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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179002
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】読取装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231212BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231212BHJP
   B41J 29/02 20060101ALI20231212BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H04N1/00 519
B41J29/00 T
B41J29/02
H04N1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091978
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】小田切 啓
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061BB35
2C061CQ05
2C061CQ23
2C061DD01
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062BA08
5C072AA01
5C072BA13
5C072CA02
5C072DA02
5C072DA21
5C072EA05
5C072EA08
5C072LA02
5C072LA12
5C072VA06
5C072XA01
5C072XA04
(57)【要約】
【課題】読取対象物を載せて置く台よりも上方に配置される操作機器に触れて装置の操作をしたときに、当該読取対象物を操作機器よりも上方から読み取る読取機器が揺れることを、上方に延びる1つの取付けフレームに読取機器を取り付ける場合に比べて、抑制することができる読取装置等を提供する。
【解決手段】読取装置は、読取対象物を載せて置く台を有する本体と、前記台に置かれる読取対象物を読み取る読取機器と、前記読取機器を前記台よりも上方に配置するよう取り付ける第一取付けフレームと、装置の操作を触れて行う操作機器と、前記操作機器を前記台よりも上方でかつ前記読取機器よりも下方に配置するよう取り付ける第二取付けフレームと、少なくとも前記第一取付けフレームが取付けられる本体フレームと、を備え、前記第一取付けフレームは、互いに離れて上方に延びる複数のフレーム部分を有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象物を載せて置く台を有する本体と、
前記台に置かれる読取対象物を読み取る読取機器と、
前記読取機器を前記台よりも上方に配置するよう取り付ける第一取付けフレームと、
装置の操作を触れて行う操作機器と、
前記操作機器を前記台よりも上方でかつ前記読取機器よりも下方に配置するよう取り付ける第二取付けフレームと、
少なくとも前記第一取付けフレームが取り付けられる本体フレームと、
を備え、
前記第一取付けフレームは、互いに離れて上方に延びる複数のフレーム部分を有している読取装置。
【請求項2】
前記第二取付けフレームは、前記第一取付けフレームと接触しない状態で前記本体フレームに取り付けられている請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記複数のフレーム部分は、少なくともその下部が前記第二取付けフレームよりも左右の外側に存在するよう配置されている請求項2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記複数のフレーム部分は、少なくともその下部が前記操作機器の左右の両端よりも左右の外側に存在するよう配置されている請求項2に記載の読取装置。
【請求項5】
前記第一取付けフレームは、前記複数のフレーム部分の上端部どうしを接続して横方向に延びる上端接続部分を有している請求項2に記載の読取装置。
【請求項6】
前記第一取付けフレームは、前記本体フレームに取り付けられて前記台よりも上方に起立する起立土台部分と、前記起立土台部分の上端部から横方向に分岐して延びる分岐部分を有し、
前記複数のフレーム部分は、前記分岐部分から上方にそれぞれ延びるよう設けられている請求項2に記載の読取装置。
【請求項7】
前記第一取付けフレームは、前記本体フレームの上端部に取り付けられて横方向に延びる土台部分を有し、
前記複数のフレーム部分は、前記土台部分から上方にそれぞれ延びるよう設けられている請求項2に記載の読取装置。
【請求項8】
前記第二取付けフレームは、前記複数のフレーム部分の少なくとも2つのフレーム部分を接続するよう取り付けられる請求項1に記載の読取装置。
【請求項9】
前記第二取付けフレームは、前記少なくとも2つのフレーム部分の下半分の範囲内になる高さ位置で接続されている請求項8に記載の読取装置。
【請求項10】
台に載せて置かれた読取対象物を前記台の上方から読み取る読取部と、
前記読取部で読み取られる情報に対応した画像を記録媒体に形成することが可能な画像形成部と、
を備え、
前記読取部が請求項1乃至9のいずれかに記載の読取装置で構成されている画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、撮像対象物である原稿を置く原稿台ユニットと、原稿台ユニットに置かれる原稿を撮像する書画カメラ等の撮像ユニットと、撮像ユニットを保持して原稿台ユニットよりも上方に配置するよう原稿台ユニットの上面の後端部に取り付けられた可動保持部材と、原稿台ユニットの上面の前端部に配置された操作パネル等を有する撮像装置が記載されている。
【0003】
下記特許文献2には、読取対象物を置くステージと、ステージに置かれる読取対象物を光学的に読み取る書画カメラ等の読取ヘッドと、読取対象物の上方で読取対象物に接近および離間する方向に位置調整可能に読取ヘッドを支持する多関節ブーム等を有する読取装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-157432号公報(段落0038、図1
【特許文献2】特開2013-214917号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、読取対象物を載せて置く台よりも上方に配置される操作機器に触れて装置の操作をしたときに、当該読取対象物を操作機器よりも上方から読み取る読取機器が揺れることを、上方に延びる1つの取付けフレームに読取機器を取り付ける場合に比べて、抑制することができる読取装置および画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(1)は、
読取対象物を載せて置く台を有する本体と、
前記台に置かれる読取対象物を読み取る読取機器と、
前記読取機器を前記台よりも上方に配置するよう取り付ける第一取付けフレームと、
装置の操作を触れて行う操作機器と、
前記操作機器を前記台よりも上方でかつ前記読取機器よりも下方に配置するよう取り付ける第二取付けフレームと、
少なくとも前記第一取付けフレームが取付けられる本体フレームと、
を備え、
前記第一取付けフレームは、互いに離れて上方に延びる複数のフレーム部分を有している読取装置である。
【0007】
本発明(2)は、上記発明(1)の読取装置において、
前記第二取付けフレームは、前記第一取付けフレームと接触しない状態で前記本体フレームに取り付けられている読取装置である。
【0008】
本発明(3)は、上記発明(2)の読取装置において、
前記複数のフレーム部分は、少なくともその下部が前記第二取付けフレームよりも左右の外側に存在するよう配置されている読取装置である。
【0009】
本発明(4)は、上記発明(2)の読取装置において、
前記複数のフレーム部分は、少なくともその下部が前記操作機器の左右の両端よりも左右の外側に存在するよう配置されている読取装置である。
【0010】
本発明(5)は、上記発明(2)の読取装置において、
前記第一取付けフレームは、前記複数のフレーム部分の上端部どうしと接続して横方向に延びる上端接続部分を有している読取装置である。
【0011】
本発明(6)は、上記発明(2)の読取装置において、
前記第一取付けフレームは、前記本体フレームに取り付けられて前記台よりも上方に起立する起立土台部分と、前記起立土台部分の上端部から横方向に分岐して延びる分岐部分を有し、
前記複数のフレーム部分は、前記分岐部分から上方にそれぞれ延びるよう設けられている読取装置である。
【0012】
本発明(7)は、上記発明(2)の読取装置において、
前記第一取付けフレームは、前記本体フレームの上端部に取り付けられて横方向に延びる土台部分を有し、
前記複数のフレーム部分は、前記土台部分から上方にそれぞれ延びるよう設けられている読取装置である。
【0013】
本発明(8)は、上記発明(1)の読取装置において、
前記第二取付けフレームは、前記複数のフレーム部分の少なくとも2つのフレーム部分を接続するよう取り付けられる読取装置である。
【0014】
本発明(9)は、上記発明(8)の読取装置において、
前記第二取付けフレームは、前記少なくとも2つのフレーム部分の下半分の範囲内になる高さ位置で接続されている読取装置である。
【0015】
また、本発明(10)は、
台に載せて置かれた読取対象物を前記台の上方から読み取る読取部と、
前記読取部で読み取られる情報に対応した画像を記録媒体に形成することが可能な画像形成部と、
を備え、
