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特開2023-179105差動伝送用基板セット及びアッセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179105
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】差動伝送用基板セット及びアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
H05K1/14 G
H05K1/14 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092180
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【弁理士】
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】大西 健太
【テーマコード(参考)】
5E344
【Fターム(参考)】
5E344AA01
5E344AA12
5E344AA15
5E344AA22
5E344BB06
5E344BB13
5E344CC03
5E344CC13
5E344CC15
5E344CC23
5E344CD15
5E344CD18
5E344CD29
5E344DD02
5E344DD07
5E344DD09
5E344EE08
(57)【要約】
【課題】差動伝送用基板セットの伝送特性を改善する。
【解決手段】差動伝送用基板セット4は、コンプレッションコネクタ5が実装される実装基板7と、コンプレッションコネクタ5に接触させる接触基板6と、を組み合わせて成る。接触基板6において、第2導体層6CL2はグラウンド層であって貫通孔55が形成されている。貫通孔55は、貫通孔55の内周縁55Aよりも内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。接触基板6において、貫通孔55は、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qに対して重なるように形成されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがハンダ付け部とバネ部を含んで一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクトと、前記4つのコンプレッションコンタクトを保持するハウジングと、を備えたコンプレッションコネクタを介して相互に電気的に接続される2つの差動伝送用基板を組み合わせて成る差動伝送用基板セットであって、
前記2つの差動伝送用基板は、前記コンプレッションコネクタが実装される実装基板と、前記コンプレッションコネクタに接触させる接触基板と、を含み、
前記実装基板及び前記接触基板は何れも、複数の導体層と複数の絶縁体層を交互に積層した多層基板であり、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、第1導体層及び第2導体層をこの記載順に含み、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第1導体層は、前記4つのコンプレッションコンタクトに対応する4つの電極パッドを有し、
前記4つの電極パッドは、第1信号パッド、第2信号パッド、第1グラウンドパッド、第2グラウンドパッドを含み、
前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドは、第1の方向に沿ってこの記載順で並んでおり、
前記実装基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記ハンダ付け部がそれぞれハンダ付け可能となっており、
前記接触基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記バネ部がそれぞれ接触可能となっており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第2導体層はグラウンド層であって貫通孔が形成されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記貫通孔は、積層方向から見ると、前記貫通孔の内周縁よりも内側に前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドが共に位置するように形成されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、
前記第1グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第1グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第1信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第1信号パッドから遠い外側領域と、を含み、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、
前記第2グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第2グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第2信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第2信号パッドから遠い外側領域と、を含み、
前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記外側領域と前記第2グラウンドパッドの前記外側領域に対して重なるように形成されている、
差動伝送用基板セット。
【請求項2】
それぞれがハンダ付け部とバネ部を含んで一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクトと、前記4つのコンプレッションコンタクトを保持するハウジングと、を備えたコンプレッションコネクタを介して相互に電気的に接続される2つの差動伝送用基板を組み合わせて成る差動伝送用基板セットであって、
前記2つの差動伝送用基板は、前記コンプレッションコネクタが実装される実装基板と、前記コンプレッションコネクタに接触させる接触基板と、を含み、
前記実装基板及び前記接触基板は何れも、複数の導体層と複数の絶縁体層を交互に積層した多層基板であり、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、第1導体層及び第2導体層をこの記載順に含み、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第1導体層は、前記4つのコンプレッションコンタクトに対応する4つの電極パッドを有し、
前記4つの電極パッドは、第1信号パッド、第2信号パッド、第1グラウンドパッド、第2グラウンドパッドを含み、
前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドは、第1の方向に沿ってこの記載順で並んでおり、
前記実装基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記ハンダ付け部がそれぞれハンダ付け可能となっており、
前記接触基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記バネ部がそれぞれ接触可能となっており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第2導体層はグラウンド層であって貫通孔が形成されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記貫通孔は、積層方向から見ると、前記貫通孔の内周縁よりも内側に前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドが共に位置するように形成されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、
前記第1グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第1グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第1信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第1信号パッドから遠い外側領域と、を含み、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、
前記第2グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第2グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第2信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第2信号パッドから遠い外側領域と、を含み、
前記実装基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記外側領域と前記第2グラウンドパッドの前記外側領域に対して重なるように形成されており、
前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記外側領域と重なっておらず、
前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記内側領域と接するか、又は、前記第1グラウンドパッドの前記内側領域と重なるように形成されており、
前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第2グラウンドパッドの前記外側領域と重なっておらず、
前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第2グラウンドパッドの前記内側領域と接するか、又は、前記第2グラウンドパッドの前記内側領域と重なるように形成されている、
差動伝送用基板セット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の差動伝送用基板セットであって、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、更に、第3導体層を含み、前記第1導体層、前記第2導体層、前記第3導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、この記載順に積層されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第3導体層は、グラウンド層であって、前記積層方向において前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドと重なっている、
差動伝送用基板セット。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の差動伝送用基板セットであって、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、更に、第3導体層及び第4導体層、第5導体層を含み、前記第1導体層、前記第2導体層、前記第3導体層、前記第4導体層、前記第5導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、この記載順に積層されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第3導体層及び前記第4導体層は、グラウンド層であって貫通孔が形成されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第3導体層及び前記第4導体層の前記貫通孔は、何れも、前記積層方向から見ると、前記貫通孔の内周縁よりも内側に前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドが共に位置するように形成されており、
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第5導体層は、グラウンド層であって、前記積層方向において前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドと重なっている、
差動伝送用基板セット。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の差動伝送用基板セットであって、
前記一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクトから成るコンプレッションコンタクトグループを複数配置したコンプレッションコネクタを介して相互に電気的に接続される2つの差動伝送用基板を組み合わせて成る、
差動伝送用基板セット。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の差動伝送用基板セットであって、
前記実装基板及び前記接触基板のうち少なくとも何れか一方において、前記複数の導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、前記第1導体層、前記第2導体層・・・第(N-1)導体層、第N導体層(ただし、Nは4以上の自然数)をこの記載順に含み、
前記第N導体層は、前記第1導体層の前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドとそれぞれ電気的に接続される第1信号パッド及び第2信号パッドを含み、
前記第(N-1)導体層は、グラウンド層であって、前記積層方向において前記第N導体層の前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドと重なっている、
差動伝送用基板セット。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の差動伝送用基板セットと、
前記コンプレッションコネクタと、
を含む、
アッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動伝送用基板セット及びアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、本願の図36に示すように、複数の導体層1000と複数の絶縁体層1001を交互に積層した多層基板であるパドルカード基板1002を開示している。複数の導体層1000は、第1導体層1000A、第2導体層1000B、第3導体層1000C、第4導体層1000Dを含む。複数の絶縁体層1001は、第1絶縁体層1001A、第2絶縁体層1001B、第3絶縁体層1001Cを含む。パドルカード基板1002の表層側から内層側に向かって、第1導体層1000A、第1絶縁体層1001A、第2導体層1000B、第2絶縁体層1001B、第3導体層1000C、第3絶縁体層1001C、第4導体層1000Dの順に配置されている。
【0003】
第1導体層1000Aは、差動信号伝送用ケーブルの2つの信号線導体が半田付けされる2つのケーブル接続パッド1003と、2つのケーブル接続パッド1003を挟むように配置された2つのグラウンドパッド1004と、が形成されている。
【0004】
そして、第2導体層1000B及び第3導体層1000Cには2つのケーブル接続パッド1003と積層方向で重なる貫通孔1005B及び貫通孔1005Cがそれぞれ形成されており、これにより、2つのケーブル接続パッド1003と第2導体層1000Bとの容量結合を抑え、もって、2つのケーブル接続パッド1003における差動インピーダンスの低下を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-27721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本願発明者らは、それぞれがハンダ付け部とバネ部を含む複数のコンプレッションコンタクトと、複数のコンプレッションコンタクトを保持するハウジングと、を備えたコンプレッションコネクタを介して相互に電気的に接続される2つの差動伝送用基板を開発している。2つの差動伝送用基板は、組み合わされて差動伝送用基板セットを構成している。
【0007】
本開示の目的は、差動伝送用基板セットの伝送特性を改善する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の観点によれば、それぞれがハンダ付け部とバネ部を含んで一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクトと、前記4つのコンプレッションコンタクトを保持するハウジングと、を備えたコンプレッションコネクタを介して相互に電気的に接続される2つの差動伝送用基板を組み合わせて成る差動伝送用基板セットであって、前記2つの差動伝送用基板は、前記コンプレッションコネクタが実装される実装基板と、前記コンプレッションコネクタに接触させる接触基板と、を含み、前記実装基板及び前記接触基板は何れも、複数の導体層と複数の絶縁体層を交互に積層した多層基板であり、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、第1導体層及び第2導体層をこの記載順に含み、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第1導体層は、前記4つのコンプレッションコンタクトに対応する4つの電極パッドを有し、前記4つの電極パッドは、第1信号パッド、第2信号パッド、第1グラウンドパッド、第2グラウンドパッドを含み、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドは、第1の方向に沿ってこの記載順で並んでおり、前記実装基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記ハンダ付け部がそれぞれハンダ付け可能となっており、前記接触基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記バネ部がそれぞれ接触可能となっており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第2導体層はグラウンド層であって貫通孔が形成されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記貫通孔は、積層方向から見ると、前記貫通孔の内周縁よりも内側に前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドが共に位置するように形成されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第1グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第1グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第1信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第1信号パッドから遠い外側領域と、を含み、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第2グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第2グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第2信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第2信号パッドから遠い外側領域と、を含み、前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記外側領域と前記第2グラウンドパッドの前記外側領域に対して重なるように形成されている、差動伝送用基板セットが提供される。
本開示の第2の観点によれば、それぞれがハンダ付け部とバネ部を含んで一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクトと、前記4つのコンプレッションコンタクトを保持するハウジングと、を備えたコンプレッションコネクタを介して相互に電気的に接続される2つの差動伝送用基板を組み合わせて成る差動伝送用基板セットであって、前記2つの差動伝送用基板は、前記コンプレッションコネクタが実装される実装基板と、前記コンプレッションコネクタに接触させる接触基板と、を含み、前記実装基板及び前記接触基板は何れも、複数の導体層と複数の絶縁体層を交互に積層した多層基板であり、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、第1導体層及び第2導体層をこの記載順に含み、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第1導体層は、前記4つのコンプレッションコンタクトに対応する4つの電極パッドを有し、前記4つの電極パッドは、第1信号パッド、第2信号パッド、第1グラウンドパッド、第2グラウンドパッドを含み、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドは、第1の方向に沿ってこの記載順で並んでおり、前記実装基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記ハンダ付け部がそれぞれハンダ付け可能となっており、前記接触基板において、前記第1グラウンドパッド、前記第1信号パッド、前記第2信号パッド、前記第2グラウンドパッドには、前記4つのコンプレッションコンタクトの前記バネ部がそれぞれ接触可能となっており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第2導体層はグラウンド層であって貫通孔が形成されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記貫通孔は、積層方向から見ると、前記貫通孔の内周縁よりも内側に前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドが共に位置するように形成されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第1グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第1グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第1信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第1信号パッドから遠い外側領域と、を含み、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第2グラウンドパッドは、前記第1の方向において前記第2グラウンドパッドのパッド面積を二等分する二等分線よりも前記第2信号パッドに近い内側領域と、前記二等分線よりも前記第2信号パッドから遠い外側領域と、を含み、前記実装基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記外側領域と前記第2グラウンドパッドの前記外側領域に対して重なるように形成されており、前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記外側領域と重なっておらず、前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第1グラウンドパッドの前記内側領域と接するか、又は、前記第1グラウンドパッドの前記内側領域と重なるように形成されており、前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第2グラウンドパッドの前記外側領域と重なっておらず、前記接触基板において、前記貫通孔は、前記積層方向に沿って見ると、前記第2グラウンドパッドの前記内側領域と接するか、又は、前記第2グラウンドパッドの前記内側領域と重なるように形成されている、差動伝送用基板セットが提供される。
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、更に、第3導体層を含み、前記第1導体層、前記第2導体層、前記第3導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、この記載順に積層されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第3導体層は、グラウンド層であって、前記積層方向において前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドと重なっていてもよい。
前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記複数の導体層は、更に、第3導体層及び第4導体層、第5導体層を含み、前記第1導体層、前記第2導体層、前記第3導体層、前記第4導体層、前記第5導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、この記載順に積層されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第3導体層及び前記第4導体層は、グラウンド層であって貫通孔が形成されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第3導体層及び前記第4導体層の前記貫通孔は、何れも、前記積層方向から見ると、前記貫通孔の内周縁よりも内側に前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドが共に位置するように形成されており、前記実装基板及び前記接触基板の何れにおいても、前記第5導体層は、グラウンド層であって、前記積層方向において前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドと重なっていてもよい。
前記一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクトから成るコンプレッションコンタクトグループを複数配置したコンプレッションコネクタを介して相互に電気的に接続される2つの差動伝送用基板を組み合わせて成ってもよい。
前記実装基板及び前記接触基板のうち少なくとも何れか一方において、前記複数の導体層は、前記コンプレッションコネクタ側から順に、前記第1導体層、前記第2導体層・・・第(N-1)導体層、第N導体層(ただし、Nは4以上の自然数)をこの記載順に含み、前記第N導体層は、前記第1導体層の前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドとそれぞれ電気的に接続される第1信号パッド及び第2信号パッドを含み、前記第(N-1)導体層は、グラウンド層であって、前記積層方向において前記第N導体層の前記第1信号パッド及び前記第2信号パッドと重なっていてもよい。
上記の差動伝送用基板セットと、前記コンプレッションコネクタと、を含む、アッセンブリが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、差動伝送用基板セットの伝送特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理装置の分解斜視図である。(第1実施形態)
図2】情報処理装置の別の角度から見た分解斜視図である。(第1実施形態)
図3】差動伝送アッセンブリの断面図である。(第1実施形態)
図4】接触基板の第1導体層の部分底面図である。(第1実施形態)
図5】接触基板の第2導体層の部分底面図である。(第1実施形態)
図6】接触基板の第3導体層の部分底面図である。(第1実施形態)
図7】接触基板の第4導体層の部分底面図である。(第1実施形態)
図8】接触基板の第5導体層の部分底面図である。(第1実施形態)
図9】接触基板の第6導体層の部分底面図である。(第1実施形態)
図10】接触基板の複数の導体層の投影図である。(第1実施形態)
図11】実装基板の第1導体層の部分平面図である。(第1実施形態)
図12】実装基板の第2導体層の部分平面図である。(第1実施形態)
図13】実装基板の第3導体層の部分平面図である。(第1実施形態)
図14】実装基板の第4導体層の部分平面図である。(第1実施形態)
図15】実装基板の第5導体層の部分平面図である。(第1実施形態)
図16】実装基板の第6導体層の部分平面図である。(第1実施形態)
図17】実装基板の複数の導体層の投影図である。(第1実施形態)
図18】接触基板の第3導体層及び第4導体層の部分底面図である。(第1変形例)
図19】実装基板の第3導体層及び第4導体層の部分平面図である。(第1変形例)
図20】接触基板の複数の導体層の投影図である。(第2実施形態)
図21】実装基板の複数の導体層の投影図である。(第2実施形態)
図22】接触基板の複数の導体層の投影図である。(第3実施形態)
