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特開2023-179049ラミネーターシステム、ラミネーター、後加工装置、処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179049
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】ラミネーターシステム、ラミネーター、後加工装置、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20231212BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20231212BHJP
   B29C 63/02 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B65H7/02
B41J11/70
B29C63/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092093
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長門 拡
【テーマコード(参考)】
2C058
3F048
4F211
【Fターム(参考)】
2C058AC08
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LB06
2C058LC02
3F048AA01
3F048AB01
3F048AB06
3F048BA05
3F048BA21
3F048BB02
3F048BD07
3F048CC03
3F048DA06
3F048DC00
3F048EB22
4F211AC03
4F211AD08
4F211AG01
4F211SA08
4F211SC06
4F211SD01
4F211SN02
4F211SP04
4F211SP36
4F211SW23
4F211TA04
4F211TC03
4F211TD11
4F211TN09
4F211TQ03
4F211TW23
(57)【要約】
【課題】ラミネート加工後により適切に後加工を実行することができるラミネーターシステム、ラミネーター、後加工装置、処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ラミネーターシステム1は、連続して搬送される複数枚の枚葉紙(用紙P)をまとめて長尺のラミネートフィルム(フィルムF)でラミネート加工するラミネート加工部26と、枚葉紙毎にラミネート加工後の長尺のラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙Paを得る断裁部27と、ラミネート枚葉紙Paを後加工する後加工部32と、ラミネート枚葉紙Paの端部からのラミネートフィルムのはみ出量Wに基づいて後加工を制御する制御部11と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工部と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁部と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工部と、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御部と、
を備えるラミネーターシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記はみ出量に基づいて前記後加工における基準位置を補正する請求項1に記載のラミネーターシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記枚葉紙の厚み情報または坪量情報に基づいて前記はみ出量を算出する請求項1または2に記載のラミネーターシステム。
【請求項4】
前記枚葉紙の厚み情報または坪量情報の入力を受け付ける受付部を備える請求項1または2に記載のラミネーターシステム。
【請求項5】
前記枚葉紙の厚み情報または坪量情報を検知する検知部を備える請求項1または2に記載のラミネーターシステム。
【請求項6】
前記制御部は、複数種類の後加工が選択可能であり、前記ラミネート加工を実行する場合に前記複数種類の後加工のうち特定の後加工を選択不可とする請求項1または2に記載のラミネーターシステム。
【請求項7】
前記後加工は、断裁、折り、筋付け、ミシン目、パンチ、半抜き、綴じ、製本、ミーリング、糊付け、積載、先後端の反転、の少なくとも一つを含む請求項1または2に記載のラミネーターシステム。
【請求項8】
前記ラミネート加工する前の枚葉紙に対して画像を形成する画像形成部を備える請求項1または2に記載のラミネーターシステム。
【請求項9】
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工部と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁部と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工装置に、前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量、前記枚葉紙の紙厚、及び前記枚葉紙の坪量のうち少なくとも一つを送信する送信部と、
を備えるラミネーター。
【請求項10】
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工した後に断裁されたラミネート枚葉紙を後加工する後加工部と、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御部と、
を備える後加工装置。
【請求項11】
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工工程と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁工程と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工工程と、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御工程と、
