(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178987
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】販売データ管理システムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/016 20230101AFI20231212BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06Q30/00 330
G07G1/12 351Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091944
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂晃
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA17
3E142EA02
3E142EA04
3E142FA44
3E142JA02
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、本発明が解決しようとする課題は、返品等のために店舗等に持ち込まれた個品が当該店舗等で販売されたものであるか否かを確認することが可能な販売データ管理システムおよび情報処理装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の販売データ管理システムは、商品の個品を識別する個品識別情報が入力される入力部を備えたデータ処理装置と、販売事業者によって販売された商品の個品識別情報を管理する管理部を備えたサーバ装置と、を有する販売データ管理システムであって、前記入力部に入力された個品識別情報が前記管理部で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する判定部と、前記判定部による判定結果を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の個品を識別する個品識別情報が入力される入力部を備えたデータ処理装置と、販売事業者によって販売された商品の個品識別情報を管理する管理部を備えたサーバ装置と、を有する販売データ管理システムであって、
前記入力部に入力された個品識別情報が前記管理部で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を備える販売データ管理システム。
【請求項2】
前記入力部には、商品の購入者を識別する購入者識別情報が入力され、
前記管理部は、前記個品識別情報と当該個品識別情報で識別される個品を購入した購入者の購入者識別情報とを対応付けて管理し、
前記判定部は、前記入力部に入力された個品識別情報および購入者識別情報が前記管理部によって対応付けて管理されているか否か判定する、
請求項1に記載の販売データ管理システム。
【請求項3】
前記管理部は、前記販売事業者と前記購入者との取引に係るレシート情報を管理する、
請求項2に記載の販売データ管理システム。
【請求項4】
前記データ処理装置は、販売された商品の返品に係る返品処理を実行する返品処理部をさらに備え、
前記返品処理部は、前記出力部が出力した判定結果に応じて返品処理を実行する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の販売データ管理システム。
【請求項5】
商品の個品を識別する個品識別情報を取得する取得部と、
販売事業者によって販売された商品の個品識別情報を記憶する記憶部を参照して、前記取得部が取得した個品識別情報が、前記記憶部に記憶されているか否か判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
商品に付された媒体が示す個品識別情報が入力される第1入力部と、
購入された商品のレシートが示す個品識別情報が入力される第2入力部と、
前記第1入力部に入力された個品識別情報と前記第2入力部に入力された個品識別情報とが一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ管理システムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗や企業(以下、総称して「店舗等」ともいう)において、当該店舗等で販売された商品の返品や修理(以下、総称して「返品等」ともいう)を受付ける場合がある。返品等が行われる場合、顧客は対象商品を購入した際のレシートを提示し、店員が当該レシートを確認したうえで返品等を受付ける運用が一般的である。店員は、レシートに印字された商品名などを見て、顧客が持ち込んだ対象商品が自己の店舗等で販売された商品であることを確認する。
【0003】
上記運用では、自己の店舗等で販売された商品であることの確認は、商品単位での確認に止まり個品単位での確認ではない。ここで、商品とはJAN(Japanese Article Number)コードなどで特定される範囲のものをいい、個品とは商品に属する個々の物品をいうものとする。つまり、1商品について多数の個品が存在することになる。上記運用において、店員はレシートを見ても顧客が持ち込んだ個品が店舗等で販売されたものであることの確認はできない。
【0004】
このため、例えば、他で販売された個品を顧客が店舗等に持ち込んだ場合でも、当該店舗等が発行したレシートに印字された商品であれば返品等に応じざるを得なかった。言い換えれば、従来の運用では不正な返品等を防止することができるものではなかった。