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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179180
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】放電ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01T 23/00 20060101AFI20231212BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
H01T23/00
A61L9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092325
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西本 秀明
(72)【発明者】
【氏名】永冨 修志
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敬介
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA10
4C180AA16
4C180BB11
4C180BB12
4C180BB13
4C180CA10
4C180DD11
4C180EA17X
4C180HH03
4C180HH05
4C180KK05
4C180LL06
4C180LL11
(57)【要約】
【課題】一対の電極31・32の間に誘電体33を配置してなる放電装置6と、放電装置6の放電時の発光を検出する光検出部28と、を備えると、光検出部28の検出値に基づいて、放電装置6の誘電体33などの表面の汚れ(粉塵などの堆積)の程度を判断することができる放電装置を提供すること。
【解決手段】一対の電極31・32の間に誘電体33を配置してなる放電装置6と、放電装置6の放電時の発光を検出する光検出部28と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極(31・32)の間に誘電体(33)を配置してなる放電装置(6)と、
放電装置(6)の放電時の発光を検出する光検出部(28)と、を備えることを特徴とする放電ユニット。
【請求項2】
光検出部(28)が、受光量に応じた電気信号を出力する素子からなることを特徴とする請求項1に記載の放電ユニット。
【請求項3】
放電装置(6)が、一対の電極(31・32)および誘電体(33)を含む放電部(16)と、
放電部(16)が着脱自在に装着されるベース部(15)と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の放電ユニット。
【請求項4】
光検出部(28)の検出値が所定の正常範囲から外れた場合に放電装置(6)の両電極(31・32)に印加される電圧が、該検出値が正常範囲内の場合に両電極(31・32)に印加される電圧よりも高く設定されていることを特徴とする請求項2に記載の放電ユニット。
【請求項5】
光検出部(28)の検出値が正常範囲から外れた場合に放電装置(6)を停止させることを特徴とする請求項2に記載の放電ユニット。
【請求項6】
光検出部(28)の検出値が第1の正常範囲から外れて、第2の正常範囲のみに属するようになると、放電装置(6)の両電極(31・32)に印加する電圧を上昇させ、
該検出値が第2の正常範囲からも外れると放電装置(6)を停止させることを特徴とする請求項2に記載の放電ユニット。
【請求項7】
誘電体(33)の表面側に配置される第1電極(31)が棒状に形成されており、
誘電体(33)の裏面側に配置される第2電極(32)が平面状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の放電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の電極の間に誘電体を配置してなる放電装置と、放電装置の放電時の発光を検出する光検出部と、を備える放電ユニットに関する。
この放電ユニットは、空気中の放電によりオゾンを発生させるオゾン発生装置(オゾナイザー)や、各種イオン(マイナスイオン、ヒドロキシラジカル等)を発生させるイオン発生装置(イオナイザー)などに適用することができる。
【背景技術】
【0002】
