイドと;レースケーブルを、複数のレースガイドの内甲側部分によって形成され
るパターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジン
に係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;レースケーブルを、
当該レースケーブルがレーシングエンジンに係合できる位置から、複数のレースガイドの
外甲側部分によって形成されるパターンにルーティングする、外甲側近位レースガイドと
;フットウェアアッパーの第1の部分と複数のレースガイドの第1のレースガイドとの間
に延びる、第1の弾性部材と、を含む。
【0008】
フットウェアアセンブリは:ソール構造と;トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部
、およびヒール部を画定するフットウェアアッパーであって、ソール構造に連結されて足
を受容する内部空間を形成し、当該内部空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する
、フットウェアアッパーと;ソール構造内に配置された、レーシングエンジンと;レーシ
ングシステムであって:フットウェアアッパーにアンカーされる内甲側および外甲側の端
部、ならびにレーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブルと;レースケ
ーブルを、当該内甲側および外甲側の端部とレーシングエンジンとの間でフットウェアア
ッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、を含む、レーシングシステム
と;ヒール部に連結されて、内部空間へのアクセスを容易にするように構成されたヒール
チャネルと、を含む。
【0009】
フットウェアアセンブリは:ソール構造と;トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部
、およびヒール部を画定するフットウェアアッパーであって、ソール構造に連結されて足
を受容する内部空間を形成し、当該内部空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する
、フットウェアアッパーと;ソール構造内に配置された、レーシングエンジンと;レーシ
ングシステムであって:フットウェアアッパーにアンカーされる内甲側および外甲側の端
部、ならびにレーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブルと;レースケ
ーブルを、当該内甲側および外甲側の端部とレーシングエンジンとの間でフットウェアア
ッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、を含む、レーシングシステム
と;フットウェアアセンブリに連結されて、レースケーブルの締め付け中にトルク対レー
ス変位曲線を滑らかにするように機能する、弾性部材と、を含む。
【0010】
フットウェアアセンブリは:トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール
部を含み、内甲側面部および外甲側面部がそれぞれ、トウボックス部からヒール部まで近
位に延びる、フットウェアアッパーと;トウボックスに近接するアッパーの内甲側面部に
固定された、内甲側張力部材と;トウボックスに近接するアッパーの外甲側面部に固定さ
れた、外甲側張力部材と;内甲側張力部材に取り付けられた第1の端部と、外甲側張力部
材に取り付けられた第2の端部と、を備えるレースケーブルと;内甲側面部および外甲側
面部に沿って分配配置された複数のレースガイドであって、当該複数のレースガイドの各
レースガイドが、レースケーブルの部分を受け入れるようになっており、レースケーブル
が、複数のレースガイドの各々を通って、フットウェアアッパーの内甲および外甲側面部
の各々に沿ってパターンを形成する、レースガイドと、を含む。
【0011】
フットウェアアセンブリは:ソール構造と;トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部
、およびヒール部を画定するフットウェアアッパーであって、ソール構造に連結されて足
を受容する内部空間を形成し、当該内部空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する
、フットウェアアッパーと;ソール構造内に配置された、レーシングエンジンと;トウボ
ックス部に近接するフットウェアアッパーの内甲側面部に取り付けられた、内甲側フロー
ティングオーバーレイと;トウボックス部に近接するフットウェアアッパーの外甲側面部
に取り付けられた、外甲側フローティングオーバーレイと;レーシングシステムであって
:内甲側および外甲側フローティングオーバーレイにアンカーされる内甲側および外甲側
の端部、ならびにレーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブルと;レー
スケーブルを、当該内甲側および外甲側の端部とレーシングエンジンとの間でフットウェ
アアッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、を含む、レーシングシス
テムと、を含む。
【0012】
フットウェアアセンブリは:トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール
部を含むフットウェアアッパーであって、内甲側面部および外甲側面部が、トウボックス
部からヒール部までそれぞれ近位に延びて、フットウェアアッパーのスロート領域を形成
している、フットウェアアッパーと;トウボックスに近接するアッパーの内甲側面部に固
定された、内甲側張力部材と;トウボックスに近接するアッパーの外甲側面部に固定され
た、外甲側張力部材と;内甲側張力部材に取り付けられた第1の端部と、外甲側張力部材
に取り付けられた第2の端部と、を備えるレースケーブルと;内甲側面部および外甲側面
部に沿って分配配置された複数のレースガイドと;を含み、レースケーブルは、内甲側張
力部材に位置する第1の端部から、スロート領域を横断して、外甲側面部に沿って1つま
たは複数のレースガイドを通って延び;レースケーブルは、外甲側張力部材に位置する第
2の端部から、スロート領域を横断して、内甲側面部に沿って1つまたは複数のレースガ
イドを通って延びる。
【0013】
図面は、必ずしも縮尺通りではなく、同様の符号は、異なる図で同様のコンポーネント
を説明している場合がある。異なる接尾辞を有する同様の符号は、同様のコンポーネント
の異なる例を表している場合がある。図面は、本明細書で説明されている様々な実施形態
を、限定的するものではなく、例として一般的に示している、
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングシステムを備えたフットウェアアセンブリの一部のコンポーネントを示す分解図である。
図2】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を示す上面図である。
図3A】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、平坦化されたフットウェアアッパーを示す上面図である。
図3B】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、平坦化されたフットウェアアッパーを示す上面図である。
図3C】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、平坦化されたフットウェアアッパーを示す上面図である。
図4A】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンと、フットウェアアッパーのヒールおよびタンアクセス調整コンポーネントと、を含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、フットウェアアッパーの一部を示す図である。
図4B】レーシング構造に連結されたヒール弾性部材およびタン弾性部材を含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、フットウェアアッパーの一部を示す図である。
図5】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、フットウェアアッパーの一部を示す図である。
図6】いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、フットウェアアッパーの一部を示す図である。
図7図7Aは、いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、フットウェアアッパーの一部を示す図である。図7Bは、いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造を備えた、フットウェアアッパーの一部を示す図である。図7Cは、いくつかの例示的な実施形態による、フットウェアアセンブリで使用する変形可能なレースガイドを示す図である。図7Dは、いくつかの例示的な実施形態による、フットウェアアセンブリで使用する変形可能なレースガイドを示す図である。図7Eは、いくつかの例示的な実施形態による、変形可能なレースガイドの、様々なトルク対レース変位曲線を示すグラフである。
図8図8Aは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用するレースガイドを示す図である。図8Bは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用するレースガイドを示す図である。図8Cは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用するレースガイドを示す図である。図8Dは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用するレースガイドを示す図である。図8Eは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用するレースガイドを示す図である。図8Fは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用するレースガイドを示す図である。図8Gは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用するレースガイドを示す図である。
図9】いくつかの例示的な実施形態による、レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリの、フットウェア組み立てプロセスを示すフローチャートである。
図10】いくつかの例示的な実施形態による、レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリの、フットウェア組み立てプロセスを示すフローチャートである。
図11】アッパーの内甲および外甲側のパネルを連結する弾性ストリップを示す、部分的に切り取られたフットウェアアッパーの正面図である。
図12】アッパーの内甲側および外甲側のレースケーブルの部分を連結するヒールストラップセンブリを示す、図11のフットウェアアッパーの背面図である。
図13】弾性ストリップに沿ってフットウェアアッパーに連結されたレースガイドを示す、部分的に切り取られた、図11のフットウェアアッパーの側面図である。
図14】弾性ストリップとは別に、フットウェアアッパーに連結されたレースガイドを示すために曲げられた、図13のフットウェアアッパーを示す図である。
図15A】ヒールストラップアセンブリのプリテンションストラップによって電動式レーシングエンジンから引き抜かれた緩んだレースケーブルを示す、図12のフットウェアアッパーを示す図である。
図15B】電動式レーシングエンジンに締め付けられたレースケーブルと、フットウェアアッパーのヒール部の周りに締められたヒールストラップアセンブリのヒールストラップと、を示す、図15Aのフットウェアアッパーを示す図である。
図16】内甲側および外甲側のレースケーブル張力ストラップを示す、フットウェアアッパーの別の実施形態を示す図である。
図17】いくつかの例示的な実施形態による、本明細書に記載される様々な弾性部材を含む靴のアッパーの、様々な力対レース変位曲線を示すグラフである。
図18】クロスオーバー構成のレースに連結された張力ストラップを含むレーシング構造を示すために平坦にレイアウトされた、図16のフットウェアアッパーを示す図である。
図19】ロックアウト領域とストレッチ領域とを示す、図18の張力ストラップを示す図である。
図20】非クロスオーバー構成のレースに連結された張力ストラップを含むレーシング構造を含む、フットウェアアッパーの別の実施形態を示す図である。
図21】いくつかの例示的な実施形態による、電動式または非電動式レーシングエンジンを含むフットウェアアセンブリで使用する、2ゾーンのレーシング構造を示す上面図である。
図22】いくつかの例示的な実施形態による、アッパーおよび図21の2ゾーンのレーシング構造が組み込まれたフットウェア物品の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で提供される見出しは、単に便宜上のものであり、使用される用語の範囲もし
くは意味、または見出しの下での議論に必ずしも影響を与えるものではない。
【0016】
自動で締まるシューレース(靴ひも)のコンセプトは、最初に、1989年公開の映画
「バック・トゥ・ザ・フューチャ(登録商標)II」で、マーティ・マクフライが着用し
ていた架空のパワー・レース付きのNike(登録商標)スニーカーによって広く知れわ
たった。Nike(登録商標)は、バック・トゥ・ザ・フューチャ(登録商標)IIの映
画の小道具バージョンと外観が似ている、少なくとも1つのバージョンのパワー・レース
付きスニーカーを発売したが、内部の機械システムおよび周囲のフットウェアプラットフ
ォームは、必ずしも大量生産や日常的な使用に適しているわけではない。加えて、電動式
レーシングシステムの、他の以前の設計は、製造のコスト高、複雑さ、アセンブリの課題
、および保守性の低さなどの問題を多少とも抱えていた。本発明者らは、とりわけ上記の
問題のいくつかまたはすべてを解決する、電動式および非電動式レーシングエンジンに対
応するモジュール式フットウェアプラットフォームを開発した。以下で簡単に説明する、
同時係属中の「LACING APPARATUS FOR AUTOMATED FOORWEAR PLATFORM」と題する米国特許
出願第62/308686号でより詳細に説明される、モジュール式のレーシングエンジ
ンを完全に利用するために、本発明者らは、本明細書で説明するレーシング構造を開発し
た。本明細書で説明するレーシング構造は、不均一な締め付け、フィット感、快適性、お
よび性能など、集中型のレース締め機構で発生する様々な問題を解決することができる。
このレーシング構造は、レースのより長い延在距離にわたってレースの張力を滑らかにす
ること、およびフィット性能を維持しながら快適性を向上させることを含む様々な利点を
提供する。快適性を向上させることの一態様には、足の甲にわたる圧力を低減することが
含まれる。また、例示的なレーシング構造は、レースの張力を、内甲側-外甲側方向なら
びに前-後(前から後ろ)方向の両方に操作することにより、フィット感および性能を向
上させることができる。以下に説明するコンポーネントの様々な他の利点が、当技術分野
の当業者に明らかになるであろう。
【0017】
説明するレーシング構造は、フットウェアアセンブリのミッドソール部に配置された、
モジュール式レーシングエンジンとのインタフェースのために特別に開発されたものであ
る。しかしながら、このコンセプトは、フットウェアプラットフォームのヒール部または
トウ部などの、フットウェア周りの様々な位置に配置された電動式および手動式レーシン
グ機構に適用することもできる。説明するレーシング構造では、レースガイドを使用して
いる。レースガイドは、管状プラスチック、金属クリップ、ファブリックループまたはチ
ャネル、プラスチッククリップ、および開口型U字形チャネルなど、様々な形状および材
料で形成することができる。いくつかの例では、様々なタイプのレースガイドを組み合わ
せて、レーシング構造内で特定のレースルーティング機能を実行することができる。
【0018】
以下に説明する電動式レーシングエンジンは、堅牢で、保守可能で、交換可能な、自動
化されたレーシングフットウェアプラットフォームのコンポーネントを提供するために、
ゼロから開発された。レーシングエンジンは、モジュール式フットウェアプラットフォー
ムへの、小売りレベルの最終組み立てを可能にする、ユニークな設計要素を含む。このレ
ーシングエンジンの設計により、フットウェアの組み立てプロセスの大部分で既知の組み
立て技術を活用でき、標準的な組み立てプロセスへの独自の適応により、現在のアセンブ
リリソースを活用することができる。
【0019】
一例において、モジュール式の自動化されたレーシングフットウェアプラットフォーム
は、レーシングエンジンを受容するために、ミッドソールに固定されたミッドソールプレ
ートを含む。ミッドソールプレートの設計では、購入時点で、レーシングエンジンをフッ
トウェアプラットフォームに落とし込むことができる。ミッドソールプレート、およびモ
ジュール式の自動化されたフットウェアプラットフォームの他の態様により、様々な種類
のレーシングエンジンを互換的に使用することができる。例えば、以下に説明する電動式
レーシングエンジンは、人力によるレーシングエンジンに交換することができる。あるい
は、足の存在を感知する機能または他の任意の機能を備える、完全に自動化された電動式
レーシングエンジンを、標準のミッドソールプレート内に収容することができる。
【0020】
電動式または非電動式の集中型レーシングエンジンを利用して運動靴の締め付けを行う
ことにおいては、ある程度の快適さを犠牲にすることなく十分な性能を提供するうえでい
くつかの課題がある。本明細書で説明するレーシング構造は、集中型レーシングエンジン
で使用するために特別に設計されており、カジュアルなものから高性能なものまで様々な
