(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017901
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】超音波信号をテスト材料に放射しテスト材料から超音波信号を受信するための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 29/265 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
G01N29/265
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022176406
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2018565028の分割
【原出願日】2017-06-13
(31)【優先権主張番号】20160998
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(71)【出願人】
【識別番号】521537922
【氏名又は名称】エロプ・テクノロジー・アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】ELOP TECHNOLOGY AS
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メラントセ,テルヘ
(72)【発明者】
【氏名】ビェルケ,ベルネル
(72)【発明者】
【氏名】メラントセ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】カパガイン,カマル・ラシ
(72)【発明者】
【氏名】バグレ,サナト
(57)【要約】 (修正有)
【課題】凹凸のある表面を有するテスト材料を含むテスト材料からなる大型建造物の解析のためおよび超音波データの収集のために、超音波信号を放射し受信するための装置を提供する。
【解決手段】超音波信号をテスト材料に放射しテスト材料から超音波信号を受信するための装置、システム、および方法において、装置は、1つ以上のホイールアセンブリを備え、各ホイールアセンブリはさらに、結合媒体/部分または完全内輪の中に一部が配置されたまたは完全に埋め込まれた1つ以上の変換器を含み、ホイールアセンブリはさらに、軌道外輪を含み、結合媒体/部分または完全内輪は、回転しない態様で心棒に接続され、1つ以上の変換器は、固定的にテスト材料の方向に向いており、軌道外輪の内向き面および/または結合媒体/部分または完全内輪の外向き面の間の界面は、軌道外輪の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する低摩擦材料を含む。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号をテスト材料(15)に放射し前記テスト材料(15)から超音波信号を受信するための装置であって、前記装置は1つ以上のホイールアセンブリ(1)を備え、
各ホイールアセンブリ(1)はさらに、結合媒体/部分または完全内輪(52,21)の中に一部が配置されたまたは完全に埋め込まれた1つ以上の変換器(20)を含み、前記ホイールアセンブリはさらに、軌道外輪(23)を含み、
前記結合媒体/部分または完全内輪(52,21)は、回転しない態様で心棒(22)に接続され、
前記1つ以上の変換器(20)は、固定的に前記テスト材料(15)の方向に向いており、
前記軌道外輪(23)の内向き面(26)および/または前記結合媒体/部分または完全内輪(52,21)の外向き面(25)の間の界面は、前記軌道外輪(23)の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する低摩擦材料を含む、装置。
【請求項2】
前記低摩擦材料は、前記軌道外輪(23)の内向き面(26)および/または前記結合媒体/部分または完全内輪(52,21)の外向き面(25)の中に埋め込まれている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記低摩擦材料は、ROBALON(登録商標)、いずれかの種類のポリマーまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、黒鉛、六方晶系窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、金属合金、PVDF、または高水和ブラシポリマーのうちの1つである、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記変換器(20)は、円形、矩形、凹状、凸状、単曲面および複曲面等の形状のうちの1つまたは組み合わせを有することにより、異なる変換器ビームフォーカス/デフォーカスを得る、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
1つ以上のホイール(1)が前記心棒(22)上に配置されている、先行する請求項の
うちいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記ホイール(1)は、前記心棒(22)と前記軌道外輪(23)との間に配置された復元力があるサスペンション装置(51)を含み、よって、前記軌道外輪(23)および結合媒体/部分または完全内輪(52,21)は、前記心棒(22)の位置から独立して変位することができる、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記軌道外輪および/または結合媒体/部分または完全内輪(52,21)は、前記テスト材料の表面の凹凸に適合させた弾性係数を有し、よって、より多くのホイール(1)が同一の前記心棒(22)上に配置されている場合に1つのホイールが凹凸に遭遇したとき、前記凹凸の上を転がるホイールのみが、前記凹凸の影響を受け前記凹凸によって変位させられる、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記軌道外輪(23)は、前記テスト材料の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する材料で構成されている、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記変換器へのおよび前記変換器からの信号を制御するためのコントローラをさらに備える、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項10】
制御信号を前記変換器との間で伝達するための通信手段をさらに備える、先行する請求
項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上の変換器(20)は、電源に電気的に接続される、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ホイールアセンブリは、回転する前記軌道外輪(23)の片面または両面において、近隣のホイールアセンブリ(1)またはフレーム(71,72)に接続するための結合手段(31,67)を有する、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記結合手段(31,67)は、電力および/または信号を、前記ホイール間で、または、前記ホイールとフレームとの間で伝送するためのコネクタをさらに含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記心棒(22)の外端のうちの一方または双方は、前記装置をフレーム(71,120)に装着するための装着手段(72)を有する、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、制御データおよび受信信号データを無線送信するための手段を備える、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項16】
個々の変換器(20)は各々、放射変換器、または受信変換器、または放射兼受信変換器として機能する、先行する請求項のうちいずれかに記載の装置。
【請求項17】
超音波信号を放射しテスト材料(15)から反射した超音波信号を受信するための装置であって、前記装置は2つ以上のホイールモジュール(100)を備え、各ホイールモジュール(100)は先行する請求項のうちいずれかに記載の1つ以上のホイールアセンブリ(1)を含み、前記ホイールモジュール(100)はフレーム(71,120)に装着されている、装置。
【請求項18】
超音波信号を放射し超音波信号を受信するためのシステムであって、前記システムは、
請求項1~16に記載の装置/ホイールアセンブリを1つまたは複数備え、前記システムはさらに、
前記1つまたは複数のホイールアセンブリ(1)が搭載されたキャリッジ(120,200)と、
テスト材料(15)の表面上で径路(211)に沿って前記キャリッジを操縦するための制御機構と、
