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特開2023-178940喫煙具用カートリッジおよび支持部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178940
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】喫煙具用カートリッジおよび支持部材
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20231211BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231211BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20231211BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/40
A24D1/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034693
(22)【出願日】2023-03-07
(62)【分割の表示】P 2022091362の分割
【原出願日】2022-06-06
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱鵬
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA41
4B045AB08
4B045AB11
4B045AB16
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC06
4B162AC13
4B162AC14
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エアロゾル形成基体を支持しつつ、カートリッジ内の気体の流路を確保することが可能な喫煙具用カートリッジを提供する。
【解決手段】誘導加熱式の喫煙具に装着して使用される喫煙具用カートリッジ10は、所定の延在方向および周方向を有するとともに、タバコ植物または非タバコ植物を含むエアロゾル形成基材12と、前記エアロゾル形成基材12内に前記延在方向に沿って設けられるとともに、誘導加熱可能に構成されたサセプタ13と、前記エアロゾル形成基材12を前記周方向に被覆する包装部材16と、前記包装部材16に接するとともに、内部に前記サセプタ13を含む前記エアロゾル形成基材12の前記延在方向の一端を支持する第1支持部材11とを有している。この喫煙具用カートリッジ10では、前記第1支持部材11と前記包装部材16との間には間隙Gが設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱式の喫煙具に装着して使用される喫煙具用カートリッジであって、
所定の延在方向および周方向を有するとともに、タバコ植物または非タバコ植物を原料として含むエアロゾル形成基材と、
前記エアロゾル形成基材内に前記延在方向に沿って設けられるとともに、誘導加熱可能に構成されたサセプタと、
前記エアロゾル形成基材を前記周方向に被覆する包装部材と、
前記包装部材に接するとともに、内部に前記サセプタを含む前記エアロゾル形成基材の前記延在方向の一端を支持する第1支持部材とを備え、
前記第1支持部材と前記包装部材との間には間隙が設けられている喫煙具用カートリッジ。
【請求項2】
前記第1支持部材は、前記サセプタに対向する対向部分と、前記対向部分の外側に設けられるとともに前記包装部材に接する接触部分とを含む請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項3】
前記第1支持部材は、複数の前記接触部分を含む請求項2に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項4】
隣り合う前記接触部分の間に前記間隙が設けられている請求項3に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項5】
前記エアロゾル形成基材の前記一端と前記第1支持部材との間に設けられるとともに、前記間隙を塞ぐ膜状部材をさらに有する請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項6】
前記エアロゾル形成基材の前記延在方向の他端に接するマウスピースをさらに有する請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項7】
前記エアロゾル形成基材の前記延在方向の他端に接する第2支持部材と、
前記第2支持部材に接して設けられるとともに、前記第2支持部材を介して前記エアロゾル形成基材の前記他端に接続されたマウスピースとをさらに有する請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項8】
前記第1支持部材は、非多孔質材料により構成されている請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項9】
前記サセプタは、前記第1支持部材に固定されている請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項10】
前記第1支持部材は、当該喫煙具用カートリッジと着脱可能に構成されている請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項11】
前記包装部材には、前記エアロゾル形成基材の前記一端から前記第1支持部材までの領域に対応する位置に切込が設けられている請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項12】
誘導加熱式の喫煙具に装着して使用される喫煙具用カートリッジであって、所定の延在方向および周方向を有するとともに、タバコ植物または非タバコ植物を原料として含むエアロゾル形成基材と、前記エアロゾル形成基材内に前記延在方向に沿って設けられるとともに、誘導加熱可能に構成されたサセプタと、前記エアロゾル形成基材を前記周方向に被覆する包装部材と、を有する喫煙具用カートリッジにおいて、内部に前記サセプタを含む前記エアロゾル形成基材の前記延在方向の一端を支持する支持部材であって、
