(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023178992
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04858 20160101AFI20231212BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20231212BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20231212BHJP
【FI】
H01M8/04858
H01M8/04537
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091959
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠田 一平
(72)【発明者】
【氏名】安藤 泰明
(72)【発明者】
【氏名】安田 まちよ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB23
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA18
5H127BA33
5H127BA34
5H127BA37
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
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5H127BB19
5H127BB27
5H127BB37
5H127DB69
5H127DC42
5H127DC45
5H127DC89
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE29
5H127EE30
5H127GG04
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】出力電力と目標出力電力とに基づくフィードバック制御を速度型で行うものにおいて、目標出力電力の変化に伴う出力電力の過剰な変化を抑制する。
【解決手段】燃料電池を備える燃料電池システムは、燃料電池の発電出力を負荷に供給可能な電力に変換して出力する電力変換装置と、電力変換装置の目標出力電力を設定し、電力変換装置の出力電力が目標出力電力となるようにフィードバック制御により設定した操作量に基づいて電力変換装置を制御する制御装置と、を備える。フィードバック制御は、出力電力から目標出力電力を減じて偏差を算出し、偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じた比例項を含む変化量を演算し、変化量を操作量の前回値に加えて操作量を設定する速度型であり、制御装置は、目標出力電力の変化速度を抑制するように、目標出力電力を設定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の発電出力を負荷に供給可能な電力に変換して出力する電力変換装置と、
前記電力変換装置の目標出力電力を設定し、該電力変換装置の出力電力が前記目標出力電力となるようにフィードバック制御により設定した操作量に基づいて前記電力変換装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記フィードバック制御は、前記出力電力から前記目標出力電力を減じて偏差を算出し、該偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じた比例項を含む変化量を演算し、該変化量を前記操作量の前回値に加えて前記操作量を設定する速度型であり、
前記制御装置は、前記目標出力電力の変化速度を抑制するように、該目標出力電力を設定する、
燃料電池システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記負荷の消費電力と、前記出力電力に所定値を加えた電力とのうち小さい方を前記目標出力電力に設定する、
請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の発電出力を負荷に供給可能な電力に変換して出力する電力変換装置と、
前記負荷の消費電力に基づいて前記電力変換装置の目標出力電力を設定し、該電力変換装置の出力電力が前記目標出力電力となるようにフィードバック制御により設定した操作量に基づいて前記電力変換装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記フィードバック制御は、前記出力電力から前記目標出力電力を減じて偏差を算出し、該偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じた比例項を含む変化量を演算し、該変化量を前記操作量の前回値に加えて前記操作量を設定する速度型であり、
前記制御装置は、前記目標出力電力が減少した場合、前記偏差の前回値として実際の値よりも絶対値の小さな値を前記偏差の今回値から減じる、
