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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179152
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/64 20060101AFI20231212BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B65D75/64
B65D43/08 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092269
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】391011825
【氏名又は名称】中央化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】岡田 千宙
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BA02A
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB17A
3E067BB18A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA11
3E067CA17
3E067EA18
3E067EB11
3E067EB27
3E084AA06
3E084AA14
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA03
3E084DB09
3E084DB13
3E084DC03
3E084DC04
3E084DC05
3E084FA09
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
3E084GB17
(57)【要約】
【課題】使用者が蓋を開けやすく、かつ、蓋が誤って開くことがない包装用容器を提供する。
【解決手段】包装用容器1は、容器本体部3と蓋部18とから構成され、容器本体部3は、本体フランジ部12の一部に連接されて本体フランジ部12から外側に向けて伸びた本体摘み部14を有し、蓋部18は、蓋フランジ部21の一部に連接されて蓋フランジ部21から外側に向けて伸びた蓋摘み部22を有し、蓋部18が容器本体部3に取り付けられた状態において、蓋摘み部22が本体摘み部14の上に重ねられている。本体摘み部14は、蓋摘み部22の下面の全面を覆う覆部15と、この覆部15に連接されて蓋摘み部22の周縁よりも外側に張り出した張出部16とを有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する容器本体部と、前記開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、
前記容器本体部が、前記開口部の縁に形成された本体摘み部を有し、
前記蓋部が、前記本体摘み部と重なる蓋摘み部を有し、
前記本体摘み部が、前記蓋摘み部の下面を覆う覆部と、前記蓋摘み部の周縁よりも外側に張り出した張出部と、を有する、
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記本体摘み部を前記蓋摘み部から離す方向に折り曲げるための折曲手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載された包装用容器。
【請求項3】
前記蓋摘み部と前記本体摘み部との間に、突部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された包装用容器。
【請求項4】
前記容器本体部が、前記開口部の縁に形成された本体フランジ部を有し、前記本体摘み部が、前記本体フランジ部に連接され、
前記蓋部が、前記本体フランジ部を覆う蓋フランジ部を有し、前記蓋摘み部が、前記蓋フランジ部に連接された、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サラダや惣菜等は、スーパーマーケット等で販売される際、プラスチック製の容器に収容された状態で陳列されている。容器は、器(うつわ)である容器本体と、蓋とから構成されている。一般的に、惣菜等は容器ごと電子レンジ等で加温されることが多いことから、容器は、耐熱性や断熱性を備えているものが好まれる。例えば、下記特許文献1に記載された蓋付容器(以下、「公知文献1発明」と記す)は、耐熱性を実現するために、ポリスチレン系樹脂にポリフェニレン系樹脂を含有させたもの等を素材としている。
【0003】