フットウェア設計を可能にするように設計されている。
【0021】
この最初の概要は、本特許出願の主題を紹介することを意図している。これは、以下の
より詳細な説明に開示される様々な発明の排他的または網羅的な説明を提供することを意
図していない。
【0022】
[自動化されたフットウェアプラットフォーム]
以下に、自動化されたフットウェアプラットフォームの様々なコンポーネントについて
説明する。このプラットフォームは、電動式レーシングエンジン、ミッドソールプレート
、およびプラットフォームの様々な他のコンポーネントを含む。本開示の大半は、電動式
レーシングエンジンで使用するレーシング構造に焦点を当てているが、説明する設計は、
人力によるレーシングエンジン、または追加のもしくはより少ない機能を有する他の電動
式レーシングエンジンに適用することができる。したがって、「自動化されたフットウェ
アプラットフォーム」で使用される「自動化された」という用語は、ユーザ入力なしに動
作するシステムのみを対象とするものではない。むしろ、「自動化されたフットウェアプ
ラットフォーム」には、フットウェアのレースまたは保持システムを締めるための、電動
および人力により、自動的に起動し、また人間により起動される、様々な機構が含まれる
【0023】
図1は、いくつかの例示的な実施形態による、フットウェア用の電動式レーシングシス
テムのコンポーネントを示す分解図である。図1に示される電動式レーシングシステム1
は、レーシングエンジン10、蓋20、アクチュエータ30、ミッドソールプレート40
、ミッドソール50、およびアウトソール60を含む。図1は、自動化されたレーシング
フットウェアプラットフォームのコンポーネントの基本的な組み立て順序を図示している
。電動式レーシングシステム1は、ミッドソールプレート40をミッドソール内に固定す
ることから始まる。次に、アクチュエータ30を、アウトソール60に埋め込まれ得るイ
ンタフェースボタンとは反対側の、ミッドソールプレートの側面の開口部に挿入する。次
に、レーシングエンジン10を、ミッドソールプレート40内に落とし込む。一例では、
レーシングシステム1をレースケーブルの連続ループの下に挿入し、レースケーブルを、
レーシングエンジン10内のスプール(以下で説明する)に合わせる。最後に、蓋20を
、ミッドソールプレート40の溝に挿入し、閉位置に固定し、ミッドソールプレート40
の凹部にラッチ係合する。蓋20は、レーシングエンジン10を捕捉することができ、ま
た、動作中におけるレースケーブルの位置合わせの維持を支援することができる。
【0024】
一例において、フットウェア物品または電動式レーシングシステム1は、足の存在特性
を監視または測定することができる1つまたは複数のセンサを含むか、あるいは該センサ
とインタフェースするように構成されている。1つまたは複数の足存在センサからの情報
に基づいて、電動式レーシングシステム1を含むフットウェアは、様々な機能を実行する
ように構成され得る。例えば、足存在センサは、フットウェア内に足が存在するか否かに
関するバイナリ情報を提供するように構成され得る。足存在センサからのバイナリ信号が
足の存在を示している場合に、電動式レーシングシステム1を起動して、フットウェアの
レースケーブルを自動的に締めるか、あるいは弛緩させる(すなわち、緩める)ことがで
きる。一例において、フットウェア物品は、足存在センサからの信号を受信または解釈で
きるプロセッサ回路を含む。このプロセッサ回路は、任意に、レーシングエンジン10の
中に、あるいはレーシングエンジン10とともに、フットウェア物品のソールの中などに
埋め込まれ得る。
【0025】
[レーシング構造]
図2は、いくつかの例示的な実施形態による、一例のレーシング構成を示す、アッパー
200の上面図である。この例では、アッパー205は、レース(靴ひも)210および
レーシングエンジン10に加えて、外甲側レース固定部215、内甲側レース固定部21
6、外甲側レースガイド222、内甲側レースガイド220、およびブリオケーブル22
5を含む。図2に示す例は、重複しない内甲側および外甲側のレーシングパスを含む斜め
のレーシングパターンを備える、連続したニット生地のアッパー205を含む。レーシン
グパスは、外甲側レース固定部215で始まり、外甲側レースガイド222を通り、レー
シングエンジン10を通り、内甲側レースガイド220を通って内甲側レース固定部21
6に戻るように作製されている。この例では、レース210は、外甲側レース固定部21
5から内甲側レース固定部216まで連続ループを形成している。この例では、内甲側か
ら外甲側への締め付けは、ブリオケーブル225を介して伝達される。別の例では、アッ
パー205全体の内甲側-外甲側方向に締め付け力を伝達するために、レーシングパスは
、交差しているか、あるいは追加の機能が組み込まれていてもよい。さらに、この連続レ
ースループのコンセプトは、中央の(中間の)隙間と、該中央の隙間を前後に交差するレ
ース210と、を備える、より伝統的なアッパーに組み込むことができる。
【0026】
図3A~3Cは、いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含
むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造300を備えた、フットウェアアッ
パー305を示す上面図である。例示的なフットウェアアッパーを説明する目的で、アッ
パー305は、フットウェアアセンブリの右足バージョンへの組み込み用に設計されてい
るものと想定されている。図3Aは、図示のレーシング構造300を備える、平坦化され
たフットウェアアッパー305の上面図である。この例では、フットウェアアッパー30
5は、一連のレースガイド320A~320J(まとめて、レースガイド320という)
と、該レースガイド320を通って延びるレースケーブル310と、を含む。レースケー
ブル310は、この例では、外甲側レース固定部345Aおよび内甲側レース固定部34
5Bにおいて、アッパー305の各側で終端するループを形成している。ループの中央部
は、フットウェアアセンブリのミッドソール内のレーシングエンジンに通された状態であ
る。アッパー305は、一連のレースガイド320の各々に関連付けられた補強材も含む
。補強材は、個々のレースガイドを覆うか、あるいは複数のレースガイドにまたがること
ができる。この例では、補強材は、中央補強材325、第1の外甲側補強材335A、第
1の内甲側補強材335B、第2の外甲側補強材330A、第2の内甲側補強材330B
を含む。レースケーブル310の中央部分は、外甲側後部レースガイド315Aおよび内
甲側後部レースガイド315Bを介して、レーシングエンジンにおよび/またはレーシン
グエンジンからルーティングされ、外甲側レース出口340Aおよび内甲側レース出口3
40Bを通ってアッパー300に出入りする。
【0027】
アッパー305は、フォアフット(トウ:つま先)部307、ミッドフット部308、
およびヒール部309などの、異なる部分を含み得る。フォアフット部307は、中足骨
と足の指節骨とを接続する関節に対応している。ミッドフット点308は、足の土踏まず
領域に対応し得る。ヒール部309は、足の後部または踵部分に対応し得る。内甲側およ
び外甲側のヒール部309は、ヒール部材350を介して連結することができ、ヒール部
材350は、内甲側ストリップ352および外甲側ストリップ354を含み得る。アッパ
ー305のミッドフット部の内甲側および外甲側は、中央部分306を含むことができる
。いくつかの一般的なフットウェア設計では、中央部分306は、フットウェアアッパー
の足周りのフィット感を調整できるようにする、レースの交差(または同様の)パターン
がまたがる開口部を含むことができる。中央部分306は、フットウェアアセンブリから
の足の出入りを容易にもする開口部を含む。
【0028】
レースガイド320は、レースケーブル310を保持するための管状またはチャネル状
の構造であり、アッパー305の外甲側および内甲側の各々に沿ったパターンを通してレ
ースケーブル310をルーティングする。この例では、レースガイド320は、アッパー
305の内甲側および外甲側に沿って上下に循環する、本質的に正弦波状に配置されたU
字形のプラスチックチューブである。レースケーブル310が完了するサイクル数は、靴
のサイズに応じて異なり得る。小さいサイズのフットウェアアセンブリは、1.5サイク
ルしか収容できない場合がある。例示的なアッパー305は、内甲側後部レースガイド3
15Bまたは外甲側後部レースガイド315Aに入る前に、2.5サイクルを収容してい
る。少なくともこの例では、U字形のガイドが真の正弦波の山または谷よりも広いプロフ
ァイルを有しているため、このパターンは本質的に正弦波として説明される。別の例では
、真の正弦波パターンにより近いパターンを利用することができる(慎重に湾曲させたレ
ースガイドを広範囲に使用することなしには、真の正弦波は、レースガイド間に張られた
レースでは容易には達成されない)。レースガイド320の形状を変更して、異なるトル
ク対レース変位曲線を生成することができる。トルクは、靴のミッドソールにあるレーシ
ングエンジンで測定される。曲率半径がより小さいレースガイドを使用したり、波パター
ンを高周波化したりする(例えば、より多くのレースガイドを伴うより多数のサイクルと
する)と、トルク対レース変位曲線が変化し得る。例えば、曲率半径がより小さいレース
ガイドでは、レースケーブルの摩擦が大きくなり、初期トルクが大きくなる可能性があり
、これによってトルク対レース変位曲線でトルクが滑らかに見える場合がある。しかしな
がら、特定の実装では、レースガイドの配置パターンまたはレースガイドの設計を利用し
てトルク対レース変位曲線の平滑化を支援しながら、(例えば、レースガイド内の摩擦を
低く保つことによって)初期トルクレベルを低く維持することがより望ましい場合がある
。そのようなレースガイド設計は、図7Aおよび7Bを参照して説明されており、別の代
替的なレースガイド設計は、図8Aおよび8Gを参照して説明されている。これらの図面
を参照して説明されるレースガイドに加えて、レースガイドは、プラスチック、ポリマー
、金属、またはファブリックから製作され得る。例えば、ファブリックの層を使用して、
レースケーブルを所望のパターンでルーティングするための成形チャネルを作製すること
ができる。後述するように、プラスチック製または金属製のガイドおよびファブリックオ
ーバーレイの組み合わせを使用して、説明されるレーシング構造で使用するガイドコンポ
ーネントを生成することができる。
【0029】
図3Aに戻って、補強材325、335、および330は、レースガイド320などの
様々なレースガイドに関連付けられて示されている。一例では、補強材335は、レース
ガイド320G、320Hの上に接着させることができる熱活性化接着剤を含侵させたフ
ァブリックを含むことができ、このプロセスは、ホットメルトとよばれることもある。補
強材325などの補強材は、いくつかのレースガイドを覆うことができ、この例では、中
央部分306などのフットウェアの中央部分に隣接して配置された6つの上部のレースガ
イドを覆っている。別の例では、補強材325は、中央部分306の中央で分割されてお
り、中央部分306の外甲側に沿うレースガイドとは別に中央部分306の内甲側に沿っ
てレースガイドを覆う、2つのピースを形成することが可能である。さらに別の代替的な
例では、補強材325は、個々のレースガイドを覆う6つの個別の補強材に分割すること
ができる。補強材の使用を変更して、レースガイドと、その下にあるフットウェアアッパ
ー(アッパー305など)と、の間の相互作業のダイナミクスを変更することができる。
補強材もまた、縫製、接着剤、または機構の組み合わせを含む様々な別の方法で、アッパ
ー305に接着することが可能である。補強材の接着方法は、補強材に使用されるファブ
リックまたは材料の種類と併せて、レースガイドを通るレースケーブルが受ける摩擦に影
響を与える得る。例えば、そうでなければ可撓性のレースガイド上でホットメルトされた
より高剛性の材料は、レースケーブルが受ける摩擦を増加させ得る。対照的に、レースガ
イド上に接着された可撓性材料は、レースガイドの柔軟性をさらに維持することによって
摩擦を減らすことができる。補強材325は、フットウェアアッパーのスロート領域を覆
う弾性メッシュを含むことも可能である。
【0030】
上述したように、図3Aは、内甲側および外甲側アッパーのレースガイド(320A、
320B、320E、320F、320I、および320J)にまたがる単一部材である
、中央補強材325を示している。補強材325が、その下にあるフットウェアアッパー
(この例では、アッパー305)よりも剛性が高く柔軟性が低いと想定すると、結果とし
て得られるフットウェアアセンブリの中央部分306は、許容性の低いフィット特性を示
すであろう。いくつかの用途では、より剛性が高く、許容性の低い中央部306が望まし
い場合がある。しかしながら、中央部305全体の柔軟性を高める必要がある用途では、
中央補強材325は、2つまたは3つ以上の補強材に分割され得る。ある用途では、分割
された中央補強材は、様々な可撓性材料または弾性材料を使用して中央部分306にわた
って結合され、中央部分306によりフィットする形状を可能にすることができる。別の
例では、中央補強材325それ自体が弾性であり得る。いくつかの例では、アッパー30
5は、中央部分306の長さにわたって延びる小さな隙間を有することができ、1つまた
は複数の弾性部材が当該隙間にまたがって複数の中央補強材を連結している。これは、例
えば、レースガイド410および弾性部材440を備える、図4Aに少なくとも部分的に
示されている。
【0031】
ヒール部材350は、フットウェアアッパー305へのアクセスを調整するために、加
えて、あるいは代替的に、フットウェアアッパー305の効果的なばね剛性を調整するた
めに使用することができるデバイスまたはコンポーネントを含み得る。一例では、内甲側
ストリップ352および外甲側ストリップ354は、内甲側および外甲側のヒール部30
9にそれぞれ縫い付けられるか、そうでなければ取り付けられた、互いに縫合される弾性
ストリップを含むことができる。別の実施形態では、1つの弾性ストリップだけが内甲側
および外甲側のヒール部309に連結されている。このように、ストリップ352および
354は、フットウェアアッパー305のヒール部にある程度の伸縮性を与えることがで
きる。以下に説明するように、この効果を利用して、アッパー305に様々な快適性およ
び性能面を提供することができる。例えば、弾性は、フットウェア物品の使用中に、ヒー
ル部309が着用者の踵と係合したままである状態を支援することができる。ストリップ
352および354には、ゴムひも、スパンデックス、ゴムなどが含まれ得る。
【0032】
別の実施形態では、内甲側ストリップ352および外甲側ストリップ354は、フット
ウェア物品のユーザがフットウェアアッパー305を選択的に開閉できるように、開放可
能に係合されたコンポーネントを含むことができる。例えば、ストリップ352および3
54は、面ファスナ材料の対向するコンポーネント、またはジッパー構造の対向するコン
ポーネントを含むことができる。そのような実施形態では、ヒール部材350により、レ
ースケーブル310の状態に関係なく、フットウェアアッパー305内に足が出入りでき
るようになっている。より具体的には、ヒール部材350は、レーシングエンジンがレー
スケーブル310をソール構造内に引き込んで、該レースケーブル310をフットウェの
アッパー305に締め付けたとしても、フットウェアアッパー305から足を引き抜ける
ようにすることができる。
【0033】
図3Bは、図示のレーシング構造300を備える、平坦化されたフットウェアアッパー
305の別の上面図である。この例では、フットウェアアッパー305は、レースガイド
320と、変更が加えられた補強材325、330、および335と、を含む、同様のレ
ースガイドパターンを含んでいる。上記のように、補強材の構成への変更は、少なくとも
僅かに異なるフィット特性をもたらし、また、トルク対レース変位曲線も変化させる場合
がある。
【0034】
図3Cは、例示的な実施形態による、平坦化されたフットウェアアッパー上に示された
一連のレーシング構造の例である。レース構造300Aは、個々のレースガイドを覆う個
別の補強材を備える、図3Aを参照して説明した正弦波パターンに類似したレースガイド
パターンを示している。レース構造300Bは、同じく波形状のレーシングパターンであ
り、パラシュートレーシングともよばれ、中央部分にまたがる上部レースガイドのペアお
よび個々の下部レースガイドを覆う細長の補強材を備えるパターンを示している。レース
構造300Cは、単一の中央補強材を備える、さらに別の波形状のレーシングパターンで
ある。レース構造300Dは、個々のレースガイドにフィットするように切断された個々
の補強材を備える、三角形状のレースパターンを導入している。レース構造300Eは、
三角形状のレースパターンにおける補強材構成のバリエーションを示している。最後に、
レース構造300Fは、中央補強材および強化された下部補強材を含む、補強材構成の別
のバリエーションを示している。
【0035】
図4Aは、いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフッ
トウェアアセンブリで使用するレーシング構造400を備えた、フットウェアアッパー4
05の一部を示す図である。この例では、アッパー405の内甲側面部が、レースケーブ
ル430を、内甲側出口ガイド415を通ってルーティングするレースガイド410とと
もに示されている。レースガイド410は、補強材420内にカプセル封入されてレース
ガイドコンポーネント415を形成しており、レースガイドコンポーネントの少なくとも
一部は、アッパー405上に再配置することができる。一例では、レースガイドコンポー
ネント415は、面ファスナ材料で裏打ちされており、アッパー405には、面ファスナ
材料の受容表面が設けられている。この例では、レースガイドコンポーネント415は、
フック部分で裏打ちすることができ、アッパー405には、レースガイドコンポーネント
415を受けるためのニットループ表面が設けられている。別の例では、レースガイドコ
