IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-受信機、受信方法およびプログラム 図1
  • 特開-受信機、受信方法およびプログラム 図2
  • 特開-受信機、受信方法およびプログラム 図3
  • 特開-受信機、受信方法およびプログラム 図4
  • 特開-受信機、受信方法およびプログラム 図5
  • 特開-受信機、受信方法およびプログラム 図6
  • 特開-受信機、受信方法およびプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179071
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】受信機、受信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/488 20110101AFI20231212BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20231212BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20231212BHJP
【FI】
H04N21/488
H04N21/442
H04H20/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092126
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】阪辻 修
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164MB01S
5C164TA04S
5C164UB10S
5C164UB41P
5C164UD11P
5C164YA24
(57)【要約】
【課題】受信品位の低下が検出されるときに、より適切な対応をユーザに促すこと。
【解決手段】受信機は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、前記データ信号のビットレートを測定する放送受信部と、前記受信品質値が良好である場合に、前記ビットレートが、特定の時点以降において前記特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する放送受信部と、
特定の時点以降において前記特定の時点より前のセグメント数よりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因するデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御部と、
を備える受信機。
【請求項2】
放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、前記データ信号のビットレートを測定する放送受信部と、
前記受信品質値が良好である場合に、前記ビットレートが、特定の時点以降において前記特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する前記データ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御部と、
を備える受信機。
【請求項3】
前記制御部は、前記ビットレートの低下が生じた前記特定の時点から所定期間以内である場合に、前記通知情報を前記通知部に出力する、
請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
前記制御部は、前記ビットレートの低下が前記特定の時点を含んで所定回数連続して生じた場合に前記通知情報を前記通知部に出力する、
請求項2に記載の受信機。
【請求項5】
前記放送受信部は、前記受信品質の指標として信号対雑音比を測定する
請求項4に記載の受信機。
【請求項6】
前記放送受信部は、前記受信品質の指標としてビット誤り率を測定する
請求項4に記載の受信機。
【請求項7】
コンピュータに、
セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する放送受信ステップと、
特定の時点以降において前記特定の時点より前のセグメント数が減少したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する放送されるデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、前記データ信号のビットレートを測定する放送受信ステップと、
前記受信品質値が良好である場合に、前記ビットレートが、特定の時点以降において前記特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
受信機が、
セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する放送受信ステップと、
特定の時点以降において前記特定の時点より前のセグメント数が減少したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する放送されるデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、
を有する受信方法。
【請求項10】
受信機が、
放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、前記データ信号のビットレートを測定する放送受信ステップと、
前記受信品質値が良好である場合に、前記ビットレートが、特定の時点以降において前記特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、
を有する受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機、受信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルテレビジョン放送を受信する際、受信障害が生じることがある。快適に放送番組を視聴するため、受信障害の原因および対策のヒントを提供することが提案されていた。例えば、特許文献1に記載の受信装置は、テレビジョン装置本体とリモートコントローラ装置とを含んで構成される。テレビジョン装置本体は、アンテナと、アナログ変調波復調部と、信号制御部と、システム制御部と、デジタル変調波復調部と、デジタル復号化処理部と、グラフィック描画多重表示処理部と、音声出力処理部と、スピーカと、内蔵または外付けの表示デバイスと、既知不具合表示処理部と、ユーザ情報保持部と、を有する。既知不具合状態保持部は、受信障害に関する既知情報を保持する。既知情報は、例えば、チャンネルと不具合の内容とを対応させたテーブルとして保持されている。
【0003】
他方、地上波高度化放送(単に、「高度化放送」と呼ぶことがある)では、セグメント分割方式を用いてデータ信号を伝送することが検討されている。
ここで、セグメントについて説明する。地上波デジタル放送は、1局当たりの周波数帯域を13セグメントに分割して使用する。13セグメントのうち1セグメントを用いてワンセグ放送のデータ信号が伝送され、残りの12セグメントを用いてハイビジョン放送のデータ信号(2K信号ともいう)が伝送される。なお、12セグメントをさらに分割して3つの標準画質のデータ信号を伝送したり、標準画質と高精細度画質のデータ信号とを伝送したりするマルチチャネル放送を行う場合もある。
【0004】
