(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178991
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】経費利用精算装置及び経費利用精算プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20231212BHJP
【FI】
G06Q20/14
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091954
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】520060690
【氏名又は名称】テレワーク・テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】荒木 賢二郎
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者に一定の自由裁量枠を付与した経費利用清算システム及び経費利用精算プログラムを提供する。
【解決手段】ECサーバ、経費利用清算サーバ、施設店舗端末、利用企業端末及びユーザ端末を含み、ネットワークを介して接続されている経費利用精算システムにおいて、経費利用清算サーバは、ユーザ毎に、ユーザが今期中に企業経費として精算可能な上限金額を示す今期上限経費枠を設定する設定部と、ユーザに利用された施設店舗の利用代金と、ユーザに設定された今期上限経費枠の金額とを取得する取得部と、利用代金及び今期上限経費枠の金額に基づいて、利用代金のうち、ユーザの所属する企業の負担金額とユーザの負担金額とを算定する算定部と、今期の終了後に、企業毎に今期中における企業の負担金額を集計し、企業に対し集計した企業の負担金額を請求するための請求処理を実行する請求部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業に所属するユーザの利用する経費利用精算装置であって、
前記ユーザ毎に、ユーザが今期中に企業経費として精算可能な上限金額を示す今期上限経費枠を設定する設定手段と、
ユーザに利用された施設店舗の利用代金と、該ユーザに設定された前記今期上限経費枠の金額とを取得する取得手段と、
前記利用代金及び前記今期上限経費枠の金額に基づいて、該利用代金のうち、前記ユーザの所属する企業の負担金額と該ユーザの負担金額とを算定する算定手段と、
前記今期の終了後に、企業毎に該今期中における前記企業の負担金額を集計し、企業に対し集計した前記企業の負担金額を請求するための請求処理を実行する請求手段と、
を有することを特徴とする経費利用精算装置。
【請求項2】
前記設定手段は、ユーザ毎に、第1のユーザ負担割合及び第2のユーザ負担割合の情報を設定し、
前記算定手段は、
前記利用代金が前記今期上限経費枠に収まる場合、前記第1のユーザ負担割合に応じて前記企業の負担金額と前記ユーザの負担金額とを算定し、
前記利用代金が前記今期上限経費枠に収まらない場合、前記第2のユーザ負担割合に応じて前記企業の負担金額と前記ユーザの負担金額とを算定すること、
を特徴とする請求項1に記載の経費利用精算装置。
【請求項3】
ユーザによる施設店舗の予約又は利用時に、前記ユーザの負担金額を請求するための第1の請求処理、もしくは、前記今期の終了後に、ユーザ毎に該今期中における前記ユーザの負担金額を集計し、ユーザに対し集計した前記ユーザの負担金額を請求するための第2の請求処理の何れかを実行する請求手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の経費利用精算装置。
【請求項4】
ユーザのユーザ端末からの要求に応じて、該ユーザに選択された施設店舗の前記利用代金と、前記企業の負担金額と、前記ユーザの負担金額とを少なくとも含む利用代金情報を表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の経費利用精算装置。
【請求項5】
企業に所属するユーザの利用する経費利用精算装置であるコンピュータに、
前記ユーザ毎に、ユーザが今期中に企業経費として精算可能な上限金額を示す今期上限経費枠を設定する設定手段と、
ユーザに利用された施設店舗の利用代金と、該ユーザに設定された前記今期上限経費枠の金額とを取得する取得手段と、
前記利用代金及び前記今期上限経費枠の金額に基づいて、該利用代金のうち、前記ユーザの所属する企業の負担金額と該ユーザの負担金額とを算定する算定手段と、
