(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179064
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】遊技用装置及び遊技用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092118
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 瑞祥
(72)【発明者】
【氏名】河野 靖信
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA04
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】稼働予測や稼働計画の精度を高める。
【解決手段】遊技場に設置されている遊技機1に関する情報を出力可能なサーバ6などの遊技用装置において、遊技機1の特徴を示す特徴情報と、遊技機1の稼働実績を示す過去の遊技情報と、を記憶可能な記憶部63(記憶手段)と、記憶部63に記憶されている特徴情報と過去の遊技情報との関係を学習させることで、遊技機1の稼働に関する予測情報を出力するモデルMを生成可能なモデル生成手段と、を備え、特徴情報には、遊技機1の筐体に関する画像情報が含まれるようにしてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置されている遊技機に関する情報を出力可能な遊技用装置において、
前記遊技機の特徴を示す特徴情報と、前記遊技機の稼働実績を示す過去の遊技情報と、を記憶可能な記憶手段と、
前記特徴情報と前記過去の遊技情報との関係を学習させることで、前記遊技機の稼働に関する予測情報を出力するモデルを生成可能なモデル生成手段と、を備え、
前記特徴情報には、前記遊技機の筐体に関する画像情報が含まれる
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記画像情報には、形状、模様及び色彩のうちの1以上を特定可能な情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記特徴情報には、前記遊技機に関するSNS情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記モデル生成手段により生成されたモデルから出力された予測情報に基づいて特定期間における稼働プランを作成可能なプラン作成手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項5】
遊技場に設置されている遊技機と、前記遊技機に関する情報を出力可能な遊技用装置と、を備えた遊技用システムにおいて、
前記遊技機の特徴を示す特徴情報と、前記遊技機の稼働実績を示す過去の遊技情報と、を記憶可能な記憶手段と、
前記特徴情報と前記過去の遊技情報との関係を学習させることで、前記遊技機の稼働に関する予測情報を出力するモデルを生成可能なモデル生成手段と、を備え、
前記特徴情報には、前記遊技機の筐体に関する画像情報が含まれる
ことを特徴とする遊技用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場に設置されている遊技機に関する情報を出力可能な遊技用装置及び遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置されている遊技機に関する情報を出力可能な遊技用装置や遊技用システムが知られている。
例えば、特許文献1には、所定期間における実績値に基づいてシミュレーションを実施するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムには、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の遊技用装置は、遊技場に設置されている遊技機に関する情報を出力可能な遊技用装置において、前記遊技機の特徴を示す特徴情報と、前記遊技機の稼働実績を示す過去の遊技情報と、を記憶可能な記憶手段と、前記特徴情報と前記過去の遊技情報との関係を学習させることで、前記遊技機の稼働に関する予測情報を出力するモデルを生成可能なモデル生成手段と、を備え、前記特徴情報には、前記遊技機の筐体に関する画像情報が含まれる構成にしてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態に係る遊技用システムの概略図である。
【
図2】本発明の遊技用装置の一例であるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】各店舗における過去の遊技情報(稼働実績)の一例を示す図表である。
【
図6】(a)はアウト予測モデルの生成手法の説明図であり、(b)は(a)の手法により生成されたアウト予測モデルを示す図である。
【
図9】モデルの生成手順を示すフローチャートである。
【
図10】稼働プランの作成手順を示すフローチャートである。
【
図11】Sプラン画面の一例を示す図である。(a)は、計画日及び振分台数が入力される前のSプラン画面であり、(b)は、計画日及び設定1の台数:2台が入力された後のSプラン画面であり、(c)は、全設定の台数が入力された後のSプラン画面である。
【
図12】Pプラン画面の一例を示す図である。(a)は、計画日が入力される前のPプラン画面であり、(b)は、計画日が入力された後のPプラン画面である。
【
図13】特定月を計画月とした場合のSプラン画面である。
【
図14】特定年を計画年とした場合のPプラン画面である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技用システムの概略図である。
