IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社TOSEIの特許一覧

<>
  • 特開-真空包装装置 図1
  • 特開-真空包装装置 図2
  • 特開-真空包装装置 図3
  • 特開-真空包装装置 図4
  • 特開-真空包装装置 図5
  • 特開-真空包装装置 図6
  • 特開-真空包装装置 図7
  • 特開-真空包装装置 図8
  • 特開-真空包装装置 図9
  • 特開-真空包装装置 図10
  • 特開-真空包装装置 図11
  • 特開-真空包装装置 図12
  • 特開-真空包装装置 図13
  • 特開-真空包装装置 図14
  • 特開-真空包装装置 図15
  • 特開-真空包装装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179033
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】真空包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 31/02 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B65B31/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092068
(22)【出願日】2022-06-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月7日にFOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍵山 達也
(72)【発明者】
【氏名】浅利 達也
(72)【発明者】
【氏名】水口 健太
(72)【発明者】
【氏名】中村 麻日奈
(72)【発明者】
【氏名】森田 祐規子
(72)【発明者】
【氏名】椙山 秀昭
【テーマコード(参考)】
3E053
【Fターム(参考)】
3E053AA06
3E053CB02
3E053FA01
3E053GA19
3E053GA20
3E053JA07
(57)【要約】
【課題】利便性の高い真空包装装置を提供する。
【解決手段】チャンバ内に収容された被包装物を真空包装する真空包装装置であって、ディスプレイと、真空包装時にチャンバ内で変化する物理量を取得し、真空包装時の時間を取得する測定値取得部103と、取得された物理量と時間とに基づいて、時間経過における物理量の変化をディスプレイにグラフ表示する入出力部101およびグラフ生成部107とを備えた。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内に収容された被包装物を真空包装する真空包装装置であって、
ディスプレイと、
真空包装時に前記チャンバ内で変化する物理量を取得する物理量取得部と、
真空包装時の時間を取得する時間取得部と、
取得された前記物理量と前記時間とに基づいて、時間経過における物理量の変化を前記ディスプレイにグラフ表示する表示部と
を備えることを特徴とする真空包装装置。
【請求項2】
前記物理量は、圧力値、温度、または圧力値に基づく真空度の少なくともいずれかである
ことを特徴とする請求項1記載の真空包装装置。
【請求項3】
前記ディスプレイに表示されるグラフは、折れ線グラフである
ことを特徴とする請求項1記載の真空包装装置。
【請求項4】
前記ディスプレイは、前記グラフ表示と現時点での物理量及び時間の数字表示とを切り替え可能に表示する
ことを特徴とする請求項1記載の真空包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被包装物が収納された包装袋を収容するチャンバ内を減圧することにより被包装物を真空包装する真空包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品などの被包装物を包装する包装方法の一つとして真空包装が知られている。真空包装は、真空包装装置のチャンバー内に被包装物が収納された包装袋を装填し、チャンバー内を減圧して包装袋内を脱気し、この状態で包装袋の被包装物投入口をシール用ヒータなどにより封止して行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-055805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、利便性の高い真空包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の真空包装装置は、チャンバ内に収容された被包装物を真空包装する真空包装装置であって、ディスプレイと、真空包装時に前記チャンバ内で変化する物理量を取得する物理量取得部と、真空包装時の時間を取得する時間取得部と、取得された前記物理量と前記時間とに基づいて、時間経過における物理量の変化を前記ディスプレイにグラフ表示する表示部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係る真空包装装置を示す概略斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る真空包装装置の制御系を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るタッチパネルの初期画面を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るタッチパネルにおいてコースボタンが選択された場合の画面を示す図である。
図5】第1の実施形態に係るタッチパネルにおいて機能ボタンが選択された場合の画面を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る画像コード表示ボタンが選択された場合の画面を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るプロテクトデータ収集ボタンが選択された場合の画面を示す図である。
図8】第1の実施形態に係るメモ帳ボタンが選択された場合の画面を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る真空包装装置の機能構成を示すブロック図である。
図10】第1の実施形態に係るメモ生成処理を示すフローチャートである。
図11】第1の実施形態に係るメモ表示処理を示すフローチャートである。
図12】第2の実施形態に係る真空包装装置の機能構成を示すブロック図である。