前記今期の終了後に、企業毎に該今期中における前記企業の負担金額を集計し、企業に対し集計した前記企業の負担金額を請求するための請求処理を実行する請求手段と、
して機能させるための経費利用精算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経費利用精算装置及び経費利用精算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業においては社員の在宅ワーク化やテレワーク化が推進され、社員が会社オフィスに出社する回数も少なくなってきている。またこれに伴い、社員の日々の業務活動は社員裁量による比重が大きくなり、例えば自宅、貸会議室、テレワークスペースといったように働く場所も、また会社業務に係る備品等も社員自身で選択できる機会が増えてきた。
【0003】
これに関する技術として、法人等の組織に対して、旅費・交通費の精算について出張者が手配したものを、実費で企業へ請求可能なシステムが知られている。例えば特許文献1には、宿泊施設などの手配を行う旅行会社システムと、交通機関、宿泊施設などを提供する提供機関システムとを含み構成され、法人などの端末装置からアクセスされる。提供機関システムは在庫情報データベースを備え、旅行会社システムは、認証サーバーと、個人情報データベースと、組織の端末装置から送信された予約データを記憶する予約情報データベースと、旅行会社と組織との取引データを記憶する取引情報データベースと、取引データに基づき発生する請求データを記憶する請求データベースと、組織の管理者に対し発行する請求データを一括して算出するデータ処理手段とを備える旅費・交通費システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の発明によれば、旅費・交通費の精算について、出張者が手配したものを、実費で企業へ請求するため、出張者が費用を一旦立替えて後日実費精算を行う手間を削減することができる。
【0006】
しかしながら、企業においては社員の在宅ワーク・テレワーク環境の下、社員が日々の業務活動に関して必要と判断した経費についてはなるべく尊重したいという意向を持ちつつも、その一方、実費精算とはいえ際限なくこれを清算することまでは難しい。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、利用者に一定の自由裁量枠を付与した経費利用清算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る経費利用清算装置は、企業に所属するユーザの利用する経費利用精算装置であって、前記ユーザ毎に、ユーザが今期中に企業経費として精算可能な上限金額を示す今期上限経費枠を設定する設定手段と、ユーザに利用された施設店舗の利用代金と、該ユーザに設定された前記今期上限経費枠の金額とを取得する取得手段と、前記利用代金及び前記今期上限経費枠の金額に基づいて、該利用代金のうち、前記ユーザの所属する企業の負担金額と該ユーザの負担金額とを算定する算定手段と、前記今期の終了後に、企業毎に該今期中における前記企業の負担金額を集計し、企業に対し集計した前記企業の負担金額を請求するための請求処理を実行する請求手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施の形態によれば、利用者に一定の自由裁量枠を付与し使い勝手の良い経費利用清算システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る経費利用精算システムのネットワーク構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る経費利用清算サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る経費利用精算システムのソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る利用施設DBのデータ構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る利用企業DBのデータ構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る利用社員DBのデータ構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る利用履歴DBのデータ構成例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る経費利用精算システム利用の流れを示す図である。
【