商品を個品単位で管理するシステムも提案されているが(例えば、特許文献1)、返品等の対応に活用するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、返品等のために店舗等に持ち込まれた個品が当該店舗等で販売されたものであるか否かを確認することが可能な販売データ管理システムおよび情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の販売データ管理システムは、商品の個品を識別する個品識別情報が入力される入力部を備えたデータ処理装置と、販売事業者によって販売された商品の個品識別情報を管理する管理部を備えたサーバ装置と、を有する販売データ管理システムであって、前記入力部に入力された個品識別情報が前記管理部で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する判定部と、前記判定部による判定結果を出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の販売データ管理システムを含む電子レシートシステムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態のPOS端末の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の電子レシートサーバの主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の電子レシートサーバの記憶部に記憶される会員マスタのデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の電子レシートサーバの記憶部に記憶されるレシート情報管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の電子レシートサーバの制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の電子レシートシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の電子レシートサーバの制御部による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第2の実施形態の顧客端末におけるレシートの表示画面を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態のPOS端末の制御部による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の販売データ管理システムおよび情報処理装置について説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、サーバ装置を複数の企業のレシート情報を管理する電子レシートサーバとした例について説明するが、これに限らない。サーバ装置は、商品を販売する店舗の購買情報を管理する店舗サーバ、複数の店舗を運営する企業の購買情報を管理する企業サーバなどとしてもよい。
【0009】
また、以下に説明する実施形態では、販売データ管理システム1は、店舗に持ち込まれた個品が当該店舗で販売されたか否かを判定する例について説明するが、これに限らない。販売データ管理システム1は、例えば、店舗に持ち込まれた個品が当該店舗を運営する企業の他の店舗で販売されたものであるか否かを判定するものであってもよい。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、電子レシートシステム10の概略を示す図である。本実施形態の電子レシートシステム10は、電子レシートサービスを提供する事業者、商品を販売する店舗等、および電子レシートサービスを利用する顧客を跨いで構築されている。
【0011】
電子レシートシステム10は、販売データ管理システム1と顧客端末4とから構成される。顧客端末4は、電子レシートサービスを利用する顧客が所有するスマートフォンなどである。販売データ管理システム1は、各店舗が備えるPOS(Point Of Sales)端末2、および電子レシートサービスを運営する事業者が管理する電子レシートサーバ3を有する。POS端末2を備える各店舗は、例えばアパレル商品を販売する店舗、電化製品を販売する店舗、日用品を販売する店舗など複数の業種の店舗とすることができる。なお、
図1においては、各店舗に設けられるPOS端末2を1台のみ図示しているが、各店舗は複数のPOS端末2を備えていてもよい。
【0012】
電子レシートサーバ3は、インターネット等のネットワークを介してPOS端末2および顧客端末4と互いに通信可能に接続されている。電子レシートサーバ3は、POS端末2が設置された店舗が管理する店舗サーバ、店舗を運営する企業の本部サーバ等を介して各店舗のPOS端末2と接続されていてもよい。
【0013】
POS端末2には、決済処理時に、電子レシートサービスの会員IDおよび顧客が購入する商品を識別する商品コードが入力される。POS端末2は、入力された商品コードに基づいて商品登録を行い、一取引について決済処理を実行する。また、POS端末2には、顧客が購入する商品の個品を識別する個品コードが入力される。POS端末2は、一取引の決済処理が完了すると、会員ID、店舗ID、取引金額、購入商品の商品情報、個品コード等を含むレシート情報を電子レシートサーバ3に送信する。ここで、会員IDは購入者識別情報の一例であり、個品コードは個品識別情報の一例であり、POS端末2はデータ処理装置の一例である。
【0014】
電子レシートサーバ3は、各POS端末2からレシート情報を受信して管理する。電子レシートサーバ3は、所定のタイミングあるいは顧客端末4からの要求に応じて、レシート情報を顧客端末4に送信する。顧客は、顧客端末4によって電子レシートサーバ3から受信したレシート情報を閲覧することができる。これにより、POS端末2が発行する紙レシートを削減することができる。
【0015】
また、電子レシートサーバ3は、POS端末2からの購入確認要求に応じて判定処理を実行する。購入確認要求は、店舗ID、個品コードを含む情報で、当該個品コードで特定される個品が、当該店舗IDで特定される店舗で販売されたことの確認を要求するものである。電子レシートサーバ3が実行する判定処理は、購入確認要求に応じて、個品コードで特定される個品が、店舗IDで特定される店舗で販売されたものであるか否か判定するものである。そして、電子レシートサーバ3は、判定結果を当該POS端末2に送信する。ここで、電子レシートサーバ3はサーバ装置の一例であり、また情報処理装置の一例でもある。
【0016】
なお、電子レシートサーバ3は、上記個品コードで特定される個品が、上記店舗IDで特定される店舗を運営する企業の他の店舗で販売されたものであるか否か判定してもよい。この場合、購入確認要求は企業IDを含むものとする。また、購入確認要求を送信し、当該購入確認要求に対する判定結果を受信するデータ処理装置は、POS端末2とは別に設けられてもよい。
【0017】
次に、POS端末2について詳細に説明する。
