(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179021
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/77 20110101AFI20231212BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20231212BHJP
H01R 13/56 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H01R12/77
H01R13/52 301F
H01R13/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092022
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西谷 章弘
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA16
5E021FB08
5E021FC32
5E087EE02
5E087EE11
5E087FF08
5E087LL03
5E087RR12
5E087RR29
5E087RR36
5E223AB21
5E223AB76
5E223AC03
5E223AC19
5E223BA80
5E223BB01
5E223CB26
5E223CC15
5E223CD02
5E223DA15
5E223DB01
5E223DB08
5E223EA02
5E223EA13
(57)【要約】
【課題】端子を収容したハウジングを、フレキシブル基板に対して良好に位置決めしつつ取り付けることができるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、ハウジング11と、ハウジング11に収容され位置決めされる複数の端子金具12と、端子金具12の接続部位12Cが半田付けされるフレキシブルケーブル30と、フレキシブルケーブル30の一方の板面30Fに貼り付けられた補強板50と、を備え、フレキシブルケーブル30には、板厚方向に貫通した貫通孔30Cが形成され、端子金具12の接続部位12Cは、一方の板面30F側から貫通孔30Cに挿通され、他方の板面30Fに設けられた半田付け面30Aに半田付けされ、補強板50には、板厚方向に貫通した位置決め孔50Cが形成され、ハウジング11には、位置決め孔50Cに挿通されるボスピン11Cが設けられており、位置決め孔50Cは、一方の板面30Fによって閉塞されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されることによって、位置決めされる複数の端子金具と、
前記端子金具の前記ハウジングから突出した接続部位が半田付けされるフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板における一方の板面に貼り付けられた支持部材と、
を備え、
前記フレキシブル基板には、板厚方向に貫通した貫通孔が形成され、
前記端子金具の前記接続部位は、前記一方の板面側から前記貫通孔に挿通され、前記フレキシブル基板の他方の板面に設けられた半田付け面に半田付けされ、
前記支持部材には、前記板厚方向に貫通した位置決め孔が形成され、
前記ハウジングには、前記位置決め孔に挿通されるボスピンが設けられており、
前記位置決め孔は、前記フレキシブル基板の前記一方の板面によって閉塞されている、コネクタ。
【請求項2】
前記フレキシブル基板に取り付けられた状態の前記ハウジングを収容して、前記一方の板面側から前記フレキシブル基板に対して取り付けられるアウターカバーを備える、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記支持部材及び前記フレキシブル基板には、前記板厚方向に貫通して挿通孔が形成され、
前記アウターカバーは、前記挿通孔に挿通され、前記他方の板面側に突出して前記フレキシブル基板に対して溶着される溶着ボスピンを有する、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記半田付け面を覆い、前記他方の板面側から前記フレキシブル基板を跨いで前記アウターカバーに係止する保護部材を備える、請求項2又は請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記端子金具の前記接続部位が半田付けされた前記半田付け面に塗布され、前記半田付け面への液体の付着を防止する防水部材を備える、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記端子金具の前記接続部位が半田付けされた前記半田付け面に塗布され、前記半田付け面への液体の付着を防止する防水部材を備える、請求項4に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記支持部材は、板状をなしており、