図9】本実施形態に係るユーザ端末のECウェブサイト画面(その1)を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るユーザ端末のECウェブサイト画面(その2)を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る経費利用清算サーバ20の利用金額算定処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る経費利用精算システムのネットワーク構成例を示す図である。
図1の経費利用精算システム100は、ECサーバ10、経費利用清算サーバ20、施設店舗端末30、利用企業端末40及びユーザ端末50を含み、ネットワーク70を介して接続されている。
【0012】
EC(electronic commerce)サーバ10は、利用企業の社員が在宅ワーク・テレワーク環境の下、利用企業公認(会社提携)の施設を利用予約したり、店舗から備品等を購入をするためのサーバ装置である。利用企業の社員はユーザ端末50を用いてインターネット上のECサーバ10にアクセス・ログインし、ECサーバ10によるECサイト上から、例えばホテルのデイユースサービスや貸しスペース・貸し会議室等を予約して利用したり、業務上必要な備品等を購入することができる。
【0013】
経費利用清算サーバ20は、利用企業の社員がECサーバ10を介して施設を利用したり店舗から備品等を購入した場合、当該代金を企業経費(会社経費)として精算し請求処理を行うサーバ装置である。各々の利用企業の社員には一定の経費自由裁量枠が付与されており、利用企業の社員は当枠内で自己判断下、業務上に必要な経費を使うことができる。利用企業の社員がECサーバ10を介して使った代金のうち、企業経費として精算対象となる代金が利用企業に請求される。この点再度後述する。
【0014】
施設店舗端末30は、施設店舗の有する管理用端末である。施設店舗端末30は、ECサーバ10を介して施設の利用予約や備品購入等があると、それに応じた予約処理や備品発送処理を行う。
【0015】
利用企業端末40は、利用企業(例えば経理部等)の有する管理用端末である。利用企業端末40は、例えば月末等の請求締め日に、自社員がECサーバ10を介して使った代金のうち、企業経費として精算対象となる代金の請求書を受信する。
【0016】
ユーザ端末50は、例えばスマートフォン、タブレット端末又はPC(パーソナルコンピュータ)などであり、利用企業社員の有する端末である。利用企業の社員はユーザ端末50を用いてインターネット上のECサーバ10にアクセス・ログインし、ECサーバ10によるECサイト上から、例えばホテルのデイユースサービスや貸しスペース・貸し会議室等を予約して利用したり、業務上必要な備品等を購入する。なお、ユーザ端末50には、ECサーバ10にアクセスするために、予め所定のアプリケーションプログラム(汎用ウェブブラウザ、専用アプリケーション等)がインストールされる。
【0017】
ネットワーク70は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク70は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などを含む。
【0018】
(ハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る経費利用清算サーバのハードウェア構成例を示す図である。経費利用清算サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard Disk Drive)24、及び通信装置25を有する。
【0019】
CPU21は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM22は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM23は、CPU21での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD24は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置25は、ネットワーク70を介して他装置との通信を行う。
【0020】
なお、ECサーバ1についても経費利用清算サーバ20と同様のハードウェア構成を適用することができる。また本実施形態に係る施設店舗端末30、利用企業端末40及びユーザ端末50のハードウェア構成については、例えば周知のスマートフォン、タブレット端末又はPC(パーソナルコンピュータ)などでよく、図示は省略する。
