(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178956
(43)【公開日】2023-12-18
(54)【発明の名称】シート製造システムにおける機械方向位置プロファイル測定
(51)【国際特許分類】
B65H 26/02 20060101AFI20231211BHJP
H01M 4/04 20060101ALN20231211BHJP
H01M 4/139 20100101ALN20231211BHJP
G01B 15/02 20060101ALN20231211BHJP
【FI】
B65H26/02
H01M4/04 Z
H01M4/139
G01B15/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023085481
(22)【出願日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】63/349,500
(32)【優先日】2022-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/130,697
(32)【優先日】2023-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】タロレ、スディール
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン、ヘルトヤン
(72)【発明者】
【氏名】バロン、イアン
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ、マイケル
【テーマコード(参考)】
2F067
3F105
5H050
【Fターム(参考)】
2F067AA27
2F067BB11
2F067EE10
2F067HH09
2F067JJ08
2F067KK06
2F067NN02
2F067NN05
3F105AA08
3F105AB00
3F105BA09
3F105BA35
3F105CA11
3F105DA12
3F105DC03
3F105DC17
5H050AA19
5H050BA17
5H050GA28
5H050GA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検出されたシート特性における検出された横方向のばらつきに基づいて、横方向及び機械方向の両方のプロファイルのばらつきを低減する。
【解決手段】移動シートの機械方向(MD)位置プロファイル測定は、横方向(CD)測定の各々のMD位置を記録する。シート監視システムは、材料シートのMD速度を測定するための手段と、時間関連MD速度を生成するために、測定MD速度を時間と関連付けるための手段と、時間関連MD速度を記録するための手段と、シート材料の第1の特性を測定するための第1の走査センサであって、第1の走査センサはMDに沿った第1の位置に配置され、第1のスキャナセンサは、CDに沿って前後に横断する、第1の走査センサと、時間関連の第1の特性測定値を生成するために第1の特性測定値を時間と関連付けるための手段とを含む。単一及び複数の走査センサを採用する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート監視システムであって、
機械方向(MD)に動く材料シートと、
前記材料シートのMD速度を測定するための手段と、
時間関連MD速度を生成するために、前記測定MD速度を時間と関連付けるための手段と、
前記時間関連MD速度を記録するための手段と、
前記シート材料の第1の特性を測定するための第1の走査センサであって、前記第1の走査センサは前記MDに沿った第1の位置に配置され、前記第1のスキャナセンサは、前記MDに垂直な横方向(CD)に沿って前後に横断する、第1の走査センサと、
時間関連の第1の特性測定値を生成するために、第1の特性測定値を時間と関連付けるための手段と
を備えるシート監視システム。
【請求項2】
前記MD速度を時間と関連付けるための前記手段は、前記測定MD速度に関する時間情報としてタイムスタンプを生成する第1のプロセッサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
移動材料シートの物理的特性を測定する走査センサを含む、機械方向(MD)に移動する前記移動材料シートの特性を測定するためのシートシステムにおける、MD位置プロファイルを生産する方法であって、