前記キャリッジ、前記変換器、ならびにデータの格納および伝達を制御するための制御ロジック(204)とを備える、システム。
【請求項19】
前記システムは絶対位置を提供するためのナビゲーション手段(202)をさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは表示手段(150,201)をさらに備える、請求項18および19に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムは相対位置を提供するための追跡手段をさらに備える、請求項18~20に記載のシステム。
【請求項22】
前記キャリッジは、海底作業用の水中遠隔操作車両ROV等の、遠隔操作車両ROVである、請求項18~21に記載のシステム。
【請求項23】
前記キャリッジを操縦するための前記制御機構は、手で案内するためのハンドル(121,205)、または、前記キャリッジを移動させるための駆動手段に接続された遠隔制御モータである、請求項18~21に記載のシステム。
【請求項24】
前記システムは、前記受信した超音波信号のデータを受け前記データを処理するためのコンピュータ手段をさらに備える、請求項18~23に記載のシステム。
【請求項25】
前記コンピュータ手段は遠隔コンピュータ手段である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
テスト材料(15)の解析を可能にするために超音波信号を放射し受信する方法であって、前記方法は、
請求項18~25のうちいずれかに記載のシステムを1つまたは複数提供するステップと、
1つ以上の変換器(20)から超音波信号を放射するステップと、
1つ以上の変換器(20)を用いて前記放射した超音波信号の反射を前記テスト材料(15)から受信するステップと、
前記受信した超音波信号を格納し、コンピュータ手段に転送し、前記受信した超音波信号を解析するステップとを含む、方法。
【請求項27】
前記方法は、
前記キャリッジ(120,200)を予め定められた径路(211)に沿って移動させるステップと、
予め定められた放射パターンに従って超音波信号を個々の変換器(20)から放射するステップと、
前記テスト材料(15)から反射した前記超音波信号を、放射された個々の超音波信号の受信変換器として構成された1つまたは複数の変換器で受信するステップとをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、テスト材料の一部分の解析結果を、前記テスト材料の同じ一部分の前回の解析と比較し、前記テスト材料における変化を特定することをさらに含む、請求項26または27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路、橋、建造物、パイプライン、タンク、沖合および陸上、航空宇宙、空間、および海中等における固体材料の非破壊解析を可能にする、超音波信号の放射および反射した超音波信号の受信のための、モジュールベースの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの課題は、材料自体の撮像、および、建築材料の補強材等の内部構造物および/または傷および欠陥の撮像のためにデータを収集するための、申し分のない検査方法および装置を推進することである。
【0003】
パイプライン、コンテナ、鉄道線路等の設備を検査してデータを収集し潜在的な弱点および欠陥をマッピングするための解決策が推進されている。これらの解決策に共通しているのは、検査対象である多種多様な材料ならびにこれらの材料の表面および環境に応じて検査ツールを調整するのが難しいことである。
【0004】
周知の解決策の他の課題として、計器の内部における結合流体の使用、または、計器内部、および、計器表面とテスト対象の材料表面との間の計器外部の両方における結合流体の使用に、計器が大きく依存していることである。これらの事例では、上向きの面を示さない地面の確実な測定を推進するのは難しい。
【0005】
地下の撮像のために超音波信号の放射と受信を利用して大型建造物を調査するときにも課題が生じる。その理由は、利用できるツールが、小さな領域のランダムなサンプリングにより適していること、または、利用できるツールが当該タスクに合わせてカスタマイズされていないことにある。その結果、時間消費量が許容できないほど多くなる、または、100%のカバレッジに近く、建造物の材料を解析することができない。
【0006】
さらに他の課題は、テストしている材料の表面に凹凸があると、計器がテスト対象の材料の表面から離れ、それ故に、有効な測定値が記録されないことである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、凹凸のある表面を有するテスト材料を含むテスト材料からなる大型建造物の解析のためおよび超音波データの収集のために、超音波信号を放射し受信するための装置を提供する。本発明は、調査対象の表面のトポロジ、要求される同時データ収集量、表面構造の影響を受けない低保守高カバレッジ特性に適合できるという点において、柔軟性がありカスタマイズ可能である。
【0008】
この装置は、地下のさまざまな深さの解析に使用するのに適しており、深さの範囲は、テスト材料の表面からその内部15~20cmまでの範囲の層も含むが、その他のさらに深く埋め込まれた層を除外しない。受信データのS/N比、変換器から放射される信号の周波数、強度、およびサンプリングレートに対する要求に応じて、テスト材料解析の深さ範囲は実質上変えることができる。目的は、建造物/テスト材料の地下における脆弱スポットおよび欠陥を特定できるようにすることであり、この脆弱スポットおよび欠陥は、コンクリートの建造物の内部の欠陥のあるまたは劣化した補強材、木造の建造物の内部の隠れた枝または腐敗した部分を原因とする脆弱スポット、または、そのような建造物等におけるその他の欠陥パラメータなどである。本発明は、コンクリートおよび木材等といった
テスト材料におけるより高い性能のために、低周波の超音波kHz範囲、好ましくは25kHzと500kHzとの間、またはより好ましくは75kHzと225kHzとの間の低周波放射を利用することができる超音波変換器技術を用いて、効率的なデータ収集を提供する。
【0009】
本発明はさらに、多数MHz範囲、好ましくは0.5MHz~10MHzまでの高周波範囲の超音波信号の放射に使用することができる。この装置は、鋼材、炭素繊維、ガラス繊維等のより緻密なテスト材料から超音波データを収集するのにも使用できる。本明細書ではいくつかの周波数範囲を具体的に記載しているが、それが本発明を限定する訳ではなく、その他の周波数を簡単に選択することができる。
【0010】
本発明の装置は、少なくとも1つのホイールアセンブリを備え、少なくとも1つのホイールアセンブリは、内側の裏当て/部分または完全軌道輪と、外側の回転可能な軌道輪とを含む。内側の裏当て/軌道輪は回転しないものでもよい。ホイールアセンブリはさらに、信号を放射しおよび/または反射した信号を受信するための1つ以上の超音波変換器を含む。ホイールアセンブリはさらに、結合流体を全くまたはほとんど必要としない結合機構を含み、結合流体を使用するとき、結合流体は、軌道外輪の内側表面上および/または内輪の外側表面上のフィルムとして提供される、または、裏当て/内輪と回転可能な軌道外輪との間の密封層に、提供される。1つ以上の変換器は、軌道内輪上に配置される、または軌道内輪の中に統合される。
【0011】
ホイールアセンブリは、いくつかの実施形態において、計器キャリッジ等のキャリッジ上に搭載されたホイールモジュールにおいて、2つ以上のホイールアセンブリを接続するための接続手段を提供する、接続されたホイールモジュールからなる1つ以上のグループを、より大きなホイールモジュールグループに統合することもできる。この場合、すべての変換器は、上記大きなホイールモジュールグループとともに搭載された、または、有線/無線通信を介して遠隔接続された中央コントローラによって制御される。
【0012】
ホイールモジュールは、特定用途向けの心棒上に搭載されていてもよく、または、接続手段が心棒機能を提供してもよい。この場合、1つ以上のホイールアセンブリで構成されたホイールモジュールの外側接続手段が、両側で、計器キャリッジに対する接続ポイントを構成する。
【0013】
ホイールアセンブリ間にもホイールモジュールと計器キャリッジとの間にもある各接続ポイントは、制御信号、電力、調査データ等の送信のために、ワイヤ、スリップリングコンタクト、無線通信、誘導コンタクト等を介する電気的/信号接続を含み得る。
【0014】
計器キャリッジは、ホイールモジュールのうちの1つ以上に、または、ホイールアセンブリ(図示せず)に回転力を伝達することによって計器キャリッジを移動させる、キャリッジを所望の方向に駆動することに特化されたモータ機能を含み得る。
【0015】