前記読取部が上記発明(1)から(9)のいずれかの読取装置で構成されている画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
上記発明(1)によれば、読取対象物を載せて置く台よりも上方に配置される操作機器に触れて装置の操作をしたときに、当該読取対象物を操作機器よりも上方から読み取る読取機器が揺れることを、上方に延びる1つの取付けフレームに読取機器を取り付ける場合に比べて、抑制することができる。
【0017】
上記発明(2)によれば、第二取付けフレームを第一取付けフレームと接触させた状態で本体フレームに取り付ける場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに読取機器が揺れることを抑制できる。
【0018】
上記発明(3)によれば、複数のフレーム部分の少なくともその下部が第二取付けフレームの後方内側に存在するよう配置されている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第二取付けフレームから本体フレームを経由して第一取付けフレームに伝播することを抑制できる。
【0019】
上記発明(4)によれば、複数のフレーム部分の少なくともその下部が操作機器の左右の両端よりも内側に存在するよう配置されている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第二取付けフレームから本体フレームを経由して第一取付けフレームに伝播することが抑制されやすくなる。
【0020】
上記発明(5)によれば、第一取付けフレームが複数のフレーム部分の上端部と接続する上端接続部分を有しない構造である場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第一取付けフレームから読取機器までに伝播することをより抑制することができる。
【0021】
上記発明(6)によれば、第一取付けフレームにおける複数のフレーム部分が本体フレームに直接取り付けられている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が本体フレームから複数のフレーム部分に伝播することを抑制できる。
【0022】
上記発明(7)によれば、第一取付けフレームの複数のフレーム部分が本体フレームに直接取り付けて設けられる場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第二取付けフレームから本体フレームを経由して第一取付けフレームまで伝播することを抑制できる。
【0023】
上記発明(8)によれば、第二取付けフレームが第一取付けフレームの1つのフレーム部分に取り付けられている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに読取機器が揺れることを抑制できる。
【0024】
上記発明(9)によれば、第二取付けフレームが第一取付けフレームの少なくとも接続する2つのフレーム部分の上半分の範囲内になる高さ範囲で連結されている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに読取機器が揺れることを抑制できる。
【0025】
上記発明(10)によれば、読取部の読取装置において読取対象物を載せて置く台よりも上方に配置される操作機器に触れて装置の操作をしたときに、当該読取対象物を操作機器よりも上方から読み取る読取機器が揺れることを、1つの取付けフレームに読取機器を取り付ける場合に比べて抑制でき、その読取装置で読み取られる情報に対応した画像を形成するときの上記読取機器の揺れに起因した画質の低下が誘発されることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施の形態1に係る画像形成装置の概略斜視図である。
図2図1の画像形成装置の概略正面図である。
図3図1の画像形成装置の上部の概略側面図である。
図4図1の画像形成装置の外装カバーを取り外した読取部を含む上部の概略斜視図である。
図5図1の画像形成装置の読取部を含む上部の概略側面図である。
図6】画像形成装置の読取部等の一部における骨組み部分の斜視図である。
図7】第一取付けフレームの概略斜視図である。
図8】第二取付けフレーム等の概略斜視図である。
図9】第一取付けフレームの背面フレームへの取り付け部分の断面概要図である。
図10】(A)は実施例の測定試験の結果を示すグラフ図、(B)は比較例の測定試験の結果を示すグラフ図である。
図11】(A)は読取部における振動の伝播状態を示す概略正面図、(B)は(A)の伝播状態を示す概略側面図である。
図12】実施の形態2に係る読取装置の概略斜視図である。
図13図12の読取装置の外装カバーを取り外した部分の概略斜視図である。
図14】(A)は第一取付けフレームの変形例1の正面概要図、(B)は第一取付けフレームの変形例2の正面概要図である。
図15】第一取付けフレームの変形例3の正面概要図である。
図16】第一取付けフレームおよび第二取付けフレームの変形例4の正面概要図である。
図17】(A)は第一取付けフレームの変形例5の正面概要図、(B)は第一取付けフレームの変形例6の正面概要図である。
図18】比較例の第一取付けフレームを備えた画像形成装置または読取装置の正面概要図である。
図19】不適切な参考構成例の第二取付けフレームを備えた画像形成装置または読取装置の正面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0028】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の外観の概略斜視図である。図2は、画像形成装置1の正面概要図である。図3は、画像形成装置1の上部の側面概要図である。
図1等の各図面において矢印を付して示す上下、左右および前後の各方向は、画像形成装置1を使用するときに使用者が立って向き合うことを想定した場合における画像形成装置1の正面10Fを基準にして表した方向になる。
【0029】
(画像形成装置)
画像形成装置1は、図1図2のいずれかに示されるように、筐体10と、筐体10の内部に配置される画像形成部20、媒体供給部30および媒体排出部40と、筐体10の外部および内部に配置される読取部50とを備えている。
【0030】
筐体10は、内部の骨組み部分と外部の外装部分を有する構造体である。
骨組み部分は、複数のフレーム等の材料により所要の構造および形状からなる構造部分として構成されている。外装部分は、外装カバー等の材料により所要の構造および形状からなる構造部分として構成されている。
【0031】
実施の形態1における筐体10は、図1等に示されるように、読取部50のうち筐体10の外部に配置される部分を除いた部分(本体部)の外観が、上下方向に長い直方体状の形状からなる構造体として形成されている。
【0032】
また、筐体10は、図4から図6等に示されるように、その本体部の骨組み部分が、画像形成装置1の背面側に配置される背面フレーム12を主要な本体フレームとして有している。本体部の骨組み部分は、その背面フレーム12に加えて、例えば、図示しない正面フレーム,上部フレーム,左側部フレーム,右側部フレーム,複数の仕切りフレーム等のフレームを組み合わせて形成されている。
【0033】
さらに、筐体10は、図1図3等に示されるように、その本体部の外装部分が、例えば、正面カバー14a,右側面カバー14d,図示しない左側面カバー、背面カバー等の外装カバーを用いて形成されている。
【0034】
外装カバーは、本体部の骨組み部分を構成する一部のフレームに直接またはブラケット等の取付け補助具を介して取り付けられており、また当該一部のフレームに対してネジ、フック等の固定手段により着脱可能に固定されている。外装カバーのうち例えば正面カバー14a、右側面カバー14d等については、その少なくとも一部が開閉可能な構造の開閉カバーとして構成されている。
【0035】
画像形成部20は、文字、記号、図形、模様、写真等を含む画像の情報に対応する画像を記録媒体9に形成するための構成部分である。
【0036】
実施の形態1における画像形成部20は、現像剤からなる画像を最終的に記録媒体9に形成する電子写真方式の作像装置を用いて構成されている。
電子写真方式の画像形成部20は、いずれも図示しない、感光体等の像保持体と、その像保持体の周囲に配置される帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、清掃装置等の機器と、像保持体から離れた位置に配置される定着装置を備えている。また、この画像形成部20は、現像剤補給装置、画像処理装置、制御装置等の機器も備えている。
このうち転写装置としては、像保持体に形成する現像剤からなる画像を記録媒体9に直接転写する直接転写方式の装置や、その画像を像保持体から中間転写体を中継して記録媒体9に転写する中間転写方式の装置が採用される。
【0037】
また、この画像形成部20は、画像形成装置1と接続される情報端末機、記憶媒体等の外部機器から入力される画像情報に対応した画像を形成する機能と、読取部50で読み取られる情報を後述するよう画像情報として使用して当該画像情報に対応した画像を形成する機能を備えている。
【0038】
画像形成部20では、像保持体の周囲において帯電動作、画像情報に対応した露光動作、現像動作、転写動作等の所要の動作が順次行われる。
これにより、画像形成部20では、像保持体に現像剤からなる画像が作成され、しかる後、その画像が像保持体から直接または間接的に記録媒体9に転写される。また、画像形成部20では、画像が転写された記録媒体9に対して定着動作が行われ、その結果、その画像が記録媒体9に定着される。
【0039】
