(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178919
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電動開閉窓
(51)【国際特許分類】
E05F 15/652 20150101AFI20231211BHJP
【FI】
E05F15/652
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091918
(22)【出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000131511
【氏名又は名称】株式会社シブタニ
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】藤井 誠
(72)【発明者】
【氏名】水野 高伸
(72)【発明者】
【氏名】小口 淳一
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052CA06
2E052DA08
2E052DB08
2E052EA16
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA02
2E052GB12
2E052GB13
2E052GC01
2E052GC02
2E052GC05
2E052GD01
2E052KA25
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよい電動開閉窓を提供する
【解決手段】枠体に設けられ電動装置によって枠体に沿って移動する被係合部材と、障子に設けられ被係合部材に係合する係合部材を備え、係合部材は、被係合部材の移動経路に突出して被係合部材に係合可能な位置と、被係合部材の移動経路から外れて被係合部材との係合が解除可能な位置とに移動自在であるとともに、移動経路に突出するように付勢されており、被係合部材は、係合部材との係合が解除された状態で枠体に沿って移動して移動経路に突出する係合部材に対して当接することで係合部材と係合できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に設けられる枠体と、枠体の内周に配置され摺動開閉可能な障子と、枠体に設けられ電動装置によって枠体に沿って移動する被係合部材と、障子に設けられ被係合部材に係合する係合部材を備え、
係合部材は、被係合部材の移動経路に突出して被係合部材に係合可能な位置と、被係合部材の移動経路から外れて被係合部材との係合が解除可能な位置とに移動自在であるとともに、移動経路に突出するように付勢されており、
被係合部材は、係合部材との係合が解除された状態で枠体に沿って移動して移動経路に突出する係合部材に対して当接することで係合部材と係合できる電動開閉窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に設置される引戸等の電動開閉窓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手動によって開閉することができる電動の開閉窓が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された窓において、手動によって開閉した後の処理については、特に考慮されてはいかなった。
本発明は、電動開閉窓において、手動操作によって窓を開放した後に、自動的に電動装置と障子との連結を復帰させて自動開閉を可能にして、使い勝手のよい電動開閉窓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の電動開閉窓は、建物の開口部に設けられる枠体と、枠体の内周に配置され摺動開閉可能な障子と、枠体に設けられ電動装置によって枠体に沿って移動する被係合部材と、障子に設けられ被係合部材に係合する係合部材を備え、係合部材は、被係合部材の移動経路に突出して被係合部材に係合可能な位置と、被係合部材の移動経路から外れて被係合部材との係合が解除可能な位置とに移動自在であるとともに、移動経路に突出するように付勢されており、被係合部材は、係合部材との係合が解除された状態で枠体に沿って移動して移動経路に突出する係合部材に対して当接することで係合部材と係合できる電動開閉窓である。
【発明の効果】
【0006】
本実施形態の建具によれば、電動開閉窓において、手動操作によって窓を開放した後に、自動的に電動装置と障子との連結を復帰させて自動開閉を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態の内動片引き窓装置の全体構成図である。
【
図2】一実施形態の内動片引き窓装置の上枠部分の図であり、(a)は一部側面図であり、(b)は一部正面図であり、(c)は電動モータ装置等を外した状態の一部側面図であり、(d)は電動モータ装置等を外した状態の一部正面図である。
【
図3】一実施形態の内動片引き窓装置の上枠部分の図であり、(a)は電動開閉装置の一部平面図であり、(b)は電動開閉装置の一部正面図であり、(c)は電動モータ装置等を外した状態の上枠部分の一部平面図であり、(d)は電動モータ装置等を外した状態の上枠部分の一部正面図である。
