(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179074
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092131
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉則
(72)【発明者】
【氏名】西山 勝
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼根 悠一
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555AA26
5E555AA63
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC01
5E555CA10
5E555CB72
5E555CC01
5E555DA02
5E555DB03
5E555DC05
5E555DC11
5E555DC13
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】外付けのキーボードを使用する際のディスプレイへの表示を適切に制御すること。
【解決手段】情報処理装置は、ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出処理と、キーボードと通信接続を行う通信制御処理と、載置検出処理と通信制御処理とに基づいて、第1表示モードと第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード制御処理と、を行う。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出処理と、
前記キーボードと通信接続を行う通信制御処理と、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出処理と前記通信制御処理とに基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード制御処理と、
を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記表示モード制御処理において、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合には前記キーボードと通信接続がされていることを条件として前記第2表示モードに制御し、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには前記第2表示モードに制御しないで前記第1表示モードに制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記表示モード制御処理において、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出されていない場合には前記第1表示モードに制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、前記キーボードとの通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、ユーザが前記キーボードとの通信接続を指示する操作が可能なポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行う、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記表示情報制御処理により前記ポップアップ画面を表示させる際に、前記第1表示モードにおいて前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域以外の画面領域に表示させる、
請求項4または請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、前記表示モード制御処理により前記第2表示モードに制御してから、前記キーボードとの通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行い、前記キーボードと通信接続がされていない状態が一定時間経過すると、前記表示モード制御処理により前記第1表示モードに切り替える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記通信制御処理において、無線または有線により前記キーボードと通信接続を行う、
請求項1から請求項5または請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記表示モード制御処理により前記第2表示モードに制御した場合には、前記所定の画面領域を黒表示に制御する、
請求項1から請求項5または請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ディスプレイは、折り畳み可能な1つのディスプレイである、
請求項1から請求項5または請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ディスプレイは、複数のディスプレイを含む、
請求項1から請求項5または請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサとを備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出ステップと、
前記キーボードと通信接続を行う通信制御ステップと、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出ステップによる検出結果と前記通信制御ステップによる制御結果とに基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えを制御するステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、折り畳み可能なフレキシブルディスプレイ(表示部)が第1筐体と第2筐体との回動に応じて屈曲可能に第1筐体と第2筐体に亘って設けられている情報処理装置も開示されている(例えば、特許文献1参照)。このように第1筐体と第2筐体に亘って1つのディスプレイが設けられている場合、1つのディスプレイで1画面モードとして使用するだけでなく、1つのディスプレイを第1筐体側の画面領域と第2筐体側の画面領域とに分けて疑似的に2画面モードとして使用することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような情報処理装置は、第1筐体と第2筐体に亘って1つのディスプレイが設けられているため、キーボードを搭載していない構成であることが一般的であるが、2画面モードにおいて一方の画面上に外付けのキーボードを載置し、他方の画面を表示画面とすることによって、キーボードを搭載しているノート型のPC(Personal Computer)と同様の使用形態とすることが可能なものがある。この場合、2画面モードにおいて外付けのキーボードが載置された側の画面領域を黒表示などに制御し、他方の側の画面領域を1画面モード時の半分の大きさの画面として表示を制御する画面モード(以下、「ハーフ画面モード」と称する)に自動で切り替えることでユーザの利便性が向上する。しかしながら、外付けのキーボードの載置を検出するのみでは、上記ディスプレイへの表示を適切に制御できない場合があった。
【0005】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、外付けのキーボードを使用する際のディスプレイへの表示を適切に制御する情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出処理と、前記キーボードと通信接続を行う通信制御処理と、前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出処理と前記通信制御処理とに基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード制御処理と、を行う。
【0007】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード制御処理において、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合には前記キーボードと通信接続がされていることを条件として前記第2表示モードに制御し、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには前記第2表示モードに制御しないで前記第1表示モードに制御してもよい。