前記サセプタに対向する対向部分と、
前記対向部分の外側に設けられるとともに前記包装部材に接する接触部分と、
を有し、
当該支持部材と前記包装部材との間には間隙が設けられる支持部材。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙具用カートリッジおよび支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多様なタバコ製品が普及してきている。このタバコ製品のうち、いわゆる加熱式のタバコ製品では、タバコの成分を含むカートリッジを加熱式の喫煙具に装着することにより、火炎を用いずに加熱することができる。喫煙者は、加熱によって気化したタバコの成分を吸引し、タバコを楽しむことができる。タバコ以外の植物の成分を含むカートリッジも普及し始めている。
【0003】
加熱式の喫煙具として、たとえば、発熱体を含む喫煙具および誘導加熱体を含む喫煙具が知られている。発熱体を含む喫煙具には、たとえば、ブレード形状、棒状、ピン形状または三角形状等の発熱体が設けられており、この発熱体を、エアロゾル形成基体を含むカートリッジに挿入して使用する。誘導加熱体を含む喫煙具では、エアロゾル形成基体内にサセプタを有するカートリッジが使用される(たとえば、特許文献1)。このサセプタが誘導加熱されることにより、エアロゾル形成基体が加熱され、エアロゾルが生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2019-512235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような誘導加熱式の喫煙具に使用されるカートリッジでは、サセプタおよびエアロゾル形成基体を支持しつつ、カートリッジ内の気体の流路を確保することが望ましい。
【0006】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、サセプタおよびエアロゾル形成基体を支持しつつ、カートリッジ内の気体の流路を確保することが可能な喫煙具用カートリッジおよび支持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、誘導加熱式の喫煙具に装着して使用される喫煙具用カートリッジである。この喫煙具用カートリッジは、所定の延在方向および周方向を有するとともに、タバコ植物または非タバコ植物を原料として含むエアロゾル形成基材と、前記エアロゾル形成基材内に前記延在方向に沿って設けられるとともに、誘導加熱可能に構成されたサセプタと、前記エアロゾル形成基材を前記周方向に被覆する包装部材と、前記包装部材に接するとともに、内部に前記サセプタを含む前記エアロゾル形成基材の前記延在方向の一端を支持する第1支持部材とを備え、前記第1支持部材と前記包装部材との間には間隙が設けられている。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明は、誘導加熱式の喫煙具に装着して使用される喫煙具用カートリッジであって、所定の延在方向および周方向を有するとともに、タバコ植物または非タバコ植物を原料として含むエアロゾル形成基材と、前記エアロゾル形成基材内に前記延在方向に沿って設けられるとともに、誘導加熱可能に構成されたサセプタと、前記エアロゾル形成基材を前記周方向に被覆する包装部材と、を有する喫煙具用カートリッジにおいて、内部に前記サセプタを含む前記エアロゾル形成基材の前記延在方向の一端を支持する支持部材である。この支持部材は、前記サセプタに対向する対向部分と、前記対向部分の外側に設けられるとともに前記包装部材に接する接触部分とを有し、前記支持部材と前記包装部材との間には間隙が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る喫煙具用カートリッジおよび支持部材では、支持部材(第1支持部材)が設けられているので、内部にサセプタを含むエアロゾル形成基材の一端が支持される。また、この支持部材と、エアロゾル形成基材を周方向に被覆する包装部材との間には間隙が設けられているので、この間隙を介して気体が流れる。よって、サセプタおよびエアロゾル形成基体を支持しつつ、カートリッジ内の気体の流路を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(A)は、本発明の一実施形態に係る喫煙具用カートリッジの構成を表す断面図であり、(B)は、(A)に示した断面図とは異なる位置の断面図である。
図2図1(A)(B)に示した喫煙具用カートリッジの一方の端部の構成の一例を表す平面図である。
図3図1(A)(B)に示した喫煙具用カートリッジを喫煙具に挿入した状態を表す断面図である。
図4】変形例1に係る喫煙具用カートリッジの構成を表す断面図である。
図5】変形例2に係る喫煙具用カートリッジの構成を表す断面図である。
図6】変形例3に係る喫煙具用カートリッジの構成を表す断面図である。
図7】変形例4に係る喫煙具用カートリッジの構成を表す断面図である。
図8】変形例5に係る喫煙具用カートリッジの構成を表す断面図である。
図9A図2に示した第1支持部材の他の例を表す平面図である。
図9B図2に示した第1支持部材の他の例を表す平面図である。
図9C図2に示した第1支持部材の他の例を表す平面図である。
図10図2に示した喫煙具用カートリッジの一方の端部の構成の他の例を表す平面図である。
図11図1(A)(B)に示した喫煙具用カートリッジの他の例を表す断面図である。
図12図1(A)(B)に示した喫煙具用カートリッジのその他の例を表す断面図である。
図13図2に示した喫煙具用カートリッジの一方の端部の構成のその他の例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、図中、同一の部材には同一の符号を用いた。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
〔実施形態〕