図13】第2の実施形態に係るタッチパネルにおいてコースボタンが選択された場合の画面を示す図である。
図14】第2の実施形態に係るグラフ生成処理を含む真空包装処理を示すフローチャートである。
図15】第3の実施形態に係る真空包装装置の遠隔操作を説明するための図である。
図16】第4の実施形態に係る真空包装装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態においては、調理等がなされた食材を被包装物とし、これを真空包装用のビニール袋等の包装袋に収納した状態(パック詰めの状態)において真空包装処理を行う真空包装装置を例にとり説明を行う。
【0008】
<第1の実施形態>
(装置構成)
本実施形態に係る真空包装装置の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係る真空包装装置を示す概略斜視図である。図1に示されるように、本実施形態に係る真空包装装置10は、本体20と、タッチパネル30と、メモリスロット40とを備える。
【0009】
本体20は、被包装物を収容して内部空間が真空引きされるチャンバや、真空引きされた包装袋の口部をヒートシール等により封止する封止装置(それぞれ不図示)を有し、その正面にはタッチパネルディスプレイ(以後、タッチパネルと称する)30が設けられている。タッチパネル30は、ユーザによって動作メニューのタッチ選択、各種データの設定値を入力する時に使用される。メモリスロット40は、本体20の前側面に設けられ、SDメモリカード等の外付けメモリMが挿抜可能となっている。外付けメモリMは、真空包装装置10の後述する内部の記憶装置503(図2参照)に蓄積記憶した設定値データ(例えばコースNo、真空対象、シール秒数、シール冷却秒数)、および真空包装処理中の各種測定値データ(例えば、温度、圧力(気圧)、時間)をロギングデータ(レコードとも言う)として保存することができる。ここでは、外付けメモリMとしてSDメモリカードを使用する例を示すが、他のメモリ、例えばUSBメモリなどであっても良い。
【0010】
図2は、本実施形態に係る真空包装装置の制御系を示すブロック図である。図2に示されるように、真空包装装置10は、制御装置(制御基板)50を備える。
【0011】
制御装置50は、真空包装装置10の制御を行うCPU(Central Processing Unit)501と、CPU501の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)502と、真空包装装置10の動作を制御する各種プログラムや各種設定値データ、ロギングデータを記憶する不揮発性の記憶装置503と、各種信号の入出力処理を行うIF(InterFace)回路504等を備える。なお、記憶装置503には、フラッシュメモリや、装置電源がOFFとなっても内部電池により通電状態が維持可能に構成されたSRAM(Static Random Access Memory)等を用いることが好ましい。
【0012】
制御装置50は、各装置からの信号を入力及び/又は各装置を作動制御するための制御信号を出力可能に接続されている。具体的には、制御装置50は、バックアップ電池が接続されて常時動作可能なタイマ(時計)510と、本体20のチャンバ内の圧力を検出する圧力センサ520と、チャンバ内の被包装物の温度(表面温度)を非接触で検出する温度センサ530とに接続されており、適宜それらのデータを取得する。その他、制御装置50は、本体20の蓋部の開閉を検知する開閉センサ、包装袋を封止するシール用ヒータ、真空引き及び真空破壊を行うための真空ポンプ及び各種電磁弁等と制御可能に接続される。
【0013】
以下、タッチパネル30の操作と、操作に応じて表示される各種画面とについて説明する。図3は本実施形態に係るタッチパネルの初期画面を示す図であり、図4はタッチパネルにおいてコースボタンが選択された場合の画面を示す図である。
【0014】
制御装置50は、IF回路504を介して本体20に実装されているタッチパネル30と接続されており、ユーザのタッチパネル30の操作を取得するとともに、取得された操作情報に応じた処理結果をタッチパネル30に表示する。
【0015】
図3に示されるように、タッチパネル30は、真空包装装置10の電源がONとなった直後(起動時)、初期画面を表示する。初期画面には、4つのコースボタン310a~310d、修正ボタン320、機能ボタン330、及びメモ帳ボタン390が含まれている。なお、コースボタン310a~310dを区別しない場合は、コースボタン310と称して説明を行う。また、これらのボタン及び以降に説明するタッチパネル30に表示される各種ボタンは、ユーザがタッチ(または押下)ことで選択可能なGUI(Graphical User Interface)として表示される。
【0016】
本実施形態において4つのコースボタン310a~310dは、コースNo.1~4をそれぞれ示すボタンであり、真空の度合いを示す「真空対象」、真空引きを行う秒数としての「真空」、ガス封入の有無を示す「ガス」、包装袋のヒートシール秒数を示す「シール」、ヒートシール後の放置(冷却)時間を示す「冷却」、その他の特殊設定を示す「特殊設定」の各項目がそれぞれ設定されている。なお、コースボタン310dは、他とは異なり真空度70%での脱気を行うコースとして設定されている。これらのコース内容はユーザにて適宜設定変更可能であり、例えば修正ボタン320を選択することで各コースの修正を行えるようにしてもよい。
【0017】
画面右上には、1日に真空包装処理を行った回数が「xxパック」として表示され、ユーザが処理回数を視認可能となっている。また、画面右下にはタイマ510から取得された年月日と時刻とが表示される。
【0018】
ユーザによりいずれかのコースボタン310が選択されると、図4に示される真空包装ウィンドウ311がタッチパネル30に表示される。この状態において、ユーザが本体20のチャンバ内に被包装物を収容した包装袋を載置し、蓋部を閉めると、開閉センサが蓋部の閉塞を検知し、制御装置50に検知信号が出力される。検知信号を取得した制御装置50は、真空ポンプや電磁弁、シール用ヒータを駆動させて真空包装処理を行う。ここでの真空包装処理は、真空ポンプによりチャンバ内が真空引きされ、所定の真空度に達した後に被包装物が収容された包装袋の口部がシール用ヒータにより封止され、封止後に電磁弁により大気開放され、所定時間放置(冷却)がなされる処理である。この真空包装処理実行中も真空包装ウィンドウ311の表示が維持される。
【0019】