(a)前記移動材料シートの前記MD速度を測定し、タイムスタンプ付き測定MD速度信号を生成するステップと、
(b)前記タイムスタンプ付き測定MD速度信号を記録するステップと、
(c)前記走査センサからタイムスタンプ付き物理的特性測定値を受信するステップと、
(d)前記記録されたタイムスタンプ付き測定MD速度信号を前記タイムスタンプ付き物理的特性測定値と相関させるステップと、
(e)特定の時間内に生産された移動材料シートの長さの関数としてCD位置の前記物理的特性測定値を示すMD位置プロファイルを生成するステップと
を含む方法。
【請求項4】
移動材料シートの第1の物理的特性を測定する第1の走査センサと、前記移動シートの第2の物理的特性を測定する、既知の距離で前記第1の走査センサの下流に配置された第2の走査センサとを含む、機械方向(MD)に移動する前記移動材料シートの特性を測定するためのシートシステムにおける、MD位置プロファイル測定値を生産する方法であって、
(a)前記移動材料シートの前記MD速度を測定し、タイムスタンプ付き測定MD速度信号を生成するステップと、
(b)タイムスタンプ付き測定MD速度信号を記録するステップと、
(c)前記第1の走査センサからタイムスタンプ付き第1の物理的特性測定値を受信するステップと、
(d)前記第2の走査センサからタイムスタンプ付き第2の物理的特性測定値を受信するステップと、
(e)前記記録されたタイムスタンプ付き測定MD速度信号を前記タイムスタンプ付き第1の物理的特性測定値及び前記タイムスタンプ付き第2の物理的特性測定値と相関させるステップと、
(f)特定の時間内に生産された前記移動材料シートの長さに対する前記CDの前記第1及び第2の物理的特性測定値を示すMD位置プロファイルを生成するステップと
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年6月6日に出願された同時係属出願第63/349,500号に対する35 U.S.C.§ 119(e)の下での優先権を主張し、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、シート材料を製作するための品質制御技術に関し、より詳細には、電気化学セル電極などのコーティングされていないか又はコーティングされたシート製品の生産中に行われた測定を、アノード及びカソードを組み込んでいる電気化学バッテリなどの完成品に正確に整合させて、生産の後の段階で発見された欠陥を、測定された特性の大元まで追跡することを可能にする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
オンライン測定は、製造中にシート材料の特性を検出して、シート作製プロセスの促進制御を可能にし、ひいては、生産される規格外のシート材料の量を低減しながらシート品質を保証するために使用される。シート作製中のオンライン測定を行う際の主な問題のうちの1つは、シート材料の物理的特性が、通常、機械方向(MD)及び横方向において変化することである。MDとは、製造中のシート材料の移動方向を指し、「横方向」という用語は、MDに垂直なシートの表面を横切る方向を指す。)
【0004】
シート材料のばらつきを検出するために、各走査に沿った坪量又はキャリパなどの選択されたシート特性の値を検出しながら、横方向にシート作製機械を横切って周期的に前後に横断する走査センサが用いられる。通常、生産されているシートは、各走査中に縁から縁まで横断する。典型的な走査に必要な時間は、概して、数メートルにもなり得る横方向の長さに応じて、約数秒~数十秒である。測定読み取り値がそのようなスキャナによって提供される速度は、通常調整可能であり、典型的な速度は、ミリ秒ごとに約1回の測定読み取り値である。
【0005】
実際には、走査センサによって提供された測定情報は、通常、各走査の後に組み立てられて、横方向で検出されたシート特性の「プロファイル」を提供する。言い換えれば、各プロファイルは、横方向の隣接する場所での一連のシート測定値で構成される。プロファイルの目的は、シート特性の横方向のばらつきを容易に検出することを可能にすることである。検出されたシート特性における検出された横方向のばらつきに基づいて、横方向及び機械方向の両方のプロファイルのばらつきを低減することを目的として、適切な制御調整をシート作製機械に行うことができる。
【0006】