燃料電池システム。
【請求項4】
前記制御装置は、実際の値よりも絶対値の小さな値を値0とする、
請求項3に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の燃料電池システムとしては、燃料ガスとエアとにより発電する燃料電池と、燃料電池の発電出力を負荷に供給可能な電力に変換して出力する電力変換装置とを備えるものが知られている。例えば、特許文献1には、電力変換装置の出力電力が負荷の消費電力に応じた電力となるように目標出力電力を定めてフィードバック制御を行うものにおいて、燃料電池の保護のために出力電力の上昇速度を制限することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した燃料電池システムのように、出力電力の上昇速度を制限すると、出力電力が目標出力電力に到達するまでの時間が比較的長時間となる場合がある。その場合、フィードバック制御として位置型PI制御を行うと、積分項(I項)が大きくなりいわゆるワインドアップが発生するため、積分値のリセット処理が必要となる。そのようなワインドアップの防止やリセット処理を不要とするために、速度型PI制御を行うことが考えられる。速度型PI制御では、出力電力から目標出力電力を減じて偏差を算出し、当該偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じて比例項が算出される。このため、例えば消費電力の変動に伴って目標出力電力が大きく低下(変化)して上記偏差の今回値が前回値に比して一気に小さくなると、偏差の前回値の影響が過剰に作用して比例項が大きくなり、ひいては出力電力が大きく低下してしまうことがある。
【0005】
本開示は、出力電力と目標出力電力とに基づくフィードバック制御を速度型で行うものにおいて、目標出力電力の変化に伴う出力電力の過剰な変化を抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の第1の燃料電池システムは、
燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の発電出力を負荷に供給可能な電力に変換して出力する電力変換装置と、
前記電力変換装置の目標出力電力を設定し、該電力変換装置の出力電力が前記目標出力電力となるようにフィードバック制御により設定した操作量に基づいて前記電力変換装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記フィードバック制御は、前記出力電力から前記目標出力電力を減じて偏差を算出し、該偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じた比例項を含む変化量を演算し、該変化量を前記操作量の前回値に加えて前記操作量を設定する速度型であり、
前記制御装置は、前記目標出力電力の変化速度を抑制するように、該目標出力電力を設定することを要旨とする。
【0008】
本開示の第1の燃料電池システムでは、電力変換装置の出力電力から目標出力電力を減じて偏差を算出し、偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じた比例項を含む変化量を演算し、変化量を操作量の前回値に加えることで設定した操作量に基づいて電力変換装置を制御する。また、目標出力電力の変化速度を抑制するように、目標出力電力を設定する。これにより、目標出力電力が急激に変化するのを防止して出力電力と目標出力電力との偏差を小さくするから、比例項を含む変化量が大きく変化するのを防止することができる。このため、操作量の急激な変化を防止して、電力変換装置の出力電力が過剰に変化するのを防止することができる。
【0009】
本開示の第1の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記負荷の消費電力と、前記出力電力に所定値を加えた電力とのうち小さい方を前記目標出力電力に設定するものとしてもよい。こうすれば、偏差を所定値の範囲内に収めて、電力変換装置の出力電力が過剰に変化するのを簡易な処理で防止することができる。
【0010】
本開示の第2の燃料電池システムは、
燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池の発電出力を負荷に供給可能な電力に変換して出力する電力変換装置と、
前記負荷の消費電力に基づいて前記電力変換装置の目標出力電力を設定し、該電力変換装置の出力電力が前記目標出力電力となるようにフィードバック制御により設定した操作量に基づいて前記電力変換装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記フィードバック制御は、前記出力電力から前記目標出力電力を減じて偏差を算出し、該偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じた比例項を含む変化量を演算し、該変化量を前記操作量の前回値に加えて前記操作量を設定する速度型であり、