【0008】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード制御処理において、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出されていない場合には前記第1表示モードに制御してもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、前記キーボードとの通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行ってもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、ユーザが前記キーボードとの通信接続を指示する操作が可能なポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行ってもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示情報制御処理により前記ポップアップ画面を表示させる際に、前記第1表示モードにおいて前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域以外の画面領域に表示させてもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、前記表示モード制御処理により前記第2表示モードに制御してから、前記キーボードとの通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行い、前記キーボードと通信接続がされていない状態が一定時間経過すると、前記表示モード制御処理により前記第1表示モードに切り替えてもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記通信制御処理において、無線または有線により前記キーボードと通信接続を行ってもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記表示モード制御処理により前記第2表示モードに制御した場合には、前記所定の画面領域を黒表示に制御してもよい。
【0015】
上記情報処理装置において、前記ディスプレイは、折り畳み可能な1つのディスプレイであってもよい。
【0016】
上記情報処理装置において、前記ディスプレイは、複数のディスプレイを含んでもよい。
【0017】
また、本発明の第2態様に係る、ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサとを備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出ステップと、前記キーボードと通信接続を行う通信制御ステップと、前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出ステップによる検出結果と前記通信制御ステップによる制御結果とに基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えを制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の上記態様によれば、外付けのキーボードを使用する際のディスプレイへの表示を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図。
【
図2】第1の実施形態に係る折れ曲がった状態の情報処理装置の例を示す側面図。
【
図3】第1の実施形態に係る平面の状態の情報処理装置の例を示す側面図。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理装置の各種の表示モードの具体例を示す図。
【
図5】第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図6】第1の実施形態に係るキーボードと接続されている状態の一例を示す図。
【
図7】第1の実施形態に係るキーボードと接続されていない状態の一例を示す図。
【
図8】第1の実施形態に係るポップアップ画面の第1例を示す図。
【
図9】第1の実施形態に係るポップアップ画面の第2例を示す図。
【
図10】第1の実施形態に係るハーフ画面モード制御処理に関する機能構成の一例を示すブロック図。
【
図11】第1の実施形態に係るハーフ画面モード制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図12】第2の実施形態に係るハーフ画面モード制御処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の外観を示す斜視図である。本実施形態に係る情報処理装置10は、クラムシェル型(ノート型)のPC(パーソナルコンピュータ)である。情報処理装置10は、第1筐体101、第2筐体102、及びヒンジ機構103を備える。第1筐体101及び第2筐体102は、略四角形の板状(例えば、平板状)の筐体である。第1筐体101の側面の一つと第2筐体102の側面の一つとがヒンジ機構103を介して結合(連結)されており、ヒンジ機構103がなす回転軸の周りに第1筐体101と第2筐体102とが相対的に回動可能である。第1筐体101と第2筐体102との回転軸の周りの開き角θが略0°の状態が、第1筐体101と第2筐体102とが重なり合って閉じた状態である。第1筐体101と第2筐体102とが閉じた状態のことを「閉状態」(closed)と称する。閉状態において第1筐体101と第2筐体102との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と称する。開き角θとは、第1筐体101の内面と第2筐体102の内面とがなす角とも言うことができる。閉状態に対して第1筐体101と第2筐体102とが開いた状態のことを「開状態」と称する。開状態とは、開き角θが予め設定された閾値(例えば、10°)より大きくなるまで、第1筐体101と第2筐体102とが相対的に回動された状態である。
【0021】
また、情報処理装置10は、カメラ16と、ディスプレイ150とを備える。カメラ16は、第1筐体101の内面に設けられている。ディスプレイ150は、第1筐体101の内面から第2筐体102の内面に亘って設けられている。カメラ16は、例えば第1筐体101の内面のディスプレイ150の画面領域の外側の部分に設けられ、ディスプレイ150に対面する側に存在するユーザなどを撮像することが可能である。ディスプレイ150は、第1筐体101と第2筐体102との相対的な回動による開き角θに合わせて屈曲可能なフレキシブルディスプレイである(
図2、3参照)。フレキシブルディスプレイとしては、有機ELディスプレイ等が用いられる。情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの画面領域DAとして1画面構成として表示を制御することも、ディスプレイ150の画面領域の全体を第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて2画面構成として表示を制御することも可能である。ここで、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とは、互いに重ならない画面領域である。ここでは、ディスプレイ150の画面領域のうち第1筐体101の内面側に対応する画面領域が第1画面領域DA1、第2筐体102の内面側に対応する画面領域が第2画面領域DA2であるとする。以下では、1画面構成で表示を制御する表示モードのことを「1画面モード」、2画面構成で表示を制御する表示モードのことを「2画面モード」と称する。
【0022】
なお、ディスプレイ150の画面領域の上にはタッチセンサが設けられている。情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域に対するタッチ操作を検出することが可能である。ユーザは、情報処理装置10を開状態にすることにより、第1筐体101と第2筐体102のそれぞれの内面に設けられたディスプレイ150の表示を視認することやディスプレイ150へのタッチ操作が可能となり、情報処理装置10の使用が可能となる。
【0023】
次に、情報処理装置10の使用形態と画面モードについて詳しく説明する。まず、情報処理装置10の使用形態としては、第1筐体101と第2筐体102との開き角θによって、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がった状態(Bent form)と、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がっていない平面の状態(Flat form)とに分けられる。以下では、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がった状態(Bent form)のことを単に「折れ曲がった状態(Bent form)」、第1筐体101と第2筐体102とが折れ曲がっていない平面の状態(Flat form)のことを単に「平面の状態(Flat form)」と称する。折れ曲がった状態(Bent form)では、第1筐体101と第2筐体102とに亘って設けられているディスプレイ150も折れ曲がった状態になる。平面の状態(Flat form)では、ディスプレイ150も平面の状態になる。
【0024】
図2は、折れ曲がった状態(Bent form)の情報処理装置10の一例を示す側面図である。ディスプレイ150が第1筐体101と第2筐体102とに亘って(またがって)配置されている。ディスプレイ150の画面領域(
図1に示す画面領域DA)は、ヒンジ機構103に対応する部分を折り目として折り曲げ(屈曲)が可能であり、この折り目を境に第1筐体101側の画面領域を第1画面領域DA1、第2筐体102側の画面領域を第2画面領域DA2として示している。ディスプレイ150は、第1筐体101と第2筐体102との回動(開き角θ)に応じて屈曲する。情報処理装置10は、開き角θに応じて折れ曲がった状態(Bent form)であるか否かを判別する。一例として10°<θ<170°である場合に、情報処理装置10は、折れ曲がった状態(Bent form)であると判別する。この状態は、所謂クラムシェルモードやブックモードという使用形態に相当する。
【0025】
図3は、平面の状態(Flat form)の情報処理装置10の一例を示す側面図である。情報処理装置10は、典型的には開き角θが180°である場合に平面の状態(Flat form)であると判別するが、一例として、170°≦θ≦180°である場合に平面の状態(Flat form)であると判別してもよい。例えば、第1筐体101と第2筐体102との開き角θが180°の場合、ディスプレイ150も平面の状態となる。この状態は、所謂タブレットモードという使用形態に相当する。