添付の図面において本発明をさらに説明するが、これらの図面は、本発明の可能な実施形態を例示するものとして解釈されるべきものであって、本発明の範囲の限定を表しているのではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一群にされたホイールアセンブリのグループの概念的概略を示す図である。
【
図2A】第1の実施形態におけるホイールアセンブリの内部の概略を説明する図であり、一部を強調表示している。
【
図2B】第2の実施形態におけるホイールアセンブリの内部の概略を説明する図である。
【
図3】
図2Aに示すホイールアセンブリを複数個配置したものを心棒機能とともに示す図である。
【
図4】
図2Bのホイールモジュールの軌道内輪の外向き面、および、
図2Bのホイールモジュールの軌道内輪の内向き面を示す図である。
【
図5A】一体化されたサスペンション機能を含む、
図2Aのホイールモジュールを示す図である。
【
図5B】外輪の内径よりも小さい直径を有する部分内輪を備えたホイールアセンブリを示す図である。
【
図5C】
図5Bにおけるホイール構成の一部分の斜視図を示す。
【
図5D】ホイールアセンブリの下部分、テスト材料、および1つの変換器の断面(
図5BのA-A)側面図を示す。
【
図6A】ホイールアセンブリの他の実施形態を示す図である。
【
図6B】
図6Aに示すホイールアセンブリの2つの実施形態のうちの一方の断面図である。
【
図6C】
図6Aに示すホイールアセンブリの2つの実施形態のうちの他方の断面図である。
【
図7】より広い深さ範囲の調査用の、特徴が異なる複数のホイールアセンブリのレイアウト図である。
【
図9】手持ち式の3ローラユニットの側面図である。
【
図10】手持ち式の3ローラユニットの底面図である。
【
図11】手持ち式の3ローラユニットの上面図である。
【
図12】手持ち式の3ローラユニットの上面正面斜視図である。
【
図13A】変換器の放射アレイおよび受信アレイの、トラックに沿う形状の一例を示す図である。
【
図13B】変換器の放射アレイおよび受信アレイの、トラックに交差する形状の一例を示す図である。
【
図14】ホイールおよびテスト中の材料における異なるインピーダンスの材料と組み合わせて使用される指向波を示す図である。
【
図15】2ローラが3つある移動キャリッジシステムの図である。
【
図16】移動キャリッジについてのトラッキング経路シナリオの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2Aに示す本発明の第1の実施形態において、ホイールアセンブリは1つの変換器モジュール20を含み、変換器モジュール20は1つ以上の変換器を含む。ホイールアセンブリ1が調査中の表面に沿って転がると、裏当ておよびシャフト/心棒22は静止しているが、外輪/軌道外輪23は回転する。外輪/軌道外輪23は、固体または粘弾性の結合媒体、たとえばエラストマーとともに、変換器モジュール20および裏当て/軌道内輪21の径方向外側に配置されている。
【0018】
変換器モジュール内の変換器の形状は、円形、正方形、凹状、凸状、単曲面および複曲面等の形状のうちのいずれか1つまたは組み合わせであることにより、異なる変換器ビームフォーカス/デフォーカスを得ることができる。
【0019】
上記1つ以上の変換器20は、軌道内輪21の中に完全にまたは部分的に埋め込まれているので、これらの変換器20の表面は、軌道内輪21に直接接触している。軌道内輪は、テスト表面に沿ってホイールアセンブリ1を転がしたときに軌道外輪23とともに回転しないという意味において、心棒22に接続されている。軌道外輪23の内向き面26お
よび/または軌道内輪21の外向き面25の間の界面24は、軌道外輪23の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する低摩擦材料または流体24を含む。低摩擦材料25、26は、ポリマーまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、黒鉛、六方晶系窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、金属合金、PVDF、または高水和ブラシポリマーのうちの1つであればよいが、これらに限定されない。意図しているのは、低摩擦軸受またはコンタクトを提供する乾燥した界面を提供することである。多くの場合、ホイール1は、転がり速度が遅い動作で使用され、したがって、上記界面が大量の熱または回転力に対する抵抗を発生することはない。低摩擦材料25、26を、軌道外輪23の内向き面26および/または軌道内輪21の外向き面25に、別個の層材料として取り付けてもよく、または、この層材料を、軌道外輪23の内向き面26および/または軌道内輪21の外向き面25に、スパッタリングによって積層してもよい。その他周知の層形成方法を適用して同一の結果を得てもよい。
【0020】
湿潤界面を使用するという選択肢では、低摩擦流体からなるフィルムが、内向き面26および/または外向き面25のうちのいずれかまたは両方に形成される、または、軌道外輪23の内向き面26および/または外向き面25が、密閉空間24によって画定され、密閉空間24は、密閉された空間を完全に満たす低摩擦流体で充填されており、低摩擦軸受機能を提供する。このような流体は、ケイ素系流体、鉱物系または植物系の油、合成油、または、水単独もしくはその他をベースにした油のうちの1つとの組み合わせのような低摩擦流体から選択することができるが、これらに限定されない。
【0021】
図2Bに示す本発明の第2の実施形態において、ホイールアセンブリ1’は裏当て21’を含み、裏当て21’から径方向に突出する1つ以上の変換器20’が、裏当て21’の外向き面上に設けられている。静止シャフト部22’およびスリップリングコネクタ27(多機能)が、信号および電力を変換器20’におよび変換器20’から伝達する。固体または粘弾性結合媒体、たとえばエラストマーの層/軌道外輪23’が、変換器モジュ
ール20’および裏当て21’の径方向外側に配置され、調査される表面に沿ってホイール1’アセンブリを転がすと、転がる。この実施形態において、変換器20’、軌道内輪21’、および軌道外輪23’は、調査中の表面に沿ってホイール1’1が転がると、一緒に回転する。軌道内輪21’および/または軌道外輪23’は、テスト中の表面に接触しているのはホイールアセンブリのどの部分であるかを検出するための1つ以上のセンサ(図示せず)を含み得る。ホイールはさらに、どの変換器を、送信機として、受信機として、またはこれら両方として起動するかを制御するためのコントローラ(図示せず)を含み得る。コントローラは、テスト中の材料の表面に向かって最適に方向付けられている限定された数の変換器20’のみを起動するために、テストされている表面と接触しているのがホイールアセンブリのどの部分であるかを検出するための1つ以上のセンサから信号を受信することができる。テスト中の表面と接触しているのがホイールアセンブリのどの部分かを検出するセンサは、ジャイロベース、圧力ベース、レーダベース、ソナーベース、導電率ベース、またはその他であってもよい。
【0022】
図2Bで説明したホイールのさらに他の実施形態において、軌道内輪21’の内向き面は、心棒に含まれている電気配線への電気ブラシコネクタ/スリップリングコネクタ27との接続のために、円形のコンタクトフィールドを含んでいてもよい。円形のコンタクトフィールド41のパターンの代替実施形態が
図4に示されており、このパターンにより、確実に、スリップリングコネクタ27が同時に接触するのは変換器の一部分のみになる。各変換器は、軌道内輪上の変換器の位置に合わせて径方向に配置されたポイントで、円形のコンタクトフィールド41に電気的に接触する。複数の変換器の一部分は、テスト中の材料との間で信号を送受信することができる変換器の数に合わせて、1つの変換器または複数の変換器であればよい。パターニングされた円形コンタクトフィールドを使用することにより、情報収集プロセスにおいて重要な情報に寄与することができないいくつかの変
換器を起動しないことによって、簡単にエネルギを節約することができる。典型的には、テスト中の材料の表面の方向を向いている変換器のみが、このような情報収集に寄与する。
【0023】
軌道外輪23、23’は、典型的に、テスト材料の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有するように構成され、そのため、出力信号がテスト中の材料に入射したとき、出力信号の損失はほんのわずかである。音響インピーダンスの相違が大きい場合、軌道外輪23、23’からテスト中の材料に信号エネルギが伝達されたとき、大量の信号エネルギが失われるであろう。
【0024】
軌道外輪および/または軌道内輪の材料はさらに、テスト材料の表面の凹凸に適合した弾性係数を有するように構成されてもよい。その目的は、
図1および
図3に示されるように、より多くのホイールが同一の心棒上に配置されている場合にテスト中の材料の表面上の障害物に遭遇したとき、凹凸の上で転がるホイールのみが、この凹凸の影響を受けるようにすることを可能にすることである。軌道輪21、21’、23、23’の弾性は凹凸に適合するので、凹凸に実際遭遇したホイールのみが、地下からの情報収集時に影響を受ける。