前記制御装置は、前記目標出力電力が減少した場合、前記偏差の前回値として実際の値よりも絶対値の小さな値を前記偏差の今回値から減じることを要旨とする。
【0011】
本開示の第2の燃料電池システムでは、電力変換装置の出力電力から目標出力電力を減じて偏差を算出し、偏差の今回値から前回値を減じた差分に比例ゲインを乗じた比例項を含む変化量を演算し、変化量を操作量の前回値に加えることで設定した操作量に基づいて電力変換装置を制御する。また、目標出力電力が減少した場合、偏差の前回値として実際の値よりも絶対値の小さな値を偏差の今回値から減じる。これにより、目標出力電力が減少しても、偏差の今回値から前回値を減じた差分が大きく変化するのを防止することができる。このため、操作量の急激な変化を防止して、電力変換装置の出力電力が過剰に変化するのを防止することができる。
【0012】
本開示の第2の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、実際の値よりも絶対値の小さな値を値0とするものとしてもよい。こうすれば、目標出力電力が減少した場合に差分が大きく変化するのを確実に防止して、電力変換装置の出力電力が過剰に変化するのを簡易な処理で防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。
【
図2】制御装置90の機能の一例を示すブロック図である。
【
図3】出力制限の有無による出力電力Pの上昇速度の違いを示す説明図である。
【
図4】目標電力設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態における消費電力Pconと目標電力Ptagと出力電力Pの推移の一例を示す説明図である。
【
図6】比較例における消費電力Pconと目標電力Ptagと出力電力Pの推移の一例を示す説明図である。
【
図7】比例項演算処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本開示の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。本実施形態の燃料電池システム10は、図示するように、アノードガス中の水素とカソードガス中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電池スタック21を含む発電モジュール20と、発電モジュール20にアノードガスの原料となる原燃料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を供給する原燃料ガス供給装置30と、発電モジュール20に原燃料ガスからアノードガスへの改質(水蒸気改質)に必要な改質水を供給する改質水供給装置40と、発電モジュール20(燃料電池スタック21)にカソードガスとしてのエアを供給するエア供給装置50と、発電モジュール20において発生した排熱を回収する排熱回収装置60と、システム全体をコントロールする制御装置90と、を備える。
【0015】
発電モジュール20は、燃料電池スタック21や、気化器22、改質器23、燃焼器24、複数(2つ)の熱交換器26,27を含み、これらは、断熱性を有するモジュールケース29に収容されている。
【0016】
燃料電池スタック21は、酸化ジルコニウム等の電解質と当該電解質を挟持するアノードおよびカソードとをそれぞれ有する複数の固体酸化物形の単セルを備える。各単セルのアノードには、アノードガスが流れるアノードガス通路が接続されている。また、各単セルのカソードには、カソードガスが流れるカソードガス通路が接続されている。燃料電池スタック21の近傍には、温度センサ112が設置されている。温度センサ112は、燃料電池スタック21の温度に相関する温度(スタック相関温度)を検出する。
【0017】
発電モジュール20の気化器22および改質器23は、モジュールケース29内の燃料電池スタック21の上方に間隔をおいて配設される。また、燃料電池スタック21と気化器22および改質器23との間には、燃料電池スタック21の作動や、気化器22および改質器23での反応に必要な熱を発生させる燃焼器24が配設される。
【0018】
気化器22は、燃焼器24からの熱により原燃料ガス供給装置30からの原燃料ガスと改質水供給装置40からの改質水とを加熱し、原燃料ガスを予熱すると共に改質水を蒸発させて水蒸気を生成する。気化器22により予熱された原燃料ガスは、水蒸気と混合され、その混合ガスは、当該気化器22から改質器23に流入する。また、改質器23の入口付近には、当該改質器23に流入する混合ガスの温度を検出する温度センサ111が設置されている。
【0019】