【0021】
(ソフトウェア構成)
図3は、本実施形態に係る経費利用精算システムのソフトウェア構成例を示す図である。経費利用精算システム100は、主な機能部として、設定部201、取得部202、表示制御部203、算定部204、請求部205、及び記憶部207を有する。
【0022】
設定部201は、ユーザ(利用企業社員)毎に、ユーザが今期中に企業経費として精算可能な上限金額を示す今期上限経費枠(例えば「月上限経費枠」)を設定する機能を有している。
【0023】
取得部202は、ユーザに利用された施設店舗の利用代金と、そのユーザに設定された今期上限経費枠の金額とを取得する機能を有している。
【0024】
表示制御部203は、利用企業社員のユーザ端末50からの要求(施設店舗に関する利用代金情報の表示要求)に応じて、そのユーザに選択された施設店舗の利用代金と、企業負担金額と、ユーザ負担金額とを含む利用代金情報を表示させる機能を有している。
【0025】
算定部204は、利用代金及び今期上限経費枠の金額に基づいて、利用代金のうち、ユーザの所属する企業の負担金額と該ユーザの負担金額とを算定する機能を有している。
【0026】
請求部205は、今期の終了後に、企業毎に今期中における企業の負担金額を集計し、企業に対し集計した企業の負担金額を請求するための請求処理を実行する機能を有している。
【0027】
記憶部207は、利用施設DB207a、利用企業DB207b、利用社員DB207c及び利用履歴DB207dを記憶する。詳しくは後述する。
【0028】
なお、各機能部は、経費利用清算サーバ20を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、記憶部207の各DBは、ネットワーク70上の外部記憶装置に配置することも可能である。また、上記コンピュータプログラム及びアプリケーションプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0029】
(データベース)
図4は、本実施形態に係る利用施設DBのデータ構成例を示す図である。利用施設DB207aは、ECサーバ10によるECサイト上に掲載される施設店舗の利用施設情報が予め登録されたDBである。本実施形態に係る利用施設DB207aは、例えば「施設ID」、「施設店舗名」、「所在地」、「TEL」、「メールアドレス」、「パスワード」などのデータ項目を有する。
【0030】
「施設ID」は、施設店舗毎に付番される固有の識別子である。「施設店舗名」、「所在地」、「TEL」、「メールアドレス」、「パスワード」は、それぞれ施設店舗の施設名・店舗名、所在地、TEL、メールアドレス、ログイン用パスワードである。
【0031】
図5は、本実施形態に係る利用企業DBのデータ構成例を示す図である。利用企業DB207bは、経費利用精算システム100を利用する企業の利用企業情報が予め登録されたDBである。本実施形態に係る利用企業DB207bは、例えば「企業ID」、「企業名」、「所在地」、「担当部署」、「担当者名」、「TEL」、「メールアドレス」、「パスワード」、「請求締め日」などのデータ項目を有する。
【0032】
「企業ID」は、利用企業毎に付番される固有の識別子である。「企業名」、「所在地」、「担当部署」、「担当者名」、「TEL」、「メールアドレス」、「パスワード」は、それぞれ利用企業の企業名、所在地、担当部署(経理部等)、担当者名(経理担当者等)、TEL、メールアドレス、ログイン用パスワードである。
【0033】
「請求締め日」は、利用企業社員がECサーバ10を介して使った代金のうち、企業経費として精算対象となる代金が利用企業に請求される締め日である。利用代金は通常の場合1か月毎に清算され、例えば月初日(請求起算日)~月末日(請求締め日)毎に、企業経費として精算対象となる代金が集計されて利用企業に請求される。
【0034】
図6は、本実施形態に係る利用社員DBのデータ構成例を示す図である。利用社員DB207cは、利用企業の社員情報が予め登録されたDBである。本実施形態に係る利用社員DB207cは、例えば「企業ID」、「社員ID」、「氏名」、「所属部署」、「役職」、「メールアドレス」、「パスワード」、「月上限経費枠」、「当月残経費枠」、「本人負担割合」などのデータ項目を有する。
【0035】
「企業ID」は、当該社員が所属する企業(会社)の企業IDである。「社員ID」は、社員毎に付番される固有の識別子である。社員番号等でもよい。「氏名」、「所属部署」、「役職」、「メールアドレス」、「パスワード」、は、それぞれの社員の氏名、所属部署、役職、メールアドレス、ログイン用パスワードである。