この種の放電ユニットに係る先行技術文献としては、例えば特許文献1を挙げることができる。特許文献1のオゾン殺菌消臭装置は、隔壁の上下に配置されたベース部(制御ボックス)と放電部(出力部)で構成されており、オゾン発生機構を含む放電部が、電源部等を含むベース部に対して着脱自在とされている。放電部は、オゾン発生機構としての一対の電極と、両電極を支持する基盤と、各電極から伸びるピン状の端子などを備えており、左右一対の端子が基盤の表面から外方へ突出している。これに対応してベース部には、端子を挿入可能な左右一対のコネクタが設けられている。放電部の一対の端子を、隔壁を介してベース部のコネクタに差し込むと、放電部がベース部に装着されて、一対の電極とベース部の電源部とが電気的に接続される。このように、ベース部に対して放電部が着脱自在であると、オゾン殺菌消臭装置のうち比較的劣化しやすい放電部(オゾン発生機構)のみを交換することができ、装置の全体を交換する場合に比べて経済的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-73846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のオゾン殺菌消臭装置では、ベース部に対して放電部を着脱自在としているが、ユーザーはメンテナンスのために放電部を取外して清掃するタイミングや交換するタイミングが分からない。放電に伴って、電極近傍には硝酸塩を主成分とする白い粉塵が堆積することがある。この粉塵は放電の障害となるため定期的に除去することが望ましい。
【0005】
本発明は、一対の電極31・32の間に誘電体33を配置してなる放電装置6と、放電装置6の放電時の発光を検出する光検出部28と、を備えると、光検出部28の検出値に基づいて、放電装置6の誘電体33などの表面の汚れ(粉塵などの堆積)の程度を判断することができる放電ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る放電ユニットは、一対の電極31・32の間に誘電体33を配置してなる放電装置6と、放電装置6の放電時の発光を検出する光検出部28と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る放電ユニットは、光検出部28が、受光量に応じた電気信号を出力する素子からなる形態を採ることができる。
【0008】
本発明に係る放電ユニットは、放電装置6が、一対の電極31・32および誘電体33を含む放電部16と、放電部16が着脱自在に装着されるベース部15と、を備える形態を採ることができる。
【0009】
本発明に係る放電ユニットは、光検出部28の検出値が所定の正常範囲から外れた場合に放電装置6の両電極31・32に印加される電圧が、該検出値が正常範囲内の場合に両電極31・32に印加される電圧よりも高く設定されている形態を採ることができる。
【0010】
本発明に係る放電ユニットは、光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合に放電装置6を停止させる形態を採ることができる。
【0011】
本発明に係る放電ユニットは、光検出部28の検出値が第1の正常範囲から外れて、第2の正常範囲のみに属するようになると、放電装置6の両電極31・32に印加する電圧を上昇させ、該検出値が第2の正常範囲からも外れると放電装置6を停止させる形態を採ることができる。
【0012】
本発明に係る放電ユニットは、誘電体33の表面側に配置される第1電極31が棒状に形成されており、誘電体33の裏面側に配置される第2電極32が平面状に形成されている形態を採ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る放電ユニットにおいて、一対の電極31・32の間に誘電体33を配置してなる放電装置6と、放電装置6の放電時の発光を検出する光検出部28と、を備えると、光検出部28の検出値に基づいて、放電装置6の誘電体33などの表面の汚れ(粉塵などの堆積)の程度を判断することができる。ユーザーが目視で判断する場合のように、ユーザーの主観が入り込む余地が無く、その程度を正確に判断することができる。放電装置6の早期の清掃を促すことができる。この表面の汚れが放電の妨げとなり、放電量が低下した状態で放電装置6の駆動を続ける不都合を回避することが可能となる。
【0014】
本発明に係る放電ユニットにおいて、光検出部28が、受光量に応じた電気信号を出力する素子からなる形態によれば、光検出部28を、例えばフォトダイオードやカラーセンサのような、受光量に応じた電気信号を出力する素子で構成すると、これをカメラなどで構成する場合に比べて、光検出部28を安価に構成することができる。
【0015】
本発明に係る放電ユニットにおいて、放電装置6が、一対の電極31・32および誘電体33を含む放電部16と、放電部16が着脱自在に装着されるベース部15とを備えると、放電装置6の放電部16がベース部15に対して着脱自在であると、一対の電極31・32と誘電体33を含むため比較的汚れやすい放電部16を、ベース部15から分離した状態で簡便に清掃することができる。また、放電部16が故障した場合に放電部16のみを交換することができ、ベース部15を含む放電装置6の全体を交換する場合に比べて経済的である。
【0016】
本発明に係る放電ユニットにおいて、光検出部28の検出値が所定の正常範囲から外れた場合に放電装置6の両電極31・32に印加される電圧が、該検出値が正常範囲内の場合に両電極31・32に印加される電圧よりも高く設定されていると、光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きい場合に、放電装置6の両電極31・32に印加する電圧を高く設定すると、当該汚れに起因する放電量の低下を抑制して、汚れが少ない場合(光検出部28の検出値が正常範囲内の場合)に近い放電量を維持することができる。