セグメント分割方式の地上波高度化放送(地上波高度化放送(セグメント分割方式)ともいう)では、13セグメントのうちの8セグメントで現行の地上波デジタル放送と同様の映像を提供するデータ信号(2K信号)が伝送され、13セグメントのうちの1セグメントでワンセグ放送と同様の映像を提供するデータ信号が伝送され、13セグメントのうちの4セグメントで4K,8Kとも呼ばれるより高い解像度を有する映像を提供する新たなデータ信号(4K信号ともいう)が伝送される。地上波高度化放送(セグメント分割方式)では、このように3階層のセグメント分割によってデータ信号が伝送されることが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-72335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、セグメント分割方式の地上波高度化放送を用いてデータ信号を伝送する放送チャンネルが選局される場合、2K信号の受信品位は、使用するセグメント数の減少によりセグメント分割方式を用いずに伝送されるデータ信号よりも低下することが予想される。この受信品位の低下がセグメント分割方式に起因することをユーザが推定することが困難である。受信品位の低下の原因を特定できないため、ユーザは、無用な対応を行いかねない。例えば、ユーザは受信品位の低下の原因として、受信障害、放送サービスもしくは受信機の欠陥、故障を疑い、放送事業者、受信機の生産者もしくは販売者に対して、無用な問い合わせを行うことも予想される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する放送受信部と、特定の時点以降において前記特定の時点より前のセグメント数よりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する放送されるデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御部と、を備える受信機である。
【0008】
また、本発明の一態様は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、前記データ信号のビットレートを測定する放送受信部と、前記受信品質値が良好である場合に、前記ビットレートが、特定の時点以降において前記特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する前記データ信号の前記受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御部と、を備える受信機である。
【0009】
また、本発明の一態様は、セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する放送受信ステップと、特定の時点以降において前記特定の時点より前のセグメント数よりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する放送されるデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0010】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、前記データ信号のビットレートを測定する放送受信ステップと、前記受信品質値が良好である場合に、前記ビットレートが、特定の時点以降において前記特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明の一態様は、受信機が、セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する放送受信ステップと、特定の時点以降において前記特定の時点より前のセグメント数よりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因するデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、を有する受信方法である。
【0012】
また、本発明の一態様は、受信機が、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、前記データ信号のビットレートを測定する放送受信ステップと、前記受信品質値が良好である場合に、前記ビットレートが、特定の時点以降において前記特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御ステップと、を有する受信方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、受信品位の低下が検出される場合に、より適切な対応をユーザに促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る受信システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。
図2】第1の実施形態に係るチャンネルサーチ処理の一例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態に係る出力判定処理の一例を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る表示部が表示する表示画像の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る表示部が表示する表示画像の他の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態に係る出力判定処理の一例を示すフローチャートである。
図7】第3の実施形態に係る出力判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、特定の実施形態、変形例もしくは項目において説明された構成が、他の実施形態、変形例もしく項目において説明する構成と同様である場合には、その説明を援用し、繰り返さないことがある。また、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、特に断らない限りその説明を援用する。
【0016】
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る受信システム1の構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る受信システム1の構成例を示す概略ブロック図である。
受信システム1は、アンテナ部80と、受信機100とを備える。以下の説明では、受信機100が現行放送の放送サービスを提供し、高度化放送の放送サービスを提供しない場合を主とする。
【0017】
アンテナ部80は、放送局から送出された放送波を受信する。アンテナ部80は、アンテナ82と、ブースタ84とを備える。
アンテナ82は、到来する放送波を受信して生じる電気信号を放送信号として受信する。アンテナ82は、例えば、パラボラアンテナである。アンテナ82は、受信した放送信号をブースタ84に出力する。
ブースタ84は、アンテナ82から入力される放送信号の強度を増幅し、強度を増幅した放送信号を受信機100に出力する。
【0018】
受信機100は、アンテナ部80から入力される放送信号からデータ信号を抽出し、抽出したデータ信号で伝送されるコンテンツとして放送番組の音声と映像を提示する。
受信機100は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、データ信号のビットレートを測定する。受信機100は、受信品質値が良好である場合に、ビットレートが、特定の時点以降において特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0019】
ここで、受信品質は、放送信号(データ信号)の信号強度やビット誤り率などの、信号の品質のことである。また、受信品位は、ビットレートや解像度などの受信機100に表示される映像(画像)の品質のことである。
また、セグメント分割方式の地上波高度化放送には、例えば、SISO(single-input single-output)方式、MIMO(multiple-input multiple-output)方式などがある。これらは、地上波高度化セグメント分割SISO方式、地上波高度化セグメント分割MIMO方式などや、地上波高度化セグメント分割方式などとも称される。本実施形態におけるセグメント分割方式はいずれの方式であってもよい。
【0020】
受信機100は、メインシステム部10、送受信モジュール40と、操作入力部50と、スピーカ60と、表示部70とを備える。スピーカ60と、表示部70は、各種の情報を通知する通知部55として機能する。通知される情報には、例えば、地上波高度化セグメント分割方式の放送開始を案内するための通知情報などがある。