【
図4】一実施形態の内動片引き窓装置の上枠部分の図であり、(a)は一部平面図であり、(b)は一部正面図である。
【
図5】一実施形態の内動片引き窓装置の上枠部分の図であり、(a)は一部竪断面図であり、(b)は一部正面図である。
【
図6】一実施形態の内動片引き窓装置の連結装置の係合部の図であり、(a)ないし(g)は部品図であり、(h)ないし(j)は組立図である。
【
図7】一実施形態の内動片引き窓装置の連結装置の操作部の図であり、(a)は竪断面図であり、(b)ないし(e)は、(a)においけるAないしD断面図である。
【
図8】(a)ないし(e)は、一実施形態の内動片引き窓装置の連結装置の係合部の動作図である。
【
図9】一実施形態の内動片引き窓装置の図であり、一部開放時の図である。
【
図10】一実施形態の内動片引き窓装置の図であり、全開放時の図である。
【
図11】一実施形態の内動片引き窓装置の図であり、手動によって開放した時の図である。
【
図12】一実施形態の内動片引き窓装置の電動モードにおける制御フロー図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態の電動開閉窓について、電動により内障子が摺動開閉可能な内動片引き窓装置の例を用いて、図面を参考に説明する。
なお、以下の説明において、各装置を説明するために使用する方向は、建物開口部に設置した状態における方向を用いる。
【0009】
本実施形態の内動片引き窓装置は、
図1に示すように、内動片引き窓1と、内動片引き窓1の内障子12を開閉駆動する電動開閉装置2と、電動開閉装置2と内障子12を連結する連結装置3と、内障子12を閉鎖状態で拘束する電動クレセント4と、屋外の風速及び降雨を検知する検知装置5と、電動開閉装置2及び電動クレセント4を制御する制御ユニット6と、電動内動片引き窓を操作する操作装置7を備えている。
【0010】
-内動片引き窓-
内動片引き窓1は、
図1に示すように、建物開口部に配置される枠体11と、枠体11の内周で室内側から見て左側に固定される外障子13と、枠体11の内周に左右方向に摺動自在に配置される内障子12を有している。
【0011】
枠体11は、アルミ等の金属材料からなる上枠111、下枠112及び左、右竪枠113,114を四周に組んで形成されている。
内、外障子12,13は、アルミ等の金属材料からなる上框121(外障子13の上框は符号を付していない)、下框122,132、左竪框123,133及び右竪框124,134を四周に組んでなる框体の内周にガラス等のパネル体を装着して形成されている。
【0012】
-電動開閉装置-
電動開閉装置2は、
図1,
図2(a)(b)に示すように、上枠111の左側端部に固定される電動装置21と、上枠111の室内側面に左右(長手)方向に沿って配置され回転自在に支持されるスライドレール22と、上枠111の室内側面に左右(長手)方向に移動自在に配置されスライドレール22の回転に伴って上枠111に沿って左右方向に移動する駒部材(被係合部材)23と、電動装置21及びスライドレール22を上枠111の室内側面に取付けるためのブラケット24及び軸受け25を有している。
【0013】
また、電動開閉装置2は、左右方向に移動した駒部材23が当接することで内障子12の開閉状態を検出するリミットスイッチからなる閉検知センサ26a,一部開検知センサ26b及び全開検知センサ26cを有している。
【0014】
ブラケット24は、スチール等の金属材料からなる左右方向に長い長尺の部材であり、
図2(c)(d),
図3(c)(d)に示すように、見付部24aと、見付部24aの上端が屈曲して屋内側に延びる上壁部24bを有しており、見付部24aを上枠111の室内側見付壁111aの室内側面に当接させ、上壁部24bを上枠111のアングル部111bの下面に当接させた状態で上枠111に固定されている。
【0015】
ブラケット24は、見付部24aの左端が上壁部24bの左端よりも左側に延びて形成されており、見付部24aの左端部には、電動装置21を取り付けるための支持上壁24c及び支持下壁24dが室内方向に延びて形成されている。また、ブラケット24の右端部には、スライドレール22の右端部を回転自在に支持する軸受け25が設けられている。
【0016】
電動装置21は、
図3(a)(b),
図4(a)(b)に示すように、電動モータが内蔵される電動モータ部21aと、電動モータの回転をスライドレール22に伝達する動力伝達部21bと、電動装置21をブラケット24に固定するための取付部21cを有しており、動力伝達部21bによってスライドレール22の一端を動力伝達自在に保持している。
【0017】
そして、電動装置21は、取付部21cをブラケット24の支持上壁24c及び支持下壁24dの間に挿入し、ビス等の固定手段によってブラケット24を介して上枠111に固定されている。
【0018】
スライドレール22は、
図2(b)に示すように、表面にねじが切られた丸棒状の部材であり、左竪枠側の端部が電動装置21の動力伝達部21bに回転自在に支持され、右竪枠側の端部が軸受け25に回転自在に支持されており、電動装置21の動力伝達部21bから伝達される力によって正回転及び逆回転する。