媒体供給部30は、画像形成部20で使用する記録媒体9を収容するとともに画像形成部20に供給するよう構成された部分である。
【0040】
実施の形態1における媒体供給部30は、画像形成部20の下方に配置されており、いずれも図示しない、記録媒体9を収容するトレイ等の収容体と、その収容体から記録媒体9を送り出す送出装置等を備えている。
【0041】
収容体は、筐体10の内部から外部に引き出して記録媒体9の収容作業等が可能になるよう取り付けられている。収容体は、単数に限らず、複数であってよい。また送出装置は、収容体の数と同数のものが配置される。収容体は、送出装置が配置される部分が、画像形成部20の画像の転写が行われる部分(転写部)まで記録媒体9を搬送する媒体搬送路35により接続されている。
記録媒体9としては、所定のサイズからなるシート状の普通紙、コート紙、厚紙等の媒体が使用される。
【0042】
媒体供給部30では、画像形成部20における転写動作に合わせて所要の記録媒体9が、画像形成部20の転写部にむけて送り出される。媒体搬送路35は、画像形成部20から媒体排出部40に設けられる排出口42に至るまでつながるよう設けられている。
【0043】
媒体排出部40は、画像形成部20で画像が形成された記録媒体9を排出して収容する構成部分である。
【0044】
実施の形態1における媒体排出部40は、画像形成部20の上方に配置されており、筐体10の正面10Fの上部の一部に記録媒体9を収容する排出空間41を有している。排出空間41は、例えば、右側に片寄って開口する正面開口と、右の側面に正面10Fから連続して開口する側面開口とを介して外側に向けて開放された空間になっている。
【0045】
また、媒体排出部40は、排出空間41の左側の内壁面に記録媒体9の排出口42が設けられており、また排出空間41の底面に排出口42から排出された記録媒体9を積載して収容する積載面43が設けられている。
【0046】
媒体排出部40では、画像形成部20において画像が作成および定着された記録媒体9が媒体搬送路35を通して排出口42まで搬送された後、その排出口42から排出されて収容される。
【0047】
(読取部)
読取部50は、台6に置かれた読取対象物90を台6の上方から読み取るよう構成された部分である。
【0048】
実施の形態1における読取部50は、図1から図3等に示されるように、読取対象物90を載せて置く台6を有する本体51と、台6に置かれる読取対象物90を読み取る読取機器7と、装置の操作を触れて行う操作機器8等を備えている。
操作機器8における装置の操作は、読取部50を含む画像形成装置1の操作になる。
【0049】
本体51は、内部の骨組み部分と外部の外装部分を有する構造体である。また、本体51は、その上面部に台6が配置され、その内部に読取機器7の動作に関連する図示しない関連機器が配置される。
実施の形態1における本体51は、画像形成装置1の筐体10の一部として構成されており、筐体10の上端部に配置されている。
【0050】
台6は、読取対象物90を載せて静止させた状態で置くことが可能な平らな上面部61を有する板状の部材で構成されている。台6は、その上面部61が最上面になるよう筐体10の上端部に配置されている。
【0051】
読取対象物90は、台6に置いて読取機器7により台6の上方から読み取ることが可能な物である。読取対象物90は、例えば、画像の情報が記録されたシート状の原稿の他に、本、雑誌、食品、植物等の立体的な物が含まれる。
【0052】
読取機器7は、台6に置かれる読取対象物90を光学的に読み取ることが可能な機器である。読取機器7としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子やレンズ等の光学素子を組み合わせて構成されるカメラが使用される。読取機器7としてのカメラは、書画カメラと称されることもある。読取機器7は、読み取りの際に読取対象物90を照明する照明機器を備えていてもよい。
【0053】
また、読取機器7は、図1図6等に示されるように、台6よりも上方の位置に配置されるよう第一取付けフレーム73に取り付けられている。
より詳しくは、読取機器7は、図4等に示されるように、第一取付けフレーム73の一部(後述する上端接続部分77)に取り付けられるブラケット57に固定して取り付けられている。また、読取機器7は、台6の左右方向のほぼ中央の位置に存在するよう配置されている。
【0054】
第一取付けフレーム73は、筐体10の背面フレーム12に取り付けられている。また、第一取付けフレーム73は、操作機器8の後方に存在するよう配置されている。
第一取付けフレーム73の詳細については後述する。
【0055】
読取部50は、読取機器7で読み取った情報を、画像形成部20に送って画像を形成する元になる画像情報として使用する他、操作機器8の表示部に表示させる表示情報として使用するよう構成されている。
また、読取部50は、読取機器7で読み取った情報を画像形成部20における画像処理装置に送信して画像処理するよう構成されている。読取部50は、読取機器7で読み取った情報を画像処理する画像処理装置を備えていてもよい。
【0056】
操作機器8は、画像形成装置1の操作を触れて行う操作部81を少なくとも有する構造体である。
操作機器8は、板状の本体80に対して少なくとも操作部81が設けられている。操作機器8は、本体80に各種の情報(画像、映像など)を表示する表示部82が併設されていてもよい。
【0057】
操作部81は、操作機器8が表示部82を有している場合、その表示部82に表示される部分に触れることにより操作が可能になるタッチパネル等の非機械式部品で構成される部分になる。非機械式部品は、表示部82に表示される部分を指やペンで触れたときに通電、位置の検出等が行われる抵抗膜方式、静電容量方式等の作動方式を採用した部品である。
また、操作部81は、画像形成装置1の使用者が指で触れて物理的に動かすことで操作が可能な物理ボタン、物理スイッチ等の機械式部品で構成される部分としてもよい。さらに、操作部81は、上記非機械式部品で構成される部分と上記機械式部品で構成される部分とが混在する部分としてもよい。
【0058】
表示部82は、液晶表示パネル等の表示機器で構成される部分である。表示部82は、操作部81が上記非機械式部品で構成される場合、その操作部81で用いる操作用の画面の表示も行うよう構成されている。
【0059】
実施の形態1における操作機器8は、図4等に示されるように、上記非機械式部品で構成される操作部81aが表示部82のなかに含まれる構成になっているとともに、上記機械式部品で構成される操作部81bが併設された構成になっている。また、この操作機器8は、図4等に示されるように、操作部81を兼ねる表示部82が本体80の正面に配置された構造になっている。
この表示部82のなかに操作部81aが含まれる操作機器8は、例えばタッチパネル、タッチディスプレイ等と称される機器として構成される。
【0060】
また、操作機器8は、図1図5等に示されるように、台6よりも上方でかつ読取機器7よりも下方に配置されるよう第二取付けフレーム85に取り付けられている。また、操作機器8は、台6の左右方向のほぼ中央の位置に存在するよう配置されている。
このため、操作機器8は、読取機器7との配置と比べた場合、図2図5に示されるように、操作機器8と読取機器7の双方の左右方向における各中心位置が互いにほぼ合致するよう位置関係で配置されている。
【0061】
また、操作機器8は、図5に示されるように、その左右方向の幅W2が、背面フレーム12の左右方向の幅W1よりも狭い(短い)関係になるよう構成されている。
【0062】
第二取付けフレーム85は、操作機器8をその背面側において支持している。また、第二取付けフレーム85は、台6よりも後方側でかつ読取機器7を支持する第一取付けフレーム73よりも前方に存在するよう配置されている。さらに、第二取付けフレーム85は、筐体10の背面フレーム12に取り付けられている。
第二取付けフレーム85の詳細については後述する。
【0063】
さらに、操作機器8は、図6等に示されるように、第二取付けフレーム85の上端部にブラケット58を介して取り付けられている。
【0064】
ブラケット58は、第二取付けフレーム85の上端部に固定される固定部58Aと、固定部58Aに対して支持軸58gを介して上下方向に回動するよう取り付けられているとともに操作機器8の本体80の背面部に取り付けて支持する可動支持部58Bとで構成されている。
操作機器8は、可動支持部58Bを有するブラケット58に取り付けることにより、支持軸58gを支点に所要の範囲内で回動して操作する面の傾き角度を調整することが可能に支持されている。
【0065】
また、読取部50は、図1から図3等に示されるように、操作機器8を取り付ける第一取付けフレーム73の全部と操作機器8を取り付ける第二取付けフレーム85の一部が外装カバーの一例であるフレームカバー15によって覆われている。また、読取部50は、読取機器7が外装カバーの一例である機器カバー17によって覆われている。
【0066】
フレームカバー15は、例えば、上下方向で3つに分割した下カバー部15a,中間カバー部15bおよび上カバー部15cを組み合わせて使用するカバーになっている。下カバー部15a,中間カバー部15bおよび上カバー部15cは、例えば、正面側部分と背面側部分とに分ける等の分け方で、さらに細かく分割したカバー部分にしてもよい。
また、フレームカバー15は、第一取付けフレーム73に直接またはブラケット等の取付け補助具を介して取り付けられており、また第一取付けフレーム73に対してネジ、フック等の固定手段により着脱可能に固定されている。
さらに、フレームカバー15は、例えば第一取付けフレーム73の形態(図4等に示すように内側に空間S2を有する形態)に対応させた矩形状の空間部S1を有する外観形状になっている。
