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  • 特開-竿湾曲補正装置 図1
  • 特開-竿湾曲補正装置 図2
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  • 特開-竿湾曲補正装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178990
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】竿湾曲補正装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 3/10 20060101AFI20231212BHJP
   A22C 15/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B21D3/10 E
A22C15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091952
(22)【出願日】2022-06-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390034201
【氏名又は名称】ハイテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124257
【弁理士】
【氏名又は名称】生井 和平
(72)【発明者】
【氏名】中村 達郎
(72)【発明者】
【氏名】田邉 勝也
(72)【発明者】
【氏名】原澤 広克
(72)【発明者】
【氏名】山田 慎也
(57)【要約】
【課題】シンプルな構造で竿の湾曲を判定すると共に湾曲している竿の湾曲を補正可能な竿湾曲補正装置を提供する。
【解決手段】竿湾曲補正装置は、湾曲検出部10と、中央押上部20と、竿保持部30と、竿補正部40とからなる。湾曲検出部10は、竿1の両端部を押し上げる両端押上部11と、竿1の長手方向の複数点の位置を検出する複数点センサ部12とを有する。中央押上部20は、湾曲している竿1が山弓なりとなるように軸回転させると共に、竿1の左側端部よりも右側端部が下がるように、竿1の左側端部と中央部との間の部位を押し上げる。竿保持部30は、竿1が軸回転しないように竿1の右側端部を保持すると共に、竿1の左側端部方向に竿1をスライド可能に保持する。竿補正部40は、投入される竿1の湾曲している向きとは反対方向に力を加え、湾曲している竿1の湾曲を補正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を懸吊するための竿の湾曲を補正する竿湾曲補正装置であって、該竿湾曲補正装置は、
竿の湾曲を検出する湾曲検出部であって、湾曲している竿が谷弓なりとなるように軸回転させるために竿の両端部を押し上げる両端押上部と、該両端押上部により押し上げられる竿の長手方向の複数点の位置を検出する複数点センサ部とを有し、複数点センサ部により竿の長手方向の複数点の位置を検出した後に両端押上部による竿の両端部の押し上げを下ろす、湾曲検出部と、
前記湾曲検出部により検出される竿の湾曲が所定のしきい値より大きい場合に、湾曲している竿が山弓なりとなるように軸回転させると共に、竿の一方の端部よりも他方の端部が下がるように、竿の一方の端部と中央部との間の部位を押し上げる中央押上部と、
前記中央押上部により押し上げられた状態の竿が軸回転しないように竿の他方の端部を保持すると共に、竿の一方の端部方向に竿をスライド可能に保持する竿保持部と、
前記竿保持部により軸回転しない状態でスライドされる竿が投入され、投入される竿の湾曲している向きとは反対方向に力を加え、湾曲している竿の湾曲を補正する竿補正部と、
を具備することを特徴とする竿湾曲補正装置。
【請求項2】