図1に示すように、本実施形態の遊技用システムは、各遊技場(店舗)に設けられている遊技機1と、遊技機1に関する遊技情報を取得・集計・出力可能なホールコンピュータ4と、ホールコンピュータ4等と通信を定期又は不定期に実行することで各店舗に設置されている遊技機1に関する遊技情報を取得・集計・出力可能なサーバ6と、例えば店舗管理者が使用するスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの端末機器7とによって構成される。
この遊技用システムでは、各店舗に設置されている遊技機1の稼働実績を示す過去の遊技情報(稼働実績値)に基づき、遊技機1の稼働に関する予測情報(稼働予測値)を出力する。
また、遊技システムでは、出力された稼働予測値に基づくシミュレーションの実施によって、特定日や特定期間における稼働プランなど店舗の営業計画を作成する。
【0008】
図1に示すように、各店舗には、遊技機1(パチンコ機1a,パチスロ機1b)が設置されている。
遊技機1には、遊技者に遊技媒体を貸し出す貸出機2(パチンコ機用2a,パチスロ機用2b)が隣接して配置されており、遊技者は以下の流れに沿って遊技を行う。
例えば、遊技者は、遊技の開始にあたり、遊技機1に隣接配置されている貸出機2に現金又は所定のカードを投入するとともに、所定の貸出操作を行うことにより遊技媒体の貸し出しを行う。貸し出された遊技媒体は遊技機1に投入される。
パチンコ機1aでは、遊技者が発射ハンドルを操作して遊技媒体となる遊技球を遊技領域に発射させ、その発射した遊技球が所定の入賞口に入賞することで、所定数の遊技球が払い出される。
パチスロ機1bでは、遊技者が遊技媒体となるメダルを投入してスタートレバーを操作することにより、所定の絵柄や文字,数字等の図柄を表示した複数のリールが回転を開始し、各リールに対応した複数のストップボタンを任意のタイミングで押下することでリールを停止させ、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数のメダルが払い出される。
遊技機1には、店舗毎に、貸出レートが設定されている。
例えば、店舗によっては、遊技球1玉の貸出レートが1円/玉のパチンコ機1a(1円パチンコ)があり、遊技球1玉の貸出レートが4円/玉のパチンコ機1a(4円パチンコ)がある。
また、メダル1枚の貸出レートが5円/枚のパチスロ機1b(5円スロット)があり、メダル1枚の貸出レートが20円/枚のパチスロ機1b(20円スロット)がある。
遊技機1及び貸出機2は、LAN3及び図示しない中継装置を介してホールコンピュータ4と通信可能に接続されており、遊技機1及び貸出機2からは様々な遊技信号がホールコンピュータ4に送信される。
遊技信号には、遊技機1へ投入された遊技媒体数に対応して出力されるアウト信号、遊技機1から払い出された遊技媒体数に対応して出力されるセーフ信号、貸出機2における貸出操作に応じて出力される貸出信号などがある。
【0009】
ホールコンピュータ4は、プログラムに従って動作する情報処理装置であり、LAN3を介して遊技機1と通信可能に接続されているとともに、インターネットなどの公衆回線5を介してサーバ6と通信可能に接続されている。
ホールコンピュータ4は、店舗管理者が操作可能な場所などに設置されている遊技用装置であり、店舗に設置されている全遊技機1に関する遊技情報を取得・算出・集計することができる。
例えば、ホールコンピュータ4は、パチンコ機1aや貸出機2から出力される遊技信号を入力して、台アウト、スタート、ベース、BA、SA、T1Y、客滞率などのパチンコ機1aの稼働を示す遊技情報を算出・集計し、パチスロ機1bや貸出機2から出力される遊技信号を入力して、アウト、コイン単価、出率などのパチスロ機1bの稼働を示す遊技情報を算出・集計する。
各遊技情報の内訳及び算出方法は、公知であるため、説明を省略する。
ホールコンピュータ4は、算出した遊技情報を、遊技機毎、PS区分毎、機種毎、機種タイプ毎、設定値毎、貸出レート毎、日付毎に集計可能な態様でサーバ6に送信することができる。
つまり、サーバ6は、各店舗における過去の遊技情報(稼働実績情報)をサーバ6に送信する。
なお、遊技情報の算出や集計の一部又は全部をサーバ6が実行してもよい。
【0010】
サーバ6は、本発明の遊技用装置の一例であり、稼働予測値をAI((Artificial Intelligence:人工知能)を利用して求め、当該稼働予測値を使用したシミュレーションの実施によって営業計画(稼働計画)を作成する。
サーバ6は、プログラムに従って動作する情報処理装置であり、インターネットなどの公衆回線5を介してホールコンピュータ4や端末機器7と通信可能に接続されている。
サーバ6は、
図2に示すように、出力部61と、通信部62と、記憶部63と、制御部64とによって構成されている。
出力部61は、遊技情報を出力する。
例えば、遊技機1の稼働に関する予測情報(稼働予測情報)を通信部62に出力する。
通信部62は、公衆回線5を介して、各店舗のホールコンピュータ4や端末機器7などの外部機器と通信可能に接続される。
これにより、通信部62は、各店舗のホールコンピュータ4から送信された、各店舗における過去の遊技情報(稼働実績情報)を受信する。
通信部62は、出力部61により出力された稼働予測情報を端末機器7やホールコンピュータ4に送信する。
なお、端末機器7やホールコンピュータ4には、サーバ6から出力された稼働予測情報や稼働プランを閲覧可能に表示するソフトウェア(ブラウザ)が組み込まれている。
また、通信部62は、Web-APIを提供するサーバなどの外部装置とも通信可能に接続される。
Web-APIとしては、Twitter、Instagram、5ch、TicTok、GoogleTrends(登録商標を含む)などのSNS(Social Networking Service)において投稿される文字情報、投稿数、検索数などのSNS情報を提供可能なSNS-APIが例示される。
これにより、サーバ6は、各種SNS情報を取得することができる。
また、天気予報の情報を提供可能な天気APIや、街中や店舗周辺の人出数を提供可能な人出数APIなどのWeb-APIも例示することができる。
【0011】