【0067】
このうちフレームカバー15の下カバー部15aは、図1図2に示されるように、その一部が、第二取付けフレーム85の周囲を覆うよう分割された分割カバー部15dとして構成されている。分割カバー部15dは、第二取付けフレーム85に対して接触しない形状になっているか、あるいは、第二取付けフレーム85に対して弾性を有する緩衝材を介して触れる構成になっている。
【0068】
また、フレームカバー15の中間カバー部15bは、図1図2に示されるように、その内側に空間部S1を存在させる形状のカバー部分として構成されている。
また、フレームカバー15の上カバー部15cは、図1から図3等に示されるように、第一取付けフレーム73の上端部から斜め上向きにせり出して読取機器7をその上方から覆う庇状の外観形状からなるカバー部分として構成されている。
【0069】
機器カバー17は、上カバー部15cと別体からなるカバーである。機器カバー17については、上カバー部15cと一体のカバー、換言すれば上カバー部15cの一部として形成されたカバーとしてもよい。
【0070】
そして、実施の形態1では、第一取付けフレーム73と第二取付けフレーム85が取り付けられる本体フレームの一例である背面フレーム12として、次の形態からなるフレームを適用している。
すなわち、実施の形態1における背面フレーム12は、図4から図6図9等に示されるように、本体面部12aと、上端面部12bと、左右の側端面部12c、12dと、図示しない下端面部とからなるフレームとして構成されている。
【0071】
このうち本体面部12aは、上下の方向に延びる外径がほぼ矩形状の面からなる本体部をなすフレーム部分である。上端面部12bは、本体面部12aの上端部分を後方側にほぼ直角に折り曲げた面からなるフレーム部分である。
また、左右の側端面部12c、12dは、本体面部12aの左右の側端部分をそれぞれ後方側にほぼ直角に折り曲げた面からなるフレーム部分である。図示しない下端面部は、本体面部12aの下端部分を後方側にほぼ直角に折り曲げた面からなるフレーム部分である。
【0072】
(第一取付けフレーム)
また、実施の形態1では、読取機器7が取り付けられる第一取付けフレーム73として、図4から図7等に示されるように、互いに離れて上方に延びる2つのフレーム部分74A,74Bを有するフレームを適用している。
具体的には、実施の形態1における第一取付けフレーム73は、図7に示されるように、起立土台部分75と、分岐部分76と、2つのフレーム部分74A,74Bと、上端接続部分77を有するフレームである。
【0073】
このうち第一取付けフレーム73の起立土台部分75は、背面フレーム12に取り付けられて台6よりも上方に起立するフレーム部分である。
【0074】
起立土台部分75は、背面フレーム12の上端部(上端面部12b)における取付け凹部12fに取り付けられる箱状の土台部75Aと、土台部75Aの後端側から上方に起立して分岐部分76を保持する起立保持部75Bと、土台部75Aの前端部から下方に延びて背面フレーム12の本体面部12aにおける取付け用収容部13に収容された状態で取り付けられる取付け部75Cとで構成されている。
【0075】
起立土台部分75の土台部75Aは、図7図9等に示されるように、その下面部に、取付け凹部12fに設けられる位置決め孔に差し込むよう下方に突出する位置決めピン75Apが設けられている。
起立土台部分75の起立保持部75Bは、分岐部分76の中央部分における前後の側面部分を前後から挟んだ状態で保持する前後一対の保持板75Ba,75Bbが設けられている。
起立土台部分75の取付け部75Cは、土台部75Aの前端部から下方に延びた後に下端が後方側に曲げられた板状の部分である。取付け部75Cの下端の曲げ部分には、取付け用収容部13に設けられる位置決め孔に差し込むように下方に突出するピン75Cpが設けられている。
【0076】
一方、背面フレーム12における取付け凹部12fは、図8等に示されるように、背面フレーム12の上端面部12bにおける左右方向の中央部に起立土台部分75の土台部75Aを収めるよう窪んだ形状に切り欠かれて設けられた構造部分である。
取付け凹部12fは、図9に示されるように、その底部に、背面フレーム12の本体面部12aの一部を後方側にほぼ直角に折り曲げた曲げ面部12gを有している。曲げ面部12gには、土台部75Aの位置決めピン75Apが差し込まれる位置決め孔が設けられている。
【0077】
また、背面フレーム12における取付け用収容部13は、図4から図6図9等に示されるように、背面フレーム12の本体面部12aのうち取付け凹部12fが設けられた部分とその下方の部分に、上部が開口する縦長の収容部(空間)が形成される枠体を設けた部分である。
取付け用収容部13は、上端部の左右の側面部に、土台部75Aの前端の左右角部が左右のせり出す状態で載せられる切欠き部が設けられている。取付け用収容部13の底面部には、取付け部75Cの位置決めピン75Cpが差し込まれる位置決め孔が設けられている。
【0078】
次に、第一取付けフレーム73の分岐部分76は、図7図9等に示されるように、左右の横方向に直線状に延びる角型のパイプ形状からなるフレーム部分である。
【0079】
分岐部分76は、図4図5に示されるように、背面フレーム12の左右方向の幅W1とほぼ同じ長さを有するよう形成されている。
また、分岐部分76は、その左右方向における中央部分が、起立土台部分75の起立保持部75Bにおける前後一対の保持板75Ba,75Bbに挟まれた状態でネジ、溶接等の固定手段により固定されて保持される。
【0080】
次に、第一取付けフレーム73の2つのフレーム部分74A,74Bはいずれも、図4図5,7等に示されるように、上下方向に沿う上方に直線状に延びる角型のパイプ形状からなるフレーム部分である。
【0081】
フレーム部分74A,74Bは、図4図5に示されるように、その上端部が、操作機器8を超えて上方に所要の距離だけ離れた高さに至る長さを有するよう形成されている。
【0082】
また、フレーム部分74A,74Bは、図7等に示されるように、分岐部分76の左右方向である横方向における左右の端部から上方にむけてほぼ垂直にそれぞれ延びるよう設けられている。
この場合、フレーム部分74A,74Bは、例えば、その各下端部に、分岐部分76の左右の端部を前後方向から挟んで取り付ける図示しない前後一対の取付け板と左または右の側方から囲むよう接して取り付ける図示しない左または右の側面部になる取付け板とを設ける。そして、フレーム部分74A,74Bは、その各取付け板を介して分岐部分76の左右の端部にネジ、溶接等の固定手段により固定することによりそれぞれ設けられる。またこの場合、フレーム部分74A,74Bの各上端部は、後述するように上端接続部分77の左右の端部にそれぞれ固定して設けられる。
【0083】
次に、第一取付けフレーム73の上端接続部分77は、図7等に示されるように、左右の横方向に直線状に延びる角型のパイプ形状からなるフレーム部分である。
【0084】
上端接続部分77は、図4図5図7等に示されるように、背面フレーム12の左右の幅W1とほぼ同じ長さ、換言すれば分岐部分76の長さとほぼ同じ長さを有するよう形成されている。
また、上端接続部分77は、図7等に示されるように、その左右方向における左右の端部が、フレーム部分74A,74Bの各上端部にそれぞれ接続されるよう設けられている。
この場合、上端接続部分77は、例えば、その左右の端部に、フレーム部分74A,74Bの各上端部を前後方向から挟んで取り付ける図示しない前後一対の取付け板と左または右の側方から囲むよう接して取り付ける図示しない左または右の側面部になる取付け板を設ける。そして、上端接続部分77は、その各取付け板を介してフレーム部分74A,74Bの各上端部にネジ、溶接等の固定手段により固定することによりそれぞれ設けられる。
【0085】
以上の構成からなる第一取付けフレーム73は、図9等に示されるように、分岐部分76と、2つのフレーム部分74A,74Bと、上端接続部分77とで囲まれる矩形状の空間S2を有する形状になっている。
【0086】
また、この第一取付けフレーム73は、次のようにして背面フレーム12に取り付けられる。
すなわち、第一取付けフレーム73は、図9等に示されるように、その起立土台部分75の土台部75Aを、背面フレーム12における取付け凹部12fに位置決めピン75Apを介して位置決めして設置する。また、第一取付けフレーム73は、図9等に示されるように、その起立土台部分75の土台部75Aの前端部と取付け部75Cを、背面フレーム12における取付け用収容部13に嵌め入れるとともに位置決めピン75Cpを介して位置決めして固定する。
これにより、第一取付けフレーム73は、図4から図6図9等に示されるように、背面フレーム12に取り付けられた状態になる。
【0087】
この際、第一取付けフレーム73は、分岐部分76が、起立土台部分75に保持されて台6から上方に離れて存在する状態になる。
また、第一取付けフレーム73は、起立土台部分75における土台部75Aが背面フレーム12における取付け凹部12fに完全に入り込み、その土台部75Aの上面75Aaが背面フレーム12の上端面部12bと同等またはそれ以下の高さになって取付け凹部12fに収まる。
【0088】
さらに、第一取付けフレーム73は、図5に示されるように、フレーム部分74A,74Bがいずれも、その下部を含む全体が少なくとも操作機器8の第二取付けフレーム85よりも左右の外側の離れた位置に存在するよう配置されている。これにより、操作機器8の第二取付けフレーム85の背面フレーム12への取付け部分から第一取付けフレーム73を経由して読取機器7に至るまでの最短の経路長について、フレーム部分74A,74Bの下部を含む全体が操作機器8の第二取付けフレーム85の真後ろに隠れるよう配置されている場合やその一部が第二取付けフレーム85と一部重複する状態で配置されている場合に比べると、増やす(長くする)ことが可能になる。
