(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179135
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】魚介類用の運搬水槽
(51)【国際特許分類】
A01K 63/02 20060101AFI20231212BHJP
A01K 63/04 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A01K63/02 A
A01K63/04 A
A01K63/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092243
(22)【出願日】2022-06-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和4年2月4日 株式会社ダイスイ(宮城県石巻市魚町3丁目13-6) (2)令和4年3月2日 株式会社ダイスイ(宮城県石巻市魚町3丁目13-6) (3)令和4年4月1日 株式会社ダイスイ(宮城県石巻市魚町3丁目13-6) (4)令和4年4月13日 大都魚類株式会社(東京都江東区豊洲六丁目6番2号 東京都中央卸売市場豊洲市場内) (5)令和4年4月20日 株式会社ダイスイ(宮城県石巻市魚町3丁目13-6) (6)令和4年4月22日 魚福水産株式会社(兵庫県淡路市久留麻2533番地) (7)令和4年4月26日 山口県漁業協同組合 江崎支店(山口県萩市大字江崎8765-11) (8)令和4年4月29日 魚福水産株式会社(兵庫県淡路市久留麻2533番地) (9)令和4年5月7日 魚福水産株式会社(兵庫県淡路市久留麻2533番地) (10)令和4年5月17日 株式会社ダイスイ(宮城県石巻市魚町3丁目13-6) (11)令和4年5月27日 魚福水産株式会社(兵庫県淡路市久留麻2533番地) (12)令和4年6月3日 魚福水産株式会社(兵庫県淡路市久留麻2533番地)
(71)【出願人】
【識別番号】592192907
【氏名又は名称】日建リース工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】関山 正勝
(72)【発明者】
【氏名】大森 道生
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 将介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 優喜博
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104BA16
2B104CA09
2B104CB22
2B104CB24
2B104CB25
2B104CB42
2B104CB44
2B104CB46
2B104CB52
2B104ED19
2B104ED36
(57)【要約】
【課題】従来の運搬水槽よりも利便性に優れる運搬水槽を提供する。
【解決手段】魚介類を収容する本体部10と、本体部10の一側面側に設け、本体部10内の環境を制御するための機器を収容可能な機器収容部20と、本体部10の開口部を閉塞するように着脱自在とした蓋部30と、本体部10側および機器収容部20側の何れの側にも展開可能に構成した、シート部40と、を少なくとも具備する。シート部40を本体部10側に展開した際には、開口部の閉塞カバーとして機能し、シート部40を機器収容部20側に展開した際には、機器の養生カバーとして機能する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚介類を収容したまま運搬可能な、平面視矩形状を呈する運搬水槽であって、
魚介類を収容する、本体部と、
前記本体部の一側面側に設け、前記本体部内の環境を制御するための機器を収容可能な、機器収容部と、
前記本体部の開口部を閉塞するように着脱自在とした、蓋部と、
前記本体部側および前記機器収容部側の何れの側にも展開可能な、シート部と、
を少なくとも具備し、
前記シート部は、
前記シート部を前記本体部側に展開した際に、前記本体部の開口部を閉塞する、閉塞カバーとして機能し、
前記シート部を前記機器収容部側に展開した際に、前記機器を養生する、養生カバーとして機能することを特徴とする、
魚介類用の運搬水槽。
【請求項2】
前記運搬水槽に、フォークリフトのフォークを差し込み可能な、差込口を設けてあることを特徴とする、
請求項1に記載の魚介類用の運搬水槽。
【請求項3】
前記運搬水槽の平面視四辺のうち、少なくとも何れか1つの辺の差込口を解放しておき、
その他の差込口を、前記フォークの差し込みによって破断可能な脆弱部で閉塞してあることを特徴とする、
請求項2に記載の魚介類用の運搬水槽。
【請求項4】
前記蓋部に、水面に発生する泡の集約を促進する、集約促進部を設けたことを特徴とする、
請求項1に記載の魚介類用の運搬水槽。
【請求項5】
前記機器収容部が、前後方向、左右方向、および高さ方向のうち少なくとも何れかの方向に区画される、複数の収容空間を有することを特徴とする、
請求項1に記載の魚介類用の運搬水槽。
【請求項6】
前記機器収容部に、前記運搬水槽の重心位置を調整するための重錘部を収容してあることを特徴とする、