図2は、POS端末2の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末2は、制御部20と、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、スキャナ24と、RFIDリーダ25と、カードリーダ26と、釣銭機27と、通信部28と、を備えている。制御部20、記憶部21、表示部22、操作部23、スキャナ24、RFIDリーダ25、カードリーダ26、釣銭機27、および通信部28は、バス29等を介して互いに接続されている。
【0018】
制御部20は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス29を介して互いに接続されている。
【0019】
CPU201はPOS端末2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されてRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、POS端末2の各種制御処理を実行する。
【0020】
また、RAM203は、商品情報部2031を備える。商品情報部2031は、顧客(購入者)が購入する商品の商品情報(商品コード、商品名、価格など)と個品コードとを対応付けて記憶する。商品情報部2031に記憶される商品情報は、例えば、スキャナ24が商品に付されたコードシンボルから読取った商品コードに基づいて記憶部21から読み出される。また、商品情報部2031に記憶される個品コードは、例えば、RFIDリーダ25によって商品に内蔵されたRFタグから読取られる。商品情報部2031に商品情報が記憶(登録)されることを商品登録ともいう。
【0021】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品マスタ212、および店舗情報213を記憶する。
【0022】
制御プログラム211は、スキャナ24で読取られた商品コードに基づいて商品登録を行う機能、商品情報部2031に記憶された情報に基づいて一取引の決済処理を行う機能、電子レシートサーバ3と各種情報を送受信する機能、返品処理を行う機能等を実現するためのプログラムなどである。
【0023】
商品マスタ212は、店舗が販売する商品の商品情報を記憶したマスタファイルである。商品マスタ212は、商品コードに対応付けて、商品名、価格などを記憶する。店舗で扱う商品は日々変化するため、商品マスタ212は適宜更新される。
【0024】
店舗情報213は、POS端末2が設置される店舗を特定する店舗ID、当該店舗を運営する企業を特定する企業IDなどの情報である。店舗情報213は、電子レシートサーバ3に購入確認要求を送信する際に用いられる情報であって、店舗等によって任意に設定可能である。例えば、自店舗で販売した個品のみについて返品等を受付ける場合、POS端末2は、顧客が持ち込んだ個品が自店舗で購入されたものであることの判定要求(購入確認要求)を電子レシートサーバ3に送信する。この場合、購入確認要求は、店舗を特定する情報を含む必要があるので、店舗情報213は店舗IDとする。
【0025】
また、同じ企業の他店舗で販売した個品についても返品等を受付ける場合、POS端末2は、顧客が持ち込んだ個品が自店舗と同一企業の店舗で購入されたものであることの判定要求(購入確認要求)を電子レシートサーバ3に送信する。この場合、購入確認要求は、企業を特定する情報を含む必要があるので、店舗情報213は企業IDとする。なお、例えば、店舗サーバによって店舗で販売された個品の情報のみを管理する場合、店舗情報213は記憶されていなくてもよい。
【0026】
表示部22は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部22は、制御部20の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部22は、商品登録された商品の商品情報や、一取引の合計金額(取引金額)などを表示する。
【0027】
操作部23は、入力デバイスであり、表示部22の表面に設けられたタッチパネル、表示部22とは別に設けられたキーボードなどで構成される。操作部23は、店員等の操作により入力された各種情報を制御部20に入力する。例えば、操作部23は、返品処理の開始を指示する返品処理開始指示を制御部20に入力する。
【0028】
スキャナ24は、商品に付されたバーコードなどのコードシンボル(以下、「商品バーコード」ともいう)から商品コードを読取る。具体的には、スキャナ24は、商品バーコードを光学的にまたは撮像して認識する。そして、スキャナ24は、認識した商品バーコードをデコードし、商品バーコードが示す商品コードを読み取る。なお、スキャナ24が認識した商品バーコードのデコードは、制御部20で行ってもよい。また、スキャナ24は、顧客端末4に表示されたバーコードから電子レシートサービスの会員IDを読取る。スキャナ24は、POS端末2に固定的に設けられたものでもよいし、店員が手に取って操作可能なハンディ式のものでもよい。
【0029】
RFIDリーダ25は、商品に内蔵されたRFタグから個品コードを読取る。RFIDリーダ25は、店員が商品バーコードをスキャンした後に商品を置く場所を読取可能範囲とする位置に設けられることが望ましい。店員が商品バーコードをスキャンした後に自動的に個品コードを読取ることが可能となるからである。なお、商品に内蔵されたRFタグに商品コード等が書き込まれている場合、RFIDリーダ25は当該RFタグから商品コードも読取る。この場合、スキャナ24で商品コードを読取る必要はない。
【0030】
カードリーダ26は、各種カードから情報を読取る。例えば、カードリーダ26は、消費者のクレジットカードからクレジットカード決済に必要な消費者情報を読取る。カードリーダ26は、磁気カードから情報を読取る磁気カードリーダでもよいし、ICチップを内蔵したカードから情報を読取るICカードリーダでもよい。
【0031】
釣銭機27は、顧客が購入代金を現金で支払った際に、顧客の支払った紙幣と硬貨を受け付け、必要に応じて釣り銭を払い出す。
【0032】
通信部28は、電子レシートサーバ3などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部28を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0033】