前記フレキシブル基板は、前記一方の板面に前記支持部材が貼り付けられることによって、補強される請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記支持部材は、板状をなしており、
前記フレキシブル基板は、前記一方の板面に前記支持部材が貼り付けられることによって、補強される請求項4に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記支持部材は、板状をなしており、
前記フレキシブル基板は、前記一方の板面に前記支持部材が貼り付けられることによって、補強される請求項5に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記支持部材は、板状をなしており、
前記フレキシブル基板は、前記一方の板面に前記支持部材が貼り付けられることによって、補強される請求項6に記載のコネクタ。
【請求項11】
板厚を前後方向に向け、前方に臨む取付け面を有するフレキシブル基板と、
前記取付け面に取り付けられるハウジングと、を備え、
前記フレキシブル基板は、前記取付け面に連なって延出する延出部を有し、
更に、前記延出部を前記取付け面よりも後方に屈曲させて案内する案内部を備えている、コネクタ。
【請求項12】
前記ハウジングが前記フレキシブル基板に取り付けられた状態で前記フレキシブル基板に取り付け可能なアウターカバーを備え、
前記案内部は、前記アウターカバーに一体的に設けられている、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記取付け面を挟んで後方から前記アウターカバーに係止する保護部材を備え、
前記保護部材を前記アウターカバーに係止した状態において、前記案内部は、前記保護部材に対して前記前後方向に交差する方向に隣接し、
前記延出部は、前記案内部と前記保護部材との間から後方に引き出され、
前記案内部には、前記延出部が接触する案内部側接触部が設けられ、
前記保護部材には、前記延出部が接触する保護部材側接触部が設けられ、
前記保護部材側接触部は、前記案内部側接触部よりも前方に位置している、請求項12に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)によって構成された回路体に形成された貫通孔に金属製の端子を複数挿通し、各端子と回路体とを半田付けをした後、各端子を収容するハウジングを回路体に取り付ける構成が開示されている。また、特許文献1のものは、端子が延びる向きが回路体の板厚方向に平行(すなわち、回路体が拡がる向きに対して端子が延びる向きが直交する向き)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものは、各端子を貫通孔に挿通して半田付けするので、各端子の姿勢にばらつきが生じる懸念がある。このような事態を避けるため、予め端子をハウジングに収容し、このハウジングを回路体に対して位置決めした後に各端子を半田付けする構成が考えられる。具体的には、ハウジングに円柱状の突起を設け、回路体にこの突起を挿通する位置決め孔を形成する構成が考えられる。しかし、このような構成の場合、ハウジングの突起が回路体における半田付けをするパッド側に突出することになる。このため、端子と回路体とを半田付けする際に、パッド側に突出した突起が溶融した半田の熱によって変形し、位置決めが困難になるおそれがある。
【0005】
特許文献1のものは、端子が延びる向きを回路体の板厚方向に直交(すなわち、回路体が拡がる向きに対して端子が延びる向きが平行な向き)するように配置しようとする場合、回路体に折り癖をつける工程を設けたり、回路体を屈曲させた状態を保持するための部品を設けたりする必要が生じ、コストの増加や部品を配置する空間を確保する必要が生じてしまう。
【0006】
第1の開示は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、フレキシブル基板に対して端子を収容したハウジングを良好に位置決めしつつ取り付けることができるコネクタを提供することを目的とする。
【0007】
第2の開示は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子が延びる方向に対して、フレキシブル基板を引き出す向きを容易に設定できるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の開示のコネクタは、
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されることによって、位置決めされる複数の端子金具と、
前記端子金具の前記ハウジングから突出した接続部位が半田付けされるフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板における一方の板面に貼り付けられた支持部材と、