真空包装ウィンドウ311は、選択されたコースの情報が示されるコース情報欄312が含まれており、その画面右隣には真空包装処理を中断する中断ボタン313が設けられている。なお、中断ボタン313が選択された場合、制御装置50は真空包装処理を中断するが、その際に中断ボタン313における「中断」表記を「再開」表記に変更し、再度選択された場合は真空包装処理を再開するようにしてもよい。真空包装ウィンドウ311の下方には真空包装処理中に所定のサンプリング間隔で取得される測定値を表示する測定値ウィンドウ314が設けられている。
【0020】
本実施形態においては、測定値ウィンドウ314には、圧力センサ520から例えば0.5秒刻みのサンプリング間隔でチャンバ内の気圧(kPa)が測定値として取得され、これが真空度に変換されてパーセンテージで示される。また、タイマ510から取得された真空包装処理開始時の時刻に基づく、真空包装処理が終了するまでの残り時間が表示される。つまり、残り時間が1秒減少するに伴い、真空度が2度更新されることとなる。これによりユーザは、現在どのような真空度で残り時間が何秒であるかを容易に認識することができる。
【0021】
真空包装処理が終了すると、当該終了を示す情報を測定値ウィンドウ314内に表示することが好ましく、ユーザは引き続き同コースで他の包装袋を処理するか、1つ戻るボタンを押してコースを選び直すか等選択すればよい。引き続き同コースで他の包装袋を処理する場合、処理後の包装袋を取り出した後、処理対象の包装袋をチャンバに設置し、再度蓋部を閉めれば真空包装処理が再度実行されることとなる。
【0022】
図5は、本実施形態に係るタッチパネルにおいて機能ボタンが選択された場合の画面を示す図である。初期画面において機能ボタン330が選択されると、図5に示される機能画面が表示される。この機能画面には、画像コード表示ボタン340、プロテクトボタン350、プロテクトデータ収集ボタン360、ログデータ収集ボタン370、設定値書き出しボタン380、及びメモ帳ボタン390が含まれている。その他、図5に示されるように、本体機能設定、ポンプクリーニング、メンテナンス情報、真空度設定の目安の各種機能ボタンを機能画面に含めるようにしてもよい。以下、画像コード表示ボタン340、プロテクトボタン350、プロテクトデータ収集ボタン360、ログデータ収集ボタン370、設定値書き出しボタン380、及びメモ帳ボタン390について説明する。
【0023】
(画像コード表示ボタン340)
図6は、本実施形態に係る画像コード表示ボタンが選択された場合の画面を示す図である。画像コード表示ボタン340は、2次元コードを表示するボタンであり、図6に示されるように、ユーザにより選択されると、制御装置50が機能画面上にダイアログボックス341と共に画像として2次元コード342を表示させる。ユーザは、2次元コードを読み取り可能なカメラを有するスマートフォン等のタブレット端末を用いて、2次元コード342を読み取ることで様々な有用な情報を容易に得ることができる。
【0024】
例えば2次元コード342を読み取ることでインターネットに接続され、真空包装装置10を用いた料理のレシピ及び真空包装装置10の設定値等の情報が掲載されたホームページ、動画サイト、及びPDFなどのリンク先をその場で閲覧でき、調理や真空包装装置10の設定を誤ってしまうといった事態を回避することができる。なお、2次元コード342は、1つはレシピ、1つは真空包装装置10のマニュアル等、複数種類表示させてもよく、その場合、2次元コード342に隣接してその説明が記載されることが好ましい。
【0025】
例えば、何らかの操作ミス、装置の不具合が生じることにより表示されるエラーコードを検索するサイトのURL(Uniform Resource Locator)を示す2次元コードを用意しておけば、エラーコードが表示された場合に容易に原因を把握することができる。また、ネットショップに繋がる2次元コードを用意すれば、包装袋の発注等も容易となる。なお、本実施形態においては2次元コード342をQRコード(登録商標)としているが、ネットワーク上のリンクに接続可能なバーコードであればよい。
【0026】
(プロテクトボタン350)
プロテクトボタン350は、その時点において蓄積されたロギングデータの書き出しを行うためのボタンである。通常、ロギングデータは時刻設定がなされており、直前の蓄積タイミングから設定時刻までの全データを蓄積するようにされている。したがって、例えば1日経過毎に記憶装置503、またはメモリスロット40に外付けメモリMが挿入されていれば外付けメモリ40に個別のファイル(以後、ログファイルと称する)が生成され、1日分蓄積されたロギングデータが当該ファイルに格納される。このように、ロギングデータを多数のログファイルに分けて格納することにより、故障時のチェック対象のロギングデータを容易に見分けることができる。また、記憶装置503には、設定値と、当該設定値が入力された真空包装装置10の真空包装処理中の測定値とが1つのレコードとしてログファイル単位に格納されるので、トラブル対応時のエラーチェックが容易に行える。
【0027】
なお、ロギングデータを蓄積するタイミングとしては、このような時刻設定のみならず、一定周期、条件設定が用意されてもよい。一定周期は、決まった時間間隔でデータを蓄積したい用途に使用する。条件設定は、所定の条件が成立したときに、そのデータを蓄積する場合に使用する。また、蓄積できるデータには、瞬時値と差分値のどちらかが選択できる。瞬時値は、蓄積周期ごとに、現在の値が記録される。差分値は、蓄積周期ごとに前回値を引いた値が記録される。
【0028】
一方、プロテクトボタン350が選択されると、制御装置50は、1日毎に生成されるログファイルとは切り離された別ファイルとしてプロテクトファイルを記憶装置503に生成し、その時点で蓄積されたロギングデータを当該ファイルに格納(例えば、現時点での最新のログファイル内のロギングデータをプロテクトファイル内にコピー)する。これによりユーザは、ログファイルとは異なる別ファイルとして、現時点でのロギングデータを管理することができる。
【0029】
生成されたプロテクトファイルは、例えば名前を変更してCSV形式で適宜書き出すことも可能である。例えばプロテクトファイルをPC(Personal Computer)等の情報処理装置で閲覧する場合、ユーザはメモリスロット40に外付けメモリMを挿入し、図7(a)に示されるように外付けメモリボタン361を選択する。選択後、制御装置50は、外付けメモリMが認識可能であるか否かを判定し、認識可能である場合、図7(b)に示されるようにダイアログボックス362を機能画面に表示して書き出しを行うか否かをユーザに選択させる。OKボタンが選択されると、制御装置50は外付けメモリMにプロテクトファイルをコピーする。