続いて、POS端末2の制御部20の機能構成について説明する。
図3は、POS端末2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部2001、入力部2002、登録部2003、決済処理部2004、および表示制御部2005として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0034】
送受信部2001は、電子レシートサーバ3との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部2001は、会員ID、店舗ID、個品コードを含むレシート情報を電子レシートサーバ3に送信する。また、送受信部2001は、会員ID、店舗ID、個品コードを含む購入確認要求を電子レシートサーバ3に送信する。さらに、送受信部2001は、購入確認要求に対する応答として電子レシートサーバ3から判定結果を受信する。
【0035】
入力部2002には、操作部23、スキャナ24、およびRFIDリーダ25から各種情報が入力される。例えば、入力部2002には、操作部23から返品処理の開始を宣言する返品処理開始指示が入力される。また、入力部2002には、RFIDリーダ25から個品コードが入力される。さらに、入力部2002には、スキャナ24から商品コードや会員IDが入力される。なお、商品に内蔵されたRFタグに商品コード等が書き込まれている場合、入力部2002にはRFIDリーダ25から商品コードが入力される。
【0036】
登録部2003は、商品登録を実行する。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して商品情報部2031に登録(記憶)する。また、登録部2003は、入力部2002に入力された個品コードを商品コードに対応付けて商品情報部2031に登録する。
【0037】
決済処理部2004は、一取引に係る決済処理を実行する。決済処理とは、顧客が購入代金の支払いを完了するための処理である。例えば、決済処理部2004は、一取引の取引金額の算出、レシート情報の生成、現金決済やキャッシュレス決済に係る処理などを行う。また、決済処理部2004は、返品処理を実行する。返品処理は、顧客が返品をする際に行われる処理であって、返品額の算出、返品に係る情報の登録などを含む。
【0038】
表示制御部2005は、表示部22に各種情報を表示させる。例えば、表示制御部2005は、商品登録された商品の商品情報や一取引の取引金額などを表示部22に表示させる。
【0039】
次に、電子レシートサーバ3について詳細に説明する。電子レシートサーバ3は、Webサーバとしても機能するもので、電子レシートサービスの会員である顧客に電子レシートを提供する。具体的には、電子レシートサーバ3は、POS端末2で決済された取引のレシート情報を一取引毎に管理する。そして、電子レシートサーバ3は、レシート情報をWebページに公開し、顧客端末4からの要求に応じて当該顧客端末4に適宜レシート情報を送信する。ここで、電子レシートサーバ3が送信するレシート情報のデータ形式は問わないものとする。
【0040】
図4は、電子レシートサーバ3の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。電子レシートサーバ3は、制御部30と、記憶部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34と、を備えている。制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33、および通信部34は、バス35等を介して互いに接続されている。
【0041】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータ構成となっている。CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス35を介して互いに接続されている。
【0042】
CPU301は電子レシートサーバ3の全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用され、ROM302や記憶部31に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部30は、CPU301がROM302や、記憶部31に記憶されRAM303に展開された制御プログラムに従って動作することによって、電子レシートサーバ3の各種制御処理を実行する。
【0043】
記憶部31は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部31は、制御プログラム311、会員マスタ312、およびレシート情報管理ファイル313を記憶する。
【0044】
制御プログラム311は、POS端末2から各種情報を受信するためのプログラム、受信したレシート情報を一取引毎に管理するためのプログラム、POS端末2から受信した購入確認要求に応じて判定処理を実行するためのプログラム、Webサーバ機能を実現するプログラムなどである。
【0045】
会員マスタ312は、電子レシートサービスの会員の情報を記憶するマスタファイルである。
図5は、会員マスタ312のデータ構成を示す図である。会員マスタ312は、会員IDに対応付けて、氏名、性別、年齢、および通知先を記憶する。通知先は、例えば会員が所有する顧客端末4のメールアドレスである。
【0046】
レシート情報管理ファイル313は、POS端末2で決済された取引のレシート情報を会員毎に、かつ一取引毎に管理するファイルである。レシート情報管理ファイル313は、POS端末2から受信したレシート情報に基づいて登録、更新される。
図6は、レシート情報管理ファイル313のデータ構成を示す図である。レシート情報管理ファイル313は、会員IDに対応付けて、レシートNo、企業ID、店舗ID、取引金額、個品コードおよび商品情報を記憶する。
【0047】
会員IDは、電子レシートサービスの会員を識別する情報であって、上述したように購入者識別情報の一例である。なお、購入者識別情報は、購入者を識別できる情報であればよく、電子レシートサービスの会員IDに限らず、店舗毎に発行される店舗会員IDであってもよい。レシートNoは、各POS端末2における一取引を特定する情報である。
【0048】