【0036】
「月上限経費枠」は、1か月(所定期間)において当該社員がECサーバ10を介して使用した代金を、企業経費として精算可能な金額枠(上限金額)である。金額は、社員ごとに任意に利用企業側が設定できるとともに、例えば所属部署ごと、役職ごとに応じて設定することも可能である。
【0037】
「当月残経費枠」は、当月(月初日(請求起算日)~月末日(請求締め日))において、当該社員がECサーバ10を介して使用した代金を、企業経費として精算可能な残りの金額枠である。「当月残経費枠」は翌月初になると「月上限経費枠」の金額にリセットされる。
【0038】
「本人負担割合」は、当該社員がECサーバ10を介して使用した代金を、どのくらいの割合で負担するかを決定するための設定値である。本実施形態において「本人負担割合」は、「月上限経費枠」内に収まる部分における負担割合と、「月上限経費枠」内に収まらない部分における負担割合との2つの割合値がある。例えば、本人負担割合が0%/50%である場合、使った代金が「月上限経費枠」内の部分までは本人負担割合は0%、使った代金が「月上限経費枠」を超えた部分の本人負担割合は50%(企業負担割合50%)であることを示す。また例えば、本人負担割合が50%/100%である場合、使った代金が「月上限経費枠」内の部分までは本人負担割合は50%(企業負担割合50%)、使った代金が「月上限経費枠」を超えた部分の本人負担割合は100%(企業負担割合0%)であることを示す。
【0039】
なお、利用社員DB207cの「本人負担割合」は「企業負担割合」としてもよい。この場合に本人負担割合が0%/50%と、企業負担割合が100%/50%であることは同義である。また、請求締め日が必ずしも毎月でなくともよい、例えば上限経費枠が付与される所定期間が3か月単位の場合、請求締め日は、第1四半期の末日、第2四半期の末日、第3四半期の末日、第4四半期の末日となる。
【0040】
図7は、本実施形態に係る利用履歴DBのデータ構成例を示す図である。利用履歴DB207dは、利用企業の社員が利用した施設・店舗の利用履歴が記録されるDBである。本実施形態に係る利用履歴DB207dは、例えば「利用日時」、「利用施設ID」、「利用施設名」「企業ID」、「社員ID」、「代金」、「企業請求額」、「本人請求額」などのデータ項目を有する。
【0041】
「利用日時」は、施設・店舗を利用した日時である。代金発生日でもある。「利用施設ID」、「利用施設名」「企業ID」、「社員ID」は、それぞれ利用施設のID、施設店舗名称、当該施設店舗を利用した社員の所属する企業のID、施設店舗を利用した社員のIDである。
【0042】
「代金」は、当該社員がECサーバ10を介して施設店舗で使用した代金の金額である。施設店舗の売上金額でもある。「企業請求額」は、その「代金」のうち利用企業側に請求される金額である。「本人請求額」は、その「代金」のうち社員側に請求される金額である。
【0043】
<経費利用精算システム利用の流れ>
図8は、本実施形態に係る経費利用精算システム利用の流れを示す図である。以下、ステップSに沿って説明する。
【0044】
S1:利用開始時の初期設定として施設店舗は、施設店舗端末30を用いて、ECサーバ10を介して利用施設DB207aに利用施設情報(
図4)を登録すると共に、ECサイト上に掲載される施設店舗のEC情報(施設・店舗の提供サービス・販売商品等)を、サービス商品DB(非図示)に登録する。
【0045】
S2:利用開始時の初期設定として利用企業は、利用企業端末40を用いて、経費利用清算サーバ10にアクセスし、上述の利用企業DB207bに利用企業情報(
図5)及び利用社員DB207cに利用社員情報(
図6)を設定する。
【0046】
S3:利用企業の社員は、ユーザ端末50を用いてECサーバ10を介して、ECサーバ10によるECサイト上から、施設利用サービスや備品等を検索し表示する。
【0047】
S4:ECサーバ10は、ユーザ端末50から施設店舗に関する利用代金情報の表示要求を受信した場合、経費利用清算サーバ20にその施設店舗の「利用金額」を送信し、経費利用清算サーバ20による利用金額算定処理により算出された「企業負担金額」、「本人負担金額」、及び今回の利用金額を差し引き後の「当月残経費枠」の情報を取得する。
【0048】
S5:ECサーバ10は、ユーザ端末50から利用代金情報の表示要求に応じて、「利用金額」、「企業負担金額」、「本人負担金額」、及び今回の利用金額を差し引き後の「当月残経費枠」などの情報を含む予約画面を応答する。
【0049】