一定の速度でシートを周期的に横断する走査センサは、シートの長手方向縁部に正確に垂直に整列される場所で選択されたシート特性を測定することができない。シート速度に起因して、走査センサは、実際にシート表面を横切って斜めに移動し、結果として、連続する走査経路は、シートの長手方向縁部に垂直な方向に対してジグザグパターンを有する。実際には、各走査にわたるプロファイル測定の平均を計算することが典型的である。
【0007】
1つ以上のスキャナを使用する従来の走査システムは、各走査の終わりに周期的に更新される1つ以上の横方向のプロファイルを顧客に配信する。複数のスキャナシステムでは、これらのスキャナプロファイルは、異なるMD位置で取得される。上流のスキャナにおける1枚のシートが実際に(再)測定された時点を少し後に下流のスキャナと相関させる試みは行われていない。
【0008】
アノード電極又はカソード電極の製作において、金属ロールからの金属箔は、活性材料の混合物で連続的にコーティングされる。電極の連続的なロールツーロール生産の品質を達成及び維持するために、バッテリ性能に強く関連する品質係数の一定のオンライン測定がある。切断機械は、完成したコーティングされた金属箔を、セル及びバッテリに組み立てられる電極シートに切断する。
【0009】
現在の製造技術では、バッテリが組み立てられると、特定のバッテリに組み込まれる電極に関連する特定のデータを識別し、アクセスする容易に利用可能な手段がない。当技術分野では、電極の生産中に行われたオンライン測定を、組み立てられた電気化学セル及びバッテリまでずっと購入者が追跡できるように、製品トレーサビリティの改善が求められている。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、部分的に、横方向(CD)測定の各々のMD位置を記録する、移動シート又は製品の機械方向(MD)位置プロファイル測定値の生成に基づく。この技術は、現在のフラットシート走査システムでは不可能な実際のジグザグ測定経路の再現を可能にする。
【0011】
本発明は、横方向のシート材料特性を測定するための単一の走査フレーム、又は生産プロセスに沿って離間した複数の走査フレームに適用することができる。複数のスキャナの場合、すべてのスキャナが正確に時間同期されることを保証するために、IEEE 1588v2などのコンピュータネットワークベースの同期プロトコルを採用することができる。
【0012】
一態様では、本発明は、
機械方向(MD)に動く材料シートと、材料シートのMD速度を測定するための手段と、
時間関連MD速度を生成するために、測定MD速度を時間と関連付けるための手段と、
時間関連MD速度を記録するための手段と、
シート材料の第1の特性を測定するための第1の走査センサであって、第1の走査センサはMDに沿った第1の位置に配置され、第1のスキャナセンサは、MDに垂直な横方向(CD)に沿って前後に横断する、第1の走査センサと、
時間関連の第1の特性測定値を生成するために、第1の特性測定値を時間と関連付けるための手段と
を含むシート監視システムを対象とする。
【0013】
別の態様では、本発明は、物理的特性を測定する走査センサを含む、MDに移動する移動材料シートのMD位置プロファイルを生産するための技術を対象とする。この技術は、
(a)移動材料シートのMD速度を測定し、タイムスタンプ付き測定MD速度信号を生成するステップと、
(b)タイムスタンプ付き測定MD速度信号を記録するステップと、
(c)走査センサからタイムスタンプ付き物理的特性測定値を受信するステップと、
(d)記録されたタイムスタンプ付き測定MD速度信号をタイムスタンプ付き物理的特性測定値と相関させるステップと、
(e)特定の時間内に生産された移動材料シートの長さに対するCDの物理的特性測定値を示すMD位置プロファイルを生成するステップと
を含む。
【0014】
更に別の態様では、本発明は、物理的特性を測定する2つ以上の走査センサを含む、MDに移動する移動材料シートのMD位置プロファイルを生産するための技術を対象とする。この技術は、
(a)移動材料シートのMD速度を測定し、タイムスタンプ付き測定MD速度信号を生成するステップと、
(b)タイムスタンプ付き測定MD速度信号を記録するステップと、
(c)第1の走査センサからタイムスタンプ付き第1の物理的特性測定値を受信するステップと、
(d)第2の走査センサからタイムスタンプ付き第2の物理的特性測定値を受信するステップと、
(e)記録されたタイムスタンプ付き測定MD速度信号を第1の物理的特性測定値及び第2の物理的特性測定値と相関させるステップと、