図23】実装基板の複数の導体層の投影図である。(第3実施形態)
図24】接触基板の複数の導体層の投影図である。(第4実施形態)
図25】実装基板の複数の導体層の投影図である。(第4実施形態)
図26】接触基板の複数の導体層の投影図である。(第1比較例)
図27】実装基板の複数の導体層の投影図である。(第1比較例)
図28】接触基板の第2導体層から第4導体層の部分底面図である。(第2比較例)
図29】実装基板の第2導体層から第4導体層の部分平面図である。(第2比較例)
図30】インサーションロスの解析結果を示すグラフである。
図31】リターンロスの解析結果を示すグラフである。
図32】TDR法による差動インピーダンスの解析結果を示すグラフである。
図33】インサーションロスの解析結果を示すグラフである。
図34】リターンロスの解析結果を示すグラフである。
図35】TDR法による差動インピーダンスの解析結果を示すグラフである。
図36】特許文献1の図16を簡略化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、図1から図17を参照して、第1実施形態を説明する。
【0012】
図1及び図2には、情報処理装置1の分解斜視図を示している。図1及び図2に示すように、情報処理装置1は、差動伝送アッセンブリ2(アッセンブリ)とサポートボード3を含む。
【0013】
差動伝送アッセンブリ2は、差動伝送用基板セット4とコンプレッションコネクタ5を含む。
【0014】
差動伝送用基板セット4は、接触基板6及び実装基板7を含む。接触基板6及び実装基板7は、コンプレッションコネクタ5を介して相互に電気的に接続される。接触基板6及び実装基板7は、何れも、差動伝送用基板である。接触基板6及び実装基板7は、コンプレッションコネクタ5を介して相互に電気的に接続された状態で互いに平行となる。
【0015】
接触基板6には、2つのボルト締結孔6Aが形成されている。同様に、実装基板7には、2つのボルト締結孔7Aが形成されている。
【0016】
サポートボード3は、典型的には、接触基板6、コンプレッションコネクタ5、実装基板7を収容する筐体の一部であって、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金製である。サポートボード3は、平板状のボード本体8と、ボード本体8から突出する2つのナット9と、を含む。
【0017】
情報処理装置1は以下のように組み立てられる。即ち、まず、実装基板7にコンプレッションコネクタ5を実装する。次に、コンプレッションコネクタ5が搭載された実装基板7をサポートボード3に取り付ける。このとき、サポートボード3の2つのナット9が実装基板7の2つのボルト締結孔7Aを貫通する。
【0018】
そして、接触基板6をコンプレッションコネクタ5に重ね合わせるように、接触基板6をサポートボード3に取り付ける。具体的には、2つのボルト10を接触基板6の2つのボルト締結孔6Aを介してサポートボード3の2つのナット9にそれぞれ締結する。これにより、接触基板6はコンプレッションコネクタ5に対して押し付けられることでコンプレッションコネクタ5に接触し、この結果、接触基板6と実装基板7はコンプレッションコネクタ5を介して互いに電気的に接続される。即ち、コンプレッションコネクタ5は接触基板6に実装されず、接触基板6をコンプレッションコネクタ5に対して押し付けたときにのみ、コンプレッションコネクタ5と接触基板6は互いに接触する。
【0019】
引き続き図1及び図2を参照して、コンプレッションコネクタ5は、複数のコンプレッションコンタクト11と、複数のコンプレッションコンタクト11を保持するハウジング12と、を含む。複数のコンプレッションコンタクト11は、複数のコンタクト列13を構成している。複数のコンタクト列13は、互いに平行に延びている。
【0020】
ここで、ピッチ方向と幅方向、上下方向を定義する。ピッチ方向と幅方向、上下方向は、互いに直交する方向である。ピッチ方向は、各コンタクト列13の列方向である。幅方向は、互いに平行に延びる複数のコンタクト列13が並べられる方向である。上下方向は、接触基板6とコンプレッションコネクタ5、コンプレッションコネクタ5と実装基板7がそれぞれ対向する方向である。従って、接触基板6の板厚方向及び実装基板7の板厚方向は、上下方向に一致する。コンプレッションコネクタ5から接触基板6を見る方向を上方と称し、コンプレッションコネクタ5から実装基板7を見る方向を下方と称する。上下方向は、説明の便宜上定義した方向に過ぎず、情報処理装置1の実際の使用状態における姿勢を示唆するものではない。
【0021】
図3には、差動伝送アッセンブリ2の断面図を示している。図3に示すように、各コンプレッションコンタクト11は、ハウジング12のコンタクト収容室12Aに圧入により収容される。各コンプレッションコンタクト11は、ハンダ付け部20とバネ部21、圧入部22を含む。バネ部21は、上下方向に弾性変位可能な接点部21Aを有する。バネ部21が圧入部22によって片持ち梁状に支持されることで、接点部21Aは上下方向に弾性変位可能となっている。
【0022】
接触基板6は、複数の導体層6CLと複数の絶縁体層6SLを交互に積層した多層基板である。複数の導体層6CLは、コンプレッションコネクタ5側から上方に向かって順に、第1導体層6CL1、第2導体層6CL2、第3導体層6CL3、第4導体層6CL4、第5導体層6CL5、第6導体層6CL6を含む。複数の絶縁体層6SLは、コンプレッションコネクタ5側から上方に向かって順に、第1絶縁体層6SL1、第2絶縁体層6SL2、第3絶縁体層6SL3、第4絶縁体層6SL4、第5絶縁体層6SL5を含む。従って、第1導体層6CL1、第1絶縁体層6SL1、第2導体層6CL2、第2絶縁体層6SL2、第3導体層6CL3、第3絶縁体層6SL3、第4導体層6CL4、第4絶縁体層6SL4、第5導体層6CL5、第5絶縁体層6SL5、第6導体層6CL6がコンプレッションコネクタ5側から上方に向かって順に積層されている。接触基板6の積層方向は、上下方向に一致する。第2導体層6CL2は、第1導体層6CL1に最も近い導体層である。
【0023】
各導体層6CLは、典型的には、導電性に優れた銅箔によって形成されている。各絶縁体層6SLは、典型的には、ガラスエポキシにより形成されている。
【0024】
同様に、実装基板7は、複数の導体層7CLと複数の絶縁体層7SLを交互に積層した多層基板である。複数の導体層7CLは、コンプレッションコネクタ5側から下方に向かって順に、第1導体層7CL1、第2導体層7CL2、第3導体層7CL3、第4導体層7CL4、第5導体層7CL5、第6導体層7CL6を含む。複数の絶縁体層7SLは、コンプレッションコネクタ5側から下方に向かって順に、第1絶縁体層7SL1、第2絶縁体層7SL2、第3絶縁体層7SL3、第4絶縁体層7SL4、第5絶縁体層7SL5を含む。従って、第1導体層7CL1、第1絶縁体層7SL1、第2導体層7CL2、第2絶縁体層7SL2、第3導体層7CL3、第3絶縁体層7SL3、第4導体層7CL4、第4絶縁体層7SL4、第5導体層7CL5、第5絶縁体層7SL5、第6導体層7CL6がコンプレッションコネクタ5側から下方に向かって順に積層されている。実装基板7の積層方向は、上下方向に一致する。第2導体層7CL2は、第1導体層7CL1に最も近い導体層である。
【0025】
各導体層7CLは、典型的には、導電性に優れた銅箔によって形成されている。各絶縁体層7SLは、典型的には、ガラスエポキシにより形成されている。
【0026】
<接触基板6>
図4から図9には、接触基板6の第1導体層6CL1、第2導体層6CL2、第3導体層6CL3、第4導体層6CL4、第5導体層6CL5、第6導体層6CL6の部分底面図を示している。図4から図9においては、単に見やすさのために導体部分にはハッチングを施している。
【0027】
まず、図2及び図4を参照して第1導体層6CL1を説明する。図2及び図4に示すように、第1導体層6CL1は、コンプレッションコネクタ5の複数のコンプレッションコンタクト11にそれぞれ対応する複数の電極パッド30を有している。即ち、各電極パッド30には、対応するコンプレッションコンタクト11のバネ部21が接触可能に構成されている。複数の電極パッド30は、複数のコンプレッションコンタクト11と同様に、複数のパッド列を構成している。
【0028】
図4に示すように、各パッド列に属する複数の電極パッド30は、2つのグラウンドパッド31と2つの信号パッド32をピッチ方向に交互に並べて構成されている。即ち、ピッチ方向に沿って順に、グラウンドパッド31、グラウンドパッド31、信号パッド32、信号パッド32、グラウンドパッド31、グラウンドパッド31、信号パッド32、信号パッド32・・・がこの記載順に配置されている。換言すれば、2つのグラウンドパッド31の間に、差動伝送用の2つの信号パッド32が配置されている。図4には、4つの電極パッド30のみを示している。図4に示す4つの電極パッド30は、2つのグラウンドパッド31と、2つのグラウンドパッド31の間に配置される2つの信号パッド32と、を含む。2つのグラウンドパッド31は、第1グラウンドパッド33と第2グラウンドパッド34を含む。2つの信号パッド32は、第1信号パッド35と第2信号パッド36を含む。第1グラウンドパッド33、第1信号パッド35、第2信号パッド36、第2グラウンドパッド34は、ピッチ方向に沿ってこの記載順に並んでいる。
【0029】
第1信号パッド35は、バネ接触部35Aとビア接続部35Bを含む。バネ接触部35Aとビア接続部35Bは幅方向で互いに接続しており一体的に形成されている。説明の便宜上、バネ接触部35Aとビア接続部35Bの境界35Cを破線で示している。バネ接触部35Aは、ほぼ正方形であるベース部35Dと、ベース部35Dから幅方向に先細るように延びるテーパ部35Eと、を含む。
【0030】
同様に、第2信号パッド36は、バネ接触部36Aとビア接続部36Bを含む。バネ接触部36Aとビア接続部36Bは幅方向で互いに接続しており一体的に形成されている。説明の便宜上、バネ接触部36Aとビア接続部36Bの境界36Cを破線で示している。バネ接触部36Aは、ほぼ正方形であるベース部36Dと、ベース部36Dから幅方向に先細るように延びるテーパ部36Eと、を含む。
【0031】
第1グラウンドパッド33は、バネ接触部33Aと第1ビア接続部33B、第2ビア接続部33Cを含む。第1ビア接続部33B、バネ接触部33A、第2ビア接続部33Cは幅方向でこの記載順に配置されている。バネ接触部33Aと第1ビア接続部33B、第2ビア接続部33Cは、一体的に形成されている。説明の便宜上、バネ接触部33Aと第1ビア接続部33Bの境界33Dを破線で示している。同様に、バネ接触部33Aと第2ビア接続部33Cの境界33Eを破線で示している。バネ接触部33Aは、ほぼ正方形であるベース部33Fと、ベース部33Fから幅方向に先細るように延びるテーパ部33Gと、を含む。
【0032】
同様に、第2グラウンドパッド34は、バネ接触部34Aと第1ビア接続部34B、第2ビア接続部34Cを含む。第1ビア接続部34B、バネ接触部34A、第2ビア接続部34Cは幅方向でこの記載順に配置されている。バネ接触部34Aと第1ビア接続部34B、第2ビア接続部34Cは、一体的に形成されている。説明の便宜上、バネ接触部34Aと第1ビア接続部34Bの境界34Dを破線で示している。同様に、バネ接触部34Aと第2ビア接続部34Cの境界34Eを破線で示している。バネ接触部34Aは、ほぼ正方形であるベース部34Fと、ベース部34Fから幅方向に先細るように延びるテーパ部34Gと、を含む。
【0033】
図4に示すように、第1信号パッド35と第2信号パッド36は同一形状であり、第1グラウンドパッド33と第2グラウンドパッド34は同一形状である。第1信号パッド35のバネ接触部35A、第2信号パッド36のバネ接触部36A、第1グラウンドパッド33のバネ接触部33A、第2グラウンドパッド34のバネ接触部34Aは、何れも同一形状であって、ピッチ方向に整列している。第1信号パッド35のビア接続部35B、第2信号パッド36のビア接続部36B、第1グラウンドパッド33の第1ビア接続部33B、第2グラウンドパッド34の第1ビア接続部34Bは、何れも同一形状であって、ピッチ方向に整列している。
【0034】
引き続き図4を参照して、第1グラウンドパッド33は、内側領域33Pと外側領域33Qを有している。内側領域33Pは、ピッチ方向において第1グラウンドパッド33のパッド面積を二等分する二等分線33Rよりも第1信号パッド35に近い領域である。外側領域33Qは、二等分線33Rよりも第1信号パッド35から遠い領域である。第1グラウンドパッド33は、二等分線33Rに関してピッチ方向で対称の形状を有している。
【0035】
同様に、第2グラウンドパッド34は、内側領域34Pと外側領域34Qを有している。内側領域34Pは、ピッチ方向において第2グラウンドパッド34のパッド面積を二等分する二等分線34Rよりも第2信号パッド36に近い領域である。外側領域34Qは、二等分線34Rよりも第2信号パッド36から遠い領域である。第2グラウンドパッド34は、二等分線34Rに関してピッチ方向で対称の形状を有している。
【0036】
次に、図9を参照して、第6導体層6CL6を説明する。図9に示すように、第6導体層6CL6は、図4に示す第1グラウンドパッド33、第2グラウンドパッド34、第1信号パッド35、第2信号パッド36にそれぞれ対応する、第1グラウンドパッド43、第2グラウンドパッド44、第1信号パッド45、第2信号パッド46を有している。
【0037】
第1グラウンドパッド43は、第1ビア接続部43Aと第2ビア接続部43Bから構成されている。第1ビア接続部43A及び第2ビア接続部43Bは、幅方向で互いに離れて形成されているが、互いに一体的に形成されていてもよい。
【0038】
第2グラウンドパッド44は、第1ビア接続部44Aと第2ビア接続部44Bから構成されている。第1ビア接続部44A及び第2ビア接続部44Bは、幅方向で互いに離れて形成されているが、互いに一体的に形成されていてもよい。
【0039】
第1グラウンドパッド43の第1ビア接続部43Aは、図4に示す第1グラウンドパッド33の第1ビア接続部33Bと、図5等に示すビアホール50Aを介して電気的に接続している。同様に、第1グラウンドパッド43の第2ビア接続部43Bは、図4に示す第1グラウンドパッド33の第2ビア接続部33Cと、図5等に示すビアホール50Bを介して電気的に接続している。
【0040】
第2グラウンドパッド44の第1ビア接続部44Aは、図4に示す第2グラウンドパッド34の第1ビア接続部34Bと、図5等に示すビアホール51Aを介して電気的に接続している。同様に、第2グラウンドパッド44の第2ビア接続部44Bは、図4に示す第2グラウンドパッド34の第2ビア接続部34Cと、図5等に示すビアホール51Bを介して電気的に接続している。