【0025】
本発明のサイズパラメータに制限はない。どの種類の変換器でも使用することができ、直径および幅等のホイールサイズは、テスト材料の必要なトポロジ、必要な周波数範囲での動作のために使用される変換器タイプ、および軌道輪の材料に必要なインピーダンスによって決まる。
【0026】
テスト中の材料の表面の凹凸に適合させるための他の機構が、本発明のさらに他の実施形態において提供される。この実施形態では、サスペンション機能51がホイールアセンブリに組み込まれている。
図5Aにおいて、これは、
図2Aに示すホイール構成の中に示されている。組み込まれたその他のサスペンション機構を使用してもよい。個々のホイール1、1’に適合するようにされたサスペンション機能51の独立性により、ホイールモジュールの径路の障害物の影響を受けないシステムに対してさらに改善された特徴が提供される。先に述べた弾性がより高い材料ではなくサスペンション装置51によって障害物を回避することにより、ホイールの吸音機能を改善できる。1つ以上のホイールが障害物のために地面から持ち上げられて無効になったとしても、残りのホイールはテスト中の材料15の表面に接触しており、許容できる接触および信号応答比を有することになる。後者のサスペンション機構を用いることにより、凸凹のあるテスト材料のテストを可能にする弾性条件によるトレードオフの結果として、テスト中の材料と比較して材料インピーダンスの制限を減じることができる。
【0027】
図5Bおよび
図5Cに記載されているように、ホイールアセンブリは、外輪23、26の内径よりも小さい直径を有する部分内輪52を含んでいてもよい。部分内輪52は、まさに輪の一部分である。変換器20は、部分内輪52の内側に装着されてもよく、または、部分内輪52の中に完全にまたは一部が埋め込まれてもよい。部分内輪52の外径がより小さいことにより、部分内輪と外輪23、26の内側との接触領域54が制限される。本発明は、変換器20および結合媒体/部分内輪52の代替実施形態を含む。この実施形態では、結合媒体/部分内輪52の形態が、内輪の一部分の形態とは異なり、たとえば、結合媒体/部分内輪52と外輪23の内側26との画定された接触/結合領域を示す、円筒形、球形、または円錐形である。
【0028】
軌道外輪23の形状は、音響信号を変換器20からテスト中の材料15に伝達するのに理想的な形態で提供することができる。その形態は、丸みのある形、矩形、円錐形、または
図5Dに示すピラミッド形状を含むがこれらに限定されない。
【0029】
変換器20と部分内輪52との間の界面、部分内輪52と外輪23、26の内側との間の界面、および外輪23とテスト中の材料15との間の界面の材料、設計、および接触領域は、変換器から放出された、テスト中の材料15における音響場を定める。
【0030】
結合媒体/部分内輪52および外輪23、26は、先に述べたのと同様のやり方で懸垂させてもよい。この場合、サスペンション機能51は外輪23、26に結合され、ホイールアセンブリはテスト中の材料15の方向に向けられた一定の径方向位置で変換器20および結合媒体/部分内輪52を保持し、一方、外輪23、26はテスト中の材料15の表面に沿ってホイールアセンブリが移動するのに伴って回転する。計器装置の各ホイールアセンブリを個別に懸垂させ、テスト中の材料15の表面の凹凸とは関係なく表面との接触が最大になるようにすることができる。
【0031】
外輪の内側26と結合媒体の外側/部分内輪52の外側との間、および、外輪23の外側とテスト材料15との間の界面からなる2つのコンタクト領域は、接触界面の面積、ならびに外輪23および結合媒体/部分内輪52の材料に応じて変化する、異なる音響特性を示し得る。接触面積が小さいほど、変換器20から放射される信号の広がりは大きい。音響の広がりの条件は、テスト中の材料15の表面の状態によって支配される場合がある。テスト材料15の表面が滑らかであれば、接触界面の接触面積を大きくすることができる。
図5Dは、外輪23とテスト中の材料15との間の、円錐形の界面を示す。
【0032】
外輪の内側26および/または結合媒体の外側/部分内輪52の外側は、潤滑組成を含んでいてもよく、または、必要な音響特性を有する低摩擦乾燥材料からなるものであってもよい。このような材料は、たとえば、ROBALON(登録商標)、またはいずれかの種類のポリマーもしくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、黒鉛、六方晶系窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、金属合金、PVDF、または高水和ブラシポリマー、またはその他であってもよい。ホイールアセンブリの音響特性は、テスト材料15の組成に適合していなければならない。
【0033】
変換器20と、結合媒体/部分内輪52および外輪23、26との間の界面54に、低摩擦乾燥材料を使用することにより、結合流体を必要とすることなく、ホイールアセンブリを通してテスト材料15の中まで信号を十分に伝達することができ、このため、結合流体を保持するための高性能封止特徴は不要である。
【0034】
したがって、テスト機器の構造を、より軽量かつコンパクトにし、取り付けおよび取り外しがより簡単なよりシンプルな設計にすることができ、ホイールアセンブリおよび変換器の部品および材料を、検査対象の材料15に合わせてより簡単に変更することができる。
【0035】
ホイールアセンブリの他の例が
図6A、
図6B、および
図6Cに示される。変換器20’は、1つの軌道リング61に、径方向において部分的に取り付けられるかまたは完全に埋め込まれる。この場合、上記実施形態で述べたように、変換器の外面は軌道外輪を表す。後者の実施形態は、製造をより簡単に実現することを促進し、信号および電気ケーブル63、コンタクトパッド62、およびスリップリングコンタクト65を加える。さらに、ホイールを、心棒なしで実現し、たとえば玉軸受ユニット66を介して軸受ホイール64に装着することができる。軸受ホイール64はさらに、車台または第2のホイールアセンブリに固定するためのボルト管等の接続手段67を有し得る。
【0036】
他の実施形態において、ホイールアセンブリは、各変換器20’ごとにリセス68を有していてもよい。リセスは、変換器20’を1つの軌道リング61の中に完全に「埋込む
」。変換器は、周知の音響インピーダンスを有する耐久材料を有する外側「カプセル」69を含み、これは、平らな外面を示し軌道外輪23’を構成する。
【0037】
変換器は、ホイールアセンブリの周りに搭載されたときに両側の隣接する変換器に接触ししたがって連続したトラックを表すような物理的形態を有することもできる。
【0038】
多様な調査タスクの範囲には、鋼板、パイプ、および構造体の腐食領域の検出、ひび割れおよび傷の検出、ならびに、複合材料における、たとえば炭素シートもしくはフレーム、または軽量ボートおよび航空機の構造体に使用されるガラス繊維およびガラス強化プラスチックにおける、空隙および層間剥離の検出が含まれる。従来の機器で可能な深さ範囲よりも広い深さ範囲をテスト/調査することが必要な場合が多い。本発明はこれに対する解決策を、心棒上に、または、調整された個々のフレーム接続構成上に設けられた、1つのホイールアセンブリおよびアレイ状に配置された複数のホイールアセンブリのモジュールに、ホイールアセンブリの設計を、非常に柔軟に配置することができるという点において、提供する。このような実施形態は
図7に示され、
図6で説明したタイプのホイールアセンブリが個々に、フレーム71に対する、対応する玉軸受コネクタ72上に配置され、ホイールは3つのモジュール73、74、75として配置され、これらのホイールは異なるホイール特性を有し、それにより、いくつかの深さ範囲にわたる調査を同時に行うことができる。
【0039】
典型的には、溶接シーム140を制御するために、本発明は、
図14に記載の溶接シーム140の各側で垂直方向に配置された複数のホイールアセンブリとともに配置され、溶接シーム140の径路に沿う方向141に転がる。ホイールの数およびホイールアセンブリの個々の特徴に応じて、広い深さ範囲の解析をカバーすることが可能である。
【0040】
変換器の設計も、ホイールアセンブリの総合的な特徴に寄与する。変換器の周波数および直径が大きいほど、ビーム角度は狭く、音波ビームの方向性をさらに制御することができる。逆の範囲において、表面に近い領域を調査する幅広ビーム条件に対しては、広がりをより大きくして作業することが望ましく、より小さな直径およびより低い周波数によってこれは実現される。
【0041】
せん断波等の異なる導波特性を使用することもできる。
図8は、フレーム要素71に結合された2つの心棒22、22’上に配置された2つのホイールモジュールを構成するホイールアセンブリの2つのアレイを示す。
【0042】
上述の本発明の1つ以上の超音波装置1、1’は、
図7~
図8に示すようなフレーム70に搭載されてもよい。
図8は、2つのホイールモジュール1、1’、100がどのようにブラケット/フレーム71に搭載されるかを示す。信号伝達ケーブル74は、フレーム70を通って導かれる。