改質器23は、その内部に充填された例えばRu系またはNi系の改質触媒を有し、燃焼器24からの熱の存在下で、改質触媒による気化器22からの混合ガスの反応(水蒸気改質反応)によって水素ガスと一酸化炭素とを生成する。更に、改質器23は、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気との反応(一酸化炭素シフト反応)によって水素ガスと二酸化炭素とを生成する。これにより、改質器23によって、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の原燃料ガス等を含むアノードガスが生成されることになる。改質器23により生成されたアノードガスは、アノードガス配管71を通って各単セルのアノードガス通路へ流入し、アノードに供給される。
【0020】
また、カソードガスとしてのエアは、カソードガス配管72を介して各単セルのカソードガス通路へ流入し、カソードに供給される。各単セルのカソードでは、酸化物イオン(O2-)が生成され、当該酸化物イオンが電解質を透過してアノードで水素や一酸化炭素と反応することにより電気エネルギが得られる。
【0021】
各単セルにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったアノードガス(以下、「アノードオフガス」という)は、アノードオフガス配管73を通って凝縮器62に供給され、凝縮器62により冷却させられてアノードオフガスに含まれる水蒸気の少なくとも一部が除去された後、アノードオフガス配管74を通って燃焼器24に供給される。アノードオフガス配管73,74には熱交換器26が設置され、アノードオフガス配管74を流れるアノードオフガス(凝縮器62を通過した後のアノードオフガス)は、熱交換器26において燃料電池スタック21からアノードオフガス配管73を流れる高温のアノードオフガス(凝縮器62を通過する前のアノードオフガス)との熱交換により昇温させられる。また、各単セルにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったカソードガス(以下、「カソードオフガス」という)は、カソードオフガス配管75を通って燃焼器24に供給される。
【0022】
燃焼器24に流入したアノードオフガスは、水素や一酸化炭素等の燃料成分を含む可燃性ガスであり、燃焼器24に流入した酸素を含むカソードオフガスと混合される。そして、燃焼器24で混合ガスが燃焼することにより、燃料電池スタック21の作動や、気化器22での原燃料ガスの予熱や水蒸気の生成、改質器23での水蒸気改質反応等に必要な熱が発生することになる。また、燃焼器24では、未燃燃料を含む燃焼排ガスが生成され、当該燃焼排ガスは、燃焼排ガス配管76を通り、熱交換器27および燃焼触媒28を経て外気へ排出される。燃焼触媒28は、燃焼排ガス中の未燃燃料を再燃焼させるための酸化触媒である。
【0023】
原燃料ガス供給装置30は、原燃料ガスを供給する原燃料供給源1と気化器22とを接続する原燃料ガス供給管31と、当該原燃料ガス供給管31に設置された開閉弁(2連弁)32,33、ガスポンプ36および脱硫器38とを有する。原燃料ガスは、ガスポンプ36を作動させることで、原燃料供給源1から脱硫器38を介して気化器22へと圧送(供給)される。また、原燃料ガス供給管31には、原燃料ガス供給管31を流れる原燃料ガスの単位時間当りの流量を検出する流量センサ39が設置されている。
【0024】
改質水供給装置40は、改質水を貯留する改質水タンク42と、改質水タンク42と気化器22とを接続する改質水供給管41と、改質水供給管41に設置された改質水ポンプ43と、を有する。改質水タンク42内の改質水は、改質水ポンプ43を作動させることで、当該改質水ポンプ43により気化器22へと圧送(供給)される。改質水供給管41には、改質水供給管41を流れる改質水の単位時間当りの流量を検出する流量センサ45が設置されている。
【0025】
エア供給装置50は、モジュールケース29内に設置されたカソードガス配管72に接続されるエア供給管51と、エア供給管51の入口に設けられたエアフィルタ52と、エア供給管51に設置されたエアポンプ53と、を有する。エアポンプ53を作動させることで、カソードガスとしてのエアは、エアフィルタ52を介してエア供給管51に吸引され、カソードガス配管72を通って燃料電池スタック21(カソード)へと圧送(供給)される。カソードガス配管72を流れるエアは、熱交換器27において燃焼排ガス配管76を流れる高温の燃焼排ガスと熱交換されて昇温させられる。
【0026】
排熱回収装置60は、湯水を貯留する貯湯タンク61と、燃料電池スタック21からアノードオフガス配管73を流れるアノードオフガスと湯水とを熱交換してアノードオフガス中に含まれる水蒸気を凝縮させる凝縮器62と、貯湯タンク61と凝縮器62とに接続された循環配管63と、循環配管63に組み込まれた循環ポンプ64と、を有する。貯湯タンク61内に貯留されている湯水は、循環ポンプ64を作動させることで、凝縮器62へと導入され、凝縮器62でアノードオフガスとの熱交換によって昇温させられた後、貯湯タンク61へと返送される。
【0027】