を備え、
前記フレキシブル基板には、板厚方向に貫通した貫通孔が形成され、
前記端子金具の前記接続部位は、前記一方の板面側から前記貫通孔に挿通され、前記フレキシブル基板の他方の板面に設けられた半田付け面に半田付けされ、
前記支持部材には、前記板厚方向に貫通した位置決め孔が形成され、
前記ハウジングには、前記位置決め孔に挿通されるボスピンが設けられており、
前記位置決め孔は、前記フレキシブル基板の前記一方の板面によって閉塞されている。
【0009】
第2の開示のコネクタは、
板厚を前後方向に向け、前方に臨む取付け面を有するフレキシブル基板と、
前記取付け面に取り付けられるハウジングと、を備え、
前記フレキシブル基板は、前記取付け面に連なって延出する延出部を有し、
更に、前記延出部を前記取付け面よりも後方に屈曲させて案内する案内部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
第1の開示によれば、端子を収容したハウジングを、フレキシブル基板に対して良好に位置決めしつつ取り付けることができる。
【0011】
第2の開示によれば、端子が延びる方向に対して、フレキシブル基板を引き出す向きを容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態にかかるコネクタの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、ハウジングに端子金具を収容した状態を示す側面図である。
【
図4】
図4は、フレキシブルケーブルの斜視図である。
【
図5】
図5は、フレキシブルケーブルに補強板を張り付けた状態を示す正面図である。
【
図8】
図8は、補強板側挿通孔及び挿通孔に挿通された右側の溶着ボスピンの部分拡大平断面図である。
【
図9】
図9は、補強板側挿通孔及び挿通孔に挿通された左側の溶着ボスピンの部分拡大平断面図である。
【
図12】
図12は、他の実施形態におけるコネクタの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
第1の開示のコネクタは、
(1)ハウジングと、ハウジングに収容されることによって、位置決めされる複数の端子金具と、端子金具のハウジングから突出した接続部位が半田付けされるフレキシブル基板と、フレキシブル基板における一方の板面に貼り付けられた支持部材と、を備える。フレキシブル基板には、板厚方向に貫通した貫通孔が形成されている。端子金具の接続部位は、一方の板面側から貫通孔に挿通され、フレキシブル基板の他方の板面に設けられた半田付け面に半田付けされている。支持部材には、板厚方向に貫通した位置決め孔が形成されている。ハウジングには、位置決め孔に挿通されるボスピンが設けられており、位置決め孔は、フレキシブル基板の一方の板面によって閉塞されている。この構成によれば、位置決め孔の一端がフレキシブル基板の一方の板面によって閉塞され、位置決め孔の他端側からボスピンが挿通されるので、ボスピンが半田付け面が設けられた他方の板面側に露出しないで済む。このため、半田付け面に対して端子金具を半田付けする際、ボスピンが半田付けの熱に曝され難いので、ボスピンの変形を防止できる。
【0014】
(2)第1の開示において、フレキシブル基板に取り付けられた状態のハウジングを収容して、一方の板面側からフレキシブル基板に対して取り付けられるアウターカバーを備えることが好ましい。この構成によれば、フレキシブル基板からハウジングが脱落することを防止できる。
【0015】
(3)第1の開示において、支持部材及びフレキシブル基板には、フレキシブル基板の板厚方向に貫通して挿通孔が形成され、アウターカバーは、挿通孔に挿通され、他方の板面側に突出してフレキシブル基板に対して溶着される溶着ボスピンを有することが好ましい。この構成によれば、端子金具を半田付けした後にフレキシブル基板に対してアウターカバーを簡単に固定することができる。
【0016】
(4)第1の開示において、半田付け面を覆い、他方の板面側からフレキシブル基板を跨いでアウターカバーに係止する保護部材を備えることが好ましい。この構成によれば、半田付け面を保護するとともに、アウターカバーに係止することによってアウターカバーがフレキシブル基板から脱落することを防止できる。
【0017】
(5)第1の開示において、端子金具の接続部位が半田付けされた半田付け面に塗布され、半田付け面への液体の付着を防止する防水部材を備えることが好ましい。この構成によれば、半田付け面に液体が付着することを確実に防止できる。
【0018】
(6)第1の開示において、支持部材は、板状をなしており、フレキシブル基板は、一方の板面に支持部材が貼り付けられることによって、補強されることが好ましい。この構成によれば、支持部材に、フレキシブル基板を補強する機能、及びハウジングを位置決めする機能を付与して多機能化を図り、部品点数の増加を抑えることができる。
