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特開2023-179020吸水マット用運搬器及び吸水マット巻取装置
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  • 特開-吸水マット用運搬器及び吸水マット巻取装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179020
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】吸水マット用運搬器及び吸水マット巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/40 20060101AFI20231212BHJP
   B65H 75/38 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B65H75/40 A
B65H75/38 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092019
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】為岡 英一
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA01
3F068BA00
3F068CA00
3F068DA05
3F068EA07
3F068FA03
3F068HA04
3F068HA07
3F068HB14
3F068JA07
3F068JA10
(57)【要約】
【課題】吸水マットの巻取時及び運搬時における排水の飛散を抑制可能な、吸水マット用運搬器及び吸水マット巻取装置が開示される。
【解決手段】巻取シャフト32は、吸水マット60の始端60Aが差し込まれる差込スリット32Aが軸方向に沿って形成される。巻取用車輪30,31は、巻取シャフト32の軸方向両端に設けられる。一対のサイド吸水体34,35は、巻取シャフト32に巻き取られる吸水マット60の軸方向両端に設けられる。トレイ20は、巻取シャフト32に対して径方向に離隔されるとともに、巻取シャフト32の軸方向に沿って延設される。運搬用車輪であるキャスター39はトレイ20に設けられる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水マットの始端が差し込まれる差込スリットが軸方向に沿って形成された巻取シャフトと、
前記巻取シャフトの前記軸方向両端に設けられた巻取用車輪と、
前記巻取シャフトに巻き取られる前記吸水マットの前記軸方向両端に設けられた一対のサイド吸水体と、
前記巻取シャフトに対して径方向に離隔されるとともに、前記巻取シャフトの前記軸方向に沿って延設されたトレイと、
前記トレイに設けられた運搬用車輪と、
を備える、吸水マット用運搬器。
【請求項2】
請求項1に記載の吸水マット用運搬器であって、
前記サイド吸水体には、前記巻取シャフトに着脱可能となるための着脱スリットが設けられた、吸水マット用運搬器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の吸水マット用運搬器と、
前記吸水マットの終端が挿入される開口が設けられるとともに終端用吸水体が収容されるケーシングを備える集水器を備える、
吸水マット巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、吸水マット用運搬器及び吸水マット巻取装置が開示される。
【背景技術】
【0002】
雨天時等には、建物の玄関付近に吸水マットが敷設される。敷設済みの吸水マットを新しい吸水マットに交換する際に、敷設済みの吸水マットがドラム状に巻き取られる。
【0003】
例えば特許文献1では、床シート巻取装置を用いて帯状マットが巻き取られる。この装置は、車軸付きフレームに巻取筒が設けられる。巻取筒の軸は車軸と平行に向けられる。巻取筒にはその軸方向に亘って切条が設けられる。この切条に帯状マットの始端縁を係入した後に、床シート巻取装置を前進させることで、巻取筒に帯状マットが巻き取られる。
【0004】
特許文献2では、シートの巻取り装置として、切込みの入った丸型パイプが設けられる。丸型パイプの軸方向両端は車輪と係合される。車輪は把手に接続される。丸型パイプの切込みにシートが挟み込まれた状態で、使用者が把手を持って車輪及び丸型パイプを転がすことでシートが巻き取られる。
【0005】
特許文献3では、コード(電線)をドラムに巻き取るコードリールのフレームに車輪が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭56-84550号公報
【特許文献2】実開昭59-57434号公報
【特許文献3】実開平7-983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、雨水等を吸い取った含水状態の吸水マットを巻き取る際に、当該マットが絞られて水分が排出される。この排水により、吸水マットが敷設された玄関が水浸しになる。また巻き取られた吸水マットを運搬する際に、当該吸水マットから排水が垂れる。その結果、玄関及び運搬経路に対して、モップ等を用いた拭き取り作業が必要となる。