【0026】
次に、
図4を参照して、情報処理装置10の各種の使用形態による表示モードについて詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理装置10の各種の表示モードの具体例を示す図である。情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θ、情報処理装置10の姿勢(向き)、1画面モードであるか2画面モードであるかなどによって分類される使用形態で表示モードが異なる。なお、1画面のことはシングルスクリーン、2画面のことはスプリットスクリーンまたはデュアルスクリーンなどともいわれる。
【0027】
表示モード(a)は、使用形態として第1筐体101と第2筐体102とが閉状態(Closed)であるときの表示モードである。例えば、この閉状態では、情報処理装置10は、例えばスリープや休止状態(ハイバネーション)などの待機状態となり、ディスプレイ150が表示オフの状態である。このスリープや休止状態(ハイバネーション)などの待機状態は、例えばACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているシステムの電源状態のS3またはS4に相当する。
【0028】
表示モード(b)は、使用形態としては折れ曲がった状態(Bent form)で、且つディスプレイ150の画面領域を第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて表示を制御する2画面モードであるときの表示モードである。また、情報処理装置10の向きは、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とが縦向きで左右に横に並ぶ向きである。画面領域が縦向きとは、長方形の画面領域の4辺のうちの長辺が縦方向、短辺が横方向になる向きである。画面領域が縦向きの場合は表示の向きも縦向きであり、長辺に沿う方向が上下方向に対応し短辺に沿う方向が左右方向になる向きで表示される。この使用形態は、本を開いたときの左右の頁が左右の画面に相当するような使用形態であり、所謂ブックモードに相当する。この使用形態は、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つ第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とが横並びで2つを合わせた画面領域が横長であることから、「Fold Landscape」とも称する。
【0029】
この表示モード(b)では、情報処理装置10は、例えば通常の動作状態で、左側の第1画面領域DA1がプライマリ画面として、右側の第2画面領域DA2がセカンダリ画面として、2画面の表示モードとなる。なお、表示モード(b)において、第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2とプライマリ画面及びセカンダリ画面との対応関係は、逆としてもよい。
【0030】
表示モード(c-1)は、表示モード(b)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つディスプレイ150の画面領域を第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて表示を制御する2画面モードであるときの表示モードであるが、情報処理装置10の向きが異なる使用形態である。情報処理装置10の向きは、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2とが横向きで上下に縦に並ぶ向きである。画面領域が横向きとは、長方形の画面領域の4辺のうちの長辺が横方向、短辺が縦方向になる向きである。画面領域が横向きの場合は表示の向きも横向きであり、短辺に沿う方向が上下方向に対応し長辺に沿う方向が左右方向になる向きで表示される。この使用形態はクラムシェル(Clamshell)型のPCの一般的な使用形態の一つである。
【0031】
この表示モード(c-1)では、情報処理装置10は、例えば通常の動作状態で、第1画面領域DA1がプライマリ画面として、第2画面領域DA2がセカンダリ画面として、2画面の表示モードとなる。なお、表示モード(c-1)において、第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2とプライマリ画面及びセカンダリ画面との対応関係は、逆としてもよい。
【0032】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(b)から表示モード(c-1)または表示モード(c-1)から表示モード(b)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(b)に対して表示モード(c-1)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(b)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(c-1)へ切り替える。また、表示モード(c-1)に対して表示モード(b)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(c-1)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(b)へ切り替える。
【0033】
表示モード(c-2)は、表示モード(c-1)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で情報処理装置10の向きも同じであるが、情報処理装置10に載置可能な外付けのキーボード30(Dockable mini KBD:KeyBord)が所定位置に載置されていることが異なる。この使用形態は、クラムシェル(Clamshell)型のPCの一般的な使用形態に物理的なキーボード30が接続されている状態である。例えば、本実施形態ではキーボード30は、第2画面領域DA2のサイズとほぼ同等であり、第2画面領域DA2の上に載置可能に構成されている。なお、キーボード30は、第2画面領域DA2よりも小さい面積を占有するキーボードであっても構わない。一例として、キーボード30は、底面の内部(端部)にはマグネットが設けられており、第2画面領域DA2の上に載置すると、第2筐体102の内面端部のベゼル部分と吸着されて固定される。これにより、元々物理的なキーボードが設けられている旧来からのクラムシェル型のPCと同様の使用形態となる。また、情報処理装置10とキーボード30とは、例えば、Bluetooth(登録商標)で接続される。この表示モード(c-2)では、情報処理装置10は、第2画面領域DA2はキーボード30で視認できなくなるため、黒表示または表示オフに制御する。つまり、この表示モード(c-2)は、ディスプレイ150の画面領域のうち表示に有効なのは半分の1画面の画面領域のみとなる表示モード(以下、「ハーフ画面モード」と称する)であり、第1画面領域DA1のみを使用した1画面モードとなる。即ち、ハーフ画面モードは、ディスプレイ150の画面領域(画面領域DA)のうちキーボード30が載置される側の画面領域(第2画面領域DA2)を除く一部の画面領域(第1画面領域DA1)を画面領域として表示を制御する表示モードである。
【0034】
例えば、情報処理装置10は、表示モード(c-1)の状態で、外付けのキーボードとの接続を検出すると、表示モード(c-1)から表示モード(c-2)へ自動的に切り替える(Switch by Dock)。
【0035】
表示モード(d)は、表示モード(b)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、情報処理装置10の向きも同じであるが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの画面領域DAとして表示を制御する1画面モードであることが異なる。この使用形態は、表示モード(b)に対して、1画面モードであることが異なるが、折れ曲がった状態(Bent form)で、且つ画面領域DAが横長であることから、「Fold Landscape」とも称する。画面領域DAは横向きであり、表示の向きも横向きである。
【0036】
ここで、折れ曲がった状態(Bent form)における1画面モードと2画面モードとの切り替えは、例えば、ユーザの操作により行われる。例えば、情報処理装置10は、1画面モードと2画面モードとを切り替え可能なUI(User Interface)としての操作子を画面上のいずれかの場所に表示させ、当該操作子に対する操作に基づいて、表示モード(b)から表示モード(d)へ切り替える(Switch by UI)。この表示モードの切り替え操作の具体例については後述する。
【0037】
表示モード(e)は、表示モード(c-1)と同様に、折れ曲がった状態(Bent form)で、情報処理装置10の向きも同じであるが、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの画面領域DAとして表示を制御する1画面モードであることが異なる。この使用形態は、表示モード(c-1)に対して、1画面モードであることが異なるが、折れ曲がった状態(Bent form)と情報処理装置10の向きから、クラムシェル(Clamshell)型のPCの使用形態に相当する。画面領域DAは縦向きであり、表示の向きも縦向きである。