【0021】
メインシステム部10は、アンテナ部80から入力される放送信号からデータ信号を分離する。メインシステム部10は、分離したデータ信号から制御信号とコンテンツ信号とを分離する。制御信号は、放送信号の受信処理に用いる各種の制御情報を搬送する信号である。コンテンツ信号は、コンテンツを搬送する信号である。メインシステム部10は、コンテンツをなす音声を示す音声信号と映像信号とを復号する。メインシステム部10は、復号した音声信号をスピーカ60に出力させる。また、メインシステム部10は、復号した映像信号を表示部70に出力させる。
【0022】
スピーカ60は、メインシステム部10から入力される音声信号に基づく音声を出力(再生)する。
表示部70は、メインシステム部10から入力される映像信号に基づく映像を表示面に表示する。表示部70は、例えば、表示素子と、当該表示素子を駆動するための駆動回路を備える。表示素子は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどのいずれの種類のディスプレイであってもよい。
【0023】
送受信モジュール40は、無線または有線で通信ネットワークに接続され、通信ネットワークに接続された機器と各種のデータを送受信する。送受信モジュール40は、例えば、IEEE802.11、IEEE802.15.3などに規格に準拠した構内通信ネットワークに接続する。送受信モジュール40は、当該ネットワークを経由して相手先の機器と接続し、その機器との間でデータを送受信する。
具体的には、送受信モジュール40は、メインシステム部10から入力される送信データを送信先の機器に送信する。また、メインシステム部10は、送信元の機器から受信データを受信し、受信した受信データをメインシステム部10に出力する。
【0024】
操作入力部50は、ユーザの操作に基づく操作信号を取得し、取得した操作信号をメインシステム部10に出力する。メインシステム部10は、操作入力部50から入力される操作信号に基づいて、受信機100の動作を制御する。操作信号は、所定の機能の実行、停止、放送チャンネルの選択、各種情報の選択・設定、音量調整、色合い調整などの指示信号が含まれる。
【0025】
なお、操作入力部50は、操作を受け付ける部材を備えてもよい。かかる部材として、例えば、ボタン、ダイヤル、つまみ、などの専用の部材を有していてもよいし、タッチセンサ、マウス、などの汎用の部材を有してもよい。タッチセンサは、ディスプレイと一体化され、タッチパネルとして機能してもよい。例えば、操作入力部50は、リモートコントローラ(リモコン)から無線で操作信号を受信するセンサを備えてもよい。センサは、例えば、赤外線センサ、など操作信号を搬送する電磁波を検出できる部材であればよい。
【0026】
メインシステム部10は、制御部12と、放送受信部13と、音声処理部20と、表示処理部24と、記憶部26と、フラッシュメモリ28と、デジタルI/F30と、を備える。
制御部12は、受信機100の各部の処理を制御し、受信機100の機能を発揮する。制御部12は、専用のハードウェアで構成されてもよいが、汎用のコンピュータシステムで構成されてもよい。コンピュータシステムは、少なくとも演算処理装置と記憶媒体を備える。演算処理装置として、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが適用されうる。当該記憶媒体として記憶部26とフラッシュメモリ28が用いられる。演算処理装置は、例えば、フラッシュメモリ28に予め記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを記憶部26に展開する。演算処理装置は、記憶部26に展開されたプログラムを実行して制御部12の機能を実現する。本願では、「プログラムの実行」または「プログラムを実行する」とは、そのプログラムに記述された指令で指示される処理を実行するという意味を含む。
【0027】
制御部12には、操作入力部50から操作信号が入力されることがある。制御部12は、操作信号が入力された場合、操作信号で指示される各種の情報を用いて処理を実行する。制御部12は、自部が実行する処理により取得した音声信号または映像信号を、それぞれ音声処理部20または表示処理部24に出力する。
【0028】
なお、制御部12の機能は、ソフトウェアダウンロードにより取得されたプログラムを実行して実現されてもよい。ソフトウェアダウンロードにおいて、プログラムがデータ信号の一部として放送波で搬送される。当該プログラムの有無または当該プログラムが伝送される時間は、例えば、コンテンツ信号に多重化される告知情報を用いて通知されてもよい。放送番組のコンテンツ信号がMMT-TLV(MPEG Media Transport - Length Value)方式を用いて多重化される場合には、情報要素として、例えば、MH-SDTT(Software Download Trigger Table)を用いて告知情報が伝達されうる。制御部12は、告知情報で通知される時間に得られるデータ信号からプログラムを抽出することができる。
【0029】
本実施形態では、現行放送のデータ信号(2K信号)が伝送されることもあるし、地上波高度化放送(セグメント分割方式)を用いたデータ信号(2K信号、4K信号)が伝送されることもある。
【0030】
そこで、制御部12は、次の手法を用いて受信品位の低下がセグメント分割方式の地上波高度化放送に起因するか否かを判定する。より具体的には、制御部12は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、データ信号のビットレートを測定する。制御部12は、受信品質値が良好である場合に、ビットレートが、特定の時点以降において特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0031】
制御部12が上記の通知情報の出力判定処理を実行するタイミングは、例えば、新たな放送チャンネルが選局されるタイミングである。第1放送チャンネルとして、操作入力部50から入力される操作信号で指示される放送チャンネルが選局されうる。新たな放送チャンネルの選局は、放送信号の受信中の放送チャンネルから他の放送チャンネルに変更する場合の他、例えば、電力の供給が再開した後、記憶部26に電力の遮断前に予め記憶した受信チャンネル情報で示される受信チャンネルを特定する場合も含まれる。第2放送チャンネルとして、チャンネルサーチにより受信品質を測定した放送チャンネルのうち、第1放送チャンネルを除く放送チャンネルが適用される。チャンネルサーチおよび出力判定処理の詳細については、後述する。
【0032】
放送受信部13は、アンテナ部80から入力される放送信号で伝送されるデータ信号を復調する。放送受信部13は、復調したデータ信号から放送番組の音声信号と映像信号とを抽出する。放送受信部13は、抽出した音声信号を音声処理部20に出力し、映像信号を表示処理部24に出力する。
放送受信部13は、チューナ部14と、復調部16と、デスクランブル・デマックス部18と、を備える。
【0033】
チューナ部14は、アンテナ部80から入力される放送信号の第1放送チャンネルとして、制御部12から入力される選局情報で指示される放送チャンネルを選局する。選局情報は、操作入力部50から入力される操作信号で指示される。チューナ部14は、入力される放送信号を選局した放送チャンネルに対応する中心周波数(放送周波数)に基づいてダウンコンバートし、中間周波数(IF:Inter-frequency)信号に変換する。チューナ部14は、入力される受信信号の強度を受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)として測定する。チューナ部14は、測定した受信信号強度を制御部12に出力する。チューナ部14は、測定した受信信号強度に基づいて、IF信号の信号レベルが所定の値域に収まるように振幅を調整する。チューナ部14は、振幅を調整したIF信号を復調部16に出力する。
【0034】