【0019】
第2の開示のコネクタは、
(7)板厚を前後方向に向け、前方に臨む取付け面を有するフレキシブル基板と、取付け面に取り付けられるハウジングと、を備えている。フレキシブル基板は、取付け面に連なって延出する延出部を有し、更に、延出部を取付け面よりも後方に屈曲させて案内する案内部を備えている。この構成によれば、案内部によってフレキシブル基板の延出部を屈曲させて案内することができる。
【0020】
(8)第2の開示において、ハウジングがフレキシブル基板に取り付けられた状態でフレキシブル基板に取り付け可能なアウターカバーを備え、案内部は、アウターカバーに一体的に設けられていることが好ましい。この構成によれば、実質的に、ハウジングをフレキシブル基板に取り付けた後に延出部を屈曲させることになるので、フレキシブル基板に対してハウジングが浮き上がった状態で取り付けられるような事態を避けることができる。
【0021】
(9)第2の開示において、取付け面を挟んで後方からアウターカバーに係止する保護部材を備えている。保護部材をアウターカバーに係止した状態において、案内部は、保護部材に対して前後方向に交差する方向に隣接している。延出部は、案内部と保護部材との間から後方に引き出されている。案内部には、延出部が接触する案内部側接触部が設けられている。保護部材には、延出部が接触する保護部材側接触部が設けられている。保護部材側接触部は、案内部側接触部よりも前方に位置していることが好ましい。この構成によれば、保護部材側接触部によって、延出部が案内部側接触部に接触した状態を保持し易くなり、これによって、延出部が後方に引き出される向きを安定させ易くできる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
<実施形態1>
本開示を具体化したコネクタ10を、
図1から
図11を参照して説明する。図中、「前側」、「後側」、「上側」、「下側」、「右側」、及び「左側」は、それぞれ「F」、「B」、「U」、「D」、「R」、及び「L」で表される本実施形態1では、左右方向は、幅方向に相当する。
【0023】
本実施形態に係るコネクタ10は、支持部材である補強板50が貼り付けられたフレキシブル基板であるフレキシブルケーブル30に取り付けられる。コネクタ10は、ハウジング11と、複数の端子金具12と、フレキシブルケーブル30と、支持部材である補強板50と、アウターカバー20と、案内部20Gと、保護部材70と、防水部材60と、を備えている。
【0024】
<ハウジング>
ハウジング11は、合成樹脂製である。
図1に示すように、ハウジング11は、幅方向(左右方向)に長いブロック状をなしている。ハウジング11の内部には、後述する端子金具12を収容するための複数のキャビティ11Aが前後方向に貫通して形成されている。各キャビティ11Aの前端の開口部11Bは、相手側端子が挿入される挿入孔として機能する。
【0025】
図2に示すように、ハウジング11の後端面には、円柱状をなして後向きに延びる一対のボスピン11Cが設けられている。一方のボスピン11Cは、ハウジング11の左端部に配置され、他方のボスピン11Cは、ハウジング11の左右方向中央部に配置されている。他方のボスピン11Cの外径は、一方のボスピン11Cの外径よりも大きい。
【0026】
<端子金具>
端子金具12は、金属板材を所定形状に打ち抜いてから曲げ加工を施して形成されている。
図1に示すように、端子金具12は、角筒部12A、及び挿通部12Bを有している。角筒部12Aは、前後方向に角筒状をなして延び、内部に相手側の端子金具のタブ(図示せず)に接触する接触片(図示せず)を収容している。挿通部12Bは、端子金具12における後端部に設けられている。挿通部12Bは、角筒部12Aから後向きに細長く延びて形成されている。
【0027】
各端子金具12は、ハウジング11の各キャビティ11Aに対して後方から挿入される。
図3に示すように、各キャビティ11Aに挿入された端子金具12は、各キャビティ11Aの前端部において前止まりにされる。前止まりにされた各端子金具12の挿通部12Bは、ハウジング11の後端よりも後方に突出した状態にされる。各端子金具12において、ハウジング11の後端よりも後方に突出した挿通部12Bの後端部(先端部)は、後述するフレキシブルケーブル30の半田付け面30Aに半田付けされる接続部位12Cである。こうして、複数の端子金具12は、ハウジング11に収容されることによって、相対的な位置が決まる。
【0028】
<フレキシブルケーブル>
フレキシブルケーブル30は、FFC(Flexible Flat Cable)やFPCに例示されるケーブルであって、外力を受けて容易に変形可能な柔軟性(変形性)を有している。フレキシブルケーブル30は、図示しない複数の配線パターンが設けられ、板厚方向を前後方向に向け、上下方向に長い帯状をなしている。