企業IDは、商品を販売する企業を識別する情報である。店舗IDは、商品を販売する店舗を識別する情報であって、販売事業者識別情報の一例である。なお、企業IDを販売事業者識別情報として利用してもよい。取引金額は、一取引の取引金額すなわち一取引で購入された商品の代金の合計金額である。企業ID、店舗ID、および取引金額は、レシートNoに1対1で対応して記憶される。
【0049】
個品コードは、個品を識別する情報であって、上述したように個品識別情報の一例である。一取引において複数の個品が購入された場合、レシートNoに対応して複数の個品コードが登録される。商品情報は、レシートNoで特定される取引で販売された商品の情報である。商品情報は、例えば、商品を特定する商品コード、商品の名称、単価、税額などを示す情報であり、個品コードに1対1で対応して記憶される。
【0050】
図4に戻って電子レシートサーバ3のハードウェア構成について説明する。
【0051】
表示部32は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部32は、例えば会員マスタ312やレシート情報管理ファイル313に記憶された情報を必要に応じて表示する。
【0052】
操作部33は、制御部30に情報を入力するためのもので、キーボード、タッチパネル、マウスなどで構成される。
【0053】
通信部34は、POS端末2、顧客端末4などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部30は、通信部34を介して外部装置と接続されることで、外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0054】
続いて、電子レシートサーバ3の制御部30の機能構成について説明する。
図7は、電子レシートサーバ3の制御部30の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部31に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部3001、受付部3002、取得部3003、管理部3004、および判定部3005として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0055】
送受信部3001は、POS端末2および顧客端末4との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部3001は、会員ID、企業ID、店舗ID、個品コードを含むレシート情報をPOS端末2から受信する。また、送受信部3001は、会員ID、店舗ID、個品コードを含む購入確認要求をPOS端末2から受信し、当該購入確認要求に対する応答として判定結果を当該POS端末2に送信する。さらに、送受信部3001は、顧客端末4からレシート情報要求を受信し、当該レシート情報要求に対する応答としてレシート情報を当該顧客端末4に送信する。送受信部3001は、出力部の一例である。
【0056】
受付部3002は、操作部33から各種情報を受付ける。例えば、受付部3002は、会員マスタ312やレシート情報管理ファイル313を手動で更新する場合に、更新するための情報を受付ける。
【0057】
取得部3003は、商品の個品を識別する個品識別情報を取得する。具体的には、取得部3003は、送受信部3001がPOS端末2から受信したレシート情報(個品コードを含む)を取得する。
【0058】
管理部3004は、販売事業者によって販売された商品の個品識別情報を管理する。具体的には、管理部3004は、取得部3003が取得した情報であって個品コードを含むレシート情報をレシート情報管理ファイル313に記憶する。また、管理部3004は、レシート情報管理ファイル313に記憶された情報を必要に応じて読み出す。
【0059】
判定部3005は、POS端末2の入力部2002に入力された個品識別情報が管理部3004で管理されている個品識別情報に含まれるか否か判定する。具体的には、判定部3005は、送受信部3001がPOS端末2から受信した購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に記憶されているか否か判定する。言い換えると、判定部3005は、POS端末2から購入確認要求を受けた個品が販売データ管理システム1を利用するいずれかの店舗で販売されたものであるか否かを判定する。なお、販売データ管理システム1が一店舗にのみ適用される場合、上記判定により、POS端末2から購入確認要求を受けた個品が当該一店舗で販売されたものであるか否かの判定も行うことができる。
【0060】
また、判定部3005は、送受信部3001がPOS端末2から受信した購入確認要求に含まれる個品コードおよび店舗IDが、レシート情報管理ファイル313に対応付けられて記憶されているか否か判定する。言い換えると、判定部3005は、POS端末2から購入確認要求を受けた個品が当該POS端末2を設置した店舗で販売されたものであるか否かの判定を行う。
【0061】
さらに、判定部3005は、送受信部3001がPOS端末2から受信した購入確認要求に含まれる個品コードおよび会員IDが、レシート情報管理ファイル313に対応付けられて記憶されているか否か判定する。言い換えると、判定部3005は、POS端末2から購入確認要求を受けた個品が返品等を希望する顧客によって購入されたものか否かの判定を行う。
【0062】
なお、判定部3005の機能をPOS端末2が備えていてもよい。この場合、電子レシートサーバ3は、購入確認要求に含まれる個品コードに対応する情報をレシート情報管理ファイル313から読み出してPOS端末2に送信すればよい。
【0063】
上記構成の販売データ管理システム1を含む電子レシートシステム10の動作の概略について説明する。
図8は、電子レシートシステム10の動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【0064】
まず、取引決済時の流れについて説明する。店舗で電子レシートサービスの会員である顧客が商品を購入する際、当該店舗のPOS端末2に会員IDが入力される(ステップS1)。そして、POS端末2は、購入される商品について商品コードと個品コードを読取る(ステップS2)。続いて、POS端末2は商品登録を実行する(ステップS3)。商品登録では、一商品について読取った商品コードと個品コードとが対応付けて商品情報部2031に記憶される。