また、凝縮器62におけるアノードオフガス側の通路出口には、凝縮水配管44とアノードオフガス配管74とが接続されており、アノードオフガス中の水蒸気が貯湯タンク61からの湯水との熱交換により凝縮することにより得られた凝縮水は、凝縮水配管44を通って改質水タンク42内に導入される。なお、改質水タンク42には、凝縮水配管44を通過した凝縮水を精製する図示しない水精製器が設置されている。また、上述したように、凝縮器62において水蒸気が除去されたアノードオフガスは、アノードオフガス配管74を通って燃焼器24に供給される。
【0028】
燃料電池スタック21の出力端子には、パワーコンディショナ80の入力端子が接続され、当該パワーコンディショナ80の出力端子は、リレーを介して電力系統2から負荷4への電力ライン3に接続されている。なお、燃料電池スタック21に接続された電力ラインには、燃料電池スタック21から出力されるスタック電流Isを検出する電流センサ113と、燃料電池スタック21から出力されるスタック電圧Vsを検出する電圧センサ114とが設置されている。
【0029】
パワーコンディショナ80は、燃料電池スタック21から出力された直流電力を所定電圧(例えば、DC250V~300V)の直流電力に変換するDC/DCコンバータ81や、変換された直流電力を電力系統と連系可能な電圧(例えば、AC200V)の交流電力に変換するインバータ82を有する。これにより、燃料電池スタック21からの直流電力を交流電力に変換して家電製品等の負荷4に供給することが可能となる。なお、パワーコンディショナ80(インバータ82)に接続された電力ラインには、パワーコンディショナ80(インバータ82)から出力される出力電力Pを検出する電力センサ115が設置されている。また、パワーコンディショナ80には電源基板85が接続されている。電源基板85は、燃料電池スタック21からの直流電力や電力系統2からの交流電力を低圧の直流電力に変換して、ガスポンプ36や改質水ポンプ43、エアポンプ53、循環ポンプ64等の補機類、流量センサ39,45や温度センサ111,112、電流センサ113、電圧センサ114、電力センサ115等のセンサ類、制御装置90へ供給する。また、パワーコンディショナ80や電源基板85等が配置される補機室には、当該パワーコンディショナ80や電源基板85を冷却するための図示しない冷却ファンと換気ファンとが配置されている。冷却ファンは、パワーコンディショナ80や電源基板85の発熱部に空気を送り込んで空気との熱交換により発熱部を冷却する。発熱部を冷却して昇温した空気は、換気ファンにより大気中に排出される。
【0030】
制御装置90は、CPU91を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU91の他に処理プログラムを記憶するROM92や、データを一時的に記憶するRAM93、図示しない入出力ポート等を備える。制御装置90には、流量センサ39,45、温度センサ111,112、電流センサ113、電圧センサ114、電力センサ115,116等からの各種検出信号が入力ポートを介して入力されている。なお、電力センサ116は、負荷4に接続された電力ラインに設置され、負荷4で消費する消費電力Pconを検出する。また、制御装置90からは、開閉弁32,33のソレノイドや、ガスポンプ36のポンプモータ、改質水ポンプ43のポンプモータ、エアポンプ53のポンプモータ、循環ポンプ64のポンプモータ、パワーコンディショナ80のDC/DCコンバータ81やインバータ82等への各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。また、制御装置90には、無線式または有線式の通信回線を介して図示しないリモコンが接続される。制御装置90は、燃料電池システム10のユーザにより操作された当該リモコンからの信号に基づいて各種制御を実行する。
【0031】
ここで、制御装置90は、パワーコンディショナ80への制御信号として、DC/DCコンバータ81やインバータ82のPWM信号を生成し、生成したPWM信号によりDC/DCコンバータ81やインバータ82の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御する。
図2は、制御装置90の機能の一例を示すブロック図である。このブロック図では、制御装置90の機能の一部として、DC/DCコンバータ81のPWM信号を生成するためのスタック電圧Vsの目標値の演算に関する機能を示す。図示するように、制御装置90は、目標電力設定部90aと、出力電力取得部90bと、減算部90cと、PI演算部90dと、加算部90eと、上下限処理部90fと、遅延部90gと、緩変化処理部(レートリミット処理部)90hとを有する。以下、各部の機能の概略を説明する。
【0032】
目標電力設定部90aは、負荷4の消費電力Pcon等に基づいて、パワーコンディショナ80の出力電力Pの目標値である目標電力(目標出力電力)Ptagを設定するものであり、詳細な設定処理は後述する。出力電力取得部90bは、電力センサ115により検出された出力電力Pを取得する。なお、パワーコンディショナ80(インバータ82)から出力される出力電流と出力電圧とを検出し、それらの積として算出される出力電力Pを取得してもよい。