ンポーネント415は、トラック445などのトラックと係合するように統合されたトラ
ックインタフェースを有し得る。トラックベースの統合により、レースガイドコンポーネ
ント415に、安全で、移動量が制限された、ムーブメントオプションを提供することが
できる。例えば、トラック445は、中央部450の縦軸に本質的に垂直に延びており、
レースガイドコンポーネント415を該トラックの長さに沿って配置することを可能にす
る。いくつかの例では、トラック445は、外甲側から内甲側にわたってまたがり、レー
スガイドコンポーネントを中央部450の両側で保持することができる。同様のトラック
を適切な場所に配置して、レースガイドコンポーネント415のすべてを保持することが
でき、フットウェアアッパー405上のすべてのレースガイドの制限方向を調整すること
が可能になる。
【0036】
フットウェアアッパー405は、弾性部材440などの中央弾性部材を含む、別の例示
的なレーシング構造を示している。これらの例では、内甲側および外甲側に沿う少なくと
も上部のレースガイドコンポーネントは、異なるフットウェア設計が異なるレベルのフィ
ット感および性能を達成することを可能にする弾性部材を用いて、中央部450を横断し
て連結され得る。例えば、広範囲な横方向の動きにわたって足を固定する必要がある高性
能のバスケットボールシューズでは、ぴったりとしたフィット感を確保するために、弾性
率の高い弾性部材を使用することができる。別の例では、ランニングシューズでは、弾性
率の低い弾性部材を使用することができる。これは、ランニングシューズは、横方向の動
きを高いレベルで封じ込めることではなく、長距離のロードランニングでの快適さに焦点
を当てるように設計され得るためである。ある例では、弾性部材440は、交換可能であ
るか、弾性レベルの調整を可能にする機構を含むものとすることができる。先に説明した
ように、いくつかの例では、アッパー405などのフットウェアアッパーは、その内甲側
を外甲側から少なくとも部分的に分離する、中央部450に沿って延びる隙間を含むこと
ができる。中央部450に沿って小さな隙間があっても、弾性部材440などの弾性部材
を使用して隙間を補うことができる。
【0037】
図4Aは、単一のトラック445または単一の弾性部材440を示しているが、これら
の要素は、特定のレーシング構造におけるレースガイドの一部またはすべてに複製するこ
とができる。例えば、各レースガイドコンポーネント415は、一般に、中央部450を
横断して内甲側-外甲側方向に延びる、それ自体のトラック445に取り付けられ得る。
各レースガイドコンポーネント415の位置は、フットウェアアッパー405内の足の存
在と相関させることができる。例えば、ソール構造内にある接触スイッチなどの存在セン
サがフットウェアアッパー405内で足の重量を検出すると、レースガイドコンポーネン
ト415は、レースケーブルを中央部450の近くに引き寄せて、該レースケーブル43
0のたるみを取り、フットウェアアッパー405を足の上で締める。しかしながら、存在
センサがフットウェアアッパー405内で足の重量を検出しない場合、レースガイドコン
ポーネント415は、中央部450から引き離され、レースケーブル430を弛ませるこ
とによって、フットウェアアッパー405内に足を入れやすくすることができる。そのよ
うな実施形態では、レースケーブルの駆動機構を追加で使用して、レースガイドコンポー
ネント415をトラック445上で移動させることができる。別の実施形態では、1つま
たは複数の追加の駆動機構(例えば、モータ)を、フットウェア物品に組み込むことがで
きる。さらに、そのような実施形態では、中央補強材325を中央部に加えて弾性ゾーン
を提供し、さらに、あるいは代替的に、ジッパー(例えば、ジッパー465)などのフッ
トウェアアッパー405への開口部を設けることができる。
【0038】
図4Bは、ヒールリッジ650にまたがるヒールストラップ480と、レースガイド4
15に位置する複数の弾性部材440と、をさらに示している。ヒールストラップ480
および弾性部材440を使用して、フットウェアアッパー405の有効なばね剛性を調整
することができる。先に説明したように、ヒールストラップ480および弾性部材440
などの様々なストリップにより付与される弾性は、フットウェアアッパー405にある程
度の伸縮性をもたらすことができ、これによってアッパー405の様々な快適性および性
能面が調整され得る。例では、ヒールストラップ480は、ヒールリッジ650の内甲側
および外甲側で、ヒールレーシングコンポーネントガイド615に直接的に連結され得る
。あるいは、ヒールストラップ480は、一方端でレーシングコンポーネントガイド61
5に連結され、ヒールリッジ650でフットウェアアッパー605に縫い付けられ得る。
そのような実施形態では、フットウェアアッパー605の内甲側または外甲側に単一のヒ
ールストラップ480を使用することができ、あるいはフットウェアアッパー605の内
甲側および外甲側の各々にヒールストラップ480を使用することができる。ヒールレー
シングコンポーネントガイド615は、フットウェアアッパー405から切り離されて、
レースケーブル430およびヒールストラップ480によってフットウェアアッパー40
5に対して吊り下げられ得る。弾性部材440は、フットウェアアッパー405の後部ま
たはヒール部に、ヒールレーシングコンポーネントガイド615をプリテンションし、レ
ースケーブル430を緩めた状態で該レースケーブルをレーシングエンジンから引き出す
ことができる。しかしながら、レーシングエンジンは、レースケーブル430を締め付け
状態に巻き上げるため、ヒールストラップ480は、フットウェアアッパー405上でレ
ースケーブル430を締めることができ、フットウェアアッパー405のヒール部が着用
者のかかとに引き下げられるようにすることができる。
【0039】
弾性部材440は、フットウェアアッパー405に追加の伸縮性を提供することができ
る。弾性部材440は、一端がレースガイドコンポーネント415に取り付けられ、他端
が別の反対側のレースガイドコンポーネント415またはフットウェアアッパー405(
中央部450など)のいずれかに連結され得る。ヒールストラップ480と同様に、弾性
部材440は、レーシングエンジンからレースケーブル430を引っ張るために使用され
得るが、レースケーブル430をフットウェアアッパー405に締め付けることができる
ように伸ばすことが可能である。
【0040】
ヒールストラップ480、弾性部材440および弾性中央補強材325は、各々が、フ
ットウェアアッパーにある程度の伸縮性を与えることができ、レーシング機構によって提
供されるレーシング動作に様々な快適性および性能ゾーンを導入することができる。図1
7は、レースケーブル480、弾性部材440、弾性ヒール部材350、および弾性中央
補強材325の様々な組み合わせを組み込んだ、様々な例示的なフットウェアアッパーの
、様々な快適性および性能曲線を示している。
【0041】
図5は、いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフット
ウェアアセンブリで使用するレーシング構造400を備えた、フットウェアアッパー40
5の一部を示す図である。この例では、図4Aに示される中央部450は、中央閉鎖機構
460に置き換えられている。この例において、当該中央閉鎖機構は、中央ジッパー46
5として示されている。中央閉鎖機構は、足を容易に出し入れすることできるように、フ
ットウェアアッパー405の開口部を広げられるように設計されている。中央ジッパー4
65は、足の出し入れを可能にするために容易にはずすことができるものである。別の例
では、中央閉鎖機構460は、面ファスナ、スナップ、バックル、トグル、二次的なレー
ス(靴ひも)、または任意の同様の閉鎖機構とすることができる。
【0042】
図6は、いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含むフット
ウェアアセンブリで使用するレーシング構造600を備えた、フットウェアアッパー40
5の一部を示す図である。この例では、レーシング構造600には、ヒールレースガイド
610およびヒール補強材620を含むヒールレーシングコンポーネント615、ならび
にヒールリダイレクトガイド610およびヒール出口ガイド615が追加されている。ヒ
ールリダイレクトガイド610は、レースケーブル430を、最後のレースガイド410
からヒールレーシングコンポーネント615へとシフトさせる。ヒールレーシングコンポ
ーネント615は、ヒール補強材620を備えるヒールレースガイド610から形成され
ている。ヒールレースガイド610は、アッパー405の他の場所で使用されるレースガ
イドと同様の形状で描かれている。しかしながら、別の実施形態では、ヒールレースガイ
ド610は、別の形状とすることができ、あるいは複数のレースガイドを含むことができ
る。この例では、ヒールレースコンポーネント615は、ヒールトラック645に取り付
けられて示されており、該ヒールトラックは、ヒールレースコンポーネント615の位置
調整を可能にしている。上述した調整可能なレースガイドと同様に、ヒールレースコンポ
ーネント615の位置決め調整を可能にするために、面ファスナまたは同等の締結機構な
どの他の機構を利用することができる。
【0043】
いくつかの例では、アッパー405は、上述した中央部450のように閉鎖機構を含む
ことができるヒールリッジ650を含む。ヒール閉鎖機構を備える例では、ヒール閉鎖機
構は、従来のフットウェアアセンブリの足開口部を拡張することにより、フットウェアか
らの足の出し入れを容易にするように設計されている。さらに、いくつかの例では、ヒー
ルレーシングコンポーネント615は、ヒールリッジ6510を介して、(ヒール閉鎖機
構の有無に関わらず)反対側の対応するヒールレーシングコンポーネントに連結され得る
。この接続部は、弾性部材440と同様の弾性部材を含むことができる。
【0044】
図7A~7Bは、いくつかの例示的な実施形態による、電動式レーシングエンジンを含
むフットウェアアセンブリで使用するレーシング構造700を備える、フットウェアアッ
パー405の一部を示す図である。この例では、レーシング構造700は、レース730
をルーティングするレースガイド710を含む。レースガイド710は、関連する補強材
720を含むことができる。この例では、レースガイド710は、図7Aに示される開い
た初期位置から、図7Bに示される屈曲した閉位置まで、レースガイド710の部分の屈
曲を可能にするように構成されている(各図には、参考のために、反対位置を示す仮想線
が設けられている)。この例において、レースガイド710は、開いた初期位置と閉位置
との間で約14度の屈曲を示す延長部を含む。他の例では、レースガイド710は、該レ
ースガイドの初期位置と最終位置(または形状)との間で、より大きく屈曲することも、
あるいはより小さく屈曲することも可能である。レース730が締め付けられると、レー
スガイド710が屈曲する。レースガイド710の屈曲には、レース730にいくらかの
初期張力を加えること、および締め付けプロセス中にレースの張力を消散させる追加の機
能を提供することにより、トルク対レース変位曲線を滑らかにする作用がある。したがっ
て、初期形状または屈曲位置において、レースガイド710は、レースケーブルにいくら
かの初期張力を生成するが、これにはレースケーブルの弛みを吸収する機能もある。レー
スケーブルの締め付けが開始すると、レースガイド710は屈曲または変形する。
【0045】
この例において、レースガイド710は、プラスチックまたはポリマーチューブであり
、該チューブの特定の組成に応じて異なる弾性率を有することができる。レースケーブル
710の弾性率は、補強材720の構成とともに、レースガイド710の屈曲によってレ
ース730に誘発される追加の張力量を調整する。レースガイド710の端部(レッグま
たは延長部)の弾性変形は、レースガイド710が元の形状に戻ろうとすると、レース7
30に継続的な張力を誘発させる。いくつかの例では、レースガイド全体が該レースガイ
ドの長さにわたって均一に屈曲する。別の例において、この屈曲は主にレースガイドのU
字形部分内で生じ、延長部は実質的に真っ直ぐなままである。さらに別の例では、延長部
が屈曲の大部分に対応し、U字形部分は比較的固定されたままである。
【0046】
補強材720は、レースガイド710の端部の動きを許容する方法で、レースガイド7
10上に接着されている。いくつかの例では、補強材720は、上述したホットメルトプ
ロセスで接着され、熱活性化接着剤の配置により、開口部がレースガイド710の屈曲を
可能にする。別の実施形態では、補強材720を所定の位置に縫い付けるか、あるいは接
着剤とステッチの組み合わせを使用することができる。補強材720がどのように接着ま
たは構造化されるかは、レースケーブルからの負荷のものと、レースガイドのどの部分が
屈曲するかに影響を与える可能性がある。いくつかの例では、ホットメルトがレースガイ
ドのU字形部分の周囲に集中しており、延長部(脚)をより自由に曲げることができる。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態による、フットウェアアセンブリで使用する変形可能なレ
ースガイド710を示す図である。この例では、図7Aおよび7Bを参照して説明された
レースガイド710の詳細が説明されている。図7Cは、非変形状態とみなすことができ
る、第1(オープン)状態のレースガイド710を示している。図7Dは、変形状態とみ
なすことができる、第2(クローズ/屈曲)状態のレースガイド710を示している。レ
ースガイド710は、3つの異なるセクションを含み得る。中間部712、第1の延長部
714、および第2の延長部716である。レースガイド710はまた、レース受取り開
口部740と、レース出口開口部742と、含み得る。上述したように、レースガイド7
10は、異なる弾性率を有し、これによって一定の張力が加えられた場合の変形レベルを
調整することができる。いくつかの例において、レースガイド710は、中間部712が
第1の弾性率を有し、第1の延長部が第2の弾性率を有し、そして第2の延長部が第3の
弾性率を有するなど、異なる弾性率を有する異なるセクションで構成され得る。ある例で
は、第2および第3の弾性率を実質的に同じにして、第1の延長部と第2の延長部とが同
じように屈曲または変形するようにすることができる。この例において、実質的に同じと
いうことは、互いの弾性率の差が数パーセント以内であると解釈することができる。いく
つかの例において、レースガイド710は、頂部746における高弾性率から、第1の延
長部および第2の延長部の外端に向かって低弾性率へと変化する、可変の弾性率を有する
ことができる。これらの例では、弾性率は、レースガイド710の壁厚に基づいて変化し
得る。
【0048】
レースガイド710は、変形可能なレースガイドがどのように機能するかを説明するの
に役立つ多くの軸を定義している。例えば、第1の延長部714は、第1の延長部714
内に画定された内側チャネルの少なくとも外側部分と整列する、第1の進入レース軸75
0を定義することができる。第2の延長部716は、第2の延長部716内に画定された
内側チャネルの少なくとも外側部分と整列する、第1の送出レース軸760を定義するこ
とができる。変形すると、レースガイド710は、第1の延長部および第2の延長部のそ
れぞれの部分とそれぞれ位置合わせされる、第2の進入レース軸752および第2の送出
レース軸762を定義する。レースガイド710は頂部746でレースガイド710と交
差し、(図7Cに示すように、変形していない状態の対照的なレースガイドを想定して)
第1の延長部および第2の延長部から等距離になる、正中軸744を含む。
【0049】
図7Eは、いくつかの例示的な実施形態による、変形可能なレースガイドの、様々なト
ルク対レース変位曲線を示すグラフ770である。上述したように、レースガイド710
を使用して達成される利点の1つには、トルク(またはレース張力)対レース変位(また
は短縮)曲線が修正されることである。曲線776は、一例のレーシング構造で使用され
る変形不能なレースガイドの、トルク対変位曲線を示している。曲線776は、締め付け
プロセスの終わり近くで、レースが短い変位で急激に張力を増す様子を示している。対照
的に、曲線778は、一例のレーシング構造で使用される第1の変形可能なレースガイド
の、トルク対変位曲線を示している。曲線778は、曲線776に似た形で始まるが、レ
ースガイドが追加のレース張力で変形すると、曲線が平らになり、その結果、より大きな
レース変位で張力が増加する。曲線を平坦化することで、エンドユーザのフットウェアの
フィット感と性能をより細かく調整することが可能になる。
【0050】
最後の例は、3つのセグメント、すなわち初期締め付けセグメント780、適応セグメ
ント782、および反応セグメント784に分割されている。セグメント780、782
、784は、トルクおよび結果として生じる変位が望まれるあらゆる状況で利用されても
よい。しかしながら、反応セグメント784は、特に、電動式レーシングエンジンが予期
しない外部要因(着用者が突然動きを止めたために、レースに比較的高い負荷がかかるこ
となど)に反応して、レースの変位を突然変更または修正する状況で利用され得る。適応
セグメント782は、対照的に、レース上の負荷の変化が予期可能であるため(例えば、
負荷の変化がそれほど急激ではない、あるいは着用者によって活動の変化が電動式レーシ
ングエンジンに入力される、あるいは電動式レーシングエンジンが機械学習を通じて活動
の変化を予測できるため)に、レースのより緩やかな変位を利用できる場合に利用するこ
とができる。この最後の例の結果として得られる変形可能なレースガイド設計は、レース
ガイドの構造設計(チャネル形状、材料選択、またはパラメータの組み合わせなど)を通
じて、適応セグメント782および反応セグメント784を生成するように設計されてい
る。最後の例を製造するレーシング構造およびレースガイドはまた、レースケーブルに予
張力を発生させ、結果として図示の初期締め付けセグメント780が得られる。
【0051】
図8A~8Fは、いくつかの例示的な実施形態による、特定のレーシング構造で使用す
るレースガイド800を示す図である。この例では、オープンレースチャネルを備える代