を実行する処理方法。
【請求項12】
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工部と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁部と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工部と、
を備えるラミネーターシステムのコンピューターを、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネーターシステム、ラミネーター、後加工装置、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1、2に記載されるように、先行する用紙の後端部と後続する用紙の前端部とを所定量重畳させて連続搬送する用紙に帯状ラミネートフィルムを貼り付けた後、用紙を一枚ずつ分離するように帯状ラミネートフィルムを切断するラミネート装置が知られている。
【0003】
図5Aに先行する用紙Pの後端部を後続する用紙Pの前端部の上部に所定の重ね量分重畳させて連続搬送する例を示す。また、図5B図5Cに当該連続搬送する用紙Pにラミネートフィルム(フィルムF)を貼り付け、フィルムFを切断後のラミネート加工された用紙P(ラミネート枚葉紙Pa)の例を示す。図5A図5Cにおける矢印は、用紙Pの搬送方向を示す。この場合、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向先端側は、フィルムF先端からラミネート枚葉紙Paが突出している(露出している)状態であり、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向後端側は、ラミネート枚葉紙Pa先端からフィルムFが突出している状態である。
また、図6Aに先行する用紙Pの後端部を後続する用紙Pの前端部の下部に所定の重ね量分重畳させて連続搬送する例を示す。また、図6B図6Cに当該連続搬送する用紙PにフィルムFを貼り付け、フィルムFを切断後のラミネート加工された用紙P(ラミネート枚葉紙Pa)の例を示す。図6A図6Cにおける矢印は、用紙Pの搬送方向を示す。この場合、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向先端側は、ラミネート枚葉紙Pa先端からフィルムFが突出している状態であり、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向後端側は、フィルムF先端からラミネート枚葉紙Paが突出している状態である。
【0004】
そして、上記のようにラミネート加工されたラミネート枚葉紙Paに所定の後加工を行う後加工部を備えるシステムは、当該所定の後加工のラミネート枚葉紙Paの搬送方向における基準位置を検出する検出部321を備える。
当該所定の後加工をラミネート枚葉紙Paの搬送方向先端基準で行う場合、検出部321は、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向先端を検出する。
また、当該所定の後加工をラミネート枚葉紙Paの搬送方向後端基準で行う場合、検出部321は、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向後端を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-7854号公報
【特許文献2】特開2009-73668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなシステムにおいて、検出部321は、図5Bに示す場合ではラミネート枚葉紙Paの先端を検出し、図6Cに示す場合ではラミネート枚葉紙Paの後端を検出する。しかし、検出部321は、図5Cに示す場合ではフィルムFの後端を検出してしまい、図6Bに示す場合ではフィルムFの先端を検出してしまう。図5C図6Bのように検出部321がフィルムFの後端または先端を検出し、フィルムFの後端または先端基準で所定の後加工を行った場合、後加工の精度が悪いという問題があった。
特許文献1、2の発明では、ラミネート加工部の下流に後加工部を備えるシステムについては記載されておらず、上記問題を解決できない。
【0007】
本発明は、ラミネート加工後により適切に後加工を実行することができるラミネーターシステム、ラミネーター、後加工装置、処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のラミネーターシステムは、上記目的を達成するためのものであり、
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工部と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁部と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工部と、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御部と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のラミネーターシステムにおいて、
前記制御部は、前記はみ出量に基づいて前記後加工における基準位置を補正する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のラミネーターシステムにおいて、
前記制御部は、前記枚葉紙の厚み情報または坪量情報に基づいて前記はみ出量を算出する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のラミネーターシステムにおいて、
前記枚葉紙の厚み情報または坪量情報の入力を受け付ける受付部を備える。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載のラミネーターシステムにおいて、
前記枚葉紙の厚み情報または坪量情報を検知する検知部を備える。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載のラミネーターシステムにおいて、