図1(A)(B)および図2は、本発明の一実施形態に係る喫煙具用カートリッジ(喫煙具用カートリッジ10)の構成を表している。喫煙具用カートリッジ10は、たとえば、円柱形状を有しており、所定の方向に延在している。図1(A)(B)は、喫煙具用カートリッジ10の延在方向の構成を表す断面図であり、図2は、この延在方向の一方の端部(後述の第1支持部材11側の端部)の構成を表す平面図である。以降の説明では、喫煙具用カートリッジ10の延在方向をY方向、幅方向および高さ方向をX方向およびZ方向という場合もある。図1(A)(B)は喫煙具用カートリッジのYZ断面図であり、図2はXZ平面図である。図1(A)および図1(B)は、互いに異なる位置のYZ断面を表す。
【0013】
<喫煙具用カートリッジ10の構成>
喫煙具用カートリッジ10は、たとえば、第1支持部材11、エアロゾル形成基材12、サセプタ13、第2支持部材14、マウスピース15および包装部材16を有している。サセプタ13は、エアロゾル形成基材12内に配置されている。喫煙具用カートリッジ10では、Y方向に沿って、第1支持部材11、サセプタ13を含むエアロゾル形成基材12、第2支持部材14およびマウスピース15がこの順に設けられている。包装部材16は、喫煙具用カートリッジ10の延在方向(Y方向)にわたって設けられており、第1支持部材11からマウスピース15までが包装部材16に被覆されている。
【0014】
エアロゾル形成基材12は、第1支持部材11と第2支持部材14との間に設けられており、Y方向に沿って延在している。このエアロゾル形成基材12は、たとえば、円柱形状に成形されており、Y方向の一端E1および他端E2を有している。エアロゾル形成基材12の一端E1は、たとえば、第1支持部材11に接し、エアロゾル形成基材12の他端E2は、たとえば、第2支持部材14に接している。
【0015】
エアロゾル形成基材12は、タバコ植物または非タバコ植物を原料として含んでいる。タバコ植物は、たとえば、タバコ葉、タバコ茎、膨張タバコまたは均質化タバコ等である。非タバコ植物は、タバコ植物以外の植物である。エアロゾル形成基材12は、非タバコ植物の葉、果肉、種子、根(鱗根、塊根等)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮等)、花(花弁、おしべ、めしべ等)、幹または枝等の部位を含んでいることが好ましい。
【0016】
ここで、「植物」とは動物に対比する生物区分を意味する。ここでの植物は、草および木等のように、根があって場所が固定されて生きているような生物以外に、微細藻類および海藻等のような藻類、キノコ等の菌類等をも含む。
【0017】
エアロゾル形成基材12は、たとえば、乾燥および粉砕された非タバコ植物に、エアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマ、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料および結着剤または増粘剤等を適宜混合した後、粉砕または分級された粉形状または粒形状状の集合体である。エアロゾル形成基材12は、ペースト状であってもよい。また、エアロゾル形成基材12は、非タバコ植物を含む原料をシート状に成形した後、所定の幅および長さを有するように切断することにより形成されていてもよい。
【0018】
非タバコ植物の部位が葉であるとき、エアロゾル形成基材12には、好ましくは茶類を使用できる。茶類は、様々な種類の茶類の植物を含み、かつ、同じ植物であっても加工法によって異なるお茶を生成することができるためである。具体的には、たとえば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、柔の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、毘布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティおよびゴーヤ茶などが挙げられる。エアロゾル形成基材12には、飲用後の茶殻を使用しても良い。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用することができる。
【0019】
さらに、エアロゾル形成基材12には、非タバコ植物の抽出物、いわゆるエキスおよび加工品等を用いるようにしてもよい。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒および溶液等が挙げられる。たとえば、エアロゾル形成基材12は、溶液を染み込ませることができる紙状のシート等の任意の基材に、非タバコ植物の抽出物を含む溶液等を含ませて形成され得る。
【0020】
エアロゾル形成基材12に含有されるエアロゾルフォーマは、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチルまたはテトラデカンサンジオン酸ジメチルなどである。なかでも、グリセリンおよびプロピレングリコールが好ましい。
【0021】
エアロゾル形成基材12に含有される微結晶セルロースは、たとえば、まず、繊維性植物のパルプからα-セルロースを生成し、次に、このα-セルロースを酸で部分的に解重合させることにより形成する。この微結晶セルロースでは、セルロースから可溶性部分が取り除かれており、不溶性部分が結晶化されている。微結晶セルロースは、粉体であってもよく、水などの溶媒に分散された懸濁液であってもよい。溶媒ヘの分散には、たとえば、高速攪拌機または高圧ホモジナイザーなどが使用できる。
【0022】
エアロゾル形成基材12は、風味添加剤を含有していることが好ましい。風味添加剤としては、たとえば、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス、または茶抽出物のカテキンの粉末等が挙げられる。エアロゾル形成基材12が含有する保存料は、食品に使用される保存料であることが好ましく、たとえば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸または安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
【0023】
エアロゾル形成基材12は、メントールおよび非水溶性架橋ポリマー(好ましくはポリビニルポリピロリドン)を含有していてもよい。メントールに非水溶性架橋ポリマーを組み合わせることで、メントールの昇華を効果的に抑制でき、メントールの風味を長期間保つことができる。ここで、メントールとは、天然物から得られたものに限られず、合成物でもよい。エアロゾル形成基材12は、はっか、ミント、ハッカ油、その他のメントールを含むものを含有していてもよい。