【0017】
本発明に係る放電ユニットにおいて、光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合に放電装置6を停止させると、光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きい場合に、放電装置6を停止させることができる。汚れにより放電量が不十分となるおそれがある状況下で放電装置6の駆動を続けるよりも、これを停止させることで、無駄な電力の消費を避けることができる。
【0018】
本発明に係る放電ユニットにおいて、光検出部28の検出値が第1の正常範囲から外れて第2の正常範囲のみに属するようになると、放電装置6の両電極31・32に印加する電圧を上昇させ、該検出値が第2の正常範囲からも外れると放電装置6を停止させると、光検出部28の検出値が第1の正常範囲から外れて第2の正常範囲のみに属するようになった場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きくなった場合に、放電装置6の両電極31・32に印加する電圧を上昇させると、当該汚れに起因する放電量の低下を抑制して、汚れが少ない場合(光検出部28の検出値が第1の正常範囲内の場合)に近い放電量を維持することができる。また、光検出部28の検出値が第2の正常範囲からも外れた場合、すなわち、両電極31・32に印加する電圧の上昇によっても放電量の低下を抑制できないほど放電装置6の表面の汚れの程度が大きくなった場合に、放電装置6を停止させると、無駄な電力の消費を避けることができる。
【0019】
本発明に係る放電ユニットにおいて、誘電体33の表面側の第1電極31を棒状に形成すると、誘電体33の表面のうち第1電極31で覆われる部分を小さくして、誘電体33の表面の大部分を光検出部28に臨ませることができる。誘電体33の裏面側の第2電極32を平面状に形成すると、誘電体33の表面の広範囲で放電とそれに伴う発光を生じさせることができる。上記のように第1電極31を棒状に形成したことと相俟って、光検出部28による発光の検出をさらに容易にすることができる。また、第1電極31が棒状に形成され、第2電極32が平面状に形成されていると、例えば、両電極31・32の支持構造の設計公差などにより、両電極31・32の相対位置にズレが生じたとしても、両電極31・32間の放電を問題無く発生させることができる。したがって、より安定的に放電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る放電装置の要部の縦断正面図である。
図2】同放電装置を搭載するオゾナイザーを模式的に示す縦断正面図である。
図3】オゾナイザーの制御系を示すブロック図である。
図4】同放電装置の斜視図である。
図5】同放電装置の分解斜視図である。
図6】同放電装置を構成する放電部とベース部の斜視図である。
図7】同放電装置の縦断正面図である。
図8図7におけるB-B線断面図である。
図9】放電部の構成部材の縦断側面図である。
図10図7におけるA-A線断面図である。
図11】分離された放電部とベース部の図7におけるA-A線断面図である。
図12図7におけるC-C線断面図である。
図13】分離された放電部とベース部の図7におけるC-C線断面図である。
図14】ベース部と裏返した放電部の平面図である。
図15】放電部を構成する電極対の平面図である。
図16】光検出部の検出値に基づく放電装置と報知手段の動作を説明するタイムチャートである。
図17】第2実施形態に係る放電装置の縦断正面図である。
図18図17におけるD-D線断面図である。
図19】同放電装置の放電部を構成する電極対の平面図である。
図20】第3実施形態に係る放電装置の平面図である。
図21】第4実施形態に係る放電装置の要部の縦断側面図である。
図22】第5実施形態に係る放電装置の斜視図である。
図23】同放電装置の要部の縦断正面図である。
図24】第6実施形態に係る放電装置を模式的に示す正面図である。
図25】本発明の第7実施形態に係るオゾナイザーの内部構造を示す縦断正面図である。
図26】第8実施形態に係る放電装置の要部の側面図である。
図27】第9実施形態に係る放電装置の要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態) 本発明に係る放電ユニットと空気浄化装置を卓上用のオゾナイザー(オゾン発生装置)に適用した第1実施形態を図1ないし図16に示す。オゾナイザーにおいて放電装置は、空気中で放電してオゾンを発生させる役割を担う。本実施形態における前後、左右、上下とは、図2および図4に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。第2実施形態以降においても同様とする。
【0022】