【0043】
本発明の別の実施形態を、手持ち式フレーム120に搭載されたこの新たなアイデアの3つのホイールモジュール1、1’、100を示す
図9~
図12に示す。ここで、ハンドル121がフレーム120に搭載される。本発明の手持ち式装置は、本発明のホイール、もしくはたとえばコンピュータマウス装置(図示せず)または赤外線測定手段など(図示せず)といった他のメカニズムの回転運動によってテスト材料上での動きを登録することにより、受信信号を、予め規定された開始点から計算された位置情報とともに格納するために、動作させてもよい。
【0044】
手持ち式装置は、エネルギ源、メモリ、制御ロジック、入出力制御ポート、ディスプレイおよびオーディオへの、搭載されたまたは取り付け可能な、ケーブルを介した、誘導ま
たは無線の通信アクセスを有していてもよい。
【0045】
表示灯150は、装置とテスト材料との接触ステータス、予め設定された信号パターンが受信された場合、または特定の位置における受信信号が有効ではない場合の警告ステータスを示すなどの目的のために、フレーム上に配置されてもよい。
【0046】
表示灯は、たとえば、装置とテスト材料との間で接触がない場合には赤い光、接触が検出された場合には緑の光、というように色分けされてもよい。他の色およびスイッチングパターンが、異なる目的のために使用されてもよい。そのような1つの目的は、各ジョブの前に実行される自己テスト表示器として、というものであってもよい。また、たとえば、予め設定されたテストパターンおよび周波数に沿って変換器が信号を放射する場合に、既知の予想されたテスト結果を有する既知の表面を有する既知のテスト材料上を装置が回転され得る較正ルーチンにおいて、灯を使用することも可能である。予想された受信信号が検証されれば、装置は動作のためにクリアされる。検証された装置は、表示灯150によって表示される予め設定された光パターンによって識別されてもよい。
【0047】
テスト結果の格納、較正、テストおよび評価のために、接続されたコンピュータも使用されてもよい。コンピュータは、ケーブル、無線通信によって、または記憶メモリ装置を介したデータの転送によって接続されてもよい。記憶メモリ装置は、装置における電子回路に取り外し可能に搭載されてもよく、または、転送動作時にインターフェイスを介して接続可能であってもよい。
【0048】
変換器のアレイは、異なるモードで使用されてもよい。2つの異なるモードを
図13Aおよび
図13Bに示す。他のモードが利用されてもよい。
【0049】
図13Aには、トラック沿い検査のためのモードが示される。変換器の1つのアレイ、たとえば本発明の後続ホイールモジュール1、1’、100が、テスト材料の地下へ信号を放射するために使用され、変換器の1つのアレイ、たとえば本発明の先導ホイールモジュール1、1’、100が、テスト材料に入り、それを通って伝わり、それから反射された放射信号を受信するための受信手段として使用される。
【0050】
図13Bには、トラック横断検査のためのモードが示される。これは、変換器の1つのアレイにおける複数の変換器を、超音波信号を放射するために割り当て、変換器の同じアレイの複数の変換器を、信号をテスト材料から反射された時に受信するために割り当てることによって達成される。1つの変換器が放射し、かつ受信してもよい。あるシナリオでは、変換器のアレイの周辺区分における変換器が、テスト材料の地下へ信号を放射し、変換器のアレイの中央区分における1つ以上の変換器が、反射信号を受信する。
【0051】
受信のために、すなわち上述の手持ち式装置のために、変換器の2つ以上のアレイを使用することが可能である。変換器の後続アレイにおける変換器が放射する一方、変換器の2つの先導アレイが受信してもよく、またはさらには、変換器の1つ以上のアレイも放射する場合、変換器のすべてのアレイが変換器の受信アレイであるようにセットアップされてもよい。
【0052】
上述の手持ち式の例のような変換器/ホイールモジュール1、1’、100の3つのアレイを含むシステムにおける有望な1つの構成は、変換器の中央アレイにおける変換器を超音波信号の放射のために使用し、変換器/ホイールモジュール1、1’、100の2つの外側アレイをテスト材料からの反射信号の受信のために使用することである。
【0053】
上述のトラック横断ジオメトリを利用して本発明の単一のホイールモジュール1、1’
、1001を使用することも可能である。
【0054】
変換器は、超音波信号の放射または反射の受信のみのために、ならびに放射および受信双方のために使用されてもよい。同じ超音波信号について放射兼受信変換器として機能する変換器(すなわち、その変換器は超音波信号を放射し、次にその信号の反射を待ち、次に反射信号を受信する)は、放射信号の経路における物体などまたは材料から反射を受信し、検出するだけであろう。物体が、変換器の下の小さい垂直亀裂である場合、反射信号は非常に弱く、検出するのが難しいかもしれない。本発明では、各変換器が超音波信号を放射または受信する、一組の変換器が、反射信号を測定するだけではなく、テスト材料を通って送信された信号も測定し、このため、反射の欠如、またはたとえば飛行時間回折を測定することができるであろう。これらのタイプの測定は、測定データにおいてより良好なS/N比を提供するであろう。そのような構成は、反射信号の欠落を検出できるであろう。たとえば、テスト材料における空気溜りによって信号が妨げられ、ひいては信号伝播がひどく妨げられた場合、受信変換器は、信号が予想通りに受信されないことを検出するであろう。次に、結論は、放射変換器と受信変換器との間には、亀裂、穴、非中継媒体などの妨害媒体がある、ということを示すかもしれない。
【0055】
反射の脱落を検出する上述の追加の能力は、上述の
図13Bについて説明されたように、本発明の単一ホイール変換器セットアップによって利用されてもよい。
図13Bで説明された特徴を、上述の
図13Aで変換器セットアップについて一例が説明された、2つ以上のホイールモジュール1、1’、100を使用する特徴と組み合わせることにより、分析効果をさらに強化することが、本発明で達成されてもよい。亀裂、障害物および空気溜りに関連して、トラック沿いに配向された亀裂、空気溜り、障害物を、上述の
図13Bについて説明されたようなトラック横断検査特徴を用いて検出し、または、トラックを横断して配向された亀裂、空気溜り、障害物を、
図13Aについて説明されたようなトラック沿い検査特徴を用いて検出するために、異なる変換器セットアップがさらに最適化されてもよい。
【0056】
本発明の一実施形態では、本発明は、船または翼(航空機、風力タービン)において使用されるようなサンドイッチ構造において、溶接傷および剥離/空気溜りを見つけるために使用されてもよい。そのようなサンドイッチ構造は、異なる材料の多層から構成され得る。潜在的に異なる応答を有するすべてが、特定の周波数の相対超音波信号を特徴とする。本発明は、特定のサンドイッチ層界面が位置する、テスト材料の特定の深さでの応答を最適化する態様で制御され得る。たとえば、内部ガラスファイバー層と、外部ガラスファイバー層と、コアポリスチレン層とを含む3層構造において、最も内側のガラスファイバー層とコア材料との間の界面を調べてもよい。他の材料および他の個数の層が使用されてもよい。
【0057】
実施形態の別の例は、外層が陶器、内層がコンクリートまたは木材で、それらの間におそらく防水膜構造がある浴室床などにおける、建築タイルの下の分離/空気溜りを検出するために、本発明を使用することである。
【0058】
超音波データ収集として、個々の変換器の特徴を動的にシフトするより複雑なパターンが行なわれる、反射信号の放射および受信の制度を実行することによって、検出能力を最大化することも可能である。あるパターンは、各変換器が順に超音波信号の唯一の放射源として作用するようにし、すべてのホイール(2つ以上の場合)のすべての変換器が放射信号を受信するようにすることであろう。このように、運動方向に垂直な方向から放射変換器の両面に向かう多くの方向において地下をマッピングすることが可能である。矢印170によって示される1つの放射変換器および7つの受信変換器を概説する一例を、
図17に示す。ここでは、変換器のホイールモジュール1、1’、100の3つのアレイ22
1、222、223が使用される。1つの放射および1~48個(48は限定ではなく、
図17で使用される個数である)の受信から、他のすべての組み合わせが使用されてもよい。他の変換器の組み合わせが使用されてもよい。
【0059】
パターンの可能な1つの型は、すべての変換器が順に放射変換器になるようにし、すべての変換器が放射信号のすべての反射用の受信機として作用するようにすることである。このように、全方向に傾いた横向き、前向き、後ろ向きの全角度、および真下から、すべてのテスト材料をマッピングすることが可能である。本発明の装置の動きを別のパラメータとして使用して、テスト材料上を動く際にいくつかのそのような測定を行うことが可能である。たとえば、コンクリートにおける空気溜りはその場合、多くの方向から数回、徹底的に調査され、「隠された」弱点が見逃されないであろう。