(f)特定の時間内に生産された移動材料シートの長さに対するCDの第1及び第2の物理的特性測定値を示すMD位置プロファイルを生成するステップと
を含む。
【0015】
本発明では、各測定が行われた時間及び(プロセス中の1つ以上の位置における)機械ライン速度を記録することによって得られたMD位置決め情報を含めることによって、測定値のプロファイルのみならず「MDシート位置のプロファイル」ももたらす。走査センサによって生成された特徴的なジグザグ測定パターンに関して、本発明のMD位置プロファイルは、CD値及びMD位置に対する位置を提供する。例えば、走査センサが坪量(グラム毎平方メートルで測定)を測定している場合、(ユーザ定義基準からミリメートル単位で測定される)シートの各特定のMD位置のMD位置プロファイルについて、(移動シートの1つの縁部からmm単位の距離で測定される)CD位置及びそのCD位置で測定された坪量の両方について対応するデータが存在する。
【0016】
改善は、すべての測定が余分な座標を得ることである。製造者は最終的にシートのどの部分(例えば、電極)が特定のバッテリに入ったかを追跡して知ることができるので、これは完全なトレーサビリティを与える。したがって、バッテリの欠陥は、MD位置プロファイルを使用して、シート製品上の正確な物理的位置に遡って追跡することができる。
【0017】
本発明では、真の測定範囲を増大させることができる同期した十字測定を行うように、2つ以上のスキャナシステムを設定することができる。例えば、現在のジグザグパターンプロファイルの代わりにX字形測定プロファイルを作成し、ひいては2つのスキャナの間の架空の垂線について真のCDプロファイルを計算するように、2つのスキャナを設定することができる。加えて、より正確な測定平均値を計算することを可能にする同期した十字(X字形)測定を行うように2つのスキャナシステムを設定することができる。同様に、同じスポット測定を行うためにリーダスキャナのMD位置プロファイルをリトレースするように、下流のフォロワスキャナを設定することができる。同じスポット測定をバッチ生産で行うことも可能であり、この場合、測定中のシート製品は2つの走査システム間で不連続的に移送される。
【0018】
最後に、生産プロセスにおける材料破損の場合に各下流のスキャナ上のMD位置プロファイルを調製するために、MD位置プロファイルを採用することができる。
【0019】
本発明は、リチウムイオンバッテリ生産において実施されるものとして例示されているが、本発明は、例えば紙、ゴムシート、プラスチックフィルム、金属箔などの製造における、他の連続シート作製プロセスに適用可能であることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】アノード材料又はカソード材料で金属基材を連続的にコーティングするためのロールツーロールシート生産システムを示す。
【
図4】スキャナを同期させるための別の構成を示す。
【
図5】連続移動シート上の二重走査測定及び座標スポット測定による電極製造を示す平面図である。
【
図6】シートのX字形範囲を形成するための、連続移動シート上の二重走査測定及び座標スポット測定による電極製造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、リチウムイオン電気化学セル及びバッテリ用の電極を製作する際に使用される金属ウェブ又はシートをコーティングするためのプロセスを示す。アノードを作製するために、電極コーティングは、黒鉛などのアノード活性材料を含み、カソードを作製するために、電極コーティングは、リチウム金属酸化物などのカソード活性材料を含む。電極は電流コレクタ金属箔を含み、電流コレクタ金属箔の片面又は両面が、カーボンブラック、バインダー、及び溶媒も含み得る電極スラリーでコーティングされている。電極スラリーを箔の側面上に塗布した後、湿式コーティングされた箔を乾燥機で加熱して溶媒を抽出して、金属箔に付着する電極材料の固体層を残す。銅箔は、好ましいアノード電流コレクタ材料であり、アルミニウム箔は、好ましいカソード電流コレクタ材料である。箔は、典型的には、9~50μmの厚さであり、電極コーティングは、箔の片面又は両面上で厚さが75~400μmの範囲であり、その結果、両面コーティング電極は、最も典型的には厚さが約250μmである、最大850μmのキャリパを有し得る。
【0022】