【0041】
第1信号パッド45は、図4に示す第1信号パッド35のビア接続部35Bと、図5等に示すビアホール52を介して電気的に接続している。
【0042】
第2信号パッド46は、図4に示す第2信号パッド36のビア接続部36Bと、図5等に示すビアホール53を介して電気的に接続している。
【0043】
次に、図5から図8を参照して、第2導体層6CL2から第5導体層6CL5を説明する。第2導体層6CL2から第5導体層6CL5は、ビアホール50A、ビアホール50B、ビアホール51A、ビアホール51Bを介して互いに導通しており、何れもグラウンド層として機能するようになっている。
【0044】
図5に示すように、第2導体層6CL2には貫通孔55が形成されている。貫通孔55は、内周縁55Aを有する。図5において、ビアホール52及びビアホール53は、貫通孔55の内周縁55Aの内側に配置されている。ビアホール50A及びビアホール50B、ビアホール51A、ビアホール51Bは、貫通孔55の内周縁55Aの外側に配置されている。貫通孔55は、ほぼ矩形である矩形部55Bと、矩形部55Bからピッチ方向に延長する2つの延長部55Cと、を含む。2つの延長部55Cのうち一方は、ビアホール50Aとビアホール50Bの間を通過するように延長しており、他方は、ビアホール51Aとビアホール51Bの間を通過するように延長している。
【0045】
図6に示すように、第3導体層6CL3には貫通孔56が形成されている。貫通孔56は、内周縁56Aを有する。図6において、ビアホール52及びビアホール53は、貫通孔56の内周縁56Aの内側に配置されている。ビアホール50A及びビアホール50B、ビアホール51A、ビアホール51Bは、貫通孔56の内周縁56Aの外側に配置されている。貫通孔56は、ほぼ矩形とされている。
【0046】
図7に示すように、第4導体層6CL4には貫通孔57が形成されている。貫通孔57は、内周縁57Aを有する。図7において、ビアホール52及びビアホール53は、貫通孔57の内周縁57Aの内側に配置されている。ビアホール50A及びビアホール50B、ビアホール51A、ビアホール51Bは、貫通孔57の内周縁57Aの外側に配置されている。貫通孔57は、ほぼ矩形とされている。
【0047】
図8に示すように、第5導体層6CL5には2つの貫通孔58が形成されている。各貫通孔58は、内周縁58Aを有する。図8において、ビアホール52及びビアホール53は、2つの貫通孔58の内周縁58Aの内側にそれぞれ配置されている。ビアホール50A及びビアホール50B、ビアホール51A、ビアホール51Bは、2つの貫通孔58の内周縁58Aの外側に配置されている。各貫通孔58は、ほぼ円形とされている。
【0048】
図10には、第1導体層6CL1に対する貫通孔55及び貫通孔56、貫通孔57の位置関係を説明するために、第1導体層6CL1に貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを投影した投影図を示している。貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを太線で示し、第1グラウンドパッド33、第2グラウンドパッド34、第1信号パッド35、第2信号パッド36を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qにはハッチングを施している。
【0049】
図10に示すように、接触基板6において、貫通孔55は、上下方向から見ると、貫通孔55の内周縁55Aよりも内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。即ち、貫通孔55の内周縁55Aは、第1信号パッド35及び第2信号パッド36を取り囲む。換言すれば、第1信号パッド35及び第2信号パッド36が切れ目のない(formed in an unbroken manner)1つの貫通孔55と重なっている。
【0050】
また、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qに対して重なるように形成されている。即ち、貫通孔55の一方の延長部55Cは、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと重なるように、矩形部55Bから二等分線33Rを越えてピッチ方向に延びており、他方の延長部55Cは、第2グラウンドパッド34の外側領域34Qと重なるように、矩形部55Bから二等分線34Rを越えてピッチ方向に延びている。
【0051】
詳しくは、貫通孔55の矩形部55Bは、第1グラウンドパッド33の第1ビア接続部33B及び第2ビア接続部33C、第2グラウンドパッド34の第1ビア接続部34B及び第2ビア接続部34Cに対して重なっておらず、第1グラウンドパッド33の第1ビア接続部33B及び第2ビア接続部33C、第2グラウンドパッド34の第1ビア接続部34B及び第2ビア接続部34Cに対してピッチ方向で接している。
【0052】
貫通孔55の2つの延長部55Cは、第1グラウンドパッド33の第1ビア接続部33B及び第2ビア接続部33C、第2グラウンドパッド34の第1ビア接続部34B及び第2ビア接続部34Cに対して重なっておらず、第1グラウンドパッド33の第1ビア接続部33B及び第2ビア接続部33C、第2グラウンドパッド34の第1ビア接続部34B及び第2ビア接続部34Cに対して幅方向で接している。
【0053】
従って、貫通孔55の内周縁55Aのうち2つの延長部55Cをピッチ方向で区画する2つの区画線55Dは、第1信号パッド35及び第2信号パッド36からピッチ方向に大きく離れている。このことは、取りも直さず、第2導体層6CL2がピッチ方向において第1信号パッド35及び第2信号パッド36から遠ざけられていることを意味する。これにより、第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下を抑えることができる。
【0054】
引き続き図10を参照して、接触基板6において、貫通孔56及び貫通孔57は、上下方向から見ると、互いに完全に重なるように形成されている。即ち、貫通孔56の内周縁56Aと貫通孔57の内周縁57Aは、上下方向から見ると、重なっている。貫通孔56は、貫通孔56の内周縁56Aの内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。即ち、貫通孔56の内周縁56Aは、第1信号パッド35及び第2信号パッド36を取り囲む。換言すれば、第1信号パッド35及び第2信号パッド36が切れ目のない1つの貫通孔56と重なっている。貫通孔57についても同様である。
【0055】
<実装基板7>
図11から図17には、実装基板7の第1導体層7CL1、第2導体層7CL2、第3導体層7CL3、第4導体層7CL4、第5導体層7CL5、第6導体層7CL6の部分平面図を示している。図11から図17においては、単に見やすさのために導体部分にはハッチングを施している。
【0056】
まず、図1及び図11を参照して第1導体層7CL1を説明する。図1及び図11に示すように、第1導体層7CL1は、コンプレッションコネクタ5の複数のコンプレッションコンタクト11にそれぞれ対応する複数の電極パッド60を有している。即ち、各電極パッド60には、対応するコンプレッションコンタクト11のハンダ付け部20がハンダ付け可能に構成されている。複数の電極パッド60は、複数のコンプレッションコンタクト11と同様に、複数のパッド列を構成している。
【0057】
図11に示すように、各パッド列に属する複数の電極パッド60は、2つのグラウンドパッド61と2つの信号パッド62をピッチ方向に交互に並べて構成されている。即ち、ピッチ方向に沿って順に、グラウンドパッド61、グラウンドパッド61、信号パッド62、信号パッド62、グラウンドパッド61、グラウンドパッド61、信号パッド62、信号パッド62・・・がこの記載順に配置されている。換言すれば、2つのグラウンドパッド61の間に、差動伝送用の2つの信号パッド62が配置されている。図11には、4つの電極パッド60のみを示している。図11に示す4つの電極パッド60は、2つのグラウンドパッド61と、2つのグラウンドパッド61の間に配置される2つの信号パッド62と、を含む。2つのグラウンドパッド61は、第1グラウンドパッド63と第2グラウンドパッド64を含む。2つの信号パッド62は、第1信号パッド65と第2信号パッド66を含む。第1グラウンドパッド63、第1信号パッド65、第2信号パッド66、第2グラウンドパッド64は、ピッチ方向に沿ってこの記載順に並んでいる。
【0058】
第1信号パッド65は、ほぼ正方形である。第1信号パッド65のピッチ方向における寸法は、図4に示す第1信号パッド35のそれよりも小さい。同様に、第1信号パッド65の幅方向における寸法は、図4に示す第1信号パッド35のそれよりも小さい。
【0059】
第2信号パッド66は、ほぼ正方形である。第2信号パッド66のピッチ方向における寸法は、図4に示す第2信号パッド36のそれよりも小さい。同様に、第2信号パッド66の幅方向における寸法は、図4に示す第2信号パッド36のそれよりも小さい。
【0060】
このように、接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36が実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66よりも大きいのは、コンプレッションコネクタ5に対する接触基板6のピッチ方向及び幅方向における位置ズレを吸収するためである。
【0061】
再び図11を参照して、第1グラウンドパッド63及び第2グラウンドパッド64は、幅方向に延びている。
【0062】
図11に示すように、第1信号パッド35と第2信号パッド36は同一形状であり、第1グラウンドパッド33と第2グラウンドパッド34は同一形状である。
【0063】
引き続き図11を参照して、第1グラウンドパッド63は、内側領域63Pと外側領域63Qを有している。内側領域63Pは、ピッチ方向において第1グラウンドパッド63のパッド面積を二等分する二等分線63Rよりも第1信号パッド65に近い領域である。外側領域63Qは、二等分線63Rよりも第1信号パッド65から遠い領域である。第1グラウンドパッド63は、二等分線63Rに関してピッチ方向で対称の形状を有している。
【0064】
同様に、第2グラウンドパッド64は、内側領域64Pと外側領域64Qを有している。内側領域64Pは、ピッチ方向において第2グラウンドパッド64のパッド面積を二等分する二等分線64Rよりも第2信号パッド66に近い領域である。外側領域64Qは、二等分線64Rよりも第2信号パッド66から遠い領域である。第2グラウンドパッド64は、二等分線64Rに関してピッチ方向で対称の形状を有している。
【0065】
次に、図16を参照して、第6導体層7CL6を説明する。図16に示すように、第6導体層7CL6は、図11に示す第1グラウンドパッド63、第2グラウンドパッド64、第1信号パッド65、第2信号パッド66にそれぞれ対応する、第1グラウンドパッド73、第2グラウンドパッド74、第1信号パッド75、第2信号パッド76を有している。
【0066】
第1グラウンドパッド73は、第1ビア接続部73Aと第2ビア接続部73Bから構成されている。第1ビア接続部73A及び第2ビア接続部73Bは、幅方向で互いに離れて形成されているが、互いに一体的に形成されていてもよい。
【0067】
第2グラウンドパッド74は、第1ビア接続部74Aと第2ビア接続部74Bから構成されている。第1ビア接続部74A及び第2ビア接続部74Bは、幅方向で互いに離れて形成されているが、互いに一体的に形成されていてもよい。
【0068】
第1グラウンドパッド73の第1ビア接続部73Aは、図11に示す第1グラウンドパッド63の幅方向における端部63Aと、図12等に示すビアホール80Aを介して電気的に接続している。同様に、第1グラウンドパッド73の第2ビア接続部73Bは、図11に示す第1グラウンドパッド63の幅方向における端部63Aと、図12等に示すビアホール80Bを介して電気的に接続している。
【0069】
第2グラウンドパッド74の第1ビア接続部74Aは、図11に示す第2グラウンドパッド64の幅方向における端部64Aと、図12等に示すビアホール81Aを介して電気的に接続している。同様に、第2グラウンドパッド74の第2ビア接続部74Bは、図11に示す第2グラウンドパッド64の幅方向における端部64Aと、図12等に示すビアホール81Bを介して電気的に接続している。
【0070】
第1信号パッド75は、図11に示す第1信号パッド65と、図12等に示すビアホール82を介して電気的に接続している。
【0071】
第2信号パッド76は、図11に示す第2信号パッド66と、図12等に示すビアホール83を介して電気的に接続している。
【0072】
次に、図12から図15を参照して、第2導体層7CL2から第5導体層7CL5を説明する。第2導体層7CL2から第5導体層7CL5は、ビアホール80A、ビアホール80B、ビアホール81A、ビアホール81Bを介して互いに導通しており、何れもグラウンド層として機能するようになっている。
【0073】
図12に示すように、第2導体層7CL2には貫通孔85が形成されている。貫通孔85は、内周縁85Aを有する。図12において、ビアホール82及びビアホール83は、貫通孔85の内周縁85Aの内側に配置されている。ビアホール80A及びビアホール80B、ビアホール81A、ビアホール81Bは、貫通孔85の内周縁85Aの外側に配置されている。貫通孔85は、ほぼ矩形とされている。
【0074】
図13に示すように、第3導体層7CL3には貫通孔86が形成されている。貫通孔86は、内周縁86Aを有する。図13において、ビアホール82及びビアホール83は、貫通孔86の内周縁86Aの内側に配置されている。ビアホール80A及びビアホール80B、ビアホール81A、ビアホール81Bは、貫通孔86の内周縁86Aの外側に配置されている。貫通孔86は、ほぼ矩形とされている。
【0075】
図14に示すように、第4導体層7CL4には貫通孔87が形成されている。貫通孔87は、内周縁87Aを有する。図14において、ビアホール82及びビアホール83は、貫通孔87の内周縁87Aの内側に配置されている。ビアホール80A及びビアホール80B、ビアホール81A、ビアホール81Bは、貫通孔87の内周縁87Aの外側に配置されている。貫通孔87は、ほぼ矩形とされている。
【0076】
図15に示すように、第5導体層7CL5には2つの貫通孔88が形成されている。各貫通孔88は、内周縁88Aを有する。図15において、ビアホール82及びビアホール83は、2つの貫通孔88の内周縁88Aの内側にそれぞれ配置されている。ビアホール80A及びビアホール80B、ビアホール81A、ビアホール81Bは、2つの貫通孔88の内周縁88Aの外側に配置されている。各貫通孔88は、ほぼ円形とされている。