替的なレースガイドが示されている。レースガイド800は、ガイドタブ805、ステッ
チ開口部810、ガイド上面815、レース保持体820、レースチャネル825、チャ
ネル半径830、レースアクセス開口部840、ガイド下面845、およびガイド半径8
50を含む。レースガイド800などのオープンチャネルのレースガイドの利点には、レ
ースガイドをフットウェアアッパーに装着した後に、レースケーブルのルートを容易に決
められることが含まれる。上述した多くのレース構造の例において示されたような管状の
レースガイドでは、レースガイドをフットウェアアッパーに接着する前に、レースケーブ
ルをレースガイドに通すのが最も容易である。オープンチャネルのレースガイドは、レー
スガイド800がフットウェアアッパーに配置された後、レースケーブルがレース保持体
820を単に通過することを可能にすることによって、レーシングの簡単なルーティング
を容易にする。レースガイド800は、金属またはプラスチックを含む様々な材料から製
造され得る。
【0052】
この例では、レースガイド800は、ステッチまたは接着剤で、フットウェアアッパー
に最初に取り付けられ得る。図示の設計は、レースガイド800をフットウェアアッパー
(または同様の材料)上に手作業で、あるいは自動で容易にステッチすることを可能にす
るように構成された、ステッチ開口部810を含む。レースガイド800がフットウェア
アッパーに取り付けられると、レースケーブルのループを単にレースチャネル825に引
き込むことにより、レースケーブルをルーティングすることができる。レースアクセス開
口部840は、下面845を貫通して延びて、レースケーブルがレース保持体820を回
避するための逃げ凹部を提供する。この例では、チャネル半径830は、レースケーブル
の直径に対応するように、あるいはそれよりもわずかに大きく設計されている。チャネル
半径830は、レースガイド800を通るレースケーブルが受ける摩擦量を調整すること
ができる、レースガイド800のパラメータの1つである。レースケーブルが受ける摩擦
に影響するレースガイド800の別のパラメータには、ガイド半径850が含まれる。ガ
イド半径850はまた、フットウェアアッパー上に配置されるレースガイドの頻度または
間隔に影響する場合がある。
【0053】
図8Gは、いくつかの例示的な実施形態による、レースガイド800を使用するレーシ
ング構造890を備える、フットウェアアッパー405の一部を示す図である。この例で
は、複数のレースガイド800がフットウェアアッパー405の外甲側に配置されたレー
シング構造890の半分を形成している。上述したレーシング構造と同様に、レーシング
構造890は、レースガイド800を使用して、レースケーブルをルーティングするため
の波形パターンまたはパラシュートレーシングパターンを形成している。このタイプのレ
ーシング構造の利点の1つは、レースの締め付けが、フットウェアアッパー405の前-
後の締め付けと、外甲側-内甲側の締め付けと、の両方をもたらすことができることであ
る。
【0054】
この例では、レースガイド800は、ステッチ(縫い目)860を介して、少なくとも
最初にアッパー405に接着される。ステッチ860は、ステッチ開口部810の上にあ
るか、あるいはステッチ開口部に係合されて示されている。レースガイド800の1つは
また、レースガイドを覆う補強材870とともに描かれている。このような補強材は、レ
ースガイド800の各々の上に個別に配置され得る。あるいは、より大きな補強材を使用
して、複数のレースガイドを覆うことが可能である。上述の補強材と同様に、補強材87
0は、接着剤、熱活性化接着剤、および/またはステッチにより接着され得る。場合によ
っては、補強材870は、(熱活性化または非熱活性化)接着剤と、レースガイド上の補
強材を均一に押圧する真空バッグプロセスと、を使用して接着され得る。同様の真空バッ
グプロセスは、先に説明した補強材およびレースガイドでも使用することができる。別の
例では、機械式プレスまたは同様の機械を使用して、レースガイド上への補強材の接着を
支援することができる。
【0055】
最初に、すべてのレースガイド800を、フットウェアアッパー405に配置して取り
付けたら、レースケーブルを、該レースガイドを通してルーティングすることができる。
レースケーブルのルーティングは、レースケーブルの第1の端を外甲側アンカーポイント
470に固定することから始めることができる。次に、レースケーブルを各レースチャネ
ル825に引き込み、最前方のレースガイドから始めて、アッパー405のヒール部に向
かって後方に作業を進めることができる。レースケーブルをすべてのレースガイド800
に通したら、レースガイドおよびレースケーブルの両方を固定するために、レースガイド
800の各々の上に補強材870を任意選択で接着することができる。
【0056】
[組み立てプロセス]
図9は、いくつかの例示的な実施形態による、レーシングエンジンを含むフットウェア
アセンブリの、フットウェア組み立てプロセス900を示すフローチャートである。
この例では、組み立てプロセス900には、以下の動作が含まれる:フットウェのアッパ
ー、レースガイド、およびレースケーブルを得る(910);管状レースガイドを通して
レースケーブルをルーティングする(920);レースケーブルの第1の端部をアンカー
する(930);レースケーブルの第2の端部をアンカーする(940);レースガイド
を配置する(950);レースガイドを固定する(960);アッパーとフットウェアア
センブリを統合する(970)。以下にさらに詳細に説明するプロセス900は、説明し
たプロセス動作のいくつかまたはすべてを含むことができ、少なくとも一部のプロセス動
作は、様々な場所で、かつ/あるいは異なる自動化ツールを使用して実行することができ
る。
【0057】
この例では、プロセス900は、フットウェアアッパー、複数のレースガイド、および
レースケーブルを得るステップ(910)により開始する。アッパー405などのフット
ウェアアッパーは、フットウェアアセンブリの残り(例えば、ソール、ミッドソール、ア
ウターカバーなど)から分離された、平坦化されたフットウェアアッパーであり得る。こ
の例におけるレースガイドは、上述したような管状のプラスチックレースガイドを含むが
、別のタイプのレースガイドを含むことも可能である。続いて、ステップ(920)にお
いて、プロセス900は、複数のレースガイドを通してレースケーブルをルーティングす
る(あるいは、通す)。組み立てプロセス900における異なる時点で、レースガイドを
通してレースケーブルをルーティングすることができる一方で、管状のレースガイドを使
用する場合、フットウェアアッパーに組み立てる前に、レースガイドを通してレースをル
ーティングすることが好ましい場合がある。場合によっては、レースガイドは、レースケ
ーブルに事前に通しておくことができ、プロセス900は、ステップ(910)の動作中
に得られるレースに既に通されている複数のレースガイドを用いて開始する。
【0058】
続いて、ステップ(930)において、プロセス900は、レースケーブルの第1の端
部をフットウェアアッパーにアンカーする。例えば、レースケーブル430は、アッパー
405の外甲側縁に沿ってアンカーされ得る。場合によっては、フットウェアアッパーと
残りのフットウェアアセンブリとを統合する際に、より恒久的なアンカーを用いて、レー
スケーブルをアッパー405に一時的にアンカーしてもよい。ステップ(940)におい
て、プロセス900は、レースケーブルの第2の端部をフットウェアアッパーにアンカー
する。レースケーブルの第1の端部のように、第2の端部をアッパーに一時的にアンカー
することができる。さらに、プロセス900は、任意選択で、プロセスの後期またはフッ
トウェアアセンブリと統合するときまで、第2の端部のアンカーを遅らせることができる
【0059】
ステップ(950)において、プロセス900は、複数のレースガイドをアッパー上に
配置する。例えば、レースガイド410をアッパー405上に配置して、所望のレーシン
グパターンを生成することができる。いったんレースガイドが配置されると、プロセス9
00は、レースガイドをフットウェアアッパー上に固定することにより、ステップ(96
0)を続行することができる。例えば、補強材420をレースガイド410上に固定して
、それらを所定の位置に保持することができる。最後に、プロセス900は、ステップ(
970)において、フットウェアアッパーと、ソールを含む残りのフットウェアアセンブ
リとを統合する。一例では、統合には、フットウェアアッパーの外甲側および内甲側を接
続するレースケーブルのループを所定の位置に配置して、フットウェアアセンブリのミッ
ドソールにあるレーシングエンジンに係合することを含み得る。
【0060】
図10は、いくつかの例示的な実施形態による、複数のレーシングエンジンを含むフッ
トウェアアセンブリの、フットウェア組み立てプロセス1000を示すフローチャートで
ある。この例では、組み立てプロセス1000は、以下の動作を含む:フットウェアアッ
パー、レースガイド、およびレースケーブルを得る(1010);レースガイドをフット
ウェアのアッパーに固定する(1020);レースケーブルの第1の端部をアンカーする
(1030);レースガイドを通してレースケーブルをルーティングする(1040);
レースケーブルの第2の端部をアンカーする(1050);任意選択で、レースガイド上
に補強材を固定する(1060);アッパーとフットウェアアセンブリとを統合する(1
070)。以下でさらに詳細に説明するプロセス1000は、説明したプロセス動作のい
くつかまたはすべてを含むことができ、少なくとも一部のプロセス動作は、様々な場所で
、かつ/あるいは異なる自動化ツールを使用して実行することができる。
【0061】
この例では、プロセス1000は、フットウェアアッパー、複数のレースガイド、およ
びレースケーブルを得るステップ(1010)で開始する。アッパー405などのフット
ウェアアッパーは、フットウェアアセンブリの残り(例えば、ソール、ミッドソール、ア
ウターカバーなど)から分離された、平坦化されたフットウェアアッパーであり得る。こ
の例におけるレースガイドは、上述したようなオープンチャネルのプラスチックレースガ
イドを含むが、別のタイプのレースガイドを含むことも可能である。続いて、ステップ(
1020)において、プロセス1000は、レースガイドをアッパーに固定する。例えば
、レースガイド800は、アッパー405上の所定の位置に個別にステッチされ得る。
【0062】
続いて、ステップ(1030)において、プロセス1000は、レースケーブルの第1
の端部をフットウェアアッパーにアンカーする。例えば、レースケーブル430は、アッ
パー405の外甲側縁に沿ってアンカーされ得る。場合によっては、フットウェアアッパ
ーと残りのフットウェアアセンブリとを統合する際に、より恒久的なアンカーを用いて、
レースケーブルをアッパー405に一時的にアンカーしてもよい。ステップ(1040)
において、プロセス100は、オープンチャネルのレースガイドを通してレースケーブル
をルーティングする。このステップには、フットウェアアッパーの外甲側および内甲側間
にあるレーシングエンジンと係合するために、レースループを残すことが含まれる。レー
スループは、組み立てられたフットウェアをレーシングエンジンが適切に締め付けること
を確実にする、所定の長さであり得る。
【0063】
続いて、ステップ(1050)において、プロセス1000は、レースケーブルの第2
の端部をフットウェアアッパーにアンカーすることができる。レースケーブルの第1の端
部のように、第2の端部をアッパーに一時的にアンカーすることができる。さらに、プロ
セス1000は、任意選択で、プロセスの後期またはフットウェアアセンブリと統合する
ときまで、第2の端部のアンカーを遅らせることができる。特定の例では、レースケーブ
ルの第1および/または第2の端部のアンカーを遅らせることにより、全体的なレース長
さの調整を可能にすることができ、このことは、レーシングエンジンの統合中に便利であ
る場合がある。
【0064】
ステップ1060において、プロセス1000は、任意選択で、ファブリック製の補強
材(カバー)をレースガイド上に固定して、該レースガイドをフットウェアアッパーにさ
らに固定する動作を含むことができる。例えば、レースガイド800は、該レースガイド
およびレースケーブルをさらに固定するために、該レースガイド上に熱溶融された補強材
870を有することができる。最後に、プロセス1000は、ステップ(1070)にお
いて、フットウェアアッパーと、ソールを含む残りのフットウェアアセンブリとを統合す
る。一例では、統合には、フットウェアアッパーの外甲側および内甲側を連結するレース
ケーブルのループを所定の位置に配置して、フットウェアアセンブリのミッドソールにあ
るレーシングエンジンに係合することを含み得る。
【0065】
[張力ストラップ]
図11は、フットウェアアッパー1100の内甲側面部1104と外甲側面部1106
とを連結する弾性ストリップ1102を示す、部分的に切り取られたフットウェアアッパ
ー1100の正面図である。フットウェアアッパー1100は、電動式レーシングエンジ
ンが配置され得るソール構造1108に連結することができる。フットウェアアッパー1
100は、足を包むように構成された内甲パネル1110および外甲パネル1112など
の、内層を含み得る。内甲パネル1110および外甲パネル1112は、裏地層またはパ
ディング層(不図示)を含み得る。弾性ストリップ1102は、内甲パネル1110およ
び外甲パネル1112の両方に連結され得る。
【0066】
フットウェアアッパー1110はまた、レースガイド1114、レース1116および
外層1118を含み得る。アッパー1100は、レース1116、弾性ストリップ110
2、およびレースガイド1114を覆うように構成された外層1118を含むことができ
る。図11では、内甲パネル1110、外甲パネル1112、弾性ストリップ1102、
レースガイド1114およびレース1116を見せるために、外層1118は切り取られ
ている。
【0067】
レースガイド1114は、内甲パネル1110および外甲パネル1112に連結され得
る。レースガイド1114は、それぞれがガイドタブ1115およびレースチャネル本体
1117を含み得る。ガイドタブ1115は、接着剤、ステッチ、リベットなどによって
、パネル1110および1112に直接取り付けられ得る。レースガイド1114は、本
明細書に記載される他のレースガイドと同様に構成され得る。レース1116は、レース
ガイド1114のチャネル本体1117内に配置されたチャネルに通される。レース11
16は、トウ(つま先)領域に向けてアッパーにアンカーされる遠位部分と、遠位部分と
連結されてレーシングエンジン内に配置される近位部分と、を有し得る。
【0068】
本明細書で説明するように、レーシングエンジンの動作は、レース1116を締めて内
甲パネル1110および外甲パネル1112を押圧するように作用することができる。特
には、レーシングエンジンの動作時にレース1116の近位部分がソール構造1108内
に引き込まれることにより、レースガイド1114がソール構造1108に向かって引き
寄せられ得る。内甲パネル1110および外甲パネル1112上のレースガイド1114
がソール構造1108の近くに引き寄せられると、弾性ストリップ1102は、フットウ
ェアアッパー1100内に配置された足周りに伸びることができる。弾性ストリップ11
02は、弾性に加えて弾力性のあるあらゆる種類の材料で作製することができ、例えば、
ゴムまたはスパンデックスなどである。弾性ストリップ1102は、足がフットウェアア
ッパー1100内に配置されたときに、非伸張状態または事前に張力をかけられた状態(
プリテンション状態)で静止するように構成され得る。別の実施形態では、弾性ストリッ
プ1102は、弾性メッシュ材料に置き換えることが可能である。
【0069】
図12は、アッパー1110の内甲側および外甲側のレース1116を連結するヒール
ストラップセンブリ1120を示す、図11のフットウェアのアッパー1110の背面図
である。ヒールストラップアセンブリ1120は、プリテンションストラップ1122、
ヒールストラップ1124およびアンカーポイント1126を含むことができる。プリテ
ンションストラップ1122は、図11に示すフットウェアアッパー1100の外甲側の
レース1116から延び、フットウェアアッパー1100のヒール部1128を通過して
延び、フットウェアアッパー1100の内甲側(図12では見えない)まで延びて、レー
ス1116の反対側の端部に連結することができる。プリテンションストラップ1122
は、例えばレースガイド1114を使用することにより、任意の適切な方法で、接合部1
130でレース1116に連結され得る。一例では、レース1116は、プリテンション
ストラップ1122との接合部1130内で摺動することができる。一例では、プリテン
ションストラップ1122は、レースガイド1114のガイドタブ1115に連結され、
レース1116は、レースガイド1114のレースチャネル本体1117に連結され得る
。プリテンションストラップ1122は、伸張させることができ、伸張後に元の長さに回
復することができる、弾力性のある細長部材とすることができる。以下に、図15Aおよ
び15Bを参照してより詳細に説明するように、プリテンションストラップ1122は、
レーシングエンジンスプールが巻き戻されてレース1116が解放されるときに、レーシ
ングエンジンからレース1116を引くように構成され得る。
【0070】
ヒールストラップ1124は、プリテンションストラップ1122のレース1116と
の接合部1130から、アンカーポイント1126まで延びることができる。図12に示
す状態では、ヒールストラップ1124は、アンカーポイント1126と接合部1130
との間で折り畳まれている。以下に、図15Aおよび15Bを参照してより詳細に説明す
るように、ヒールストラップ1124は、接合部1130がフットウェアアッパー110
0のトウ部に向かって引き込まれると展開されて、最終的には、アンカーポイント112
6がヒール部1128をトウ部に向かって引張り、アッパー1100内に挿入された足の
かかとにフットウェアアッパー1100を保持するのを支援する。アンカーポイント11
16は、フットウェアアッパー1100上に静止点を提供することができる、任意の適切