請求項1に記載の魚介類用の運搬水槽。
【請求項7】
前記重錘部として、前記機器に電力を供給するバッテリーを用いることを特徴とする、
請求項6に記載の魚介類用の運搬水槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚介類を収容したまま運搬可能な運搬水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、二酸化炭素によって沈静化させた魚介類を過密収容した運搬水槽を輸送車両に積載して出荷し、到着地で魚介類を覚醒させることで、長距離の活魚輸送を可能とする技術を開発している。(特許文献1,2)
この運搬水槽には、本体部内の環境を制御するための機器として、本体部内に酸素ガスを供給する酸素ボンベや、エアレーション装置、制御盤、バッテリーなどを設置しており、運搬水槽単体で動作可能な構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6236575号公報
【特許文献2】特許6655734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この活魚輸送技術において、例えば、以下に記載する課題を解決することによって、更なる利便性の向上が期待されている。
(1)運搬水槽に設置してある機器への水の飛散等による故障の恐れを低減させること。
(2)運搬水槽の小型化に伴い本体部をフォークリフトなどで移動させる際の安定性を向上させること。
【0005】
よって、本発明は、従来の運搬水槽よりも利便性に優れる運搬水槽を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべくなされた本発明は、魚介類を収容したまま運搬可能な、平面視矩形状を呈する運搬水槽であって、魚介類を収容する、本体部と、前記本体部の一側面側に設け、前記本体部内の環境を制御するための機器を収容可能な、機器収容部と、前記本体部の開口部を閉塞するように着脱自在とした、蓋部と、前記本体部側および前記機器収容部側の何れの側にも展開可能な、シート部と、を少なくとも具備し、前記シート部は、前記シート部を前記本体部側に展開した際に、前記本体部の開口部を閉塞する、閉塞カバーとして機能し、前記シート部を前記機器収容部側に展開した際に、前記機器を養生する、養生カバーとして機能することを特徴とする。
また、本発明は、前記運搬水槽に、フォークリフトのフォークを差し込み可能な、差込口を設けておくことができる。
また、本発明は、前記運搬水槽の平面視四辺のうち、少なくとも何れか1つの辺の差込口を解放しておき、その他の差込口を、前記フォークの差し込みによって破断可能な脆弱部で閉塞しておくことができる。
また、本発明は、前記蓋部に、水面に発生する泡の集約を促進する、集約促進部を設けることができる。
また、本発明は、前記機器収容部が、前後方向、左右方向、および高さ方向のうち少なくとも何れかの方向に区画される、複数の収容空間を有するよう構成することができる。
また、本発明は、前記機器収容部に、前記運搬水槽の重心位置を調整するための重錘部を収容することができる。
また、本発明は、前記重錘部として、前記機器に電力を供給するバッテリーを用いることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を奏する。
(1)シート部の展開方向によって、シート部を、本体部の開口部を閉塞する閉塞カバーとして使用したり、搭載した機器を養生する養生カバーとして使用したりすることができる。例えば、蓋部を取り出した状態で魚介類の投入作業や取りだし作業を行う際には、搭載した機器を養生する養生カバーとして用いることで、機器への水の飛散による故障を防止することができる。また、輸送時には、蓋部の上方で本体部の開口部を閉塞することで、蓋部と共に二重蓋を構成して水の飛散を防止し、また蓋部の位置ズレを抑制することができる。
(2)運搬水槽に差込口を設けることによって、フォークリフトで運搬水槽を運び出すことができる。
(3)運搬水槽に設けた差込口のうち、運搬時の重量バランスの観点から望ましい方向の差込口のみを開放しておき、その他の差込口は閉塞しておくことで、より安定した状態で運搬水槽を運び出すことができる。
(4)運搬時の重量バランスの観点から好ましくない差込口を閉塞する手段を、フォークの差し込みによって破断可能な脆弱部とすることで、誤って脆弱部にフォークを差し込んだ場合であっても、運搬水槽自体がフォークに押されて移動することが無い。
(5)脆弱部の破断の感触や音によって、運び出し時に運搬水槽の安定性が低くなる方向からフォークを差し込んだことが把握でき、運搬水槽の運び出し作業のやり直しを促すことができる。
(6)蓋部に集約促進部を設けることで、水面に発生する泡の回収効率を高めることができる。
(7)機器収容部に、区画した複数の収容空間を設けることで、本体部内の環境を制御するための機器の収容場所を調整でき、運搬水槽の重心位置を調整して、運搬水槽を運び出す際の安定性を向上させることができる。
(8)機器収容部内の任意空間に重錘部を収容することで、運搬水槽の重心位置の調整作業が容易となる。