【0060】
別の型は、1つ以上のホイールモジュールを送信変換器として割り当て、他のホイールモジュールを受信変換器として割り当て、次に、いくつかの送信変換器を同時に起動し、受信モードで動作している残りの変換器で、反射したすべての信号を受信することである。
【0061】
使用される変換器のアレイまたはホイールのサイズに制限はない。
変換器は、複数の可変の周波数で使用するために選択されてもよい。実行制度の例は、異なるビーム形成手法を含み得るものの、それに限定されない。実行制度の一例は、SAFT(Synthetic Aperture Focusing Technique:開口合成法)であってもよい。
【0062】
より多くの検出データが収集されるにつれて、データが分析される際に分析プロセスにおいてより良好なS/N比を達成することが可能になるであろう。
【0063】
テスト材料から受信されたデータの分析は、テスト材料の表面下のさまざまな深さで、典型的にはテスト材料の表面の0~15cm下で、テスト材料の詳細な2Dおよび/または3D画像の集計を提供し得る。
【0064】
図15は、大量のテスト材料の検査のためのシステムを提供するために、本発明のホイールモジュール1、1’、100の3つの対が組合わされたシステムを示す。ホイールモジュール1、1’、100の各対は個々のブラケット70に搭載され、3つのブラケットがキャリッジ200に搭載される。キャリッジはさらに、計算/制御手段204と、レーザ測定装置202と、表示部201とを含む。各ホイールの各区分12が個々に表面に適合しているため、ホイールの各対は個々に表面に適合している。
【0065】
図15における装置、または本発明の装置の任意の変形は、エネルギ源、データ格納、制御ロジック、入出力制御ポート、ディスプレイおよびオーディオへの、搭載されたまたは取り付け可能な、ケーブルを介した、誘導または無線の通信アクセスを有していてもよい。
【0066】
上述の手持ち式装置について説明されたような表示灯(
図16に図示せず)が、このシステムに、および本発明の実施形態のすべてのバージョンに、上に説明されたのと同じ目的のために含まれてもよい。
【0067】
キャリッジは、キャリッジを駆動するための手段、たとえば電気モータ(図示せず)、リモートコントローラ特徴を含んでいてもよく、さらに、エネルギ源と、キャリッジを手動で押し、および/または操縦するためのハンドル205と、外部制御部(図示せず)との無線通信のための手段とを含んでいてもよい。
【0068】
制御部は、
図16に示すようにテスト材料の全セグメントをカバーするようにキャリッジを誘導するために、予めプログラミングされてもよい。ここで、実例は、キャリッジ位置200と、運動方向211と、検査された領域212、213、214と、まだ検査されていない領域215とを示す。以前の検査トラック212と、現在の検査トラック213と、以前の検査トラック212に対する現在の検査トラック213の重複214とを区別することも可能であり得る。
【0069】
受信データおよびこの分析結果を、以前に行なわれた対応する検査と比較することにより、テスト材料の地下における変化を検出することが可能である。たとえば、コンクリートの橋における補強バーの劣化を追跡し、劣化の初期段階で是正措置を開始することが可能であり得る。
【0070】
レーザユニットは、テスト材料上のキャリッジ位置を規定するために、距離の測定用に使用されてもよい。
【0071】
別の実施形態の例は、ペンキを塗られた鉄骨構造をサンプリングするために本発明の装置を使用することである。本発明は、鉄骨構造の表面に固定されたペンキまたは他の保護層を除去する必要なく、データ分析を可能にする反射された超音波信号のサンプルを収集して、前例のない態様で亀裂および欠陥を発見することができる。
【0072】
特徴が異なるホイールモジュール1、1’、100を有する機器を構成する機能を利用することにより、どのような材料または材料を組み合わせたものについても、より広い深さ範囲において、傷および不規則性を検出することができる。異なるホイールモジュール1、1’、100を、テスト材料の特定手段が、パイプの厚み測定、外殻またはタンクの劣化、橋梁道路の外装、航空機の翼、ラジオ塔ブラケットの溶接等、何であろうと、それに対して使用するために最適化することができる。
【0073】
上述の例は地面よりも高い場所で使用される機器に関連しているが、本発明は海面下の環境での使用に適合させることができることが理解されるであろう。その場合、機器は、たとえばROVに搭載されて海面下の設備、パイプライン等を検査する。
【0074】
上述の例は地上で使用される機器に関連しているが、本発明は航空宇宙および空間環境での使用に適合させることができることが理解されるであろう。その場合、機器は、たとえば空間の設備および航空機を検査するために配置される。
【0075】
本発明はさらに、以下の装置実施形態によって定められる。第1の装置実施形態において、本発明は、超音波信号をテスト材料15に放射しテスト材料15から超音波信号を受信するための装置を含む。装置は1つ以上のホイールアセンブリ1を備える。各ホイールアセンブリ1はさらに、結合媒体/部分または完全内輪52,21の中に一部が配置されたまたは完全に埋め込まれた1つ以上の変換器20を含む。ホイールアセンブリはさらに、軌道外輪23を含む。結合媒体/部分または完全内輪52,21は、回転しない態様で心棒22に接続され、1つ以上の変換器20は、固定的にテスト材料15の方向に向いており、軌道外輪3の内向き面26および/または結合媒体/部分または完全内輪52,21の外向き面25の間の界面は、軌道外輪23の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する低摩擦材料を含む。
【0076】
本発明の第2の装置実施形態において、第1の装置実施形態に係る装置が提供され、低摩擦材料は、軌道外輪23の内向き面26および/または結合媒体/部分または完全内輪52,21の外向き面25の中に埋め込まれている。
【0077】
本発明の第3の装置実施形態において、第1および第2の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、低摩擦材料は、ROBALON登録商標、いずれかの種類のポリマーまたはポリテトラフルオロエチレンPTFE、黒鉛、六方晶系窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、金属合金、PVDF、または高水和ブラシポリマーのうちの1つである。
【0078】
本発明の第4の装置実施形態において、第1~第3の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、変換器20は、円形、正方形、凹状、凸状、単曲面および複曲面等の形状のうちの1つまたは組み合わせを有することにより、異なる変換器ビームフォーカス/デフォーカスを得る。
【0079】
本発明の第5の装置実施形態において、第1~第4の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、1つ以上のホイール1が心棒22上に配置されている。
【0080】
本発明の第6の装置実施形態において、第1~第5の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、ホイール1は、心棒22と軌道外輪23との間に配置された復元力があるサスペンション装置51を含み、よって、軌道外輪23および結合媒体/部分または完全内輪52,21は、心棒22の位置から独立して変位することができる。
【0081】
本発明の第7の装置実施形態において、第1~第6の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、軌道外輪および/または結合媒体/部分または完全内輪52,21は、テスト材料の表面の凹凸に適合させた弾性係数を有し、よって、より多くのホイール1が同一の心棒22上に配置されている場合に1つのホイールが凹凸に遭遇したとき、凹凸の上を転がるホイールのみが、凹凸の影響を受け凹凸によって変位させられる。
【0082】
本発明の第8の装置実施形態において、第1~第7の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、軌道外輪23は、テスト材料の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する材料で構成されている。
【0083】
本発明の第9の装置実施形態において、第1~第8の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、変換器へのおよび変換器からの信号を制御するためのコントローラをさらに備える。
【0084】
本発明の第10の装置実施形態において、第1~第9の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、御信号を変換器との間で伝達するための通信手段をさらに備える。