図2に示すように、オゾナイザー(空気浄化装置)1の基体となるケーシング2は、その過半部を占める主ケース3と、主ケース3の上面に着脱自在に接合される副ケース4とからなり、両ケース3・4を接合することによりケーシング2内に略L字状の風路5が形成される。風路5内には、放電によりオゾンを発生させる放電装置6と、発生したオゾンを風路5から放出するための送風ファン7などが設けられる。風路5の吸込口8は主ケース3の右側壁に設けられており、この吸込口8に面して送風ファン7が配置されている。副ケース4の上壁左部は、右から左へ下り傾斜する傾斜面になっており、この傾斜面に風路5の吹出口9が設けられている。送風ファン7は、吸込口8から吹出口9へ向かう左向きの気流Fを風路5内に形成して、オゾンを含む空気を吹出口9から放出する。
【0023】
風路5は、吸込口8(上流側)から吹出口9(下流側)へ向かって、主ケース3のみで形成される上流部11と、両ケース3・4を上下に接合して形成される中流部12と、副ケース4のみで形成される下流部13とに区分されている。送風ファン7は駆動源であるファンモーター14とともに上流部11に配置され、放電装置6は中流部12に配置されている。風路5は上流部11から中流部12にかけて絞られており、換言すれば、中流部12は上流部11よりも狭く形成されており、そのため中流部12では上流部11よりも風速が高くなる。放電装置6は、下側のベース部15と上側の放電部16からなり、ベース部15は中流部12の下半部すなわち主ケース3に固定され、放電部16はベース部15に着脱自在に装着されている。ベース部15には、放電部16の装着の有無を検出する装着検出部17(図3参照)が設けられている。放電装置6の詳細については後述する。
【0024】
中流部12の下半部が主ケース3で区画されるのに対し、上半部は副ケース4で区画されている。そのため、主ケース3から副ケース4を分離すると、放電装置6の上面を露出させて、放電装置6のメンテナンスを行うことができる。具体的には、例えば、放電部16をベース部15から分離したうえで、放電部16の表面を清掃することができる。主ケース3における副ケース4との接合面には、副ケース4の接合の有無を機械的に検出する安全スイッチ18が設けられている。
【0025】
主ケース3は、オゾナイザー1の全体を制御する制御部21と、昇圧回路(トランス)22とを内蔵する。また主ケース3は、電源コードを介して商用電源などの電源部23(図3参照)に接続されており、主ケース3の表面(左面)には電源投入用の電源スイッチ24が設けられている。昇圧回路22は、電源部23から供給される例えば100Vの交流電圧を数kVに昇圧し、その高電圧を放電装置6に印加する。また主ケース3には、電源部23から供給される交流電圧を所定値(例えば5V、12V、24Vなど)の直流電圧に変換する不図示のスイッチング電源が内蔵されている。この直流電圧は制御部21のICやファンモーター14の駆動源となる。昇圧回路22は、スイッチング電源から出力される直流電圧を昇圧して放電装置6に印加するものであってもよい。電源部23は直流電圧を出力する電源アダプターであってもよく、その場合も昇圧回路22は直流電圧を昇圧して放電装置6に印加する。
【0026】
電源スイッチ24がユーザーによりオン操作されると、制御部21はまず装着検出部17および安全スイッチ18の出力に基づき放電部16と副ケース4の有無を確認する。放電部16がベース部15に装着されていること、および、副ケース4が主ケース3に接合されていることを確認すると、制御部21は電源部23からファンモーター14と昇圧回路22への通電を開始する。ファンモーター14と昇圧回路22に電力が供給されると、送風ファン7と放電装置6が駆動する。これにより、風路5内を吸込口8から吹出口9へ向かう気流Fが形成されて、放電装置6の周囲で発生したオゾンを含む空気が吹出口9から吹き出される。副ケース4または放電部16の分離が確認されると、制御部21は昇圧回路22などへの通電を直ちに中断するようになっており、これによれば、昇圧回路22から高電圧が印加されている状態の電極31・32(後述)や端子85・86(後述)などにユーザーが触れてしまう感電事故を確実に防止することができる。
【0027】
なお、ファンモーター14と昇圧回路22への通電を開始するとき、制御部21はランプからなる報知手段27を例えば緑色に点灯させて、オゾナイザー1が駆動中であることをユーザーに知らせるようにしてもよい。また、放電部16と副ケース4の存在を確認できない場合は、報知手段27を例えば赤色に点灯させて、そのことをユーザーに知らせるようにしてもよい。
【0028】
風路5における放電装置6の近傍には、放電部16が放電時に発する青色光を検出する光検出部28が設けられている。光検出部28の具体例としては、フォトダイオードを利用したカラーセンサやカメラなどを挙げることができる。制御部21は、光検出部28が検出する青色光の光量に基づいて、放電部16の汚れ(粉塵などの堆積)の程度を判定することができる。
【0029】