図1に示すように、ロール2は、巻き出し機によって巻き出され、当該シートは上(又は第1の)表面がテープ鋳造コーティングデバイスを含み得るコータ4によって電極スラリーの層でコーティングされている、金属ウェブ又はシート30の連続シートを供給する。ロール2からの金属ウェブ30のシートの坪量、厚さ、及び他の特徴は、通常知られている。タコメータ22はライン速度を測定し、走査ゲージ8は、電極スラリーの坪量、厚さ、及び他の特徴を測定する。タコメータからの入力は、測定中のシートのMD位置を計算するために使用することができる。走査ゲージ8がシートを横切って走査すると、一時センサのMD位置プロファイルを作成するために、各CDビンのMD位置が記録される。CD/MDオフセット補正は、走査ヘッド内の追加のセンサに適用することができる。MD位置測定のための基準(「ゼロ」)位置を設定するために、ロール終了信号又は他の専用信号を使用することができる。
【0023】
コータ4は、シート30上に押し出されるスラリーの量を調整するためにドクターブレードを制御するアクチュエータを含む。乾燥機10は、過剰な溶媒を除去し、動くコーティングされたシート32上にあるスラリーを硬化させて、シート上に電極層を形成する。タコメータ56はライン速度を測定し、ゲージ12は乾燥機10を出て移動するコーティングされたシートの1つ以上の特性を測定する。その後、ローリング支持体34、36は、移動シートの向きを反対にして、第2の表面がコーティングされていない上面となるようにし、その後直ちに、コータ14が、移動シート38の上すなわち第2の表面上に電極スラリーの層を塗布する。タコメータ46はライン速度を測定し、両面コーティングされたシート40の特性は、乾燥機18に入る前にゲージ16で測定される。
【0024】
タコメータ48はライン速度を測定し、スキャナデバイス24は第1及び第2の表面上の電極層の特性を測定する。カレンダ52の後、巻き取り機は、両面コーティングされたシート42をロール44に取り込む。コーティング上の表面欠陥は、カメラベースのウェブ検査システム26、28によって監視される。プロセスは連続的であるように図示されているが、様々な工程及び付随する測定は、別個の不連続バッチ操作において別々に実施され得ることが理解される。例えば、ロール44は、その後、セル及びバッテリに組み立てるのに適した個々の電極を形成するために、切断操作にかけられる。
【0025】
センサ8、12、16、及び24は、透過モードで動作するものとして示されている。例えば、各々は、放射線のビームを移動シート内に向ける放射線源と、材料を透過した放射線を検出する放射線受信器とを備える。透過モードで動作するセンサは、例えば、米国特許第9,182,360号、米国特許第8,527,212号、米国特許第7,298,492号、及び米国特許出願第2021/0382173号並びに米国特許出願第2021/0262776号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、センサは反射モードで動作することができる。例えば、各センサは、放射線源及び検出器の両方を収容する上部ヘッドを有する。反射モードで動作するセンサは、例えば、米国特許第9,182,360号、米国特許第8,527,212号、米国特許第7,298,492号、及び米国特許出願第2020/0096308号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。センサは、反射型センサと透過型センサの組合せを備えることもできる。
【0026】
スキャナ測定値を表示するマップは、典型的に、幅にわたる点又はビンに分割される。例えば、各ビンは約5mmの距離を表すことができる。
【0027】
図2は、MDに移動し、ローラ102及び122によって支持される、連続電極シート100のMD位置プロファイル測定のためのシステムを示す。位置124で電極シート100を支持するローラ102は、ラインタコメータ106によって監視される磁石104を含む。MD速度は、移動シート100の任意の位置で測定することができる。シートは伸長可能なので、走査センサ110の付近でMD速度を測定することが好ましい。あるいは、光学タコメータを使用することができる。
【0028】