な手段またはデバイスを含み得る。図示の実施形態では、アンカーポイント1126は、
フットウェアアッパー1100を通って延びるスレッドファスナを含み得る。
【0071】
図13は、弾性ストリップ1102に沿ってフットウェアアッパー1100に連結され
たレースガイド1114を示す、部分的に切り取られた、図11のフットウェアアッパー
1100の側面図である。図14は、弾性ストリップ1102とは別に、フットウェアア
ッパー1100に連結されたレースガイド1114を示すために曲げられた、図13のフ
ットウェアアッパー1100を示す図である。図13および14を同時に説明する。
【0072】
弾性ストリップ1102およびレースガイド1114に独立して連結された外甲パネル
1112を示すために、外層1118は部分的に切り取られている。レースガイド111
4のガイドタブ1115は、任意の適切な方法によって、外甲パネル1112に連結され
得る。図示の実施形態では、ガイドタブ1115は、ステッチ1132により外甲パネル
1112に連結されている。ガイドタブ1115は、外甲パネル1112の上側縁から分
離されており、該上側縁の上には、弾性ストリップ1102が配置されて、ガイドタブ1
115と弾性ストリップ1102との間に隙間が形成されている。
【0073】
弾性ストリップ1102は、単一のストリップを含むことができ、あるいは図13およ
び14に示すように、エンドツーエンドで整列された複数のストリップを含むことができ
る。弾性ストリップ1102は、接着剤またはステッチなどの任意の適切な方法で、外甲
パネル1112に連結され得る。図示の実施形態では、弾性ストリップ1102は、ステ
ッチ1134により外甲パネル1112に連結されている。レースガイド1114を弾性
ストリップ1102から分離することにより、弾性ストリップ1102は、外甲パネル1
112の長さに沿って均等に延びることが可能になり、また、レース上のレースガイドの
動作に、より均一な動きをもたらすことができる。
【0074】
図15Aは、プリテンションストラップ1122によって電動式レーシングエンジンか
ら引き抜かれた緩んだレース1116を示す、図12のフットウェアアッパー1100を
示す図である。示すように、レースガイド1114Aとレースガイド1114Bとの間の
距離D1は、第1のオープン長さとすることができる。同様に、レースガイド1114A
とアンカーポイント1126との間の距離D2は、第1の折り畳み長さとすることができ
る。距離D1は、図15Bの距離D3に比べて大きい。レース1116を緩めると、足を
フットウェアアッパー1100に入れることができる。プリテンションストラップ112
2が作動して、接合部1130でレース1116をヒール部1128に向かって引き、そ
れによりレース1116の近位端部1131をレーシングエンジンから引き出す。近位端
部1131からの過剰な弛みがプリテンションストラップを作用させて接合部1130を
アンカーポイント1126に向かって引張ることを可能にするため、ヒールストラップ1
124は、接合部1130とアンカーポイント1126との間で屈曲し、あるいは折り畳
まれる。
【0075】
図15Bは、レース1116を電動式レーシングエンジンに締め、ヒールストラップを
フットウェアアッパー1100のヒール部周りに締めた、図15Aのフットウェアアッパ
ー1100を示す図である。示されるように、レースガイド1114Aとレースガイド1
114Bとの間の距離D3は、第2の折り畳み長さとすることができる。同様に、レース
ガイド1114Aとアンカーポイント1126との間の距離D4は、第2のオープン長さ
とすることができる。レーシングエンジンが作動して、レース1116の近位端部113
1をレーシングエンジンに引き込んでいるため、距離D3は距離D1に比べて小さい。こ
れにより、以前に引き込まれたテンションストラップ1122が引き伸ばされ、D4がD
2よりも大きくなり、ヒールストラップ1124が平らにされて引き伸ばされる。ヒール
ストラップ1124を引き伸ばすと、レース1116がフットウェアアッパー1100お
よびその中の足に密着する際に、フットウェアアッパー1100のヒール部1128がフ
ットウェア1100内に位置する足のかかとに引き込まれる。
【0076】
図16は、内側および外側レースケーブル張力ストラップ1202および1204を示
す、フットウェアアッパー1200の別の実施形態を示す図である。フットウェアアッパ
ー1200は、電動式レーシングエンジンが配置され得るソール構造1206に連結する
ことができる。フットウェアアッパー1200は、内甲パネル1208、外甲パネル12
10およびトウパネル1212を含むことができ、これらは、少なくとも部分的に足を囲
うように構成されている。内甲パネル1208および外甲パネル1210は、裏地層また
はパディング層(不図示)などの追加の層を含み得る。ケーブル張力ストラップ1202
および1204は、その下端で、内甲パネル1208および外甲パネル1210にそれぞ
れ連結され、遠位端部1216Aおよび1216Bで、それぞれレース1214に連結さ
れ得る。フットウェアアッパー1110はまた、レースガイド1218および弾性パネル
1220を含み得る。
【0077】
弾性パネル1220は、図11~15Bの弾性ストリップ1102と同様に機能して、
フットウェアアッパー1200にある程度の伸縮性を持たせることができる。レースガイ
ド1218は、本明細書に記載される他のレースガイドと同様に機能することができる。
簡潔にするために、ここではこれ以上説明しない。レース1214は、張力ストラップ1
201および1204に連結された遠位端を有することができ、その一方で、レース12
14の中央部分は、ソール構造1206に配置されたレーシング機構内に配置され得る。
したがって、レーシング機構がレース1214を巻き取ると、レース1214がレースガ
イド1218を介して引っ張られ、レース1214がフットウェアアッパー1200に対
して締め付けられる。張力ストラップ1202および1204は、レース1214の端部
1216Aおよび1216Bにアンカーを提供して、締め付け動作を促進する。
【0078】
張力ストラップ1202および1204は、レース1214を、フットウェアアッパー
1220のパネル1208および1210の周りに少なくとも部分的に巻き付けながら、
ソール構造1206にアンカーすることを可能にする。見て取れるように、レース121
4は、内甲パネル1208で1回、および外甲パネル1210で1回、フットウェアアッ
パー1200上を横断している。これにより、レース1214に張力をかけるのに使用さ
れる力の一部を、トウパネル1212に近接するフットウェアアッパー1200に内向き
の圧力を加えるために直接使用することもできる。張力ストラップ1202および120
4は、レース1214の張力がパネル1208および1210に分配されるより大きな表
面積を提供する。すなわち、レース1214がソール構造1206でフットウェアアッパ
ー1200にアンカーされている場合、パネル1208および1210に接触するストラ
ップ1202および1204の表面積は、レース1214が同じ位置でパネル1208お
よび1210と接触する表面積よりも大きい。一実施形態では、ストラップ1202およ
び1204は台形である。別の実施形態では、ストラップ1202および1204は、三
角形または矩形とすることができる。例えば、ストラップ1202は、上端領域1224
よりも広幅の下端領域1222を有し得る。下端領域1222は、例えば、接着剤もしく
はステッチにより、またはソール構造1206へ組み込むことにより、内甲パネル120
8の下部に取り付けられ得る。上端領域1224は、ステッチ1226によりストラップ
1202の長さに取り付けることなど、任意の適切な方法でレース1214に取り付けら
れ得る。ストラップ1202および1204は、フラップするように、ソール構造120
6でのみフットウェアアッパー1200に取り付けられ得る。別の実施形態では、ストラ
ップ1202および1204は、それらの全長に沿って、あるいはそれらの長さの一部に
のみ沿って、フットウェアアッパー1200に取り付けられ得る。ストラップ1202お
よび1204は、剛性もしくは非弾性材料、または伸縮性(弾力性のある)もしくは弾性
材料で作製することができる。台形または三角形のストラップ1202および1204は
、フットウェアアッパー11200のトウボックス内に応力および力をより均等に分散さ
せ、快適でしっかりしたフィット感を実現することができる。同様に、ストラップ120
2および1204は、フットウェアアッパー1200に沿って応力および力を均等に分散
させるなどの、様々な利点を有する別の形状を含むことができる。
【0079】
図17は、いくつかの例示的な実施形態による、本明細書に記載される様々な弾性また
は張力部材の、様々な力対レース変位曲線1300A、1300B、1300C、130
0D、1300Eおよび1300Fを示すグラフである。下部のX軸は、ミリメートル単
位の変位を示し、側部のY軸は、ニュートン単位の負荷を示している。曲線1300A~
1300Fは、それぞれがレースの異なる負荷に関連付けられている。示すように、本明
細書に記載する様々なコンポーネント(レースケーブル480、弾性部材440、弾性ヒ
ール部材350、弾性中央補強材325など)のパラメータを調整することにより、弾性
ゾーンがロックアウトされてパフォーマンスゾーンが開始される前に、様々なレベルの快
適性勾配を提供することができる。したがって、各曲線の快適性勾配およびパフォーマン
ス勾配は、様々なタイプの靴もしくはフットウェア物品、または様々なタイプの着用者に
、様々な効果を提供するように設計することができる。
【0080】
図18は、クロスオーバー構成のレース1214に連結された張力ストラップ1202
および1204を含むレーシング構造を示すために平坦にレイアウトされた、図16のフ
ットウェアのアッパー1200を示す図である。
【0081】
フットウェアアッパー1200は、内甲パネル1208、外甲パネル1210、ヒール
パネル1211Aおよび1211B、ならびにトウパネル1212を含むことができ、こ
れらは、ヒールパネル1211Bが外甲パネル1210に取り付けられ、かつフットウェ
アアッパー1200がソール構造に取り付けられたときに、足の周りを少なくとも部分的
に囲うように構成されている。内甲パネル1208および外甲パネル1210は、裏地(
不図示)、外層1230(ソール部分1230Aおよび1230B、ならびにスロート部
分1240Cおよび1230Dを含み得る)、およびオーバーレイ1232(ソール部分
1232Aおよび1232B、ならびにスロート部1232Cおよび1232Dを含み得
る)などの、追加の層を含むことができる。
【0082】
外層1230は、内甲パネル1208および外甲パネル1210を強化するための材料
の層を含むことができる。一例では、外層1230は、ナイロンなどの合成材料を含み得
る。オーバーレイ1232は、レースガイド1218を支持する層を含み得る。オーバー
レイ1232は、レースガイド1218の負荷をフットウェアアッパー1200に分散さ
せることができる、半剛性でありながら柔軟な材料を含み得る。一例では、オーバーレイ
1232は、マイクロセル構造のウレタンであるPoron(登録商標)などの合成材料
を含み得る。
【0083】
張力ストラップ1202および1204は、下端1222Aおよび1222Bで、内甲
パネル1208および外甲パネル1210にそれぞれ連結され、外端1224Aおよび1
224Bで、レース1214の遠位端部1216Aおよび1216Bにそれぞれ連結され
得る。フットウェアアッパー1110はまた、レースガイド1218および弾性パネル1
220を含むことができる。
【0084】
レース1214の近位端部1234Aおよび1234Bは、レーシングエンジン(不図
示)に連結され得る。近位端部1234Aおよび1234Bは、レース1214を形成す
るように互いに連結され得る。すなわち、レース1214は、シングルピース構造で構成
され得る。レース1214は、レースガイド1218に通されて、遠位端部1216Aお
よび1216Bが張力ストラップ1202および1204まで延びるようになっている。
遠位端部1216Aは、ステッチ1226で、張力ストラップ1202に連結されている
。同様に、遠位端部1216Bは、張力ストラップ1204に連結され得る。示すように
、遠位端部1216Aおよび1216Bは、例えば、外層1230のスロート部分123
0Cおよび1230D間に形成されたフットウェアアッパー1200のスロート領域を横
断している。そのような構成では、スロート部分1230Cおよび1230D上のレース
ガイド1218をトウパネル1212付近で省略して、レース1214との干渉を防ぐこ
とができる。
【0085】
張力ストラップ1202および1204は、フットウェアアッパー1200の上面で浮
くように構成され得る。これは、レースがきつく引っ張られたときに、レース1214の
緊張に関係なく、フットウェアアッパー1200の様々な層(例えば、外層1230およ
びオーバーレイ1232)が収縮することを可能にするためである。例えば、スロート部
分1230Cおよび1230Dがそれぞれソール部1230Aおよび1230Bの近くに
引き寄せされるため、近位端部1234Aおよび1234Bがレーシングエンジンによっ
てきつく引っ張られると、スロート部1230Cおよび1230Dは、張力ストラップ1
202および1204の下を摺動することができる。したがって、一実施形態では、張力
ストラップ1202および1204の各々の一部分のみがフットウェアアッパー1200
に取り付けられ得る。
【0086】
張力ストラップ1202および1204は、レース1214の力を内甲パネル1208
および外甲パネル1210上に分散させるために様々な形状を有し得る。ストラップ12
02および1204は、三角形、四角形、台形、直線的形状または任意の他の形状とする
ことができる。一例では、ストラップ1202および1204は、ソール構造に近い下部
で広幅であり、レース1214に近い上部で狭幅である。これは、フットウェアアッパー
1200およびソール構造の広い帯に沿って、レース1214からの力を分散させるため
である。ストラップ1202および1204は、同じ形状を有することも、あるいは図2
0に示すように異なる形状を有することもできる。
【0087】
図19は、図18の張力ストラップ1202のロックアウト領域1240およびストレ
ッチ領域1242を示す図である。レース1214の遠位端部1216Aは、例えばステ
ッチ1226によって、長さLに沿ってロックアウト領域に連結され得る。
【0088】
ストラップ1202の下端領域1222は、上端領域1224よりも広幅とすることが
できる。下端領域1222は、フットウェアアッパー1200またはソール構造に連結さ
れ得る。ある実施形態では、下端領域1222などのストレッチ領域1242の一部分の
みが、フットウェアアッパー1200またはソール構造に連結されている。これは、スト
レッチ領域1242の引き伸ばしを可能にするためである。一実施形態では、ストレッチ
領域1242は、弾性体、合成材料、ポリマー、これらの特性の1つまたは複数を有する
独自の材料(Lunar Fly Strap材料など)で構成されている。別の例では、ストレッチ領
域1242の大部分または全体がフットウェアアッパー1200に連結されている。
【0089】
ロックアウト領域1240は、ストレッチ領域1242から上端領域1224に延び得
る。ロックアウト領域1240は、ストレッチ領域1242の最上部の全体にわたって横
方向に延び得る。ロックアウト領域1240は、ストレッチ領域1242よりも弾性が低
く、かつ伸縮性が低い、テンションストラップ1202の一部を含み得る。一例では、ロ
ックアウト領域1240は、ストレッチ領域1242の材料に取り付けられた個別の材料
を含み得る。別の実施形態では、ロックアウト領域1240は、該ロックアウト領域12
40内にある材料を強化するように処理された、ストレッチ領域1242の材料の延長で
ある。例えば、レース1214の長さLに沿うステッチ1226は、強化処理を提供し得
る。一例では、長さLは、約15ミリメートルであり得る。加えて、あるいは代替的に、
ロックアウト領域1240は、ホットメルト材料で処理されて、遠位端部1216Aを固
定し、ロックアウト領域1240を強化することができる。別の実施形態では、ロックア
ウト領域1240は、Terraninaなどの伸び抑制コーティングで処理されて、張
力ストラップ1202のロックアウト機能を向上させることができる。ロックアウト機能
は、レース1214を引き締めるために、伸びない特性をいう。すなわち、完全にロック
アウトされたレースは、レースが締められる量に比例して足の締め付けが増加する。換言
すれば、レースは、もはや伸びることができない。ロックアウト領域1240のロックア
ウト機能およびストレッチ領域1242の伸縮機能は、張力ストラップ1202の異なる
実施形態に対して異なる組合せで変化させることができる。
【0090】
図20は、非クロスオーバー構成のレース1214に連結された張力ストラップ125
0および1252を含むレーシング構造を含む、フットウェアアッパー1200の別の実
施形態を示す図である。図20のフットウェアアッパー1200は、図18の張力ストラ
ップ1202および1204が張力ストラップ1250および1252に置き換えられて
おり、かつレースガイド1218Aおよび1218Bが加えられていること以外は、図1
8のフットウェアアッパー1200のようないくつかのコンポーネントを含む。図20
見てとれるように、レース1214の遠位端部1216Aおよび1216Bは、フットウ
ェアアッパー1200の同一側に留まるように構成することができ、該同一側でレーシン
グエンジンと、それぞれの張力ストラップと、に連結されている。すなわち、遠位端部1
216Bは、内側張力ストラップ1250に連結され、レースガイド1218Aおよび他
のレースガイド1218を通って内甲パネル1208全体に延び、レーシングエンジンに
連結され得る。一方で、遠位端部1216Aは、外側張力ストラップ1252に連結され
、レースガイド1218Bおよび他のレースガイド1218を通って外甲パネル1210
全体に延び、レーシングエンジンに連結され得る。レースガイド1218Aおよび121