図4に示すように、フレキシブルケーブル30の前面は、一方の板面30Fであり、後面は、他方の板面30Eである。フレキシブルケーブル30の他方の板面30Eの先端部において、各配線パターンの端部は、露出されて複数の半田付け面30Aとして形成されている。これら半田付け面30Aは、幅方向(左右方向)に並んで形成されている。これら半田付け面30Aには、端子金具12の接続部位12Cが半田によって接続される(
図11参照)。
【0029】
フレキシブルケーブル30の先端部には、複数の貫通孔30B、及び2つの挿通孔30Cが板厚方向に貫通して形成されている。各貫通孔30Bは、各半田付け面30Aを板厚方向に貫通して形成されている。つまり、各貫通孔30Bは、各半田付け面30Aに対応した位置に形成されている。
【0030】
2つの挿通孔30Cは、帯の幅方向の両端部(左右方向の両端部)に1つずつ配置されている。2つの挿通孔30Cは、複数の貫通孔30Bよりもフレキシブルケーブル30の先端から離れた位置に配置されている。
【0031】
<補強板>
補強板50は、ガラスエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等が用いられて平板状をなしている。補強板50の板厚は、フレキシブルケーブル30の板厚よりも厚い。
図1に示すように、補強板50には、貫通孔である複数の補強板側貫通孔50A、挿通孔である2つの補強板側挿通孔50B、及び2つの位置決め孔50Cが板厚方向に貫通して形成されている。補強板側貫通孔50Aは、フレキシブルケーブル30の複数の貫通孔30Bに対応して配置されている。2つの補強板側挿通孔50Bは、フレキシブルケーブル30の2つの挿通孔30Cに対応して配置されている。補強板側挿通孔50Bの内径は、挿通孔30Cの内径よりも僅かに大きい(
図5参照)。2つの位置決め孔50Cのうちの一方は、補強板50の左端部に配置され、他方は、左右方向中央部に配置されている。一方の位置決め孔50Cの内径は、他方の位置決め孔50Cの内径よりも小さい。
【0032】
図5、6に示すように、補強板50は、接着剤を用いてフレキシブルケーブル30における先端部の一方の板面30Fに貼り付けられる。接着剤は、図示しない。これによって、フレキシブルケーブル30の先端部は、補強される。フレキシブルケーブル30の一方の板面30Fに貼り付けられた補強板50の前側の面は、フレキシブルケーブル30の一方の板面30Fの一部をなす取付け面50Dである。言い換えると、フレキシブルケーブル30は、取付け面50Dを有している。取付け面50Dは、前方に臨んでいる。取付け面50Dは、フレキシブルケーブル30の一方の板面30Fに貼り付けられていない露出した面である。フレキシブルケーブル30において、補強板50から下向きに延出する部分は、延出部30Dである(
図5参照)。延出部30Dは、取付け面50Dに連なって下向き延出している。
【0033】
図6に示すように、フレキシブルケーブル30の一方の板面30Fに貼り付けられた状態の補強板50において、各補強板側貫通孔50Aは、各貫通孔30Bに連通している。各補強板側挿通孔50Bは、各挿通孔30Cに連通している。各位置決め孔50Cの後端(一端)は、フレキシブルケーブル30の一方の板面30Fによって閉塞されている。
【0034】
図7に示すように、端子金具12が挿入されたハウジング11は、フレキシブルケーブル30に貼り付けられた補強板50の取付け面50Dに取り付けられる。具体的には、各端子金具12の挿通部12Bの接続部位12Cを、一方の板面30F側から補強板側貫通孔50A及び貫通孔30Bに挿通させる。これとともに、一対のボスピン11Cを一方の板面30F側から補強板50の位置決め孔50Cに挿入する。ボスピン11Cの外径は、挿入された位置決め孔50Cの内径よりも僅かに小さくなるように設定されている。ハウジング11の後端が補強板50の取付け面50Dに接触したところでハウジング11の補強板50への取り付けが完了する。
【0035】
ハウジング11の後端が補強板50の前面(取付け面50D)に接触した状態において、一対のボスピン11Cは、位置決め孔50C内に収まる。各端子金具12の挿通部12Bの接続部位12Cは、フレキシブルケーブル30の他方の板面30Eよりも後方に突出する。この状態で、接続部位12Cは、フレキシブルケーブル30の他方の板面30Eに設けられた半田付け面30Aに対して半田付けされる。一対のボスピン11Cは、位置決め孔50Cに収まるとともに、フレキシブルケーブル30の他方の板面30E側に露出していない。このため、一対のボスピン11Cは、溶融した半田の熱に曝されることがなく、ハウジング11をフレキシブルケーブル30に対して位置決めする機能を損なうことがない。
【0036】
<アウターカバー>
アウターカバー20は、合成樹脂製である。
図1に示すように、アウターカバー20は、ハウジング11を前方から収容するカバー本体部20A、及び補強板50を覆う覆い部20Cを有している。
【0037】