下流に配置されているのは、走査センサ110及び112である。位置124からの2つのスキャナの距離は既知である。ラインタコメータパルスは、2KHzなどの指定された速度でカウントされ、正確にタイムスタンプされる。システムは、プロセッサ118及びメモリ126を有するコントローラ108と、信号発生器116とを含む。動作中、ラインタコメータは、ローラ102の回転速度を測定し、ローラ102の半径に関連付けることによって回転速度をMD速度に変換するコントローラ108にパルス信号を送信する。スキャナ110及び112は各々、シートの特性を測定し、対応する信号をコントローラに送信する。信号発生器116は、MD位置軸の原点を確立するスキャナ110に同期信号を送信する。このシステムでは、同期信号は、ライン上のスキャナのうちの1つに供給されるだけでよい。経時的な速度の積分は、MDに沿った位置の変化をもたらす。
【0029】
特に、スキャナ110及び112は、走査ゲージがユーザ定義の横方向測定領域(ビン)の各々に出入りするときのインスタンスが正確にタイムスタンプされるように、MD位置のビニングを実行する。タコメータは、このような横方向のビンの各々のMD位置を生成するために蓄積及び平均化されたこれらのタイムスタンプ内の値をカウントする。その後、センサ測定プロファイルの各ビンのMD位置は、アレイとして集約され、各横方向プロファイルについてMD位置プロファイルとして表示される。シート特性を測定する各センサ信号もまた、アレイとして集約され、横方向プロファイルとして表示される。
【0030】
時間同期は、生産ラインにおける座標MD位置測定に特に適している。生産ラインにおいて複数のスキャナを時間同期させることで、MD基準位置同期信号を1つのスキャナにのみ配線することが可能になる。同期信号のタイムスタンプは、それが配線されたスキャナによって正確に測定される。これらのタイムスタンプは、従来のTCP/IPネットワークを使用して、他のスキャナに転送される。すべてのスキャナが時間同期されるので、同期信号タイムスタンプを受信するスキャナは、MD基準位置を確立するために、これをそのローカルタコメータタイムスタンプに正確に関連付けることができる。
【0031】
各スキャナは、同期信号によってトリガされたときにMD基準位置に対するその位置をリセットするように構成することができる。「同期オフセット」と指定された量は、生産ラインの更に下流の第2のスキャナによって測定されたときに、1つのスキャナによって測定されたシート上の位置が同じMD位置に現れるように、生産ラインの下流の各スキャナ間の真の距離を補償する。スキャナが調整されない場合でも、シート上の同様のスポットからの走査をプログラムに従ってまとめることができる。
【0032】
図3は、CD対MDのセンサ測定値を示すMD位置測定の図である。プロファイルは、一定速度でCDに沿って前後に移動するスキャナのものであり、スキャナは、一定速度で移動する移動シートの物理的特性を測定する。曲線170はセンサ110による測定値であり、曲線172はセンサ112による測定値である(
図2に示される)。CD曲線170及び172に沿った各点における測定値も取得可能である。(値は
図3には示されない。)値は、異なる色調又はアイコンが特定の値(坪量範囲など)を表す色コード又はアイコンによって、曲線上に示すことができる。実際の動作では、各スキャナは、シートの縁部に接近すると減速し、縁部で停止し、次いで縁部から離れてシートの中心に向かって移動する際に加速することに留意されたい。したがって、この構成及び本明細書の図におけるCDプロファイルのジグザグパターンは、図示されるように鋭角を呈するのではなく、湾曲する。
【0033】
図4は、MDに移動し、ローラ132及び152によって支持される、連続電極シート130のMD位置プロファイル測定のための別のシステムである。位置154で電極シート130を支持するローラ132は、ラインタコメータ136によって監視される磁石134を含む。下流に配置されているのは、走査センサ140及び142である。位置154からの2つのスキャナの距離は既知である。外部クロックマスタとして機能する信号発生器は、センサ140及び142に同期信号を送信する。
【0034】