【0038】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(d)から表示モード(e)へ、または表示モード(e)から表示モード(d)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(d)に対して表示モード(e)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(d)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(e)へ切り替える。また、表示モード(e)に対して表示モード(d)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(e)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(d)へ切り替える。
【0039】
表示モード(d´)は、表示モード(d)と同様に、1画面モードで、情報処理装置10の向きも画面領域DAが横長となる向きであるが、平面の状態(Flat form)であることが異なる。平面の状態(Flat form)とは、第1筐体101と第2筐体102との開き角θが略180°の状態である。この使用形態は、
図3を参照して説明した所謂タブレットモードに対応するものであり、平面の状態(Flat form)で、且つ画面領域DAが横長であることから、「Flat Landscape」とも称する。この表示モード(d´)は、表示モード(d)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。表示モード(d)と同様に、画面領域DAは横向きであり、表示の向きも横向きである。
【0040】
表示モード(e´)は、表示モード(e)と同様に、1画面モードで、情報処理装置10の向きも画面領域DAが縦長となる向きであるが、平面の状態(Flat form)であることが異なる。この使用形態は、平面の状態(Flat form)で、且つ画面領域DAが縦長であることから、「Flat Portrait」とも称する。この表示モード(e´)は、表示モード(e)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。表示モード(e)と同様に、画面領域DAは縦向きであり、表示の向きも縦向きである。
【0041】
例えば、情報処理装置10は、情報処理装置10の姿勢(向き)の変化を検出することで、表示モード(d´)から表示モード(e´)へ、または表示モード(e´)から表示モード(d´)へ自動的に切り替える(Switch by Rotation)。例えば、表示モード(d´)に対して表示モード(e´)は図示でディスプレイ150が右方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(d´)の状態から右方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(e´)へ切り替える。また、表示モード(e´)に対して表示モード(d´)は図示でディスプレイ150が左方向へ90度回転した状態であるため、情報処理装置10は、表示モード(e´)の状態から左方向へ所定の角度(例えば45度)以上回転したことを検出すると、表示モード(d´)へ切り替える。
【0042】
なお、表示モード(d´)及び表示モード(e´)において、前述した表示モード切替アイコンに対してユーザが操作を行うことにより、平面の状態(Flat form)のまま2画面モードに切り替えることも可能である。例えば、表示モード(d´)の状態から2画面モードに切り替えると、平面の状態(Flat form)で表示状態は表示モード(b)と同様になる。また、表示モード(e´)の状態から2画面モードに切り替えると、平面の状態(Flat form)で表示状態は表示モード(c-1)と同様になる。
【0043】
また、情報処理装置10は、表示モード(e´)の状態でキーボード30との接続を検出すると、表示モード(e´)から表示モード(c-2´)へ自動的に切り替える(Switch by Dock)。表示モード(c-2´)は、平面の状態(Flat form)であり、表示モード(c-2)に対して第1筐体101と第2筐体102との開き角θが異なるだけである。この表示モード(c-2´)では、情報処理装置10は、第2画面領域DA2はキーボード30で視認できなくなるため、黒表示または表示オフに制御する。つまり、この表示モード(c-2´)は、表示モード(c-2)と同様に、ディスプレイ150の画面領域のうち表示に有効なのは半分の1画面の画面領域のみとなるハーフ画面モードである。
【0044】
また、情報処理装置10は、平面の状態(Flat form)から折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、1画面モードから2画面モードに切り替えるようにすることもできる。例えば、情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θに基づいて、表示モード(d´)の状態において折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、表示モード(d´)から表示モード(b)へ自動的に切り替える。また、情報処理装置10は、第1筐体101と第2筐体102との開き角θに基づいて、表示モード(e´)の状態において折れ曲がった状態(Bent form)への変化を検出した場合、表示モード(e´)から表示モード(c-1)へ自動的に切り替える。
【0045】
(情報処理装置10の構成)
以下、情報処理装置10の具体的な構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、通信部11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、スピーカ14と、表示部15と、カメラ16と、第1加速度センサ161と、第2加速度センサ162と、ホールセンサ17と、制御部18とを備えている。これらの各部は、バスなどを介して通信可能に接続されている。
【0046】
通信部11は、例えば、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)等の無線通信を行う通信デバイス等を含んで構成される。例えば、通信部11は、Bluetooth(登録商標)を用いて、前述の外付けのキーボード30などと通信することが可能である。
【0047】
RAM12には、制御部18により実行される処理のプログラムやデータが展開され、適宜、各種データの保存または消去が行われる。例えば、RAM12は、ディスプレイ150に表示させる表示データを一時的に記憶するビデオメモリ(V-RAM)としても機能する。一例として、RAM12は、ディスプレイ150を1画面モードで制御する際の画面領域DAに表示されるデータのビデオメモリとして機能する。また、RAM12は、ディスプレイ150を2画面モードで制御する際の第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2に表示されるデータのビデオメモリとして機能する。また、RAM12は、ディスプレイ150をハーフ画面モードで制御する際の第1画面領域DA1に表示されるデータのビデオメモリとして機能する。なお、RAM12は、揮発性メモリであるため、RAM12への給電が停止されるとデータを保持しない。RAM12への給電が停止される際に保持が必要なデータは、記憶部13に移される。
【0048】
記憶部13は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Resad Only Memory)、Flash-ROMなどのいずれか一つ又は複数を含んで構成される。例えば、記憶部13には、BIOS(Basic Input Output System)のプログラムや設定データ、OS(Operating System)やOS上で動作するアプリのプログラム、及びアプリで使用される各種のデータなどが保存される。
スピーカ14は、電子音や音声などを出力する。
【0049】
表示部15は、ディスプレイ150とタッチセンサ155とを備えている。ディスプレイ150は、前述したように、第1筐体101と第2筐体102との相対的な回動による開き角θに合わせて屈曲可能なフレキシブルディスプレイである。ディスプレイ150は、制御部18の制御に応じて、
図4を参照して説明した各表示モードに対応する表示を行う。タッチセンサ155は、ディスプレイ150の画面上に設けられており、画面に対するタッチ操作を検出する。例えば、タッチセンサ155は、1画面モードの際には、画面領域DAに対するタッチ操作を検出する。また、タッチセンサ155は、2画面モードの際には、第1画面領域DA1及び第2画面領域DA2の一方または両方に対するタッチ操作を検出する。タッチ操作には、タップ操作、スライド操作、フリック操作、スワイプ操作、ピンチ操作などが含まれる。タッチセンサ155は、タッチ操作を検出し、検出した操作に基づく操作情報を制御部18へ出力する。
【0050】
カメラ16は、レンズ及び撮像素子などを含んで構成されている。カメラ16は、制御部18の制御に応じて、画像(静止画や動画)を撮像し、撮像した画像のデータを出力する。
【0051】
第1加速度センサ161は、第1筐体101の内部に設けられており、第1筐体101の向き及び向きの変化を検出する。例えば、第1画面領域DA1の長手方向に平行な方向をX1方向、短手方向に平行な方向をY1方向、X1方向及びY1方向に垂直な方向をZ1方向とすると、第1加速度センサ161は、X1方向、Y1方向、及びZ1方向のそれぞれの加速度を検出し、検出結果を制御部18へ出力する。
【0052】
第2加速度センサ162は、第2筐体102の内部に設けられており、第2筐体102の向き及び向きの変化を検出する。例えば、第2画面領域DA2の長手方向に平行な方向をX2方向、短手方向に平行な方向をY2方向、X2方向及びY2方向に垂直な方向をZ2方向とすると、第2加速度センサ162は、X2方向、Y2方向、及びZ2方向のそれぞれの加速度を検出し、検出結果を制御部18へ出力する。
【0053】