【0033】
減算部90cは、次式(1)により出力電力Pから目標電力Ptagを減じて偏差e(n)を算出する。なお、目標電力Ptagが出力電力Pより大きい場合、偏差e(n)は負の値となる。PI演算部90dは、減算部90cにより算出された今回の偏差e(n)と前回の偏差e(n-1)とを用いて、次式(2)により比例項(P項)を演算し、次式(3)により積分項(I項)を演算する。なお、前回の偏差e(n-1)が負の値の場合、次式(2)で偏差e(n)から前回の偏差e(n-1)を減じることは、偏差e(n)に前回の偏差e(n-1)の絶対値を加えることになる。また、PI演算部90dは、次式(4)により比例項と積分項との和(PI項)を、操作量u(n)の変化量Δu(n)として演算する。式(2),(3)中のKp,Kiは、それぞれ比例ゲイン、積分ゲインであり、Δtは演算周期(例えば数msec)である。なお、PI演算部90dが比例項と積分項だけでなく微分項を演算するPID演算部として構成されてもよい。加算部90eは、PI演算部90dにより演算された変化量Δu(n)を、次式(5)により前回操作量u(n-1)に加算して操作量u(n)を算出する。
【0034】
e(n)=P-Ptag ・・・(1)
P項=Kp(e(n)-e(n-1)) ・・・(2)
I項=Ki・e(n)・Δt ・・・(3)
Δu(n)=P項+I項 ・・・(4)
u(n)=u(n-1)+Δu(n) ・・・(5)
【0035】
このように、本実施形態では、変化量Δu(n)を前回操作量u(n-1)に加算することにより操作量u(n)を算出する速度型PI制御を行う。後述するように、本実施形態では操作量u(n)に制限をかけるため、目標値へ収束するまでの時間が比較的長くなる場合がある。その場合、位置型PI制御では積分項(I項)が大きくなりいわゆるワインドアップが発生するため、予め条件を定めて積分値のリセット処理が必要となる。そのようなワインドアップの防止やリセット処理を不要とするため、速度型PI制御を行う。
【0036】
上下限処理部90fは、加算部90eにより算出された値を、所定の上限値以下で且つ所定の下限値以上に制限する処理を行う。遅延部90gは、上下限処理部90fにより処理された前回(一周期遅れ)の操作量uを保持しておき、前回の操作量u(n-1)として加算部90eに出力する。緩変化処理部90hは、前回の操作量u(n-1)に対する今回の操作量u(n)の増減の程度を制限するレートリミット処理を行うことで、操作量u(n)に制限をかけて出力する。
【0037】
以降は、本開示の要旨をなさないためブロックの図示は省略するが、こうして演算された値をスタック電圧Vsの目標値として処理が行われる。例えば制御装置90は、スタック電圧Vsの目標値と、電圧センサ114により検出されたスタック電圧Vsとの偏差に基づくフィードバック制御(PI制御)による演算を行い、その演算値を上下限処理などで制限してDC/DCコンバータ81のデューティ(Duty)を設定する。そして、制御装置90は、DC/DCコンバータ81のデューティに基づいてDC/DCコンバータ81のPWM信号を生成し、生成したPWM信号によりDC/DCコンバータ81のスイッチング素子をスイッチング制御する。なお、目標電力Ptagが出力電力Pよりも大きいために偏差e(n)が負の値で推移する状態では、出力電力Pを上げるための操作量u(n)として、スタック電圧Vsの目標値を下げる方向の値が出力される。
【0038】
ここで、
図3は、出力制限の有無による出力電力Pの上昇速度の違いを示す説明図であり、横軸は時間を示し、縦軸は電力を示す。
図3では、負荷4の消費電力Pconに応じた目標電力Ptag(一点鎖線)とする場合を示す。また、本実施形態の出力電力Pを実線で示し、レートリミット処理等の出力制限がない出力電力P’を二点鎖線で示す。図示するように、本実施形態の出力電力Pは、出力制限のない出力電力P’に比して消費電力Pconに到達するまでに長い時間を要する。このように、出力電力Pの上昇速度を制限することで、燃料電池スタック21の故障や劣化を防止して保護を図ることができるものの、出力電力Pが目標値(
図3では消費電力Pcon)に追従できていない時間が増加することになる。
【0039】
次に、制御装置90のCPU91が、上述した各機能により実行する処理を説明する。
図4は、目標電力設定処理の一例を示すフローチャートである。この目標電力設定処理では、CPU91は、電力センサ115により検出される負荷4の消費電力Pconを取得し(S100)、電力センサ116により検出されるパワーコンディショナ80の出力電力Pを取得する(S110)。
【0040】
次に、CPU91は、S100で取得した消費電力Pconと、S110で取得した出力電力Pに所定値αを加えた電力(P+α)とのうち小さい方を、目標電力Ptagに設定して(S120)、目標電力設定処理を終了する。なお、設定された目標電力Ptagは、上述したように減算部90cに出力される。
【0041】
ここで、