光検出部28の検出値(青色光の光量)が所定値未満、すなわち汚れの程度が大きいと判定した場合、制御部21は報知手段27を作動、例えば黄色に点灯させて、ユーザーに放電装置6の早期の清掃を促すことができる。それと同時に、放電装置6に印加する電圧を上昇させてもよく、これによれば、放電部16の汚れ(粉塵などの堆積)に起因するオゾンの発生量の低下を抑制して、汚れが無い場合に近い量のオゾンを発生させることができる。具体的には、例えば、変圧比が異なる複数の昇圧回路22をオゾナイザー1や放電装置6に搭載しておき、使用する昇圧回路22を切り替えることにより、放電装置6に印加する電圧を上昇させることができる。あるいは、昇圧回路22を構成するスイッチング素子のデューティー比を制御して、放電装置6に印加する電圧を上昇させることができる。また、放電装置6の電圧を上昇させるのに代えて、放電装置6(昇圧回路22)やファンモーター14への通電を停止してもよい。オゾンの発生量が不十分となるおそれがある状況下で放電装置6等の駆動を続けるよりも、これを停止させることで、無駄な電力の消費を避けることができる。
【0030】
図4に示すように放電装置6は、風路5内に固定されるベース部15と、ベース部15の上側に着脱自在に装着される放電部16とで構成される。ベース部15に対して放電部16が着脱自在であると、比較的汚れやすい放電部16をベース部15から分離した状態で簡便に清掃することができる。また、放電部16が故障した場合に放電部16のみを交換することができ、ベース部15を含む放電装置6の全体を交換する場合に比べて修理コストを削減することができる。放電装置6あるいはオゾナイザー1の製造ラインにおいて作業者が放電部16をベース部15に簡便に装着できる利点もある。放電部16の全体は、垂直軸のまわりに回転対称、厳密には2回対称に形成されている。すなわち、図4に示す放電部16の向きを第1姿勢と定義し、この第1姿勢から放電部16を垂直軸のまわりに180°回転させた状態を第2姿勢と定義するとき、放電部16を第1姿勢と第2姿勢のどちらでもベース部15に対して適正に装着することができる。
【0031】
放電部16は、上下に対向する第1電極31および第2電極32と、両電極31・32の間に介在する誘電体33と、これらを支持する放電ケース34などで構成される。上側の第1電極31は、左右に真っ直ぐに伸びる丸棒状に形成されて、誘電体33の上面に当接している。下側の第2電極32は、スパッタリングなどの成膜法によって誘電体33の下面に形成されたフィルムで構成されている。各電極31・32は、銀や銅、ステンレスなどの任意の金属や合金で形成することができる。本実施形態では、第1電極31と第2電極32を耐食性に優れるチタンで形成した。また、丸棒状の第1電極31の直径を1mm、フィルム状の第2電極32の厚みを50~150nmとした。第2電極32を薄いフィルムとすることにより、放電部16を上下寸法が小さいコンパクトなものとすることができる。
【0032】
誘電体33は、ガラスなどの絶縁体を素材として、左右に長い水平な矩形板状に形成されている。絶縁性のガラスの具体例としては、ホウケイ酸ガラスや石英ガラスを挙げることができる。本実施形態では誘電体33の厚みを0.7mmとした。放電ケース34は絶縁性のプラスチックで形成されており、その上面には第1電極31および誘電体33を上方へ露出させる矩形状の放電開口35が形成されている。
【0033】
図5に示すように放電ケース34は、上下に開口を有する矩形枠状の外ケース37と、下向きに開口する矩形皿状の内ケース38とで構成されており、外ケース37の内側に下方から内ケース38が嵌め込まれている。外ケース37の上側の開口が先の放電開口35として機能し、同ケース37の下側の開口は内ケース38で塞がれる。両ケース37・38の前後壁のそれぞれには、突起39と凹部40からなる係合構造が設けられている(図12参照)。本実施形態では内ケース38の前後壁の外面に突起39を設け、外ケース37の前後壁の内面に凹部40を設けたが、もちろんこの配置は逆であってもよい。係合構造を両ケース37・38の左右壁に設けることもできる。
【0034】
図6に示すように、ベース部15の基体となるベースケース42は、放電ケース34の外ケース37および内ケース38と同様に絶縁性のプラスチック成形品からなり、相対的に小形の上段部43と大形の下段部44を一体に備える矩形かつ段付きの御立ち台状に形成されている。ベースケース42の下段部44は、複数個のビス45で主ケース3に固定される。内ケース38の内部には、上段部43を受け入れて前後および左右から取り囲む下向きの装着凹部46が設けられている。この装着凹部46の底面中央には、下向きの係合凸部47が突出形成されており、これに対応して上段部43の天面中央には、係合凸部47を受け入れる上向きの係合凹部48が凹み形成されている。係合凸部47は横断面が長方形の扁平な突起からなり、係合凹部48は係合凸部47より僅かに大きい長方形状の扁平な凹部で構成されている。
【0035】
放電部16を上方からベース部15に装着すると、図7および図8に示すように、ベースケース42の上段部43が放電ケース34の内ケース38に下方から内嵌して装着凹部46に係合するとともに、係合凸部47が係合凹部48に係合する。これらの係合により、ベース部15に対する放電部16の水平方向のズレ動きと垂直軸まわりの回転とが規制される。なお、係合凸部47と係合凹部48の平面形状は長方形に限られず、例えばその他の多角形や長円形などの非円形状であれば、係合凸部47の周囲を係合凹部48の壁面で隙間無く囲んで、放電部16のズレ動きと回転を規制することができる。なお、複数組の係合凸部47と係合凹部48を設けることもでき、この場合は両者47・48の平面形状にかかわらず、放電部16のズレ動きと回転を規制することができる。