【0008】
そこで本明細書では、吸水マットの巻取時及び運搬時における排水の飛散を抑制可能な、吸水マット用運搬器及び吸水マット巻取装置が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示される吸水マット用運搬器は、巻取シャフト、巻取用車輪、一対のサイド吸水体、トレイ、及び運搬用車輪を備える。巻取シャフトは、吸水マットの始端が差し込まれる差込スリットが軸方向に沿って形成される。巻取用車輪は、巻取シャフトの軸方向両端に設けられる。一対のサイド吸水体は、巻取シャフトに巻き取られる吸水マットの軸方向両端に設けられる。トレイは、巻取シャフトに対して径方向に離隔されるとともに、巻取シャフトの軸方向に沿って延設される。運搬用車輪はトレイに設けられる。
【0010】
吸水マットの巻取り時に、巻き取られる吸水マットの軸方向両端から水が排出される。この排水が一対のサイド吸水体により吸収される。さらに運搬時には巻取シャフト及びこれに巻き取られた吸水マットの下方にトレイが配置されることで、運搬時に吸水マットから垂れる排水をトレイで受け取ることが出来る。
【0011】
また上記構成において、サイド吸水体には、巻取シャフトに着脱可能となるための着脱スリットが設けられてもよい。
【0012】
上記構成によれば、排水を吸収したサイド吸収体を吸水マット運搬器から取り外すことが可能となる。また着脱スリットが設けられることで、吸水マットの幅に合うように一対のサイド吸水体の離隔間隔を調整することが可能となる。
【0013】
また本明細書で開示される吸水マット巻取装置は、上述の吸水マット用運搬器と、集水器を備える。集水器は、吸水マットの終端が挿入される開口が設けられるとともに終端用吸水体が収容されるケーシングを備える。
【0014】
上記構成によれば、巻取の過程で吸水マットの後端から排出される水が集水器に吸収される。
【発明の効果】
【0015】
本明細書で開示される吸水マット用運搬器及び吸水マット巻取装置によれば、吸水マットの巻取時及び運搬時における排水の飛散が抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る吸水マット用運搬器を例示する斜視図である。
図2】本実施形態に係る吸水マット用運搬器を図1とは別の角度から見たときの斜視図である。
図3】本実施形態に係る吸水マット用運搬器を図1及び図2とは別の角度から見たときの斜視図である。
図4】本実施形態に係る集水器を例示する斜視図である。
図5】吸水マットの巻取り工程を例示する斜視図である。
図6】吸水マットの巻取り工程を例示する側面図である。
図7】吸水マットの運搬工程を例示する斜視図である。
図8】吸水マットの運搬工程を例示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態に係る、吸水マット用運搬器及び巻取装置が図面を用いて説明される。以下で説明する形状、材料、個数、及び数値は、説明のための例示であって、吸水マット用運搬器及び巻取装置の仕様に応じて適宜変更することができる。また以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号が付される。
【0018】
<全体構成>
本実施形態に係る吸水マット用の巻取装置は、運搬器10(図1参照)及び集水器50(図4参照)を備える。後述される図5のように、吸水マット60は運搬器10に巻き取られる。このとき、巻き取られる吸水マット60の軸方向両端から排出される水は一対のサイド吸水体34,35(図2図3参照)に吸収される。さらに巻取り時に吸水マット60の終端から排出される水は集水器50(図5図6参照)の終端用吸水体56に吸収される。
【0019】
吸水マット60の巻取り後に、吸水マット60は運搬器10に運搬される。この運搬時に、運搬器10のトレイ20(図7図8参照)が吸水マット60よりも下方に配置される。このような配置により、運搬時に吸水マット60から垂れた排水はトレイ20に集められる。
【0020】
<吸水マット>
図5には、本実施形態に係る巻取装置の巻取り対象である、吸水マット60が例示される。吸水マット60は下地層である防水層62とその上層である吸水層64を備える。下地層はゴムシート等の非透水性材料のシートから構成される。吸水層64は例えばパイル生地等から構成される。
【0021】
吸水マット60は例えば建物の玄関床等に敷設される。そして雨天時等に吸水層64に水が溜まると新たな吸水マット60に交換される。この交換の際に、本実施形態に係る巻取装置が用いられる。
【0022】
<運搬器>
図1図3には、本実施形態に係る巻取装置の一部である、運搬器10が例示される。吸水マット60用の運搬器10は、後述されるように吸水マット60の巻取り及び運搬が可能となっている。
【0023】
なお図1では運搬器10を上から見たときの斜視図が例示される。図2では把手38を紙面左側とする下からのアングルで運搬器10が例示される。さらに図3では把手38を紙面右側とする下からのアングルで運搬器10が例示される。