また、公知文献1発明は、傾けられた場合等に、惣菜等から出る汁がこぼれることを防ぐために有用な内嵌合構造である。すなわち、公知文献1発明は、容器本体及び蓋が、それぞれ、外周縁から外側に向けて伸びたフランジを有し、このフランジ同士が重なり合っており、容器本体と蓋とが、フランジよりも内側で嵌合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記したとおり、公知文献1発明は、容器本体と蓋とで、互いのフランジが重なっているため、使用者にとって、開封時に蓋のフランジが摘まみにくい。使用者が摘みやすい構造として、仮に、蓋のフランジの一部が容器本体のフランジよりも突出することで、蓋に摘み部が形成されたとしても、下方からの何らかの外力が摘み部に作用する可能性が高くなる。不本意な外力が摘み部に作用すれば、蓋が誤って開く可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、使用者が蓋を開けやすく、かつ、蓋が誤って開くことがない包装用容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る包装用容器は、開口部を有する容器本体部と、前記開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、前記容器本体部が、前記開口部の縁に形成された本体摘み部を有し、前記蓋部が、前記本体摘み部と重なる蓋摘み部を有し、前記本体摘み部が、前記蓋摘み部の下面を覆う覆部と、前記蓋摘み部の周縁よりも外側に張り出した張出部と、を有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る包装用容器は、前記本体摘み部を前記蓋摘み部から離す方向に折り曲げるための折曲手段を有する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る包装用容器は、前記蓋摘み部と前記本体摘み部との間に、突部を有する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る包装用容器は、前記容器本体部が、前記開口部の縁に形成された本体フランジ部を有し、前記本体摘み部が、前記本体フランジ部に連接され、前記蓋部が、前記本体フランジ部を覆う蓋フランジ部を有し、前記蓋摘み部が、前記蓋フランジ部に連接された、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る包装用容器は、開口部を有する容器本体部と、開口部を塞ぐ蓋部と、を有し、容器本体部が、開口部の縁に形成された本体摘み部を有し、蓋部が、本体摘み部と重なる蓋摘み部を有し、本体摘み部が、蓋摘み部の下面を覆う覆部と、蓋摘み部の周縁よりも外側に張り出した張出部とを有している。この構成により、蓋部が容器本体部に取り付けられて蓋摘み部と本体摘み部とが重ねられた状態において、張出部に相当する分の大きさの違いから、本体摘み部と蓋摘み部の間には、段差が生じる。したがって、使用者は、この段差に指を引っ掛け、開封しやすくなる。また、蓋摘み部の下面は、覆部で覆われているため、下方からの何らかの外力が作用するとしても、外力は覆部に作用し、蓋摘み部には作用しない。したがって、蓋部が誤って開くこともない。
【0012】
本発明に係る包装用容器は、本体摘み部を蓋摘み部から離す方向に折り曲げるための折曲手段を有している。すなわち、本体摘み部が折曲手段を介して折り曲げられることによって、本体摘み部が蓋摘み部から離れる。したがって、使用者は、蓋摘み部を摘まみやすくなる。
【0013】
本発明に係る包装用容器は、蓋摘み部と本体摘み部との間に、突部を有している。この構成により、蓋摘み部と本体摘み部との間に、突部による隙間が生じる。したがって、使用者は、蓋摘み部を摘まみやすくなる。
【0014】
本発明に係る包装用容器は、容器本体部が、開口部の縁に形成された本体フランジ部を有し、本体摘み部が、本体フランジ部に連接され、蓋部が、本体フランジ部を覆う蓋フランジ部を有し、蓋摘み部が、蓋フランジ部に連接されている。すなわち、本体フランジ部は、蓋フランジ部に覆われているため、全周に渡って露出していない。