【0030】
(ログデータ収集ボタン370及び設定値書き出しボタン380)
外付けメモリMへのデータ書き出しは、プロテクトファイルのみならず、ログファイルや設定値データも可能である。ログデータ収集ボタン370及び設定値書き出しボタン380は、これらデータを書き出すためのボタンである。ログファイルを書き出したい場合、ユーザはログデータ収集ボタン370を選択する。ログデータ収集ボタン370が選択されると制御装置50は、全ログファイルを個別に選択可能なウィンドウを機能画面上に表示し、書き出し対象のログファイルをユーザに選択させる。選択後、書き出しOKのボタンを選択することで外付けメモリMに選択されたログファイルをコピーする。
【0031】
設定値データを書き出す場合も同様である。ロギングデータは設定値データを含むものであるが、設定値データのみを書き出したい場合、ユーザは設定値書き出しボタン380を選択する。設定値書き出しボタン380が選択されると、制御装置50は、ダイアログボックスを機能画面に表示させ、真空包装装置10の設定値、例えばコースボタン310a~310dの設定値等の設定値データの書き出しを行うか否かをユーザに選択させる。OKボタンが選択されると、制御装置50は外付けメモリMに設定値データをコピーする。
【0032】
また、書き出しとは逆に設定値データを読み込むようにしてもよい。例えば、機能画面が外付けメモリMに格納された設定値データを読み込む「設定値読み込み」ボタンを更に含んでもよい。当該ボタンの選択がされると、制御装置50は、外付けメモリMから設定値データを読み込み、真空包装装置10の設定値に反映させる。
【0033】
また、外付けメモリM内に格納された画像をタッチパネル30の各種ボタン等のアイコンとして読み込み、反映させるようにしてもよい。この場合、どの画像をどの位置に位置付けるかなどがタッチパネル30上で操作できることが好ましい。
【0034】
(メモ帳ボタン390)
メモ帳ボタン390は、タッチパネル30に表示される各画面、例えば図3に示される初期画面や、図5に示される機能画面など、略全ての画面に含まれており、それぞれ対応する画面に手書きのメモを生成、貼り付ける(表示する)機能を実行するためのボタンである。
【0035】
図8は、本実施形態に係るメモ帳ボタンが選択された場合の画面を示す図である。図8に示されるように、メモ帳ボタン390が選択されると、制御装置50はメモ帳作成用のメモ帳ウィンドウ391を、ボタン選択時にタッチパネル30に表示されている画面上に表示する。メモ帳ウィンドウ391には、手書きで文字入力可能なメモ領域392が設けられており、ユーザは自身の指、またはタッチパネル専用のペンで文字や記号、絵等の描画オブジェクトの入力が可能となっている。描画オブジェクトが入力されたメモ領域392の内容がメモデータとして記憶装置503に格納される。このメモデータは、例えばメモ領域392の画像データであってもよい。本実施形態においては、メモは1つの画面に1つ貼り付けることが可能となっているが、複数のメモが1つの画面に貼り付けられるようにしてもよい。
【0036】
メモ領域392の画面右隣には、プラス記号で示されるページ送りボタン、マイナス記号で示されるページ戻りボタンを含むメモ切替ボタン393が設けられている。メモ切替ボタン393を選択することで既に生成された各メモを表示させ、その閲覧、編集、削除が可能となっている。本実施形態において、メモは1つの画面に1つ貼り付けられるため、全てのメモを確認する場合は各画面を巡る必要があるが、このメモ切替ボタン393を用いれば各メモを迅速に確認することができる。なお、メモ切替ボタン393の操作によって表示される各メモは、それぞれ初期画面のメモ、機能画面のメモなど、どの画面に貼り付けられたものであるのかを示す情報と共に表示されることが好ましい。
【0037】
メモ領域392の画面下方には、オプションボタン394が設けられている。本実施形態においては、オプションボタン394は主にメモ領域392に文字を記入するためのペン(触れた際のポインタ)のサイズ(ドットの大きさ)や色の変更、記入した内容の削除等を行うものである。例えばペンサイズの基準である「1」ボタン、ペンサイズを「1」ボタンの2×2のサイズに変更するための「2」ボタン、直線の描画をするための「直線」ボタン、自身で設定した矩形の選択範囲内における文字や線などの描画オブジェクトを削除するための「領域削除」ボタン、メモ領域392の全領域を削除するための「全削除」ボタン、記入する描画オブジェクトの色を変更するための「赤」、「黄」、「緑」、「青」、「紫」、「白」、及び「黒」の色ボタンが用意されている。
【0038】
これらオプションボタン394は、適宜設定変更可能であり、「1」や「2」よりサイズが大きい「3」や「4」のサイズボタンや、水色や黄緑色などの色ボタンを用意してもよい。なお、デフォルトでは「1」ボタン及び「黒」ボタンが選択されており、「直線」ボタン、「領域削除」ボタンはオルタネイト方式のボタンとすることが好ましい。
【0039】
メモ領域392に入力された情報は、所定のタイミングで現画面を示す情報と日時情報とに対応付けられてメモデータとして記憶装置503に格納される。所定のタイミングとしては、メモ領域392への入力の終了とみなすことができる終了操作がなされるタイミングが一例として挙げられる。ここでの終了操作とは、例えばメモ切替ボタン393の選択操作やメモ帳ウィンドウ391を閉じる操作、機能画面から初期画面への切り替えや初期画面から真空包装ウィンドウ311への切り替え、真空包装ウィンドウ311から初期画面への切り替え等の画面を切り替える操作、が挙げられる。これにより真空包装装置10の電源がOFFとなった場合でもメモデータが消去されることはない。
【0040】
なお、生成されたメモデータは、タッチパネル30にフラッシュメモリや、内部電池により通電状態が維持可能に構成されたSRAM等、不揮発性または不揮発性を持たせた記憶領域が設けられている場合は、その記憶領域に格納するようにしてもよく、外付けメモリMがメモリスロット40に挿入されていれば、外付けメモリMに格納するようにしてもよい。
【0041】