【0065】
顧客が購入する商品全ての商品登録が完了して決済指示が入力されると、POS端末2は、商品登録された情報に基づいて決済処理を実行する(ステップS4)。決済処理が完了すると、POS端末2は、会員ID、企業ID、店舗ID、商品情報および個品コードを含むレシート情報を電子レシートサーバ3に送信する(ステップS5)。
【0066】
電子レシートサーバ3は、受信したレシート情報をレシート情報管理ファイル313に登録する(ステップS6)。顧客端末4は、POS端末2での決済後にレシート情報要求を電子レシートサーバ3に送信することができる(ステップS7)。例えば、レシート情報要求は、電子レシートサーバ3がレシート情報を登録すると顧客端末4にレシート情報を提供するWebページのURLを送信し、顧客端末4が当該URLを指定することでなされる。なお、レシート情報要求は、電子レシートサーバ3がレシート情報を登録すると顧客端末4にレシートNoを含む登録通知を送信し、当該登録通知を受けた顧客端末4がレシートNoを特定したレシート情報要求を電子レシートサーバ3に送信するようにしてもよい。
【0067】
電子レシートサーバ3は、レシート情報要求で要求されたレシート情報をレシート情報管理ファイル313から抽出する(ステップS8)。電子レシートサーバ3は、抽出したレシート情報を顧客端末4に送信する(ステップS9)。
【0068】
顧客端末4は、受信したレシート情報、言い換えれば、Web上に公開されダウンロードされたレシート情報を一時的に保存し、Webブラウザによって表示部42に電子レシートを表示する(ステップS10)。一時的に保存されたレシート情報は、例えば電子レシートサービスのアプリケーションプログラムが次回に起動された際にクリアされる。なお、顧客端末4は、受信したレシート情報を蓄積して保存してもよい。
【0069】
以上の動作により、顧客は、POS端末2が設置された店舗で商品を購入できるとともに、商品の購入に係るレシート情報を顧客端末4で閲覧することができる。また、電子レシートサーバ3は、POS端末2で決済処理された商品の商品情報や個品コードを含むレシート情報を管理することができる。
【0070】
続いて、店舗での返品の受付時の流れについて説明する。なお、ここでは返品の受付時の流れについて説明するが、故障の受付等であっても同様である。販売データ管理システム1は、顧客が店舗に持ち込んだ個品が当該店舗で販売されたものか否かを確認する場合に活用できる。
【0071】
まず、返品をするために顧客が店舗に個品を持ち込むと、店員の操作によってPOS端末2に返品処理開始指示が入力される(ステップS11)。次いで、POS端末2には、個品を持ち込んだ顧客の会員IDが入力される(ステップS12)。また、POS端末2は、顧客が持ち込んだ個品に内蔵されたRFタグから個品コードを読取る(ステップS13)。
【0072】
POS端末2は、入力された会員ID、記憶部21に記憶された店舗情報である店舗ID、および読取った個品コードを含む購入確認要求を電子レシートサーバ3に送信する(ステップS14)。
【0073】
電子レシートサーバ3は、購入確認要求を受信すると判定処理を実行する(ステップS15)。判定処理の詳細は後述する。電子レシートサーバ3は、判定処理による判定結果をPOS端末2に送信する(ステップS16)。
【0074】
POS端末2は、電子レシートサーバ3から受信した判定結果に基づいて、返品処理の可否を判断する(ステップS17)。すなわち、POS端末2は、顧客によって持ち込まれた個品を返品対象とするか否か判断する。返品対象とする場合、POS端末2は返品処理を実行する(ステップS18)。
【0075】
次に、電子レシートサーバ3が実行する判定処理について説明する。
図9は、電子レシートサーバ3の制御部30による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
制御部30は、送受信部3001がPOS端末2から購入確認要求を受信したか否か判断し(ステップS21)、受信しなければ(ステップS21のN)、ステップS21の処理に戻って待機する。
【0077】
送受信部3001がPOS端末2から購入確認要求を受信すると(ステップS21のY)、判定部3005は、購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に登録されているか否か判断する(ステップS22)。言い換えれば、判定部3005は、購入確認要求の対象である個品がいずれかの店舗で正規に販売されたものであるか否か、すなわち盗難品でないか否か判断する。
【0078】
購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に登録されていると(ステップS22のY)、判定部3005は、当該購入確認要求に含まれる店舗IDが、レシート情報管理ファイル313において当該個品コードに対応する店舗IDと一致するか否か判断する(ステップS23)。言い換えれば、判定部3005は、購入確認要求の対象である個品が返品を受付けた店舗で販売されたものであるか否か判断する。
【0079】
購入確認要求に含まれる店舗IDが個品コードに対応する店舗IDと一致すると(ステップS23のY)、判定部3005は、当該購入確認要求に含まれる会員IDがレシート情報管理ファイル313において当該個品コードに対応する会員IDと一致するか否か判断する(ステップS24)。言い換えれば、判定部3005は、返品を要求する顧客が対象の個品を購入した顧客であるか否か判断する。
【0080】
購入確認要求に含まれる会員IDが個品コードに対応する会員IDと一致すると(ステップS24のY)、判定部3005は、返品可能である旨判定する(ステップS25)。続いて、送受信部3001は、購入要求確認の送信元であるPOS端末2に対して判定結果を送信する(ステップS26)。そして、制御部30は判定処理を終了する。
【0081】
ステップS22の処理において、購入確認要求に含まれる個品コードがレシート情報管理ファイル313に登録されていない場合(ステップS22のN)、判定部3005は、返品不可の旨判定する(ステップS27)。判定部3005は、購入確認要求の対象である個品が盗難品の可能性があると判断して返品不可と判定する。その後、制御部30はステップS26の処理に移行する。
【0082】