前記制御部は、複数種類の後加工が選択可能であり、前記ラミネート加工を実行する場合に前記複数種類の後加工のうち特定の後加工を選択不可とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1または2に記載のラミネーターシステムにおいて、
前記後加工は、断裁、折り、筋付け、ミシン目、パンチ、半抜き、綴じ、製本、ミーリング、糊付け、積載、先後端の反転、の少なくとも一つを含む。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1または2に記載のラミネーターシステムにおいて、
前記ラミネート加工する前の枚葉紙に対して画像を形成する画像形成部を備える。
【0016】
請求項9に記載のラミネーターは、
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工部と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁部と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工装置に、前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量、前記枚葉紙の紙厚、及び前記枚葉紙の坪量のうち少なくとも一つを送信する送信部と、
を備える。
【0017】
請求項10に記載の後加工装置は、
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工した後に断裁されたラミネート枚葉紙を後加工する後加工部と、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御部と、
を備える。
【0018】
請求項11に記載の処理方法は、
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工工程と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁工程と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工工程と、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御工程と、
を実行する。
【0019】
請求項12に記載のプログラムは、
連続して搬送される複数枚の枚葉紙にまとめて長尺のラミネートフィルムでラミネート加工するラミネート加工部と、
枚葉紙毎に前記ラミネート加工後の前記ラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁部と、
前記ラミネート枚葉紙を後加工する後加工部と、
を備えるラミネーターシステムのコンピューターを、
前記ラミネート枚葉紙の端部からの前記ラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後加工を制御する制御部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ラミネート加工後により適切に後加工を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係るラミネーターシステムの概略構成を示す正面図である。
図2】本実施形態に係るラミネーターシステムの制御構造を示す機能ブロック図である。
図3】加工処理の流れを示すフローチャートである。
図4】変形例の加工処理の流れを示すフローチャートである。
図5A】先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の上部に重畳させた用紙を連続帯状に搬送する例を示す図である。
図5B】先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の上部に重畳させた場合のラミネート枚葉紙の例を示す図である。
図5C】先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の上部に重畳させた場合のラミネート枚葉紙の例を示す図である。
図6A】先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の下部に重畳させた用紙を連続帯状に搬送する例を示す図である。
図6B】先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の下部に重畳させた場合のラミネート枚葉紙の例を示す図である。
図6C】先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の下部に重畳させた場合のラミネート枚葉紙の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
<1.ラミネーターシステムの構成>
本実施形態に係るラミネーターシステム1は、図1及び図2に示すように、画像形成装置10と、画像形成装置10で画像形成された用紙(枚葉紙)に必要に応じてラミネート加工をするラミネート装置20と、ラミネート装置20から搬送された用紙に必要に応じて所定の後加工を行う後加工装置30を備えて構成されている。
【0024】
(1-1.画像形成装置の構成)
画像形成装置10は、図1及び図2に示すように、制御部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、記憶部14と、操作パネル15(表示部151、操作部152)と、通信部16と、検知部17等を備えて構成されている。
【0025】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えて構成される。CPUは、操作部152から入力される操作信号又は通信部16により受信される指示信号に応じて、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置10の動作を統括的に制御する。
また、制御部11は、ラミネート枚葉紙の端部からのラミネートフィルムのはみ出量に基づいて後述する後加工部32による後加工を制御する制御工程を実行する。
【0026】