また、実施の形態1におけるフレーム部分74A,74Bは、振動の伝播の抑制等の観点から第二取付けフレーム85からより遠く離れた位置に存在させるようにするため、操作機器8の左右の両端8a,8bよりも左右の外側の離れた位置にそれぞれ存在するよう配置されている。また、このときのフレーム部分74A,74Bは、図5に示されるように、左右方向の間隔(離間距離)Dが操作機器8の左右の幅W2よりも広くなるよう配置されている。このように配置していることにより、上記した最短の経路長について更に増やすことが可能になる。
【0089】
また、実施の形態1における読取機器7は、図4図5に示されるように、第一取付けフレーム73の上端接続部分77における左右方向のほぼ中央の位置に取り付けたブラケット57を介して、第一取付けフレーム73に取り付けられる。
【0090】
(第二取付けフレーム)
また、実施の形態1では、操作機器8が取り付けられる第二取付けフレーム85として、図4図5図8図9等に示されるように、背面フレーム12に取り付けられて、台6よりも上方に突出し得る形状からなるフレームを適用している。
具体的には、実施の形態1における第二取付けフレーム85は、図8に示されるように、起立本体部86と、左右の取付け部87A、87Bを有するフレームである。また、第二取付けフレーム85は、起立本体部86の上端部に、操作機器8を取り付けるブラケット58が取付けられている。
【0091】
このうち第二取付けフレーム85の起立本体部86は、背面フレーム12の上端部から上方に起立するような矩形からなる板状の本体面部86Aと、本体面部86Aの左右の端部から後方側にそれぞれほぼ直角に曲げられたような形状の左右の側面部86B,86Cと、本体面部86Aの上端と左右の側面部86B,86Cの上端とを連結する上面部86Dを有するフレーム部分である。
本体面部86Aは、図8に示されるように、その下端86tが、背面フレーム12における取付け凹部12fの左右方向の幅Wfとほぼ同じかまたは少し広い幅(長さ)を有する形状になっている。これにより、本体面部86Aは、第二取付けフレーム85を背面フレーム12に取り付けた際、取付け凹部12fの上を横切るまたは跨る状態になるよう配置される。また、本体面部86Aは、その左右方向の中央部に、後方側に窪んで上下方向に延びる補強用溝部86Eが設けられている。
【0092】
また、第二取付けフレーム85の左右の取付け部87A、87Bは、図8に示されるように、起立本体部86の左右の側面部86B,86Cにおける下端から左方向または右方向にそれぞれ張り出す板状のフレーム部分である。取付け部87A、87Bは、背面フレーム12の取付け凹部12fの左右方向にそれぞれある上端面部12bの部分に接して設置されるように形成されている。
左右の取付け部87A、87Bは、背面フレーム12の上端面部12bの後端に下方に曲げられた上端曲げ背面部が設けられている場合、その上端曲げ背面部に追従して曲げられた形状の後端曲げ部87C(図8参照)を有するフレーム部分としてもよい。図8における符号87hは、固定ネジを通すためのネジ通し孔である。
【0093】
また、第二取付けフレーム85は、図6図8等に示されるように、その起立本体部86における上面部86Dの左右方向のほぼ中央部に、操作機器8を取り付けるブラケット58が設けられている。
ブラケット58は、例えば、起立本体部86における上面部86Dに固定して取り付けられる固定部58Aと、固定部58Aに対して支持軸58gを介して上下方向に回動するよう取り付けられるとともに操作機器8を支持する可動支持部58Bとで構成されている。図8における符号58hは、固定ネジを通すためのネジ通し孔である。
【0094】
以上の構成からなる第二取付けフレーム85は、次のようにして背面フレーム12に取り付けられる。
すなわち、第二取付けフレーム85は、図9等に示されるように、その起立土台部分75の土台部75Aを、背面フレーム12における取付け凹部12fに位置決めピン75Apを介して位置決めして設置する。また、第一取付けフレーム73は、図9等に示されるように、その起立土台部分75の土台部75Aの前端部と取付け部75Cを、背面フレーム12における取付け用収容部13に収容して位置決めピン75Cpを介して位置決めする。
これにより、第二取付けフレーム85は、図4から図6図9等に示されるように、背面フレーム12に取り付けられた状態になる。
【0095】
この際、第二取付けフレーム85は、図8図9等に示されるように、起立本体部86の下端86tが、第一取付けフレーム73の起立土台部分75における土台部75Aの上面75Aaとは間隔をあけて対向した状態になる。これにより、第二取付けフレーム85は、第一取付けフレーム73と接触しない状態で背面フレーム12に取り付けられるようになっている。
また、第二取付けフレーム85は、図6図9等に示されるように、その全体においても、第一取付けフレーム73の全部と接触しない非接触の状態で配置されている。
【0096】
また、実施の形態1における操作機器8は、図6に示されるように、第二取付けフレーム85の上面部86Dにおける左右方向のほぼ中央の位置に取り付けたブラケット57を介して、第二取付けフレーム85に取り付けられる。
【0097】
最後に、読取部50は、第一取付けフレーム73の全部と第二取付けフレーム85の一部を覆うようフレームカバー15と取り付けるとともに、読取機器7を覆うよう機器カバー17を取り付けることにより、台6を除く部分が完成する。
この結果、読取部50は、図1から図3に示されるように、第一取付けフレーム73の全部と第二取付けフレーム85の一部がフレームカバー15によって覆い隠された状態になり、また、読取機器7が機器カバー17によって覆い隠された状態になる。この際、フレームカバー15は、その下カバー部15aにおける分割カバー部15dが、第二取付けフレーム85に対して非接触の状態かまたは緩衝材を介して接する状態になる。
台6は、画像形成装置1の筐体10(または読取部50の本体51)の上端部に取り付けることにより完成する。
【0098】
(画像形成装置および読取部の使用と動作)
以上の構成からなる画像形成装置1は、その画像形成部20において、接続された外部機器から入力される画像情報に対応した画像を記録媒体9に形成することが可能である。この場合、画像が形成された記録媒体9は、媒体排出部40に排出されて出力される。
【0099】
また、画像形成装置1は、その読取部50において、台6に載せて置いた読取対象物90を読取機器7で読み取り、その読取情報を操作機器8の表示部82に読取画像として表示させることが可能である。
【0100】
さらに、画像形成装置1では、読取部50で読み取った読取対象物90の読取情報を画像形成部20に画像情報として取り込み、その画像情報に対応した画像を記録媒体9に形成することも可能である。これにより、画像形成装置1では、読取対象物90を読み取った画像を記録媒体9に記録して出力することもできる。
【0101】
そして、画像形成装置1では、例えば、読取部50における読取対象物90の読取動作を行う場合、使用者が操作機器8で装置の操作をすることにより読取動作が開始される。
この場合、使用者が操作機器8において読取動作を開始させるための操作を行うと、読取機器7が台6に置かれた読取対象物90を読み取るよう作動する。
【0102】
しかし、この読取動作を開始するときには、操作機器8では使用者が手で触れて操作するので振動が生じ得る。このため、読取部50では、その振動が操作機器8を取り付ける第二取付けフレーム85から背面フレーム12を経由して読取機器7を取り付ける第一取付けフレーム73に伝わり、最終的に読取機器7にまで伝わることがあり、その結果、読取機器7が揺れるおそれがある。
【0103】
そのような読取機器7が揺れることが発生した場合は、揺れている読取機器7で読み取った読取情報が乱れてしまう。この結果、その読取情報を表示部82に表示する場合には、その表示される画像が乱れることになる。また、その読取情報を画像形成部20で画像情報として用いて画像を形成する場合には、その形成される画像が乱れることになる。
【0104】
この点、画像形成装置1では、読取部50において読取機器7を取り付ける第一取付けフレーム73として、互いに離れて上方に延びる2つのフレーム部分74A,74Bを有するフレームを適用している。
このため、画像形成装置1では、図18に例示するように第二取付けフレーム85の真後ろにおいて背面フレーム12から上方に延びる1つの第一取付けフレーム730に読取機器7を取り付けた(比較例の画像形成装置1Xまたは読取装置5Xの)場合に比べると、読取対象物90を台6に載せ置いて読取機器7で読み取る場合、使用者が操作機器8に触れて装置の操作をしたときに、読取機器7が揺れることが抑制される。
また、画像形成装置1では、その読取機器7で読み取られる情報に対応した画像を形成する場合、読取機器7の揺れに起因した画質の低下が誘発されることも抑制される。
上記比較例における1つの第一取付けフレーム730とは、本体フレームの一例である背面フレーム12から読取機器7を取り付ける部分に至るまでのフレームが1つであって、それ以外のフレーム(部分)がない構造のフレームである。
【0105】
ちなみに、画像形成装置1では、下カバー部15aにおける分割カバー部15dが、第二取付けフレーム85に対して非接触の状態かまたは緩衝材を介して接する状態になっているので、操作機器8に触れて装置の操作が行われたときに発生する振動が、第二取付けフレーム85からフレームカバー15を経由して読取機器7に伝わるおそれはない。