【0077】
図17には、第1導体層7CL1に対する貫通孔85及び貫通孔86、貫通孔87の位置関係を説明するために、第1導体層7CL1に貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを投影した投影図を示している。貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを太線で示し、第1グラウンドパッド63、第2グラウンドパッド64、第1信号パッド65、第2信号パッド66を二点鎖線で示している。
【0078】
図17に示すように、実装基板7において、貫通孔85は、上下方向から見ると、貫通孔85の内周縁85Aよりも内側に第1信号パッド65及び第2信号パッド66が共に位置するように形成されている。即ち、貫通孔85の内周縁85Aは、第1信号パッド65及び第2信号パッド66を取り囲む。換言すれば、第1信号パッド65及び第2信号パッド66が切れ目のない1つの貫通孔85と重なっている。
【0079】
また、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63と第2グラウンドパッド64からピッチ方向で離れて形成されている。具体的には、貫通孔85の内周縁85Aのうち貫通孔85をピッチ方向で区画する2つの区画線85Dの一方は、ピッチ方向において第1グラウンドパッド63と第1信号パッド65の間であって、第1グラウンドパッド63と第1信号パッド65から等しい距離に位置しており、他方は、ピッチ方向において第2グラウンドパッド64と第2信号パッド66の間であって、第2グラウンドパッド64と第2信号パッド66から等しい距離に位置している。
【0080】
第1信号パッド65及び第2信号パッド66は、図10に示す第1信号パッド35及び第2信号パッド36よりもピッチ方向における寸法を小さくすることができるので、そもそも寄生容量によって差動インピーダンスがそれほど低下しない。従って、第2導体層7CL2における貫通孔85の開口面積を抑えて第2導体層7CL2による電磁シールド効果を優先した設計となっている。
【0081】
引き続き図17を参照して、実装基板7において、貫通孔85と貫通孔86、貫通孔87は、上下方向から見ると、互いに完全に重なるように形成されている。即ち、貫通孔85の内周縁85Aと貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aは、上下方向から見ると、重なっている。従って、貫通孔86は、貫通孔86の内周縁86Aの内側に第1信号パッド65及び第2信号パッド66が共に位置するように形成されている。即ち、貫通孔86の内周縁86Aは、第1信号パッド65及び第2信号パッド66を取り囲む。換言すれば、第1信号パッド65及び第2信号パッド66が切れ目のない1つの貫通孔86と重なっている。貫通孔87についても同様である。
【0082】
(第1変形例)
次に、図18及び図19を参照して、第1実施形態の第1変形例を説明する。図18及び図19においては、単に見やすさのために導体部分にはハッチングを施している。
【0083】
図18に示すように、第1変形例において第3導体層6CL3及び第4導体層6CL4は、図8に示す第5導体層6CL5と同一の構成としている。即ち、図18に示すように第3導体層6CL3及び第4導体層6CL4には2つの貫通孔90が形成されている。各貫通孔90は、内周縁90Aを有する。ビアホール52及びビアホール53は、2つの貫通孔90の内周縁90Aの内側にそれぞれ配置されている。ビアホール50A及びビアホール50B、ビアホール51A、ビアホール51Bは、2つの貫通孔90の内周縁90Aの外側に配置されている。各貫通孔90は、ほぼ円形とされている。
【0084】
このように、第3導体層6CL3及び第4導体層6CL4に形成された2つの貫通孔90は、第3導体層6CL3及び第4導体層6CL4がビアホール52及びビアホール53と導通しない必要最小限の大きさとなっている。従って、第3導体層6CL3及び第4導体層6CL4は、上下方向に沿って見ると、図18において二点鎖線で示す第1信号パッド35及び第2信号パッド36と重なっている。これにより、第3導体層6CL3及び第4導体層6CL4による電磁シールド効果を優先した設計となっている。
【0085】
同様に、図19に示すように、第1変形例において第3導体層7CL3及び第4導体層7CL4は、図15に示す第5導体層7CL5と同一の構成としている。即ち、図19に示すように第3導体層7CL3及び第4導体層7CL4には2つの貫通孔91が形成されている。各貫通孔91は、内周縁91Aを有する。ビアホール82及びビアホール83は、2つの貫通孔91の内周縁91Aの内側にそれぞれ配置されている。ビアホール80A及びビアホール80B、ビアホール81A、ビアホール81Bは、2つの貫通孔91の内周縁91Aの外側に配置されている。各貫通孔91は、ほぼ円形とされている。
【0086】
このように、第3導体層7CL3及び第4導体層7CL4に形成された2つの貫通孔91は、第3導体層7CL3及び第4導体層7CL4がビアホール82及びビアホール83と導通しない必要最小限の大きさとなっている。従って、第3導体層7CL3及び第4導体層7CL4は、上下方向に沿って見ると、図19において二点鎖線で示す第1信号パッド65及び第2信号パッド66と重なっている。これにより、第3導体層7CL3及び第4導体層7CL4による電磁シールド効果を優先した設計となっている。
【0087】
上記の第1変形例は、後述する第2実施形態から第4実施形態及び第1比較例にそのまま適用することができる。
【0088】
(第2実施形態)
以下、図20及び図21を参照して、本開示の第2実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する記載は省略する。
【0089】
<接触基板6>
図20には、第1導体層6CL1に対する貫通孔55及び貫通孔56、貫通孔57の位置関係を説明するために、第1導体層6CL1に貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを投影した投影図を示している。貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを太線で示し、第1グラウンドパッド33、第2グラウンドパッド34、第1信号パッド35、第2信号パッド36を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qにはハッチングを施している。
【0090】
図20に示すように、本実施形態における接触基板6は、図10に示す上記第1実施形態の接触基板6と同一の構成としている。
【0091】
即ち、図20に示すように、接触基板6において、貫通孔55は、上下方向から見ると、貫通孔55の内周縁55Aよりも内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。即ち、貫通孔55の内周縁55Aは、第1信号パッド35及び第2信号パッド36を取り囲む。換言すれば、第1信号パッド35及び第2信号パッド36が切れ目のない1つの貫通孔55と重なっている。
【0092】
また、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qに対して重なるように形成されている。即ち、貫通孔55の一方の延長部55Cは、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと重なるように、矩形部55Bから二等分線33Rを越えてピッチ方向に延びており、他方の延長部55Cは、第2グラウンドパッド34の外側領域34Qと重なるように、矩形部55Bから二等分線34Rを越えてピッチ方向に延びている。
【0093】
従って、貫通孔55の内周縁55Aのうち2つの延長部55Cをピッチ方向で区画する2つの区画線55Dは、第1信号パッド35及び第2信号パッド36からピッチ方向に大きく離れている。このことは、取りも直さず、第2導体層6CL2がピッチ方向において第1信号パッド35及び第2信号パッド36から遠ざけられていることを意味する。これにより、第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下を抑えることができる。
【0094】
<実装基板7>
図21には、第1導体層7CL1に対する貫通孔85及び貫通孔86、貫通孔87の位置関係を説明するために、第1導体層7CL1に貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを投影した投影図を示している。貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを太線で示し、第1グラウンドパッド63、第2グラウンドパッド64、第1信号パッド65、第2信号パッド66を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qにはハッチングを施している。
【0095】
図21に示すように、本実施形態は、上記第1実施形態との対比において第2導体層7CL2の貫通孔85の形状が異なっており、その他の構成は上記第1実施形態のものと同一である。即ち、本実施形態の貫通孔85は、図17に示す上記第1実施形態の貫通孔85と比較してピッチ方向に広く形成されている。
【0096】
即ち、図21に示すように、貫通孔85は、ほぼ矩形である矩形部85Bと、矩形部85Bからピッチ方向に延長する2つの延長部85Cと、を含む。2つの延長部85Cのうち一方は、ビアホール80Aとビアホール80Bの間を通過するように延長しており、他方は、ビアホール81Aとビアホール81Bの間を通過するように延長している。
【0097】
そして、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qに対して重なるように形成されている。即ち、貫通孔85の一方の延長部85Cは、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと重なるように、矩形部85Bから二等分線63Rを越えてピッチ方向に延びており、他方の延長部85Cは、第2グラウンドパッド64の外側領域64Qと重なるように、矩形部85Bから二等分線64Rを越えてピッチ方向に延びている。
【0098】
従って、貫通孔85の内周縁85Aのうち2つの延長部85Cをピッチ方向で区画する2つの区画線85Dは、第1信号パッド65及び第2信号パッド66からピッチ方向に大きく離れている。このことは、取りも直さず、第2導体層6CL2がピッチ方向において第1信号パッド65及び第2信号パッド66から遠ざけられていることを意味する。これにより、第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下を抑えることができる。
【0099】
(第3実施形態)
以下、図22及び図23を参照して、本開示の第3実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する記載は省略する。
【0100】
<接触基板6>
図22には、第1導体層6CL1に対する貫通孔55及び貫通孔56、貫通孔57の位置関係を説明するために、第1導体層6CL1に貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを投影した投影図を示している。貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを太線で示し、第1グラウンドパッド33、第2グラウンドパッド34、第1信号パッド35、第2信号パッド36を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qにはハッチングを施している。
【0101】
図22に示すように、本実施形態における接触基板6は、図10に示す上記第1実施形態の接触基板6と同一の構成としている。
【0102】
即ち、図22に示すように、接触基板6において、貫通孔55は、上下方向から見ると、貫通孔55の内周縁55Aよりも内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。即ち、貫通孔55の内周縁55Aは、第1信号パッド35及び第2信号パッド36を取り囲む。換言すれば、第1信号パッド35及び第2信号パッド36が切れ目のない1つの貫通孔55と重なっている。
【0103】
また、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qに対して重なるように形成されている。即ち、貫通孔55の一方の延長部55Cは、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと重なるように、矩形部55Bから二等分線33Rを越えてピッチ方向に延びており、他方の延長部55Cは、第2グラウンドパッド34の外側領域34Qと重なるように、矩形部55Bから二等分線34Rを越えてピッチ方向に延びている。
【0104】
従って、貫通孔55の内周縁55Aのうち2つの延長部55Cをピッチ方向で区画する2つの区画線55Dは、第1信号パッド35及び第2信号パッド36からピッチ方向に大きく離れている。このことは、取りも直さず、第2導体層6CL2がピッチ方向において第1信号パッド35及び第2信号パッド36から遠ざけられていることを意味する。これにより、第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下を抑えることができる。
【0105】
<実装基板7>
図23には、第1導体層7CL1に対する貫通孔85及び貫通孔86、貫通孔87の位置関係を説明するために、第1導体層7CL1に貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを投影した投影図を示している。貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを太線で示し、第1グラウンドパッド63、第2グラウンドパッド64、第1信号パッド65、第2信号パッド66を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド63の内側領域63P及び外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の内側領域64P及び外側領域64Qにはハッチングを施している。
【0106】
図23に示すように、本実施形態は、上記第1実施形態との対比において第2導体層7CL2の貫通孔85の形状が異なっており、その他の構成は上記第1実施形態のものと同一である。即ち、本実施形態の貫通孔85は、図17に示す上記第1実施形態の貫通孔85と比較してピッチ方向に広く形成されている。