ステップS23の処理において、購入確認要求に含まれる店舗IDが個品コードに対応する店舗IDと一致しない場合(ステップS23のN)、制御部30はステップS27の処理に移行する。判定部3005は、購入確認要求の対象である個品が、当該購入確認要求を送信したPOS端末2が設置された店舗で販売されたものでないと判断して返品不可と判定する。
【0083】
ステップS24の処理において、購入確認要求に含まれる会員IDが個品コードに対応する会員IDと一致しない場合(ステップS24のN)、判定部3005は、注意判定を行う(ステップS28)。判定部3005は、購入確認要求の対象である個品を購入した顧客と異なる顧客が返品を要求していることを店舗に通知するために、注意判定を行う。注意判定の判定結果を受信したPOS端末2の処理は、店舗が任意に設定することができる。そして、制御部30は、ステップS26の処理に移行する。なお、ステップS24の判断は必ずしも必要とするものではない。
【0084】
以上説明したとおり、第1の実施形態の販売データ管理システム1は、商品の個品を識別する個品コードが入力される入力部2002を備えたPOS端末2と、販売事業者によって販売された商品の個品コードを管理する管理部3004を備えた電子レシートサーバ3と、を有する販売データ管理システム1であって、入力部2002に入力された個品コードが管理部3004で管理されている個品コードに含まれるか否か判定する判定部3005と、判定部3005による判定結果を出力する送受信部3001と、を備える。
【0085】
これにより、販売データ管理システム1は、POS端末2に入力された個品コードで識別される個品が、当該POS端末2を設置した店舗で販売されたものであるか否か判断することができる。したがって、販売データ管理システム1を利用する店舗等は、返品等を受付けた際に返品対象の個品が自己の店舗等で販売されたものであるか否か確認することができる。
【0086】
また、第1の実施形態の販売データ管理システム1は、入力部2002には、商品の購入者を識別する会員IDが入力され、管理部3004は、個品コードと当該個品コードで識別される個品を購入した購入者の会員IDとを対応付けて管理し、判定部3005は、入力部2002に入力された個品コードおよび会員IDが管理部3004によって対応付けて管理されているか否か判定する。
【0087】
これにより、販売データ管理システム1は、POS端末2に入力された会員IDで識別される顧客が、個品コードで識別される個品を購入した顧客であるか否か判断することができる。したがって、販売データ管理システム1を利用する店舗等は、返品等を受付けた際に返品対象の個品が当該個品を持ち込んだ顧客によって購入されたものであるか否か確認することができる。このため、店舗等は、例えば正規の購入者からの盗難品を返品対象としてしまうことを防止することができる。
【0088】
さらに、第1の実施形態の販売データ管理システム1の管理部3004は、販売事業者と購入者との取引に係るレシート情報を管理する。
【0089】
これにより、販売データ管理システム1は、レシート情報を管理する電子レシートサーバを利用することができる。したがって、販売データ管理システム1を容易に構築することができる。別の言い方をすれば、販売データ管理システム1を用いて電子レシートサービスを提供することが可能となる。
【0090】
加えて、第1の実施形態の販売データ管理システム1のPOS端末2は、販売された商品の返品に係る返品処理を実行する決済処理部2004をさらに備え、決済処理部2004は、送受信部3001が出力した判定結果に応じて返品処理を実行する。
【0091】
これにより、POS端末2は、例えば判定部3005が返品不可と判定した場合、返品処理を禁止することができる。したがって、したがって、店舗等が不正な返品要求に応じてしまうことが防止される。
【0092】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、電子レシートに表示された個品コードと、店舗に持ち込まれた個品から読取った個品コードとが一致しているか否かをPOS端末2が判定することによって、当該個品が当該店舗で販売されたものであるか否かを確認することができるようにしたものである。POS端末2は、情報処理装置の一例である。なお、本実施形態において、電子レシートに代えて紙レシートを用いることも可能である。以下、第1の実施形態と同様の構成、機能については、説明を省略する場合がある。以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0093】
図10は、顧客端末4におけるレシートの表示画面を示す図である。顧客端末4は、電子レシートサービスのアプリケーションプログラムを起動させてレシートを表示することができる。顧客端末4の表示部42には、ヘッダー部421および主表示部422が形成される。
【0094】
ヘッダー部421には、複数のボタン4211が形成されている。ボタン4211は、例えば会員IDを示すバーコードを主表示部422に表示させるためのものや、電子レシートを主表示部422に表示させるためのものなどである。
【0095】
主表示部422は、
図10に示す電子レシート表示画面においては電子レシートを表示する。また、主表示部422は、電子レシートサービスのアプリケーションプログラムが起動された際にはスタート画面を表示する。主表示部422には、店舗情報表示領域4221および取引情報表示領域4222が形成されている。
【0096】
店舗情報表示領域4221には、店舗情報が表示される。表示される店舗情報は、例えば、企業名、店舗名、企業ID、店舗IDなどである。なお、店舗情報表示領域4221に店舗情報に加えてコマーシャルメッセージなどを表示するようにしてもよい。
【0097】
取引情報表示領域4222には、商品情報、取引日時、レシートNoなどが表示される。表示される商品情報は、商品名や価格に加えて、バーコード4223を含む。バーコード4223は、購入された個品を識別する個品コードを示す。これにより、レシートに表示されたバーコード4223を読取ることにより、当該レシートにかかる取引で購入された個品を特定することができる。なお、主表示部422は、一取引において購入商品が多く商品情報が顧客端末4の表示部42に収まらない場合、表示画面の上下へのスクロール機能によって全ての情報を表示することができる。
【0098】
顧客は、表示された電子レシートを閲覧することで取引内容を確認できる。また、顧客は店舗で返品を行う際に電子レシートを店員に提示して、返品する個品を購入したことを知らしめることができる。