本実施形態において生成されたメモデータは、対応付けられている画面が表示された際に、自動的にポップアップ方式で表示される。例えば、真空包装装置10の起動時、初期画面が表示された際に、初期画面に対応付けられているメモデータが読み出されて即時表示される。また、例えば機能画面にもメモデータが対応付けられている場合、初期画面から機能画面に切り替わった際に当該メモデータが表示されることとなる。これによりユーザは、メモ帳ボタン390を選択することなく、その画面において伝達されるべき情報をすぐに且つ容易に得ることができるため、画面に対応付けられたメモデータの即時表示は、作業時間の短縮、伝達事項の見落としの防止などの有用な効果を奏する。なお、表示されたメモデータは閉じるボタンを選択することにより閉じられることが好ましい。
【0042】
その他、生成された各メモデータに対してID(identification)を設定し、検索用のダイアログボックスを用意して検索可能としてもよい。これにより過去のメモデータの再確認、削除などが容易となる。また、メモデータの格納時には、制御装置50が記憶装置503の記憶容量に基づいてメモ作成が可能か否かを判定し、可能である場合のみ格納の処理を継続し、不可能である場合はエラーを音と共に画面に表示することでユーザに報知するようにしてもよい。
【0043】
(機能構成)
以下、図9を用いて本実施形態に係る真空包装装置の機能について説明する。図9は、本実施形態に係る真空包装装置の機能構成を示すブロック図である。図9に示されるように、本実施形態に係る真空包装装置10は、入出力部101と、包装処理部102と、測定値取得部103と、演算部104と、ロギング部105と、メモ生成部106とを機能として備える。これら機能は、CPU501とRAM502とが協働することにより実現される。
【0044】
入出力部101は、タッチパネル30に初期画面や機能画面といった各種画面を表示し、ユーザからの各種ボタンの選択を取得し、選択に応じた画面等を表示する。包装処理部102は、本体20のチャンバの蓋部が閉じられた場合に真空包装処理を実行する。測定値取得部103は、真空包装処理時にタイマ510から時刻を取得すると共に、圧力センサ520及び温度センサ530から測定値データを取得する。演算部104は、取得された圧力の測定値から真空度と残り時間とを算出する。なお、真空度は、測定値データに示される圧力(kPa)をパーセント(%)に変換することで算出され、下限は0%(大気圧)、上限は99.9%(100%を0気圧とした場合)で示される。残り時間は、取得された真空包装処理開始の時刻と、選択されたコースNoの「真空」、「シール」、「冷却」の時間の総和とに基づいて算出される。ロギング部105は、真空包装処理後にその設定値データや取得された測定値データなどをロギングデータとして記憶装置503に格納する。メモ生成部106は、メモデータの生成、記憶装置503への格納を行う。
【0045】
(メモ生成処理)
以下、上述したメモの生成を行うメモ生成処理について詳細に説明する。図10は、本実施形態に係るメモ生成処理を示すフローチャートである。メモ生成処理は、タッチパネル30に表示されているメモ帳ボタン390がユーザにより選択されることをトリガとして実行される。
【0046】
図10に示されるように、先ず入出力部101は、メモ帳ウィンドウ391をタッチパネル30に表示させ(S101)、ユーザの操作を受け付ける(S102)。メモ生成部106は、ユーザの操作がメモ領域392への入力であるか否かを判定し(S103)、ユーザの操作がメモ領域392への入力である場合(S103,YES)、ステップS102に移行し、再度ユーザの操作を受け付ける。
【0047】
ユーザの操作がメモ領域392への入力でない場合(S103,NO)、メモ生成部106は、ユーザの操作が上述した終了操作であるか否かを判定する(S104)。ユーザの操作が終了操作である場合(S104,YES)、メモ生成部106は、メモ領域392の入力内容をメモデータとして記憶装置503に格納し(S105)、終了操作がメモ切替ボタン393の選択であるか否かを判定する(S106)。この時、記憶装置503に格納されるメモデータは、現表示画面を示す情報と日時情報とが対応付けられて格納される。また、メモ領域392に入力がなされていない場合は、メモ領域392の入力内容の格納を行わないことが好ましい。
【0048】
なお、メモデータに現表示画面を示す情報を対応付けずに、どの画面に貼り付けるかをユーザに選択させるようにしてもよい。例えば、メモデータ格納時に「初期画面」、「機能画面」等の各画面を示す名称を表示し、メモデータを貼り付ける画面をユーザに選択させる。この選択結果をメモデータに対応付けて格納すればよい。
【0049】
終了操作がメモ切替ボタン393の選択である場合(S106,YES)、入出力部101は、メモ切替ボタン393においてユーザが選択したページ送りボタンまたはページ戻りボタンのうちのいずれかに応じてメモ帳のページを切り替えて表示し(S107)、ステップS102に移行して再度ユーザの操作を受け付ける。
【0050】
一方、ステップS106において、終了操作がメモ切替ボタン393の選択でない場合(S106,NO)、終了操作がメモ帳ウィンドウ391を閉じる操作、または画面を切り替える操作のいずれかであるため、入出力部101はメモ帳ウィンドウ391を閉じ(S108)、本フローは終了となる。また、ユーザの操作が終了操作でない場合(S104,NO)、ユーザの操作はオプションボタン394の選択であるため、入出力部101は、選択された何れかのオプションボタンに応じてペンのサイズや色の変更、入力内容の削除等を行うオプション処理を行い(S109)、ステップS102に移行して再度ユーザの操作を受け付ける。
【0051】
(メモ表示処理)
以下、上述した生成したメモを自動表示するメモ表示処理について詳細に説明する。図11は、本実施形態に係るメモ表示処理を示すフローチャートである。本フローは、真空包装装置10起動時や、現在表示されているタッチパネル30上の画面から別の画面に切り替わったこと(または切り替わる操作がなされたこと)をトリガとして実行される。
【0052】
図11に示されるように、先ず入出力部101は、タッチパネル30に表示される現画面に対して対応付けられたメモデータが記憶装置503に格納されているか否かを判定する(S201)。タッチパネル30に表示される画面に対して対応付けられたメモデータが記憶装置503に格納されている場合(S201,YES)、入出力部101は、表示されている画面上のボタンを選択不能なロック状態とする(S202)。画面上のボタンをロック状態とすることにより、ボタンが選択されることでメモデータが不用意に表示されなくなることを防止することができる。
【0053】