【0107】
具体的には、図23に示すように、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qに対して重ならないように形成されている。また、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の内側領域63Pと第2グラウンドパッド64の内側領域64Pに対して重ならないように形成されている。しかしながら、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の内側領域63Pと第2グラウンドパッド64の内側領域64Pに対して接するようにピッチ方向に延びている。
【0108】
即ち、貫通孔85の内周縁85Aのうち貫通孔85をピッチ方向で区画する2つの区画線85Dの一方は、第1グラウンドパッド63の第1信号パッド65側の輪郭63Sと重なっており、他方は、第2グラウンドパッド64の第2信号パッド66側の輪郭64Sと重なっている。このように第2導体層6CL2をピッチ方向において第1信号パッド65及び第2信号パッド66から遠ざけることで第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下を抑えると共に、第2導体層7CL2における貫通孔85の開口面積を抑えて第2導体層7CL2による電磁シールド効果を確保した設計となっている。
【0109】
ただし、本実施形態では、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qに対して重ならない範囲で、第1グラウンドパッド63の内側領域63Pと第2グラウンドパッド64の内側領域64Pに対して重なるように形成してもよい。即ち、貫通孔85は、第1グラウンドパッド63の輪郭63Sをピッチ方向で越えて内側領域63Pと重複していてもよく、第2グラウンドパッド64の輪郭64Sをピッチ方向で越えて内側領域64Pと重複していてもよい。この場合でも、第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下を抑制する効果と第2導体層7CL2による電磁シールド効果を両立することができる。
【0110】
(第4実施形態)
以下、図24及び図25を参照して、本開示の第4実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する記載は省略する。
【0111】
<接触基板6>
図24には、第1導体層6CL1に対する貫通孔55及び貫通孔56、貫通孔57の位置関係を説明するために、第1導体層6CL1に貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを投影した投影図を示している。貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを太線で示し、第1グラウンドパッド33、第2グラウンドパッド34、第1信号パッド35、第2信号パッド36を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド33の内側領域33P及び外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の内側領域34P及び外側領域34Qにはハッチングを施している。
【0112】
図24に示すように、本実施形態は、上記第1実施形態との対比において第1導体層6CL1の貫通孔55の形状が異なっており、その他の構成は上記第1実施形態のものと同一である。即ち、本実施形態の貫通孔55は、図10に示す上記第1実施形態の貫通孔55と比較してピッチ方向に狭く形成されている。また、本実施形態の貫通孔55は、ほぼ矩形とされている。
【0113】
具体的には、図24に示すように、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qに対して重ならないように形成されている。しかしながら、貫通孔55は、上下方向に沿ってみると、第1グラウンドパッド33の内側領域33Pと第2グラウンドパッド34の内側領域34Pに対して重なるようにピッチ方向に延びている。即ち、貫通孔55は、第1グラウンドパッド33の第1信号パッド35側の輪郭33Sをピッチ方向で越えて内側領域33Pと重複すると共に、第2グラウンドパッド34の第2信号パッド36側の輪郭34Sをピッチ方向で越えて内側領域34Pと重複している。このように第2導体層6CL2をピッチ方向において第1信号パッド35及び第2信号パッド36から遠ざけることで第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下を抑えると共に、第2導体層6CL2における貫通孔55の開口面積を抑えて第2導体層6CL2による電磁シールド効果を確保した設計となっている。
【0114】
ただし、本実施形態では、貫通孔55の内周縁55Aのうち貫通孔55をピッチ方向で区画する2つの区画線55Dの一方が、第1グラウンドパッド33の輪郭33Sと重なっており、他方が、第2グラウンドパッド34の輪郭34Sと重なるようにしてもよい。換言すれば、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の内側領域33P及び第2グラウンドパッド34の内側領域34Pに対して接するように形成されてもよい。この場合でも、第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下を抑制する効果と第2導体層6CL2による電磁シールド効果を両立することができる。
【0115】
<実装基板7>
図25には、第1導体層7CL1に対する貫通孔85及び貫通孔86、貫通孔87の位置関係を説明するために、第1導体層7CL1に貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを投影した投影図を示している。貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを太線で示し、第1グラウンドパッド63、第2グラウンドパッド64、第1信号パッド65、第2信号パッド66を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qにはハッチングを施している。
【0116】
図25に示すように、本実施形態は、上記第1実施形態との対比において第2導体層7CL2の貫通孔85の形状が異なっており、その他の構成は上記第1実施形態のものと同一である。即ち、本実施形態の貫通孔85は、図17に示す上記第1実施形態の貫通孔85と比較してピッチ方向に広く形成されている。
【0117】
即ち、図25に示すように、貫通孔85は、ほぼ矩形である矩形部85Bと、矩形部85Bからピッチ方向に延長する2つの延長部85Cと、を含む。2つの延長部85Cのうち一方は、ビアホール80Aとビアホール80Bの間を通過するように延長しており、他方は、ビアホール81Aとビアホール81Bの間を通過するように延長している。
【0118】
そして、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qに対して重なるように形成されている。即ち、貫通孔85の一方の延長部85Cは、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと重なるように、矩形部85Bから二等分線63Rを越えてピッチ方向に延びており、他方の延長部85Cは、第2グラウンドパッド64の外側領域64Qと重なるように、矩形部85Bから二等分線64Rを越えてピッチ方向に延びている。
【0119】
従って、貫通孔85の内周縁85Aのうち2つの延長部85Cをピッチ方向で区画する2つの区画線85Dは、第1信号パッド65及び第2信号パッド66からピッチ方向に大きく離れている。このことは、取りも直さず、第2導体層6CL2がピッチ方向において第1信号パッド65及び第2信号パッド66から遠ざけられていることを意味する。これにより、第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下を抑えることができる。
【0120】
(第1比較例)
以下、図26及び図27を参照して、本開示の第1比較例を説明する。以下、本比較例が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する記載は省略する。
【0121】
<接触基板6>
図26には、第1導体層6CL1に対する貫通孔55及び貫通孔56、貫通孔57の位置関係を説明するために、第1導体層6CL1に貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを投影した投影図を示している。貫通孔55の内周縁55A及び貫通孔56の内周縁56A、貫通孔57の内周縁57Aを太線で示し、第1グラウンドパッド33、第2グラウンドパッド34、第1信号パッド35、第2信号パッド36を二点鎖線で示している。
【0122】
図26に示すように、本比較例は、上記第1実施形態との対比において第1導体層6CL1の貫通孔55の形状が異なっており、その他の構成は上記第1実施形態のものと同一である。即ち、本比較例の貫通孔55は、図10に示す上記第1実施形態の貫通孔55と比較してピッチ方向に狭く形成されている。また、本比較例の貫通孔55は、ほぼ矩形とされている。
【0123】
具体的には、図26に示すように、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33と第2グラウンドパッド34からピッチ方向で離れて形成されている。具体的には、貫通孔55をピッチ方向で区画する2つの区画線55Dの一方は、ピッチ方向において第1グラウンドパッド33と第1信号パッド35の間であって、第1グラウンドパッド33と第1信号パッド35から等しい距離に位置しており、他方は、ピッチ方向において第2グラウンドパッド34と第2信号パッド36の間であって、第2グラウンドパッド34と第2信号パッド36から等しい距離に位置している。このように第2導体層6CL2における貫通孔55の開口面積を抑えて第2導体層6CL2による電磁シールド効果を優先した設計となっている。
【0124】
<実装基板7>
図27には、第1導体層7CL1に対する貫通孔85及び貫通孔86、貫通孔87の位置関係を説明するために、第1導体層7CL1に貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを投影した投影図を示している。貫通孔85の内周縁85A及び貫通孔86の内周縁86A、貫通孔87の内周縁87Aを太線で示し、第1グラウンドパッド63、第2グラウンドパッド64、第1信号パッド65、第2信号パッド66を二点鎖線で示している。説明の便宜上、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qにはハッチングを施している。
【0125】
図27に示すように、本比較例は、上記第1実施形態との対比において第2導体層7CL2の貫通孔85の形状が異なっており、その他の構成は上記第1実施形態のものと同一である。即ち、本比較例の貫通孔85は、図17に示す上記第1実施形態の貫通孔85と比較してピッチ方向に広く形成されている。
【0126】
即ち、図27に示すように、貫通孔85は、ほぼ矩形である矩形部85Bと、矩形部85Bからピッチ方向に延長する2つの延長部85Cと、を含む。2つの延長部85Cのうち一方は、ビアホール80Aとビアホール80Bの間を通過するように延長しており、他方は、ビアホール81Aとビアホール81Bの間を通過するように延長している。
【0127】
そして、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qに対して重なるように形成されている。即ち、貫通孔85の一方の延長部85Cは、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと重なるように、矩形部85Bから二等分線63Rを越えてピッチ方向に延びており、他方の延長部85Cは、第2グラウンドパッド64の外側領域64Qと重なるように、矩形部85Bから二等分線64Rを越えてピッチ方向に延びている。
【0128】
従って、貫通孔85の内周縁85Aのうち2つの延長部85Cをピッチ方向で区画する2つの区画線85Dは、第1信号パッド65及び第2信号パッド66からピッチ方向に大きく離れている。このことは、取りも直さず、第2導体層6CL2がピッチ方向において第1信号パッド65及び第2信号パッド66から遠ざけられていることを意味する。これにより、第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下を抑えることができる。
【0129】
(第2比較例)
次に、図28及び図29を参照して、本開示の第2比較例を説明する。以下、本比較例が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する記載は省略する。
【0130】
図28には、本比較例における接触基板6の第2導体層6CL2、第3導体層6CL3、第4導体層6CL4の部分底面図を示している。図29には、本比較例における実装基板7の第2導体層7CL2、第3導体層7CL3、第4導体層7CL4の部分平面図を示している。図28及び図29においては、単に見やすさのために導体部分にはハッチングを施している。
【0131】
本比較例は、上記第1実施形態との対比において接触基板6の第2導体層6CL2、第3導体層6CL3、第4導体層6CL4、実装基板7の第2導体層7CL2、第3導体層7CL3、第4導体層7CL4の形状が異なっており、その他の構成は上記第1実施形態のものと同一である。
【0132】
<接触基板6>
図28に示すように、第2導体層6CL2には図5に示す貫通孔55に代えて、2つの貫通孔100が形成されている。各貫通孔100は、内周縁100Aを有する。図28において、ビアホール52及びビアホール53は、2つの貫通孔100の内周縁100Aの内側にそれぞれ配置されている。ビアホール50A及びビアホール50B、ビアホール51A、ビアホール51Bは、2つの貫通孔100の内周縁100Aの外側に配置されている。各貫通孔58は、ほぼ円形とされている。第3導体層6CL3、第4導体層6CL4は、第2導体層6CL2と同一の形状となっている。
【0133】
<実装基板7>
図29に示すように、第2導体層7CL2には図12に示す貫通孔85に代えて、2つの貫通孔101が形成されている。各貫通孔101は、内周縁101Aを有する。図29において、ビアホール82及びビアホール83は、2つの貫通孔101の内周縁101Aの内側にそれぞれ配置されている。ビアホール80A及びビアホール80B、ビアホール81A、ビアホール81Bは、2つの貫通孔101の内周縁101Aの外側に配置されている。各貫通孔101は、ほぼ円形とされている。第3導体層7CL3、第4導体層7CL4は、第2導体層7CL2と同一の形状となっている。