8Bは、アッパー1200の締め付けと、アッパー1200のスロート領域の長さに沿っ
た弾性パネル1220の伸張と、を促進するために追加され得る。示すように、張力スト
ラップ1250および1252の相対的なサイズを変化させて、アッパー1200の内側
および外側面に異なる性能特性を与えることができる。例えば、図20の非交差の実施形
態では、張力ストラップ1250および1252は、例えば、遠位端部1216Aおよび
1216Bをソール構造に近づけるために、張力ストラップ1202および1204より
も短くすることができる。また、足の指の付け根領域、中足骨領域および指骨領域に加え
られる力を変えるために、内側張力ストラップ1250を外側張力ストラップ1252よ
りも短くすること、またはその逆とすることが可能である。
【0091】
図21は、いくつかの例示的な実施形態による、レーシングエンジンで使用するレーシ
ング構造を備える、平坦化されたフットウェアアッパー1400を示す上面図である。図
22は、図21を参照して説明した2ゾーンのレーシング構造が用いられたフットウェア
アセンブリの一例を示す図である。この例では、フットウェアアッパー1400は、内側
面1403および外側面1404、ならびに遠位(トウ)端部および近位(ヒール)端部
を有している。遠位端部は、トウボックスセクション1407を含み、近位端部はヒール
部分1406を含む。フットウェアアッパー1400は、フローティングテキスタイル層
(任意選択であり、不図示)、外層1402、およびフローティングタング1405を含
むこともできる。フローティングタング1405は、少なくとも外層1402のU字形の
切り欠きから形成されたスロート部分1411(スロートセクションともいう)に近接す
る、外層1402の足開口部1409から延びている。場合によっては、スロート部分1
411は構成が異なり、様々な切り欠き形状または代替材料のセクションを含む。スロー
ト部分全体により、フットウェアアセンブリの外甲および内甲側面部の部分が、互いに対
して移動することができる。別の例では、スロート部分1411を外層1402の被覆層
に組み込むことができ、したがってスロート部分1411およびレーシング構造は、外部
から見えないようになっている。場合によっては、スロート部分1411は、フローティ
ングテキスタイル層の切り欠きでもある。フットウェアアッパー1400は、フットウェ
アアッパー300を参照して説明した構造のいくつかまたはすべてを含み得るが、ここで
は、2ゾーンのレーシング構造を強調するためにより単純な方法で示されている。
【0092】
この例では、レーシング構造は、2つの異なるゾーンに分割されている。第1のゾーン
は、フットウェアアッパー1400のトウまたはフォアフット領域に作用する。第2のゾ
ーンは、フットウェアアッパー1400のミッドフット領域に作用する。第1のレーシン
グゾーンのレースケーブルは、濃い灰色の実線で示されており、第2のレーシングゾーン
のレースケーブルは、黒色の点線で示されている。これらの違いは、異なるレースのケー
ブルパスを区別するための例示目的に過ぎず、これらの詳細におけるレースケーブルは、
端部1420から端部1421まで延びる1本のケーブルである(端部は、アンカー位置
またはアンカーポイントとも呼ばれる)。あるいは、第1のレーシングゾーンと第2のレ
ーシングゾーンが異なるレースケーブルを使用する設計でも、通常、使用される材料は、
異なるゾーン間で共通である。第1のレーシングゾーンは、第1のレース端部1420か
らレースケーブル1410を案内するレースガイドを含み得る。この例では、第1のレー
ス端部1420は、アイステイ1408の遠位外甲部分に位置している。レースケーブル
1410は、第1のレース端部1420からスロート部分1411の遠位端部を横断し、
第1の内甲側レースガイド1440を通って送られる。レースケーブル1410は、第1
の内甲側レースガイド1440から、スロート部分1411を経由して戻り、第1の外甲
側レースガイド1430を通って送られる。レースケーブル1410は、第1の外甲側レ
ースガイド1430から、第2の外甲側レースガイド1431を通過し、第3の外甲側レ
ースガイド1432を通って送られる。レースガイドは、第1、第2、第3などとラベル
付けされているが、これは、スロート部分411の遠位端部から足開口部1409に向か
って近位に延びる順序を示すためである。任意選択で、レースケーブル1410は、第1
の外甲側レースガイド1430から第3の外甲側レースガイド143に行く途中で、材料
ガイド1422を通って送られ得る。第3の外甲側レースガイド1432から、レースケ
ーブル1410は、外向きタングレースガイド1417を通り、任意選択の材料ガイド1
422を通って外甲側ヒールレースガイド1451まで送られる。外甲側ヒールレースガ
イド1451は、レースケーブル1410を、外甲側レース出口1419を経由してミッ
ドソールプレート内に送る。
【0093】
第2のレースゾーンは、レースケーブル1410を第2の端部1421から内甲側レー
ス出口1418に送る、一連のレースガイドを含む。この例では、レースケーブル141
0は、アイステイ1408の外甲側の第2の端部1421から、第2の内甲側レースガイ
ド1441に送られている。レースケーブル1410は、第2の内甲側レースガイド14
41から、スロート部分1411を横断して第2の外甲側レースガイド1341に送られ
る。次いで、レースケーブル1410は、第2の外甲側レースガイド1431を通って、
スロート部分411を横断(3回目)して戻り、第3の内甲側レースガイド1442を通
って送られる。第3の内甲側レースガイド1442は、レースケーブル1410を内向き
タングレースガイド1416に送り、レースケーブルを内甲側ヒールレースガイド145
0に向かって送る。内甲側ヒールレースガイド1450に行く途中、レースケーブルは、
任意選択で材料レースガイド1424を通ることができる。内甲側ヒールレースガイド1
450から、レースケーブル1410は、内甲側レース出口1418を経由してミッドソ
ールプレート内に送られる。
【0094】
2ゾーンのレーシング構造は、スロート部1411の遠位端部と、近位端部との間で、
レースケーブル張力を不均一に分布させることを可能にする。第1のレーシングゾーンで
は、より少ないレースガイドに同じレースケーブル張力が加えられ、その結果、より小さ
な領域に張力が分散される。第2のレーシングゾーンでは、レースケーブル張力が、より
多くのレースガイドを備えるより大きな領域に分散される。ユーザは、2ゾーンのレーシ
ング構造により、フットウェアのトウ(フォアフット)領域によりタイトで高性能なフィ
ット感を体験することができる。特定のフットウェア用途において望まれるように、別の
複数ゾーンのレーシング構造を利用して、レースケーブル張力の分布を変化させることが
できる。
【0095】
この例では、レーシング構造は、タングレースガイドアセンブリ1415(または、単
にタングレースガイド1415)を含んでいる。タングレースガイド1415は、内甲向
きレースガイド1416および外甲向きレースガイド1417を含むことができる。内甲
向きレースガイド1416および外甲向きレースガイド1417は、単一の材料片から鋳
造または形成されるか、あるいは何らかの方法で結合された個別の構造とすることができ
る。特定の例では、内甲向きレースガイドおよび外甲向きレースガイドは、弾性部材44
0などの弾性部材で結合することができ、これにより、レースケーブル1418に張力が
加えられると、レースガイド間の分離が可能になる。特定の例では、内甲向きレースガイ
ド1416および外甲向きレースガイド1417は、タングレースガイド補強材に接着さ
れ得る。さらに別の例では、内甲向きレースガイドおよび外甲向きレースガイドは、ウェ
ビング材料上に配置され、ウェビング材料に包まれ、またはウェビング材料を介して連結
されている。タングレースガイド補強材は、伸縮性のない材料、伸縮性が制限された材料
、剛性材料、または弾性材料とすることができる。タングレースガイド補強材は、フロー
ティングタング1405に接着、ステッチ、または同様に固定することができる。場合に
よっては、タングレースガイド補強材は、パッド入りとし、あるいは同様に構成して、タ
ングレースガイドに加えられる力をより広い領域に分散して、ユーザのホットスポットを
回避することができる。別の例では、内甲向きレースガイド1416および外甲向きレー
スガイド1417は、弾性要素またはウェビングによって連結することができ、フローテ
ィングタング1405に対して浮動するものとすることができる。
【0096】
本開示の実施形態は、靴が足に締められたときに、靴の有効なばね剛性を調整すること
を目的とすることができる。フットウェアアッパーのレースシステムにおける図的な弾性
領域により、異なる締め付け速度が可能になる。例えば、非常に硬いレーシングシステム
は、非常に迅速に非常にタイトになり、着用者に不快感をもたらす可能性がある。レーシ
ングシステムおよび/またはフットウェアアッパーに意図的に加えられた弾性領域は、靴
のロックアウト剛性、トラベル、弾性率またはその他のパラメータを操作して、フットウ
ェアアッパーの足へのフィット感を調整することができる。したがって、足の上部および
後部(またはヒール)領域に弾性ゾーンを加えて、フットウェアアッパーが望ましい方法
で足に引き下げられるようにすることができる。例えば、弾性ゾーンは、フットウェアッ
パーの締め付けられていない材料の配置またはプリテンションを容易にすることができる
。これは、レーシング構造によって足に固定される材料のパラシュートと考えることがで
きる。ユーザは、フットウェア物品への要望、フットウェアの好みまたは用途に応じて、
レーシング機構を調整してフットウェア物品を調整し、様々な快適性または性能特性を持
たせることができる。
【実施例0097】
実施例1は、フットウェアアセンブリなどの主題を含むか、またはそれを使用すること
ができる。当該フットウェアアセンブリは:トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、
およびヒール部を含み、内甲側面部および外甲側面部がそれぞれ、トウボックス部からヒ
ール部まで近位に延びる、フットウェアアッパーと;内甲側面部の遠位外側部分に沿って
アンカーされた第1の端部と、外甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の
端部と、を備える、レースケーブルと;内甲側面部および外甲側面部に沿って分配配置さ
れた複数のレースガイドであって、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、レース
ケーブルの部分を受け入れるようになっており、レースケーブルが、複数のレースガイド
の各々を通って、フットウェアアッパーの内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターン
を形成する、レースガイドと;レースケーブルを、複数のレースガイドの内甲側部分によ
って形成されるパターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシ
ングエンジンに係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;レース
ケーブルを、当該レースケーブルがレーシングエンジンに係合できる位置から、複数のレ
ースガイドの外甲側部分によって形成されるパターンにルーティングする、外甲側近位レ
ースガイドと;複数のレースガイドの第1および第2のレースガイド間に延びる、第1の
弾性部材と、を含む。
【0098】
実施例2は、実施例1の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、第1の
弾性部材が、フットウェアアッパーの中心線部分を横断して、第1のレースガイドと第2
のレースガイドとを連結し得る構成を任意に含むことができる。
【0099】
実施例3は、実施例1もしくは2の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、フットウェアアッパーのヒール部
を横断して、第1のレースガイドと第2のレースガイドとを連結し得る構成を任意に含む
ことができる。
【0100】
実施例4は、実施例1~3の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、あるいはそ
れと任意に組み合わされて、複数のレースガイドの第3のレースガイドと第4のレースガ
イドとの間に延び得る、第2の弾性部材をさらに含む構成を任意に含むことができる。
【0101】
実施例5は、実施例1~4の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、あるいはそ
れと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、フットウェアアッパーのフィット特性を
変えるために弾性率を変化させる異なる弾性部材と交換可能であり得る構成を任意に含む
ことができる。
【0102】
実施例6は、実施例1~5の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、あるいはそ
れと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、レースケーブルの締め付け中に、トルク
対レース変位曲線を滑らかにするように機能し得る構成を任意に含むことができる。
【0103】
実施例7は、フットウェアアセンブリを含むことができるハウジング構造を含み得る、
フットウェアレーシング装置などの主題を含むか、またはそれを使用することができる。
当該フットウェアアセンブリは:トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒー
ル部を含み、内甲側面部および外甲側面部がそれぞれ、トウボックス部からヒール部まで
近位に延びる、フットウェアアッパーと;内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーさ
れた第1の端部と、外甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を
備える、レースケーブルと;内甲側面部および外甲側面部に沿って分配配置された複数の
レースガイドであって、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、レースケーブルの
部分を受け入れるようになっており、レースケーブルが、複数のレースガイドの各々を通
って、フットウェアアッパーの内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成する
、レースガイドと;レースケーブルを、複数のレースガイドの内甲側部分によって形成さ
れるパターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジ
ンに係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイドと;レースケーブルを
、当該レースケーブルがレーシングエンジンに係合できる位置から、複数のレースガイド
の外甲側部分によって形成されるパターンにルーティングする、外甲側近位レースガイド
と;フットウェアアッパーの第1および第2の部分間に延びる、第1の弾性部材と、を含
む。
【0104】
実施例8は、実施例7の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、第1の
弾性部材が、少なくともトウボックス部から足開口部まで近位に延びる弾性中心線部分を
含み、かつフットウェアアッパーの第1および第2の部分が、それぞれ内甲および外甲側
面部を含み得る構成を任意に含むことができる。
【0105】
実施例9は、実施例7もしくは8の1つまたは任意の組み合わせの主題を含み、あるい
はそれと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、足開口部の近位に延びる弾性ヒール
部分を含み、フットウェアアッパーの第1および第2の部分が、それぞれヒール部の内甲
および外甲側面部分を含み得る構成を任意に含むことができる。
【0106】
実施例10は、実施例1~9の1つまたは任意の組み合わせの主題を含み、あるいはそ
れと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、レースケーブルの締め付け中に、トルク
対レース変位曲線を滑らかにするように機能し得る構成を任意に含むことができる。
【0107】
実施例11は、実施例7~19の1つまたは任意の組み合わせの主題を含み、あるいは
それと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、フットウェアアッパー内の内部空間へ
のアクセスを可能にするために開口または拡張され得る構成を任意に含むことができる。
【0108】
実施例12は、フットウェアアセンブリを含み得るフットウェアレーシング装置などの
主題を含むか、またはそれを使用することができる。当該フットウェアアセンブリは:ト
ウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含み、内甲側面部および外甲
側面部がそれぞれ、トウボックス部からヒール部まで近位に延びる、フットウェアアッパ
ーと;内甲側面部の遠位外側部分に沿ってアンカーされた第1の端部と、外甲側面部の遠
位外側部分に沿ってアンカーされた第2の端部と、を備える、レースケーブルと;内甲側
面部および外甲側面部に沿って分配配置された複数のレースガイドであって、当該複数の
レースガイドの各レースガイドが、レースケーブルの部分を受け入れるようになっており
、レースケーブルが、複数のレースガイドの各々を通って、フットウェアアッパーの内甲
および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成する、レースガイドと;レースケーブル
を、複数のレースガイドの内甲側部分によって形成されるパターンから、当該レースケー
ブルがミッドソール内に配置されたレーシングエンジンに係合できる位置にルーティング
する、内甲側近位レースガイドと;レースケーブルを、当該レースケーブルがレーシング