画像読取部12は、図示しない原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を走査露光装置の光学系により走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部11に入力される。なお、制御部11に入力される画像データとしては、画像読取部12で読み取ったものに限らず、例えば、通信部16を介して外部装置(図示省略)から受信した印刷ジョブに含まれるものであってもよい。
【0027】
画像形成部13は、電子写真方式により、画像処理された原画像の各画素の4色の画素値に応じて、C、M、Y及びKの4色からなる画像を用紙上に形成する。
画像形成部13は、図1に示すように、4つの書込部131、中間転写ベルト132、2次転写ローラー133、定着部134等を備えて構成されている。
【0028】
4つの書込部131は、中間転写ベルト132のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、C、M、Y及びKの各色の画像を形成する。各書込部131は、形成する画像の色が異なるだけで構成は同じであり、光走査部131a、感光体131b、現像部131c、帯電部131d、クリーニング部131e及び1次転写ローラー131fを備えて構成されている。
【0029】
画像形成時、各書込部131では、帯電部131dにより感光体131bを帯電させた後、原画像に基づいて光走査部131aにより出射した光束で感光体131b上を走査し、静電潜像を形成する。現像部131cによりトナー等の色材を供給して現像すると、感光体131b上に画像が形成される。
4つの書込部131の感光体131b上にそれぞれ形成した画像を、それぞれの1次転写ローラー131fにより、中間転写ベルト132上に順次重ねて転写(1次転写)する。これにより、中間転写ベルト132上には各色からなる画像が形成される。中間転写ベルト132は、複数のローラーに巻き回されて回動する像担持体である。1次転写後、クリーニング部131eにより感光体131b上に残留する色材を除去する。
【0030】
画像形成部13では、回動する中間転写ベルト132上の画像が2次転写ローラー133の位置に至るタイミングに合わせて、給紙トレイT1から用紙を給紙する。本実施形態においては、用紙は枚葉紙である。2次転写ローラー133は、対をなす一方のローラーが中間転写ベルト132に圧接し、他方が中間転写ベルト132を巻き回す複数のローラーのうちの1つを構成している。2次転写ローラー133の圧接により、中間転写ベルト132から用紙上に画像を転写(2次転写)すると、定着部134に用紙を搬送して定着処理を施し、ラミネート装置20に搬送する。定着処理は、定着ローラー134aにより用紙を加熱及び加圧して画像を用紙に定着させる処理である。用紙の両面に画像を形成する場合、反転経路135に用紙を搬送して用紙面を反転させた後、2次転写ローラー133の位置へ再度用紙を給紙する。
【0031】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成される不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや各種設定データ等を制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0032】
また、記憶部14は、用紙の厚みと、図5C図6Bに示すようなラミネート枚葉紙Paの端部からのフィルムF(ラミネートフィルム)のはみ出量Wとの対応関係を記憶する。
当該はみ出量Wは、用紙の厚みに比例する量である。
なお、用紙の厚みは用紙の坪量に比例するため、記憶部14は、用紙の厚みとはみ出量Wとの対応関係を記憶する代わりに、用紙の坪量とはみ出量Wとの対応関係を記憶してもよい。
【0033】
操作パネル15は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部151と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部152と、を備えて構成されている。
表示部151は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部11から入力される表示制御信号に従って、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。
操作部152は、表示部151の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部151の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備えて構成されている。操作部152は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作部152は、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。ユーザーは、操作部152を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
【0034】
通信部16は、画像形成装置10を通信ネットワークに接続するインターフェースである。通信部16は、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有し、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークに接続されている外部装置と各種情報の送受信を行う。また、通信部16は、USB(Universal Serial Bus)を介して各種情報の入出力を行うことも可能である。
【0035】
検知部17は、用紙搬送経路上の画像形成部13より上流において、用紙の厚み(紙厚)または坪量を検知し、検知結果を制御部11に出力する。
【0036】
(1-2.ラミネート装置の構成)
ラミネート装置20(ラミネーター)は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、重畳部24と、装着部25と、ラミネート加工部26と、断裁部27と、搬送部28を備えて構成されている。
【0037】