【0024】
上記風味添加剤は、マウスピース15に設けられていてもよい。たとえば、マウスピース15の壁部に風味添加剤を含浸させてもよく、風味添加剤が封入されているカプセルを、マウスピース15の壁部に埋設するようにしてもよい。あるいは、マウスピース15とエアロゾル形成基材12との間に、風味添加剤が封入されたカプセルを配置するようにしてもよい。風味添加剤がカプセルに封入されているとき、喫煙者が、カプセルを指で押圧することにより、カプセルが破壊され、風味添加剤の芳香成分が揮発する。したがって、喫煙者は、好みのタイミングで芳香成分を発生させることが可能となる。カプセルに封入された風味添加剤は、エアロゾル形成基材12に設けられていてもよく、第2支持部材14に設けられていてもよい。
【0025】
エアロゾル形成基材12に含有される結着剤または増粘剤は、たとえば、グアーガム、キサンタンガム、ゴム、セルロース結合剤、有機酸、有機酸の共役塩基塩、多糖類およびこれらの組み合わせである。ゴムは、たとえば、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどである。セルロース結合剤は、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどである。有機酸の共役塩基塩は、たとえば、アルギン酸ナトリウムおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどである。多糖類は、カラナギン、寒天およびペクチンなどである。
【0026】
エアロゾル形成基材12内に設けられたサセプタ13は、たとえば、矩形の平面(XY平面)形状を有する板状部材である。サセプタ13は、たとえば、単一の板状部材により構成されている。サセプタ13は、たとえば、エアロゾル形成基材12の中心軸に沿って設けられており、XZ平面において、エアロゾル形成基材12の中央部に配置されている。サセプタ13のY方向の大きさ(以下、長さという。)は、エアロゾル形成基材12のY方向の大きさとほぼ同じであり、エアロゾル形成基材12の少なくとも一端E1には、サセプタ13が露出している。エアロゾル形成基材12の他端E2にサセプタ13が露出していてもよい。サセプタ13の長さは、たとえば、12mm~18mmである。サセプタ13の幅(X方向の大きさ)は、たとえば、1.0mm~2.5mmである。サセプタ13の厚み(Z方向の大きさ)は、たとえば、0.11~0.63mmである。
【0027】
サセプタ13は、誘導加熱可能に構成されている。サセプタ13は、喫煙具(たとえば、後述の図3の喫煙具20)に挿入され、サセプタ13に誘導電流が流れることにより、誘導加熱される。これにより、エアロゾル形成基材12が十分な温度に加熱され、エアロゾルが発生する。
【0028】
サセプタ13は、たとえば、複数の磁性体金属材料を含む合金により構成されている。この複数の磁性体金属材料は、互いにキュリー温度が異なっている。磁性体金属材料は、強磁性体金属材料、常磁性体金属材料および反磁性体金属材料を含む。強磁性体金属材料は、外部磁界を加えると外部磁界と同じ方向の磁気を強く帯び、外部磁界をゼロにしても強い磁気が残る材料であり、たとえば鉄、ニッケル、コバルト、およびフェライト系ステンレス等である。強磁性体金属材料の比透磁率は、1よりも極めて大きく、たとえば、鉄の比透磁率は5000程度、ニッケルの比透磁率は600程度、コバルトの比透磁率は250程度、フェライト系ステンレスの比透磁率は1000~1800程度である。
【0029】
常磁性体金属材料は、外部磁界を加えると外部磁界と同じ方向の磁気を弱く帯び、外部磁界をゼロにすると磁気を帯びなくなる材料であり、たとえばアルミニウム、クロム、白金およびマンガン等である。常磁性体金属材料の比透磁率は1よりもわずかに大きく、たとえば、アルミニウムの比透磁率は1.000021程度、白金の比透磁率は1.000265程度、マンガンの比透磁率は1.000830程度である。
【0030】
反磁性体金属材料は、外部磁界を加えると外部磁界と反対方向の磁気を弱く帯び、外部磁界をゼロにすると磁気を帯びなくなる材料であり、たとえば銅、グラファイトおよびビスマス等である。反磁性体金属材料の比透磁率は、1よりもわずかに小さく、たとえば、銅の比透磁率は0.999990程度、グラファイトの比透磁率は0.99980程度、ビスマスの比透磁率は0.999834程度である。
【0031】
強磁性体金属材料は、交流磁界が発生すると、誘導電流が流れてジュール熱が発生するとともに、分子同士の摩擦および振動によって熱(ヒステリシス損失)が発生する。このため、強磁性体金属材料は、常磁性体金属材料および反磁性体金属材料に比べて容易に誘導加熱される。このため、サセプタ13は、互いにキュリー温度が異なる複数の強磁性金属材料を含んでいることが好ましい。
【0032】
また、強磁性体金属材料は、キュリー温度が高く、たとえば、ニッケルのキュリー温度は358℃程度である。このため、喫煙具用カートリッジ10が、たとえば200℃の高温で加熱されても、サセプタ13がキュリー温度に達することはなく、強磁性体の性質が維持される。したがって、エアロゾル形成基材12を安定して加熱することができる。サセプタ13は、たとえば、ニッケル、クロム、アルミニウム、ケイ素、マンガン、炭素、リン、硫黄および鉄等を含む合金により構成されている。サセプタ13は、鉄およびニッケルを含む合金により構成されていてもよく、鉄およびコバルトを含む合金により構成されていてもよい。
【0033】
サセプタ13は、強磁性体金属材料および常磁性体金属材料を含む合金、たとえば鉄、クロムおよびアルミニウムを含む合金により構成されていてもよい。サセプタ13は、強磁性体金属材料および反磁性体金属材料を含む合金、たとえば鉄および銅を含む合金により構成されていてもよい。
【0034】
エアロゾル形成基材12とマウスピース15との間に設けられた第2支持部材14は、エアロゾル形成基材12の他端E2を支持するとともに、エアロゾル形成基材12で発生するエアロゾルを冷却する役割を担っている。第2支持部材14は、たとえば、エアロゾル形成基材12の他端E2に接している。第2支持部材14は、たとえば、エアロゾル形成基材12の直径とほぼ同じ直径を有する円柱形状に成形されており、その側面は包装部材16に接している。これにより、第2支持部材14のY軸方向の位置が固定される。第2支持部材14の側面は、包装部材16に接着されていてもよい。