スライドレール22の左側部位には、所定以上の回転負荷がかかった時に動力の伝達を切断するトルクリミッター22aが設けられている。
【0019】
駒部材23は、
図5(a)(b)に示すように、樹脂材料からなり矩形ブロック状の短尺部材である駒部材本体23aを有し、駒部材本体23aには左右方向に貫通するネジ孔23bが形成されている。また、駒部材23は、駒部材本体23aの上面室内側に上方に突出する突出部23cが設けられているとともに、駒部材本体23aの室内側面にローラピン部23dが取り付けられている。なお、ローラピン部23dは、位置調節台座23eを介して駒部材本体23aに取付けられており、ローラピン部23dの取付位置が調節自在となっている。
【0020】
駒部材23は、ネジ孔23bにスライドレール22を貫通させてスライドレール表面のねじに螺合させた状態で、突出部23cの上面がブラケット24の上壁部24bの下面に当接することによって、スライドレール22の回転によって回転することなく、左右方向に移動することができる。
なお、駒部材23の屋外側面とブラケット24の見付部24aとの間に空間sが形成されており、配線等のスペースとなっている。
【0021】
閉検知センサ26a,一部開検知センサ26b及び全開検知センサ26cは、
図2(b)に示すように、ブラケット24の上壁部24bの下面の適宜位置に取付けられており、各センサの室内側面にセンサ部が設けられ、センサ部に駒部材23の突出部23cの室外側面が当接することで、駒部材23を検知することができる。
【0022】
閉検知センサ26aは、内障子12が閉鎖位置にあることを検知し、制御ユニット6に閉信号を出力する。
一部開検知センサ26bは、内障子12が一部開放(例えば、300mm開放)位置にあることを検知し、制御ユニット6に一部開信号を出力する。
全開検知センサ26cは、内障子12が全開放位置にあることを検知し、制御ユニット6に全開信号を出力する。
【0023】
そして、電動開閉装置2は、電動装置21を正回転もしくは逆回転することによって、動力伝達部21bを介してスライドレール22を回転させ、駒部材23を左右方向に移動することができ、各センサ26によって駒部材23の位置を検知することができる。
【0024】
-連結装置-
連結装置3は、
図1に示すように、内障子12の左竪框123の中空部内に配置され、左竪框123の上端から電動開閉装置2の駒部材23の移動経路に突出して駒部材23に係合可能な係合部材31と、内障子12の左竪框123の中空部内に配置され左竪框123の室内側面から操作可能な操作部32と、操作部32と係合部材31を連結して操作部32による係合部材31の上下動を可能にする連結バー33を有している。
【0025】
係合部材31は、
図5(a)(b),
図6に示すように、駒部材23のローラピン部23dに係合可能なラッチプレート311と、ラッチプレート311を上下動自在に支持する連結プレート312と、ラッチプレート311の連結プレート312との間に配置されてラッチプレート311が上下動する際の摩擦を低減させる樹脂スラセ313を有している。
【0026】
ラッチプレート311は、スチール等の金属材料からなり、
図6(a)(b)に示すように、平板状の本体部311aと、本体部311aの左右両側縁が屋外側に屈曲してなる左右の側壁部311b,311bと、本体部311aの下端中央部より室外側に屈曲して室外側に延びるばね受け部311cを有している。
【0027】
ラッチプレート311の本体部311aの上方中央部には、上方に開口して駒部材23のローラピン部23dに係合可能な係合溝部311dが形成されており、本体部311aの係合溝部311dの左右両側は外方に行くにしたがって下方に傾斜する傾斜部311e,311eが形成されている。
【0028】
また、ラッチプレート311は、本体部311aの中央に上下に並んで摺動ピン314を固定するためのねじ孔311f、311fが形成されているとともに、本体部311aの室外側面の四隅には樹脂スラセ313を固定するための嵌合孔311gが形成されている。
【0029】
樹脂スラセ313は、ポリアセタール等の樹脂材料からなり、ラッチプレート311の本体部311aの室外側面に配置される本体部313aと、本体部313aの左右両側の屋外側に形成された係合腕部313b,313bを有している。
樹脂スラセ313は、本体部313aの中央にラッチプレート311のねじ孔311f、311fにあわせて孔313c,313cが形成されており、本体部313aの室内側面の四隅にはラッチプレート311の嵌合孔311gに嵌合する突起313dが形成されている。
【0030】
そして、ラッチプレート311の本体部311aに対して、樹脂スラセ313の本体部313aを屋外側から当接して樹脂スラセ313の突起313dをラッチプレート311の本体部311aの嵌合孔311gに嵌合するとともに、樹脂スラセ313の係合腕部313b,313bをラッチプレート311の側壁部311b,311bに係合することによってラッチプレート311の屋外側に樹脂スラセ313を取り付けることができる。
【0031】
連結プレート312は、スチール等の金属材料からなり、
図6(e)(f)(g)に示すように、平板状の本体部312aと、本体部312aの左右両側縁が屋外側に屈曲してなる左右の側壁部312b,312bを有している。