エンジンに係合できる位置から、複数のレースガイドの外甲側部分によって形成されるパ
ターンにルーティングする、外甲側近位レースガイドと;フットウェアアッパーの第1の
部分と複数のレースガイドの第1のレースガイドとの間に延びる、第1の弾性部材と、を
含む。
【0109】
実施例13は、実施例12の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、フ
ットウェアアッパーの第1の部分がヒール部を含み、第1のレースガイドがヒール部に近
接して配置され得る構成を任意に含むことができる。
【0110】
実施例14は、実施例12または13の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、
あるいはそれと任意に組み合わされて、フットウェアアッパーの第1の部分が、フットウ
ェアアッパーの内甲側面部または外甲側面部のいずれか一方を含み、第1のレースガイド
が、アッパーのスロートに近接して配置され得る構成を任意に含むことができる。
【0111】
実施例15は、実施例12~14の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、フットウェアアッパーの第2の部分と複数のレースガ
イドの第2のレースガイドとの間に延びる、第2の弾性部材をさらに含み得る構成を任意
に含むことができる。
【0112】
実施例16は、実施例12~15の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、フットウェアアッパーのフィット
特性を変えるために弾性率を変化させる、異なる弾性部材と交換可能であり得る構成を任
意に含むことができる。
【0113】
実施例17は、実施例12~16の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1の弾性部材が、レースケーブルの締め付け中に、
トルク対レース変位曲線を滑らかにするように機能し得る構成を任意に含むことができる
【0114】
実施例18は、フットウェアアセンブリを含み得るフットウェアレーシング装置などの
主題を含むか、またはそれを使用することができる。当該フットウェアアセンブリは:ソ
ール構造と;トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を画定するフッ
トウェアアッパーであって、ソール構造に連結されて足を受容する内部空間を形成し、当
該内部空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する、フットウェアアッパーと;ソー
ル構造内に配置された、レーシングエンジンと;レーシングシステムであって:フットウ
ェアアッパーにアンカーされる内甲側および外甲側の端部、ならびにレーシングエンジン
を通る中央部分を有する、レースケーブルと;レースケーブルを、当該内甲側および外甲
側の端部とレーシングエンジンとの間でフットウェアアッパーに沿ってルーティングする
、複数のレースガイドと、を含む、レーシングシステムと;ヒール部に連結されて、内部
空間へのアクセスを容易にするように構成されたヒールチャネルと、を含む。
【0115】
実施例19は、実施例18の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、ヒ
ールチャネルが、ヒール部の内甲側部分と外甲側部分とを連結する弾性部材を含み得る構
成を任意に含むことができる。
【0116】
実施例20は、実施例18または19の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、
あるいはそれと任意に組み合わされて、弾性部材が、フットウェアアセンブリに連結され
ており、レースケーブルの締め付け中に、トルク対レース変位曲線を滑らかにするように
機能し得る構成を含むことができる。
【0117】
実施例21は、実施例18~20の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ヒールチャネルがジッパーを含み得る構成を任意に含
むことができる。
【0118】
実施例22は、実施例18~21の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ヒールチャネルが、ヒール部の内甲側部分および外甲
側部分にそれぞれ配置された面ファスナ材料のストリップを含み得る構成を任意に含むこ
とができる。
【0119】
実施例23は、フットウェアアセンブリを含み得るフットウェアレーシング装置などの
主題を含むか、またはそれを使用することができる。当該フットウェアアセンブリは:ソ
ール構造と;トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を画定するフッ
トウェアアッパーであって、ソール構造に連結されて足を受容する内部空間を形成し、当
該内部空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する、フットウェアアッパーと;ソー
ル構造内に配置された、レーシングエンジンと;レーシングシステムであって:フットウ
ェアアッパーにアンカーされる内甲側および外甲側の端部、ならびにレーシングエンジン
を通る中央部分を有する、レースケーブルと;レースケーブルを、当該内甲側および外甲
側の端部とレーシングエンジンとの間でフットウェアアッパーに沿ってルーティングする
、複数のレースガイドと、を含む、レーシングシステムと;フットウェアアセンブリに連
結されて、レースケーブルの締め付け中にトルク対レース変位曲線を滑らかにするように
機能する、弾性部材と、を含む。
【0120】
実施例24は、実施例23の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、弾
性部材が、レーシングエンジンがレースケーブルを締め付けた後に延びるように構成され
得る構成を任意に含むことができる。
【0121】
実施例25は、実施例23または24の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、
あるいはそれと任意に組み合わされて、弾性部材の弾性率が、フットウェアアッパーの弾
性率よりも低い構成を任意に含むことができる。
【0122】
実施例26は、実施例23~25の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、弾性部材が、カラーを広げるように構成され得る構成
を任意に含むことができる。
【0123】
実施例27は、実施例23~26の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、弾性部材が、複数のレースガイドの第1および第2の
レースガイドを連結し得る構成を任意に含むことができる。
【0124】
実施例28は、実施例23~27の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1および第2のレースガイドが、それぞれヒール部
の内甲側部分および外甲側部分に配置され得る構成を任意に含むことができる。
【0125】
実施例29は、実施例23~28の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1および第2のレースガイドが、それぞれフットウ
ェアアッパーの内甲側面部および外甲側面部に配置され得る構成を任意に含むことができ
る。
【0126】
実施例30は、実施例23~29の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1および第2のレースガイドが、フットウェアアッ
パーに対して浮くことができる構成を任意に含み得る。
【0127】
実施例31は、実施例23~30の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、弾性部材が、複数のレースガイドの第1のレースガイ
ドをシューアッパーの第1の部分に連結し得る構成を任意に含むことができる。
【0128】
実施例32は、実施例23~31の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1のレースガイドが、フットウェアアッパーの内甲
または外甲側面部のいずれかに配置され、シューアッパーの第1の部分が、ヒール部に配
置され得る構成を任意に含むことができる。
【0129】
実施例33は、実施例23~33の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1のレースガイドおよびシューアッパーの第1の部
分が、フットウェアアッパーの内甲または外甲側面部のいずれかに配置され、シューアッ
パーの第1の部分がスロートに配置され得る構成を任意に含むことができる。
【0130】
実施例34は、実施例23~33の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、第1および第2のレースガイドが、フットウェアアッ
パーに対して浮くことができる構成を任意に含み得る。
【0131】
実施例35は、実施例23~35の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、弾性部材が、シューアッパーの第1の部分と第2の部
分とを連結し得る構成を任意に含むことができる。
【0132】
実施例36は、実施例23~35の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、シューアッパーの第1の部分が外甲側面部を含み、シ
ューアッパーの第2の部分が内甲側面部を含み、弾性部材がヒール部にまたがり得る構成
を含むことができる。
【0133】
実施例37は、実施例23~36の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、シューアッパーの第1の部分が外甲側面部を含み、シ
ューアッパーの第2の部分が内甲側面部を含み、弾性部材がフットウェアアッパーのスロ
ート部分にまたがり得る構成を任意に含むことができる。
【0134】
実施例38は、実施例23~37の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レーシングシステムに組み込まれ得る複数の弾性部材
を任意に含むことができる。
【0135】
実施例39は、フットウェアアセンブリを含み得るフットウェアレーシング装置などの
主題を含むか、または使用することができる。当該フットウェアアセンブリは、トウボッ
クス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含み、内甲側面部および外甲側面部
がそれぞれ、トウボックス部からヒール部まで近位に延びる、フットウェアアッパーと;
トウボックスに近接するアッパーの内甲側面部に固定された、内甲側張力部材と;トウボ
ックスに近接するアッパーの外甲側面部に固定された、外甲側張力部材と;内甲側張力部
材に取り付けられた第1の端部と、外甲側張力部材に取り付けられた第2の端部と、を備
えるレースケーブルと;内甲側面部および外甲側面部に沿って分配配置された複数のレー
スガイドであって、当該複数のレースガイドの各レースガイドが、レースケーブルの部分
を受け入れるようになっており、レースケーブルが、複数のレースガイドの各々を通って
、フットウェアアッパーの内甲および外甲側面部の各々に沿ってパターンを形成する、レ
ースガイドと、を含む。
【0136】
実施例40は、実施例39の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、フ
ットウェアアッパーが、当該フットウェアアッパーの内甲側面部と外甲側面部とをフット
ウェアアッパーのスロート領域に沿って連結する弾性部材をさらに備え得る構成を任意に
含むことができる。
【0137】
実施例41は、実施例39または40の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、
あるいはそれと任意に組み合わされて、内甲側および外甲側張力部材がそれぞれ、フット
ウェアアッパーの内甲および外甲側面部のそれぞれに対して少なくとも部分的に浮くこと
ができる構成を任意に含み得る。
【0138】
実施例42は、実施例39~41の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、内甲側および外甲側張力部材の各々が:ロックアウト
ゾーンと;ストレッチゾーンと、を含み得る構成を任意に含むことができる。
【0139】
実施例43は、実施例39~42の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンがレースケーブルに連結され、ス
トレッチゾーンがフットウェアアッパーに連結され得る構成を任意に含むことができる。
【0140】
実施例44は、実施例39~43の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ストレッチゾーンの下端がフットウェアアッパーに連
結され得る構成を任意に含むことができる。
【0141】
実施例45は、実施例39~44の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンがフットウェアアッパーに対して
完全に浮くことができる構成を任意に含み得る。
【0142】
実施例46は、実施例39~45の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンが伸び抑制コーティングを含み得
る構成を任意に含むことができる。
【0143】
実施例47は、実施例39~46の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンおよびストレッチゾーンが、材料
の連続シートから構成され得る構成を任意に含むことができる。
【0144】
実施例48は、実施例39~47の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルの第1および第2の端部が、ロックア
ウトゾーンにおいて、内甲側および外甲側張力部材に縫合され得る構成を任意に含むこと
ができる。
【0145】
実施例49は、実施例39~48の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルが:フットウェアアッパーの内甲側面
部およびレースケーブルの第1の端部に連結される第1の近位部分と;フットウェアアッ
パーの外甲側面部およびレースケーブルの第2の端部に連結される第2の近位部分と;を
さらに含み、レースケーブルの第1の端部が内甲側張力部材に連結され、レースケーブル
の第2の端部が外甲側張力部材に連結され得る構成を任意に含むことができる。
【0146】
実施例50は、実施例39~49の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルの第1の端部および第2の端部が、フ
ットウェアアッパーのスロート領域を横切り得る構成を任意に含むことができる。
【0147】
実施例51は、実施例39~50の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルが:フットウェアアッパーの前記内甲
側面部および前記レースケーブルの前記第1の端部に連結された、第1の近位部分と;フ
ットウェアアッパーの前記外甲側面部および前記レースケーブルの前記第2の端部に連結
された、第2の近位部分と;をさらに含み、レースケーブルの前記第1の端部が、前記外
甲側張力部材に連結され、前記レースケーブルの前記第2の端部が、前記内甲側張力部材
に連結され得る構成を任意に含むことができる。
【0148】
実施例52は、実施例39~51の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルを、前記複数のレースガイドの内甲側
部分によって形成される前記パターンから、当該レースケーブルがミッドソール内に配置
されたレーシングエンジンに係合できる位置にルーティングする、内甲側近位レースガイ
ドと;レースケーブルを、当該レースケーブルが前記レーシングエンジンに係合できる位
置から、前記複数のレースガイドの外甲側部分によって形成される前記パターンにルーテ
ィングする、外側近位レースガイドと、をさらに含み得る構成を任意に含むことができる
【0149】
実施例53は、フットウェアアセンブリを含み得るフットウェアレーシング装置などの
主題を含むか、または使用することができる。当該フットウェアアセンブリは:ソール構
造と;トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を画定するフットウェ
アアッパーであって、前記ソール構造に連結されて足を受容する内部空間を形成し、当該
内部空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する、フットウェアアッパーと;ソール
構造内に配置された、レーシングエンジンと;トウボックス部に近接する前記フットウェ
アアッパーの前記内甲側面部に取り付けられた、内甲側フローティングオーバーレイと;
トウボックス部に近接する前記フットウェアアッパーの前記外甲側面部に取り付けられた
、外甲側フローティングオーバーレイと;レーシングシステムであって:内甲側および外
甲側フローティングオーバーレイにアンカーされる内甲側および外甲側の端部、ならびに
前記レーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブルと;レースケーブルを
、当該内甲側および外甲側の端部と前記レーシングエンジンとの間で前記フットウェアア
ッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、を含む、レーシングシステム
と、を含む。
【0150】
実施例54は、実施例53の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、レ
ースケーブルの内甲側の端部が内甲側フローティングオーバーレイに連結され、レースケ
ーブルの外甲側の端部が外甲側フローティングオーバーレイに連結され得る構成を任意に
含むことができる。
【0151】