【0035】
この第2支持部材14には、Y軸方向に延在する流路14Pが設けられている。流路14Pは、たとえば、第2支持部材14をY軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。この流路14Pを介して、エアロゾル形成基材12とマウスピース15との間をY軸方向に気体が通過する。
【0036】
第2支持部材14は、たとえば、複数の筒状部材の集合体であり、筒状部材各々の空洞により流路14Pが構成されている。即ち、第2支持部材14には、複数の流路14Pが設けられている。複数の筒状部材により第2支持部材14を構成することにより、第2支持部材14の表面積が大きくなり、冷却機能を高めることが可能となる。第2支持部材14は、1の筒状部材により構成されていてもよい。第2支持部材14の大きさは、たとえば、外径が4.0mm~7.5mm、Y方向の長さ(中心軸に沿った長さ)が50mm以下である。なお、第2支持部材14は、その機能および構成等に応じて、上記に例示した大きさとは異なる大きさおよび形状を有していてもよい。
【0037】
第2支持部材14は、耐熱性材料により構成されていることが好ましい。耐熱性材料として、たとえば、シリコンゴム等のゴム系材料を挙げることができる。たとえば、シリコンゴムのシートを丸めた複数の筒状部材により第2支持部材14を形成することができる。第2支持部材14を耐熱性材料により構成することにより、第2支持部材14をエアロゾル形成基材12に隣接して設けることが可能となる。第2支持部材14は、上記ゴム系材料の他、紙系材料、樹脂系材料または金属系材料等により構成されていてもよく、これらのシートを用いて構成されていてもよい。紙系材料としては、たとえば、紙および厚紙等を用いることができ、樹脂系材料としては、ポリマー等を用いることができる。
【0038】
第2支持部材14は、1の円柱状部材により構成されていてもよく、この円柱状部材に貫通孔を設けることにより、流路14Pを形成するようにしてもよい。第2支持部材14を構成する円柱部材は、たとえば、ガラス、セラミックまたは耐熱性樹脂材料等を含んでいる。
【0039】
マウスピース15は、第2支持部材14に接して設けられており、第2支持部材14を介してエアロゾル形成基材12の他端E2に接続されている。このマウスピース15は、喫煙具用カートリッジ10のY方向の他方の端部、即ち、吸口を構成している。マウスピース15は、たとえば紙等により構成されている。マウスピース15は、微粒子を取り除くフィルターを含んでいてもよく、たとえば、セルロースアセテートフィルター等を含んでいる。このフィルターにより、エアロゾル形成基材12で生成された水蒸気およびエアロゾル中の微粒子の一部が、ろ過される。
【0040】
第1支持部材11は、エアロゾル形成基材12を間にして第2支持部材14に対向している。この第1支持部材11は、内部にサセプタ13を含むエアロゾル形成基材12の一端E1を支持している。第1支持部材11によりエアロゾル形成基材12の一端E1を支持し、第2支持部材14によりエアロゾル形成基材12の他端E2を支持することにより、エアロゾル形成基材12およびエアロゾル形成基材12内のサセプタ13のY方向の位置が維持される。
【0041】
第1支持部材11は、たとえば、星型十角形(十芒星)の平面形状を有する板状部材により構成されている(図2)。この第1支持部材11は、たとえば、サセプタ13に対向する対向部分111と、対向部分111の外側に設けられるとともに包装部材16に接する複数の接触部分112とを有している。第1支持部材11と包装部材16との間には、間隙Gが設けられている。図1(A)は、接触部分112に対応する位置のYZ断面を表し、図1(B)は、間隙Gに対応する位置のYZ断面を表す。
【0042】
対向部分111は、サセプタ13に対向する位置、換言すれば、サセプタ13の延長線上に配置されている。対向部分111は、たとえば、XZ平面の中央部分により構成されている。この対向部分111により、サセプタ13が覆われるので、サセプタ13を外部から保護することが可能となる。
【0043】
複数の接触部分112は各々、たとえば、第1支持部材11の頂点により構成されている。接触部分112は、包装部材16に点接触していてもよく、面接触していてもよい。複数の接触部分112は各々、包装部材16に接着されていてもよい。第1支持部材11が接触部分112を有することにより、第1支持部材11のY方向の位置が固定される。複数の接触部分112を有することにより、より安定して第1支持部材11のY方向の位置を固定することが可能となる。
【0044】
間隙Gは、たとえば、隣り合う接触部分112の間に設けられている。この間隙Gでは、第1支持部材11が包装部材16から離間しており、エアロゾル形成基材12の一端E1が露出されている(図1(B))。この間隙Gにより、喫煙具用カートリッジ10内の気体の流路が確保される。詳細には、間隙Gを介して、外部からエアロゾル形成基材12の一端E1に気体が流入し、また、エアロゾル形成基材12の一端E1から喫煙具用カートリッジ10の外部に気体が排出される。喫煙具用カートリッジ10に、複数の間隙Gが設けられることにより、気体の流入および排出をより効率的に行うことが可能となる。
【0045】
この間隙Gが形成される形状を有する第1支持部材11は、たとえば、星型多角形(たとえば図2)など、凹凸が設けられた平面形状を有している。このような第1支持部材11は、生産工程において、凹凸のない形状に比較して、取り扱いが容易となる。また、静電気が発生しにくい。これにより、生産性を向上させることができる。
【0046】
第1支持部材11は、非多孔質材料により構成されており、耐熱性を有していることが好ましい。喫煙具用カートリッジ10には、間隙Gが設けられているので、非多孔質材料により構成された第1支持部材11を用いても、気体の流路が確保される。非多孔質材料は、多孔質材料と比較して、成形がしやすく、扱いも容易である。このため、非多孔質材料を用いて第1支持部材11を構成することにより、第1支持部材11の形状の自由度を向上させることができる。また、第1支持部材11にマーク等を形成して、美観性を高めることも可能となる。
【0047】