連結プレート312は、本体部312aの略中央位置に矩形の孔部312cが形成されており、孔部312cの下辺から屈曲して屋外側に延びるばね受け部312dが形成されている。
【0032】
連結プレート312は、本体部312aの孔部312cの上方位置に上下に並ぶ二つの長孔312e,312eが形成されており、孔部312cの下方位置に上下に並ぶ三つのビス止め孔312fが形成されている。
【0033】
そして、
図6(h)(i)(j)に示すように、ラッチプレート311に取付けられた樹脂スラセ313の係合腕部313b,313bの間隔は、連結プレート312の左右の側壁部312b,312bの間隔よりも広く形成されており、樹脂スラセ313を取り付けたラッチプレート311を連結プレート312の本体部312aの屋内側から当接するとともに、連結プレート312の屋外側から長孔312e,312eを通してラッチプレート311のねじ孔311f、311fに摺動ピン314,314を固定することで、連結プレート312に対してラッチプレート311が上下動自在に一体化してされている。なお、摺動ピン314,314をラッチプレート311に固定するには、ねじ孔311f、311fに摺動ピン314,314を螺合してもよいし、カシメ等を用いても構わない。
【0034】
なお、摺動ピン314,314は、連結プレート312の長孔312e,312eの短辺よりも大きな頭部314aを有しており、摺動ピン314,314が長孔312e,312eから抜けることはない。
【0035】
一体化されたラッチプレート311のばね受け部311cと連結プレート312のばね受け部312dとの間にばね部材315が配置されることで、連結プレート312に対してラッチプレート311が上下動自在及び上方に付勢され、係合部材31が形成されている。
【0036】
操作部32は、
図7に示すように、アルミ合金等の金属材料からなり略矩形中空部を有する案内部材321と、内障子12の左竪框123の屋内側面に上下動自在に配置される操作レバー322と、スチール等の金属材料からなり案内部材321の中空部内に固定されるばね保持部材323と、樹脂材料からなりばね保持部材323に上下動自在に保持されるとともに操作レバー322に連結される作動駒324を有している。
【0037】
案内部材321は、内障子12の左竪框123の中空部内の室内側寄りで操作部32が配置される部位に配置されており、ビスb1等によって固定されている。
案内部材321は、室内側壁に、操作レバー322の連結部322cが貫通する長孔321aが形成されている。
【0038】
操作レバー322は、樹脂材料からなり、左竪框123の屋内側面に配置されてガイドカバー325によって上下動自在に保持される本体部322bと、ガイドカバー325の室内側に突出するレバー部322aと、本体部322bの屋外側から屋外側に突出する連結部322cを有している。
操作レバー322の連結部322cは、左竪框123の屋内側壁に形成された長孔及び案内部材321の屋内側壁に形成された長孔321aを貫通して案内部材321の中空内部に至っている。
なお、操作レバー322は、ガイドカバー325との間に配置されたスプリング322dによって上方に向かって付勢されていてもよい。
【0039】
ばね保持部材323は、スチール等の金属材料からなり、屋外側壁部323aと、屋外側壁部323aの左右両側が屋内側に屈曲して連続する左、右側壁部323b,323bと、屋外側壁部323aの下端が屋内側に屈曲して連続する底壁部323cを有しており、案内部材321の中空部内にビスb2等によって固定されている。
ばね保持部材323は、底壁部323cに作動駒324の下端部が貫通する貫通孔323eが形成されている。
【0040】
作動駒324は、樹脂材料からなり、ばね保持部材323の内側に上下動自在に案内される本体部324aと、本体部324aの上方に連続する連結バー取付部324bと、本体部324aの下方に連続する案内棒部324cを有している。
作動駒324は、本体部324aの中央に操作レバー322の連結部322cが嵌合する嵌合孔324dが屋内外方向に貫通して形成されており、嵌合孔324dの上下には左右方向に貫通し上下方向に長い長孔324e,324eが形成されている。
【0041】
そして、作動駒324は、ばね保持部材323の屋外側壁部323aと左、右側壁部323b,323bによって形成される空間において案内棒部324cがばね保持部材323の貫通孔323eを貫通するように配置され、作動駒324の本体部324aに形成された長孔324e,324eにばね保持部材323の左、右側壁部323b,323bに固定されたピン部材323fが挿入されることで、作動駒324は、ばね保持部材323に対して上下動自在に配置されている。
【0042】
作動駒324の本体部324aとばね保持部材323の底壁部323cとの間にばね部材326が配置されており、作動駒324がばね保持部材323に対して上方に付勢された状態で保持されている。
【0043】
操作レバー322は、連結部322cが案内部材321の長孔321aを貫通して、ばね保持部材323に保持された作動駒324の嵌合孔324dに嵌合されており、操作レバー322を下方への操作することによって、ばね部材326による付勢力に逆らって作動駒324を下方に移動させることができる。