(9)本体部内の環境を制御するための機器の中でも重量の重いバッテリーを重錘部としても用いることで、新たに重錘部を用意する必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本体部と蓋部およびシート部との位置関係を示す概略断面図。
【
図3】蓋部に設けた集約促進部の構造および作用を示す概略断面図。
【
図4】シート部が養生カバーとして機能する場合の概略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例0010】
<1>全体構成(
図1)
本発明に係る運搬水槽は、魚介類を収容した状態で、運搬車両に積載することで、活魚輸送を可能とするための装置である。
図1に示すように、本発明に係る運搬水槽は、本体部10、機器収容部20、蓋部30およびシート部40を少なくとも具備して構成する。
図1に示す運搬水槽は、平面視して1.1m×1.1mの、いわゆるパレットのサイズ規格に準拠したサイズを呈しており、市場便による混載を可能としている。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
【0011】
<2>本体部(
図1,
図2)
本体部10は、魚介類を収容する水槽部分に相当する部位である。
本体部10は、収容する魚介類の種別に応じて、海水や淡水を満たした槽を有しており、槽内には、後述する機器収容部20に収容した各機器から送られる酸素ガスの吐出機構や、エアレーション用ポンプの吐出機構、水温の調整機構などを設けておくことができる。
【0012】
<2.1>差込口(
図1)
本体部10には、側面から開口させてある差込口50を設けておくことができる。
この差込口50に、フォークリフト等の荷役機械器具に備えてあるフォークを差し込むことで、運搬水槽の運び出しを行うことができる。
本実施例では、本体部10の底部に間隔を開けて鋼材を接合し、この鋼材間の隙間を差込口50としている。
【0013】
<2.1.1>差込口を設ける面について(
図1)
本発明において、差込口50を設ける面数は特段限定しないが、より好ましくは、運搬水槽全体の重心位置を考慮し、フォークリフトで運搬水槽を持ち上げる際に、安定した状態で運搬水槽を支持できる面、すなわち平面視したときの運搬水槽の重心位置が、フォークリフト側に近い面に差込口50を設けることが好ましい。
図1では、平面視したときに運搬水槽の重心位置が、機器収容部20側の面に近い状態であると仮定していることから、機器収容部20側の面に差込口50を設けている。
当該構成によって、フォークリフトで運搬水槽を運び出す際の安定性が向上する。
【0014】
また、
図1では、機器収容部20側の面と対向する面にも差込口50を設け、各差込口50が連通した状態としている。
当該構成によって、フォークリフトのフォークの長さによらずに運搬水槽の運び出し作業を行うことができる。
【0015】
なお、機器収容部20側の面に差込口50を設けた場合には、フォークリフトが機器収容部20に搭載している各機器の固定が予期せぬ要因で外れてしまった場合にも、フォークリフト本体やマストが各機器の落下等を抑止する壁としても機能する点で有益である。
【0016】
<2.1.2>差込口の閉塞について(
図1)
本発明では、フォークリフトによるフォークの差込が推奨されない面に対し、予め差込口50を設けないか、または差込口50を別部材で閉塞するよう構成することもできる。
当該構成とすることで、フォークリフトのオペレータに対し、予めフォークを差し込む面を限定させるように意識付けすることができる
図1では、機器収容部20側の面と、機器収容部20側の面と対向する面以外の二面を閉塞している。
【0017】
<2.1.3>差込口の数について(
図1)
差込口50を別部材で閉塞する際には、この部材を、フォークリフトのフォークの差し込みによって破断可能に構成(脆弱部60による閉塞)することが好ましい。
本実施例では、脆弱部60として、FRP製の板材を用いている。
当該構成とすることで、誤って脆弱部60にフォークを差し込んだ場合であっても、フォークが脆弱部60を突き破るため、運搬水槽自体がフォークに押されて移動することが無くなり、運搬水槽の予期せぬ移動による衝突などの危険が生じない。
【0018】
<2.2>本体部の内部形状(
図2)
図2は、本体部10と、蓋部30およびシート部40との位置関係を示す概略断面図である。
本体部10の内面には、段差面11を形成しており、この段差面11に蓋部30を載置するよう構成している。
当該構成とすることで、本体部10に設置した蓋部30のズレを防止でき、輸送時の振動などで、蓋部30がずれたり、本体部10から外れたりすることを防止することができる。
【0019】
<3>機器収容部(
図1)
機器収容部20は、本体部10内の環境を制御するための機器を収容しておくための部位である。
図1に示す構成では、機器収容部20を本体部10の一側面側に設けて、各機器を集約して設置している。
【0020】
<3.1>収容する機器の一例(
図1)
機器収容部20に収容する機器には、例えば以下の装置が考えられる。
(1)酸素供給装置
酸素ボンベからの酸素ガスを水槽内に供給して、水槽内の水の酸素濃度を調整するための装置である。
(2)循環ポンプ