また、画像形成装置1では、第二取付けフレーム85が第一取付けフレーム73と接触しない状態で背面フレーム12に取り付けられているので、操作機器8に触れて装置の操作が行われたときに発生する振動が第二取付けフレーム85から第一取付けフレーム73に直接伝わるおそれもない。
【0106】
(測定試験)
図10(A)は、実施の形態1に係る画像形成装置1または読取部50(実施例)に対して行った測定試験の結果を示すグラフ図である。
【0107】
測定試験は、画像形成装置1の読取部50における操作機器8に触れて装置の操作をしたときに、読取機器7における振動の状態、すなわち操作機器8に触れた直後の所定の経過時間(例えば50秒)における振動の振幅について測定した。
このときの振動の振幅の測定は、マルチユニット対応データ収集システム(キーエンス社製:NR-500シリーズ)を用い、第一取付けフレーム73の根本部分(例えば起立土台部分75の土台部75A)と第一取付けフレーム73の上部(読取機器7の取り付け用のブラケット57)を測定対象位置として行った。図10(A)に示す結果は、第一取付けフレーム73の上部で測定した結果になる。
【0108】
また、測定試験は、図18に例示する上方に延びる1つの第一取付けフレーム730に読取機器7を取り付けた画像形成装置1X(比較例)を用い、その比較例に対しても同様に行った。
比較例の測定試験の結果は、図10(B)に示す通りである。
【0109】
比較例の画像形成装置1Xにおける第一取付けフレーム730は、図18に示されるように、実施例における第一取付けフレーム73の起立土台部分75(図7参照)に、上方に直線状に延びる1つのフレーム部分734を設けた構造からなるものである。また、第一取付けフレーム730は、そのフレーム部分734の上端部にブラケット57を介して読取機器7が取り付けられている。
また、比較例の画像形成装置1Xまたは読取装置5Xでは、操作機器8を、実施の形態1における第二取付けフレーム85と同様のフレームに取り付けた。
第一取付けフレーム730におけるフレーム部分734は、画像形成装置1Xの正面10Fから見たとき、第二取付けフレーム85の真後ろになる位置、または少なくとも一部が第二取付けフレーム85と重複する状態になるよう配置されている。
【0110】
図10に示す結果をみると、比較例では、図10(B)中に楕円で囲んで示すように、操作機器8に触れてから5秒後に比較的大きな振幅(第一波)からなる振動が伝播して発生しており、しかる後、その振動の振幅が約5秒間隔で大幅に減衰してから消失していることがわかる。
その一方で、実施例では、図10(A)中に楕円で囲んで示すように、比較例のような第一波からなる振動が発生していない。
【0111】
また、この測定試験では、テストパターン画像が記録された用紙を台6に載せて読取機器7で読み取り、その読取情報を画像情報として用いて画像を記録媒体9に形成することを行った。
その結果、比較例ではテストパターン画像がかすれて乱れたコピー画像であったのに対し、実施例ではテストパターン画像が鮮明なコピー画像として得られた。
【0112】
ちなみに、実施の形態1において読取機器7の揺れが抑制されるのは、以下の理由によるものと推測される。
【0113】
すなわち、画像形成装置1の読取部50では、操作機器8に触れて装置の操作がされたときに発生する振動(波動)が、図11に矢印v1で示されるように、第二取付けフレーム85から背面フレーム12に伝わる。このときの振動は、図11(A)に矢印v1で示されるように、第二取付けフレーム85の左右の取付け部87A,87Bを通して背面フレーム12にそれぞれ伝播する。
そして、その振動が背面フレーム12から第一取付けフレーム73に伝わった場合は、その振動が互いに離れて上方に延びる2つのフレーム部分74A,74Bに分かれて伝わることになる。このときの振動は、図11(B)等に矢印v2で示されるように、背面フレーム12から第一取付けフレーム73の起立土台部分75に伝達された後、図11(A)等に矢印v3,v4で示されるように、分岐部分76で左右の2手に分かれてフレーム部分74A,74Bにそれぞれ伝播する。
このため、振動が背面フレーム12から第一取付けフレーム73に伝わった場合には、その振動が分岐部分76からフレーム部分74A,74Bをそれぞれ経由するように分散されて伝播されることになり、読取機器7に到達する過程で弱まり、ときには消失する。図11における符号Shで示す両方向の矢印は、振動が達した場合における読取機器7の揺れを例示する。
このことによって、画像形成装置1の読取部50では、第一取付けフレーム73に取り付けられている読取機器7が揺れることが抑えられると考えられる。
【0114】
また、実施の形態1に係る画像形成装置1の読取部50においては、第一取付けフレーム73におけるフレーム部分74A,74Bがいずれも、その下部を含む全体が操作機器8の第二取付けフレーム85よりも左右の外側の離れた位置に存在するよう配置されている。
このため、画像形成装置1では、フレーム部分74A,74Bの少なくともその下部が第二取付けフレーム85の後方内側に存在するよう配置されている場合に比べると、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が、長い経路を伝播することになり、第二取付けフレーム85から背面フレーム12を経由して第一取付けフレーム73に伝播することが抑制される。
【0115】
しかも、実施の形態1では、そのフレーム部分74A,74Bが、操作機器8の左右の両端8a,8bよりも左右の外側の離れた位置にそれぞれ存在するよう配置されている。
このため、画像形成装置1では、フレーム部分74A,74Bの少なくともその下部が操作機器8の左右の両端8a,8bよりも内側に存在するよう配置されている場合に比べると、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が、さらに長い経路を伝播することになり、第二取付けフレーム85から背面フレーム12を経由して第一取付けフレーム73に伝播することが抑制されやすくなる。
【0116】
また、画像形成装置1の読取部50では、第一取付けフレーム73がフレーム部分74A,74Bの上端部どうしを接続して横方向に延びる上端接続部分77を有している。
このため、画像形成装置1では、フレーム部分74A,74Bから読取機器7に至るまでの距離が長くなるとともに、第一取付けフレームが機械的な強度が増して振動が伝播しにくいものになり、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第一取付けフレーム73から読取機器7まで伝播することがより抑制されやすくなる。
【0117】
さらに、画像形成装置1の読取部50では、第一取付けフレーム73が背面フレーム12に取り付けられる起立土台部分75と、起立土台部分75の上端部から横方向に分岐して延びる分岐部分76を有し、そのフレーム部分74A,74Bが分岐部分76から上方にそれぞれ延びるよう設けられている。
このため、画像形成装置1では、背面フレーム12から第一取付けフレーム73のフレーム部分74A,74Bに至るまでの経路が長くなり、フレーム部分74A,74Bが背面フレーム12に直接設けられている場合に比べると、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が本体フレームから複数のフレーム部分に伝播することが抑制される。
【0118】
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2に係る読取装置5が示された概略斜視面である。
実施の形態2に係る読取装置5は、実施の形態1に係る画像形成装置1における読取部50を画像形成装置1の筐体10から分離したような構成になっている。
【0119】
つまり、読取装置5は、図12に示されるように、読取対象物90を載せて置く台6を有する本体51と、台6に置かれる読取対象物90を読み取る読取機器7と、装置の操作を触れて行う操作機器8等を備えている。
また、読取装置5は、図12図13に示されるように、操作機器8を取り付ける第一取付けフレーム73の全部と操作機器8を取り付ける第二取付けフレーム85の一部が外装カバーの一例であるフレームカバー15によって覆われており、また、読取機器7が外装カバーの一例である機器カバー17によって覆われている。
さらに、読取装置5は、第一取付けフレーム73と第二取付けフレーム85が本体51における背面フレーム12に取り付けられている。
【0120】
この場合、台6を有する本体51、読取機器7、操作機器8、背面フレーム12、第一取付けフレーム73、第二取付けフレーム85、フレームカバー15および機器カバー17は、寸法の違い等の一部の構成を除けば、実施の形態1に係る画像形成装置1における読取部50の台6を有する本体51、読取機器7、操作機器8、背面フレーム12、第一取付けフレーム73、第二取付けフレーム85、フレームカバー15および機器カバー17とほぼ同じ構成のものである。
特に本体51と背面フレーム12については、高さ寸法が短くなっている。
【0121】
この読取装置5は、実施の形態1に係る読取部50の場合と同様に、読取機器7で読み取った情報を操作機器8の表示部に表示させる表示情報として使用することができる機能を有している。
【0122】
そして、この読取装置5では、台6に載せて置く読取対象物90の読取動作を行う場合、使用者が操作機器8で装置の操作をすることにより読取動作が開始される。
この場合、使用者が操作機器8において読取動作を開始させるための操作を行うと、読取機器7が台6に置かれた読取対象物90を読み取るよう作動する。
【0123】