【0044】
連結バー33は、
図5(a)(b),
図7(a)(b)に示すように、断面略矩形の中空長尺部材からなり、上端が係合部材31の連結プレート312のビス止め孔312fにビスb3等によって固定されており、下端が操作部32の作動駒324の連結バー取付部324bにビスb4等によって固定されており、操作部32と係合部材31を連結し、操作部32の操作による係合部材31の上下操作を可能にしている。
【0045】
-電動クレセント-
電動クレセント4は、内障子12の左竪框123に固定され電動モータ等によって回動するクレセント錠と、外障子13の右竪框124に固定されたクレセント受と、電動クレセント4が施錠状態にあるか解錠状態にあるかを検出し、施錠もしくは解錠状態を示す信号を制御ユニット6に出力する施錠検知センサ4aを有しており、電動によって施錠操作及び解錠操作が可能なクレセントである。
なお、電動クレセント4は、例えば電動解除スイッチを設けることなどによって、電動モータによる負荷を感じることなく手動で操作することもできる。
【0046】
-検知装置-
本実施形態の検知装置5は、例えば風速を検知する風速センサ501や降雨の有無を検知する降雨センサ502である。
各検知装置5は、所定時間(例えば1分)ごとに検知対象を測定し、検知結果を制御ユニット6に出力する。なお、各検知装置5は、検知対象が検知されることをトリガーとして、検知結果を制御ユニット6に出力するように構成してもよい。
【0047】
-制御ユニット-
本実施形態の制御ユニット6は、内動片引き窓装置全体を制御するコンピュータである。
例えば、制御ユニット6は、各検知装置5から入力される情報に基づいて、片引き窓の内障子12の開閉をしたり、電動クレセント4の施錠、解錠をしたりする。
【0048】
-操作装置-
本実施形態の操作装置7は、内動片引き窓に対するコマンドボタンを備える装置であり、制御ユニット6と一体的に形成しても、別体に形成してもよい。
操作装置7が備えるコマンドボタンとしては、例えば、内動片引き窓の運転モードを選択する「自動運転ボタン」及び「手元運転ボタン」や、手元運転時に操作する「開ボタン」、「閉ボタン」及び「停止ボタン」等があり、操作装置7は、ユーザによって操作されたボタンに関する情報を制御ユニット6に出力する。
【0049】
-電動開閉装置の駒部材(被係合部材)と連結装置の係合部材の係脱-
本実施形態の内動片引き窓装置は、通常時には、操作部32のばね保持部材323の底壁部323cと作動駒324の本体部324aとの間に配置されたばね部材326の反発力によって作動駒324、連結バー33及び係合部材31が上方に付勢されている。
そして、連結装置3の係合部材31は、
図8(a)に示すように、駒部材23のローラピン部23dの移動経路に突出して、ローラピン部23dに係合部材31のラッチプレート311の係合溝部311dが係合している。
したがって、内障子12の左竪框123は電動開閉装置2の駒部材23と一緒に左右方向に移動させることができ、電動装置21を駆動することによって内障子12を自動開閉することができる。
【0050】
内障子12を手動で開閉する際には、操作部32の操作レバー322をばね部材326の付勢力に逆らって下方に操作することで、
図8(b)に示すように、係合部材31全体が下方に移動して駒部材23のローラピン部23dの移動経路から外れ、駒部材23のローラピン部23dとラッチプレート311の係合溝部311dの係合が解除可能となり、内障子12を電動開閉装置2の電動装置21による負荷を感じることなく手動で開閉することができる。
手動によって内障子12を移動した後に操作部32の操作レバー322を放せば、
図8(c)に示すように、係合部材31は、ばね部材326の付勢力によって駒部材23のローラピン部23dの移動経路に突出する。
【0051】
手動によって開放した内障子12は、手動によって開閉することもできるが、電動開閉装置2によっても開閉することができる。
具体的には、電動開閉装置2の電動装置21を駆動して駒部材23を係合部材31の上方位置に動かしていくと、やがて駒部材23のローラピン部23dがラッチプレート311の本体部311aの上部に形成された傾斜部311eに当接する。
【0052】
その後、さらに駒部材23を係合部材31の上方位置に移動していくと、
図8(d)に示すように、ローラピン部23dがラッチプレート311の傾斜部311eに乗り上げてラッチプレート311をばね部材315の付勢力に逆らって押し下げ、やがて
図8(e)に示すように、ローラピン部23dが傾斜部311eを乗り越え、
図8(a)に示すように、ローラピン部23dが係合溝部311dに係合する。
【0053】
なお、手動によって開放した内障子12を手動によって閉鎖する時にも、同様に、駒部材23のローラピン部23dが係合部材31に自動的に係合することで、それ以降の電動開閉装置2による開閉を可能にしている。
【0054】
以上のように、本実施形態の内動片引き窓は、内障子12を電動開閉装置2の電動装置21による負荷を感じることなく手動で開閉できるとともに、手動操作後には電動開閉装置2及び連結装置3を自動的に連結して、内障子12を自動開閉することができる。
【0055】
-内動片引き窓装置の運転モード-