カバー本体部20Aは、板厚方向を前後方向に向けた前壁20Bの外周縁から後向きに角筒状に延びて形成されている。前壁20Bには、ハウジング11の各キャビティに対応して複数のタブ挿通孔20Nが前壁20Bの板厚方向(前後方向)に貫通して形成されている。
【0038】
覆い部20Cは、カバー本体部20Aの後端部から前後方向に直交する向きに張り出して形成されている。
図10に示すように、覆い部20Cは、上壁部20M、2つの溶着ボスピン20D、及び2つの爪部20Fを有している。上壁部20Mは、平板状をなして覆い部20Cにおける左右方向に延びる上端縁から後向きに延びて設けられている。上壁部20Mの左右方向両端部には、平板状をなして、板厚方向を左右方向に向け下向きに延びる側壁部20Eが設けられている。各側壁部20Eには、爪部20Fが1つずつ設けられている。これら爪部20Fは、各側壁部20Eの左右方向内向きの面から左右方向内向きに突出している。2つの溶着ボスピン20Dは、円柱状をなしている。これら溶着ボスピン20Dは、覆い部20Cの左右方向両端部の各々に1つずつ配置され、後向きに延びている。溶着ボスピン20Dは、カバー本体部20Aよりも下方に配置されている。
【0039】
<案内部>
案内部20Gは、フレキシブルケーブル30の延出部30Dを案内する機能を有している。案内部20Gは、アウターカバー20の覆い部20Cの下端縁に一体的に連結して設けられ、後向きに延びている。案内部20Gの上面には、第1傾斜面20Hと、接続面20Jと、第2傾斜面20Kと、平行面20Lと、がこの順に連なって形成されている。第1傾斜面20Hは、覆い部20Cの下端縁の後側に連続し、後向き下方に傾斜して形成されている。接続面20Jは、第1傾斜面20Hの後端に連続し、下向きに延びて形成されている。第2傾斜面20Kは、接続面20Jの下端に連続し、後向き下方に傾斜して形成されている。平行面20Lは、第2傾斜面20Kの後端に連続し、前後方向に対して平行をなして後向きに延びて形成されている。
【0040】
図11に示すように、前後方向に延びる仮想線V1に対して第1傾斜面20Hがなす角度θ1は、前後方向に延びる仮想線V2に対して第2傾斜面20Kがなす角度θ2よりも大きい。ここで、仮想線V1と、仮想線V2とは、平行である。第1傾斜面20H、及び第2傾斜面20Kは、接続面20Jを介して段差状に形成されている。
【0041】
アウターカバー20は、フレキシブルケーブル30に取り付けられた状態のハウジング11を前方から収容して、一方の板面30F側からフレキシブルケーブル30に対して取り付けられる。具体的には、アウターカバー20の姿勢を、案内部20G、及び上壁部20Mがカバー本体部20Aよりも後方に位置し、且つ案内部20Gが上壁部20Mの下方に位置するようにする。そして、カバー本体部20Aをハウジング11に対して前方から接近させて被せる。このとき、フレキシブルケーブル30の延出部30Dは、案内部20Gによって後向きに押され、取付け面50Dよりも後方に屈曲される。そして、補強板50の前面(取付け面50D)は、覆い部20Cによって覆われる。
【0042】
図7に示すように、一対の爪部20Fは、フレキシブルケーブル30の他方の板面30Eの左右方向の両端縁の各々に係止する。これとともに、一対の溶着ボスピン20Dは、各補強板側挿通孔50B、及び各挿通孔30Cに挿通され(
図8、9参照)、フレキシブルケーブル30の他方の板面30E側に突出した状態になる。そして、他方の板面30E側に突出した各溶着ボスピン20Dは、溶着コテによって熱を加えられつつ潰されて笠形形状Wに変形させられる。こうして、各溶着ボスピン20Dは、フレキシブルケーブル30に対して溶着される。
【0043】
<防水部材>
防水部材60は、例えば、シリコーン樹脂やレジン等の合成樹脂製である。防水部材60は、半田付け面30A及び接続部位12Cの全体を露出しないように隠蔽する。防水部材60は、流動性を有した状態で接続部位12Cが半田付けされた半田付け面30A及びその周辺に塗布される。そして、塗布された防水部材60は、紫外線や赤外線等の電磁波が照射されることによって硬化する。硬化した防水部材60は、接続部位12Cや半田付け面30Aへの液体の付着を防止する機能を有する。
【0044】
<保護部材>
保護部材70は、合成樹脂製である。
図1に示すように、保護部材70は、左右方向に長く形成されている。保護部材70は、一対の係止壁部70Aと、案内壁部70Bを有している。一対の係止壁部70Aは、左右方向の両端部の各々から1つずつ前向きに延びている。係止壁部70Aの前端部には、左右方向内向きに突出する爪部70Cが設けられている。
【0045】
案内壁部70Bは、左右方向に幅を有し、保護部材70の左右方向に延びる下端縁に連続して前向きに延びている。
図11に示すように、案内壁部70Bの下面は、前向き上方に傾斜して形成されている。案内壁部70Bの下面の前部には、下向きに突出して形成された凸部70Dが設けられている。凸部70Dは、左右方向に長いリブ状をなしている(