図5は、本実施形態における消費電力Pconと目標電力Ptagと出力電力Pの推移の一例を示す説明図である。また、
図6は、比較例における消費電力Pconと目標電力Ptagと出力電力Pの推移の一例を示す説明図である。
図5では、消費電力Pconを点線、目標電力Ptagを一点鎖線、出力電力Pを実線で示す。また、比較例の
図6では、消費電力Pconに応じた目標電力Ptagを設定するものであり、目標電力Ptag(消費電力Pcon)を一点鎖線、出力電力Pを実線で示す。
【0042】
本実施形態では、上述したように、消費電力Pconと、出力電力Pに所定値αを加えた電力(P+α)とのうち小さい方を目標電力Ptagに設定するから、時刻t1で消費電力Pconが急激に上昇しても目標電力Ptagは出力電力Pより所定値αだけ大きい値で推移する(
図5参照)。このため、出力電力Pと消費電力Pconとが大きく乖離している場合でも、目標電力Ptagの変化速度(上昇速度)を抑制するように目標電力Ptagを設定することになり、出力電力Pとの偏差e(n)を所定値αの範囲内に収めることができる。一方、消費電力Pconに応じた目標電力Ptagを設定する比較例では、大きな偏差e(n)が生じている。また、目標電力Ptagが大きくても、出力電力Pの上昇速度が制限されているために直ちに追従しないから、偏差e(n)が大きいままで推移する(
図6参照)。なお、目標電力Ptagが出力電力Pより大きいために偏差e(n)が負の値で推移する状態では、上述したように、式(2)で今回の負の偏差e(n)に前回の負の偏差e(n-1)の絶対値を加えることで、両偏差e(n),偏差e(n-1)の差分を算出して、比例項(P項)が演算される。
【0043】
このような状態において、時刻t2で消費電力Pconが出力電力Pを下回るほど急激に下降して目標電力Ptagが出力電力Pよりも小さくなった場合、例えば出力電力Pと目標電力Ptagとの大小関係が逆転した場合を考える。この場合、今回の偏差e(n)の符号が負から正に変わる。このため、上述した式(2)では、今回の正の偏差e(n)に前回の負の偏差e(n-1)の絶対値を加えることになるから、両偏差e(n),偏差e(n-1)の本来の差分が算出されずに、両偏差e(n),偏差e(n-1)(絶対値)を足し合わせた値が算出される。したがって、大きな値の比例項(P項)が演算されて、変化量Δuひいては操作量uが大きな値となる。特に比較例では、前回の偏差e(n-1)が大きい分、その影響が顕著となり過剰に大きな比例項が演算される結果、出力電力Pが過剰に低下する現象が発生する(
図6の時刻t2)。また、上述したように、出力電力Pの上昇速度を制限して出力電力Pが目標電力Ptag(消費電力Pcon)に追従できていない時間が増加するため、そのような現象が発生しやくなる。そこで、本実施形態では、偏差e(n)を所定値αの範囲内に収めるように目標電力Ptagを設定することで、前回の偏差e(n-1)の影響を抑えて、出力電力Pの過剰な低下(落ち込み)を防止するのである(
図5の時刻t2)。なお、所定値αは、出力電力Pに許容される低下量に応じて適宜設定することができる。特に限定するものではないが、燃料電池システム10の定格出力が700Wの場合、所定値αは例えば100Wなどに設定されている。
【0044】
また、出力電力Pの過剰な低下を防止する本実施形態では、時刻t2以降に出力電力Pを速やかに目標電力Ptag(消費電力Pcon)に追従させることができる。一方、比較例では、時刻t2以降も出力電力Pが目標電力Ptag(消費電力Pcon)と乖離した状態が続いている。
図5,
図6では、いずれも時刻t3で再び消費電力Pconが急激に上昇し、その後の時刻t4で消費電力Pconが急激に下降した様子を示す。比較例では、時刻t4で時刻t2と同様な出力電力Pの過剰な低下が生じる。一方、本実施形態では、時刻t2と同様に出力電力Pの過剰な低下を防止することができる。なお、
図5,
図6では、目標電力Ptagと出力電力Pとの大小関係が逆転した場合を例示したが、これに限られない。即ち、目標電力Ptagと出力電力Pとの大小関係が逆転しない場合でも、出力電力Pが目標電力Ptagに追従できていない状態で目標電力Ptagが低下すると出力電力Pを過剰に低下させる動作となりうるから、本実施形態の処理を適用すればよい。
【0045】
以上説明した燃料電池システム10は、負荷4の消費電力Pconと、出力電力Pに所定値αを加えた電力(P+α)とのうち小さい方を目標電力Ptagに設定することで、偏差e(n)を所定値αの範囲内の小さな値とする。このため、目標電力Ptagが急激に変化することによる変化量Δuひいては操作量uの急激な変化を抑制するから、出力電力Pが過剰に低下するのを簡易な処理で防止することができる。
【0046】
上述した実施形態では、消費電力Pconと電力(P+α)とのうち小さい方を目標電力Ptagに設定したが、これに限られず、消費電力Pconの変動を反映させつつ、目標電力Ptagの上昇速度(変化速度)を抑制するように目標電力Ptagを設定するなど他の手法を用いてもよい。
【0047】