本実施形態の内動片引き窓装置は、検知装置5の検知結果に基づいて自動的に内動片引き窓1の開閉を制御する自動運転モードと、ユーザの操作に応じて内動片引き窓1の開閉を制御する手元運転モードの二つの電動開閉モードと、手動により内動片引き窓1の開閉を行う手動開閉モードに設定可能であり、それぞれのモードにおいて片引き窓の開閉を行うことができる。
【0056】
(自動運転モード)
自動運転モードは、検知装置5の検知結果に応じて内動片引き窓1の開閉を制御する運転モードである。
内動片引き窓装置の制御ユニット6は、自動運転モードにおいて、風雨が強いなどの悪天候時には、内動片引き窓1の閉鎖処理を実行する。
【0057】
例えば、制御ユニット6は、自動運転モードにおいて、風速センサ501から屋外の風速が所定以上の風速であることを示す信号が入力された場合もしくは降雨センサ502から降雨を検知したことを示す信号が入力された場合には、内動片引き窓1の閉鎖処理を実行する。
【0058】
閉鎖処理において、制御ユニット6は、電動開閉装置2の電動装置21を閉方向に駆動する。電動装置21の閉方向への駆動は、閉検知センサ26aが内障子12の閉鎖を検知して閉信号が出力されるまで続けられる。
【0059】
制御ユニット6は、閉検知センサ26aが出力した閉信号が入力されると、電動装置21の駆動を停止して、電動クレセント4を施錠方向に駆動する。電動クレセント4の施錠方向への駆動は、施錠検知センサ4aによって電動クレセント4の施錠状態が検知され、施錠状態にあることを示す施錠信号が出力されるまで続けられる。
【0060】
制御ユニット6は、施錠検知センサ4aが出力した施錠信号が入力されると、電動クレセント4の駆動を停止して内動片引き窓1の閉鎖処理を完了する。
【0061】
一方、制御ユニット6は、自動運転モードにおいて、好天時には、内動片引き窓1の一部開放処理を実行する。
たとえば、制御ユニット6は、自動運転モードにおいて、風速センサ501からの屋外の風速が所定以上である信号及び降雨センサ502からの降雨を検知したことを示す信号が入力されない場合は、内動片引き窓1の一部開放処理を実行する。
【0062】
一部開放処理において、制御ユニット6は、電動開閉装置2の電動装置21を所定時間閉方向に駆動した後に、電動クレセント4を解錠方向に駆動する。電動クレセント4の解錠動作は、施錠検知センサ4aによって電動クレセント4の解錠状態が検知され、解錠状態にあることを示す解錠信号が出力されるまで続けられる。
【0063】
制御ユニット6は、施錠検知センサ4aが出力した解錠信号が入力されると、電動装置21を開方向に駆動する。電動装置21の開方向への駆動は、
図9に示すように、内障子12が一部開放し一部開検知センサ26bに駒部材23が当接して一部開信号が出力するまで続けられる。
【0064】
制御ユニット6は、一部開検知センサ26bが出力した一部開信号が入力されることによって電動装置21の駆動を停止して、一部開放処理を完了する。
【0065】
なお、天候の急変などの可能性があるので、自動運転モードにおいては、内動片引き窓1の開放は、一部開放(例えば開口幅300mm程度)にとどめておくことが好ましいが、全開放するまで内障子12の開放を続けるようにしてもよい。
【0066】
(手元運転モード)
手元運転モードは、ユーザが操作装置7を用いて内動片引き窓1の開閉操作を行うことのできる運転モードである。
制御ユニット6は、手元運転モードにおいて、風雨が強いなどの悪天候時には、内動片引き窓1の閉鎖処理を実行する。
【0067】
例えば、制御ユニット6は、手元運転モードにおいて、風速センサ501から屋外の風速が所定以上の風速であることを示す信号が入力された場合もしくは降雨センサ502から降雨を検知したことを示す信号が入力された場合には、内動片引き窓1の閉鎖処理を実行する。
なお、手元運転モードにおける閉鎖処理は、自動運転モードにおける閉鎖処理と同様であるので、説明は省略する。
【0068】
一方、制御ユニット6は、手元運転モードにおいて、風速センサ501からの屋外の風速が所定以上である信号が入力されない場合で、ユーザによって操作装置7の「開ボタン」が操作されて内障子12の開放命令がなされた場合には、内動片引き窓1の全開処理を実行する。
【0069】
全開処理において、制御ユニット6は、電動開閉装置2の電動装置21を所定時間閉方向に駆動した後に、電動クレセント4を解錠方向に駆動する。
電動クレセント4の解錠動作は、施錠検知センサ4aによって電動クレセント4の解錠状態が検知され、解錠状態にあることを示す解錠信号が出力されるまで続けられる。
【0070】
制御ユニット6は、施錠検知センサ4aから解錠信号が入力されると、電動装置21を開方向に駆動する。電動装置21の開方向への駆動は、
図10に示すように、内障子12が全開し、全開検知センサ26cに駒部材23が当接して全開信号が出力するまで続けられる。
【0071】
制御ユニット6は、全開検知センサ26cが出力した全開信号を入力されることによって電動装置21の駆動を停止して、全開処理を完了する。
【0072】
また、制御ユニット6は、手元運転モードにおいて、風速センサ501からの屋外の風速が所定以上である信号が入力されない場合で、ユーザによって操作装置7の「閉ボタン」が操作されて内障子12の閉鎖命令がなされた場合には、内動片引き窓1の閉鎖処理を実行する。