記憶部63は、サーバ6の各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶可能な記憶媒体(例えば、ROM、RAM、ハードディスク、SSDなど)で構成される。
記憶部63は、各店舗(ホールコンピュータ4)から受信した各店舗の過去の遊技情報(稼働実績情報)を記憶する。
図3は、各店舗の過去の遊技情報(稼働実績情報)の一例を示す図表である。
同図に示すように、記憶部63は、パチスロ機1bに関しては、アウト、コイン単価、出率などを、パチンコ機1aに関しては、台アウト、スタート、ベース、BA、SA、T1Y、客滞率などを、店舗毎、PS区分毎、機種毎、設定値毎、貸日付毎に管理可能に記憶する。
【0012】
記憶部63は、このような過去の遊技情報(稼働実績情報)とは別に、遊技機1の特徴情報を記憶する。
特徴情報には、遊技機1の稼働と相関関係が推認される情報が含まれている。
特徴情報は、遊技機1や機種に関する特徴や特性を示す機種特性情報、カレンダー情報、及び、店舗の特徴や特性を示すホール特性情報に分類することができる。
【0013】
図4は、機種特性情報、カレンダー情報、及び、ホール特性情報の内訳を示す図表である。
同図に示すように、「機種特性情報」には、機種名、台数、メーカー名、PS区分、機種タイプ、段階設定有無情報、設定値、筐体画像情報、導入日、検定コード、カテゴリー名、SNS情報、時系列遊技情報などが含まれる。
「台数」は、その機種名の遊技機1が店舗に設置されている台数である。
「PS区分」は、パチスロ機1bかパチンコ機1aかを示す情報である。
「機種タイプ」には、パチスロ機1bの場合、ノーマルタイプ(Aタイプ)、ATタイプ、ARTタイプ、A+ARTタイプ、沖スロタイプなどがあり、パチンコ機1aの場合、「甘デジタイプ」、「マックスタイプ」、「ミドルタイプ」、「ライトミドルタイプ」、「羽根物タイプ」などがある。
「段階設定有無情報」は、ボーナスの発生確率を含む出玉率を複数段階(例えば、6段階)に設定可能な機能を遊技機1が備えているか否かを示す情報である。
「設定値」は、例えば6段階の場合、1~6の数値情報である。6段階に限らず5段落以下でもよく、段階が特定されれば数値情報でなくてもよい。
「筐体画像情報」は、例えば、遊技機1の筐体の画像情報である(
図7参照)。
筐体画像情報は、主にカラーの静止画像の情報を用いるが、モノクロ画像や動画の情報でもよい。
筐体画像情報は、予めカメラで撮影した撮像画像の情報を用いてもよく、遊技機メーカーから発信される製品情報等に含まれる画像情報を用いてもよい。
「カテゴリー情報」は、様々なカテゴライズ情報(例えば、シリーズ機種に付されるシリーズ名、提携するマンガ・アニメ、歌手などの名称、独自に分類される場合のオリジナル名称など)を示す情報である。
「SNS情報」は、SNS-APIから取得した機種毎のSNSに関する情報である(
図8参照)。1種でも2種以上のSNSに関する情報でもよい。
「時系列遊技情報」は、例えば、前日の稼働実績値や、導入日から前日までの各稼働実績値など、稼働傾向を特定するために用いられる過去の遊技情報である。
【0014】
「カレンダー情報」には、日付のほか、曜日、国民の祝日、天気、国民的行事、人出数などが含まれる。
「国民的行事」は、オリンピックやワールドカップなど多くの日本国民が関心を示す行事やイベントを示す情報である。
「人出数」は、鉄道の乗車率や、街中や店舗周辺の人数を示す情報である。
「ホール特性情報」は、店舗個別データや、地域性を示す情報などである。
店舗個別データには、店舗名を示す情報がある。
また、店舗個別データには、各店舗の稼働を示す情報(例えば、貸出レート毎のアウト、売上、粗利などの店舗単位の遊技情報)がある。
地域性を示す情報には、例えば、店舗の住所などがある。
【0015】
このように、記憶部63は、プログラムを記憶するほか、遊技機1の特徴を示す特徴情報(機種特性情報、カレンダー情報、ホール特性情報)と、遊技機1の稼働実績を示す過去の遊技情報(稼働実績情報)と、を記憶する記憶手段として機能する。
【0016】
制御部64は、CPUなどで構成されており、記憶部63に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、以下の動作を行う。
具体的には、制御部64は、モデル生成手段として動作することで、記憶部63(記憶手段)に記憶されている遊技機1の特徴情報(機種特性情報、カレンダー情報、ホール特性情報)と過去の遊技情報(稼働実績情報)との関係を学習させることで、遊技機の稼働に関する予測情報を出力可能なモデルを生成する。
【0017】
「モデル」は、AI、すなわち、機械学習により生成することができる。
具体的には、記憶部63に記憶されている、遊技機1の特徴情報と過去の遊技情報(稼働実績情報)との組み合わせ(「データセット」ともいう)を多数用意し、これらをニューラルネットワーク(プログラム)に入力することで、遊技機1の特徴情報と稼働実績との関係を自律的に学習させ、その結果としてモデルが生成される。
【0018】
ニューラルネットワークに基づく深層学習(ディープラーニング)について説明する。
図5は、ニューラルネットワークの模試図である。
同図に示すように、ニューラルネットワークは、入力層と出力層との間に、複数の中間層を備えることで深層学習が実行可能になる。
各層には、入力値に対し重み付けをして出力可能な関数がニューロンとして配される。
ニューロンは、出力層には1つ配される。本実施形態では、1つの予測値(連続値)を出力させるからである。入力層や中間層のニューロン数は、任意に設定できる。
なお、各ニューロンにおける重みは各々所定の初期値が設定されているものとする。
本実施形態における学習処理について説明する。
学習段階では、「問い」に相当する「特徴情報」を入力層から入力すると、複数の中間層に配された多数のニューロンにおける演算を経て、出力層から遊技情報の出力値が出力されるところ、その出力値と、「答え」に相当する稼働実績(「実績値」)との誤差が最小になるように、各ニューロンにおける重みが自律的に変更(最適化)される(
図5参照)。