【0085】
本発明の第11の装置実施形態において、第1~第10の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、1つ以上の変換器20は、電源に電気的に接続される。
【0086】
本発明の第12の装置実施形態において、第1~第11の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、ホイールアセンブリは、回転する軌道外輪23の片面または両面において、近隣のホイールアセンブリ1またはフレーム71,72に接続するための結合手段31,67を有する。
【0087】
本発明の第13の装置実施形態において、第12の装置実施形態に係る装置が提供され、結合手段31,67は、電力および/または信号を、ホイール間で、または、ホイールとフレームとの間で伝送するためのコネクタをさらに含む。
【0088】
本発明の第14の装置実施形態において、第1~第13の装置実施形態のうちのいずれ
かに係る装置が提供され、心棒22の外端のうちの一方または双方は、装置をフレーム71,120に装着するための装着手段72を有する。
【0089】
本発明の第15の装置実施形態において、第1~第14の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、装置は、制御データおよび受信信号データを無線送信するための手段を備える。
【0090】
本発明の第16の装置実施形態において、第1~第15の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置が提供され、個々の変換器20は各々、放射変換器、または受信変換器、または放射兼受信変換器として機能する。
【0091】
本発明の第17の装置実施形態において、超音波信号を放射しテスト材料15から反射した超音波信号を受信するための装置が提供され、装置は2つ以上のホイールモジュール100を備え、各ホイールモジュール100は、第1~第16の装置実施形態のうちのいずれかに記載の1つ以上のホイールアセンブリ1を含み、ホイールモジュール100はフレーム71,120に装着されている。
【0092】
本発明はさらに、以下のシステム実施形態によって定められる。本発明の第1のシステム実施形態において、本発明は、超音波信号を放射し超音波信号を受信するためのシステムであって、システムは、第1~第16の装置実施形態のうちのいずれかに係る装置/ホイールアセンブリを1つまたは複数備え、システムはさらに、1つまたは複数のホイールアセンブリ1が搭載されたキャリッジ120,200と、テスト材料15の表面上で径路211に沿ってキャリッジを操縦するための制御機構と、キャリッジ、変換器、ならびにデータの格納および伝達を制御するための制御ロジック204とを備える。
【0093】
本発明の第2のシステム実施形態において、第1のシステム実施形態に係るシステムは、絶対位置を提供するためのナビゲーション手段202をさらに備える。
【0094】
本発明の第3のシステム実施形態において、第1または第2のシステム実施形態のいずれかに係るシステムは、表示手段150,201をさらに備える。
【0095】
第1~第3のシステム実施形態のうちのいずれかに係る本発明の第4のシステム実施形態において、システムは相対位置を提供するための追跡手段をさらに備える。
【0096】
第1~第4のシステム実施形態のうちのいずれかに係る本発明の第5のシステム実施形態において、キャリッジは、海底作業用の水中遠隔操作車両ROV等の、遠隔操作車両ROVである。
【0097】
第1~第5のシステム実施形態のうちのいずれかに係る本発明の第6のシステム実施形態において、キャリッジを操縦するための制御機構は、手で案内するためのハンドル121,205、または、キャリッジを移動させるための駆動手段に接続された遠隔制御モータである。
【0098】
第1~第6のシステム実施形態のうちのいずれかに係る本発明の第7のシステム実施形態において、システムは、受信した超音波信号のデータを受けデータを処理するためのコンピュータ手段をさらに備える。
【0099】
第7のシステム実施形態に係る本発明の第8のシステム実施形態において、コンピュータ手段は遠隔コンピュータ手段である。
【0100】
本発明はさらに、以下の方法実施形態によって定められる。本発明の第1の方法実施形態における発明は、テスト材料15の解析を可能にするために超音波信号を放射し受信する方法を含み、方法はさらに、第1~第8のシステム実施形態のうちいずれかに係るシステムを1つまたは複数提供するステップと、1つ以上の変換器20から超音波信号を放射するステップと、1つ以上の変換器20を用いて放射した超音波信号の反射をテスト材料15から受信するステップと、受信した超音波信号を格納し、コンピュータ手段に転送し、受信した超音波信号を解析するステップとを含む。
【0101】
本発明の第1の方法実施形態に係る第2の方法実施形態において、方法は、キャリッジ120,200を予め定められた径路211に沿って移動させるステップと、予め定められた放射パターンに従って超音波信号を個々の変換器20から放射するステップと、テスト材料15から反射した超音波信号を、放射された個々の超音波信号の受信変換器として構成された1つまたは複数の変換器で受信するステップとをさらに含む。
【0102】
本発明の第1または第2の方法実施形態に係る第3の方法実施形態において、方法は、テスト材料の一部分の解析結果を、テスト材料の同じ一部分の前回の解析と比較し、テスト材料における変化を特定することをさらに含む。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号をテスト材料(15)に放射し前記テスト材料(15)から超音波信号を受信するための装置であって、前記装置は心棒(22)に取り付けられる2つ以上のホイールアセンブリ(1)を備え、
各ホイールアセンブリ(1)は、
内向き面(26)を有する軌道外輪(23)と、
前記軌道外輪(23)の中に位置する固体または粘弾性の部分または完全内輪(52,21)であって、前記軌道外輪(23)の前記内向き面と、前記部分または完全内輪(52,21)の外向き面との間に界面を形成し、前記部分または完全内輪(52,21)は、回転しない態様で心棒(22)に接続され、前記軌道外輪(23)の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する、部分または完全内輪(52,21)と、
前記部分または完全内輪(52,21)に、部分的にまたは完全に埋め込まれるよう固定的に配置される、または、固定的に接続される1つ以上の変換器(20)と、
前記軌道外輪(23)または前記部分または完全内輪(52,21)の少なくとも1つに埋め込まれて、前記軌道外輪(23)と前記部分または完全内輪(52,21)との間の動摩擦を減少させる低摩擦乾燥材料であって、前記軌道外輪の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する、低摩擦乾燥材料とを備え、
前記1つ以上の変換器(20)は、前記軌道外輪が前記テスト材料(15)に沿って移動するときに前記部分または完全内輪(52,21)に対して相対的に回転するのに伴い、前記テスト材料(15)のほうに向けられるとともに維持される、装置。
【請求項2】
前記変換器は、ビームフォーカスまたはデフォーカスのより良好な適合性を得るための形状を有し、前記形状は、凹状、凸状、円形および正方形の形状のうちの1つ以上である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記部分または完全内輪(52,21)は、円筒形、球形または円錐形のうちの1つの形状を有する、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ以上の変換器(20)は、前記固体または粘弾性の部分内輪(52)に部分的にまたは完全に埋め込まれるように配置されるか、または接続され、前記部分内輪(52)は、回転しない態様で前記心棒(22)に接続され、前記1つ以上の変換器(20)は、前記テスト材料(15)のほうに固定的に向けられており、
前記低摩擦乾燥材料は、前記軌道外輪(23)の前記内向き面(26)または前記部分内輪(52)の前記外向き面(25)うちの少なくとも1つの間の界面に位置し、