【0099】
続いて、POS端末2の制御部20の機能構成について説明する。
図11は、POS端末2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部2001、入力部2002、登録部2003、決済処理部2004、表示制御部2005、および判定部2006として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0100】
送受信部2001、登録部2003、決済処理部2004、および表示制御部2005の機能は、第1の実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。入力部2002には、スキャナ24が顧客端末4に表示されたレシートのバーコードから読取った個品コードが入力される。入力部2002のその他の機能は、第1の実施形態と同様である。ここで、入力部2002は、商品に付された媒体が示す個品識別情報が入力される第1入力部の一例であり、購入された商品のレシートが示す個品識別情報が入力される第2入力部の一例でもある。また、表示制御部2005は出力部の一例である。
【0101】
上記構成における返品の受付時の流れについて説明する。顧客は、返品する個品と当該個品を購入した際のレシートを店員に提示する。店員は、提示されたレシートが自店舗によって発行されたものであることを確認する。なお、レシートのバーコード4223に店舗情報を書込むようにしてもよい。この場合、バーコード4223を読取ることで、提示されたレシートが自店舗によって発行されたものであることを確認することができる。次いで、店員は、スキャナ24によって顧客端末4のレシートのバーコードから個品コードを読取らせるとともに、RFIDリーダ25によって持ち込まれた個品に内蔵されたRFタグから個品コードを読取らせる。
【0102】
POS端末2は、スキャナ24が読取った個品コードとRFIDリーダ25が読取った個品コードとが一致するか否かを判定する判定処理を実行する。これにより、店舗は、顧客により持ち込まれた個品が提示されたレシートに係る取引で購入されたものであるか否か、言い換えれば自店舗で販売された個品であるか否かを確認することができる。
【0103】
次に、POS端末2が実行する判定処理について説明する。
図12は、POS端末2の制御部20による判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0104】
制御部20は、入力部2002に操作部23から判定指示が入力されたか否か判断し(ステップS31)、入力されなければ(ステップS31のN)、ステップS31の処理に戻って待機する。
【0105】
入力部2002に判定指示が入力されると(ステップS31のY)、制御部20は、入力部2002にRFIDリーダ25から個品コードが入力されたか否か判断し(ステップS32)、入力されなければ(ステップS32のN)、ステップS32の処理に戻って待機する。
【0106】
入力部2002にRFIDリーダ25から個品コードが入力されると(ステップS32のY)、制御部20は、入力部2002にスキャナ24から個品コードが入力されたか否か判断し(ステップS33)、入力されなければ(ステップS33のN)、ステップS33の処理に戻って待機する。なお、ステップS32の処理とステップS33の処理の順序は逆であってもよい。
【0107】
入力部2002にスキャナ24から個品コードが入力されると(ステップS33のY)、判定部2006は、RFIDリーダ25から入力された個品コードとスキャナ24から入力された個品コードが一致するか否か判断する(ステップS34)。
【0108】
RFIDリーダ25から入力された個品コードとスキャナ24から入力された個品コードとが一致すると(ステップS34のY)、判定部2006は、返品可能である旨判定する(ステップS35)。続いて、表示制御部2005は、判定結果を表示部22に出力して、当該表示部22に表示させる(ステップS36)。そして、制御部20は判定処理を終了する。
【0109】
ステップS34の処理において、RFIDリーダ25から入力された個品コードとスキャナ24から入力された個品コードとが一致しない場合(ステップS34のN)、判定部2006は、返品不可の旨判定する(ステップS37)。判定部2006は、持ち込まれた個品と、顧客端末4に表示されたレシートにかかる取引で購入された個品とが同じ物ではないと判断して返品不可と判定する。その後、制御部20はステップS36の処理に移行する。
【0110】
以上説明したとおり、第2の実施形態のPOS端末2は、商品に付されたRFタグが示す個品コードが入力される第1入力部(入力部2002)と、購入された商品のレシートが示す個品コードが入力される第2入力部(入力部2002)と、前記第1入力部に入力された個品コードと前記第2入力部に入力された個品コードとが一致するか否かを判定する判定部2006と、判定部2006による判定結果を出力する表示制御部2005と、を備える。
【0111】
これにより、POS端末2は、店舗に持ち込まれた商品に付されたRFタグが示す個品コードで識別される個品が、当該店舗で販売されたものであるか否か判断することができる。したがって、POS端末2を利用する店舗等は、返品等を受付けた際に返品対象の個品が自己の店舗等で販売されたものであるか否か確認することができる。
【0112】
なお、上記各実施形態において、POS端末2、電子レシートサーバ3、および顧客端末4の各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0113】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0114】
1 販売データ管理システム
2 POS端末(第1の実施形態におけるデータ処理装置、第2の実施形態における情報処理装置)
3 電子レシートサーバ(サーバ装置、第1の実施形態における情報処理装置)
2002 入力部(第2の実施形態における第1入力部、第2入力部)
2005 表示制御部(第2の実施形態における出力部)
2006 判定部
3001 送受信部(第1の実施形態における出力部)
3003 取得部
3004 管理部
3005 判定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】