請求項1に記載の竿湾曲補正装置であって、さらに、湾曲検出部により検出される竿の湾曲が所定のしきい値より小さい場合に、竿を排出する正常竿排出部を具備することを特徴とする竿湾曲補正装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の竿湾曲補正装置において、前記竿補正部は、竿保持部により軸回転しない状態で投入される竿が軸回転しない状態で長手方向に竿を搬送するガイドローラ部と、竿の湾曲している向きとは反対方向に力を加える補正ローラ部とを有することを特徴とする竿湾曲補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は竿湾曲補正装置に関し、特に、食品を懸吊するための竿の湾曲を補正するための竿湾曲補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばソーセージの生産ラインにおいては、連鎖状のソーセージを懸吊するための竿が用いられている。竿は、円柱状又は円筒状の金属からなる。このような竿には、重量のあるソーセージが懸吊されるため、懸吊される際や移動の際に、竿が湾曲してしまうおそれがある。具体的には、竿の両端部を保持し中央付近に連鎖状のソーセージが懸吊されるので、竿が弓状に湾曲してしまうことが多い。
【0003】
例えば特許文献1には、このような湾曲した竿を検出して排除する竿供給装置が開示されている。特許文献1に開示の竿供給装置は、水平に支持された竿の両端部近傍に竿の曲がり量を測定する竿曲がり量測定手段が設けられており、竿曲がり量測定手段を鉛直面内で回転させることで、竿の曲がり量を測定して曲がった竿を排除するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-019542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の竿供給装置は、竿曲がり量測定手段を円直面内でモータ等を用いて回転させるものであり、装置自体が複雑であり高価となっていた。また、単に曲がった竿を検出して排除する装置であるため、従来では排除された竿は、人手により湾曲が補正されたり、湾曲が酷いものは廃棄されたりしていた。したがって、竿が湾曲しているか否かをシンプルな構造で簡単に判定すると共に、湾曲している竿の湾曲を補正する装置の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、シンプルな構造で竿の湾曲を判定すると共に湾曲している竿の湾曲を補正可能な竿湾曲補正装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による竿湾曲補正装置は、竿の湾曲を検出する湾曲検出部であって、湾曲している竿が谷弓なりとなるように軸回転させるために竿の両端部を押し上げる両端押上部と、該両端押上部により押し上げられる竿の長手方向の複数点の位置を検出する複数点センサ部とを有し、複数点センサ部により竿の長手方向の複数点の位置を検出した後に両端押上部による竿の両端部の押し上げを下ろす、湾曲検出部と、湾曲検出部により検出される竿の湾曲が所定のしきい値より大きい場合に、湾曲している竿が山弓なりとなるように軸回転させると共に、竿の一方の端部よりも他方の端部が下がるように、竿の一方の端部と中央部との間の部位を押し上げる中央押上部と、中央押上部により押し上げられた状態の竿が軸回転しないように竿の他方の端部を保持すると共に、竿の一方の端部方向に竿をスライド可能に保持する竿保持部と、竿保持部により軸回転しない状態でスライドされる竿が投入され、投入される竿の湾曲している向きとは反対方向に力を加え、湾曲している竿の湾曲を補正する竿補正部と、を具備するものである。
【0008】
さらに、竿湾曲補正装置は、湾曲検出部により検出される竿の湾曲が所定のしきい値より小さい場合に、竿を排出する正常竿排出部を具備するものであっても良い。
【0009】
また、竿補正部は、竿保持部により軸回転しない状態で投入される竿が軸回転しない状態で長手方向に竿を搬送するガイドローラ部と、竿の湾曲している向きとは反対方向に力を加える補正ローラ部とを有するものであれば良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明の竿湾曲補正装置には、シンプルな構造で竿の湾曲を判定すると共に湾曲している竿の湾曲を補正可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の竿湾曲補正装置の全体構成を説明するための概略側面図である。
図2図2は、本発明の竿湾曲補正装置の湾曲検出部の詳細を説明するための概略側面図である。
図3図3は、本発明の竿湾曲補正装置の中央押上部により押し上げられる竿の状態を説明するための概略側面図である。