復調部16は、チューナ部14から入力されるIF信号を所定の復調方式を用いて復調し、デジタル信号に変換する。復調部16は、変換されたデジタル信号に対して誤り検出および誤り訂正を行う。復調部16は、所定の復調方式として、放送されるデジタル信号の変調に用いた変調方式に対応する方式を用いる。復調方式は、例えば、64QAM、16QAMなどの変調方式に対応する方式が用いられる。復調部16は、入力されるIF信号の受信品質を測定する。復調部16は、受信品質の指標として、例えば、ビットレート、CN比(Carrier to Noise Ratio)、およびビット誤り率(BER:Bit Error Rate)を測定する。
【0035】
復調部16は、例えば、復調された信号から公知の手法を用いて変調誤差率(MER:Modulation Error Ratio)を算出する。変調誤差率は、IF信号を表現する個々のシンボルの値の所定の基準値からの揺らぎの大きさを示す指標である。復調部16は、公知の換算式を用いてMERをCN比に変換することができる。ビットレートは、値が大きいほど高伝送であることを示す指標である。CN比は、値が大きいほど受信品質が高いことを示す指標である。BERは、総ビット数に対する誤りを含むビット数の割合を示す指標である。
【0036】
復調部16は、誤り検出において、デジタル信号の一部をなすブロックごとに一定の演算処理を行って得られる演算値と誤り検出符号とを照合し、両者が合致するか否かを判定する。データ信号を送信する際、ブロックごとにその演算処理によって得られる演算値を誤り検出符号として付加しておく。復調部16は、両者が合致しないことにより、ビット誤りを検出し、ビット誤りが検出される頻度に基づいてBERを定めることができる。BERは、値が小さいほど、受信品質が高いことを示す。復調部16は、測定した受信品質の指標を示す受信品質情報を制御部12に出力する。
【0037】
本実施形態では、復調部16は、受信品質の測定において、復調されるデータ信号を用いる。復調部16は、IF信号のうちデータ信号をなすデータシンボルが割り当てられるデータ領域とパイロット信号をなすシンボルが割り当てられるパイロット領域とを特定することができる。パイロット信号は、受信品質の測定を主目的とする参照信号であり、情報の伝達を目的としない。復調部16は、特定したデータ領域とパイロット領域とにそれぞれ割り当てられたシンボルで表されるビットを連結してデータ信号とパイロット信号とを生成することができる。シンボル配置は、例えば、制御信号をなすTMCC信号で指示されることがある。また、制御信号をなすTMCC信号には、選局したチャンネルで使用されているセグメント数の情報が含まれることがある。
【0038】
データ領域には、制御信号をなすシンボルが搬送される制御領域(例えば、TMCC領域)と、それ以外の領域とが含まれる。それ以外の領域にはコンテンツ信号をなすシンボルが割り当てられる。復調部16は、特定した制御領域とそれ以外の領域とにそれぞれ割り当てられたシンボルで表されるビットを連結して制御信号とコンテンツ信号とを生成することができる。復調部16は、生成したコンテンツ信号をデスクランブル・デマックス部18に出力する。
【0039】
デスクランブル・デマックス部18は、復調部16から入力されるコンテンツ信号に対してデスクランブル(descramble)を実行する。デスクランブルは、スクランブルの解除に相当する。デスクランブルでは、放送されるコンテンツ信号をなすビット列に対して実行するスクランブルとは逆の順序で入力されるコンテンツ信号をなすビット列を並び替える。デスクランブル・デマックス部18は、デスクランブルにより得られたデータ信号から、コンテンツ信号に多重化された構成情報を参照して、音声信号、映像信号などの要素となる信号に分離する(逆多重化、de-multiplexing)。コンテンツ信号の多重化において、MMT-TLV方式が用いられる場合には、MPT(MMT Package Table)に構成情報が記述される。デスクランブル・デマックス部18は、抽出した音声信号と映像信号とを、それぞれ音声処理部20と表示処理部24とに出力する。
【0040】
音声処理部20は、デスクランブル・デマックス部18から入力される音声信号を所定の音声復号方式を用いて復号する。所定の音声復号方式は、放送される音声信号の符号化に用いた音声符号化方式(例えば、AAC:Advance Audio Coding、MPEG-4 AUDIO、など)に対応する方式であればよい。音声処理部20は、復号した音声信号または制御部12から入力される音声信号をスピーカ60に出力する。制御部12とデスクランブル・デマックス部18から同時に音声信号が入力される場合には、音声処理部20は、復号した音声信号と制御部12から入力される音声信号を加算(ミキシング)し、加算して得られる音声信号をスピーカ60に出力してもよい。
【0041】
表示処理部24は、デスクランブル・デマックス部18から入力される映像信号を所定の映像復号方式を用いて復号する。所定の映像復号方式は、放送される映像信号の符号化に用いた映像符号化方式(例えば、HEVC:High Efficiency Video Coding、AVC:Advanced Video Coding、など)に対応する方式であればよい。表示処理部24は、復号した映像信号または制御部12から入力される映像信号を表示部70に出力する。制御部12とデスクランブル・デマックス部18から同時に映像信号とが入力される場合には、表示処理部24は、復号した映像信号と制御部12から入力される映像信号とを重畳し、重畳して得られる映像信号をスピーカ60に出力させてもよい。
【0042】
記憶部26は、受信機100のコンピュータシステムをなす主記憶装置(メインメモリ)の一例である。記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリである。記憶部26は、主に制御部12の作業領域として用いられる。すなわち、制御部12は、実行が指示されるプログラムとパラメータとをフラッシュメモリ28から読み出し、読み出したプログラムとパラメータとを記憶部26に記憶させる。制御部12は、ある処理を実行して得られた中間値を一時的に記憶部26に記憶させ、記憶させた中間値は他の処理を実行する際に用いられうる。
【0043】
フラッシュメモリ28は、各種のプログラム、各種のデータを永続的に記憶する補助記憶装置の一例である。フラッシュメモリ28には、処理に用いられる設定情報、パラメータ、受信品質等の測定データが記憶されうる。受信機100は、補助記憶装置として、フラッシュメモリ28に代えて、または、フラッシュメモリ28とともに、例えば、SSD(Solid Storage Device)、HDD(Hard Disk Drive)、などを備えてもよい。
【0044】
デジタルI/F(Interface)部30は、送受信モジュール40との間で各種のデータを入出力する。デジタルI/F部30は、制御部12から入力される送信信号を送受信モジュール40に出力する。デジタルI/F部30は、送受信モジュール40から入力される受信信号を制御部12に出力する。
【0045】
受信機100は、設置時(初回使用時)において、ユーザの操作に応じてチャンネルサーチを実行する。受信機100は、チャンネルサーチにおいて、受信機100を設置した受信環境において安定的に放送信号を受信可能な放送チャンネルを検出し、検出した放送チャンネルを示す放送チャンネル情報を自機に登録する。
【0046】
図1に例示した構成のもとでは、メインシステム部10の制御部12には、ユーザの操作に応じて操作入力部50から入力される操作信号でチャンネルサーチの開始が指示される。このとき、制御部12は、記憶部26から制御プログラムを読み出し、フラッシュメモリ28に展開し、その実行を開始する。制御部12は、地上波デジタル放送の各放送チャンネルについて周波数をチューナ部14に設定する。チューナ部14は、設定された周波数で搬送される放送信号に基づくIF信号を復調部16に出力する。制御部12は、チューナ部14から受信信号強度を取得する。
【0047】