この学習処理(深層学習)を、多数のデータセットについて実行することで、未知の稼働予測値(AI予測値)を精度よく出力させる予測モデルが形成される。
【0019】
本実施形態では、学習対象として、記憶部63に記憶されている特徴情報と過去の遊技情報(実績値)とのデータセットを用いる。
過去の遊技情報(実績値)は、当日のアウト実績値を用いる。
特徴情報は、機種特性情報、カレンダー情報、及び、ホール特性情報に含まれる1以上の情報を用いる(
図5参照)。
つまり、
図4に示す、機種名、台数、メーカー名、PS区分、機種タイプ、段階設定有無情報、設定値、筐体画像、導入日、検定コード、カテゴリー名、SNS情報、時系列遊技情報(機種特性情報)、日付、曜日、国民の祝日、天気、国民的行事、人出数(カレンダー情報)、店舗個別データ、地域性を示す情報(ホール特性情報)の中から1以上を用いればよい。
【0020】
一例として、機種毎且つ設定値毎に、前日(つまり当日の前日)のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報と、当日(つまり前日の翌日)のアウト実績値とのデータセットを学習する場合について、下記(1)~(3)の順に説明する。
説明の便宜上、導入済みの機種は、機種A~Zがあり、いずれも1~6のうちのいずれかが設定され、アウト実績値は導入日(2022年1月1日)からその年の5月5日分まで記憶部63に記憶されているものとする。
【0021】
(1)機種Aについて、
図6(a)に示すように、導入日の設定1のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報を入力して出力値を出力させ、当該出力値と、導入日翌日(導入日+1日目)の設定1のアウト実績値との誤差が最小になるように学習を行いモデルを生成する。次に、導入日翌日(導入日+1日目)の設定1のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報を前記学習済みのモデルに入力して出力値を出力させ、当該出力値と、導入日+2日目の設定1のアウト実績値との誤差が最小になるように学習を行いモデルを更新する。この処理を5日5日分まで、設定1~設定6のそれぞれについて実行する。これにより、機種Aの学習は終了し、機種Aの特徴を学習したアウト予測モデルの生成が完了する。
【0022】
(2)機種Aのアウト予測モデルに対し、機種Bに関する学習処理を追加する。
まず、導入日の設定1のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報を、学習済みの機種Aのアウト予測モデルに入力して出力値を出力させ、当該出力値と、導入日翌日(導入日+1日目)の設定1のアウト実績値との誤差が最小になるように学習を行いモデルを更新する。次に、導入日翌日(導入日+1日目)の設定1のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報を前記更新後のモデルに入力して出力値を出力させ、当該出力値と、導入日+2日目の設定1のアウト実績値との誤差が最小になるように学習を行いモデルを更新する。この処理を5日5日分まで、設定1~設定6のそれぞれについて実行する。これにより、機種A及び機種Bの学習は終了し、機種A及び機種Bの特徴を学習したアウト予測モデルの生成が完了する。
【0023】
(3)上記(2)の処理を、機種C~Zについてそれぞれ実行する。これにより、全機種の学習は終了し、全機種の特徴を学習したアウト予測モデルM11の生成が完了する。
つまり、5月5日までのアウト実績値を用いて計画日:5月6日のアウト予測値を出力可能なアウト予測モデルM11(5/6)を生成することができる。
すなわち、当日の前日までのアウト実績値を用いて当日のアウト予測値を出力可能なアウト予測モデルM11を設定毎に生成することができる。
なお、上記順序(機種A→機種B→・・・→機種Z)に限らず、全機種について学習を行うのであれば、どのような順序で学習を行ってもよい。
【0024】
直近の将来である翌日(5月6日)を計画日としてアウト予測値を出力させる場合の処理について説明する。
この場合、生成された前記アウト予測モデルM11(5/6)に対し、計画日の前日(5月5日)のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報を入力する。
これにより、計画日(5月6日)のアウト予測値が出力される。
ここで、5月6日の営業が終了し、その日のアウト実績値が取得(記憶)された場合には、その時点で、アウト予測モデルM11(5/6)を、5月7日のアウト予測値を出力可能なアウト予測モデルM11(5/7)に更新することができる。
具体的には、5月5日のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報を直前に生成されたアウト予測モデルM11(5/6)に入力させたときの出力値(5月6日のアウト予測値)と、取得した5月6日のアウト実績値との誤差が最小になるように学習を行うことでアウト予測モデルM11(5/6)がアウト予測モデルM11(5/7)に更新される。
つまり、営業が終了して当該営業日のアウト実績値が取得できれば、常に、その翌日の計画日のアウト予測値を出力可能なアウト予測モデルM11を生成することができる。
【0025】
(翌日以降の営業日の予測値について)
翌日以降のアウト予測値を出力させることもできる。
一例として、5月5日の営業終了時点で、5月6日~5月10日の各営業日におけるアウト予測値を出力させる場合について説明する。
この場合、アウト予測モデルM11(5/6)に対し、5月5日のアウト実績値、筐体画像情報、及び、SNS情報を入力する。これにより、5月6日のアウト予測値が出力される。この5月6日のアウト予測値は記憶しておく。
次に、5月6日の経過を待たずに、5月7日のアウト予測値を出力させる。具体的には、アウト予測モデルM11(5/6)に対し、5月6日のアウト予測値、筐体画像情報、及び、SNS情報を入力する。これにより、5月7日のアウト予測値が出力される。この出力値を記憶しておく。