ホールセンサ17は、キーボード30の接続を検出するために設けられている。例えば、第2筐体102の第2画面領域DA2の上にキーボード30が載置されると、キーボード30の底面の内部に設けられたマグネットが接近することにより磁界が変化し、ホールセンサ17の検出値(出力値)が変化する。つまり、ホールセンサ17は、キーボード30が載置されているか否かによって異なる検出結果を出力する。
【0054】
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロコンピュータ(Microcomputer)等のプロセッサ等を含んで構成されており、それらが記憶部13等に記憶されたプログラム(BIOSや、OS、OS上で動作するアプリなどの各種プログラム)を実行することにより各種の機能を実現する。例えば、制御部18は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、情報処理装置10の姿勢(向き)を検出する。また、制御部18は、第1加速度センサ161及び第2加速度センサ162の検出結果に基づいて、開状態であるか又は閉状態であるか、及び開状態の場合に折れ曲がった状態(Bent form)であるか又は平面の状態(Flat form)であるかなどを検出する。また、制御部18は、第2画面領域DA2の上へのキーボード30の接続を検出する。そして、制御部18は、検出した情報処理装置10の姿勢(向き)及び状態、キーボード30の接続の有無等に基づいて、
図4に示す表示モードの切り替えを制御する。
【0055】
(キーボード30との接続の検出方法)
ここで、ハーフ画面モードへの切り替えのトリガとなるキーボード30との接続の検出方法について説明する。制御部18は、ホールセンサ17を用いて第2画面領域DA2の上へのキーボード30の載置を検出することにより、情報処理装置10とキ―ボード30との物理的な接続を検出する。しかし、制御部18は、第2画面領域DA2の上へのキーボード30の載置を検出しただけでは、情報処理装置10とキーボード30とが通信可能に接続されているか否かがわからない。例えば、制御部18が第2画面領域DA2の上へのキーボード30の載置を検出したことによりハーフ画面モードへ切り替えた場合、ハーフ画面モードへ切り替わっているにもかかわらず、何らかの要因によりキーボード30との通信が接続されておらずキーボード30を使用できない状況となることがあり得る。
【0056】
そこで、本実施形態では、制御部18は、ホールセンサ17を用いて第2画面領域DA2の上へのキーボード30の載置(物理的な接続)を検出するだけでなく、通信部11を介してキーボード30と通信接続がされているか否かの判定も行うことにより、キーボード30との接続を検出する。すなわち、制御部18は、キーボード30の載置(物理的な接続)の有無とキーボード30との通信接続の有無とに基づいてキーボード30との接続を検出し、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えを制御する。
【0057】
図6は、本実施形態に係るキーボード30と接続されている状態の一例を示す図である。この図に示すように、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合には、キーボード30と通信接続がされていること(connected)を条件としてキーボード30と接続されたと判定し、ハーフ画面モードに切り替える。
【0058】
一方、
図7は、本実施形態に係るキーボード30と接続されていない状態の一例を示す図である。情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であっても、キーボード30と通信接続がされていない(Not connected)ときにはキーボード30と接続されていないと判定し、ハーフ画面モードに切り替えない。この場合、情報処理装置10は、例えば1画面モードの状態を維持する。なお、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出される前が2画面モードであった場合には、2画面モードの状態を維持してもよいし、1画面モードに切り替えてもよい。
【0059】
なお、1画面モードと2画面モードとは、ディスプレイ150の画面領域の全体を1つの画面領域DAとして表示を制御するか或いは第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分けて表示を制御するかの違いはあるものの、いずれもディスプレイ150の画面領域の全体を表示領域とする表示モードである。そのため、1画面モード及び2画面モードのことを、ハーフ画面モードに対してフルスクリーンモードと称する。
【0060】
このように、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置によりハーフ画面モードに遷移するのは、情報処理装置10とキーボード30との通信が確立している場合のみに限定する。これにより、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へキーボード30が載置されても、キーボード30と通信接続されていない状態では、ハーフ画面モードに切り替わらないため、キーボード30と接続されていないことをユーザが容易に認識することができる。
【0061】
また、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、キーボード30との通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を表示させてもよい。
【0062】
図8は、本実施形態に係るポップアップ画面の第1例を示す図である。図示するポップアップ画面P1には、キーボード30が通信接続されていないことを示す文字が表示されている。なお、文字に代えて又は加えて、キーボード30が通信接続されていないことを示す図または絵などを用いてもよい。
【0063】
また、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、ユーザがキーボード30との通信接続を指示する操作が可能なポップアップ画面を表示させてもよい。
図8のようにフルスクリーン状態を保持したままポップアップ画面を表示させてもよいし、また
図6のように敢えてハーフ画面モードに切り替えた上でポップアップ画面を表示させるようにしても構わない。
【0064】
図9は、本実施形態に係るポップアップ画面の第2例を示す図である。図示するポップアップ画面P2は、ユーザがキーボード30との通信接続を指示する操作が可能な操作画面の一例である。例えば、情報処理装置10は、キーボード30とBluetooth(登録商標)を用いて通信接続する場合、キーボード30とのペアリングがされていないときに表示されるスイフトペアをポップアップ画面P2として表示させる。
【0065】
なお、情報処理装置10は、ポップアップ画面P1またはポップアップ画面P2を表示させる際に、1画面モードであっても2画面モードであっても、キーボード30が載置される画面領域以外の画面領域に表示させる。これにより、ポップアップ画面P1またはポップアップ画面P2がキーボード30によって隠れて見えなくなってしまうことを防止することができる。
【0066】
(制御部18の機能構成)
次に、情報処理装置10において、制御部18がキーボード30との接続を検出することにより表示モードをハーフ画面モードへ切り替えるハーフ画面モード制御処理についての機能構成について説明する。
図10は、本実施形態に係るハーフ画面モード制御処理に関する機能構成の一例を示すブロック図である。
【0067】
制御部18は、通信制御部181と、キーボード検出処理部182と、表示モード制御部185と、表示情報制御部186とを備えている。通信制御部181は、通信部11を介して行う外部の装置及び機器との通信を制御する。例えば、通信制御部181は、外付けのキーボード30と通信接続を行い、キーボード30に対するユーザの操作に応じた操作信号を取得する。
【0068】
キーボード検出処理部182は、キーボード30との接続を検出する。例えば、キーボード検出処理部182は、載置検出部183と、通信接続判定部184とを備えている。載置検出部183は、ホールセンサ17を用いて、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2へのキーボード30の載置を検出する。
【0069】
通信接続判定部184は、載置検出部183により第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合、通信部11を介してキーボード30と通信接続がされているか否かを判定する。例えば、通信接続判定部184は、通信制御部181によるキーボード30との通信接続の有無に基づいて、通信部11を介してキーボード30と通信接続がされているか否かを判定する。
【0070】
表示モード制御部185は、
図4に示す各表示モードの切り替えを制御する。例えば、表示モード制御部185は、載置検出部183による検出結果と通信接続判定部184による判定結果とに基づいて、表示モードをハーフ画面モードに遷移させるか否かを制御する。
【0071】
具体的には、表示モード制御部185は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合にはキーボード30と通信接続がされていることを条件としてハーフ画面モードに制御する。一方、表示モード制御部185は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、ハーフ画面モードに制御しない。
【0072】