なお、手元運転モードにおける閉鎖処理は、自動運転モードにおける閉鎖処理を同様であるので、説明は省略する。
【0073】
また、制御ユニット6は、手元運転モードにおいて、風速センサ501からの屋外の風速が所定以上である信号が入力されない場合で、ユーザによって操作装置7の「停止ボタン」が操作されて内障子12の停止命令がなされると、内動片引き窓1の停止処理を実行し、電動開閉装置2の電動装置21を停止する。
【0074】
(手動開閉モード)
内動片引き窓1は、ユーザが連結装置3の操作レバー322を下方に操作することで、電動開閉装置2の駒部材23と連結装置3の係合部材31との係合を解除して手動開閉モードに移行することができる。
手動開閉モードにおいて、ユーザは内障子12を手動によって開閉することができ、
図11に示すように、任意の位置で停止することができる。
【0075】
なお、操作レバー322を操作して手動開閉モードに移行するに先立って、電動クレセント4を解錠しておくことが好ましい。電動クレセント4の解錠は、電動による自動解錠によって行ってもよく、また、手動によって電動クレセント4を解錠してもよい。
【0076】
電動クレセント4を解錠した状態で操作レバー322を下方に操作し、内障子12を左方向に移動させることで、内障子12を開放することができる。
また、開放した内障子12を閉鎖位置に移動させることで、連結装置3の係合部材31と電動開閉装置2の駒部材23を係合することができ、自動運転モードもしくは手元運転モードに復帰することができる。
【0077】
なお、手動開閉モードにおいて開放された内障子12は、例えば所定時間後に自動的に閉鎖するようにしてもよい。
制御ユニット6は、手動開閉モードが所定時間経過することもしくは所定時刻になることによって、電動開閉装置2の駒部材23を連結装置3の係合部材31の上方位置に移動させて駒部材23と係合部材31を係合させるとともに、閉鎖処理を実行するようにしてもよい。
【0078】
例えば、所定時間後に、駒部材23を一旦全開位置まで移動することで電動開閉装置2の駒部材23と係合部材31を係合し、その後、駒部材23を閉方向に移動することで、内窓12を閉鎖することができる。
なお、上記手動開閉モードにおける閉鎖処理は、風雨が強いなどの悪天候時に実行するようにしてもよい。
【0079】
-内動片引き窓装置における開閉制御―
本実施形態の内動片引き窓装置における電動駆動モードの制御フローの一例について、
図12に示すフローを示しながら説明する。
【0080】
内動片引き窓装置は、電源が入ると、ステップS101において、内動片引き窓装置が自動運転モードであるか、手元運転モードであるかを確認する。運転モードの切り替えは、ユーザが操作装置7のモード選択ボタンを選択することで行うことができる。
【0081】
(自動運転モード)
内動片引き窓装置は、自動運転モードが選択されている場合には、ステップS102に進み、風速センサ501によって検知された風速が閾値a以上であるか否かを確認する。
【0082】
内動片引き窓装置は、風速センサ501によって検知された風速が閾値a以下である場合には、ステップS103に進み、降雨センサ502によって降雨が検知されたか否かを確認する。一方、風速センサ501によって検知された風速が閾値a以上である場合には、ステップS105に進む。
【0083】
内動片引き窓装置は、ステップS103において、降雨が検知されていない場合には、ステップS104に進んで、内動片引き窓1の内障子12の一部開放処理を実行して、ステップS101に戻る。
【0084】
内動片引き窓装置は、ステップS105において、内障子12の閉鎖処理を実行する。
内動片引き窓装置は、内障子12の閉鎖処理を実行と同時に計時して、その後30分経過するまで閉鎖状態を維持し、30分経過したらステップS101に戻る(ステップS106)。
【0085】
(手元運転モード)
一方、内動片引き窓装置は、手元運転モードが選択されている場合には、ステップS112に進み、風速センサ501によって検出された風速が閾値a以上であるか否かを確認する。
【0086】
内動片引き窓装置は、風速センサ501によって検出された風速が閾値a以上である場合には、ステップS117に進み、内障子12の閉鎖処理を実行する。
一方、内動片引き窓装置は、風速センサ501によって検出された風速が閾値a以下である場合には、ステップS113に進み、ユーザによって選択された内動片引き窓1の操作を確認する。
【0087】
内動片引き窓装置は、ユーザによって選択された命令が内障子12の開放である場合には、内障子12の全開放処理を実行し、選択された命令が内障子の閉鎖である場合には、内障子12の閉鎖処理を実行し、選択された命令が内障子の停止である場合には、内障子12の開放処理もしくは閉鎖処理を中止してステップS101に戻る。
【0088】
ステップS117において、内障子12の閉鎖処理を実行した内動片引き窓は、処理を実行すると同時に計時して、その後30分経過するまで閉鎖状態を維持し、30分経過したらステップS101に戻る(ステップS118)。
以上、本実施形態の内動片引き窓装置における電動駆動モードの制御フローの一例についてについて説明した。
【0089】