耐熱性の非多孔質材料としては、たとえば、ゴム系材料、樹脂系材料、金属系材料および紙系材料等が挙げられ、第1支持部材11は、これらの少なくとも一つを含んでいる。ゴム系材料は、たとえば、シリコンゴム等であり、樹脂系材料は、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、塩化ビニル、フッ素樹脂、PET(Polyethyleneterephthalate)、PTFE(polytetrafluoroethylene)等が挙げられ、金属系材料は、たとえば、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)および真鍮(Cu-Zn)等である。紙系材料は、たとえば、圧縮成形されている紙および厚紙等が挙げられる。
【0048】
第1支持部材11は、喫煙具用カートリッジ10と着脱可能に構成されていることが好ましい。たとえば、第1支持部材11を喫煙具用カートリッジ10から外した後、喫煙具用カートリッジ10を、発熱体を含む喫煙具に挿入することが可能となる。発熱体は、エアロゾル形成基材12に挿入され、これを加熱してエアロゾルを発生させるためのものである。この発熱体は、たとえば、ブレード形状、棒状、ピン形状、三角形状または多角形状を有する金属により構成されている。発熱体は、円柱、角柱、円錐および角錐等の形状を有していてもよく、上記以外の形状を有していてもよい。第1支持部材11が、喫煙具用カートリッジ10と着脱可能に構成されていることにより、発熱体を含む喫煙具および誘導加熱体を含む喫煙具(たとえば、後述の図3の喫煙具20)の両方に、喫煙具用カートリッジ10を使用することが可能となる。即ち、ハイブリッドカートリッジの実現が可能となる。
【0049】
包装部材16は、第1支持部材11、エアロゾル形成基材12、第2支持部材14およびマウスピース15を周方向(エアロゾル形成基材12の周方向)に被覆している。たとえば、紙等のシート状部材を第1支持部材11、エアロゾル形成基材12、第2支持部材14およびマウスピース15の周方向に巻くことにより、包装部材16を形成することができる。複数のシート状部材を用いて、包装部材16を形成するようにしてもよい。
【0050】
<喫煙具用カートリッジ10の使用方法>
図3は、喫煙具用カートリッジ10の使用方法の一例を表している。喫煙具用カートリッジ10は、誘導加熱式の喫煙具20に装着することにより使用される。喫煙具20は、挿入口21、コイル22および回路基板(図示せず)を含んでいる。
【0051】
挿入口21は、喫煙具20に喫煙具用カートリッジ10を挿入するための孔部であり、喫煙具20の端部から所定の方向に延在して設けられている。この挿入口21を介して喫煙具用カートリッジ10が喫煙具20に挿入される。コイル22は、喫煙具20に挿入された喫煙具用カートリッジ10の周方向を囲むように設けられている。回路基板は、コイル22への交流電流の供給を制御するCPUを含んでいる。
【0052】
喫煙者は、まず、第1支持部材11側を挿入口21に向けて、喫煙具用カートリッジ10を挿入口21に挿入する。このとき、第1支持部材11は、エアロゾル形成基材12よりも高い剛性を有しているので、第1支持部材11が設けられていない場合に比べて、喫煙具用カートリッジ10が折れにくくなる。また、喫煙者は、より容易に、喫煙具用カートリッジ10を喫煙具20の挿入口21に挿入することができる。
【0053】
喫煙者が、喫煙具用カートリッジ10を喫煙具20の挿入口21に挿入した後、喫煙具20の電源を入れると、回路基板によってコイル22に交流電流が供給される。これにより、エアロゾル形成基材12内に設けられたサセプタ13に誘導電流が流れ、サセプタ13にジュール熱およびヒステリシス損失に起因する熱が発生する。即ち、サセプタ13が誘導加熱される。この誘導加熱されたサセプタ13から伝達される熱によって、サセプタ13の周囲のエアロゾル形成基材12が加熱され、エアロゾルが生成される。
【0054】
このとき、喫煙者がマウスピース15をくわえて吸引すると、包装部材16と第1支持部材11との間の間隙Gを介して、喫煙具用カートリッジ10の外部からエアロゾル形成基材12の一端E1に空気が流入する。この空気の流入によって、エアロゾル形成基材12で生成されたエアロゾルが第2支持部材14の流路14Pおよびマウスピース15を介して喫煙者の口内に流入する。このとき、喫煙具用カートリッジ10が複数の間隙Gを有することにより、複数の気体の流路が形成される。これにより、効率的に喫煙者の口内にエアロゾルが流入する。また、複数の気流が混ざりあって、喫煙者の口内に流入するので、喫煙者は、より濃い風味および味わいを得ることが可能となる。さらに、吸引抵抗が小さくなるので、喫煙者は、よりスムーズに口内にエアロゾルを流入させることができる。
【0055】
また、喫煙具用カートリッジ10の間隙Gを介して、効率的な空気の対流が生じるので、サセプタ13により生じた熱が分散され、喫煙具20内部の過度な温度上昇を抑えることができる。これにより、喫煙具20の劣化を抑え、より長期間にわたる使用が可能となる。
【0056】
<第1支持部材11および喫煙具用カートリッジ10の作用効果>
本実施形態の喫煙具用カートリッジ10では、第1支持部材11が設けられているので、内部にサセプタ13を含むエアロゾル形成基材12の一端E1が支持される。これにより、エアロゾル形成基材12の一端E1のY方向の位置を所定の位置に維持することができる。さらに、第1支持部材11を設けることにより、エアロゾル形成基材12の一端E1が外部に曝されにくくなり、たとえば、エアロゾル形成基材12の一端E1への物理的接触または化学的接触等に起因するエアロゾル形成基材12の損傷等が抑えられる。また、エアロゾル形成基材12に含まれる茶葉等がエアロゾル形成基材12の一端E1から崩れにくくなる。加えて、第1支持部材11が対向部分111を有することにより、サセプタ13をより効果的に保護および支持することが可能となる。
【0057】
また、この第1支持部材11と包装部材16との間には間隙Gが設けられている。これにより、この間隙Gを介して外部からエアロゾル形成基材12の一端E1に気体が流入し、また、エアロゾル形成基材12の一端E1から外部へと気体が排出される。即ち、喫煙具用カートリッジ10内の気体の流路が確保される。よって、喫煙具用カートリッジ10および第1支持部材11では、サセプタ13およびエアロゾル形成基材12を支持しつつ、カートリッジ内の気体の流路を確保することが可能となる。