惣菜等が収容された包装用容器が商品として陳列される際、又は、陳列された包装用容器を複数の使用者が手に取る際、使用者の指が本体フランジ部に接触することがないため、少なくとも容器本体部の衛生を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態に係る包装用容器が分解されて示された分解斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る包装用容器が示された斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る包装用容器が示された上面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る包装用容器が示された正面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る包装用容器が示された側面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る包装用容器における容器本体部の上面が示された本体上面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る包装用容器における容器本体部の下面が示された本体下面図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る包装用容器における容器本体部の正面が示された本体正面図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る包装用容器における容器本体部の側面が示された本体側面図である。
図10図10は、図6のX-X断面であって、本発明の実施形態に係る包装用容器における容器本体部の本体正面断面図である。
図11図11は、図6のXI-XI断面であって、本発明の実施形態に係る包装用容器における容器本体部の本体側面断面図である。
図12図12は、図6のXII-XII断面であって、本発明の実施形態に係る包装用容器における容器本体部の本体要部断面図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る包装用容器の蓋部の上面が示された蓋上面図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る包装用容器の蓋部の下面が示された蓋下面図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る包装用容器の蓋部の正面が示された蓋正面図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る包装用容器の蓋部の側面が示された蓋側面図である。
図17図17は、図13のXVII-XVII断面であって、本発明の実施形態に係る包装用容器における蓋部の蓋正面断面図である。
図18図18は、図13のXVIII-XVIII断面であって、本発明の実施形態に係る包装用容器における蓋部の蓋側面断面図である。
図19図19は、図4のXIX-XIX部分の断面を拡大したものであって、本発明の実施形態に係る包装用容器の嵌合構造を説明するための断面拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下は、本発明の実施形態に係る包装用容器の説明である。以下、本実施形態を、図面に基づいて説明する。図1ないし5には、包装用容器1の外観が示されている。
【0017】
図1ないし5に示されているとおり、包装用容器1は、被収容物(図示省略)が収容される器(うつわ)である容器本体部3と、被収容物を覆うための蓋部18とから構成され、蓋部18が容器本体部3に着脱される。なお、被収容物には、惣菜の他、例えば、果物、野菜、鮮魚、精肉等の生鮮品が含まれる。
【0018】
容器本体部3は、底面部4と、この底面部4の周縁から立ち上がった本体嵌合側面部9と、この本体嵌合側面部9の上端から外側に向けて伸びた本体フランジ部12と、この本体フランジ部12の一部に連接されて本体フランジ部12から外側に向けて伸びた本体摘み部14とを有している。本体嵌合側面部9の上端は、開口部2であるため、本体フランジ部12は、開口部2の縁に形成されている。本体嵌合側面部9は、内側に、蓋部18が着脱される際に嵌合する本体側嵌合部11を有している。
【0019】
蓋部18は、天面部19と、この天面部19の周縁から下方に向けて伸びた蓋側面部20と、この蓋側面部20の下端に形成された蓋側嵌合部27と、この蓋側嵌合部27に連接された蓋フランジ部21と、この蓋フランジ部21の一部に連接されて蓋フランジ部21から外側に向けて伸びた蓋摘み部22とを有している。蓋部18が容器本体部3に取り付けられると、蓋側嵌合部27が本体側嵌合部11の内側に配置されることから、包装用容器1は、いわゆる内嵌合式である。
【0020】
図2ないし5に示されているとおり、蓋部18が容器本体部3に取り付けられた状態において、蓋側嵌合部27が本体側嵌合部11に嵌合し、蓋フランジ部21が本体フランジ部12の上に重ねられて本体フランジ部12の全面を覆い、蓋部18の蓋摘み部22が容器本体部3の本体摘み部14の上に重ねられている。蓋摘み部22は、本体摘み部14よりも小さく形成され、換言すれば、本体摘み部14は、蓋摘み部22よりも大きく形成されている。すなわち、本体摘み部14は、蓋摘み部22の下面の全面を覆う覆部15と、この覆部15に連接されて蓋摘み部22の周縁よりも外側に張り出した張出部16とを有している。