水槽内の水の循環を行うための装置である。
(3)エアーブロワー
水槽内のエアレーションを行うための装置である。
(4)プロテインスキマー
水槽内の有害物質(アンモニアなど)を除去可能な物理ろ過装置である。
(5)制御盤・スイッチ類
各種機器の動作を制御するための装置である
(6)バッテリー
各種機器に電力を供給するための装置である。
(7)バッテリー用充電器
外部の電源から100Vコンセントでもってバッテリーへの充電を行うための装置である。
【0021】
<3.2>収容空間の形成(
図1)
本発明では、機器収容部20を前後方向、左右方向、および高さ方向のうち少なくとも何れかの方向に区画して、複数の収容空間を形成するように構成することもできる。
本実施例では、幅方向に区画した三箇所の収容空間を設けつつ、中央の収容空間をさらに高さ方向に区画した構成としており、左側の収容空間には、プロテインスキマーや制御盤などを配置し、中央の収容空間には各段にバッテリーやスイッチ類を収容しており、右側の収容空間には、酸素供給装置を収容している。
【0022】
<3.3>重錘部の収容(
図1)
本発明では、機器収容部20に、運搬水槽の重心位置を調整するための重錘部を設けてもよい。
重錘部は、前記した機器の一部を兼用させたり、前記した機器とは別に新たに高重量の部材を用いたりして、構成することができる。
なお、前記した機器の一部を重錘部として兼用させる際には、機器の中で、比較的高重量になると考えられるバッテリーを用いることが好ましい。
本実施例では、機器収容部20を左右方向に三分割した際の中央の収容空間の各段に収容したバッテリーを重錘部として兼用させている。
当該構成とすることにより、機器収容部20側からフォークを差し込んで運搬水槽を持ち上げる際にも、フォークの間に、高重量のバッテリーが位置することとなるため、運び出し時の運搬水槽の安定性の向上に寄与する。
【0023】
<4>蓋部(
図1,
図3)
蓋部30は、本体部10の開口部を閉塞するための部材である。
蓋部30でもって開口部を閉塞することで、槽内の水が外に漏れ出すことを防止することができる。
【0024】
<4.1>集約促進部(
図3)
本発明は、蓋部30に対し、エアーブロワーにより水面に発生した泡を一箇所に集約させるための集約促進部32を設けておくことができる。
本実施例において、集約促進部32は、中央に泡Bの回収孔321を設けつつ、当該回収孔321から周囲へと谷部322を形成するようにテーパを設けて構成している(
図3(a))。
さらに、集約促進部32の側面にはホース33の一端が接続されており、このホース33の他端は、機器収容部20に設けたプロテインスキマーの受け部へと接続されている。
さらに、本実施例に係る集約促進部32には、ホース33を接続した面と対向する側に設けた谷部322の裾部周辺に、下方に貫通させた排水孔323を設けている。
【0025】
この集約促進部32およびホース33を、蓋部30の下面31(開口部の閉塞時における水面側を向く面)に設けておき、蓋部30によって本体部10の開口部を閉塞し、本体部10内の気密性を高めた状態とする(
図3(b))。
この状態から、本体部10内に対しエアーブロワーを用いたエアレーションを行うと、本体部内の気圧変化によって、本体部10内の空気が回収孔321からホース33を接続したプロテインスキマーの受け部へ向かう方向へと流れることとなり、水面の泡Bは、回収孔321へと集約されたのち、さらに谷部322へと流れ、ホース33を経由して機器収容部20に設けたプロテインスキマーの受け部へと送られることになる。
【0026】
また、運搬時や輸送時の揺れ等によって、回収孔321から泡Bとともに本体部10内の水が流入してきた場合には、この水を排水孔323から排水して本体部内に戻すことができるため、本体部10内の水位減少を極力抑えることができる。
なお、泡Bそのものは、若干の粘着性があり、重量も小さいことから、排水孔323から本体部10内に戻ることは殆どない。
【0027】
<5>シート部(
図1)
シート部40は、運搬水槽に取り付けて、本体部10側および機器収容部20側の何れの側にも展開可能な部材である。
本発明において、シート部40の形状や、シート部40の取付態様は、特段限定しない。
本実施例では、シート部40を、略矩形形状を呈したビニールシートで構成しており、シート部40の外周を本体部10の内周を取り囲むように取付けている。
また、シート部40は、当該シート部40の外周からやや内側に変位した箇所を、機器収容部20側の面を除く三面側を含むようにコの字状に切断して、当該切断部にファスナーなどの留め具を設けた、外周部41と展開部42とで構成している。
【0028】
<5.1>シート部の作用(閉塞機能/養生機能)(
図4)
上記構成により、留め具によって外周部41と展開部42とを結合した状態のシート部40は、本体部10側に展開して開口部を閉塞する、閉塞カバーとして機能する(図示せず)。
また、留め具を外して外周部41との結合を解除した展開部42を、切断部の両端を仮想的に繋いだ箇所から折り返して機器収容部20側に展開した状態のシート部40は、機器収容部20を、本体部10からの水の飛散や、その他の汚れや外部衝撃などから養生する、養生カバーとして機能する(
図4)。