なお、表示モード制御部185は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出される前の表示モード(フルスクリーンモード)を維持する。例えば、表示モード制御部185は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出される前の表示モードが1画面モードであった場合には1画面モードを維持し、2画面モードであった場合には2画面モードを維持してもよい。なお、表示モード制御部185は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出される前の表示モードにかかわらず、1画面モードに切り替えてもよい。
【0073】
また、表示モード制御部185は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出されていない場合には、それまでの表示モード(1画面モードまたは2画面モード)を維持する。
【0074】
表示情報制御部186は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、キーボード30との通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面P1(
図8参照)をディスプレイ150に表示させる。
【0075】
なお、表示情報制御部186は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、ユーザがキーボード30との通信接続を指示する操作が可能なポップアップ画面P2(
図9参照)をディスプレイ150に表示させてもよい。
【0076】
ここで、表示情報制御部186は、上記のポップアップ画面P1またはポップアップ画面P2を表示させる際には、ディスプレイ150の画面領域DAのうちキーボード30が載置されている第2画面領域DA2以外の画面領域(即ち、第1画面領域DA1)に表示させる。
【0077】
(ハーフ画面モード制御処理の動作)
次に、制御部18が実行するハーフ画面モード制御処理の動作について説明する。
図11は、本実施形態に係るハーフ画面モード制御処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、フルスクリーンモードにおいて、ハーフ画面モードを切り替える際の制御処理の動作を説明する。
【0078】
(ステップS101)制御部18は、ホールセンサ17を用いて、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2へのキーボード30の載置を検出したか否かを判定する。制御部18は、キーボード30の載置を検出したと判定した場合(YES)、ステップS103の処理に進む。一方、制御部18は、キーボード30の載置を検出していないと判定した場合(NO)、再びステップS101の処理を行う。
【0079】
(ステップS103)制御部18は、通信部11を介してキーボード30と通信接続がされているか否かを判定する。制御部18は、キーボード30と通信接続がされていると判定した場合(YES)、ステップS105の処理に進む。一方、制御部18は、キーボード30と通信接続がされていないと判定した場合(NO)、ステップS107の処理に進む。
【0080】
(ステップS105)制御部18は、表示モードをハーフ画面モードに制御し、ハーフ画面モード制御処理を終了する。
【0081】
(ステップS107)制御部18は、ポップアップ画面P1(
図8参照)またはポップアップ画面P2(
図9参照)をディスプレイ150の画面領域DAのうちキーボード30が載置されている第2画面領域DA2以外の画面領域(即ち、第1画面領域DA1)に表示させる。そして、ステップS103の処理に戻る。
【0082】
なお、制御部18は、ステップS107においてポップアップ画面を表示させた後、ステップS103においてキーボード30との通信接続がされたと判定された場合には、ポップアップ画面を非表示にしてからステップS105の処理へ進み、ハーフ画面モードに制御する。また、制御部18は、ステップS107においてポップアップ画面を表示させた後、キーボード30との通信接続がされる前に、キーボード30が第2画面領域DA2上に載置されていない状態になったことが検出された場合には、ポップアップ画面を非表示にして、ステップS101の処理に戻ってもよい。
【0083】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置10は、折り畳み可能な1つのディスプレイ150と、ディスプレイ150に表示させる表示データを一時的に記憶するRAM12(メモリの一例)と、RAM12に記憶された表示データをディスプレイ150に表示させる際の制御を行う制御部18(例えば、CPU、GPU、マイクロコンピュータ等のプロセッサの一例)と、を備える。制御部18は、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2(所定の画面領域の一例)への外付けのキーボード30の載置を検出する載置検出処理と、キーボード30と通信接続を行う通信制御処理とを行う。また、情報処理装置10は、ディスプレイ150の画面領域DAの全体を表示領域として表示を制御するフルスクリーンモード(第1表示モードの一例)と、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2を除く一部の画面領域(例えば、第1画面領域DA1)を表示領域として表示を制御するハーフ画面モード(第2表示モードの一例)とを有する。そして、制御部18は、上記記載置検出処理と上記通信制御処理とに基づいて、フルスクリーンモードとハーフ画面モードとの切り替えを制御する表示モード制御処理を行う。例えば、制御部18は、表示モード制御処理において、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合には、キーボード30と通信接続がされていることを条件としてハーフ画面モードに制御する表示モード制御処理を行う。一方、制御部18は、表示モード制御処理において、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときにはハーフ画面モードに制御しないでフルスクリーンモードに制御する。
【0084】
これにより、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置だけでなくキーボード30と通信接続がされている場合のみハーフ画面モードに切り替えるため、ハーフ画面モードへ切り替わっているにもかかわらずキーボード30を使用できない状況となることが無い。よって、情報処理装置10は、外付けのキーボード30を使用する際のディスプレイ150への表示を適切に制御することができる。
【0085】
また、制御部18は、表示モード制御処理において、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出されていない場合にはフルスクリーンモードに制御する。
【0086】
これにより、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へキーボード30が載置されていないときには、ハーフ画面モードに切り替えることなくフルスクリーンモードを維持するため、ディスプレイ150への表示を適切に制御することができる。
【0087】
また、制御部18は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、キーボード30との通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面P1(
図8参照)をディスプレイ150に表示させる表示情報制御処理をさらに行う。
【0088】
これにより、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へキーボード30が載置されているにもかかわらずキーボード30と通信接続がされていないときには、その旨をユーザが容易に認識することができる。
【0089】
なお、制御部18は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、ユーザがキーボード30との通信接続を指示する操作が可能なポップアップ画面P2(
図9参照)をディスプレイ150に表示させる表示情報制御処理をさらに行ってもよい。
【0090】
これにより、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へキーボード30が載置されているにもかかわらずキーボード30と通信接続がされていないときには、ユーザが容易にキーボード30との通信接続を指示することができる。
【0091】
例えば、制御部18は、表示情報制御処理によりポップアップ画面を表示させる際に、フルスクリーンモードにおいてディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2以外の第1画面領域DA1に表示させる。
【0092】
これにより、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へキーボード30が載置されていても、キーボード30によって隠れてしまわない位置にポップアップ画面を表示することができる。よって、情報処理装置10は、ユーザに視認可能なようにポップアップ画面表示することができる。
【0093】
また、制御部18は、上記通信制御処理において、無線または有線によりキーボード30と通信接続を行う。例えば、制御部18は、無線の場合には、Bluetooth(登録商標)を用いてキーボード30と通信接続を行ってもよい。また、制御部18は、有線の場合には、USBを用いてキーボード30と通信接続を行ってもよい。
【0094】
これにより、情報処理装置10は、様々な方式で通信接続される外付けのキーボード30を使用する際に、ディスプレイ150への表示を適切に制御することができる。