しかし、この読取動作を開始するときには、操作機器8では使用者が手で触れて操作するので振動が生じ得る。このため、読取装置5においても、その振動が操作機器8を取り付ける第二取付けフレーム85から背面フレーム12を経由して読取機器7を取り付ける第一取付けフレーム73に伝わり、最終的に読取機器7にまで伝わることがあり、その結果、読取機器7が揺れるおそれがある。
【0124】
これに対して、読取装置5では、読取機器7を取り付ける第一取付けフレーム73として、図13に示されるように、互いに離れて上方に延びる2つのフレーム部分74A,74Bを有するフレームを適用している。
このため、読取装置5では、図18に例示される1つの第一取付けフレーム730に読取機器7を取り付けた比較例の読取装置5Xの場合に比べると、読取対象物90を台6に載せ置いて読取機器7で読み取る場合、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに、読取機器7が揺れることが抑制される。
また、この読取装置5においても、前述した実施の形態1に係る画像形成装置および読取部50において得られる他の作用効果がほぼ同様に得られる。
【0125】
変形例.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態1,2に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形や実施が可能である。このため、本発明は、例えば、以下に示す変形例も含むものである。
【0126】
読取機器7を取り付ける第一取付けフレーム73としては、図14(A),(B)に模式的に示されるような第一取付けフレーム73B,73Cを適用してもよい。
【0127】
図14(A)に示される画像形成装置1Bまたは読取装置5B(変形例1)は、2つのフレーム部分74A,74B(の最下部)を背面フレーム12に直接取り付けた第一取付けフレーム73Bを適用したものである。この第一取付けフレーム73Bは、換言すると、実施の形態1における第一取付けフレーム73の起立土台部分75および分岐部分76を省略したものである。
第一取付けフレーム73Bは、フレーム部分74A,74Bを背面フレーム12の左右方向における両端部に存在させるよう取り付けている。この第一取付けフレーム73Bの場合は、フレーム部分74A,74Bの間隔Dを広くすることができ、例えば次の第一取付けフレーム73Cの場合に比べると、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに読取機器7が揺れることを抑制しやすくなる。
【0128】
図14(B)に示される画像形成装置1Cまたは読取装置5C(変形例2)は、2つのフレーム部分74A,74B(の最下部)を背面フレーム12に直接取り付けた第一取付けフレーム73Cを適用したものである。第一取付けフレーム73Cは、フレーム部分74A,74Bを操作機器8の左右の両端部8a,8bの左右の外側であってその両端部8a,8bに接近させた状態で取り付けている。
ちなみに、変形例2における第一取付けフレーム73Cを適用した場合は、後述する変形例4(図16)における第二取付けフレーム89を適用した場合に比べると、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに読取機器7が揺れることを抑制しやすい関係にある。
【0129】
また、第一取付けフレーム73としては、図15に模式的に示されるような第一取付けフレーム73Dを適用してもよい。
【0130】
図15に示される画像形成装置1Dまたは読取装置5D(変形例3)は、背面フレーム12の上端部(例えば上端面部12b)に取り付けられて左右方向の横方向に延びる土台部分78を有し、フレーム部分74A,74Bを土台部分78から上方にそれぞれ延びるよう設けた第一取付けフレーム73Dを適用したものである。
この第一取付けフレーム73Dでは、フレーム部分74A,74Bを土台部分78の左右方向の両端部から上方にそれぞれ延びるよう設けているが、土台部分78の左右方向の両端部よりも内側の位置にフレーム部分74A,74Bを設けるようにしても構わない。土台部分78には、図15に示されるように、第二取付けフレーム85の背面フレーム12に取り付ける下部分との接触を回避するために、所要の形状および大きさからなる接触回避用の窪み部78cを設けることができる。
【0131】
変形例3における第一取付けフレーム73Dを適用した場合は、フレーム部分74A,74Bと背面フレーム12の間に土台部分78が介在する構造になるので、第一取付けフレーム73のフレーム部分74A,74B(の下部)が背面フレーム12に直接取り付けて設けられる場合に比べると、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第二取付けフレーム85から背面フレーム12を経由して第一取付けフレーム73Dまで伝播することが抑制される。
【0132】
また、第二取付けフレーム85としては、図16に模式的に示されるような第二取付けフレーム89に変更して適用してもよい。
【0133】
図16に示される画像形成装置1Eまたは読取装置5E(変形例4)は、第一取付けフレーム73における2つのフレーム部分74A,74Bを接続するよう取り付けられる第二取付けフレーム89を適用したものである。この変形例4では、第一取付けフレームとして、変形例1の第一取付けフレーム73B(図14(A))を適用した場合を例示しているが、これに限定されず、例えば変形例3における第一取付けフレーム73Dを適用してもよい。
【0134】
変形例4における第二取付けフレーム89は、2つのフレーム部分74A,74Bを接続するよう取り付けられる左右方向に直線状に延びる角パイプ状のフレームである。この場合、操作機器8は、第二取付けフレーム89に対してブラケット58等を介してとり着けられる。
また、この第二取付けフレーム89は、図16に示されるように、フレーム部分74A,74Bの高さ寸法を二等分したときの下半分の範囲内になる高さ位置h2で接続されている。ただし、第二取付けフレーム89は、操作機器8を触れて装置の操作をするときの振動の発生やその振動の伝播を抑える観点からすると、フレーム部分74A,74Bの高さ寸法を三等分したときの最下部の範囲内になる高さ位置h5で接続することがより好ましい。
【0135】
変形例4における第二取付けフレーム89を適用した場合は、操作機器8を取り付ける第二取付けフレームが第一取付けフレーム73Bの1つのフレーム部分74A(または74B等)に取り付けられている場合に比べると、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに読取機器7が揺れることが抑制される。
【0136】
一方で、操作機器8を取り付ける第二取付けフレームとしては、図19に示されるように、第一取付けフレーム73Yにおける上端接続部分77と背面フレーム12の上端部とを接続する第二取付けフレーム89を適用することは適切ではない。この場合、操作機器8は、第二取付けフレーム89の所定の位置に取り付けられる。
このような第二取付けフレーム89を適用した場合は、操作機器8に触れて装置の操作をしたときに発生する振動が例えば2つのフレーム部分74A,74Bにも分散されるが、読取機器7に最も短い経路でつながる第二取付けフレーム89を通して伝播してしまい、操作機器8に触れて装置の操作をしたときにおける読取機器7の揺れを抑制しにくくなる。なお、第二取付けフレーム89は、その下端部を変形例3における土台部分78(図15)に接続するよう設けることもできるが、この場合であっても上記読取機器7の揺れを抑制しにくくなる。
【0137】
さらに、第一取付けフレーム73としては、図17(A),(B)に模式的に示されるような第一取付けフレーム73F,73Gを適用してもよい。
【0138】
図17(A)に示される画像形成装置1Fまたは読取装置5F(変形例5)は、互いに離れて上方に延びる複数のフレーム部分として、左右方向の中央側に少し傾けて斜め上方に延びる2つの傾斜フレーム部分74C,74Dを有する第一取付けフレーム73Fを適用したものである。
この第一取付けフレーム73Fは、変形例1の第一取付けフレーム73B(図14(A))を基礎にして2つのフレーム部分74A,74Bに代えて傾斜フレーム部分74C,74Dを採用した場合を例示している。傾斜フレーム部分74C,74Dは、例えば、実施の形態1等における第一取付けフレーム73の分岐部分76に設けることや、変形例3における第一取付けフレーム73Dの土台部分78に設けることも可能である。また、傾斜フレーム部分74C,74Dは、直線状に延びる形状のフレームに限らず、屈曲した形状のフレームであっても構わない。
【0139】
図17(B)に示される画像形成装置1Gまたは読取装置5G(変形例6)は、互いに離れて上方に延びる複数のフレーム部分として、ほぼ垂直の上方に直線状に延びた後に左右方向の中央にむけてそれぞれ曲がる形状からなる2つの傾斜フレーム部分74E,74Fを有する第一取付けフレーム73Gを適用したものである。
第一取付けフレーム73Gについては、例えば、変形例1における第一取付けフレーム73Bの上端接続部分77を省略したものか、またはその上端接続部分77を円弧状に曲がる形状に変更したものであると捉えることも可能である。
【0140】
図17(B)に示される2つの傾斜フレーム部分74E,74Fは、その各上端部で連結したものであるが、一体に成形して得られるものであってもよい。また、2つの傾斜フレーム部分74E,74Fは、ほぼ垂直の上方に直線状に延びる部分をなくし、全体として円弧状等の曲がった形状(例えば半円弧形)のフレーム部分として構成してもよい。
【0141】