-実施形態の自然換気窓システムの効果-
以上のように、本実施形態の内動片引き窓は、電動による開閉モードと手動による開閉もーとを簡単に切り替えることができ、使い勝手が良い。
そして、手動による開閉モードにおいても、電動による開閉モードに自動的に復帰させることができるので、窓の締め忘れなども防止することができる。
【0090】
なお、手元運転モードにおいて、風速が所定値以上の場合や降雨の場合などの悪天候等の場合は、閉鎖の操作のみを受け付けて、開放や停止の操作は受け付けない構成としても良い。
【0091】
また、上述の実施形態では、駒部材23の突出部23cが各センサ26に当接することで駒部材の位置を検知するようにしたが、その他の実施形態として、駒部材23上に替えて内障子12の左竪框123上または係合部材31上に突出部を設けて、この突出部が各センサ26と当接する構成としてもよい。この場合、電動開閉装置2を所定方向に回転させても、内障子12が目標とする位置(閉鎖、一部開放または全開位置)に到達したことを各センサ26が検出しない場合は、電動開閉装置2を反転させる構成とするのが望ましい。
【0092】
このように構成すると、手動操作で係合部材31と駒部材23との係合を外して内障子12を手動で開いた状態で放置されても、電動開閉装置2を所定方向に回転させた後に、内障子12が目標位置に到達していないことを検知できるので、その後電動開閉装置2を反転させることで、自動的に係合部材31と駒部材23との係合を復活することができ、再度所定方向に回転させることで当初の目標位置に内障子12を移動させることができる。したがって、天候の急変などがあっても、内障子12が開放されたままの状態が継続しないので、天候急変により被害を最小限に抑制することができる。
【0093】
以下、具体的な動作を説明する。操作レバー322を手動操作して係合部材31と駒部材23との係合を外して内障子12のみを全開位置に近い側に少し移動して、そのまま放置してしまった状態を想定する。この状態で、天候が急変した場合、検知装置5は天候の急変を検出して、制御ユニット6が内動片引き窓1を閉鎖するために電動開閉装置2を所定方向に回転させると、駒部材23は軸受け25に向かって右方向に移動する。
【0094】
係合部材31は駒部材23に係合していないため、駒部材23が右側に移動しても内障子12は開放した状態のまま残置されているが、左竪框123上または係合部材31上に設けた突出部が閉検知センサ26aに当接しないため、制御ユニット6は電動開閉装置2を引き続き所定方向に回転し続けようとする。そして、最終的に駒部材23は軸受け25に当接する。このとき、スライドレール22の左側部位に設けたトルクリミッター22aによって、スライドレール22に所定以上の回転負荷がかかった時に動力の伝達が切断されるので、駒部材23は破損することはない。
【0095】
ここで、電動開閉装置2に所定の負荷がかかった状態が継続したにもかかわらず、閉検知センサ26aが閉信号を出力しない場合、駒部材23と係合部材31の係合が外れて内障子12が閉鎖されていないと制御ユニット6は判断し、電動開閉装置2を反転方向に回転させる。すると、電動開閉装置2の反転によって、駒部材23は左側に移動して係合部材31と係合する。そのまま電動開閉装置2の反転を継続すると、突出部が全開検知センサ26cと当接するので、全開検知センサ26cは、内障子12が全開放位置にあることを検知し、制御ユニット6に全開信号を出力する。ここで、悪天候状態である場合は、内障子12が閉鎖状態になるように電動開閉装置2を所定方向に回転させればよい。これによって、手動操作して内障子12を開放状態のまま放置してしまっても、駒部材23と係合部材31の係合を復活させることができるので、室内が水浸しになるなどの被害を抑制できる。
【0096】
なお、上記説明では内障子12を閉鎖する場合を例示したが、内障子12を一部開放や全開放させる場合でも同様に駒部材23と係合部材31の係合を復活させることができることはいうまでもない。
【0097】
なお、検知装置として、屋内の埃の量を検知する埃センサや屋内のCO2濃度を検知するCO2センサ等の検知装置を備えていてもよく、該検知装置の検知結果に応じて内動片引き窓1を開閉制御してもよい。
【0098】
また、内動片引き窓1の内障子12の開度の検知は、リミットスイッチによる検知に限定されるものではなく、例えば、スライドレールの回転数をエンコーダ等の検知手段によって検知し、回転数から駒部材の位置を検知するようにしてもよい。
それに合わせて、内障子12の一部開放位置等を適宜設定可能にしてもよい。
【0099】
なお、枠体及び障子に設けられる係合部材及び被係合部材の構成は、特に限定されるものではなく、枠体に溝状の係合部材を設け、障子にピン状の被係合部材を設けたものでもよい。
なお、窓種は、内動片引き窓に限定されるものではなく、左右方向に摺動する障子を備える開閉窓もしくは上下方向に摺動する障子を備える開閉窓のいずれのものであってもよい。
【0100】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0101】
1 :内動片引き窓
2 :電動開閉装置
21 :電動装置
23 :駒部材(被係合部材)
3 :連結装置
31 :係合部材
32 :操作部