図1参照)。凸部70Dの下端面は、前向き上方に傾斜している。
【0046】
保護部材70は、半田付け面30Aを後方から覆い、フレキシブルケーブル30の他方の板面30E側から組み付けられる。保護部材70は、案内部20Gと上壁部20Mとの間に後方から挿入される。このとき、案内壁部70Bと案内部20Gとによってフレキシブルケーブル30の延出部30Dが挟み込まれ、案内壁部70Bと案内部20Gとの間から延出部30Dが後方に引き出される。延出部30Dは、案内壁部70Bよりも下方に位置し、案内部20Gよりも上方に位置している。
【0047】
各係止壁部70Aは、他方の板面30E側からフレキシブルケーブル30を跨いで一方の板面30Fよりも前方に突出し、各爪部70Cがアウターカバー20に形成された被係止部20Qに係止する(
図7参照)。各係止壁部70Aは、取付け面50Dを挟んで後方からアウターカバー20に係止する(
図7参照)。
【0048】
案内壁部70Bの凸部70Dは、後向きに屈曲されたフレキシブルケーブル30の延出部30Dに対して上方から接触する。具体的には、凸部70Dの下端は、半田付け面30Aが設けられた他方の板面30Eに連なる板面に接触する。凸部70Dの下端は、延出部30Dが接触する保護部材側接触部70Eである。これに対して、案内部20Gの平行面20Lは、補強板50が貼り付けられた一方の板面30Fに連なる板面に接触する。平行面20Lは、延出部30Dが接触する案内部側接触部20Pである。保護部材70がアウターカバー20に取り付けられた状態において、凸部70Dは、案内部20Gの後端よりも前方に位置している。言い換えると、保護部材70がアウターカバー20に取り付けられた状態において、保護部材側接触部70Eは、案内部側接触部20Pよりも前方に位置している。保護部材70をアウターカバー20に係止した状態において、案内部20Gは、保護部材70の下方(前後方向に交差する方向)に隣接した位置に配置される。
【0049】
次に、実施形態1の作用を説明する。
コネクタ10は、ハウジング11と、複数の端子金具12と、フレキシブルケーブル30と、補強板50と、を備える。複数の端子金具12は、ハウジング11に収容されることによって、位置決めされる。フレキシブルケーブル30は、端子金具12のハウジング11から突出した接続部位12Cが半田付けされる。補強板50は、フレキシブルケーブル30における一方の板面30Fに貼り付けられている。フレキシブルケーブル30には、板厚方向に貫通した貫通孔30Bが形成されている。端子金具12の接続部位12Cは、一方の板面30F側から貫通孔30Bに挿通され、フレキシブルケーブル30の他方の板面30Eに設けられた半田付け面30Aに半田付けされている。補強板50には、板厚方向に貫通した位置決め孔50Cが形成されている。ハウジング11には、位置決め孔50Cに挿通されるボスピン11Cが設けられており、位置決め孔50Cの後端は、フレキシブルケーブル30の一方の板面30Fによって閉塞されている。
【0050】
この構成によれば、位置決め孔50Cの一端がフレキシブルケーブル30の一方の板面30Fによって閉塞され、位置決め孔50Cの他端側からボスピン11Cが挿通されるので、半田付け面30Aが設けられた他方の板面30E側にボスピン11Cが露出しないで済む。このため、半田付け面30Aに対して端子金具12を半田付けする際、ボスピン11Cが半田付けの熱に曝され難いので、ボスピン11Cの変形を防止できる。
【0051】
コネクタ10は、フレキシブルケーブル30に取り付けられた状態のハウジング11を収容して、一方の板面30F側からフレキシブルケーブル30に対して取り付けられるアウターカバー20を備える。この構成によれば、フレキシブルケーブル30からハウジング11が脱落することを防止できる。
【0052】
コネクタ10において、補強板50には、補強板50の板厚方向に貫通して補強板側挿通孔50Bが形成され、フレキシブルケーブル30には、フレキシブルケーブル30の板厚方向に貫通して挿通孔30Cが形成されている。アウターカバー20は、補強板側挿通孔50B及び挿通孔30Cに挿通され、他方の板面30E側に突出してフレキシブルケーブル30に対して溶着される溶着ボスピン20Dを有する。この構成によれば、端子金具12を半田付けした後にフレキシブルケーブル30に対してアウターカバー20を簡単に固定することができる。
【0053】
コネクタ10は、半田付け面30Aを覆い、他方の板面30E側からフレキシブルケーブル30を跨いでアウターカバー20に係止する保護部材70を備える。この構成によれば、半田付け面30Aを保護するとともに、アウターカバー20に係止することによってアウターカバー20がフレキシブルケーブル30から脱落することを防止できる。
【0054】