制御部21は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、通信部23により受信される指示信号に応じて、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、ラミネート装置20の動作を統括的に制御する。
【0038】
記憶部22は、HDD、SSD等により構成される不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや各種設定データ等を制御部21から読み書き可能に記憶する。
【0039】
通信部23は、ラミネート装置20を通信ネットワークに接続するインターフェースである。通信部23は、通信用IC及び通信コネクタなどを有し、制御部21の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークに接続されている外部装置と各種情報の送受信を行う。また、通信部23は、USBを介して各種情報の入出力を行うことも可能である。
【0040】
重畳部24は、図1に示すように、ラミネート加工部26よりも用紙搬送経路の上流側に設けられる。
重畳部24は、図5Aに示すように、先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の上部に所定の重ね量分、重畳させて、用紙を連続帯状に搬送する。用紙を重畳する方法は、例えば、吸引により先行する用紙を上面に吸着し、先行する用紙の下に後続の用紙を挿入することで重ね部を形成する方式等であるが、これに限らない。
【0041】
装着部25は、フィルムFのフィルムロール261を装着可能に構成されている。
いずれか1種類のフィルムロール261が装着部25に装着される構成であってもよいし、同時に2種類以上のフィルムロール261が装着部25に装着される構成であってもよい。
【0042】
ラミネート加工部26は、重畳部24により重畳された用紙に、連続的にフィルムFを貼り付けるラミネート加工を実行する。つまり、ラミネート加工部26は、連続して搬送される複数枚の用紙(枚葉紙)をまとめて長尺のフィルムF(ラミネートフィルム)でラミネート加工するラミネート加工工程を実行する。
ラミネート加工部26は、フィルムロール261、フィルム搬送経路262、貼り合わせ部263、定着部264等を備えて構成されている。
【0043】
フィルムロール261は、透明樹脂フィルム層と接着層からなる長尺のフィルムFがロール状になったものである。
フィルム搬送経路262は、フィルムFをフィルムロール261から貼り合わせ部263のニップ部N1に搬送する。
装着部25に、同時に2種類以上のフィルムロール261が装着される構成である場合、制御部11の指示信号により選択されたフィルムロール261のフィルムFが貼り合わせ部263のニップ部N1に搬送されるように、フィルム搬送経路262を移動することが可能な構成である。
【0044】
貼り合わせ部263は、図1に示すように、二つのローラーを備え、当該二つのローラーが形成するニップ部N1において用紙とフィルムFを挟持することで、フィルムFの接着層が用紙の表面に接着する。これにより、用紙とフィルムFとが貼り合わされる。
【0045】
定着部264は、加熱ローラー264aと、加圧ローラー264bを備える。
加熱ローラー264aは、ハロゲンヒーター等を内蔵する。
加圧ローラー264bは、ばね等の付勢部材(図示省略)によって上方に付勢されることで加熱ローラー264aに押し当てられ、加熱ローラー264aと加圧ローラー264bとが面接触するニップ部N2を形成する。
加熱ローラー264a及び加圧ローラー264bは、ニップ部N2において、フィルムFの接着層を融解させ、融解した接着層を用紙の表面に接着して、熱圧着し貼り付ける。
【0046】
断裁部27は、先行の用紙の後端から所定長以内で、重畳部24により重畳された用紙の間に切断刃を差し込んでフィルムFのみを切断して、用紙をそれぞれ分離する。フィルムFを切断する方法は、搬送方向斜めに設置されたカッターユニットに取り付けた切断刃により、用紙の進行に同期して切断する等の公知の方法を用いることができる(例えば、特開昭61-35933号公報参照)。
つまり、断裁部27は、用紙(枚葉紙)毎にラミネート加工後の長尺のフィルムF(ラミネートフィルム)を断裁してラミネート枚葉紙を得る断裁工程を実行する。
本実施形態の重畳部24では、図5Aに示すように先行する用紙Pの後端部を後続する用紙Pの前端部の上部に所定の重ね量分重畳させるため、図5B図5Cに示すように、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向先端側は、フィルムF先端からラミネート枚葉紙Paが突出している状態である。また、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向後端側は、ラミネート枚葉紙Pa後端からフィルムFが突出している状態である。
【0047】
搬送部28は、スルーパス経路281と、ラミネート加工経路282と、複数のローラーを備える。
搬送部28は、制御部21の制御の下、画像形成装置10から搬送された用紙にラミネート加工を行わない場合、スルーパス経路281により、用紙を後加工装置30に搬送する。
また、搬送部28は、制御部21の制御の下、画像形成装置10から搬送された用紙にラミネート加工を行う場合、ラミネート加工経路282により、重畳部24、ラミネート加工部26、断裁部27に順に搬送し、ラミネート加工が行われた用紙を後加工装置30に搬送する。
【0048】
(1-3.後加工装置の構成)
図1に示す例においては、ラミネーターシステム1は、後加工装置30として異なる種類の後加工を実行する後加工装置30A、30Bを備えるが、後加工装置30の数はこれに限らない。
後加工装置30は、制御部31と、後加工部32と、搬送部33を備えて構成されている。
【0049】
制御部31は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、後加工装置30の動作を統括的に制御する。
【0050】
後加工部32は、後加工のラミネート枚葉紙Pa(用紙P)の搬送方向における基準位置を検出する検出部321を備える。そして、後加工部32は、制御部31の制御の下、ラミネート装置20から搬送された用紙に、検出部321により検出された検出位置を基準として所定の後加工を行う。つまり、後加工部32は、ラミネート枚葉紙を後加工する後加工工程を実行する。