ボタンをロック状態とした後、入出力部101は対応付けられたメモデータをポップアップ方式で現画面上に表示し(S203)、メモデータ上または付随して設けられた閉じるボタンが選択されたか否かを判定する(S204)。閉じるボタンが選択された場合(S204,YES)、入出力部101は、メモ表示を終了、つまりメモデータを閉じて本フローは終了となる。一方、閉じるボタンが選択されない場合(S204,NO)、ステップS203に移行してメモ表示が継続される。また、ステップS201において、タッチパネル30に表示される現画面に対して対応付けられたメモデータが記憶装置503に格納されていない場合(S201,NO)、本フローは終了となる。
【0054】
なお、上述したフローではメモデータを表示するに際して画面上のボタンをロック状態としたが、これを行わず且つメモデータ上に閉じるボタンを設けずに、画面上のボタンの操作でメモデータが閉じられるようにしてもよい。
【0055】
以上に説明した本実施形態によれば、タッチパネル30における各画面にメモを貼り付けることができる。これにより、現場での伝言板として毎日変更する伝達事項を記述し、他のユーザに閲覧させることができ、例えば交代制などで現場でユーザの連絡用に利用できて極めて便利である。特に、真空包装装置10の起動時にメモを表示させることができるため、引継ぎ事項などの重要な伝達事項を確実に引継ぎ先のユーザに伝えることができる。また、画面の切り替え時に切り替え先の画面に対応付けられているメモを自動に表示させることができるため、その画面で行う固有の処理についての伝達事項を細かくユーザに伝えることもできる。
【0056】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、真空包装ウィンドウ311で真空度と残り時間とが数値として表示されると説明したが、真空度と経過時間とがグラフとして表示されてもよい。
【0057】
図12は、本実施形態に係る真空包装装置の機能構成を示すブロック図である。図12に示されるように、本実施形態に係る真空包装装置10Aは、第1の実施形態に係る真空包装装置10と比較して、新たにグラフ生成部107を機能として備える点で異なる。
【0058】
グラフ生成部107は、演算部104により算出された真空度と残り時間とに基づいて、これをグラフ化するものであり、本実施形態においては折れ線グラフを生成する。生成された折れ線グラフは、入出力部101により真空包装ウィンドウ311A(図13参照)上に表示される。
【0059】
図13は、本実施形態に係るタッチパネルにおいてコースボタンが選択された場合の画面を示す図である。図13に示されるように、本実施形態においては、タッチパネル30の初期画面にていずれかのコースボタン310が選択されると、真空包装ウィンドウ311Aが表示される。真空包装ウィンドウ311Aは、第1の実施形態に係る真空包装ウィンドウ311と比較すると、グラフ化ボタン315が新たに設けられ、折れ線グラフ316が測定値ウィンドウ314に表示される点で異なる。
【0060】
グラフ化ボタン315は、測定値ウィンドウ314の表示内容を真空度及び残り時間の数字表示から、グラフ表示に切り替えるためのボタンである。本実施形態においては、グラフ表示として折れ線グラフ316が測定値ウィンドウ314に表示される。折れ線グラフ316は、縦軸が真空度、横軸が経過時間となっており、時間の経過に応じて、つまり測定値取得部103の取得及び演算部104による演算の度に、折れ線が伸びて(図中左端から右に向けてグラフが描画されて)リアルタイムで真空度と経過時間との関係(真空度の変化)を視認可能とするものである。図13においては、グラフ化ボタン315が選択された状態にあるが、当該ボタンが再度選択されることで測定値ウィンドウ314を再び数字表示に戻すことができる。
【0061】
折れ線グラフ316は、例えば画像データ等でロギングデータとしてログファイルやプロテクトファイルに格納可能とし、ユーザが適宜読み出して確認できるようにするとよい。なお、折れ線グラフ316を含むログファイルやプロテクトファイルは、例えば機能画面にファイル閲覧ボタンを設け、これを選択することでタッチパネル30上に複数の各ファイルが選択可能に表示され、それぞれ内部のロギングデータ等を確認できるようにすることが好ましい。
【0062】
図14は、本実施形態に係るグラフ生成処理を含む真空包装処理を示すフローチャートである。このフローは、真空包装装置10Aのチャンバ内に被包装物を収容した包装袋が載置され、蓋部が閉じられたことを開閉センサが検知することをトリガとして実行される。
【0063】
図14に示されるように、先ず包装処理部102は、既に選択されているコースボタン310に対応する設定値に基づいて、真空ポンプや電磁弁、封止装置を適宜のタイミングで制御して真空包装処理を実行する(S301)。真空包装処理が実行されると、測定値取得部103は、タイマ510から時刻を取得すると共に、圧力センタ520及び温度センサ530から測定値を取得し(S302)、ロギング部105は取得された測定値や設定値などの各種データをロギングデータとして記憶装置503内のログファイルに格納する(S303)。
【0064】
格納後または格納中に、演算部104は、取得された時刻と設定値と測定値とに基づいて、真空度と残り時間とを算出する(S304)。算出後、グラフ生成部107は、真空包装ウィンドウ311Aにおいてグラフ化ボタン315が選択されたか否かを判定する(S305)。グラフ化ボタン315が選択された場合(S305,YES)、グラフ生成部107は、演算部104により算出された残り時間と設定値とから経過時間を算出し、当該経過時間と演算部104により算出された真空度とに基づいてグラフ内にポイントを描画し、直前のポイントがある場合はそのポイントと描画したポイントとを直線で結ぶことにより折れ線グラフ316を生成/更新する(S306)。
【0065】
その後、測定値取得部103は、真空包装処理が終了したか否かを、例えば算出された残り時間が0秒であるか否かや包装処理部102が処理を実行しているか否か等により判定し(S307)、真空包装処理が終了している場合(S307,YES)、本フローは終了となる。一方、真空包装処理が終了していない場合(S307,NO)、測定値取得部103は、ステップS302に移行して再度測定値の取得を行う。また、ステップS305においてグラフ化ボタン315が選択されていない場合(S305,NO)、入出力部101は、演算部104により算出された測定値及び残り時間を、測定値ウィンドウ314において数字表示し(S308)、ステップS307の判定処理が行われる。
【0066】