【0036】
放電部16の装着状態においては、内ケース38と上段部43の水平な天壁どうしが上下に対向する。以下では内ケース38の天壁のうち上段部43に対向する部分(左右両端部を除く部分)を上対向壁51と呼称し、上段部43の天壁を下対向壁52と呼称する。これら対向壁51・52には、放電部16がベース部15から上方へ意図せず分離するのを規制して、放電部16を装着状態に保持するための装着保持手段が設けられる。この装着保持手段は、内ケース38の上対向壁51に取り付けられた直方体状の磁石53と、上段部43の下対向壁52に取り付けられた矩形板状の磁性体54とで構成される。
【0037】
具体的には、上対向壁51の上面中央には、上向きに開口して磁石53を収容する上収容凹部55が形成されており、下対向壁52の下面中央には、下向きに開口して磁性体54を収容する下収容凹部56が形成されている。上収容凹部55に収容された磁石53の上面は、上対向壁51の上面と略面一になっている。磁性体54の下面には、磁気センサーからなる先述の装着検出部17が固定されており、装着検出部17は磁性体54とともに下収容凹部56に収容されている。
【0038】
装着保持手段を構成する磁石53は、上対向壁51を挟んで係合凸部47の裏側(上側)に配置されており、また磁性体54は、下対向壁52を挟んで係合凹部48の裏側(下側)に配置されている。そのため、係合凸部47を係合凹部48に係合させたときに、磁石53は磁性体54に近接する真上に位置することになり、磁性体54が磁石53に確実に吸着される。この吸着力により、放電部16のベース部15からの意図しない上方への分離を規制することができる。磁性体54の下側に位置する装着検出部17は、磁石53が発する磁界を検出すると、制御部21へ信号を出力する。制御部21は当該信号を受信することにより、放電部16がベース部15に装着されていると判断することができる。磁性体54をベースケース42の上段部43に配置すると、これを下段部44に配置する場合に比べて、放電装置6が外力を受けたときの衝撃が磁性体54まで届き難くなり、放電部16がベース部15から外れ難くなる。
【0039】
上収容凹部55に収容された磁石53は、上収容凹部55の壁面に前後左右の四方を囲まれることにより、水平方向のズレ動きと垂直軸まわりの回転とを規制されている。同様に、下収容凹部56に収容された磁性体54も、下収容凹部56の壁面に前後左右の四方を囲まれることにより、水平方向のズレ動きと垂直軸まわりの回転とを規制されている。なお、磁石53と磁性体54の平面形状は長方形に限られず、例えばその他の多角形や長円形などの非円形状であれば、その周囲を収容凹部55・56の壁面で囲んで、磁石53と磁性体54のズレ動きや回転を規制することができる。また、本実施形態とは逆に、放電部16に磁性体を配し、ベース部15に磁石を配してもよく、放電部16とベース部15の両方に磁石を配してもよい。ただし、放電部16の側に磁石53を配すると、ベース部15から分離した放電部16をステンレス製のシンクなどに吸着保持させることができ、放電部16を水洗後に乾燥させる際などに便利である。
【0040】
内ケース38の上対向壁51(および磁石53)の上面には、両面テープからなるクッション材58を介して第2電極32と誘電体33が接着固定されている。クッション材58は誘電体33よりも一回り大きい矩形シート状に形成されており、第2電極32は誘電体33とクッション材58によって上下から挟持される。クッション材58の周縁部は弾性変形して誘電体33に密着している。図8に示すように、外ケース37の前後壁の上端部は、棒状の第1電極31に向かって内方へ張り出しており、この張り出し部の下面には、誘電体33の前後縁を受ける上側の内受部59と、クッション材58の前後縁を受ける下側の外受部60とが階段状に形成されている。
【0041】
誘電体33は、外ケース37(内受部59)と内ケース38(上対向壁51)とにより上下から挟持される。誘電体33と内ケース38の間に位置するクッション材58は、上から誘電体33と外受部60、下から内ケース38に押されることで弾性変形して、誘電体33の厚み寸法などの設計公差を吸収する。なお誘電体33は、外ケース37の内受部59と外受部60の間の垂直壁により前後方向に位置決めされる。また図5に示すように、外ケース37の上部には、放電開口35の左右縁を構成する左右一対の上壁61が設けられており、両壁61・61の互いに対向する端面により、誘電体33は左右方向に位置決めされる。
【0042】