コネクタ10は、端子金具12の接続部位12Cが半田付けされた半田付け面30Aに塗布され、半田付け面30Aへの液体の付着を防止する防水部材60を備える。この構成によれば、半田付け面30Aに液体が付着することを確実に防止できる。
【0055】
コネクタ10において、補強板50は、板状をなしている。フレキシブルケーブル30は、一方の板面30Fに補強板50が貼り付けられることによって、補強される。この構成によれば、補強板50に、フレキシブルケーブル30を補強する機能、及びハウジング11を位置決めする機能を付与して多機能化を図り、部品点数の増加を抑えることができる。
【0056】
コネクタ10は、板厚を前後方向に向け、前方に臨む取付け面50Dを有するフレキシブルケーブル30と、取付け面50Dに取り付けられるハウジング11と、を備えている。フレキシブルケーブル30は、取付け面50Dに連なって延出する延出部30Dを有している。更に、コネクタ10は、延出部30Dを取付け面50Dよりも後方に屈曲させて案内する案内部20Gを備えている。この構成によれば、案内部20Gによってフレキシブルケーブル30の延出部30Dを屈曲させて案内することができる。
【0057】
コネクタ10は、ハウジング11がフレキシブルケーブル30に取り付けられた状態でフレキシブルケーブル30に取り付け可能なアウターカバー20を備えている。案内部20Gは、アウターカバー20に一体的に設けられている。この構成によれば、実質的に、ハウジング11をフレキシブルケーブル30に取り付けた後に延出部30Dを屈曲させることになるので、フレキシブルケーブル30に対してハウジング11が浮き上がった状態で取り付けられるような事態を避けることができる。
【0058】
コネクタ10は、取付け面50Dを挟んで後方からアウターカバー20に係止する保護部材70を備えている。保護部材70をアウターカバー20に係止した状態において、案内部20Gは、保護部材70に対して前後方向に交差する方向に隣接し、延出部30Dは、案内部20Gと保護部材70との間から後方に引き出される。案内部20Gには、延出部30Dが接触する案内部側接触部20Pが設けられ、保護部材70には、延出部30Dが接触する保護部材側接触部70Eが設けられ、保護部材側接触部70Eは、案内部側接触部20Pよりも前方に位置している。この構成によれば、保護部材側接触部70Eによって、延出部30Dが案内部側接触部20Pに接触した状態を保持し易くなり、これによって、延出部30Dが後方に引き出される向きを安定させ易くできる。
【0059】
[本開示の他の実施形態]
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態1に限定されるものではない。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
(1)実施形態1とは異なり、ハウジングに案内部を一体的に設けた構成としてもよい。この場合、フレキシブルケーブルからハウジングが浮き上がることを防止するために、フレキシブルケーブルの先端部における左右方向両端部に係止する一対の爪部をハウジングに設けることが好ましい。また、
図12に示すように、案内部を設けなくてもよい。この場合、延出部30Dは、案内壁部170Bと、覆い部120Cと、によって前後方向から挟まれた状態にされ、下向きに引き出される。
(2)端子金具が雄端子金具であってもよい。
(3)実施形態1とは異なり、保護部材を設けず、保護部材が配置される領域まで防水部材を塗布してもよい。また、防水部材を塗布せず、保護部材を取り付ける構成であってもよい。
(4)ボスピンの位置は、実施形態1に例示された位置に限らない。また、各ボスピンの外径を同じにしてもよい。
(5)合成樹脂を用いて立体的に成型された支持部材をフレキシブルケーブルに貼り付けてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…コネクタ
11…ハウジング
11A…キャビティ
11B…開口部
11C…ボスピン
12…端子金具
12A…角筒部
12B…挿通部
12C…接続部位
20…アウターカバー
20A…カバー本体部
20B…前壁
20C,120C…覆い部
20D…溶着ボスピン
20E…側壁部
20F…爪部
20G…案内部
20H…第1傾斜面
20J…接続面
20K…第2傾斜面
20L…平行面
20M…上壁部
20N…タブ挿通孔
20P…案内部側接触部
20Q…被係止部
30…フレキシブルケーブル(フレキシブル基板)
30A…半田付け面
30B…貫通孔
30C…挿通孔
30D…延出部
30E…他方の板面
30F…一方の板面
50…補強板(支持部材)
50A…補強板側貫通孔(貫通孔)
50B…補強板側挿通孔(挿通孔)
50C…位置決め孔
50D…取付け面
60…防水部材
70…保護部材
70A…係止壁部
70B,170B…案内壁部
70C…爪部
70D…凸部
70E…保護部材側接触部
W…笠形形状
V1,V2…仮想線
θ1…前後方向に対して第1傾斜面がなす角度
θ2…前後方向に対して第2傾斜面がなす角度