この処理を5月10日のアウト予測値を出力させるまで実行すればよい。
これにより、5月5日の営業終了時に、5月6日~5月10日の各営業日における各アウト予測値を出力させることができる。
このため、営業日の経過を待たずに、数日間に亘る各アウト予測値や数日後のアウト予測値を出力させることもできる。
これにより、将来の長期間(例えば180日間)に亘る各アウト予測値を早々に出力させることができる。
【0026】
上記(1)~(3)と同様の処理をコイン単価や出率を用いて実行することで、コイン単価予測モデルM12や出率予測モデルM13を生成することができる。
つまり、アウト実績値及びアウト予測値の代わりにコイン単価実績値及びコイン単価予測値を当て嵌めて実行することでコイン単価予測モデルM12を生成することができ、アウト実績値及びアウト予測値の代わりに出率実績値及び出率予測値を当て嵌めて実行することで出率予測モデルM13を生成することができる。
これにより、機種毎及び設定値毎にパチスロ機用モデルM1を生成することができる。
また、パチンコ機1aについても、(1)~(3)と同様の処理を実行することで、台アウト予測モデルM21、スタート予測モデルM22、ベース予測モデルM23、BA予測モデルM24、SA予測モデルM25、T1Y予測モデルM26、及び、客滞率予測モデルM27といったパチンコ機用モデルM2を機種毎に生成することができる。
このようにすると、時系列に亘る稼働傾向を反映した稼働予測モデルを生成することができる。
【0027】
なお、上述の処理は、当日の前日の実績値と当日(前日の翌日)の実績値との関係を学習させるモデルの生成手法であるが、これに限るものではない。
例えば、3日前から前日に亘る実績値と当日の実績値との関係を学習させて本発明のモデルを生成してもよい。
この場合、3日前の実績値、2日前の実績値、及び1日前の実績値という複数の実績値を入力させたり、それら実績値の合計値、平均値などの代表値を入力することで出力された出力値と当日の実績値との誤差を最小にするように学習を行ってモデルを生成すればよい。
そうすると、例えば、導入日から前日に亘る実績値と当日の実績値との関係を学習させて本発明のモデルを生成することもできる。
時系列に係る特徴を学習可能な公知の再帰型ニューラルネットワーク(例えばRNN(Reccurent Neural Network)やLSTN(Long Short Term Memory))を用いて、本発明のモデルを生成してもよい。
【0028】
(筐体画像情報とSNS情報について)
本実施形態では、学習対象に時系列遊技情報を含むほか、遊技機1の筐体画像情報やSNS情報の一方又は両方を含むところに特徴を有する。
筐体画像情報は、機種の筐体画像(盤面構造を示す情報)を画素単位で入力する。例えば、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各階調(256段階)が付された縦×横の各画素を入力する。例えば、縦100ピクセル×横100ピクセルで構成された筐体画像については、100(縦)×100(横)×3(RGB)の数のニューロンを入力層に配して、各画素情報をそれぞれのニューロンに入力する。
これにより、ニューラルネットワークを介して、筐体画像に施された形状、模様、及び色彩や、それらの位置などの遊技機1の外観的特徴(盤面の特徴など)を特定可能な情報が特徴情報として学習される。
学習対象に遊技機1の外観的特徴を含めたのは、これら外観的特徴と遊技機1の稼働との間に相関関係が推認乃至確認されたからである。
つまり、遊技機1は、多くの場合、機種毎に固有の形状、模様、色彩などの平面的又は立体的なデザインが筐体に施されるが、例えば、そのデザインが斬新や魅力的である場合には、遊技者に遊技への興趣を一層起こさせ、そのデザインが陳腐である場合には遊技への興趣を起こさせないなど、機種がもつ遊技性と独立又は相乗して、稼働の高低に影響を及ぼし得るとの分析結果を得たからである。
【0029】
図7は、高稼働であることが知られている遊技機1の筐体画像を示す図である。
図7(a)は、筐体の中段左側部にギザギザ模様aのボーナス告知部が設けられた機種Aの外観図である。
機種A以外でも、筐体にギザギザ模様a(当該模様に類似する模様を含む)が存在する機種や、当該ギザギザ模様aが筐体の中段に存在する機種や、当該ギザギザ模様aが筐体の中段側部に存在する機種や、当該ギザギザ模様aが筐体の中段左側部に存在する機種など、機種Aと模様の特徴が類似する機種は稼働が高くなる傾向が推認乃至確認された。
図7(b)は、筐体の中段中央部に丸枠bで囲まれたボーナス告知部を設けた機種Bの外観図である。
機種B以外でも、筐体に丸枠b(当該形状に類似する形状を含む)が存在する機種や、当該丸枠bが筐体の中段に存在する機種や、当該丸枠が筐体の中段中央部に存在する機種など、機種Bと形状の特徴が類似する機種は稼働が高くなる傾向が推認乃至確認された。
図7(c)は、筐体全体が金色に施されている機種Cの外観図である。
機種C以外でも、筐体の一部又は全体的に金色や銀色に施されている機種など、機種Cと色彩の特徴が類似する機種は稼働が高くなる傾向が推認乃至確認された。
図7(d)は、筐体の上部に特徴的な形状の役物が設けられた機種Dの外観図である。
図7(e)は、筐体の上部に筐体本体から大きくはみ出した役物が設けられた機種Eの外観図である。
機種D,E以外でも、筐体に特徴的な形状の役物が設けられている機種や、筐体に本体をはみ出すほどの大きな役物が設けられている機種や、それらの役物が筐体の上部に設けられている機種など、機種D,Eと形状の特徴が類似する機種は稼働が高くなる傾向が推認乃至確認された。
【0030】
このように、筐体の外観的特徴と稼働との間には相関関係が存在することが推認されるため、本発明において、筐体画像情報と稼働実績値との関係を学習させることで、任意の機種の筐体画像情報を入力することで、その機種の稼働予測値を出力させるモデルを生成することができる。