実施形態では、偏差e(n)が所定値αの範囲内となるように目標電力Ptagを設定して出力電力Pの過剰な低下を防止したが、これに限られない。消費電力Pconに応じた目標電力Ptagを設定しつつ、出力電力Pの過剰な低下を防止するようにしてもよい。以下、その変形例を説明する。
図7は、比例項演算処理を示すフローチャートである。
【0048】
比例項演算処理では、CPU91は、まず今回の偏差e(n)と前回の偏差e(n-1)と今回の目標電力Ptag(n)と前回の目標電力Ptag(n-1)とを取得する(S200)。なお、目標電力Ptagは、消費電力Pconと同じ値に設定されたものを取得すればよい。次に、CPU91は、前回の目標電力Ptag(n-1)と今回の目標電力Ptag(n)との偏差が所定値以上であるか否かを判定する(S210)。S210では、出力電力目標値が低下したか否かが判定される。なお、特に限定するものではないが、所定値は例えば5Wなどに設定されている。
【0049】
CPU91は、S210で、前回の目標電力Ptag(n-1)と今回の目標電力Ptag(n)との偏差が所定値以上である、即ち出力電力目標値が低下したと判定すると、偏差e(n-1)を値0に変更する(S220)。即ちCPU91は、偏差e(n-1)の実際の値に拘わらず、偏差e(n-1)を一律に値0とする。そして、上述した式(2)により比例項を演算して(S230)、本処理を終了する。なお、CPU91は、S210で出力電力目標値が低下していないと判定すると、S220をスキップし、S230で通常通り比例項を演算して本処理を終了する。
【0050】
このように変形例では、前回の目標電力Ptag(n-1)と今回の目標電力Ptag(n)との偏差が所定値以上の場合には、偏差e(n-1)を実際よりも小さな値0として、今回の偏差e(n)から減じて比例項を演算する。このため、上述したように今回の偏差e(n)の符号が負から正に変わった際に、前回偏差e(n-1)が大きいために大きな比例項が演算されて、フィードバック制御が過剰に作動する結果、出力電力Pが過剰に低下するのを防止することができる。即ち、上述した実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
【0051】
変形例では、S220で偏差e(n-1)を値0に変更したが、これに限られず、偏差e(n-1)の実際の値よりも絶対値の小さな値に変更すればよい。例えば所定値に変更したり、所定値よりも絶対値の小さな値に変更すればよい。
【0052】
実施形態や変形例では、目標電力Ptagの設定時の制限や前回の偏差e(n-1)の値の変更により、出力電力Pが過剰に低下するのを防止したが、これに限られない。例えば、今回の偏差e(n)から前回の偏差e(n-1)を減じた差分が、前回の差分から大きく変化した場合に差分に制限をかけることなどにより、出力電力Pが過剰に低下するのを防止してもよい。
【0053】
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態の燃料電池スタック21が本開示の「燃料電池」に相当し、パワーコンディショナ80が「電力変換装置」に相当し、制御装置90が「制御装置」に相当する。
【0054】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した本開示を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した本開示についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の具体的な一例に過ぎないものである。
【0055】
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 原燃料供給源、2 電力系統、3 電力ライン、4 負荷、10 燃料電池システム、20 発電モジュール、21 燃料電池スタック、22 気化器、23 改質器、24 燃焼器、26,27 熱交換器、28 燃焼触媒、29 モジュールケース、30 原燃料ガス供給装置、31 原燃料ガス供給管、32,33 開閉弁、36 ガスポンプ、38 脱硫器、39 流量センサ、40 改質水供給装置、41 改質水供給管、42 改質水タンク、43 改質水ポンプ、44 凝縮水配管、45 流量センサ、50 エア供給装置、51 エア供給管、52 エアフィルタ、53 エアポンプ、60 排熱回収装置、61 貯湯タンク、62 凝縮器、63 循環配管、64 循環ポンプ、71 アノードガス配管、72 カソードガス配管、73,74 アノードオフガス配管、75 カソードオフガス配管、76 燃焼排ガス配管、80 パワーコンディショナ、81 DC/DCコンバータ、82 インバータ、85 電源基板、90 制御装置、90a 目標電力設定部、90b 出力電力取得部、90c 減算部、90d PI演算部、90e 加算部、90f 上下限処理部、90g 遅延部、90h 緩変化処理部、91 CPU、92 ROM、93 RAM、111,112 温度センサ、113 電流センサ、114 電圧センサ、115,116 電力センサ。