【0134】
(第1伝送信号品質解析)
次に、上記第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例の差動伝送用基板セット4における伝送信号品質(Signal Integrity)を解析したので、図30から図32を参照して、その解析結果を報告する。
【0135】
解析ソフトとしては、ANSYS社製のAnsys HFSS(登録商標)を用いた。複数の導体層6CL及び複数の導体層7CLの厚みはそれぞれ18マイクロメートルとし、第1絶縁体層6SL1、第5絶縁体層6SL5、第1絶縁体層7SL1、及び、第5絶縁体層7SL5の厚みは100マイクロメートルとし、第2絶縁体層6SL2、第3絶縁体層6SL3、第4絶縁体層6SL4、第2絶縁体層7SL2、第3絶縁体層7SL3、及び、第4絶縁体層7SL4の厚みは200マイクロメートルとした。複数のコンプレッションコンタクト11のピッチは0.7ミリメートルとした。また、図3において、第1導体層6CL1と第1導体層7CL1は、上下方向に0.7ミリメートル離れているとした。図5から図8に示す接触基板6のビアホール50A、ビアホール50B、ビアホール51A、及び、ビアホール51Bは、何れも直径0.12ミリメートルを有するものとした。図12から図15に示す実装基板7のビアホール80A、ビアホール80B、ビアホール81A、及び、ビアホール81Bは、何れも直径0.15ミリメートルを有するものとした。絶縁体層6SL及び絶縁体層7SLの誘電率を3.5とした。
【0136】
図30は、差動伝送用基板セット4を用いた差動伝送のインサーションロスの解析結果を示すグラフである。図30のグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸はインサーションロスである。図30において、近似曲線Aから近似曲線Eは第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例にそれぞれ対応している。
【0137】
図31は、差動伝送用基板セット4を用いた差動伝送のリターンロスの解析結果を示すグラフである。図31のグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸はリターンロスである。図31において、近似曲線Aから近似曲線Eは第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例にそれぞれ対応している。
【0138】
図32は、差動伝送用基板セット4を用いた差動伝送のTDR(time domain reflectometry)の解析結果を示すグラフである。図32のグラフにおいて、横軸は時間であり、縦軸は差動インピーダンスである。図32において、近似曲線Aから近似曲線Eは第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例にそれぞれ対応している。図32に示すように、TDR解析において差動伝送用基板セット4は、一例として、差動インピーダンスが85Ωとなるように設計している。図32において、横軸が0.065nsecである差動インピーダンスが接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスを示しており、横軸が0.095nsecである差動インピーダンスが実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスを示している。
【0139】
図30によれば、第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例の差動伝送用基板セット4は何れも優れた伝送特性が得られていることが読み取れる。中でも、第1実施形態から第4実施形態は、第1比較例と比較して特にインサーションロスが少ないことが読み取れる。
【0140】
図31によれば、第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例の差動伝送用基板セット4は何れも優れた伝送特性が得られていることが読み取れる。中でも、第1実施形態から第4実施形態は、第1比較例と比較してリターンロスが少ないことが読み取れる。また、第1実施形態は、第2実施形態から第4実施形態及び第1比較例と比較して特にリターンロスが少ないことが読み取れる。
【0141】
図32によれば、第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例の差動伝送用基板セット4における差動インピーダンスが設計値である85Ωからプラスマイナス13Ωの狭い範囲に収まっていることが読み取れる。
【0142】
図32において、横軸が0.065nsecである差動インピーダンス、即ち接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスに着目すると、第1実施形態から第4実施形態は、第1比較例と比較して差動インピーダンスの低下を抑制できていることが読み取れる。これは、例えば図10に示すように、第1実施形態から第4実施形態では、第2導体層6CL2、即ち貫通孔55の内周縁55Aがピッチ方向において接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36から十分に遠ざけられていたからだと考えられる。図30において、第1実施形態から第4実施形態のインサーションロスが第1比較例のインサーションロスと比較して少ないのは、接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下を効果的に抑制できたからだと考えられる。同様に、図31において、第1実施形態から第4実施形態のリターンロスが第1比較例のリターンロスと比較して少ないのは、接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下を効果的に抑制できたからだと考えられる。
【0143】
図32において、横軸が0.095nsecである差動インピーダンス、即ち実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスに着目すると、第1実施形態は、第2実施形態から第4実施形態及び第1比較例と比較して差動インピーダンスが更に低下していることが読み取れる。これは、図17に示すように、第1実施形態では、第2導体層7CL2、即ち、貫通孔85がピッチ方向において狭く形成されていたからだと考えられる。しかしながら、実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下は大して問題とはならない。なぜなら、そもそも、実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下幅は、接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36におけるそれの5分の1程度だからである。
【0144】
ところで、図32において、横軸が0.08nsecである差動インピーダンス、即ちコンプレッションコンタクト11における差動インピーダンスに着目すると、第1実施形態は、第2実施形態から第4実施形態及び第1比較例と比較して差動インピーダンスの上昇幅が抑えられていることが読み取れる。これは、上述したように第1実施形態では、横軸が0.095nsecである差動インピーダンス、即ち実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスが第2実施形態から第4実施形態及び第1比較例のものよりも更に低下したことが遠因であると考えている。そして、図31に示すように第1実施形態におけるリターンロスが第2実施形態から第4実施形態及び第1比較例のそれと比較して特に少なかったのは、図32に示すように第1実施形態においてコンプレッションコンタクト11における差動インピーダンスの上昇幅が抑えられていたからだと考えている。即ち、第1実施形態では、あえて実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスの低下幅の抑制効果を控え目にすることで、リターンロスを少なくしていると言える。
【0145】
(第2伝送信号品質解析)
次に、上記第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例に第1変形例を適用したものの差動伝送用基板セット4、及び、第2比較例の差動伝送用基板セット4における伝送信号品質を解析したので、図33から図35を参照して、その解析結果を報告する。なお、第1実施形態に第1変形例を適用したものとは、第1変形例そのものを意味している。
【0146】
解析ソフトとしては、ANSYS社製のAnsys HFSS(登録商標)を用いた。複数の導体層6CL及び複数の導体層7CLの厚みはそれぞれ18マイクロメートルとし、第1絶縁体層6SL1、第5絶縁体層6SL5、第1絶縁体層7SL1、及び、第5絶縁体層7SL5の厚みは100マイクロメートルとし、第2絶縁体層6SL2、第3絶縁体層6SL3、第4絶縁体層6SL4、第2絶縁体層7SL2、第3絶縁体層7SL3、及び、第4絶縁体層7SL4の厚みは200マイクロメートルとした。複数のコンプレッションコンタクト11のピッチは0.7ミリメートルとした。また、図3において、第1導体層6CL1と第1導体層7CL1は、上下方向に0.7ミリメートル離れているとした。図5から図8に示す接触基板6のビアホール50A、ビアホール50B、ビアホール51A、及び、ビアホール51Bは、何れも直径0.12ミリメートルを有するものとした。図12から図15に示す実装基板7のビアホール80A、ビアホール80B、ビアホール81A、及び、ビアホール81Bは、何れも直径0.15ミリメートルを有するものとした。絶縁体層6SL及び絶縁体層7SLの誘電率を3.5とした。
【0147】
図33は、差動伝送用基板セット4を用いた差動伝送のインサーションロスの解析結果を示すグラフである。図33のグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸はインサーションロスである。図33において、近似曲線Aは第1実施形態に対応しており、近似曲線Aダッシュから近似曲線Eダッシュは第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例に第1変形例を適用したものにそれぞれ対応しており、近似曲線Fは第2比較例に対応している。
【0148】
図34は、差動伝送用基板セット4を用いた差動伝送のリターンロスの解析結果を示すグラフである。図34のグラフにおいて、横軸は周波数であり、縦軸はリターンロスである。図34において、近似曲線Aは第1実施形態に対応しており、近似曲線Aダッシュから近似曲線Eダッシュは第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例に第1変形例を適用したものにそれぞれ対応しており、近似曲線Fは第2比較例に対応している。
【0149】
図35は、差動伝送用基板セット4を用いた差動伝送のTDR(time domain reflectometry)の解析結果を示すグラフである。図35のグラフにおいて、横軸は時間であり、縦軸は差動インピーダンスである。図35において、近似曲線Aは第1実施形態に対応しており、近似曲線Aダッシュから近似曲線Eダッシュは第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例に第1変形例を適用したものにそれぞれ対応しており、近似曲線Fは第2比較例に対応している。図35に示すように、TDR解析において差動伝送用基板セット4は、一例として、差動インピーダンスが85Ωとなるように設計している。図35において、横軸が0.065nsecである差動インピーダンスが接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスを示しており、横軸が0.095nsecである差動インピーダンスが実装基板7の第1信号パッド65及び第2信号パッド66における差動インピーダンスを示している。
【0150】
図33によれば、第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例に第1変形例を適用すると、インサーションロスが若干多くなるものの、第2比較例のインサーションロスよりも相当少ないことが読み取れる。
【0151】
図34によれば、第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例に第1変形例を適用すると、リターンロスが若干多くなるものの、第2比較例のリターンロスよりも相当少ないことが読み取れる。
【0152】
図35によれば、第1実施形態から第4実施形態及び第1比較例に第1変形例を適用すると、接触基板6の第1信号パッド35及び第2信号パッド36における差動インピーダンスの低下幅が若干大きくなるものの、第2比較例の低下幅よりも相当抑えられていることが読み取れる。
【0153】
以上に、本開示の好適な複数の実施形態を説明した。
【0154】
上記の第1実施形態から第3実施形態は、以下の共通する特徴を有している。
即ち、図1から図3に示すように、差動伝送用基板セット4は、コンプレッションコネクタ5が実装される実装基板7と、コンプレッションコネクタ5に接触させる接触基板6と、を組み合わせて成る。接触基板6と実装基板7は、コンプレッションコネクタ5を介して相互に電気的に接続される。コンプレッションコネクタ5は、それぞれがハンダ付け部20とバネ部21を含んで一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクト11と、4つのコンプレッションコンタクト11を保持するハウジング12と、を備える。図3に示すように、実装基板7は、複数の導体層7CLと複数の絶縁体層7SLを交互に積層した多層基板である。接触基板6は、複数の導体層6CLと複数の絶縁体層6SLを交互に積層した多層基板である。
実装基板7において、複数の導体層7CLは、コンプレッションコネクタ5側から順に、第1導体層7CL1及び第2導体層7CL2をこの記載順に含む。接触基板6において、複数の導体層6CLは、コンプレッションコネクタ5側から順に、第1導体層6CL1及び第2導体層6CL2をこの記載順に含む。