そして、学習対象に筐体画像情報を含めることで、他の特徴情報だけを学習対象に用いた場合に比べ予測精度の高いモデルを生成することができる。
【0031】
SNS情報は、SNS-APIを介して取得した機種毎のSNS情報を入力する。
SNSには、高稼働の機種に対し「神台」、「万枚」、「面白い」、「スゲー出た」などの情報(高稼働投稿情報)が投稿されることが多い。
つまり、このような投稿情報が投稿されている機種の稼働は高く、その投稿数が多いほど稼働が高い機種であることが推認される。
また、このような投稿情報を検索して閲覧した者は、その機種に対して興趣が起こされ、将来遊技を行う確率が高まることから、その検索数が多いほど、稼働が高くなることが推認される。
他方、SNSには、低稼働の機種に対し「クソ台」、「撤去」、「もう打たない」などの情報(低稼働投稿情報)が投稿されることがある。
つまり、このような投稿情報が投稿されている機種の稼働は低く、その投稿数が多いほど稼働が低い機種であることが推認される。
また、このような投稿情報を検索して閲覧した者は、その機種に対して興趣が起こされず、将来遊技を行う確率が低下することから、その検索数が多いほど、稼働が低くなることが推認される。
そこで、本発明では、
図8に示すように、高稼働情報や低稼働情報の文字数や、その検索数、投稿数の多寡に応じて機種毎にスコアを付け、当該スコアをSNS情報として学習対象に含めた。なお、スコアに限らず、投稿された文字情報をSNS情報として学習対象に含めることもできる。
このように、SNS情報と稼働情報との間には相関関係が存在することが推認されるため、本発明において、SNS情報と稼働実績値との関係を学習させることで、任意の機種のSNS情報を入力させることでその機種の稼働予測値を出力させるモデルを生成することができる。
そして、学習対象にSNS情報を含めることで、他の特徴情報だけを用いた場合に比べ予測精度の高いモデルを生成することができる。
【0032】
(カレンダー情報について)
特徴情報には、筐体画像情報やSNS情報の他に、他のカレンダー情報を含めることもできる。
カレンダー情報には、日付、曜日、国民の祝日、天気、国民的行事、人出数を示す情報が含まれる。
特に、「曜日」は、稼働と相関関係があることが推認される。
例えば、平日である月曜日から金曜日は、土曜日や日曜日に比べて稼働が少ないことが知られていることに加え、例えば、稼働が多い日曜日の翌日である月曜日は平日の中でも稼働が少ないことが推認される。
このため、「曜日」を学習対象に含めてモデルを生成し、当該モデルに予測日の曜日を含めた特徴情報を入力することで、高精度の予測値の出力が期待できる。
「天気」も稼働と相関関係があることが推認される。
このため、「天気」を学習対象に含めてモデルを生成し、当該モデルに予測日に予想される「天気」を含めた特徴情報を入力することで、高精度の予測値の出力が期待できる。
「国民的行事」も稼働と相関関係があることが推認される。
例えば、オリンピックが開催されている期間は、国民の多くはテレビでオリンピックを観戦しているため、稼働が低くなることが推認される。
また、サッカーのワールドカップが開催されている期間も同様で有る。
ただし、開催国との時差の関係上、生放送が夜間に行われる場合と昼間に行われる場合とで状況が異なることも想定される。
このため、対象の日付けに東京五輪やドバイワールドカップなど「国民的行事」が開催されている場合は、当該「国民的行事」を示す情報を学習対象に含めてモデルを生成し、また、計画日に「国民的行事」が開催されている場合は、当該モデルに「国民的行事」を含めた特徴情報を入力することで、高精度の予測値の出力が期待できる。
なお、「国民的行事」を示す情報は、カレンダー情報を提供可能な公知のWeb-APIから自動的に取得できる。
「人出数」も稼働と相関関係があることが推認される。
街中の「人出数」が多い場合は、少ない場合に比べ稼働が多くなることが推認される。
特に、店舗周辺の人出が多い場合には、その傾向が表れやすい。
このため、「人出数」を示す情報を学習対象に含めてモデルを生成し、また、当該モデルに「人出数」を含めた特徴情報を入力することで、高精度の予測値の出力が期待できる。
【0033】
(ホール特性情報について)
ホール特性情報において、「地域性を示す情報(例えば、ホールの住所)」は、稼働と相関関係が推認される。
これは、場所柄や近隣店舗との関係によって、店舗に出入りする遊技者の数が増減することが経験的・統計的に推認されるからである。
このため、「地域性を示す情報」を学習対象に含めてモデルを生成し、また、当該モデルに「地域性を示す情報」を含めて入力することで、高精度の予測値の出力を期待できる。
「店舗個別データ」(例えば、貸出レート毎の遊技情報(アウト、売上、粗利など))は、稼働と相関関係が推認される店舗に固有の稼働情報である。
このため、店舗個別データを学習に含めることで店舗毎の稼働予測モデルを生成することができる。
例えば、各店舗のPS区分毎のアウト実績値を含めて学習を行うことで、任意店舗の計画日や計画月のPS区分毎のアウト予測値を出力する予測モデル(店舗)を生成することができる。
また、各店舗のPS区分毎の粗利を含めて学習を行うことで、任意店舗の計画日や計画月のPS区分毎の粗利予測値を出力する予測モデル(店舗)を生成することができる。
【0034】
(モデルMの作成方法)
モデルMの作成方法について説明する。
図9は、モデルMの作成手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、サーバ6において、記憶部63に遊技機1の特徴情報を記憶する(S11)。
特徴情報には、例えば、時系列遊技情報、筐体画像情報(
図7)、SNS情報(
図8)などが含まれる。
次に、サーバ6において、記憶部63に各店舗の稼働実績を示す過去の遊技情報(
図3)を記憶する(S12)。
次に、学習を実行する(S13)。
具体的には、S11及びS12において記憶した特徴情報と過去の遊技情報(稼働実績値)とのデータセットを学習させる。
具体的には、各特徴情報をニューラルネットワークの入力層から入力する。