前記低摩擦乾燥材料は、低摩擦流体の適用されたフィルム、またはコーティング層である、または、前記軌道外輪(23)または前記部分内輪(52)の少なくとも1つに埋め込まれる、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記2つ以上のホイールアセンブリ(1)が1つ以上の前記心棒(22)に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記低摩擦乾燥材料は、前記軌道外輪(23)の前記内向き面(26)または前記部分または完全内輪(52,21)の前記外向き面(25)に埋め込まれる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記低摩擦乾燥材料は、いずれかの種類のポリマーまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、黒鉛、六方晶系窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、金属合金、PVDF、または高水和ブラシポリマーのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記2つ以上のホイールアセンブリ(1)の各々が、各々のホイールアセンブリ(1)への個別の復元力を提供するように配置されたサスペンション装置(51)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記サスペンション装置(51)は、前記心棒(22)と前記軌道外輪(23)との間に配置され、よって、前記軌道外輪(23)および前記部分または完全内輪(52,21)は、前記心棒(22)の位置から独立して変位することができる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記軌道外輪または前記部分または完全内輪(52,21)のうちの少なくとも1つは、前記テスト材料の表面の凹凸に適合させた弾性係数を有し、よって、より多くのホイール(1)が同一の前記心棒(22)上に配置されている場合に1つのホイールが凹凸に遭遇したとき、前記凹凸の上を転がるホイールのみが、前記凹凸の影響を受け前記凹凸によって変位させられる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記軌道外輪(23)は、前記テスト材料の音響インピーダンスと同一オーダの音響インピーダンスを有する材料で構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記変換器へのおよび前記変換器からの信号を制御するためのコントローラと、
制御信号を前記変換器との間で伝達するための通信手段とをさらに備え、
前記1つ以上の変換器(20)は、電源に電気的に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ホイールアセンブリは、回転する前記軌道外輪(23)の片面または両面において、近隣のホイールアセンブリ(1)または第1のフレーム(71)に接続するための結合手段(31,67)を有し、前記結合手段(31,67)は、電力および/または信号を、前記ホイール間で、または、前記ホイールとフレームとの間で伝送するためのコネクタをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記心棒(22)の外端のうちの一方または双方は、前記装置を第1のフレーム(71)または第2のフレーム(120)に装着するための装着手段(72)を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、制御データおよび受信信号データを無線送信するための手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
個々の変換器(20)は各々、放射変換器、または受信変換器、または放射兼受信変換器として機能する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
超音波信号を放射しテスト材料(15)から反射した超音波信号を受信するための装置であって、前記装置は2つ以上のホイールモジュール(100)を備え、各ホイールモジュール(100)は請求項1に記載の1つ以上のホイールアセンブリ(1)を含み、前記ホイールモジュール(100)は第1のフレーム(71)または第2のフレーム(120)に装着されている、装置。
【請求項18】
超音波信号を放射し超音波信号を受信するためのシステムであって、前記システムは、
請求項1に記載の装置/ホイールアセンブリを1つまたは複数備え、前記システムはさらに、
前記1つまたは複数のホイールアセンブリ(1)が搭載されたキャリッジ(120,200)と、
テスト材料(15)の表面上で径路(211)に沿って前記キャリッジを操縦するための制御機構と、
前記キャリッジ、前記変換器、ならびにデータの格納および伝達を制御するための制御ロジック(204)とを備える、システム。
【請求項19】
前記システムは絶対位置を提供するためのナビゲーション手段(202)、および/または相対位置を提供するための追跡手段をさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは表示手段(150,201)をさらに備える、請求項18および19のうちのいずれか1つに記載のシステム。
【請求項21】
前記キャリッジは、遠隔操作車両である、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記キャリッジを操縦するための前記制御機構は、手で案内するためのハンドル(121、205)または、前記キャリッジを移動させるための駆動手段に接続された遠隔制御モータである、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記システムは、受信した超音波信号のデータを受け前記データを処理するためのローカルおよび/または遠隔コンピュータ手段をさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
テスト材料(15)の解析を可能にするために超音波信号を放射し受信する方法であって、前記方法は、
請求項18に記載のシステムを1つまたは複数提供するステップと、
1つ以上の変換器(20)から超音波信号を放射するステップと、
1つ以上の変換器(20)を用いて前記放射した超音波信号の反射を前記テスト材料(15)から受信するステップと、
前記受信した超音波信号を格納し、コンピュータ手段に転送し、前記受信した超音波信号を解析するステップとを含む、方法。
【請求項25】
前記方法は、
前記キャリッジ(120,200)を予め定められた径路(211)に沿って移動させるステップと、
予め定められた放射パターンに従って超音波信号を個々の変換器(20)から放射するステップと、
前記テスト材料(15)から反射した前記超音波信号を、放射された個々の超音波信号の受信変換器として構成された1つまたは複数の変換器で受信するステップとをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、テスト材料の一部分の解析結果を、前記テスト材料の同じ一部分の前回の解析と比較し、前記テスト材料における変化を特定することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
【
図1】一群にされたホイールアセンブリのグループの概念的概略を示す図である。
【
図2A】第1の実施形態におけるホイールアセンブリの内部の概略を説明する図であり、一部を強調表示している。
【
図2B】第2の実施形態におけるホイールアセンブリの内部の概略を説明する図である。
【
図3】
図2Aに示すホイールアセンブリを複数個配置したものを心棒機能とともに示す図である。
【
図4】
図2Bのホイールモジュールの軌道内輪の外向き面、および、
図2Bのホイールモジュールの軌道内輪の内向き面を示す図である。
【
図5A】一体化されたサスペンション機能を含む、
図2Aのホイールモジュールを示す図である。
【
図5B】外輪の内径よりも小さい直径を有する部分内輪を備えたホイールアセンブリを示す図である。
【
図5C】
図5Bにおけるホイール構成の一部分の斜視図を示す。
【
図5D】ホイールアセンブリの下部分、テスト材料、および1つの変換器の断面(
図5BのA-A)側面図を示す。
【
図6A】ホイールアセンブリの他の実施形態を示す図である。
【
図6B】
図6Aに示すホイールアセンブリの2つの実施形態のうちの一方の断面図である。
【
図6C】
図6Aに示すホイールアセンブリの2つの実施形態のうちの他方の断面図である。
【
図7】より広い深さ範囲の調査用の、特徴が異なる複数のホイールアセンブリのレイアウト図である。
【
図9】手持ち式の3ローラユニットの側面図である。
【
図10】手持ち式の3ローラユニットの底面図である。
【
図11】手持ち式の3ローラユニットの上面図である。
【
図12】手持ち式の3ローラユニットの上面正面斜視図である。
【
図13A】変換器の放射アレイおよび受信アレイの、トラックに沿う形状の一例を示す図である。
【
図13B】変換器の放射アレイおよび受信アレイの、トラックに交差する形状の一例を示す図である。
【
図14】ホイールおよびテスト中の材料における異なるインピーダンスの材料と組み合わせて使用される指向波を示す図である。
【
図15】2ローラが3つある移動キャリッジシステムの図である。
【
図16】移動キャリッジについてのトラッキング経路シナリオの概要を示す図である。
【
図17】
矢印170によって示される1つの放射変換器および7つの受信変換器を
概説する一例を示す図である。
【外国語明細書】