【0024】
これらのアングルを明確にするために、図1図3では直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)が示される。X軸は巻取シャフト32の軸方向に平行に延設される。Y軸はX軸と直交し、X-Y平面はトレイ20の底壁21と平行となる。またZ軸はX軸及びY軸に直交し運搬器10の柄44(図5参照)と平行となる。
【0025】
図1図3を参照して、運搬器10はトレイ20、巻取用車輪30,31、巻取シャフト32、一対のサイド吸水体34,35、把手38、キャスター39及び着脱式の柄44(図5参照)を備える。
【0026】
巻取シャフト32はその軸方向両端が、トレイ20の側壁22,23から延設される延長片22A,23Aに回動可能に支持(枢支)される回転軸部材である。巻取シャフト32は軸方向両端部を除いて、軸方向に沿って差込スリット32Aが形成される。差込スリット32Aは巻取シャフト32の直径を貫通するように形成される。後述されるように差込スリット32Aには、吸水マット60の巻取りの始端60A(図6参照)が差し込まれる。
【0027】
例えば巻取対象である吸水マット60のサイズが多岐に亘る場合には、その中で最もマット幅、つまり巻取方向に直交する寸法を超過するように、巻取シャフト32及び差込スリット32Aの軸方向寸法が定められる。
【0028】
巻取シャフト32の軸方向両端部には、一対の巻取用車輪30,31が設けられる。巻取用車輪30,31は、巻取シャフト32と供回りするように構成される。例えば巻取用車輪30,31はリング形状であって、中心孔に巻取シャフト32の軸方向両端部が挿入され互いに固定される。
【0029】
巻取シャフト32には一対のサイド吸水体34,35が設けられる。サイド吸水体34,35は巻取用車輪30,31よりも巻取シャフト32の軸方向中央寄りに設けられる。またサイド吸水体34,35は巻取シャフト32に巻き取られる吸水マット60の軸方向両端に設けられる。サイド吸水体34,35は例えばスポンジから構成される。
【0030】
例えばサイド吸水体34,35はリング形状であって、径方向に貫通する着脱スリット34A,35Aが設けられる。この着脱スリット34A,35Aによってサイド吸水体34,35はO字状からC字状に展開可能となり、巻取シャフト32からの着脱が可能となる。
【0031】
この着脱機能を利用して、サイド吸水体34,35は、巻取シャフト32上の軸方向位置を調整可能となっている。例えば図5図6のように、吸水マット60の始端60Aが差込スリット32Aに差し込まれた状態で、吸水マット60の幅方向両端にサイド吸水体34,35が配置されるように、サイド吸水体34,35の、巻取シャフト32上の軸方向位置が調整される。
【0032】
後述されるように、サイド吸水体34,35は、巻き取られる吸水マット60の軸方向両端から排出される水を吸収するために設けられている。上記の様な位置調整を行うことで、吸水マット60からの排水を確実にサイド吸水体34,35に吸収させることが出来る。
【0033】
図1図3を参照して、トレイ20は巻取シャフト32に対して径方向に離隔される。さらにトレイ20は巻取シャフト32の軸方向に沿って延設される。
【0034】
トレイ20は巻取シャフト32に対して開口された箱型形状であって、例えば矩形状の底壁21と、底壁の4辺にそれぞれ設けられる側壁22,23,24,25を備える。側壁24,25の離隔距離は例えば巻取用車輪30,31の直径を超過するように形成される。また側壁22,23の離隔距離は例えば巻取シャフト32の軸方向寸法と同等かこれを超過するように形成される。
【0035】
巻取シャフト32の軸方向に沿って対向する側壁22,23は巻取シャフト32側に延設される延長片22A,23Aを備える。延長片22A,23Aに巻取シャフト32及び巻取用車輪30,31が枢支される。つまり、トレイ20に対して巻取シャフト32及び巻取用車輪30,31が(これらに加えてサイド吸水体34,35も)相対回転する。
【0036】
なお、トレイ20と巻取用車輪30,31との間に、図示しない回転方向制御機構が設けられてもよい。この回転方向制御機構は、トレイ20に対する巻取用車輪30,31の回転を止めるロック機構や、トレイ20に対する巻取用車輪30,31の回転方向を制限可能なラチェットと機構を含む。さらにラチェット機構には、回転方向を正逆のどちらかに制限する切り替えレバーが設けられていてよい。
【0037】
また、側壁22の延長片22Aには把手38が設けられる。他方、側壁23には運搬用車輪であるキャスター39が設けられる。
【0038】
さらに図1図5を参照して、トレイ20の底壁21の露出面には支持リング40が設けられる。例えば底壁21の長手方向及び短手方向中央部分に支持リング40が設けられる。支持リング40は底壁21の露出面に対して垂直な軸の挿入孔42を備える。
【0039】
挿入孔42に着脱式の柄44が挿入される。支持リング40及び柄44には抜け止め機構が設けられてよい。例えば支持リング40の内周面にはL字型の溝(図示せず)が形成される。さらに柄44の先端(下端)には径方向に突出するガイド突起(図示せず)が設けられる。