制御部12は、復調部16から取得される制御信号に示す制御情報に基づいて、本機で選局できる条件を満たすか否かを判定してもよい。制御部12は、復調部16から入力される受信品質情報を監視(モニタ)し、受信品質情報に基づいて安定受信の可否を判定する。制御部12は、これらの処理を地上波デジタル放送に割り当てられる全放送チャンネルのそれぞれについて、順次実行する。制御部12は、放送チャンネルごとの放送波の有無と受信品質情報とに基づいて実放送波の数と安定受信可能な放送波の数を計数する。実放送波の数は、放送信号を受信できる放送チャンネルの数に相当する。安定受信可能な放送波の数は、ユーザにより選局可能とする放送チャンネルの数に相当する。制御部12は、チャンネルサーチにより得られた情報をチャンネルサーチ情報としてフラッシュメモリ28に記憶する。
【0048】
制御部12は、受信機100の設置後において、定期的にチャンネルサーチを実行し、新たに受信可能な放送波の有無を確認する。制御部12には、例えば、予め所定の実行時間を設定しておき、設定した実行時間においてチャンネルサーチを実行してもよい。制御部12は、ユーザが放送番組を視聴するか否かに関わらず、バックグラウンド処理としてチャンネルサーチを実行してもよい。例えば、放送受信部13が同時に複数の放送チャンネルで搬送される放送信号を処理できる能力を有する場合には、制御部12は、ユーザにより選局された選局チャンネルとは別個の他チャンネルで搬送される放送信号に基づく受信品質情報を取得してもよい。
【0049】
次に、本実施形態に係るチャンネルサーチ処理の例について説明する。
図2は、第1の実施形態に係るチャンネルサーチ処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS102)制御部12は、現時刻が予め設定された実行時間に達する場合、チャンネルサーチを開始する。制御部12は、チャンネルサーチにおいて、放送チャンネルごとに次の処理を実行する。
【0050】
(ステップS104)復調部16は、チューナ部14から入力されるIF信号を復調して得られるデータ信号のビットレートを測定する。復調部16は、測定したビットレートを制御部12に出力する。
【0051】
(ステップS106)制御部12は、復調部16から入力された今回のチャンネルサーチで測定されたビットレートと、フラッシュメモリ28に記憶されるチャンネルサーチ情報に含まれる当該放送チャンネルに係る前回のチャンネルサーチで測定されたビットレートと、を比較する。
具体的には、制御部12は、前回のビットレートと今回のビットレートとに差異があるか否かを判定する。差異があると判定される場合(ステップS106 YES)、制御部12は、ステップS108の処理を実行する。一方、差異がないと判定される場合(ステップS106 NO)、制御部12は、処理対象の放送チャンネルを未処理の放送チャンネルに変更し、ステップS104に戻る。未対象の放送チャンネルが存在しない場合には、図2の処理を終了する。
【0052】
(ステップS108)制御部12は、処理対象の放送チャンネルについて、前回のビットレートと今回のビットレートとを対応付けてフラッシュメモリ28に記憶させる。
【0053】
(ステップS110)制御部12は、処理対象の放送チャンネルについて、今回のビットレートと現在日時とを対応付けてフラッシュメモリ28に記憶させる。
処理対象の放送チャンネルに未処理の放送チャンネルがある場合、制御部12は、当該未処理の放送チャンネルに変更し、ステップS104の処理を実行する。一方、未処理の放送チャンネルが存在しない場合には、制御部12は、図2のチャンネルサーチ処理を終了する。
【0054】
次に、本実施形態に係る出力判定処理の一例について説明する。図3は、第1の実施形態に係る出力判定処理の一例を示すフローチャートである。図3では、現行放送として解像度が1920×1080となる映像が用いられる2K放送が提供される放送チャンネルが選局される場合の一例について説明する。データ信号には、現行信号として当該映像が伝達される2K信号が含まれる。
【0055】
(ステップS202)制御部12は、操作入力部50から入力される操作信号で指示される放送チャンネルを特定し、特定した放送チャンネルを示す選局情報をチューナ部14に出力する(2K放送選局)。
【0056】
(ステップS204)チューナ部14は、アンテナ部80から入力される放送信号から選局情報で指示される放送チャンネルで選局されるIF信号の受信強度を測定する。復調部16は、チューナ部14から得られるIF信号を復調し、受信品質としてIF信号から抽出されるデータ信号のビットレートと、BERと、CN比とを測定する。制御部12は、復調部16によって測定されたビットレートと、BERと、CN比とを取得する。
【0057】
(ステップS206)制御部12は、取得した受信品質情報に基づいて選局された放送チャンネルの受信状態が不良であるか否かを判定する。制御部12は、受信状態が不良であるか否かの判定において、例えば、受信品質情報に示されるBERがシャノン限界以上であるか否かを判定する。シャノン限界は、誤り訂正により原ビット列を復元できるBERの上限に対応する。受信状態が不良と判定される場合(ステップS206 YES)、制御部12は、図3の処理を終了する。一方、受信状態が不良でない場合、すなわち、受信状態が良好と判定される場合(ステップS206 NO)、制御部12は、ステップS208の処理の処理を実行する。
【0058】
具体的には、制御部12は、フラッシュメモリ28に記憶されたチャンネルサーチ情報を参照し、選局チャンネルについて所定の低下量の閾値よりも大きいCN比の低下(劣化)が生じ、かつ、その低下が生じた時点において、選局チャンネルとは別個の放送チャンネルである他チャンネルについて所定の低下量の閾値よりも大きいCN比の低下が生じていないか否かを判定する。
【0059】
あるいは、制御部12は、フラッシュメモリ28に記憶されたチャンネルサーチ情報を参照し、選局チャンネルについて所定の低下量の閾値よりも大きいBERの低下(劣化)が生じ、かつ、その低下が生じた時点において、選局チャンネルとは別個の放送チャンネルである他チャンネルについて所定の低下量の閾値よりも大きいBERの低下が生じていないか否かを判定する。
【0060】
(ステップS208)制御部12は、復調部16によって測定されたビットレートを取得し、ビットレートが低下しているか否かを判定する。ビットレートが低下していないと判定される場合(ステップS208 NO)、制御部12は、図3に係る処理を終了する。一方、ビットレートが低下していると判定される場合(ステップS208 YES)、制御部12は、ステップS216の処理を実行する。
【0061】
具体的には、制御部12は、フラッシュメモリ28に記憶されたチャンネルサーチ情報を参照し、選局チャンネルについて今回のビットレートが前回のビットレートよりも低下が生じ、かつ、その低下が生じた時点において、選局チャンネルとは別個の放送チャンネルである他チャンネルについて今回のビットレートが前回のビットレートよりも低下が生じているか否かを判定する。
【0062】
(ステップS210)制御部12は、選局チャンネルについてビットレートの低下が検出された時点からX日以内であるか否かを判定する。ビットレートの低下が検出された時点とは、チャンネルサーチ情報に記述されたビットレートおよび、そのビットレートの取得日時をもとに特定される。X日は、予め定めた日数、例えば、3~5日などである。ビットレートの低下が発生後X日以内であると判定される場合(ステップS210 YES)、制御部12は、ステップS212の処理を実行する。一方、ビットレートの低下が発生後X日以内でないと判定される場合、すなわちX日よりも経過していると判定される場合(ステップS210 NO)、制御部12は、図3に係る処理を終了する。
【0063】
(ステップS212)制御部12は、地上波高度化放送(セグメント分割方式)に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を生成する。制御部12は、生成した通知情報を示す信号を表示処理部24に出力する。制御部12は、通知情報を、例えば、通知情報を表す通知画像として、当該通知画像を表す画像信号(映像信号)によって表示処理部24に出力する。表示処理部24は、制御部12から入力された画像信号に基づく通知画像(表示画像ともいう)を、表示部70に表示させる。表示部70には、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報(通知画像)が表示される。