【0021】
包装用容器1の材料は、プラスチックである。具体的には、容器本体部3の材料は、例えば、耐熱性を備えたポリスチレン発泡シート(PSP:polystyrene paper)といったポリスチレン系樹脂や、発泡ポリプロピレンや非発泡ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリエチレン(PE:polyethylene)といったポリオレフィン系樹脂等である。一方で、蓋部18の材料は、例えば、二軸挺伸ポリスチレン(OPS:oriented polystyrene)、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリエチレン(PE:polyethylene)等のオレフィン系樹脂等である。容器本体部3及び蓋部18は、何れも、例えば、真空成型、熱板圧空成型、真空圧空成型、両面真空成型等の方法によって合成樹脂シートから成型される。なお、少なくとも蓋部18は透明であるが、半透明又は有彩色でもよい。
【0022】
合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、非発泡樹脂製の場合は0.18~1ミリメートルであればよく、好ましくは0.3~0.8ミリメートル、さらに好ましくは0.35~0.6ミリメートルである。発泡倍率が1.5~3倍の低発泡樹脂製の場合は0.5~3ミリメートルであればよく、好ましくは1~2ミリメートルである。また、発泡倍率が5~15倍の高発泡樹脂製の場合は1.5~5ミリメートルであればよく、好ましくは1.8~4ミリメートルであり、より好ましくは2.0~3.5ミリメートルである。なお、発泡倍率とは、発泡前のもの(発泡性組成物)と発泡後のもの(発泡シート)の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって算出されたものをいう。成型品Mは、シート成形品Nと同じ形成方法・素材・寸法等の仕様でもよい。
【0023】
ここで、容器本体部3を図面に基づいて詳説する。図6ないし12には、容器本体部3の外観及び断面が示されている。
【0024】
図6ないし12に示されているとおり、容器本体部3は、上面視において、ほぼ八角形である。底面部4は、基準面部5と、この基準面部5よりも内側であって、底面部4の中央に形成された台座部6と、この台座部6の周囲に配置されると共に基準面部5に形成された底脚部7とを有している。台座部6は、基準面部5よりも高い位置にあり、上方に向けて隆起した隆起部8に囲まれている。基準面部5は、台座部6の外周を囲っている。底脚部7は、基準面部5の四隅に配置され、基準面部5から下方に向けて突出している。
【0025】
本体嵌合側面部9は、基準面部5の周縁にから上方に向けて伸びると共に内側に向けて傾斜している。基準面部5と本体嵌合側面部9との境界には、本体嵌合隅部10が形成されている。本体側嵌合部11は、本体嵌合側面部9と本体嵌合隅部10とから構成されている。本体フランジ部12は、本体嵌合側面部9の上端の全周に連接され、断面において、上方に向けて弧状に隆起している。本体フランジ部12は、四隅に本体隅切角部13を有している。本体隅切角部13は、例えば四角形の角が切断された跡(図6、仮想角部50参照)に現れる角である。本体摘み部14は、対角線上にある少なくとも一対の本体隅切角部13に連接されている。本体摘み部14は、本体隅切角部13から外側に向けて伸びた扁平な部位である。覆部15及び張出部16は、それぞれ、本体摘み部14の半分程度の面積を占め、互いに隣り合って連接されている。本体摘み部14と本体フランジ部12との境界である本体隅切角部13は、折曲手段17を有している。折曲手段17は、断面において、上方に向けて弧状に隆起しているが、本体フランジ部12と比較して、隆起の度合いが少ない。具体的には、本体フランジ部12の隆起の度合い(厚み)αが、1.5ないし3.5ミリメートルであるのに対し、折曲手段17の隆起の度合い(厚み)βは、0.5ないし1.5ミリメートルである。本体摘み部14は、折曲手段17を介して下方に折り曲げられる。
【0026】
次に、蓋部18を図面に基づいて詳説する。図13ないし18には、蓋部18の外観及び断面が示されている。
【0027】