後加工は、例えば、断裁、折り、筋付け、ミシン目、パンチ、半抜き、綴じ、製本、ミーリング、糊付け、積載、及び先後端の反転等である。
【0051】
搬送部33は、スルーパス経路331と、後加工経路332と、複数のローラーを備える。
搬送部33は、制御部31の制御の下、ラミネート装置20から搬送された用紙に後加工を行わない場合、スルーパス経路331により用紙を搬送し、排紙する。
また、搬送部33は、制御部31の制御の下、ラミネート装置20から搬送された用紙に後加工を行う場合、後加工経路332により後加工部32に搬送し、後加工が行われた用紙を排紙する。
なお、ラミネーターシステム1の最下流に設けられた後加工装置30は、排紙トレイT2に排紙する。
【0052】
なお、本実施形態においては、画像形成装置10の制御部11が、ラミネーターシステム1全体を統括的に制御しているが、ラミネート装置20の制御部21、または後加工装置30の制御部31がラミネーターシステム1全体を統括的に制御する構成であっても良い。
【0053】
<2.ラミネーターシステムの動作>
次に、本実施形態におけるラミネーターシステム1の動作について説明する。図3は、ラミネーターシステム1で実行される、加工処理の手順を示すフローチャートである。
画像形成装置10の制御部11は、印刷ジョブを受信すると、当該加工処理を実行する。
【0054】
(加工処理)
まず、制御部11は、受信した印刷ジョブにラミネート加工及び後加工の両方が含まれているか否かを判断する(ステップA1)。
印刷ジョブにラミネート加工及び後加工の両方が含まれている場合(ステップA1;YES)、制御部11は、ラミネート装置20にラミネート加工工程及び断裁工程の実行を指示する指示信号を送信する(ステップA2)。
ラミネート加工工程及び断裁工程実行の指示信号を受信したラミネート装置20は、画像形成装置10により印刷ジョブの画像が形成された用紙にラミネート加工工程及び断裁工程を実行する。
【0055】
次に、印刷ジョブに含まれる後加工における基準は用紙の先端か否かを判断する(ステップA3)。
後加工における基準が用紙の先端である場合(ステップA3;YES)、制御部11は、後加工装置30に検出部321の検出位置を基準とした後加工工程の実行を指示する指示信号を送信し(ステップA4)、本処理を終了する。
後加工工程実行の指示信号を受信した後加工装置30は、図5Bに示すように検出部321によりラミネート装置20から搬送されたラミネート枚葉紙Paの先端を検出し、ラミネート枚葉紙Paの先端を基準として後加工工程を実行する。
この場合、ラミネート枚葉紙Paの端部を基準として後加工を実行することができるため、精度良く後加工をすることができる。
【0056】
また、後加工における基準が用紙の後端である場合(ステップA3;NO)、つまり本実施形態においては各ラミネート枚葉紙Paの端部からフィルムF(ラミネートフィルム)がはみ出ている側の端部を基準に後加工する場合、制御部11は、印刷ジョブに含まれる後加工は実行することが可能か否かを判断する(ステップA5)。
具体的には、制御部11は、印刷ジョブに含まれる後加工は、ラミネート枚葉紙Pa後端から突出したフィルムFの後端を基準として後加工することができるか否かを判断する。
例えば、積載等におけるフィニッシャーのように用紙の後端を物理的に突き当てて揃えるような後加工では、フィルムFの後端を基準とした場合、フィルムFの端部は剛度がないために変形する可能性がある。フィルムFの端部において変形が発生した場合、ラミネート枚葉紙Paの揃い性や整列性が悪くなる。そのため、このような場合、制御部11は後加工することができないと判断する。
【0057】
後加工を実行することが可能である場合(ステップA5;YES)、制御部11は、検知部17により検知された用紙の厚み情報または坪量情報を取得する(ステップA6)。
なお、制御部11は、ユーザーによる用紙の厚み情報または坪量情報の入力を操作部152を介して受け付けることにより、用紙の厚み情報または坪量情報を取得してもよい。ここで、制御部11は、受付部として機能する。
次に、制御部11は、ステップA6において取得した用紙の厚み情報または坪量情報に基づいて、記憶部14に記憶された用紙の厚みとはみ出量Wとの対応関係、または用紙の坪量とはみ出量Wとの対応関係から、はみ出量Wを取得(算出)する(ステップA7)。
【0058】
次に、制御部11は、後加工装置30に検出部321による検出位置をステップA7において取得したはみ出量Wに基づいて補正した位置を基準とした後加工工程の実行を指示する指示信号を送信し(ステップA8)、本処理を終了する。後加工の基準となる当該補正した位置とは、検出部321による検出位置にはみ出量Wを足し合わせた位置である。
後加工工程実行の指示信号を受信した後加工装置30は、図5Cに示すように検出部321によりフィルムFの後端を検出する。そして、制御部31は、後加工部32を制御して、検出部321による検出位置にはみ出量Wを足し合わせた位置を基準として後加工工程を実行する。
この場合、ラミネート枚葉紙Paの後端を基準として後加工を実行することができるため、精度良く後加工をすることができる。
【0059】
また、後加工を実行することができない場合(ステップA5;NO)、制御部11は、後加工を実行しないとし、後加工装置30に用紙をスルーパス経路331により搬送して排紙する指示信号を送信し(ステップA9)、本処理を終了する。つまり、制御部11は、複数種類の後加工が選択可能であり、ラミネート加工を実行する場合に、複数種類の後加工のうち特定の後加工を選択不可とする。
後加工不実行の指示信号を受信した後加工装置30は、後加工を実行することなく、ラミネート装置20から搬送されたラミネート枚葉紙をスルーパス経路331により搬送して排紙する。
【0060】
また、印刷ジョブにラミネート加工及び後加工のうちの少なくともどちらかが含まれていない場合(ステップA1;NO)、制御部11は、印刷ジョブにラミネート加工が含まれているか否かを判断する(ステップA10)。
印刷ジョブにラミネート加工が含まれていて、後加工が含まれていない場合(ステップA10;YES)、制御部11は、ステップA2と同様にラミネート装置20にラミネート加工工程及び断裁工程実行の指示信号を送信する(ステップA11)。