【0064】
次に、本実施形態に係る表示部70が表示する表示画像の一例について説明する。図4は、第1の実施形態に係る表示部が表示する表示画像の一例を示す図である。
図4に例示される表示画像は、放送番組の視聴時において選局直後に表示されうる。表示画像には、選局チャンネルの受信状態情報、受信信号品質、および、通知情報が含まれる。通知情報は、例えば、破線の枠で囲まれた領域と、当該領域内に「地上波高度化放送(セグメント分割方式)の放送開始による受信障害の可能性があります。これは放送方式によるものであり、テレビ受信機には問題ありません。お住まいの地域で地上波高度化放送(セグメント分割方式)が開始されていないか、ホームページ等でご確認ください。」とのメッセージとを含む情報である。例えば、当該通知情報をユーザに提示することで、地上波高度化方式(セグメント分割方式)による受信品位の低下の可能性をユーザに気付かせることができるため、受信環境の改善を周知させることができる。また、当該チャンネルで放送サービスを提供する放送事業者や受信機の製造者、もしくは販売者に対する問い合わせを抑制することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0065】
なお、通知情報には、選局チャンネルによる地上波高度化放送(セグメント分割方式)の開始を示す案内情報の所在情報が含まれてもよい。かかる所在情報として、その案内情報が保存されているウェブサーバのアドレス(例えば、URL:Uniform Resource Locator)のリンクが含まれていてもよい。制御部12は、リンクの押下を検出する場合、デジタルI/F30と送受信モジュール40を用いて、URLで指示される機器に案内情報を要求し、要求した案内情報を取得してもよい。なお、本願では「押下」とは、現実に「押下」されることの他、その領域内の位置を指示する操作信号が入力されるという意味を含む。制御部12は、案内情報を含めた表示画像を示す映像信号を生成し表示処理部24に出力してもよい。表示処理部24は、案内情報を含めた表示画像を示す映像信号を表示部70に表示させてもよい。
【0066】
また、図4に例示される表示画像には、選局チャンネルとして「地上-2」が表されている。「地上-2」とは、地上波デジタル放送のチャンネルを示す。受信状態情報として、受信状態「A」と、その状態の解説文を示す「良好です。」との文言が記述されている。制御部12は、予め設定された複数段階の受信状態レベルから、測定された受信信号品質に対応する受信状態レベルを選択する。制御部12には、受信状態レベルごとに異なる受信信号品質の値域と解説文とを予め設定しておき、測定された受信信号品質を範囲内とする値域に対応する受信状態レベルと解説文を特定することができる。
【0067】
また、図4では、受信信号品質は概算換算値を用いて表されている。概算換算値は、例えば、デシベル値で表現されたCN比の2.6倍に相当する。概算換算値の現在値として「80」が表されている。現在値は、棒グラフにより推奨値の範囲とともに表現されている。推奨値の範囲は、60から100の間であり、「安定的に視聴できる範囲」として表示されている。すなわち、図示する受信機100の例では、地上波放送を安定的に視聴できていることを表す。なお、現在値が推奨値の範囲よりも低い場合には、ユーザに受信環境の確認が促される。
【0068】
図5は、第1の実施形態に係る表示部が表示する表示画像の他の一例を示す図である。
図5に例示される表示画像には、地上波デジタル放送、衛星放送も含めた放送チャンネルの受信状態が表わされている。受信状態情報として、放送チャンネルごとの受信強度と受信状態レベルとしてA~Eのいずれかの符号が表されている。但し、地上波デジタル放送(地上デジタル)については、過去のある時点(YYYY年MM月DD日)および現在の受信強度の値が示されている。衛星放送(BS・CSアンテナ)については、現在の受信品質と受信強度の値とが示されている。
但し、図5の例では、通知情報として、その時点における選局チャンネルについて、地上波高度化放送(セグメント分割方式)に起因する受信品位の低下の可能性を示すメッセージが含まれている。
【0069】
受信機100が録画機能を有する場合には、予約された録画開始時刻の直前に予約された放送チャンネルの選局がなされることがある。その場合、ユーザによる表示部70の画面の視認は期待されない。そこで、制御部12は、ユーザ通知機能を用いて、通知情報を提示してもよい。より具体的には、制御部12は、メッセージの存在を示すアイコンを表す映像信号を生成する。制御部12は、生成した映像信号を表示処理部24に出力する。表示処理部24は、入力された映像信号を表示部70に表示させる。制御部12は、録画終了時刻の後もアイコンの表示を継続してもよい。アイコンは、例えば、封書、手紙などを図案化した模様を表すように構成されてもよい。制御部12は、アイコンの押下を検出する場合、アイコンの表示を消去させる通知情報を表すメッセージを含む表示画像を示す映像信号を、表示処理部24に出力する。表示処理部24は、当該映像信号を表示部70に表示させる。このとき、表示部70には、通知情報を表すメッセージを含む通知画像が表示される。
【0070】
このように、本発明の第1の実施形態による受信機100の放送受信部13は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、データ信号のビットレートを測定する。制御部12は、受信品質値が良好である場合に、ビットレートが、特定の時点以降において特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0071】
また、第1の実施形態による受信機100の放送受信部13は、セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する。制御部12は、特定の時点以降において特定の時点より前のセグメント数よりも減少したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0072】
このようにすることで、セグメント分割方式の地上波高度化放送による受信品位の低下の可能性をユーザに気付かせることができる。そのため、受信環境の改善をユーザに周知することができる。また、当該チャンネルで放送サービスを提供する放送事業者や受信機の製造者、もしくは販売者に対する問い合わせを抑制することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
<第2の実施形態>
次に、本実施形態の第2の実施形態について図6を参照して説明する。なお、第2の実施形態では図6と第1の実施形態に係る図3と異なる点を中心に説明する。第1の実施形態と第2の実施形態とで共通する部分については説明を省略する。
【0074】
図6は、第2の実施形態に係る出力判定処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS302)制御部12は、操作入力部50から入力される操作信号で指示される放送チャンネルを特定し、特定した放送チャンネルを示す選局情報をチューナ部14に出力する(2K放送選局)。
【0075】
(ステップS304)チューナ部14は、アンテナ部80から入力される放送信号から選局情報で指示される放送チャンネルで選局されるIF信号の受信強度を測定する。復調部16は、チューナ部14から得られるIF信号を復調し、受信品質としてIF信号から抽出されるデータ信号のビットレートと、BERと、CN比とを測定する。制御部12は、復調部16によって測定されたビットレートと、BERと、CN比とを取得する。
【0076】
(ステップS306)制御部12は、取得した受信品質情報に基づいて選局された放送チャンネルの受信状態(受信品質)が不良であるか否かを判定する。受信状態が不良と判定される場合(ステップS306 YES)、制御部12は、図6の処理を終了する。一方、受信状態が不良でない場合、すなわち、受信状態が良好と判定される場合(ステップS306 NO)、制御部12は、ステップS308の処理の処理を実行する。