【0040】
ガイド突起を溝に挿入するようにして、柄44が支持リング40内に挿入される。さらに柄44を支持リング40に対して回動させることで、柄44の支持リング40からの抜けが防止される。
【0041】
<集水器>
図4には、本実施形態に係る巻取装置の一部である集水器50が例示される。集水器50はケーシング52及び終端用吸水体56を備える。ケーシング52は開口52Aが設けられた箱体であって、その長手方向寸法は例えば運搬器10の巻取シャフト32の軸方向寸法と同等である。
【0042】
ケーシング52には把手54が設けられ、作業者が運搬可能となっている。ケーシング52内には終端用吸水体56が収容される。終端用吸水体56は例えばスポンジから構成される。
【0043】
<巻取り工程>
図5図6には、本実施形態に係る巻取装置を用いた吸水マット60の巻取り工程が例示される。この巻取り工程に当たり、柄44がトレイ20の支持リング40に挿入される。その後、建物の玄関床等に敷設された吸水マット60の始端60Aが巻取シャフト32の差込スリット32Aに差し込まれる。吸水マット60の始端60Aとは、例えば矩形の吸水マット60の向かい合う短辺のうちの一辺である。
【0044】
次にサイド吸水体34,35(図2図3参照)が吸水マット60の軸方向両端に配置されるように位置が調整される。例えば着脱スリット34A,35Aにより一旦C字状に開かれたサイド吸水体34,35が巻取シャフト32の軸方向に移動される。
【0045】
さらに集水器50の開口52Aに、吸水マット60の後端60Bが挿入される。吸水マット60の後端60Bとは、例えば矩形の吸水マット60の向かい合う短辺のうち始端と対向する他辺である。
【0046】
図6に例示されるように、作業者は柄44を持ち運搬器10を前傾させた状態で運搬器10を集水器50側に移動させる。移動の過程で巻取用車輪30,31及び巻取シャフト32が回転して、これに伴って吸水マット60が巻取シャフト32周りに巻き取られる。
【0047】
この巻取の過程で、吸水マット60の吸水層64に吸収されていた水が排水される。より詳細には、巻取シャフト32に巻き取られた吸水マット60の軸方向両端から水が排出される。
【0048】
ここで上述のように、巻き取られた吸水マット60の軸方向両端には一対のサイド吸水体34,35が配置される。したがって巻回中の吸水マット60から排出された水はサイド吸水体34,35に吸水される。
【0049】
また、吸水マット60の巻取りにより、吸水層64(図5参照)中の水が後端60B側に移動させられる(押しやられる)。吸水マット60の後端から排出された水が集水器50内の終端用吸水体56に吸収されることで、周辺への排水が抑制される。
【0050】
吸水マット60の巻取り後、例えばサイド吸水体34,35は巻取シャフト32から取り外される。また集水器50の終端用吸水体56もケーシング52から取り外される。これらの吸水体は図示しない排水口等で排水が放出される。
【0051】
<運搬工程>
図7図8には、本実施形態に係る運搬器10による吸水マット60の運搬工程が例示される。巻取が完了した吸水マット60及びトレイ20には、例えば面ファスナー式のバインドベルト70が巻き回される。また図示しないロック機構によって巻取用車輪30,31の回転が止められる。
【0052】
さらに運搬に当たり、柄44(図6参照)が運搬器10から取り外される。また吸水マット60及び巻取シャフト32よりも下方にトレイ20が位置決めされる。作業者が把手38を持ち上げると運搬用車輪であるキャスター39が接地する。この状態で運搬器10及び吸水マット60が運搬させられる。
【0053】
この運搬の過程で吸水マット60から垂れた排水はトレイ20により受け止められる。例えば十分な排水量に対応可能とするために、トレイ20の、運搬時に相対的に下側に位置する部分が深く構成されていてもよい。例えば図2を参照して、側壁24,25は把手38側よりもキャスター39側が高くなるように形成されてもよい。また側壁23は、対向する側壁22に対して高くなるように形成されてもよい。
【0054】
吸水マット60が回収車両手前等の、回収地点まで運搬されると、図示しないロック機構が解除され、フリーになった(または巻き取り方向とは逆回転可能となった)巻取シャフト32から、吸水マット60が引き出される。
【0055】
このように、本実施形態に係る吸水マット60の運搬器10及びこれに集水器50を加えた巻取装置によれば、含水状態の吸水マット60を敷設地点から回収地点まで運搬するに当たり、敷設地点及び回収地点までの運搬経路における排水の飛散が抑制可能となる。
【符号の説明】
【0056】
10 吸水マット用運搬器、20 トレイ、30,31 巻取用車輪、32 巻取シャフト、32A 差込スリット、34,35 サイド吸水体、34A,35A 着脱スリット、38 把手、39 キャスター(運搬用車輪)、40 支持リング、44 柄、50 集水器、52 ケーシング、52A 開口、56 終端用吸水体、60 吸水マット、60A 吸水マットの始端、60B 吸水マットの後端。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8