次に、制御部11は、後加工装置30に、ラミネート装置20から搬送されたラミネート枚葉紙をスルーパス経路331により搬送して排紙する指示信号を送信し(ステップA12)、本処理を終了する。
【0061】
また、印刷ジョブにラミネート加工が含まれていない場合(ステップA10;NO)、制御部11は、印刷ジョブに後加工が含まれているか否かを判断する(ステップA13)。
印刷ジョブにラミネート加工が含まれておらず、後加工が含まれている場合(ステップA13;YES)、制御部11は、ラミネート装置20に、画像形成装置10から搬送された用紙をスルーパス経路281により搬送して排紙する指示信号を送信する(ステップA14)。
次に、後加工装置30に検出部321の検出位置を基準とした後加工工程の実行を指示する指示信号を送信し(ステップA15)、本処理を終了する。
この場合、用紙の先端または後端を基準とした後加工を実行することができるため、後加工を精度良く実行することができる。
【0062】
また、印刷ジョブにラミネート加工及び後加工の両方が含まれていない場合(ステップA13;NO)、制御部11は、ラミネート装置20に、画像形成装置10から搬送された用紙をスルーパス経路281により搬送して排紙する指示信号を送信する(ステップA16)。
次に、制御部11は、後加工装置30に、ラミネート装置20から搬送された用紙をスルーパス経路331により搬送して排紙する指示信号を送信し(ステップA17)、本処理を終了する。
【0063】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。以下では、上記実施形態と異なる点を主に説明する。
【0064】
本変形例において、ラミネート装置20の重畳部24は、図6Aに示すように、先行する用紙の後端部を後続する用紙の前端部の下部に所定の重ね量分、重畳させて、用紙を連続帯状に搬送する。
断裁部27は、後続の用紙の先端から所定長以内で、重畳部24により重畳された用紙の間に切断刃を差し込んでフィルムFのみを切断して、用紙をそれぞれ分離する。
そのため、図6B図6Cに示すように、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向先端側は、ラミネート枚葉紙Pa先端からフィルムFが突出している状態である。また、ラミネート枚葉紙Paの搬送方向後端側は、フィルムF後端からラミネート枚葉紙Paが突出している状態である。
図4に、本変形例の加工処理の手順を示すフローチャートを示す。
【0065】
(変形例の加工処理)
まず、制御部11は、上記実施形態のステップA1、A2と同様のステップB1、B2を実施する。
次に、印刷ジョブに含まれる後加工における基準は用紙の後端か否かを判断する(ステップB3)。
後加工における基準が用紙の後端である場合(ステップB3;YES)、制御部11は、後加工装置30に検出部321の検出位置を基準とした後加工工程の実行を指示する指示信号を送信し(ステップB4)、本処理を終了する。
後加工工程実行の指示信号を受信した後加工装置30は、図6Cに示すように検出部321によりラミネート装置20から搬送されたラミネート枚葉紙Paの後端を検出し、ラミネート枚葉紙Paの後端を基準として後加工工程を実行する。
この場合、ラミネート枚葉紙Paの端部を基準として後加工を実行することができるため、精度良く後加工をすることができる。
【0066】
また、後加工における基準が用紙の先端である場合(ステップA3;NO)、つまり本実施形態においては各ラミネート枚葉紙Paの端部からフィルムF(ラミネートフィルム)がはみ出ている側の端部を基準に後加工する場合、制御部11は、上記実施形態のステップA5~A8と同様のステップB5~B8を実施し、本処理を終了する。
この場合、後加工の基準となる補正された位置は、検出部321による検出位置からはみ出量Wを差し引いた位置である。
後加工工程実行の指示信号を受信した後加工装置30は、図6Bに示すように検出部321によりフィルムFの先端を検出する。そして、制御部31は、後加工部32を制御して、検出部321による検出位置からはみ出量Wを差し引いた位置を基準として後加工工程を実行する。
この場合、ラミネート枚葉紙Paの先端を基準として後加工を実行することができるため、精度良く後加工をすることができる。
【0067】
また、制御部11は、上記実施形態のステップA9~A17と同様のステップB9~B17を実施する。
【0068】
なお、上記実施形態及び変形例では、検知部17は、画像形成装置10に備えられるとしたがこれに限らない。検知部は、ラミネート装置20に備えられる構成であってもよい。また、ラミネート装置20の制御部21が上記加工処理を実行してもよい。
この場合、制御部21は、各ラミネート枚葉紙Paの端部からフィルムF(ラミネートフィルム)がはみ出ている側の端部を基準に後加工する後加工装置30に、検知部により検知された用紙の厚みまたは坪量、またそれに基づいて取得(算出)したはみ出量Wを通信部23を介して送信する。ここで、制御部21は送信部として機能する。
【0069】
以上のように、本実施形態に係るラミネーターシステム1は、連続して搬送される複数枚の枚葉紙(用紙P)をまとめて長尺のラミネートフィルム(フィルムF)でラミネート加工するラミネート加工部26と、枚葉紙毎にラミネート加工後の長尺のラミネートフィルムを断裁してラミネート枚葉紙Paを得る断裁部27と、ラミネート枚葉紙Paを後加工する後加工部32と、ラミネート枚葉紙Paの端部からのラミネートフィルムのはみ出量Wに基づいて後加工を制御する制御部11と、を備える。
したがって、ラミネートフィルムのはみ出量Wを加味して後加工を実行することができるため、精度良く後加工をすることができる。つまり、ラミネート加工後により適切に後加工を実行することができる。
【0070】
また、本実施形態に係るラミネーターシステム1において、制御部11は、はみ出量Wに基づいて後加工における基準位置を補正する。
したがって、補正された適切な位置を基準として後加工を実行することができる。
【0071】
また、本実施形態に係るラミネーターシステム1において、制御部11は、枚葉紙の厚み情報または坪量情報に基づいてはみ出量Wを算出する。