S6:社員は、ユーザ端末50に表示された予約画面から内容を確認し、施設利用サービスや備品等を予約又は購入する。予約情報又は購入情報は施設店舗端末30に送信される。
【0050】
S7:ECサーバ10は、当該予約又は購入に伴い、経費利用清算サーバ10にアクセスし、上述の利用履歴DB207dに利用履歴情報(
図7)を記録する。
【0051】
S8:社員は、施設店舗から予約したサービス又は購入した商品を享受する。
【0052】
S9:経費利用清算サーバ10(請求部205)は、例えば月末等の請求締め日に月初~月末間の期間において、各々の利用企業の社員がECサーバ10を介して使った代金のうち、企業経費として精算対象となる代金を集計し、その社員が所属する利用企業(利用企業端末40)にその請求書を送付する。
【0053】
S10:経費利用清算サーバ10(請求部205)は、例えば月末等の請求締め日に月初~月末間の期間において、利用企業の社員がECサーバ10を介して使った代金のうち、企業経費として精算対象とならかった代金を集計し、利用企業社員(ユーザ端末50)にその請求書を送付する。
【0054】
なお、請求方法は、電子請求書データの送信、請求書(紙)の郵送の他、オンライン上からのクレジット決算やバーコード決算等に代えてもよい。また企業経費として精算対象とならかった代金を利用企業社員に請求するに代え(S10)、S6において施設利用サービスや備品等を予約又は購入のタイミングで、利用企業社員により自身のクレジット決算やバーコード決算等により代金決済を完了させるようにしてもよい。
【0055】
<利用画面例>
図9は、本実施形態に係るユーザ端末のECウェブサイト画面(その1)を示す図である。利用企業社員はユーザ端末50を用いてインターネット上のECサーバ10にアクセス・ログインし、ECサーバ10によるECサイト上から、例えばホテルのデイユースサービスや貸しスペース・貸し会議室等を予約して利用したり、業務上必要な備品等を購入することができる。
【0056】
具体的に、ホーム画面1000の表示エリア1001は、利用企業DB207b及び利用社員DB207cの情報に基づいて、ログインした利用企業社員の所属する企業名(企業ID)、社員の氏名(社員ID)、月上限経費枠、及び当月残経費枠が表示されている。また表示エリア1002には、施設・店舗等を検索するための検索条件入力項目が表示されている。社員が所望の検索条件を入力すると、施設店舗毎のサービス商品DB等(非図示)から検索されて、表示エリア1003に検索条件に該当する施設・店舗の提供サービス・販売商品が検索結果としてリスト表示される。リスト表示中、社員が一の検索結果について例えば「詳細・予約」1004を選択操作すると、その予約画面に遷移する。
【0057】
図10は、本実施形態に係るユーザ端末のECウェブサイト画面(その2)を示す図である。予約画面1100の表示エリア1005には、具体的に、施設「テレワーク個室」の利用詳細に関し、利用日時が2022/5/26の9時~21時、利用金額が5000円、そのうち企業負担金額が5000円、本人負担金額が0円、今回の利用金額を差し引き後の当月残経費枠5000円、「経費枠内可」の旨を含む利用代金情報が表示されている。
【0058】
この場合、利用企業の社員は利用金額が5000円であってそのうち企業負担金額が5000円、本人負担金額が0円であること、即ち当該施設を経費枠内で使うことができる点を特に確認の上、「予約」1006を選択操作することで、施設「テレワーク個室」の利用予約を完了することができる。
【0059】
<情報処理>
図11は、本実施形態に係る経費利用清算サーバ20の利用金額算定処理を示すフローチャート図である。経費利用清算サーバ20は、例えば
図8のS4においてユーザ端末50から利用代金情報の表示要求を受信した場合、利用金額算定処理を実行する。なお経費利用清算サーバ20のCPUが本フローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(「S」と表記する)を実現することができる。
【0060】
S11:経費利用清算サーバ20(取得部202)は、ECサーバ10から当該施設店舗に係る代金である「利用金額」の情報を取得する。
【0061】
S12:経費利用清算サーバ20(取得部202)は、ECサーバ10にログイン中である社員の社員IDをキーとして利用社員DB207cから、当該社員の「当月残経費枠」及び「本人負担割合」の情報を取得する。
【0062】
S13:経費利用清算サーバ20(算定部204)は、S11で取得した「利用金額」と、S12で取得した「当月残経費枠」及び「本人負担割合」の情報に基づいて、「企業負担金額」、「本人負担金額」、及び今回の利用金額を差し引き後の「当月残経費枠」を算出する。