図4図4は、本発明の竿湾曲補正装置の竿保持部及び竿補正部の詳細を説明するための概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。本発明の竿湾曲補正装置は、食品を懸吊するための竿の湾曲を補正するために用いられるものである。図1は、本発明の竿湾曲補正装置の全体構成を説明するための概略側面図である。図示の通り、本発明の竿湾曲補正装置は、湾曲検出部10と、中央押上部20と、竿保持部30と、竿補正部40とから主に構成されている。なお、本明細書中では、竿1の一方の側、具体的には右側に竿保持部30が配置され、竿1の他方の側、具体的には左側に竿補正部40が配置される例について説明するが、本発明はこれに限定されず、逆に、竿1の左側に竿保持部30が配置され、竿1の右側に竿補正部40が配置される例であっても良い。
【0013】
湾曲検出部10は、両端押上部11と、複数点センサ部12とからなる。湾曲検出部10は、両端押上部11により押し上げられる竿1の湾曲を検出するものである。湾曲検出部10は、湾曲している竿と湾曲していない竿の違いを判別できるものであれば良い。また、湾曲検出部10は、複数点センサ部12により竿1の長手方向の複数点の位置を検出した後に両端押上部11による竿1の両端部の押し上げを下ろす。即ち、両端押上部11は、複数点センサ部12により湾曲検出を行うために竿1を押し上げ、湾曲検出後に竿1を下ろす動作をするものである。
【0014】
両端押上部11は、竿1の両端部を押し上げるものである。竿1の両端部を押し上げることで、湾曲している竿1が谷弓なりとなるように軸回転する。即ち、両端押上部11は、湾曲している竿1が谷弓なりとなるように軸回転させるために、竿1の両端部を押し上げるものである。両端押上部11により竿1の両端部が押し上げられると、湾曲していない竿1は軸回転することなく水平に持ち上げられる。しかしながら、竿1が湾曲している場合には、竿1の中央部が下側に撓んだ状態となるように軸回転する。本明細書中では、このように竿1の中央部が下側に撓んだ状態を谷弓なりと称する。
【0015】
両端押上部11により押し上げられる竿1は、両端押上部11の2つの押上部の間に設けられる竿トレイ13上に1本ずつ順に配置される。竿トレイ13は、例えば上面にV字溝を有し、竿1の長手軸が位置決めされるように構成されれば良い。両端押上部11は、竿トレイ13上に配置された竿1の両端部を押し上げれば良い。
【0016】
図示例の両端押上部11は、竿1の両端部を押し上げるために竿トレイ13の両端部に配置される2つの押上部からなるものを示した。両端押上部11は、竿1の両端部を下から押し上げるように上下するものである。なお、湾曲している竿1が軸回転することになるため、両端押上部11の押上面は、竿1が側方に落ちない程度に適宜U字状に構成されれば良い。両端押上部11は、例えばエアシリンダや油圧シリンダ等のアクチュエータからなるものであれば良い。また、アクチュエータには限定されず、例えばラックピニオンギヤとモータを用いるものや、ボールねじ等を用いるもの等、如何なる構成であっても良い。
【0017】
図2に、本発明の竿湾曲補正装置の湾曲検出部の詳細を説明するための概略側面図を示す。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、湾曲検出部10周辺のみを示し、他のものは図示を省略した。両端押上部11により両端部が押し上げられた竿1は、竿トレイ13から浮いた状態となる。このとき、上述の通り、竿1が湾曲していなければ竿1は長手軸周りに回転することはなく竿トレイ13と平行に維持されることになる(図示の破線の状態)。しかしながら、図示の通り、竿1が弓状に湾曲している場合には、両端押上部11において、竿1が軸回転して谷弓なりとなり、中央付近が下側に撓んだ状態となる。即ち、自重により竿1が軸回転しながら中央付近が下側に撓んだ状態となる。湾曲検出部10の複数点センサ部12は、このような竿1の谷弓なりとなる部分を検出する。
【0018】
図示例の複数点センサ部12は、竿1の長手方向の複数点の位置を検出するように構成されている。具体的には、複数点センサ部12は、例えば非接触で検出可能なように複数のレーザセンサを竿1の上端に沿って直線上に配列してなる。複数点センサ部12は、湾曲していない竿1から反射したレーザ光の反射光を受光することにより、竿1が湾曲していなことが検出できるように構成されている。湾曲している竿1が両端押上部11により押し上げられ軸回転し谷弓なりとなると、複数点センサ部12のレーザ光の反射光が受光されなくなるため、竿1が湾曲していることが検出可能となる。このように、湾曲検出部10では、複数点センサ部12によりこの竿1の位置変化を複数点で検出している。竿1は、通常ある程度湾曲しているものであるため、湾曲検出部10は、湾曲が所定のしきい値より大きい場合に湾曲していると判定すれば良い。このしきい値は、例えば複数点センサ部12の各レーザセンサのうちのいくつのセンサが反射光を受光できたか、といったことを基準に決定されれば良い。