棒状の第1電極31は、放電ケース34に設けられた左右一対の電極支持構造64で支持される。電極支持構造64は、外ケース37における放電開口35の左右両側に設けられる上支持部65と、内ケース38の天壁の左右両端部(上対向壁51の左右両側)から突出する下支持部66とで構成される。上支持部65は、外ケース37の各上壁61の前後中央に、左右に伸びるトンネル状に膨出形成されている。上支持部65の内面には、第1電極31の上半部を受ける上半円状の受溝67が凹み形成されており、各受溝67の左右中途部には、後述する第1通電体87の電極接続部90を受け入れる逃げ凹部68が形成されている(図7参照)。各受溝67の左右両端部のうち外側(第1電極31の先端側)が、下支持部66の突端面に凹み形成された下半円状の受部69(図9参照)の真上に位置し、両者67・69が協同して第1電極31を上下から挟持する。外ケース37の左右壁の内面には、受溝67に連続して下向きに伸びる導入溝70(図9参照)が凹み形成されている。放電部16の組み立ての際は、この導入溝70に沿って第1電極31を上方へスライドさせて、これを受溝67に受け止められる位置まで移動させることができる。
【0043】
本実施形態の電極支持構造64は、第1電極31の周面にそれぞれ密着する上支持部65(受溝67)と下支持部66(受部69)で構成されて、第1電極31の上下動と前後動を規制しているが、このことは必須ではなく、電極支持構造64は第1電極31の多少の遊動を許容するものであってもよい。例えば、受溝67と受部69で囲まれる孔を上下方向の長円形とし、その長さの範囲内で第1電極31の上下動を許容することができる。要は、電極支持構造64は、第1電極31を支持するという最低限の機能を有していればよい。また電極支持構造64は、第1電極31の一端部のみに配置されて、これを片持ち支持するものであってもよい。これによれば、左右一方の電極支持構造64を省略して、その分だけ放電ケース34の構造を簡素化して、放電装置6のコストダウンに寄与することができる。この場合の第1電極31は、直棒状、ジグザグ状、クランク状、蛇行状、渦巻状などに形成することができる。
【0044】
第1電極31と誘電体33と第2電極32の組を電極ユニット71(図8参照)と定義するとき、電極ユニット71は放電ケース34内でクッション材58と共に、外ケース37と内ケース38により上下から挟持される。具体的には、電極ユニット71の上部を構成する第1電極31が、外ケース37の上支持部65により上方から支持され、電極ユニット71の下部を構成する第2電極32と誘電体33が、クッション材58を介して内ケース38の上対向壁51により下方から支持される。
【0045】
なお、第1電極31が誘電体33の上面に当接することは必須ではなく、両者31・33は僅かな隙間を介して上下に正対していてもよい。具体的には、例えば、第1電極31から下方へ離れた位置で誘電体33(および第2電極32)を支持する支持構造を、電極支持構造64とは別に設けることができる。あるいは、第1電極31と誘電体33の間にスペーサーやブッシュを介在させることができる。この場合、後述する第1通電体87で第1電極31を下向きに付勢して、スペーサー等に押し付けるようにしてもよい。
【0046】
放電装置6の駆動すなわち放電に伴って、放電部16の上面、特に第1電極31や誘電体33の表面には、硝酸塩を主成分とする白い粉塵が堆積することがある。オゾン生成時には、空気中の窒素と酸素と水分が反応して硝酸が生じることがあり、これが硝酸塩すなわち粉塵の堆積の原因となる。この粉塵は放電の障害となるため定期的に除去することが望ましい。第1電極31と誘電体33の表面は、ポリテトラフルオロエチレンやフッ素樹脂などでコーティングすなわち撥水処理されており、そのため水洗いにより粉塵を容易に除去することができる。また、水を使えない場所では、清掃ブラシで粉塵を掃き出すことができる。
【0047】
清掃ブラシの移動方向は、第1電極31の伸び方向に一致する左右方向とすることが望ましく、これにより、清掃ブラシの毛先を第1電極31の一端から他端へ向かって移動させて、第1電極31と誘電体33の表面を同時に清掃することができる。図4に示すように、清掃ブラシの毛先を誘電体33の表面へスムーズに導入し、また、該表面の粉塵を捕捉した毛先をスムーズに導出するため、放電ケース34の外ケース37の上面には、誘電体33(放電開口35)の左右両側に隣接する上向きの溝部73が設けられている。誘電体33の上面と溝部73の底面とは面一になっている(図1参照)。そのため、粉塵が誘電体33と溝部73の間に引っ掛かるのを回避して、これを残さず容易に掃き出すことができる。
【0048】
また、放電ケース34の外ケース37の上面には、誘電体33(放電開口35)を間にして、第1電極31と平行に伸びる一対の突条74が突設されている。各突条74の左右中央部の誘電体33に臨む側面は中央ガイド面75を構成し、中央ガイド面75の左右両側に連続する側面は、溝部73を区画する端部ガイド面76を構成する。本実施形態における溝部73は、突条74(端部ガイド面76)と上壁61と上支持部65により区画されており、左右の各上支持部65の前後両側に溝部73が形成されている。
【0049】