図13ないし18に示されているとおり、蓋部18は、上面視において、容器本体部3と同様に、ほぼ八角形である。蓋側面部20は、天面部19の周縁から下方に伸びると共に外側に向けて傾斜している。したがって、蓋側面部20は、下方に向かうにしたがって広がっている。蓋側嵌合部27は、蓋側面部20の下端から外側に向けて伸びた蓋嵌合フランジ部24と、この蓋嵌合フランジ部24の先端から上方に向けて伸びると共に内側に向けて傾斜した蓋嵌合側面部25と、蓋嵌合フランジ部24の先端と蓋嵌合側面部25との境界である蓋嵌合角部26とを有している。蓋フランジ部21は、蓋嵌合側面部25の上端の全周に連接され、断面において、上方に向けて僅かに弧状に隆起している。蓋フランジ部21は、四隅に蓋隅切角部28を有している。蓋隅切角部28は、例えば四角形の角が切断された跡に現れる角である。蓋摘み部22は、対角線上にある少なくとも一対の蓋隅切角部28に連接されている。蓋摘み部22は、蓋隅切角部28から外側に向けて伸びた扁平な部位である。蓋摘み部22の下面には、下方に向けて突出した突部(図示省略)が形成されている。なお、突部の数、形状、配置及び突出の程度等は、任意である。
【0028】
上記のとおり、容器本体部3及び蓋部18が構成されている。ここで、蓋部18の蓋側嵌合部27と容器本体部3の本体側嵌合部11とが嵌合する様子を、図面に基づいて説明する。図19は、蓋側嵌合部27と本体側嵌合部11とが嵌合した状態における一部の断面が拡大されて示されている。
【0029】
図19において、蓋部18が上方から容器本体部3に近づけられ、蓋部18の蓋嵌合角部26が本体嵌合側面部9の上端に当たった状態で、蓋部18が更に押し下げられると、蓋部18の蓋側嵌合部27が内側に向けて撓みながら蓋部18が下降し、蓋嵌合角部26が、容器本体部3の本体嵌合側面部9の上端を乗り越える。蓋嵌合角部26が、本体嵌合側面部9に対して摺動し、本体嵌合隅部10に重なって配置されると、蓋側嵌合部27が復元することで(又は若干撓んだ状態が維持されることで)、蓋側嵌合部27と本体側嵌合部11とが嵌合する。各嵌合部11,27が嵌合した状態では、蓋部18の蓋フランジ部21が、容器本体部3の本体フランジ部12の上に重ねられ、図3に示されているとおり、蓋部18の蓋摘み部22が、容器本体部3の本体摘み部14の上に重ねられている。蓋摘み部22の下面は、本体摘み部14の覆部15によって覆われている。蓋摘み部22の周縁は、本体摘み部14の周縁に揃えられるか、本体摘み部14の周縁よりも内側に配置され、本体摘み部14の周縁から外側にはみ出さない。に蓋摘み部22と覆部15との間には、突部が配置されているため、蓋摘み部22及び覆部15は、突部の分だけ僅かに離れている。
【0030】
上記のとおり、蓋側嵌合部27と本体側嵌合部11とが嵌合することで、蓋部18が容器本体部3に取り付けられて容器本体部3の開口部2が蓋部18によって塞がれる。次に、包装用容器1の作用効果を説明する。
【0031】
上記したとおり、包装用容器1では、蓋隅切角部28から外側に向けて伸びた扁平な蓋摘み部22を有している(図13参照)。一方で、容器本体部3は、本体隅切角部13から外側に向けて伸びた扁平な本体摘み部14を有し、本体摘み部14は、蓋摘み部22の下面の全面を覆う覆部15と、この覆部15に連接されて蓋摘み部22の周縁よりも外側に張り出した張出部16とを有している(図6参照)。蓋側嵌合部27と本体側嵌合部11とが嵌合し、蓋摘み部22が本体摘み部14の上に重ねられた状態において(図3参照。)、蓋摘み部22の下面は、本体摘み部14の覆部15によって覆われている。この構成により、張出部16に相当する分の大きさの違いから、本体摘み部14と蓋摘み部22との間には、段差が生じる。したがって、使用者(図示省略)は、この段差に指を引っ掛け、開封しやすくなる。また、蓋摘み部22の下面は、覆部15で覆われているため、下方からの何らかの外力が作用するとしても、外力は覆部15に作用し、蓋摘み部22には作用しない。したがって、蓋部18が誤って開くこともない。
【0032】
本体摘み部14は、本体隅切角部13から外側に向けて伸びているため(図6参照)、本体隅切角部13によって生じる包装用容器1間の隙間が狭小となる。すなわち、仮に、四角形の容器が並べて陳列されていた場合、辺同士や直角の角同士が、隣同士で付き合わさっているため、容器間には隙間が生じないが、本体隅切角部13は、四角形の角が切断された跡(図6、仮想角部50)に現れることから、包装用容器1が並べて陳列された場合、本体隅切角部13同士の間に、仮想角部50の分だけ隙間が生じ、この隙間から、包装用容器1が陳列されたカウンター等(図示省略)の表面が露出する。この場合、被収容物が少なく見える場合や、粗雑な印象を与える場合がある。しかし、本体摘み部14は、本体隅切角部13から外側に向けて伸びているため、本体摘み部14を有しない場合と比較して、仮想角部50が小さく、本体隅切角部13同士の間の隙間が狭くなり、見栄えがよくなる。したがって、容器本体部3が八角形であっても(すなわち、本体隅切角部13を有していても)、見栄えをよくすることができる。
【0033】