【0063】
図10の例に即して以下具体的に説明する。まず当該施設店舗に係る代金である「利用金額」5000円の情報を取得する。次にログインした社員の「社員ID」S001をキーとして利用社員DB207cから、当該社員鈴木一郎の「当月残経費枠」10000円及び「本人負担割合」0%/50%の情報を取得する。次に「当月残経費枠」10000円の金額から「利用金額」5000円を減算し、減算後の金額5000円が正の値、つまり「当月残経費枠」内であると判定する。また、「本人負担割合」0%であるので、減算後の金額5000円に0%を乗算することで、「本人負担金額」0円を算出する。また「利用金額」5000円から「本人負担金額」0円を減算し、「企業負担金額」5000円を算出する。最後に、「当月残経費枠」10000円の金額から「企業負担金額」5000円を減算し、今回の利用金額を差し引き後の「当月残経費枠」5000円を算出する。
【0064】
もう1例、例えば「利用金額」が20000円、当該社員の「当月残経費枠」10000円及び「本人負担割合」0%/50%であったケースについて説明する。「当月残経費枠」10000円の金額から「利用金額」20000円を減算し、減算後の金額-10000円が負の値、つまり「当月残経費枠」内に収まらないと判定する。この場合、「当月残経費枠」内分については「本人負担割合」0%であるので、「当月残経費枠」の金額10000円に0%を乗算することで、「本人負担金額A」0円を算出する。また「当月残経費枠」の金額10000円から「本人負担金額A」0円を減算し、「企業負担金額A」10000円を算出する。また「当月残経費枠」外分については「本人負担割合」50%であるので、「当月残経費枠」外の金額10000円に0.5を乗算することで、「本人負担金額B」5000円、並びに「企業負担金額B」5000円を算出する。「企業負担金額A」及び「企業負担金額B」を合算することで、「企業負担金額」15000円を算出する。また「本人負担金額A」及び「本人負担金額B」を合算することで、「本人負担金額」5000円を算出する。最後に、「当月残経費枠」10000円の金額から「企業負担金額A」10000円を減算し、今回の利用金額を差し引き後の「当月残経費枠」0円を算出する。
【0065】
なお、言うまでもなく、利用金額が予約又は確定されたタイミングで、利用社員DB207cの「当月残経費枠」の金額は、利用金額算定処理に算出された今回の利用金額を差し引き後の「当月残経費枠」の金額に更新される。また利用履歴DB207dには新たなレコードが記録され、特に「企業請求額」には利用金額算定処理に算出された「企業負担金額」が、「本人請求額」には利用金額算定処理に算出された「本人負担金額」が記録される。また利用履歴DB207dの利用履歴に基づいて当月末に企業毎に当月中における企業の負担金額を集計し、企業に対し集計した企業の負担金額を請求するための請求処理が実行される。
【0066】
<総括>
以上、本実施形態に係る経費利用精算システム100よれば、在宅ワーク・テレワーク環境の下、企業社員は自身に付与された月上限経費枠(自由裁量枠)の範囲内で自身が日々の業務活動に関して必要と判断した費用代金を会社経費扱いで使うことができる。
【0067】
また企業側は、在宅ワーク・テレワーク環境の下、自社員が必要と判断した経費については社員判断を一定以上尊重することが可能である。また企業側が月上限経費枠や本人負担割合を、自社規定や職種等に応じて例えば部署単位、役職単位、個人単位で設定できるため、様々な企業により幅広く利用されることが可能である。
【0068】
また企業に所属する社員が使った費用代金のうち会社負担分は、請求締め日毎に当該企業へまとめて請求されるため、例えば社員自身が自ら費用を一旦立替えて後日企業に実費精算を行うといった手間がない。
【0069】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0070】
本実施形態でいう企業(会社)は、組織員を有する組織団体であって、組織運営上、組織員の経費精算を行う組織団体であればよい。会社法人のみにかぎられず、個人事業主でも又は人格を有しない団体でもよく、営利・非営利も問わない。
【符号の説明】
【0071】
10 ECサーバ
20 経費利用清算サーバ
30 施設店舗端末
40 利用企業端末
50 ユーザ端末
70 ネットワーク
100 経費利用精算システム
201 設定部
202 取得部
203 表示制御部
204 算定部
205 請求部
207 記憶部