また、読取機器7を取り付ける実施の形態1や各変形例で示す第一取付けフレーム73、73B等としては、第一取付けフレームを構成する複数の構成部分をネジ、溶接等の固定手段を用いて組み立てるものに代えて、一体で成形したものを適用してもよい。
また、上端接続部分77を有する第一取付けフレーム73等においては、フレーム部分74A,74Bの上端接続部分77よりも下方になる部分(中間の部分など)どうしを接続する単数または複数の中間接続部分を設けてもよい。
【0142】
さらに、実施の形態1や変形例1,2,3,5等における第一取付けフレーム73,73B,73C,73D,73F等としては、互いに離れて上方に延びる複数のフレーム部分が2つのフレーム部分74A,74B(または74C,74Dや74E,74F)である場合を例示したが、3つ以上のフレーム部分74を有するものであってもよい。3つ以上のフレーム部分74を有する第一取付けフレーム73の場合でも、そのいずれのフレーム部分74の少なくとも下部は第二取付けフレーム85よりも左右の外側に配置するようにすればよい。
【0143】
また、操作機器8を取り付ける第二取付けフレーム85としては、互いに離れて上方に延びるよう背面フレーム12に取り付ける複数の支柱フレーム部分を有した形態のフレームを適用してもよい。
【0144】
第一取付けフレーム73または第一取付けフレーム73および第二取付けフレーム85を取り付ける本体フレームの一例である背面フレーム12は、実施の形態1等に例示した形状のものに限らず、他の形態からなるフレームであってもよい。
実施の形態および各変形例における画像形成装置1等における読取部50等または読取装置5等は、フレームカバー15や機器カバー17を省略しても構わない。
【0145】
この他、画像形成装置1は、実施の形態1で例示した単色の画像を形成する形式の画像形成装置に限定されず、多色画像を形成する形式の画像形成装置であってもよい。
また、画像形成装置1については、電子写真方式以外の画像形成方式を採用する画像形成装置であっても構わない。電子写真方式以外の画像形成方式としては、例えば、液滴噴射方式、感熱方式、印刷方式等が挙げられる。
【0146】
また、操作機器8は、接触して操作したときに発生する振動が読取機器7の第一取付けフレーム73に伝播して上記した読取機器7の読取動作に関する不具合を誘発させてしまう性質を有する。このため、操作機器8は、例えば、指紋認証機器、認証用カードリーダ等の第三機器も概念上含まれる。
しかし、その第三機器は、上記タッチパネルや物理ボタン等を含む操作機器に比べると、手で押すように接触して操作する要素が少ないので振動の発生が少なく、また、その操作をしてから読取機器7での読取動作の開始まで時間的余裕があるという性質を有する。
このことから、上記第三機器は、読取機器7の近くに配置する場合は、本発明のような第一取付けフレーム73や第二取付けフレーム85等に関する構成を採用しても、あるいは採用しなくてもよい。
【0147】
(付記)
(((1)))
読取対象物を載せて置く台を有する本体と、
前記台に置かれる読取対象物を読み取る読取機器と、
前記読取機器を前記台よりも上方に配置するよう取り付ける第一取付けフレームと、
装置の操作を触れて行う操作機器と、
前記操作機器を前記台よりも上方でかつ前記読取機器よりも下方に配置するよう取り付ける第二取付けフレームと、
少なくとも前記第一取付けフレームが取り付けられる本体フレームと、
を備え、
前記第一取付けフレームは、互いに離れて上方に延びる複数のフレーム部分を有している読取装置。
(((2)))
前記第二取付けフレームは、前記第一取付けフレームと接触しない状態で前記本体フレームに取り付けられている(((1)))の読取装置。
(((3)))
前記複数のフレーム部分は、少なくともその下部が前記第二取付けフレームよりも左右の外側に存在するよう配置されている(((1)))または(((2)))の読取装置。
(((4)))
前記複数のフレーム部分は、少なくともその下部が前記操作機器の左右の両端よりも左右の外側に存在するよう配置されている(((1)))または(((2)))の読取装置。
(((5)))
前記第一取付けフレームは、前記複数のフレーム部分の上端部どうしを接続して横方向に延びる上端接続部分を有している(((1)))から(((4)))のいずれかの読取装置。
(((6)))
前記第一取付けフレームは、前記本体フレームに取り付けられて前記台よりも上方に起立する起立土台部分と、前記起立土台部分の上端部から横方向に分岐して延びる分岐部分を有し、
前記複数のフレーム部分は、前記分岐部分から上方にそれぞれ延びるよう設けられている(((1)))から(((5)))のいずれかの読取装置。
(((7)))
前記第一取付けフレームは、前記本体フレームの上端部に取り付けられて横方向に延びる土台部分を有し、
前記複数のフレーム部分は、前記土台部分から上方にそれぞれ延びるよう設けられている(((1)))から(((5)))のいずれかの読取装置。
(((8)))
前記第二取付けフレームは、前記複数のフレーム部分の少なくとも2つのフレーム部分を接続するよう取り付けられる(((1)))の読取装置。
(((9)))
前記第二取付けフレームは、前記少なくとも2つのフレーム部分の下半分の範囲内になる高さ位置で接続されている(((8)))の読取装置。
(((10)))
台に載せて置かれた読取対象物を前記台の上方から読み取る読取部と、
前記読取部で読み取られる情報に対応した画像を記録媒体に形成することが可能な画像形成部と、
を備え、
前記読取部が(((1)))から(((9)))のいずれかの読取装置で構成されている画像形成装置。
【0148】
(((1)))に係る読取装置によれば、読取対象物を載せて置く台よりも上方に配置される操作機器に触れて装置の操作をしたときに、当該読取対象物を操作機器よりも上方から読み取る読取機器が揺れることを、上方に延びる1つの取付けフレームに読取機器を取り付ける場合に比べて、抑制することができる。
(((2)))に係る読取装置によれば、第二取付けフレームを第一取付けフレートと接触させた状態で本体フレームに取り付ける場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに読取機器が揺れることを抑制できる。
(((3)))に係る読取装置によれば、複数のフレーム部分の少なくともその下部が第二取付けフレームの後方内側に存在するよう配置されている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第二取付けフレームから本体フレームを経由して第一取付けフレームに伝播することを抑制できる。
(((4))) に係る読取装置によれば、複数のフレーム部分の少なくともその下部が操作機器の左右の両端よりも内側に存在するよう配置されている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第二取付けフレームから本体フレームを経由して第一取付けフレームに伝播することが抑制されやすくなる。
(((5))) に係る読取装置によれば、第一取付けフレームが複数のフレーム部分の上端部と接続する上端接続部分を有しない構造である場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第一取付けフレームから読取機器までに伝播することをより抑制することができる。
(((6))) に係る読取装置によれば、第一取付けフレームにおける複数のフレーム部分が本体フレームに直接取り付けられている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が本体フレームから複数のフレーム部分に伝播することを抑制できる。
(((7))) に係る読取装置によれば、第一取付けフレームの複数のフレーム部分が本体フレームに直接取り付けて設けられる場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに生じる振動が第二取付けフレームから本体フレームを経由して第一取付けフレームまで伝播することを抑制できる。
(((8))) に係る読取装置によれば、第二取付けフレームが第一取付けフレームの1つのフレーム部分に取り付けられている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに読取機器が揺れることを抑制できる。
(((9))) に係る読取装置によれば、第二取付けフレームが第一取付けフレームの少なくとも接続する2つのフレーム部分の上半分の範囲内になる高さ範囲で連結されている場合に比べて、操作機器に触れて装置の操作をしたときに読取機器が揺れることを抑制できる。
(((10))) に係る画像形成装置によれば、読取部の読取装置において読取対象物を載せて置く台よりも上方に配置される操作機器に触れて装置の操作をしたときに、当該読取対象物を操作機器よりも上方から読み取る読取機器が揺れることを、1つの取付けフレームに読取機器を取り付ける場合に比べて抑制でき、その読取装置で読み取られる情報に対応した画像を形成するときの上記読取機器の揺れに起因した画質の低下が誘発されることが抑制される。
【符号の説明】
【0149】
1 …画像形成装置
5 …読取装置
6 …台
7 …読取機器
8 …操作機器
9 …記録媒体
12…背面フレーム(支持フレームの一例)
20…画像形成部
50…読取部
73…第一取付けフレーム
74A,74B,74C,74D,74E,74F…フレーム部分
75…起立土台部分
76…分岐部分
77…上端接続部分
78…土台部分
85…第二取付けフレーム
90…読取対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19