以上に説明した本実施形態によれば、真空度と経過時間との関係をリアルタイムで視認することができるため、真空度の変化、例えば被包装物の空気の抜け具合などを直感的に認識することが可能となる。真空度の上昇率を目視できることから、例えば真空度が上昇し難いといった事態をすぐに認識でき、真空ポンプのオイル劣化等の原因の判断も容易となる。
【0067】
なお、本実施形態においては、折れ線グラフ316は縦軸を真空度としたが、これに限定するものではなく、縦軸を圧力値(kPa)や温度センサ530により検出される温度としてもよく、適宜これらを切り替え可能としてもよい。この場合、折れ線グラフ316に圧力値(kPa)及び経過時間と、温度及び経過時間の2種のグラフを同時に表示するようにしてもよく、それぞれ表示/非表示を切り替え可能にすることが好ましい。また、グラフは折れ線ではなく短形波で表示するようにしてもよく、ポイント(マーカー)のみのグラフとしてもよい。また、折れ線グラフ316は、縦軸を圧力値、横軸を時間として説明したが、逆でもよく、さらに原点(0)を図13に示されるような右下隅ではなく、左下隅に置くようにしてもよい。
【0068】
また、折れ線グラフ316内のポイント数(サンプル数)は、適宜設定変更可能であり、そのポイントピッチも変更可能である。ただし、ポイントピッチは、折れ線グラフ316の横軸の長さに対してポイントが等間隔に配置されるようにすることが好ましい。この場合、「ポイントピッチ(単位:ドット)=横軸サイズX(単位:ドット)/(表示ポイント数-1)」の計算式を用いて制御装置50Aが自動に設定するようにしてもよい。例えば、Xが270、ポイント数が10である場合、ポイントピッチは30となる。なお、計算式ではXが「表示ポイント数-1」では割り切れない数値である場合に余りが生じるが、その場合はグラフの右端が余り分空白とすればよい。
【0069】
また、測定値ウィンドウ314または別ウィンドウとして、「ロールアップ」、「ロールダウン」、「+ブロック」、「-ブロック」、「グラフリターン」、「リセット」、「サンプルタイム表示」、「サンプルカウント表示」、「表示開始時間」、「表示終了時間」、「カーソル値表示」、「ファイル選択」、「平均値表示」、「合計表示」、「MAX表示」、「MIN表示」等の機能ボタンを選択可能に表示しても良い。
【0070】
「ロールアップ」は、折れ線グラフ316上のカーソルを次のポイントに移動させ、「ロールダウン」は、当該カーソルを前のポイントに移動させるボタンである。「+ブロック」は、表示を次の1ページ分移動させ、「-ブロック」は、表示を前の1ページ分移動させるボタンである。なお、ここでの前の1ページ分とは、他の真空包装処理の結果として格納されているロギングデータに含まれる折れ線グラフを指し、「-ブロック」が選択される度に、真空包装処理時間を遡って1回前の真空包装処理における折れ線グラフが表示される。
【0071】
「グラフリターン」は、「+ブロック」や「-ブロック」が選択されると、カーソルを表示している間点滅し、点滅中に選択されると点滅が解除され、最新のグラフに戻るボタンである。「リセット」は、1回選択されると点灯し、数秒(例えば2秒等)以内に再度選択されると現在の生成されているグラフが削除され、ロギングが再開し、削除以降のグラフが生成されるボタンである。なお、数秒以内に再度押されない場合は、リセットボタンは消灯し、リセットボタンの選択が無効となる。
【0072】
「サンプルタイム表示」は、最新のサンプリング時間または選択中(グラフ中のいずれかのポイントを選択)のサンプリング時間を表示するボタンである。「サンプルカウント表示」は、現在のポイント数(サンプル数)または選択中のポイントのカウント値を表示するボタンである。「表示開始時間」は、現在表示されているグラフの中で、最も時間が古いポイントの時間を表示し、「表示終了時間」は、最も時間が新しいポイントの時間を表示するボタンである。
【0073】
「カーソル値表示」は、最新のポイントまたは選択中のポイントの履歴データ(本実施形態であれば算出された時間と真空度)を表示するボタンである。「ファイル選択」は、記憶装置503に格納されたログファイルやプロテクトファイルを選択して表示するボタンである。「平均値表示」、「合計表示」、「MAX表示」、及び「MIN表示」は、それぞれグラフ毎のポインタの履歴データの平均値、合計値、最大値、最小値を表示するボタンである。
【0074】
<第3の実施形態>
第1の実施形態においてはユーザが真空包装装置10を直接操作すると説明したが、スマートフォン等のタブレット端末から遠隔操作するようにしてもよい。
【0075】
図15は、本実施形態に係る真空包装装置の遠隔操作を説明するための図である。図15に示されるように、本実施形態に係る真空包装装置10Bの制御装置50Bは、第1の実施形態に係る制御装置50と比較して、新たに通信部108を機能として備える点が異なる。
【0076】
真空包装装置10Bは、制御装置50BのIF回路504を介してゲートウェイGと無線通信可能に接続されており、タブレット端末60はゲートウェイGと無線通信可能に接続されている。なお、真空包装装置10Bは、ゲートウェイGと有線接続されていてもよい。ここでの無線通信は、Wifi(登録商標)を用いることが好ましいが、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を用いても良く、その他、無線通信可能なものであればどのようなものを用いても良い。また、インターネットなどのネットワークを経由して制御装置50Bとタブレット端末60とを互いに通信可能に接続してもよい。
【0077】
通信部108は、RFB(Remote FrameBuffer)プロトコルを用いたVNC(Virtual Network Computing)を使用することで、タッチパネル30の画面をタブレット端末60に送信する、所謂VNCサーバとしての機能を果たす。一方、タブレット端末60は、VNCのクライアントソフトウェア601が予めインストールされており、これにより遠隔でタッチパネル30の操作を行うことができる。遠隔操作中のタッチパネル30の画面は、遠隔操作中であるため、操作不能とすることが好ましい。なお、操作されている状態が同期して表示されるようにしてもよい。
【0078】
通信部108は、タブレット端末60と接続された状態において、タブレット端末60にロギングデータや設定値データを書き出し可能とすることが好ましい。例えば入出力部101が、機能画面において外付けメモリボタン361に隣接してタブレット端末ボタンを表示する。ユーザは、タブレット端末60を操作し、タブレット端末ボタンを選択する。選択後、プロテクトデータ収集ボタン360、ログデータ収集ボタン370、及び設定値書き出しボタン380のいずれかがユーザに選択された場合、通信部108が選択されたデータをタブレット端末60に送信する。