【0019】
湾曲検出部10では、竿1の湾曲の程度により、所定のしきい値より大きい場合に湾曲補正を行い、所定のしきい値より小さい場合には正常な竿1であると判定することが可能である。このとき、正常な竿1であると判定された場合には、湾曲補正が不要なため、湾曲補正装置から竿1を排出すれば良い。図1に示される例では、正常な竿1を排出するための正常竿排出部50が設けられている。正常竿排出部50は、湾曲検出部10により検出される竿1の湾曲が所定のしきい値より小さい場合に、竿1を排出するものである。複数点センサ部12により竿1の長手方向の複数点の位置を検出した後には、両端押上部11による竿1の両端部の押し上げを下ろして竿トレイ13上に竿1が配置されている。したがって、湾曲検出部10により検出される竿1の湾曲が所定のしきい値より小さい場合、即ち、竿1の湾曲が検出されなかった場合には、正常竿排出部50により、竿トレイ13に配置された竿1を例えば横方向から押し出して竿トレイ13から竿1を側方に落とし、竿ストック部(図示せず)等に蓄積すれば良い。
【0020】
図3に、本発明の竿湾曲補正装置の中央押上部により押し上げられる竿の状態を説明するための概略側面図を示す。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、中央押上部20周辺のみを示し、他のものは図示を省略した。また、竿トレイ13は断面図で表した。中央押上部20は、湾曲検出部10により検出される竿1の湾曲が所定のしきい値より大きい場合に、竿1の左側端部と中央部との間の部位を押し上げるものである。即ち、中央押上部20は、竿1の中心よりも竿補正部40側寄りの部位を押し上げるものである。図示の通り、中央押上部20は、竿トレイ13の左側端部と中央部との間に配置されていれば良い。竿1の左側端部と中央部との間の部位を押し上げると、自重により竿1が軸回転しながら両端部が下側に下がった状態となる。本明細書中では、このように竿1の両端部が下側に下がった状態を山弓なりと称する。このとき、竿1は、中央押上部20により竿1の左側端部と中央部との間の部位が押し上げられているため、竿1の左側端部よりも右側端部が下がった状態となる。即ち、中央押上部20は、湾曲している竿1が山弓なりとなるように軸回転させると共に、竿1の右側端部が下がるように、竿1の中央の左側寄りを押し上げるものである。これにより、竿1の右側端部は、後述の竿保持部30により上から押さえて挟持することが可能となる。
【0021】
中央押上部20の押上面は、湾曲している竿1が軸回転することになるため、竿1が側方に落ちない程度に適宜U字状に構成されれば良い。中央押上部20は、例えばエアシリンダや油圧シリンダ等のアクチュエータからなるものであれば良い。また、アクチュエータには限定されず、例えばラックピニオンギヤとモータを用いるものや、ボールねじ等を用いるもの等、如何なる構成であっても良い。
【0022】
図4に、本発明の竿湾曲補正装置の竿保持部及び竿補正部の詳細を説明するための概略側面図を示す。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表している。また、竿保持部30及び竿補正部40周辺のみを示し、他のものは図示を省略した。図示の通り、竿保持部30は、中央押上部20により押し上げられた状態の竿1が軸回転しないように竿1の右側端部を保持すると共に、竿1の左側端部方向に竿1をスライド可能に保持するものである。即ち、湾曲検出部10により湾曲していると判定される竿1の湾曲している向きが所定方向を向いた状態で竿1を保持するものである。そして、図示の通り、竿保持部30は、竿1が山弓なりになった状態のまま保持した状態で、竿1を竿補正部40側にスライドさせるものである。
【0023】
竿保持部30により竿1を竿補正部40側にスライドさせる際には、中央押上部20は下げられていれば良い。即ち、竿保持部30により竿1を保持するときには中央押上部20により中央部が押し上げられた状態で行い、その後、竿保持部30により保持された状態のまま中央押上部20を下げ、そして竿補正部40側にスライドさせれば良い。これにより、竿1は、常に山弓なりとなった状態で後述の竿補正部40に投入されることになる。