【0077】
(ステップS308)制御部12は、復調部16によって測定されたビットレートを取得し、ビットレートが低下しているか否かを判定する。ビットレートが低下していないと判定される場合(ステップS308 NO)、制御部12は、図6に係る処理を終了する。一方、ビットレートが低下していると判定される場合(ステップS308 YES)、制御部12は、ステップS310の処理を実行する。
【0078】
(ステップS310)制御部12は、フラッシュメモリ28に記憶されたチャンネルサーチ情報を参照し、選局チャンネルについてビットレートの低下が発生した特定の日からその時点までにY回以上連続してビットレートが低下しているか否かを判定する。ここで、Yは、予め定めた2以上の整数(例えば、3~5)である。また、特定の日は、例えば、セグメント分割方式の地上波高度化放送が開始された日である。Y回以上連続して生じた場合(ステップS310 YES)、制御部12は、ステップS312の処理を実行する。Y回以上連続して生じない場合、すなわち、Y回未満である場合(ステップS310 NO)、制御部12は、図6の処理を終了する。
【0079】
(ステップS312)選局チャンネルについてビットレートの低下が検出された時点からX日以内であるか否かを判定する。ビットレートの低下が検出された時点とは、チャンネルサーチ情報に記述されたビットレートおよび、そのビットレートの取得日時をもとに特定される。X日は、予め定めた日数、例えば、3~5日などである。ビットレートの低下が発生後X日以内であると判定される場合(ステップS312 YES)、制御部12は、ステップS314の処理を実行する。一方、ビットレートの低下が発生後X日以内でないと判定される場合、すなわちX日よりも経過していると判定される場合(ステップS312 NO)、制御部12は、図6に係る処理を終了する。
【0080】
(ステップS314)制御部12は、地上波高度化放送(セグメント分割方式)に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を生成する。制御部12は、生成した通知情報を示す信号を表示処理部24に出力する。制御部12は、通知情報を、例えば、通知情報を表す通知画像として、当該通知画像を表す画像信号(映像信号)によって表示処理部24に出力する。表示処理部24は、制御部12から入力された画像信号に基づく通知画像(表示画像ともいう)を、表示部70に表示させる。表示部70には、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報(通知画像)が表示される。
【0081】
このように、本発明の第2の実施形態による受信機100の放送受信部13は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、データ信号のビットレートを測定する。制御部12は、受信品質値が良好である場合に、ビットレートが、特定の時点以降において特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0082】
また、第1の実施形態による受信機100の放送受信部13は、セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する。制御部12は、特定の時点以降において特定の時点より前のセグメント数よりも減少したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0083】
このようにすることで、ビットレートの低下が発生した特定の日から所定日数以内である場合に通知情報が出力されるため、通知情報の出力が常態化するのを抑制することができる。また、Y回以上連続してビットレートの低下が発生した場合に通知情報が出力されるため、通知情報を出力する際の判定精度を向上させることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0084】
<第3の実施形態>
次に、本実施形態の第3の実施形態について図7を参照して説明する。なお、第3の実施形態では、図7と第1の実施形態に係る図3と異なる点を中心に説明する。第1の実施形態と第3の実施形態とで共通する部分については説明を省略する。
【0085】
図7は、第3の実施形態に係る出力判定処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS402)制御部12は、操作入力部50から入力される操作信号で指示される放送チャンネルを特定し、特定した放送チャンネルを示す選局情報をチューナ部14に出力する(2K放送選局)。
【0086】
(ステップS404)チューナ部14は、アンテナ部80から入力される放送信号から選局情報で指示される放送チャンネルで選局されるIF信号の受信強度を測定する。復調部16は、チューナ部14から得られるIF信号を復調し、受信品質としてIF信号から抽出されるデータ信号のビットレートと、BERと、CN比とを測定する。制御部12は、復調部16によって測定されたビットレートと、BERと、CN比とを取得する。
【0087】
(ステップS406)制御部12は、取得した受信品質情報に基づいて選局された放送チャンネルの受信状態(受信品質)が不良であるか否かを判定する。受信状態が不良と判定される場合(ステップS406 YES)、制御部12は、図7の処理を終了する。一方、受信状態が不良でない場合、すなわち、受信状態が良好と判定される場合(ステップS406 NO)、制御部12は、ステップS408の処理の処理を実行する。
【0088】
(ステップS408)制御部12は、復調部16によって測定されたビットレートを取得し、ビットレートが低下しているか否かを判定する。ビットレートが低下していないと判定される場合(ステップS408 NO)、制御部12は、図7に係る処理を終了する。一方、ビットレートが低下していると判定される場合(ステップS408 YES)、制御部12は、ステップS410の処理を実行する。
【0089】
(ステップS410)選局チャンネルについてビットレートの低下が検出された時点からX日以内であるか否かを判定する。ビットレートの低下が発生後X日以内であると判定される場合(ステップS410 YES)、制御部12は、ステップS412の処理を実行する。一方、ビットレートの低下が発生後X日以内でないと判定される場合、すなわちX日よりも経過していると判定される場合(ステップS410 NO)、制御部12は、図7に係る処理を終了する。
【0090】
(ステップS412)制御部12は、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報の提示開始からその時点までの期間がZ日以内であるか否かを判定する。Zは、予め定めた日数(例えば、3~7日)を示す。Z日以内と判定される場合(ステップS412 YES)、制御部12は、ステップS414の処理を実行する。一方、Z日を超えると判定される場合(ステップS412 NO)、制御部12は、図6の処理を終了する。
【0091】
(ステップS414)制御部12は、地上波高度化放送(セグメント分割方式)に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を生成する。制御部12は、生成した通知情報を示す信号を表示処理部24に出力する。制御部12は、通知情報を、例えば、通知情報を表す通知画像として、当該通知画像を表す画像信号(映像信号)によって表示処理部24に出力する。表示処理部24は、制御部12から入力された画像信号に基づく通知画像(表示画像ともいう)を、表示部70に表示させる。表示部70には、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報(通知画像)が表示される。
【0092】
このように、本発明の第3の実施形態による受信機100の放送受信部13は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、データ信号のビットレートを測定する。制御部12は、受信品質値が良好である場合に、ビットレートが、特定の時点以降において特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0093】