図11に示すように、実装基板7において、第1導体層7CL1は、4つのコンプレッションコンタクト11に対応する4つの電極パッド60を有する。4つの電極パッド60は、第1信号パッド65、第2信号パッド66、第1グラウンドパッド63、第2グラウンドパッド64を含む。第1グラウンドパッド63、第1信号パッド65、第2信号パッド66、第2グラウンドパッド64は、ピッチ方向(第1の方向)に沿ってこの記載順で並んでいる。第1グラウンドパッド63、第1信号パッド65、第2信号パッド66、第2グラウンドパッド64には、4つのコンプレッションコンタクト11のハンダ付け部20がそれぞれハンダ付け可能となっている。
図4に示すように、接触基板6において、第1導体層6CL1は、4つのコンプレッションコンタクト11に対応する4つの電極パッド30を有する。4つの電極パッド30は、第1信号パッド35、第2信号パッド36、第1グラウンドパッド33、第2グラウンドパッド34を含む。第1グラウンドパッド33、第1信号パッド35、第2信号パッド36、第2グラウンドパッド34は、ピッチ方向(第1の方向)に沿ってこの記載順で並んでいる。第1グラウンドパッド33、第1信号パッド35、第2信号パッド36、第2グラウンドパッド34には、4つのコンプレッションコンタクト11のバネ部21がそれぞれ接触可能となっている。
図12に示すように、実装基板7において、第2導体層7CL2はグラウンド層であって貫通孔85が形成されている。図17に示すように、実装基板7において、貫通孔85は、上下方向(積層方向)から見ると、貫通孔85の内周縁85Aよりも内側に第1信号パッド65及び第2信号パッド66が共に位置するように形成されている。図11に示すように、実装基板7において、第1グラウンドパッド63は、ピッチ方向において第1グラウンドパッド63のパッド面積を二等分する二等分線63Rよりも第1信号パッド65に近い内側領域63Pと、二等分線63Rよりも第1信号パッド65から遠い外側領域63Qと、を含む。実装基板7において、第2グラウンドパッド64は、ピッチ方向において第2グラウンドパッド64のパッド面積を二等分する二等分線64Rよりも第2信号パッド66に近い内側領域64Pと、二等分線64Rよりも第2信号パッド66から遠い外側領域64Qと、を含む。
図5に示すように、接触基板6において、第2導体層6CL2はグラウンド層であって貫通孔55が形成されている。図10に示すように、接触基板6において、貫通孔55は、上下方向(積層方向)から見ると、貫通孔55の内周縁55Aよりも内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。図4に示すように、接触基板6において、第1グラウンドパッド33は、ピッチ方向において第1グラウンドパッド33のパッド面積を二等分する二等分線33Rよりも第1信号パッド35に近い内側領域33Pと、二等分線33Rよりも第1信号パッド35から遠い外側領域33Qと、を含む。接触基板6において、第2グラウンドパッド34は、ピッチ方向において第2グラウンドパッド34のパッド面積を二等分する二等分線34Rよりも第2信号パッド36に近い内側領域34Pと、二等分線34Rよりも第2信号パッド36から遠い外側領域34Qと、を含む。
そして、第1実施形態の図10及び第2実施形態の図20、第3実施形態の図22に示すように、接触基板6において、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと第2グラウンドパッド34の外側領域34Qに対して重なるように形成されている。
以上の構成によれば、図30及び図31において近似曲線A、B、Cで示すように、優れた伝送特性を有する差動伝送用基板セット4が実現される。特に、近似曲線Eで示す第1比較例と比較して優れた伝送特性を実現することができる。
【0155】
上記の第4実施形態は、以下の共通する特徴を有している。
即ち、第4実施形態の図25に示すように、実装基板7において、貫通孔85は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド63の外側領域63Qと第2グラウンドパッド64の外側領域64Qに対して重なるように形成されている。
第4実施形態の図24に示すように、接触基板6において、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の外側領域33Qと重なってない。接触基板6において、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第1グラウンドパッド33の内側領域33Pと重なるように形成されている。
接触基板6において、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第2グラウンドパッド34の外側領域34Qと重なっていない。接触基板6において、貫通孔55は、上下方向に沿って見ると、第2グラウンドパッド34の内側領域33Pと重なるように形成されている。
以上の構成によれば、図30及び図31において近似曲線Dで示すように、優れた伝送特性を有する差動伝送用基板セット4が実現される。特に、近似曲線Eで示す第1比較例と比較して優れた伝送特性を実現することができる。
【0156】
上記の第1変形例は、以下の特徴を有している。
即ち、図19に示すように、実装基板7において、第3導体層7CL3は、グラウンド層であって、上下方向において第1信号パッド65及び第2信号パッド66と重なっている。また、図18に示すように、接触基板6において、第3導体層6CL3は、グラウンド層であって、上下方向において第1信号パッド35及び第2信号パッド36と重なっている。
以上の構成によっても、図33及び図34に示すように、優れた伝送特性を有する差動伝送用基板セット4が実現される。また、第3導体層7CL3及び第3導体層6CL3における電磁シールド効果が期待される。
【0157】
上記の第1実施形態から第4実施形態は、以下の共通する特徴を有している。
即ち、図13及び図14に示すように、実装基板7において、第3導体層7CL3及び第4導体層7CL4は、グラウンド層であって、貫通孔86及び貫通孔87がそれぞれ形成されている。図17に示すように、実装基板7において、第3導体層7CL3の貫通孔86は、上下方向から見ると、貫通孔86の内周縁86Aよりも内側に第1信号パッド65及び第2信号パッド66が共に位置するように形成されている。同様に、第4導体層7CL4の貫通孔87は、上下方向から見ると、貫通孔87の内周縁87Aよりも内側に第1信号パッド65及び第2信号パッド66が共に位置するように形成されている。図15に示すように、実装基板7において、第5導体層7CL5は、グラウンド層であって、上下方向において第1信号パッド65及び第2信号パッド66と重なっている(理解促進のために図19を参考にされたい)。
また、図6及び図7に示すように、接触基板6において、第3導体層6CL3及び第4導体層6CL4は、グラウンド層であって、貫通孔56及び貫通孔57がそれぞれ形成されている。図10に示すように、接触基板6において、第3導体層6CL3の貫通孔56は、上下方向から見ると、貫通孔56の内周縁56Aよりも内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。同様に、第4導体層6CL4の貫通孔57は、上下方向から見ると、貫通孔57の内周縁57Aよりも内側に第1信号パッド35及び第2信号パッド36が共に位置するように形成されている。図8に示すように、接触基板6において、第5導体層6CL5は、グラウンド層であって、上下方向において第1信号パッド35及び第2信号パッド36と重なっている(理解促進のために図18を参考にされたい)。
以上の構成によれば、図30及び図31に示すように、優れた伝送特性を有する差動伝送用基板セット4が実現される。
【0158】
また、図2に示すように、コンプレッションコネクタ5は、一列に並んだ4つのコンプレッションコンタクト11から成るコンプレッションコンタクトグループ11Gを複数配置して構成されている。
【0159】
また、接触基板6の複数の導体層6CLは、コンプレッションコネクタ5側から順に、第1導体層6CL1、第2導体層6CL2・・・第(N-1)導体層、第N導体層をこの記載順に含む。ただし、Nは4以上の自然数である。上記各実施形態において、第(N-1)導体層及び第N導体層は、それぞれ、第5導体層6CL5及び第6導体層6CL6に相当している。第6導体層6CL6(第N導体層)は、第1導体層6CL1の第1信号パッド35及び第2信号パッド36とそれぞれ電気的に接続される第1信号パッド45及び第2信号パッド46を含む。図8及び図9に示すように、第5導体層6CL5(第(N-1)導体層)は、グラウンド層であって、積層方向において第6導体層6CL6の第1信号パッド45及び第2信号パッド46と重なっている。以上の構成によれば、第6導体層6CL6(第N導電層)の第1信号パッド45及び第2信号パッド46の電磁シールド効果を十分に確保することができる。
同様に、実装基板7の複数の導体層7CLは、コンプレッションコネクタ5側から順に、第1導体層7CL1、第2導体層7CL2・・・第(N-1)導体層、第N導体層をこの記載順に含む。ただし、Nは4以上の自然数である。上記各実施形態において、第(N-1)導体層及び第N導体層は、それぞれ、第5導体層7CL5及び第6導体層7CL6に相当している。第6導体層7CL6(第N導体層)は、第1導体層7CL1の第1信号パッド65及び第2信号パッド66とそれぞれ電気的に接続される第1信号パッド75及び第2信号パッド76を含む。図15及び図16に示すように、第5導体層7CL5(第(N-1)導体層)は、グラウンド層であって、積層方向において第6導体層7CL6の第1信号パッド75及び第2信号パッド76と重なっている。以上の構成によれば、第6導体層7CL6(第N導電層)の第1信号パッド75及び第2信号パッド76の電磁シールド効果を十分に確保することができる。
ただし、接触基板6及び実装基板7の両方が上記の第(N-1)導体層の特徴を備えてもよく、接触基板6及び実装基板7のうち何れか一方のみが上記の第(N-1)導体層の特徴を備えてもよい。
【0160】
上記の各実施形態は、例えば、以下のように変更できる。
【0161】
即ち、図5において、ビアホール50Aとビアホール50Bのうち何れか一方を省略できる。図5において、ビアホール51Aとビアホール51Bのうち何れか一方を省略できる。図12において、ビアホール80Aとビアホール80Bのうち何れか一方を省略できる。図12において、ビアホール81Aとビアホール81Bのうち何れか一方を省略できる。
【0162】
また、図3に示すように、上記各実施形態において、接触基板6は、複数の導体層6CLとして、第1から第6導体層を備えている。しかし、これに代えて、接触基板6は、複数の導体層6CLとして、更に、第7導体層及び第8導体層を備えてもよい。第6導体層6CL6、第7導体層、及び、第8導体層は、コンプレッションコネクタ5側から順に配置される。この場合、典型的には、第7導体層及び第8導体層をグラウンド層とする。第7導体層及び第8導体層の厚みや形状は任意とすることができる。実装基板7についても同様である。
【符号の説明】
【0163】
1 情報処理装置
2 差動伝送アッセンブリ(アッセンブリ)
3 サポートボード
4 差動伝送用基板セット
5 コンプレッションコネクタ
6 接触基板
6A ボルト締結孔
6CL 導体層
6CL1 第1導体層
6CL2 第2導体層
6CL3 第3導体層
6CL4 第4導体層
6CL5 第5導体層
6CL6 第6導体層
6SL 絶縁体層
6SL1 第1絶縁体層
6SL2 第2絶縁体層
6SL3 第3絶縁体層
6SL4 第4絶縁体層
6SL5 第5絶縁体層
7 実装基板
7A ボルト締結孔
7CL 導体層
7CL1 第1導体層
7CL2 第2導体層
7CL3 第3導体層
7CL4 第4導体層
7CL5 第5導体層
7CL6 第6導体層
7SL 絶縁体層
7SL1 第1絶縁体層
7SL2 第2絶縁体層
7SL3 第3絶縁体層
7SL4 第4絶縁体層
7SL5 第5絶縁体層
8 ボード本体
9 ナット
10 ボルト
11 コンプレッションコンタクト
11G コンプレッションコンタクトグループ
12 ハウジング
12A コンタクト収容室
13 コンタクト列
20 ハンダ付け部
21 バネ部
21A 接点部
22 圧入部
30 電極パッド
31 グラウンドパッド
32 信号パッド
33 第1グラウンドパッド
33A バネ接触部
33B 第1ビア接続部
33C 第2ビア接続部
33D 境界
33E 境界
33F ベース部
33G テーパ部
33P 内側領域
33Q 外側領域
33R 二等分線
33S 輪郭
34 第2グラウンドパッド
34A バネ接触部
34B 第1ビア接続部
34C 第2ビア接続部
34D 境界
34E 境界
34F ベース部
34G テーパ部
34P 内側領域
34Q 外側領域
34R 二等分線
34S 輪郭
35 第1信号パッド
35A バネ接触部
35B ビア接続部
35C 境界
35D ベース部
35E テーパ部
36 第2信号パッド
36A バネ接触部
36B ビア接続部
36C 境界
36D ベース部
36E テーパ部
43 第1グラウンドパッド
43A 第1ビア接続部
43B 第2ビア接続部
44 第2グラウンドパッド
44A 第1ビア接続部
44B 第2ビア接続部
45 第1信号パッド
46 第2信号パッド
50A ビアホール
50B ビアホール
51A ビアホール
51B ビアホール
52 ビアホール
53 ビアホール
55 貫通孔
55A 内周縁
55B 矩形部
55C 延長部
55D 区画線
56 貫通孔
56A 内周縁
57 貫通孔
57A 内周縁
58 貫通孔
58A 内周縁
60 電極パッド
61 グラウンドパッド
62 信号パッド
63 第1グラウンドパッド
63A 端部
63P 内側領域
63Q 外側領域
63R 二等分線
63S 輪郭
64 第2グラウンドパッド
64A 端部
64P 内側領域
64Q 外側領域
64R 二等分線
64S 輪郭
65 第1信号パッド
66 第2信号パッド
73 第1グラウンドパッド
73A 第1ビア接続部
73B 第2ビア接続部
74 第2グラウンドパッド
74A 第1ビア接続部
74B 第2ビア接続部
75 第1信号パッド
76 第2信号パッド
80B ビアホール
80A ビアホール
81A ビアホール
81B ビアホール
82 ビアホール
83 ビアホール
85 貫通孔
85A 内周縁
85B 矩形部
85C 延長部
85D 区画線
86 貫通孔
86A 内周縁
87 貫通孔
87A 内周縁
88 貫通孔
88A 内周縁
90 貫通孔
90A 内周縁
91 貫通孔
91A 内周縁
100 貫通孔
100A 内周縁
101 貫通孔
101A 内周縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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