【0024】
具体的には、竿保持部30は、例えば竿1の右側端部を上から押さえて挟持するクランプ部を有するものであれば良い。上述の通り、中央押上部20により押し上げられた湾曲している竿1は、右側端部が左側端部よりも下がった状態となっているため、この下がっている右側端部をクランプ部により上から押さえて挟持し、竿1が軸回転しないように保持する。そして、クランプ部により竿1を上から押さえて挟持した状態で竿補正部40側に押し出すようにしてスライドさせれば良い。なお、竿保持部30は、中央押上部20を越えて竿補正部40側にスライドすることはない。
【0025】
このように、本発明の竿湾曲補正装置では、まず両端押上部11により竿1の両端部を押し上げ湾曲した竿1が谷弓なりとなるように軸回転させて湾曲検出部10において検出できるようにする。そして、湾曲検出部10により竿1の湾曲が検出されると、両端押上部11による竿1の両端部の押し上げを下ろし、中央押上部20により竿1の中央の左側寄りを押し上げることで湾曲している竿1が山弓なりとなるように軸回転すると共に、竿1の右側端部が左側端部よりも下がる。さらに、山弓なりになった状態の竿1を、竿保持部30で保持する。この状態のまま、後述の竿補正部40に竿1を投入すれば良い。
【0026】
竿補正部40は、湾曲している竿1の湾曲を補正するものである。これまで説明したように、竿補正部40には、竿保持部30により軸回転しない状態でスライドされる竿1が投入される。したがって、湾曲した竿1は、常に湾曲方向が同じ方向を向いた状態、即ち、山弓なりになった状態で竿補正部40に投入されることになる。このため、竿補正部40では、真っ直ぐな竿に戻すように常に同じ方向に湾曲補正すれば良い。したがって、竿補正部40は、竿1の湾曲している向きとは反対方向に、具体的には、下方向に力を加えるように構成されていれば良い。
【0027】
図示例の竿補正部40は、ガイドローラ部41と、補正ローラ部42とを有するものを示した。ガイドローラ部41は、複数のローラからなるものであり、竿保持部30により竿1の長手方向にスライドされてきた竿1を軸回転しない状態で長手方向に搬送するものである。竿保持部30により竿1が挟持された状態で竿補正部40側にスライドして押し出された竿1がガイドローラ部41に投入された後に、竿保持部30が竿1の挟持を解放すれば良い。より具体的には、図4に示される通り、ガイドローラ部41の所定のローラ位置まで竿1が巻き込まれるところで竿保持部30によるスライドを停止すると共に保持を解除する。これにより、竿1は、ガイドローラ部41により竿1の湾曲している向きが常に山弓なりとなるように保持された状態で、補正ローラ部42側に搬送される。ガイドローラ部41は、特に竿1に補正するための力を加えるものではない。一方、補正ローラ部42は、竿1の湾曲している向きとは反対方向に力を加えるように構成されている。竿1は中央付近が上側に撓んだ山弓なりに湾曲している状態のため、補正ローラ部42では、複数のローラが竿1に下方向の力を加えるように配置されている。なお、補正ローラ部42の複数のローラの配置位置は、任意に変更可能なように構成されていれば良い。即ち、湾曲した竿の湾曲の程度と補正量を予め決定しておき、これに基づき複数のローラの配置位置を決定すれば良い。また、ガイドローラ部41や補正ローラ部42の配置位置や個数は図示例には限定されず、竿補正部40は、竿1の湾曲している向きとは反対方向に力を加えることが可能なように構成されたものであれば良い。
【0028】
なお、一度で湾曲補正できなかった竿1は、再度竿湾曲補正装置に投入されれば良い。即ち、湾曲検出部10により湾曲が所定のしきい値より大きいと判定された竿1は、竿補正部40にて湾曲補正が施されるが、竿補正部40を通った竿は再度本発明の竿湾曲補正装置の両端押上部11に送られ、湾曲検出部10により湾曲していないと判定されるまで繰り返し竿補正部40により湾曲補正されても良い。
【0029】
このように、本発明の竿湾曲補正装置によれば、シンプルな構造で竿の湾曲を判定すると共に湾曲している竿の湾曲を補正することが可能となる。
【0030】
なお、本発明の竿湾曲補正装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
1 竿
10 湾曲検出部
11 両端押上部
12 複数点センサ部
13 竿トレイ
20 中央押上部
30 竿保持部
40 竿補正部
41 ガイドローラ部
42 補正ローラ部
50 正常竿排出部
図1
図2
図3
図4