【0095】
また、制御部18は、上記表示モード制御処理によりハーフ画面モードに制御した場合には、第2画面領域DA2を黒表示に制御する。
【0096】
これにより、情報処理装置10は、ハーフ画面モードに制御したときには、外付けのキーボード30が載置されている画面領域を表示が無効な領域とすることができる。
【0097】
また、本実施形態に係る情報処理装置10における制御方法は、制御部18(例えば、CPU、GPU、マイクロコンピュータ等のプロセッサの一例)が、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2(所定の画面領域の一例)への外付けのキーボード30の載置を検出する載置検出ステップと、キーボード30と通信接続を行う通信制御ステップと、上記載置検出ステップによる検出結果と上記通信制御ステップによる制御結果とに基づいて、フルスクリーンモード(第1表示モードの一例)とハーフ画面モード(第2表示モードの一例)との切り替えを制御するステップと、を含む。例えば、情報処理装置10における制御方法は、制御部18が、上記フルスクリーンモードとの切り替えを制御するステップにおいて、ハーフ画面モード第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合には、キーボード30と通信接続がされていることを条件としてハーフ画面モード(第2表示モードの一例)に制御するステップと、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときにはハーフ画面モードに制御しないでフルスクリーンモードに制御するステップと、を含む。
【0098】
これにより、情報処理装置10は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置だけでなくキーボード30と通信接続がされている場合のみハーフ画面モードに切り替えるため、ハーフ画面モードへ切り替わっているにもかかわらずキーボード30を使用できない状況となることが無い。よって、情報処理装置10は、外付けのキーボード30を使用する際のディスプレイ150への表示を適切に制御することができる。
【0099】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理装置10の基本的な構成は、第1の実施形態において
図1~3、5、10を参照して説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。ここでは、本実施形態の特徴的な処理について説明する。
【0100】
本実施形態に係る情報処理装置10は、
図6~9を参照して説明した第1の実施形態と同様に、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置の有無とキーボード30との通信接続の有無との両方に基づいてハーフ画面モードへの遷移を制御するが、キーボード30との通信接続がされていないときにポップアップ画面を表示させる際の表示モードの制御が異なる。
【0101】
例えば、制御部18は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、一旦ハーフ画面モードに制御してからポップアップ画面P1(
図8参照)またはポップアップ画面P2(
図9参照)を、第1画面領域DA1に表示させる。即ち、制御部18は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合には、キーボード30との通信接続の有無にかかわらず、一旦ハーフ画面モードに制御する。そして、制御部18は、キーボード30と通信接続がされていないときには、一旦ハーフ画面モードに制御してからポップアップ画面P1(
図8参照)またはポップアップ画面P2(
図9参照)を、第1画面領域DA1に表示させる。その後、制御部18は、キーボード30と通信接続がされていない状態で一定時間経過した場合、ハーフ画面モードからフルスクリーンモードに戻してもよい。
【0102】
図12は、本実施形態に係るハーフ画面モード制御処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、フルスクリーンモードにおいて、ハーフ画面モードを切り替える際の制御処理の動作を説明する。
【0103】
(ステップS201)制御部18は、ホールセンサ17を用いて、ディスプレイ150の画面領域DAのうち第2画面領域DA2へのキーボード30の載置を検出したか否かを判定する。制御部18は、キーボード30の載置を検出したと判定した場合(YES)、ステップS203の処理に進む。一方、制御部18は、キーボード30の載置を検出していないと判定した場合(NO)、再びステップS201の処理を行う。
【0104】
(ステップS203)制御部18は、表示モードをハーフ画面モードに制御し、ステップS205の処理へ進む。
【0105】
(ステップS205)制御部18は、通信部11を介してキーボード30と通信接続がされているか否かを判定する。制御部18は、キーボード30と通信接続がされていると判定した場合(YES)、ハーフ画面モードに制御したまま処理を終了する。一方、制御部18は、キーボード30と通信接続がされていないと判定した場合(NO)、ステップS207の処理に進む。
【0106】
(ステップS207)制御部18は、ポップアップ画面P1(
図8参照)またはポップアップ画面P2(
図9参照)を第1画面領域DA1に表示させる。そして、ステップS209の処理へ進む。
【0107】
(ステップS209)制御部18は、ステップS207においてポップアップ画面P1またはポップアップ画面P2を表示させてから一定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判定する。制御部18は、一定時間が経過していないと判定した場合(NO)、ステップS205の処理へ戻る。一方、制御部18は、一定時間が経過したと判定した場合(YES)、ステップS211の処理に進む。
【0108】
(ステップS211)制御部18は、ステップS207において表示させたポップアップ画面を非表示にして、表示モードをハーフ画面モードからフルスクリーンモードに制御する。
【0109】
なお、制御部18は、ステップS211においてフルスクリーンモードに戻した後、キーボード30との通信接続がされた場合には、ハーフ画面モードに制御してもよい。また、制御部18は、ステップS211においてフルスクリーンモードに戻した後、キーボード30が第2画面領域DA2上に載置されていない状態になったことが検出された場合には、ステップS201の処理に戻り、再びハーフ画面モード制御処理を開始してもよい。
【0110】
なお、制御部18は、ステップS207においてポップアップ画面を表示させた後、ステップS205においてキーボード30との通信接続がされた場合には、ポップアップ画面を非表示にし、ハーフ画面モードのまま処理を終了してもよい。また、制御部18は、ステップS207においてポップアップ画面を表示させた後、キーボード30との通信接続がされる前に、キーボード30が第2画面領域DA2上に載置されていない状態になったことが検出された場合には、ポップアップ画面を非表示にして、フルスクリーンモードに戻した後、ステップS201の処理に戻ってもよい。
【0111】
このように本実施形態に係る情報処理装置10では、制御部18は、第2画面領域DA2へのキーボード30の載置が検出された場合であってもキーボード30と通信接続がされていないときには、表示モード制御処理によりハーフ画面モード(第2表示モードの一例)に制御してから表示情報制御処理によりポップアップ画面を表示させる。そして、制御部18は、キーボード30と通信接続がされていない状態が一定時間経過すると、表示モード制御処理によりフルスクリーンモード(第1表示モードの一例)に切り替える。
【0112】
これにより、情報処理装置10は、一旦ハーフ画面モードに切り替えることにより、キーボード30が載置されている画面領域以外にポップアップ画面を表示させる制御を、フルスクリーンモードの場合よりも容易に行うことができる。例えば、キーボード30とBluetooth(登録商標)を用いて通信接続する場合、フルスクリーンモードでは、
図9に示すようなポップアップ画面P2(スイフトペア)の表示位置をOSにより制御するのが困難である。ハーフ画面モードであれば第1画面領域DA1のみが表示領域となるため、特別な制御を行うことなくキーボード30が載置されている画面領域以外にポップアップ画面を表示させることができる。
また、一旦ハーフ画面に遷移することにより、ユーザは情報処理装置10がキーボード30の載置自体は正しく検出していること(すなわち載置機構が故障していないこと)を容易に知ることができる。
【0113】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、上記の各実施形態で説明した構成は、任意に組み合わせてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、2画面モードのデフォルトで第1画面領域DA1をプライマリ画面及び第2画面領域DA2をセカンダリ画面とし、反転2画面モードにおいて第2画面領域DA2をプライマリ画面及び第1画面領域DA1をセカンダリ画面とする例を説明したが、プライマリ画面とセカンダリ画面の対応関係は逆でもよい。つまり、2画面モードのデフォルトで第2画面領域DA2をプライマリ画面及び第1画面領域DA1をセカンダリ画面とし、反転2画面モードにおいて第1画面領域DA1をプライマリ画面及び第2画面領域DA2をセカンダリ画面としてもよい。
【0115】