【0058】
さらに、喫煙具用カートリッジ10では、第2支持部材14により、エアロゾル形成基材12の他端E2が支持されている。換言すれば、第1支持部材11と第2支持部材14とにより、エアロゾル形成基材12の両端(一端E1および他端E2)が支持されるので、エアロゾル形成基材12を圧縮することが可能となる。これにより、エアロゾル形成基材12を安定して保持することができる。特に、エアロゾル形成基材12が顆粒状の物質を含むとき、エアロゾル形成基材12が崩れにくくなり、効果的に保持することができる。
【0059】
以下、上記実施形態で説明した喫煙具用カートリッジの変形例を説明する。なお、以下では、説明の重複を避けるため、上記実施形態で説明した喫煙具用カートリッジの各構成と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0060】
〔変形例1〕
図4は、変形例1に係る喫煙具用カートリッジ(喫煙具用カートリッジ10A)の断面(YZ断面)構成を表している。この喫煙具用カートリッジ10Aは、エアロゾル形成基材12の一端E1と第1支持部材11との間に膜状部材17を有している。この点において、喫煙具用カートリッジ10Aは、上記実施形態の喫煙具用カートリッジ10(図1(A)(B))と異なる。この点を除き、変形例1に係る喫煙具用カートリッジ10Aは、上記実施形態で説明した喫煙具用カートリッジ10と同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0061】
膜状部材17は、多孔質材料または不織布等により構成されている。具体的には、膜状部材17は、金属系材料、紙系材料、樹脂系材料、繊維系材料またはゴム系材料等により構成することができる。金属系材料としては、たとえば、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)および真鍮(Cu-Zn)等が挙げられる。金属系材料は、焼結金属および金属パウダー焼結等も含む。紙系材料としては、たとえば、紙、圧縮成形されている紙および厚紙等が挙げられる。樹脂系材料としては、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、塩化ビニル、フッ素樹脂、PETおよびPTFE等が挙げられる。繊維系材料としては、たとえば、アセテート(アセチルセルロース)、ジアセテート、トリアセテートおよびポリエステル等が挙げられる。ゴム系材料としては、たとえば、シリコンゴム等が挙げられる。膜状部材17は、ガラス、ホウケイ酸ガラス、セラミックまたは石英等により構成されていてもよい。
【0062】
このような膜状部材17を設けることにより、間隙Gに起因するエアロゾル形成基材12の構成材料の漏れ等が抑えられ、エアロゾル形成基材12を保持することができる。
【0063】
〔変形例2〕
図5は、変形例2に係る喫煙具用カートリッジ(喫煙具用カートリッジ10B)の断面(YZ断面)構成を表している。この喫煙具用カートリッジ10Bは、Y方向に沿って、第1支持部材11、サセプタ13を含むエアロゾル形成基材12およびマウスピース15をこの順に有しており、エアロゾル形成基材12の他端E2にマウスピース15が接している。即ち、喫煙具用カートリッジ10Bは、支持部材(図1の第2支持部材14)を有していない。この点において、喫煙具用カートリッジ10Bは、上記実施形態の喫煙具用カートリッジ10(図1)と異なる。この点を除き、変形例2に係る喫煙具用カートリッジ10Bは、上記実施形態で説明した喫煙具用カートリッジ10と同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0064】
喫煙具用カートリッジ10Bでは、エアロゾル形成基材12が包装部材16により支持される。換言すれば、エアロゾル形成基材12を支持可能な包装部材16を用いることにより、支持部材を省略することが可能となる。このような喫煙具用カートリッジ10Bでは、支持部材が設けられていないので、部品数を少なくして、コストを下げることが可能となる。
【0065】
〔変形例3〕
図6は、変形例3に係る喫煙具用カートリッジ(喫煙具用カートリッジ10C)の断面(YZ断面)構成を表している。この喫煙具用カートリッジ10Cでは、包装部材16に孔部16Hが設けられている。この点において、喫煙具用カートリッジ10Cは、上記実施形態の喫煙具用カートリッジ10(図1)と異なる。この点を除き、変形例3に係る喫煙具用カートリッジ10Cは、上記実施形態で説明した喫煙具用カートリッジ10と同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0066】
孔部16Hは、包装部材16を厚み方向に貫通して設けられている。この孔部16Hは、たとえば、エアロゾル形成基材12に達している。換言すれば、エアロゾル形成基材12の周囲の包装部材16に孔部16Hが設けられている。包装部材16は、複数の孔部16Hを有していてもよく、1の孔部16Hを有していてもよい。この孔部16Hは、カートリッジ内の気体の流路として機能する。エアロゾル形成基材12の周囲の包装部材16に孔部16Hを設けることにより、より効率的にエアロゾル形成基材12に外部の空気を流入させることができる。孔部16Hは、第2支持部材14の周囲等、他の位置に設けられていてもよい。
【0067】
喫煙具用カートリッジ10Cでは、第1支持部材11と包装部材16との間の間隙Gとともに、包装部材16の孔部16Hが、カートリッジ内の気体の流路として機能する。具体的には、間隙Gから流入した空気がエアロゾル形成基材12の軸方向(Y方向)に沿って流れ、かつ、孔部16Hからエアロゾル形成基材12の外周面を通り、その内部に空気が流入する。これにより、サセプタ13により加熱されたエアロゾル形成基材12の中心軸付近のエアロゾルと、それよりも温度が低いエアロゾル形成基材12の外周側のエアロゾルとが混合される。したがって、喫煙者は、喫煙具用カートリッジ10Cを用いることにより、喫煙具用カートリッジ10と比較して、より濃い風味および味わいを得ることが可能となる。
【0068】
〔変形例4〕