【0079】
タブレット端末60から真空包装装置10Bにアクセスする場合、ユーザはタブレット端末60にてクライアントソフトウェア601を実行し、真空包装装置10BのIPアドレスを入力するが、その際にパスワード認証が行われることが好ましい。具体的には、ユーザ名、パスワードを予め真空包装装置10Bに設定(記憶装置503に格納)しておき、タッチパネル30にて適宜表示可能とする。例えば、機能画面における本体機能設定ボタンが選択されると、ユーザ名、パスワードが表示されるようにするとよい。
【0080】
通信部108は、タブレット端末60からのアクセス時に入力されたユーザ名及びパスワードが、記憶装置503に格納されたユーザ名及びパスワードと一致するか否かを判定し、一致する場合に遠隔操作を許容してタッチパネル30の画面をタブレット端末60に送信する。
【0081】
以上に説明した本実施形態によれば、遠隔で真空包装装置10Bを操作することが可能であるため、真空包装装置10Bの設定値データやロギングデータの確認、メモデータの生成などをタブレット端末60において行うことができる。特に、メモ領域392に文字を記入する場合、タブレット端末60をランドスケープモードにすることができるため、本体20の正面に設けられたタッチパネル30よりも記入が容易となる。
【0082】
なお、本実施形態においては、1つのタブレット端末60が1つの真空包装装置10Bを遠隔操作する形態を説明したが、1つのタブレット端末60で複数の真空包装装置10Bを遠隔操作するようにしてもよい。このようにすることで、例えば設定値の変更を一度で複数の真空包装装置10Bに反映させることが可能となり、また、1つの真空包装装置10Bからの設定値データをタブレット端末60にコピーし、他の複数の真空包装装置10Bに設定値データを反映させるといった使い方も可能となる。したがって、1つのタブレット端末60で複数の真空包装装置10Bを管理することが可能となる。なお、これらの場合、設定値データを反映するための「設定値反映」ボタンがタッチパネル30及びタブレット端末60に表示されることが好ましい。
【0083】
また、タブレット端末60により2次元コードを読み取ることで設定値データを取得するようにしてもよく、取得された設定値データを他の真空包装装置10Bに遠隔操作で反映させてもよい。この場合、読み取った2次元コードと設定値とが対応付けられる必要があるため、予め設定値の組み合わせにそれぞれ対応する複数の2次元コードが真空包装装置10B及びタブレット端末60で用意されていることが好ましい。また、タブレット端末60がインターネットに接続可能であれば、2次元コードに示されるリンク先から設定値データをダウンロードするようにしてもよい。
【0084】
<変形例>
第4の実施形態においては、真空包装装置10Bとタブレット端末60とが通信可能となり、タブレット端末60が真空包装装置10Bを遠隔操作すると説明した。しかしながら、タッチパネル30が着脱自在に真空包装装置10Bに取り付けられており、タッチパネル30を用いて真空包装装置10Bを遠隔操作するようにしてもよい。この場合、タッチパネル30にはクライアントソフトウェア601が予めインストールされており、真空包装装置10Bとの無線通信が可能に構成されることとなる。このようにすれば、遠隔操作に別途タブレット端末60を用意する必要がないためコスト削減ができる。なお、ユーザ個人のタブレット端末60を用いる場合は各種データの外部流出の可能性があるが、このような事態を回避することもできる。
【0085】
<第4の実施形態>
タッチパネル30に表示される画面の文字表記を他の言語に自動に変換する機能があることが好ましい。図16は、本実施形態に係る真空包装装置の機能構成を示すブロック図である。図16に示されるように、本実施形態に係る真空包装装置10Cは、第1の実施形態に係る真空包装装置10と比較して、新たに言語切替部109を機能として備える点が異なる。
【0086】
言語切替部109は、ユーザの操作に応じて、タッチパネル30の画面における日本語表記を、英語や中国語等の外国語表記に切り替える。この切り替えは、記憶装置503に日本語表記に対応付けられた複数種類の外国語表記を予め格納しておき、タッチパネル30の操作で容易に切り替え可能とすることが好ましい。例えば、機能画面において「言語切替」ボタンを設け、当該ボタンが選択されると、言語切替部109は、記憶装置503に格納された種類分の外国語を選択可能に画面に表示し、ユーザにより選択された外国語表記に各画面の日本語表記を変換する。
【0087】
なお、言語切替部109は、生成されたメモ帳においても言語が切り替えられることが好ましい。この場合、言語切替部109は、OCR(Optical Character Recognition/Reader)を用いてメモ帳に記入された文字や単語を認識することが好ましい。例えば、認識された文字や単語が、ユーザが選択した言語とは異なる言語であるか否かを判定し、異なる言語である場合にユーザが選択した言語に切り替える。その際、メモデータに含まれる文字や線のサイズや色の情報が反映されることが好ましい。
【0088】
以上に説明した本実施形態によれば、容易に言語の切り替えができるため、ユーザに合わせた言語表記ができる。例えば、母国が互いに異なる複数の外国人ユーザが真空包装装置10Cを共用することも可能であり、また文字が読めないことでの操作ミスも低減できる。
【0089】
なお、上述した各本実施形態においては、真空包装装置10,10A~10Cにより2次元コードの表示機能、プロテクトデータの作成機能、プロテクトデータの外付けメモリMへの書き出し機能、メモ生成機能、メモ表示機能、折れ線グラフ表示機能、タブレット端末60との連携機能、及び言語切替機能が実現されると説明したが、タッチパネル30にCPU及びRAM等を有する制御装置を設け、当該制御装置によりこれらの機能が実現されてもよく、当該制御装置と制御装置50,50A~50Cとが協働することによりこれら機能が実現されるようにしてもよい。
【0090】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
10,10A~10C 真空包装装置
30 タッチパネル(ディスプレイ)
101 入出力部(表示部)
103 測定値取得部(物理量取得部、時間取得部)
106 メモ生成部(格納部)
316 折れ線グラフ
392 メモ領域(入力領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16