また、第1の実施形態による受信機100の放送受信部13は、セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する。制御部12は、特定の時点以降において特定の時点より前のセグメント数よりも減少したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の可能性を示す通知情報を出力する。
【0094】
このようにすることで、通知情報の提示開始からZ日以上となった場合に通知情報の出力を抑制することができるため、通知情報が常態的に表示されることを抑制することができる。
【0095】
なお、上記説明では、受信品質とビットレートの低下に基づいて通知情報を出力する場合について説明したが、TMCC信号に含まれるセグメント数の情報を参照し、当該セグメント数の情報に基づいて、特定の時点以降において特定の時点より前のセグメントと比較してもよい。この場合、受信機100は、特定の時点以降においてセグメント数がそれ以前よりも減少したときに、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因するデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力すればよい。
【0096】
以上に説明したように、本実施形態に係る受信機100は、放送されるデータ信号の受信品質である受信品質値と、データ信号のビットレートを測定する放送受信部と、受信品質値が良好である場合に、ビットレートが、特定の時点以降において特定の時点より前のビットレートよりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因するデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御部と、を備える。
【0097】
この構成によれば、データ信号の受信品質とビットレートに基づいてセグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下が推定することができる。また、通知情報によりデータ信号の受信品位の低下がセグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する可能性を通知することができる。そのため、受信機100は、受信品位の低下の原因が、放送サービスまたは受信機の不具合である可能性が相対的に低いことをユーザに通知することができる。また、放送サービスまたは受信機の不具合を想定した無用な照会を抑制することができるため、放送事業者、受信機100の製造業者もしくは販売者におけるユーザ対応を軽減させることができる。
【0098】
また、受信機100は、セグメント数の情報を含むTMCC信号を受信する放送受信部と、特定の時点以降において特定の時点より前のセグメント数よりも低下したことに基づいて、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因するデータ信号の受信品位の低下の可能性を示す通知情報を通知部に出力する制御部と、を備える。
【0099】
この構成によれば、TMCC信号に含まれるセグメントの情報を参照してセグメントの減少を把握することができるため、セグメント数が減少したことに基づいてセグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下が推定することができる。また、通知情報によりデータ信号の受信品位の低下がセグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する可能性を通知することができる。そのため、受信機100は、受信品位の低下の原因が、放送サービスまたは受信機の不具合である可能性が相対的に低いことをユーザに通知することができる。また、放送サービスまたは受信機の不具合を想定した無用な照会を抑制することができるため、放送事業者、受信機100の製造業者もしくは販売者におけるユーザ対応を軽減させることができる。
【0100】
制御部12は、ビットレートの低下が生じた特定の時点から所定期間以内(例えばX日以内)である場合に、通知情報を通知部に出力する。
【0101】
この構成によれば、偶発的なビットレートの低下による通知情報の出力を抑制することができるため、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の通知精度を向上させることができる。
【0102】
制御部12は、ビットレートの低下が特定の時点を含んで所定回数(例えばY回以上)連続して生じた場合に通知情報を通知部に出力する。
【0103】
この構成によれば、偶発的なビットレートの低下による通知情報の出力を抑制することができるため、セグメント分割方式の地上波高度化放送に起因する受信品位の低下の通知精度を向上させることができる。
【0104】
放送受信部13は、受信品質の指標として、信号対雑音比を測定してもよい。
これにより、データ信号に対するノイズ成分の度合いが定量化される。
【0105】
放送受信部13は、受信品質の指標として、ビット誤り率を測定してもよい。
これにより、データ信号に対するビット誤りの度合いが定量化される。
【0106】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0107】
上記の説明では、受信機100が現行放送による放送サービスを提供し、高度化放送による放送サービスを提供しない場合を例にしたが、これには限られない。受信機100は、高度化放送による放送サービスを提供する機能を備えてもよい。その場合、放送受信部13は、復調されたIF信号を変調に用いられた変調方式を用いて変調する。放送受信部13は、変調により再構成された高電力階層に割り当てられたIF信号を、アンテナ部80から入力されたIF信号から差し引き、低電力階層に割り当てられたIF信号を抽出する。放送受信部13は、抽出したIF信号に割り当てられた高度化放送のデータ信号に対して変調に用いられた変調方式に対応する復調方式を用いて復調する。放送受信部13は、ユーザ操作に応じて高度化放送が選択されるとき、復調したデータ信号から分離されるコンテンツ信号に基づく高度化放送のコンテンツを通知部55に提示させてもよい。放送受信部13は、ユーザ操作に応じて現行放送が選択されるとき、上記の手法に従って、通知情報を通知部55に提示させる。
【0108】
また、受信機100の一部の構成が省略されてもよいし、他の構成が追加されてもよい。例えば、受信機100において、送受信モジュール40、操作入力部50、スピーカ60および表示部70のいずれか1個または複数個の組み合わせが、メインシステム部10と各種のデータを入出力可能に接続できれば、受信機100において必ずしも一体に備わっていなくてもよい。例えば、専用のテレビジョン受信機として構成される受信機100において、送受信モジュール40が省略されてもよい。セットトップボックスまたは録画機として構成される受信機100において、表示部70が省略されてもよい。受信機100は、アンテナ部80を備え、一体に構成されてもよい。
【0109】
また、上述の受信機100の一部、例えば制御部12の一部または全部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、フラッシュメモリ28)に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、それらの機能を実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 受信システム
10 メインシステム部
12 制御部
13 放送受信部
14 チューナ部
16 復調部
18 デスクランブル・デマックス部
20 音声処理部
24 表示処理部
28 フラッシュメモリ
30 デジタルI/F
40 送受信モジュール
50 操作入力部
55 通知部
60 スピーカ
70 表示部
80 アンテナ部
84 ブースタ
100 受信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7