これにより、複数の中間層に配された多数のニューロンにおける演算を経て出力層から出力される出力値と、稼働実績値との誤差が最小になるように、各ニューロンにおける重みが自律的に変更(最適化)される(
図5参照)。
この学習処理(深層学習)を、多数のデータセットについて実行する、
これにより、モデルが生成される(S14)。
すなわち、将来の計画日における稼働予測値を出力可能なモデルMが生成される。
例えば、パチスロ機用モデルM1として、機種毎及び設定値毎に、アウト予測モデルM11、コイン単価予測モデルM12、出率予測モデルM13が生成され、パチンコ機用モデルM2として、機種毎に、台アウト予測モデルM21、スタート予測モデルM22、ベース予測モデルM23、BA予測モデルM24、SA予測モデルM25、T1Y予測モデルM26、及び、客滞率予測モデルM27が生成される。
【0035】
(シミュレーションに基づく稼働プランの作成)
サーバ6は、AI予測値を使用したシミュレーションによって稼働計画(稼働プラン)を作成することができる。
すなわち、サーバ6は、モデル生成手段により生成されたモデルから出力された予測情報(AI予測値)に基づいて特定期間における稼働プランを作成可能なプラン作成手段を備えている。
例えば、店舗管理者は、自店舗の稼働プランを作成することができる。
稼働プランには、パチスロ機1b用のSプランと、パチンコ機1a用のPプランとがある。
図10は、稼働プランの作成手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、計画日の入力を行う(S21)。
図11は、Sプラン画面の一例を示す図であり、
図12は、Pプラン画面の一例を示す図である。
Sプラン画面及びPプラン画面は、端末機器7の表示部71にWebを介して表示することができる。
Sプラン画面及びPプラン画面には、「計画日」欄が設けられている。
【0036】
Sプランについて説明する。
店舗Aの店舗管理者は、端末機器7を操作することで「計画日」欄に計画日を入力し、機種毎に各設定値における振分台数を入力する。
例えば、「計画日」欄に「△年△月△日」を入力し、「機種A」の「設定1」の「台数」欄に「2台」を入力する。入力した情報はサーバ6に送信される。
なお、計画日:△年△月△日は、当日の明日とする。
図11(a)は、計画日及び振分台数が入力される前のSプラン画面であり、
図11(b)は、計画日及び設定1の台数:2台が入力された後のSプラン画面である。
同図に示すように、計画日及び振分台数が入力されると、サーバ6は、計画日及び振分台数を受信し、生成済みのモデルMに特徴情報が入力される(S22)。
これにより、サーバ6において、モデルMからパチスロ機1bに関する稼働予測値が出力される(S23)。
【0037】
具体的には、機種Aのアウト予測値については、計画日の前日の機種Aの設定1のアウト実績値と筐体画像情報とSNS情報などがアウト予測モデルM11に自動的に入力され、これにより、アウト予測モデルM11から計画日における設定1のアウト予測値が出力され、その2台分のアウト予測値(出力されたアウト予測値×2)が算出されて該当欄(機種Aの設定値1のアウト欄)に自動入力される。
これにより、店舗Aに設置されている機種Aについて、設定1を2台とした場合のアウト予測値を示すことができる(
図11(b)参照)。
他の設定値(設定2~6)についても同様である。
例えば、設定2については、設定2の台数欄に「3台」を入力すると、計画日の前日の機種Aの設定2のアウト実績値と筐体画像情報とSNS情報などがアウト予測モデルM11に自動的に入力され、これにより、アウト予測モデルM11から計画日における設定2のアウト予測値が出力され、その3台分のアウト予測値(出力されたアウト予測値×3)が算出されて該当欄(機種Aの設定値2のアウト欄)に自動入力される(
図11(b)参照)。
同様に、設定3の台数欄に「4台」を入力すると、設定3の4台分のアウト予測値(出力されたアウト予測値×4)が該当欄に自動入力され、設定4の台数欄に「3台」を入力すると、設定4の3台分のアウト予測値(出力されたアウト予測値×3)が該当欄に自動入力され、「設定5」の台数欄に「4台」を入力すると、設定5の4台分のアウト予測値(出力されたアウト予測値×4)が該当欄に自動入力され、「設定6」の台数欄に「1台」を入力すると、設定6の1台分のアウト予測値(出力されたアウト予測値×1)が該当欄に自動入力される。
これにより、店舗Aに17台設置されている機種Aについて、各設定値を割り振った場合におけるアウト予測値を設定値毎に示すことができる(
図11(c)参照)。
【0038】
機種Aのコイン単価予測値や出率予測値についても同様であり、他の機種の稼働予測値も同様である。
つまり、このようにして、店舗Aの計画日におけるパチスロ機1bの全機種の設定値毎の稼働予測値が出力され(S23)、当該稼働予測値に基づくシミュレーション(演算)によって稼働プラン(Sプラン)が作成される(S24)。
【0039】
Pプランについて説明する。
例えば、Pプラン画面において、「計画日」欄に「△年△月△日」を入力すると、入力した計画日及び台数を示す情報がサーバ6に送信される。
図12(a)は、計画日が入力される前のPプラン画面であり、
図12(b)は、計画日が入力された後のPプラン画面である。
同図に示すように、サーバ6は、計画日及び台数を示す情報を受信し、生成済みのモデルMに特徴情報が入力される(S22)。
これにより、サーバ6において、モデルMからパチンコ機1aに関する稼働予測値が出力される(S23)。
【0040】
具体的には、機種Mの台アウト予測値については、計画日の前日の機種Mの台アウト実績値と筐体画像情報とSNS情報などが台アウト予測モデルM21に自動的に入力され、これにより、台アウト予測モデルM21から計画日における台アウト予測値が出力され、その台数分の台アウト予測値が算出されて該当欄(機種Mの台アウト欄)に自動入力される。