包装用容器1は、本体摘み部14と本体フランジ部12との境界である本体隅切角部13に、折曲手段17を有している(図6参照)。使用者が、折曲手段17を介して、本体摘み部14を、蓋摘み部22から離れる方向である下方に折り曲げることで、本体摘み部14が蓋摘み部22から離れる。したがって、使用者は、蓋摘み部22を摘まみやすくなる。更に、折曲手段17は、断面において、上方に向けて弧状に隆起しているが、本体フランジ部12と比較して、隆起の度合いが少ない(α>β、図12参照)。この構成により、本体摘み部14が折れ曲がりやすくなる。したがって、使用者は、蓋摘み部22を更に摘まみやすくなる。
【0034】
包装用容器1では、蓋摘み部22の下面に、下方に向けて突出した突部が形成されている。蓋側嵌合部27と本体側嵌合部11とが嵌合した状態では、蓋摘み部22が、本体摘み部14の上に重ねられるが(図2参照)、蓋摘み部22と覆部15との間には、突部が配置されるため、蓋摘み部22及び覆部15は、突部の分だけ僅かに離れる。したがって、使用者は、蓋摘み部22を摘まみやすくなる。
【0035】
包装用容器1では、容器本体部3は、本体嵌合側面部9の上端から外側に向けて伸びた本体フランジ部12を有し(図6参照)、一方で、蓋部18は、蓋側嵌合部27に連接された蓋フランジ部21を有している(図13参照)。蓋側嵌合部27と本体側嵌合部11とが嵌合した状態では、蓋フランジ部21が、本体フランジ部12の上に重ねられて本体フランジ部12の全面を覆っているため(図3参照)、本体フランジ部12は、全周に渡って露出していない。被収容物が収容された包装用容器1が商品として陳列される際、又は、陳列された包装用容器1を複数の使用者が手に取る際、使用者の指が本体フランジ部12に接触することがないため、少なくとも容器本体部3の衛生を保つことができる。
【0036】
包装用容器1では、容器本体部3には、底面部4の中央に台座部6が形成され、台座部6は、上方に向けて隆起した隆起部8に囲まれている(図6参照)。台座部6には、隆起部8よりも内側に被収容物が載置される。したがって、被収容物から出る汁等が隆起部8を超えてこぼれることが抑止される。また、台座部6は、基準面部5よりも高い位置にあるため(図10参照)、台座部6に載置された被収容物は、包装用容器1が陳列されたカウンター等の表面よりも高い位置に配置され、被収容物が多く見え、見栄えがよくなる。更に、容器本体部3には、基準面部5から下方に突出した底脚部7が形成されているため(図10参照)、被収容物は、カウンター等の表面よりも更に高い位置に配置され、更に見栄えがよくなる。
【0037】
本発明の他の実施形態では、蓋摘み部の周縁が、本体摘み部の覆部の周縁よりも僅かに張り出している。すなわち、下方からの外力が作用し得ない限りにおいて、成型上の寸法誤差や嵌合の程度等により、蓋摘み部の周縁が覆部の周縁よりも張り出した実施形態も本発明に含まれる。
他の実施形態では、折曲手段における隆起の度合いは、本体フランジ部と同じ又は同程度である。但し、隆起の度合いが大きい程、折り曲げづらくなる一方で、容器の剛性が高くなる。
他の実施形態では、折曲手段は、薄肉の部位である。
他の実施形態では、折曲手段は、ミシン目である。
他の実施形態では、折曲手段は、溝である。溝は、下面に形成されていることが好ましい。
他の実施形態は、折曲手段を有していない。
他の実施形態では、本体摘み部における覆部の上面に、突部が形成されている。
他の実施形態は、突部を有していない。
他の実施形態は、本体フランジ部及び蓋フランジ部を有していない。この場合、本体摘み部は、側面部の上端である開口部の縁に連接されている。
他の実施形態では、容器本体部及び蓋部は、上面視において、正八角形、多角形、円形、楕円形等である。
他の実施形態では、本体摘み部及び蓋摘み部の数は任意であり、例えば、単一又は三個以上である。
他の実施形態は、外嵌合式又は内外嵌合式である。
他の実施形態では、容器本体部と蓋部とが連接され、一体で成型されている。
【0038】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 包装用容器
2 開口部
3 容器本体部
4 底面部
5 基準面部
6 台座部
7 底脚部
8 隆起部
9 本体嵌合側面部
10 本体嵌合隅部
11 本体側嵌合部
12 本体フランジ部
13 本体隅切角部
14 本体摘み部
15 覆部
16 張出部
17 折曲手段
18 蓋部
19 天面部
20 蓋側面部
21 蓋フランジ部
22 蓋摘み部
24 蓋嵌合フランジ部
25 蓋嵌合側面部
26 蓋嵌合角部
27 蓋側嵌合部
28 蓋隅切角部
α 本体フランジ部の隆起の度合い
β 折曲手段の隆起の度合い
図1
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