図7は、変形例4に係る喫煙具用カートリッジ(喫煙具用カートリッジ10D)の断面(YZ断面)構成を表している。この喫煙具用カートリッジ10Dでは、サセプタ13が第1支持部材11に固定されている。この点において、喫煙具用カートリッジ10Dは、上記実施形態の喫煙具用カートリッジ10(図1)と異なる。この点を除き、変形例4に係る喫煙具用カートリッジ10Dは、上記実施形態で説明した喫煙具用カートリッジ10と同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0069】
サセプタ13は、たとえば、第1支持部材11に設けられた挿入孔に挿入されて固定されている。サセプタ13を第1支持部材11に押圧することにより、第1支持部材11にサセプタ13が挿入されて固定されてもよい。あるいは、接着剤等により、サセプタ13が第1支持部材11に固定されていてもよい。
【0070】
この喫煙具用カートリッジ10Dでは、喫煙具用カートリッジ10Dから第1支持部材11を外すと、第1支持部材11とともにサセプタ13がエアロゾル形成基材12から抜け出る。これにより、喫煙具用カートリッジ10Dを、発熱体を含む喫煙具により使用しやすくなる。
【0071】
〔変形例5〕
図8は、変形例5に係る喫煙具用カートリッジ(喫煙具用カートリッジ10E)の断面(YZ断面)構成を表している。この喫煙具用カートリッジ10Eでは、包装部材16に切込(切込16C)が設けられている。この点において、喫煙具用カートリッジ10Eは、上記実施形態の喫煙具用カートリッジ10(図1)と異なる。この点を除き、変形例5に係る喫煙具用カートリッジ10Eは、上記実施形態で説明した喫煙具用カートリッジ10と同様の構成を有しており、同様の作用効果を奏する。
【0072】
包装部材16に設けられた切込16Cは、エアロゾル形成基材12の一端E1から第1支持部材11までの領域に対応する位置に設けられている。切込16Cは、一端E1に対応する位置に設けられていてもよく、第1支持部材11に対応する位置に設けられていてもよい。切込16Cは、包装部材16の円周にわたって設けられていてもよく、円周の一部に設けられていてもよい。切込16Cの深さは、喫煙者が軽く力を加えたときに破断される程度の深さであればよい。
【0073】
この喫煙具用カートリッジ10Eでは、喫煙者が切込16Cに力を加えると、包装部材16が破断するとともに、第1支持部材11が喫煙具用カートリッジ10Eから外れる。これにより、喫煙者は、喫煙具用カートリッジ10Eを、発熱体を含む喫煙具により使用しやすくなる。
【0074】
〔その他の変形例〕
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。
【0075】
たとえば、上記実施形態では、第1支持部材11の平面形状が星型十角形(図2)である例を説明したが、第1支持部材11は、他の平面形状を有していてもよい。
【0076】
図9A図9Cは、第1支持部材11の平面形状の他の例を表す。第1支持部材11は、星型十角形以外の星型多角形の平面形状を有していてもよく、たとえば、星型五角形(五芒星)の平面形状を有していてもよい(図9A)。第1支持部材11は、五角形または十角形などの多角形の平面形状を有していてもよい。あるいは、第1支持部材11は、棒状部材により構成されていてもよい。たとえば、複数の棒状部材を交差させることにより、第1支持部材11が構成されていてもよい(図9Bおよび図9C)。
【0077】
また、上述の実施形態および変形例では、第1支持部材11と包装部材16との間に複数の間隙Gが設けられている例について説明したが、第1支持部材11と包装部材16との間の間隙Gは1つであってもよい。
【0078】
図10は、1つの間隙Gを有する喫煙具用カートリッジの一方の端面(XZ端面)の構成の一例を表している。このように、第1支持部材11と包装部材16との間の間隙Gは1つであってもよい。これにより、たとえば、第1支持部材11と包装部材16とが密着しやすくなり、第1支持部材11を安定して保持しやすくなる。
【0079】
また、上述の実施形態および変形例では、エアロゾル形成基材12の延在方向(Y方向)において、第1支持部材11の両端面(XZ断面)が同一の形状を有する例について説明したが、第1支持部材11の両端面は、互いに異なる形状を有していてもよい。
【0080】
図11は、第1支持部材11の両端面が互いに異なる形状を有する喫煙具用カートリッジの構成を表している。たとえば、この喫煙具用カートリッジでは、第1支持部材11の一方の端面は星型十角形の平面形状(たとえば、図2)を有し、他方の端面は略円形の平面形状(たとえば、図10)を有している。第1支持部材11の断面(XZ断面)形状は、Y方向に沿って徐々に変化する。第1支持部材11の断面形状は、Y方向の所定の位置で段階的に変化してもよい。
【0081】
また、上述の実施形態および変形例では、包装部材16が、第1支持部材11、エアロゾル形成基材12、第2支持部材14およびマウスピース15全てを被覆している例を図示したが(たとえば、図1)、第1支持部材11、エアロゾル形成基材12、第2支持部材14およびマウスピース15の一部が包装部材16から露出されていてもよい。
【0082】
図12は、包装部材16による被覆の他の例を表している。たとえば、このように第1支持部材11の一部が包装部材16から突出しており、包装部材16から露出されていてもよい。
【0083】
また、上述の実施形態では、サセプタ13がエアロゾル形成基材12の中心軸上に設けられている例について説明したが、サセプタ13は、エアロゾル形成基材12の中心軸から外れた位置に配置されていてもよい。換言すれば、第1支持部材11の対向部分111は、第1支持部材11のXZ平面の中央部から外れた位置に設けられていてもよい。
【0084】
図13は、包装部材16による被覆の他の例を表している。このように、サセプタ13が、エアロゾル形成基材12の中心軸から外れた位置に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 喫煙具用カートリッジ、
11 第1支持部材、
111 対向部分、
112 接触部分、
12 エアロゾル形成基材、
13 サセプタ、
14 第2支持部材、
14P 流路
15 マウスピース、
16 包装部材、
17 膜状部材、
20 喫煙具、
21 挿入口、
22 コイル。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13