したがって、はみ出量Wを容易に算出することができる。
【0072】
また、本実施形態に係るラミネーターシステム1は、枚葉紙の厚み情報または坪量情報の入力を受け付ける受付部(制御部11)を備える。
したがって、操作部152を介したユーザーの入力操作により、枚葉紙の厚み情報または坪量情報を取得することができる。
【0073】
また、本実施形態に係るラミネーターシステム1は、枚葉紙の厚み情報または坪量情報を検知する検知部17を備える。
したがって、自動で枚葉紙の厚み情報または坪量情報を取得することができる。
【0074】
また、本実施形態に係るラミネーターシステム1において、制御部11は、複数種類の後加工が選択可能であり、ラミネート加工を実行する場合に複数種類の後加工のうち特定の後加工を選択不可とする。
したがって、積載等におけるフィニッシャーのようにラミネート枚葉紙Pa端部から突出したフィルムFの端部を基準として後加工することができない後加工の実行を防ぐことができる。
【0075】
また、本実施形態に係るラミネーターシステム1において、後加工が、断裁、折り、筋付け、ミシン目、パンチ、半抜き、綴じ、製本、ミーリング、糊付け、積載、先後端の反転、の少なくとも一つを含む。
したがって、後加工としての断裁、折り、筋付け、ミシン目、パンチ、半抜き、綴じ、製本、ミーリング、糊付け、積載、または先後端の反転をより適切に実行することができる。
【0076】
また、本実施形態に係るラミネーターシステム1は、ラミネート加工する前の枚葉紙に対して画像を形成する画像形成部13を備える。
したがって、画像形成部13、ラミネート加工部26、及び後加工部32が接続されたシステムにおいて、ラミネート加工後により適切に後加工を実行することができる。
【0077】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0078】
例えば、上記実施形態では、ラミネート加工は、用紙の表面に実施するとしたがこれに限らない。ラミネート加工は、用紙の一方の面の全体だけでなく、一部のみに対して実施するものや、一方の面だけでなく両面に対して実施するものであってもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、用紙は枚葉紙であるとしたが、連続紙であってもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、画像形成部13は、電子写真方式で画像を形成するとしたが、インクジェット方式などでも良く、画像形成方式は問わない。
【0081】
また、画像形成装置10と接続されていないラミネート装置20及び後加工装置30を備えるラミネーターシステムに本発明を適用してもよい。
【0082】
また、後加工部32はラミネート装置20に備えられてもよい。また、後加工部32の数や種類は、上記実施形態の例に限らない。
【0083】
なお、上記実施形態のラミネート方式は、フィルムFの接着層を定着部264により融解させて定着させるホットラミネート方式であるとしたがこれに限らない。ラミネート方式は、定着部264において加熱せず、加圧部により常温で接着可能な接着層を備えるフィルムFを用紙に圧接することにより定着させるコールドラミネート方式であってもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、フィルムFはロール状であるとしたが、カットされた枚葉のラミネートフィルムであってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ラミネート装置20を画像形成装置10とは別に取り付けるオプション構成を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、ラミネート装置20を画像形成装置10に内蔵させる構成であってもよい。
また、上記実施形態における加工処理は、制御部11により実行されるとしたがこれに限らない。ラミネート装置20の制御部21や後加工装置30の制御部31が実行してもよい。また、画像形成装置10あるいはラミネート装置20と通信接続された外部装置の制御部が実行してもよい。
【0086】
また、画像形成装置10が画像形成部13により画像が形成された後の用紙の搬送方向のサイズを検知する検知部を備える場合、制御部11は、図5B図5Cに示すように検出部321によりラミネート枚葉紙Paの先端及びフィルムFの後端を検知し、検出部321の検知結果から画像形成後の用紙サイズを差し引くことではみ出量Wを取得(算出)してもよい。また、制御部11は、図6B図6Cに示すように検出部321によりフィルムFの先端及びラミネート枚葉紙Paの後端を検知し、検出部321の検知結果から画像形成後の用紙サイズを差し引くことではみ出量Wを取得(算出)してもよい。
【0087】
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 ラミネーターシステム
10 画像形成装置
11 制御部(受付部)
12 画像読取部
13 画像形成部
131 書込部
131a 光走査部
131b 感光体
131c 現像部
131d 帯電部
131e クリーニング部
131f 1次転写ローラー
132 中間転写ベルト
133 2次転写ローラー
134 定着部
134a 定着ローラー
135 反転経路
14 記憶部
15 操作パネル
151 表示部
152 操作部
16 通信部
17 検知部
P 用紙
Pa ラミネート枚葉紙
T1 給紙トレイ
20 ラミネート装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 重畳部
25 装着部
26 ラミネート加工部
261 フィルムロール
262 フィルム搬送経路
263 貼り合わせ部
264 定着部
264a 加熱ローラー
264b 加圧ローラー
27 断裁部
28 搬送部
281 スルーパス経路
282 ラミネート加工経路
283 反転部
284 反転部
284a 搬送路切替部
29 読取部
F フィルム
W はみ出量
30 後加工装置
31 制御部
32 後加工部
321 検出部
33 搬送部
331 スルーパス経路
332 後加工経路
T2 排紙トレイ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C