実施例55は、実施例53もしくは54の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか
、あるいはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルの内甲側および外甲側の端部が
、内甲側面部と外甲側面部との間で、フットウェアアッパーのスロート領域を横切り得る
構成を任意に含むことができる。
【0152】
実施例56は、実施例53~55の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルの前記内甲側の端部が前記外甲側フロ
ーティングオーバーレイに連結され、前記レースケーブルの前記外甲側の端部が前記内甲
側フローティングオーバーレイに連結され得る構成を任意に含むことができる。
【0153】
実施例57は、実施例53~56の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部を
連結する弾性部材をさらに備え得る構成を任意に含むことができる。
【0154】
実施例58は、実施例53~57の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、内甲側および外甲側張力部材の各々が:ロックアウト
ゾーンと;ストレッチゾーンと、を含み得る構成を任意に含むことができる。
【0155】
実施例59は、実施例53~58の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトソーンが前記レースケーブルに連結され
、前記ストレッチゾーンが前記フットウェアアッパーに連結され得る構成を任意に含むこ
とができる。
【0156】
実施例60は、実施例53~59の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ストレッチゾーンの下端が前記フットウェアアッパー
に連結され得る構成を任意に含むことができる。
【0157】
実施例61は、実施例53~60の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンが前記フットウェアアッパーに対
して完全に浮くことができる構成を任意に含み得る。
【0158】
実施例62は、実施例53~61の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンが伸び抑制コーティングを含み得
る構成を任意に含むことができる。
【0159】
実施例63は、実施例53~62の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンおよびストレッチゾーンが材料の
連続シートを含み得る構成を任意に含むことができる。
【0160】
実施例64は、実施例53~63の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、レースケーブルの前記内甲側および外甲側の端部が、
ロックアウトゾーンにおいて、前記内甲側および外甲側張力部材にそれぞれ縫合され得る
構成を任意に含むことができる。
【0161】
実施例63は、フットウェアアセンブリを含み得るフットウェアレーシング装置などの
主題を含むか、または使用することができる。当該フットウェアアセンブリは:トウボッ
クス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を含むフットウェアアッパーであって
、前記内甲側面部および前記外甲側面部が、前記トウボックス部から前記ヒール部までそ
れぞれ近位に延びて、フットウェアアッパーのスロート領域を形成している、フットウェ
アアッパーと;トウボックスに近接する前記アッパーの前記内甲側面部に固定された、内
甲側張力部材と;トウボックスに近接する前記アッパーの前記外甲側面部に固定された、
外甲側張力部材と;内甲側張力部材に取り付けられた第1の端部と、前記外甲側張力部材
に取り付けられた第2の端部と、を備えるレースケーブルと;内甲側面部および前記外甲
側面部に沿って分配配置された複数のレースガイドと;を含み、レースケーブルは、前記
内甲側張力部材に位置する前記第1の端部から、前記スロート領域を横断して、前記外甲
側面部に沿って1つまたは複数のレースガイドを通って延び;レースケーブルは、前記外
甲側張力部材に位置する前記第2の端部から、前記スロート領域を横断して、前記内甲側
面部に沿って1つまたは複数のレースガイドを通って延びる。
【0162】
実施例65は、実施例64の主題を含むか、あるいはそれと任意に組み合わされて、フ
ットウェアアッパーが、当該フットウェアアッパーの前記内甲側面部と前記外甲側面部と
を該フットウェアアッパーの前記スロート領域に沿って連結する弾性部材をさらに備え得
る構成を含むことができる。
【0163】
実施例66は、実施例64もしくは65の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか
、あるいはそれと任意に組み合わされて、内甲側および外甲側張力部材がそれぞれ、前記
フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部のそれぞれに対して少なくとも部分的
に浮くことができる構成を任意に含み得る。
【0164】
実施例67は、実施例64もしくは65の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか
、あるいはそれと任意に組み合わされて、内甲側および外甲側張力部材の各々が:堅固な
ロックアウトゾーンと;弾性のストレッチゾーンと、を含み得る構成を任意に含むことが
できる。
【0165】
実施例68は、実施例64~67の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンが、前記レースケーブルに連結さ
れ、前記ストレッチゾーンが前記フットウェアアッパーに連結され得る構成を任意に含む
ことができる。
【0166】
実施例69は、実施例64~67の1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか、ある
いはそれと任意に組み合わされて、ロックアウトゾーンおよび前記ストレッチゾーンが、
材料の連続シートから構成され得る構成を任意に含むことができる。
【0167】
[その他の注意事項]
本明細書全体にわたって、複数の実例は、単一の実例として説明されたコンポーネント
、動作、または構造を実装し得る。1つまたは複数の方法の個々の動作は、別個の動作と
して図示および説明されているが、個々の動作の1つまたは複数を同時に実行することが
でき、また、必ずしも図示の順序で動作を実行する必要はない。例示的な構成において個
別のコンポーネントとして提示される構造および機能は、結合された構造またはコンポー
ネントとして実装されてもよい。同様に、単一のコンポーネントとして提示される構造お
よび機能は、個別のコンポーネントとして実装され得る。これらおよび他の変形例、修正
、追加、および改良は、本明細書の主題の範囲内に含まれる。
【0168】
特定の例示的な実施形態を参照して本発明の主題の概要を説明したが、本開示の実施形
態のより広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な修正および変更を加
えることができる。本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書において「発明」と
いう用語で個々にまたは集合的に言及される場合があるが、これは単に便宜的なものであ
り、実際に複数が開示されている場合、本出願の範囲を単一の開示または発明の概念に自
発的に限定することを意図するものではない。
【0169】
本明細書に示された実施形態は、当業者が開示された教示を実施できるように十分詳細
に説明されている。本開示の範囲から逸脱することなく構造的かつ論理的な置換および変
更を行うことができるように、他の実施形態を使用すること、およびそこから導出するこ
とができる。したがって、本開示は、限定的な意味でとられるべきではなく、様々な実施
形態の範囲は、開示された主題が権利を有し得る均等物の全範囲を含む。
【0170】
本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包括的または排他的な意味のい
ずれにも解釈され得る。また、本明細書において単一のインスタンスで説明されるリソー
ス、動作、または構造に対して、複数のインスタンスが提供されてもよい。さらに、様々
なリソース、動作、モジュール、エンジン、およびデータストア間の境界は幾分恣意的な
ものであり、特定の動作は、特定の例示的な構成の文脈で示されている。機能の他の割り
当てが想定されており、それらは本開示の様々な実施形態の範囲内に含まれ得る。一般に
、構成例で個別のリソースとして提示される構造および機能は、結合された構造またはリ
ソースとして実装することができる。同様に、単一のリソースとして提示される構造およ
び機能は、個別のリソースとして実装することができる。これらの、および他の変形、修
正、追加、および改良は、添付の特許請求の範囲によって表される本開示の実施形態の範
囲内に含まれる。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例示的な意
味にみなされるべきである。
【0171】
これらの非限定的な例の各々は、単独で使用することも、1つまたは複数の他の例と様
々な順列または組み合わせで合わせて使用することも可能である。
【0172】
上記の詳細な説明は、該詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含んでいる
。図面は、例示として、本発明を実施できる特定の実施形態を示している。本明細書にお
いて、これらの実施形態は、「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示または説明され
た要素に加えて複数の要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示また
は説明されている要素のみが提供される例を企図している。また、本発明者らは、特定の
例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、あるいは他の例(もしくはそのいず
れか)に関して、図示または説明した要素(またはその1つもしくは複数の態様)の任意
の組み合わせまたは順列を使用した例を企図している。また、本発明者らは、図示または
説明されている要素の任意の組み合わせまたは順列を使用した例(またはその1つ以上の
態様)、あるいは特定の例(またはその1つ以上の態様)、あるいは本明細書に図示また
は説明されている別の例(またはその1つ以上の態様)も企図している。
【0173】
本明細書および参照により組み込まれた任意の文書との間に矛盾した使用法がある場合
は、本明細書の使用法とする。
【0174】
本明細書において、不定冠詞(「a」または「an」)が使用される用語は、特許文書
で一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」といった他の
例または使用法とは無関係に、1つ以上を含む。本明細書において、「または」という用
語は、非排他的なものをいうように使用され、特に断りのない限り、「AまたはB」には
、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AおよびB」が含まれるよ
うに使用される。本明細書において、「含む(including)」および「その中で(in whic
h)」という用語は、「含む(comprising)」および「ここで(wherein)」という各用語
の平易な英語の同等語として使用される。また、以下の特許請求の範囲では、「含む(in
cluding)」および「含む(comprising)」という用語は、オープンエンドである。すな
わち、請求項内のそのような用語の後に挙げられたものに加えて要素を含む、システム、
デバイス、物品、組成物、製剤、またはプロセスが、依然として特許請求の範囲内にある
とみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲では、「第1の」、「第2の」および「第
3の」などの用語は、ラベルとしてのみ使用され、それらの対象に数値要件を課すことは
意図していない。
【0175】
本明細書に記載されるフットウェアアセンブリの例などの、方法(プロセス)の例は、
少なくとも部分的に機械またはロボットの実装を含むことができる。
【0176】
上記の説明は、例示することを意図しており、制限することを目的としていない。例え
ば、上記の例(またはその1つまたは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用すること
ができる。上記の説明を検討した当業者などにより、他の実施形態を使用することが可能
である。要約書が提供されている場合、該要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確
認できるようにするためのものである。それは、特許請求の範囲またはその意味を解釈ま
たは制限するために使用されないことを理解して提出される。また、上記の説明では、様
々な機能をグループ化して、開示を合理化している場合がある。これは、特許請求されて
いない開示された機能がいずれの請求項に不可欠であることを意図するものであると解釈
されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特
徴よりも少ないことにある場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または
実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は個別の実施形態として独立しており
、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは順列で互いに組み合わせることができ
ると考えられる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請
求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図7-4】
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図8-4】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットウェアアセンブリであって:
ソール構造と;
トウボックス部、内甲側面部、外甲側面部、およびヒール部を画定するフットウェアアッパーであって、前記ソール構造に連結されて足を受容する内部空間を形成し、当該内部空間へのアクセスを可能にするカラーを形成する、フットウェアアッパーと;
前記ソール構造内に配置された、レーシングエンジンと;
前記トウボックス部に近接する前記フットウェアアッパーの前記内甲側面部に取り付けられた、内甲側フローティングオーバーレイと;
前記トウボックス部に近接する前記フットウェアアッパーの前記外甲側面部に取り付けられた、外甲側フローティングオーバーレイと;
レーシングシステムであって:
前記内甲側および外甲側フローティングオーバーレイにアンカーされる内甲側および外甲側の端部、ならびに前記レーシングエンジンを通る中央部分を有する、レースケーブルと;
前記レースケーブルを、当該内甲側および外甲側の端部と前記レーシングエンジンとの間で前記フットウェアアッパーに沿ってルーティングする、複数のレースガイドと、
を含む、レーシングシステムと、
備えた、フットウェアアセンブリ
【請求項2】
前記レースケーブルの前記内甲側の端部が前記内甲側フローティングオーバーレイに連結され、前記レースケーブルの前記外甲側の端部が前記外甲側フローティングオーバーレイに連結されている、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項3】
前記レースケーブルの前記内甲側および外甲側の端部が、前記内甲側面部と前記外甲側面部との間で、前記フットウェアアッパーのスロート領域を横切っている、請求項に記載のフットウェアアセンブリ
【請求項4】
前記レースケーブルの前記内甲側の端部が前記外甲側フローティングオーバーレイに連結され、前記レースケーブルの前記外甲側の端部が前記内甲側フローティングオーバーレイに連結されている、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項5】
前記フットウェアアッパーの前記内甲および外甲側面部を連結する弾性部材をさらに備える、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項6】
前記内甲側および外甲側フローティングオーバーレイの各々が:
ロックアウトゾーンと;
ストレッチゾーンと、
を含む、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項7】
前記ロックアウトーンが前記レースケーブルに連結され、前記ストレッチゾーンが前記フットウェアアッパーに連結されている、請求項に記載のフットウェアアセンブリ
【請求項8】
前記ストレッチゾーンの下端が前記フットウェアアッパーに連結されている、請求項に記載のフットウェアアセンブリ
【請求項9】
前記ロックアウトゾーンが前記フットウェアアッパーに対して完全に浮いている、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項10】
前記ロックアウトゾーンが伸び抑制コーティングを含む、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項11】
前記ロックアウトゾーンおよび前記ストレッチゾーンが材料の連続シートを含む、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【請求項12】
前記レースケーブルの前記内甲側および外甲側の端部が、ロックアウトゾーンにおいて、前記内甲側および外甲側フローティングオーバーレイにそれぞれ縫合されている、請求項に記載のフットウェアアセンブリ。
【外国語明細書】