また、上述した実施形態では、ディスプレイ150の画面領域を1つの画面領域DAとして表示を制御する1画面モードと、第1画面領域DA1と第2画面領域DA2との2つの画面領域に分割して表示を制御する2画面モードとの例を説明したが、ディスプレイ150の画面領域を分割する場合、2つの画面領域に分割するのみに限られるものではなく、3以上の画面領域に分割してもよい。例えば、ディスプレイ150の画面領域を3つの画面領域に分割して表示を制御する3画面モードとして場合でも、ディスプレイ150の回転に応じて、3つの画面領域のそれぞれに表示させる表示データを入れ替えずに、3つの画面領域のそれぞれの表示の向きを変更してもよい。
【0116】
さらに、ディスプレイ150の画面上に載置できる外付けのキーボード30は、2画面モード時の半分に分割された第2画面領域DA2のサイズとほぼ一致しているものに限定されることはなく、例えば第2画面領域DA2のサイズよりも小さいサイズとしてもよい。また、キーボード30が載置される位置は、キーボード30の下辺が第2画面領域DA2の下辺と一致する位置だけではなく、キーボード30の上辺が第2画面領域DA2の上辺と一致する位置にしたり、その中間的な位置にしたりすることも可能な機構にしてもよい。
【0117】
また、上述した実施形態では、折り畳み可能な1つのディスプレイ150を1画面モードと2画面モードで使用する例を説明したが、複数(例えば2つ)のディスプレイを用いてもよい。例えば、2つのディスプレイのそれぞれの画面領域(画面領域)を1つにまとめた画面領域(画面領域)として表示を制御する1画面モードと、2つのディスプレイのそれぞれの画面領域(画面領域)の表示を個別に制御する2画面モードとすることもできる。また、2つのディスプレイのうちの一方のみを表示の対象とし、他方を黒表示または表示オフ等に制御するハーフ画面モードとして、上述した各実施形態における処理を適用することもできる。
【0118】
また、上述した実施形態では、入力部(タッチセンサ)と表示部とが一体となって構成されている複数のタッチパネル式のディスプレイに対するタッチ操作の例を説明したが、タッチ操作に限定されるものではなく、マウスによるクリック操作、ジェスチャーによる操作などとしてもよい。
【0119】
なお、上述した情報処理装置10は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置10が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置10が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0120】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置10が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0121】
また、上述した実施形態における情報処理装置10が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0122】
10 情報処理装置、101 第1筐体、102 第2筐体、103 ヒンジ機構、11 通信部、12 RAM、13 記憶部、14 スピーカ、15 表示部、16 カメラ、150 ディスプレイ、155 タッチセンサ、161 第1加速度センサ、162 第2加速度センサ、17 ホールセンサ、18 制御部、181 通信制御部、182 キーボード検出処理部、183 載置検出部、184 通信接続判定部、185 表示モード制御部、186 表示情報制御部
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出処理と、
前記キーボードと通信接続を行う通信制御処理と、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出処理と前記通信制御処理とに基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード制御処理と、
を行い、
前記表示モード制御処理において、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合には前記キーボードと通信接続がされていることを条件として前記第2表示モードに制御し、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには前記第2表示モードに制御しないで前記第1表示モードに制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記表示モード制御処理において、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出されていない場合には前記第1表示モードに制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、前記キーボードとの通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、ユーザが前記キーボードとの通信接続を指示する操作が可能なポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記表示情報制御処理により前記ポップアップ画面を表示させる際に、前記第1表示モードにおいて前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域以外の画面領域に表示させる、
請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出処理と、
前記キーボードと通信接続を行う通信制御処理と、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出処理と前記通信制御処理とに基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード制御処理と、
を行い、
前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、前記表示モード制御処理により前記第2表示モードに制御してから、前記キーボードとの通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させる表示情報制御処理をさらに行い、前記キーボードと通信接続がされていない状態が一定時間経過すると、前記表示モード制御処理により前記第1表示モードに切り替える、
情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記通信制御処理において、無線または有線により前記キーボードと通信接続を行う、
請求項1から請求項4または請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記表示モード制御処理により前記第2表示モードに制御した場合には、前記所定の画面領域を黒表示に制御する、
請求項1から請求項4または請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ディスプレイは、折り畳み可能な1つのディスプレイである、
請求項1から請求項4または請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ディスプレイは、複数のディスプレイを含む、
請求項1から請求項4または請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサとを備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出ステップと、
前記キーボードと通信接続を行う通信制御ステップと、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出ステップによる検出結果と前記通信制御ステップによる制御結果とに基づいて、前記第1表示モードと前記第2表示モードとの切り替えを制御する表示モード制御ステップと、
を含み、
前記表示モード制御ステップにおいて、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合には前記キーボードと通信接続がされていることを条件として前記第2表示モードに制御し、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには前記第2表示モードに制御しないで前記第1表示モードに制御する、
制御方法。
【請求項12】
ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる表示データを一時的に記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記表示データを前記ディスプレイに表示させる際の制御を行うプロセッサとを備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記ディスプレイの画面領域のうち所定の画面領域への外付けのキーボードの載置を検出する載置検出ステップと、
前記キーボードと通信接続を行う通信制御ステップと、
前記ディスプレイの画面領域の全体を表示領域として表示を制御する第1表示モードと、前記ディスプレイの画面領域のうち前記所定の画面領域を除く一部の画面領域を表示領域として表示を制御する第2表示モードとを有し、前記載置検出ステップによる検出結果と前記通信制御ステップによる制御結果とに基づいて、前記所定の画面領域への前記キーボードの載置が検出された場合であっても前記キーボードと通信接続がされていないときには、前記第2表示モードに制御してから前記キーボードとの通信接続がされていないことを示す情報が含まれるポップアップ画面を前記ディスプレイに表示させるステップと、
前記キーボードと通信接続がされていない状態が一定時間経過すると、前記第1表示モードに切り替えるステップと、
を含む制御方法。