機種Mのスタート予測値については、計画日の前日の機種Mのスタート実績値と筐体画像情報とSNS情報などがスタート予測モデルM22に自動的に入力され、これにより、スタート予測モデルM22から計画日におけるスタート予測値が出力され、その台数分のスタート予測値が算出されて該当欄(機種Mのスタート欄)に自動入力される。
他の稼働予測値(ベース予測値、BA予測値、SA予測値、T1Y予測値、客滞率予測値)や、他の機種の稼働予測値も同様である。
つまり、このようにして、店舗Aの計画日におけるパチンコ機1aの全機種の稼働予測値が出力され(S23)、当該稼働予測値に基づくシミュレーション(演算)によって稼働プラン(Pプラン)が作成される(S24)。
【0041】
このように、本発明のサーバ6は、将来の計画日(例えば翌日)における稼働予測値を出力し、当該稼働予測値を使用したシミュレーションにより稼働プランを作成することができる。
なお、計画日は、翌日以降の任意の日でもよい。
この場合、サーバ6は、前述した「翌日以降の営業日の予測値について」にて述べた方法で、計画日の予測稼働値や計画日までに亘る複数日の稼働予測値を出力することができる。
【0042】
サーバ6は、稼働予測値を使用したシミュレーションにより特定期間における稼働プランを作成することができる。
図13は、6月を計画月とした場合のSプラン画面である。
6月の稼働プランとして、例えば、アウト(平均)、粗利(合計)、達成率(当日)、達成率(累計)を営業日毎に作成して表示させることができる。
「アウト(平均)」は、店舗Aの全パチスロ機1bのアウト予測値/日の平均値を算出した情報である。
「粗利(合計)」は、店舗Aの全パチスロ機1aの粗利の合計値である。粗利は「売上-交換金額」により算出される。パチスロ機1aの1台あたりの「粗利/日」は、モデルMを用いて予測値(粗利予測値)を出力させることができ、「粗利(合計)」は、粗利予測値の台数分の合計値により算出することができる。
「達成率(当日)」は、例えば、当日の計画値(例えばアウトや粗利の当日の予測値)の実績値における割合を百分率で表した情報である。
「達成率(累計)」は、例えば、当日までの累計計画値(計画月の初日から当日までのアウト予測値や粗利予測値の累計値)の累計実績値(計画月の初日から当日までのアウト実績値や粗利実績値の累計値)における割合を百分率で表した情報である。
このような稼働プランによれば、店舗管理者は、計画月における稼働計画を日別に参照することができる。
【0043】
図14は、2020年を計画年とした場合のPプラン画面である。
2020年の稼働プランとして、例えば、貸出レート毎の粗利(全体/月)、貸出レート毎の稼働(台/日)を月毎に作成して表示させることができる。
「貸出レート毎の粗利(全体/月)」は、各月における4円パチンコや1円パチンコのそれぞれの全体の粗利予測値である。
「貸出レート毎の稼働(台/日)」は、各月における4円パチンコや1円パチンコのそれぞれの全体の台アウト予測値である。
このような稼働プランによれば、店舗管理者は、計画年における稼働計画を月別に参照することができる。
なお、複数日、複数月、複数年を計画期間として指定することもできる。
【0044】
以上のように、本発明のサーバ6(遊技用装置)及び遊技用システムは、遊技場に設置されている遊技機1に関する情報を出力可能な遊技用装置において、遊技機1の特徴を示す特徴情報と、遊技機1の稼働実績を示す過去の遊技情報と、を記憶可能な記憶手段と、特徴情報と過去の遊技情報との関係を学習させることで、遊技機1の稼働に関する予測情報を出力するモデルを生成可能なモデル生成手段と、を備え、前記特徴情報には、遊技機の筐体に関する画像情報が含まれるようにしている。
また、画像情報には、形状、模様及び色彩のうちの1以上を特定可能な情報が含まれ、特徴情報には、遊技機に関するSNS情報が含まれるようにしている。
本発明によれば、単に実績値を採用してシミュレーションするのではなく、機械学習によって得られるAI予測値を採用してシミュレーションを実施するため、より精度の高い予測値の導出が期待できる。
特に、筐体画像やSNS情報など、斬新な情報を考慮したシミュレーションを実施できるため、従来にはない新たな予測値(シミュレーション結果)を導出することができる。
また、モデル生成手段により生成されたモデルから出力された予測情報に基づいて特定期間に亘る稼働プランを作成可能なプラン作成手段を備えている。
特に、新機種などは、導入前であっても、類似する他の機種の稼働実績と特徴との関係を反映した稼働予測値が得られ、また、導入直後であっても、さらに導入後の僅かな期間(例えば3日間)における新機種の稼働実績と特徴との関係を加味した稼働予測値が得られる。
これにより、新機種であっても早期に長期間の稼働プランを立てることができるため、店舗管理者は、新機種について増大すべきか減台すべきかといった増減台の判断や、増減台とせず現状維持とする判断を早々に行うことができる。
これに対し、従来は、単に実績値を使用してシミュレーションを行うため、シミュレーションの値と営業終了後の値とが乖離することが多くあった。
本発明によれば、このような従来の問題の一部又は全部を解決することができる。
【0045】
以上、本発明に好ましい実施形態について説明したが、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、売上げなどを遊技情報に含めてもよい。
また、コイン単価や出率はアウトに基づいて算出できることから、モデルMを用いず、アウト予測値に基づいてコイン単価予測値や出率予測値を求めてもよい。
また、全店舗の全機種の稼働実績値を用いて任意機種の稼働予測値を出力可能なモデルMを生成する構成・方法について説明したが、対象の遊技機1(特定の店舗、機種、メーカ、機種タイプ、貸出レート等の遊技機)に関する稼働実績値を用いて、当該対象の遊技機1の稼働予測値を出力可能なモデルMを生成することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 遊技機
4 ホールコンピュータ
6 サーバ
61 出力部
62 通信部
63 記憶部
7 端末機器
71 表示部
M モデル