図5は、バッテリ電極のトレーサビリティを改善するために、移動シート上の(1つ又は複数の)電極層の異なる測定値を追跡する際のMD位置プロファイルの使用を示す。電極層200は、モータ204によって操作されるローラ202によって支持されてMDに搬送される動く基材(箔)上にコーティングされる。タコメータ206はローラ202の速度を監視する。フレーム210は、コーティングされたシートの坪量及び/又は厚さを測定するゲージを含む走査デバイス212を支持する。走査デバイスは、概して一定の速度で、コーティングされたシート200を周期的に横断する。コーティングされたシート200のスポット又は領域214を測定するゲージが示されている。ゲージは、シートの長手方向縁部に正確に垂直に整列される場所で選択されたシート特性を測定しない。代わりに、シート速度のために、走査デバイスは、コーティングされたシート表面を横切って斜めに移動し、結果として、連続する走査経路は、コーティングされたシート200の長手方向縁部に垂直な方向に対してジグザグパターンを有する。そのようなジグザグパターンの例は、走査デバイス212が前後の連続走査中にシートの表面を横断するときにゲージによって追跡される走査経路218である。真のCDに対する走査経路の角度は、走査デバイスの横方向速度、及び既知のコーティングされたシート200の機械方向速度に依存する。調査スポットのジグザグパターンは、コーティングされたシート200表面の比較的小さい部分をカバーする。
【0035】
コンピュータ220は、走査デバイス212による測定を調整して、パターン218内の調査スポットの場所が、対応するMD位置と共にデータベース222に記録されるようにする。このようにして、コーティングされたシート200が個々の電極に切断されるとき、各電極上で行われた測定値がわかり、更に、これらの電極を組み込んでいる電気化学セル及びバッテリは、測定値を検索することを可能にするシリアル番号によって識別することができる。
【0036】
本発明の別の特徴は、後続の測定を前の測定に同期させるために、MD位置プロファイルを採用することができることである。例えば、センサ212によって測定された後の
図5のコーティングされたシート200は、乾燥又はカレンダ処理などの更なる処理のために、別のラインに移動させることができる。その後、そのように処理されたコーティングされたシート230が形成され、第2の測定にかけられる。シートの移動は、ローラ232及び第2のスキャナデバイス242に固定されたフレーム240上で支持される。下流のスキャナデバイス242の解放時間及びCD速度は、スキャナデバイス242による第2の測定をスキャナデバイス212によって下流で実行される第1の測定と同期させるように、コンピュータ220によって調整される。走査デバイス242は、パターン248内の調査スポットがジグザグパターン218内の調査スポットと一致するように、調査スポット244で測定を開始するようにリセットすることができる。
【0037】
走査デバイス242による第2の測定が行われると、パターン248内の調査スポットの場所は、対応するMD位置プロファイルと共にデータベース222に記録される。したがって、データベースは、本質的に同じ調査スポット上で行われた第1及び第2の測定のライブラリを有する。コーティングされたシートが、個々の電極に切断され、電気化学セル及びバッテリに組み立てられるとき、これらの電極は、第1及び第2の測定セットの両方が追跡されることを可能にするシリアル番号によって識別され得る。
【0038】
図5を参照すると、そのCD運動がスキャナ212のCD運動と一致するように下流スキャナ242の位置が調整されるように、シート200及び230のMD速度は異なってもよい。ほとんどの場合、スキャナが同じ速度プロファイルを有するように、両方のシートのMD速度は同じである。スキャナはしばしばシート縁部で加速又は減速しているので、スキャナのCD運動は単なる一定速度よりも複雑であることに留意されたい。
【0039】
図6は、シート330上にX字形パターンを現像するために2つのスキャナ312及び342を使用することを示す。ジグザグパターン318はスキャナ312によって生成され、下流のスキャナ342は、上流のスキャナ312からのMD位置情報を使用してジグザグパターン348を生成し、2つのジグザグパターンがシートのMDに沿ってX字形範囲を形成するようになっている。この配置の利点は、より良好なシートの範囲があり、CDプロファイルの平均がより正確であることである。
【0040】
上記は、本発明の原理、好ましい実施形態、及び動作モードを説明してきた。しかしながら、本発明は、考察される特定の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。したがって、上述の実施形態は、限定的ではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってそれらの実施形態において変形が行われ得ることを理解されたい。
【外国語明細書】