各突条74の中央ガイド面75は、清掃ブラシの毛先を左右方向に案内するとともに、該毛先を誘電体33の表面に留めて、該表面の的確な清掃に寄与する。左右の各端部ガイド面76は、中央ガイド面75に滑らかに連続している。これらガイド面75・76によれば、清掃ブラシの毛先を一方の溝部73から誘電体33の表面へスムーズに導入し、該表面から他方の溝部73へスムーズに導出することができる。ユーザーは、例えば左側の溝部73から清掃ブラシを導入し、同ブラシを右方へ真っ直ぐ移動させて粉塵を捕捉し、これを右側の溝部73から掃き出すことができる。この作業を第1電極31の前側と後側のそれぞれで行うと、粉塵の除去すなわち清掃が完了する。
【0050】
以上の清掃作業は、放電部16をベース部15から分離した状態で行われる。これを取り外す際は左右の上支持部65が摘みとして機能する。これら上支持部65が摘みであることをユーザーに示すため、放電ケース34(外ケース37)の左右外側面の前後中央には、突起からなる目印79が設けられている。これによりユーザーは、目印79の直上にある上支持部65が摘みであると認識することができ、例えば一方の上支持部65に親指を、他方の上支持部65に人差し指を宛てがい、放電部16を左右両側から2本の指で摘んで引き上げることにより、これをベース部15から分離することができる。本実施形態に係る放電部16(放電ケース34)の左右寸法は約45mm、前後寸法は約16mmである。
【0051】
第1電極31よりも上方へ大きく突出する上支持部65を摘みとして用いると、ユーザーが第1電極31や誘電体33に触れてこれらに皮脂などが付着することをよく防止できる。上支持部65が摘みであることを目印79で示すと、ユーザーが上支持部65以外の部分、例えば放電ケース34の前後壁を摘み、誤って第1電極31や誘電体33に触れてしまうことをよく防止できる。目印79は放電ケース34に印刷されたマークなどであってもよいが、これを突起とすることで、目印79を滑り止めとしても機能させて、ユーザーに放電ケース34を確りと保持させることができる。
【0052】
また、第1電極31に上方から被さるトンネル状の上支持部65は、第1電極31よりも上方へ大きく突出しているため、放電部16が上下反転して落下した際に床面などに先当たりして、第1電極31に直接の衝撃が及ぶのを防止することができる。つまり上支持部65は、第1電極31を落下衝撃から保護する第1保護部81を兼ねている。また、外ケース37の前後に設けた一対の突条74も、第1保護部81(上支持部65)に比べると突出寸法は小さいものの、第1電極31よりは上方へ突出しており(図1参照)、第1保護部81と同様に床面などに先当たりすることができる。つまり突条74は、第1電極31を落下衝撃から保護する第2保護部82を構成する。
【0053】
図2に示すように、風路5において送風ファン7は、放電装置6の上面を右から左へ横切る気流Fを形成する。この気流Fは、放電装置6で発生したオゾンを吹出口9へ向けて運ぶだけでなく、第1電極31や誘電体33の表面に付着した粉塵を吹き飛ばして除去すること、すなわち粉塵の堆積を防止することにも寄与する。上述のように風路5は上流部11から中流部12にかけて絞られており、放電装置6が配置される中流部12では、上流部11よりも風速が高くなっている。そのため、気流Fによる粉塵の除去作用すなわち堆積防止作用が効果的に発揮される。
【0054】
図4に示すように、放電ケース34の外ケース37の左右側壁と溝部73の底面とは、外凸状に湾曲するR状の集風面83を介して連続している。この集風面83によれば、外ケース37の側壁に向かって直進する気流Fの一部を溝部73へ案内して、溝部73とその下流側の誘電体33の上面における風速を高めることができる。また、外ケース37の上面から突出する上支持部65(第1保護部81)は、放電装置6の周囲における気流Fの方向に長く、しかも、該気流Fの上流側へ向かって窄まる流線形状に形成されている。この上支持部65で気流Fを受け流すことによっても、上支持部65の前後の溝部73とその下流側の誘電体33の上面における風速を高めることができる。
【0055】
次に、各電極31・32への通電構造について説明する。図7に示すようにベース部15には、昇圧回路22から数kVの交流電圧を供給される第1端子85と第2端子86が設けられており、第1電極31は第1通電体87を介して第1端子85に、第2電極32は第2通電体88を介して第2端子86に、それぞれ電気的に接続される。つまり昇圧回路22は、端子85・86および通電体87・88を介して、第1電極31と第2電極32に高い交流電圧を印加する。端子85・86および通電体87・88は、金メッキを施したステンレスなどの金属で形成される。
【0056】
図10に示すように第1通電体87は、1本の導線(金属線)を曲げて成形されており、第1電極31の側すなわち上側から順に、電極接続部90と巻締部91と端子接続部92を一体に備える。電極接続部90は、左右方向を軸心方向とするコイル状に形成されて、第1電極31の周面に密着するように巻き付けられている(図7参照)。巻締部91は、側面視で垂直部分と水平部分を有するL字状に形成されて、該垂直部分に連続する電極接続部90の一端を下向きに付勢する。電極接続部90の一端を巻締部91で下方へ引っ張ることにより、第1電極31の周面に対する電極接続部90の密着性を高めることができる。このように巻締部91がばね性を発揮するのは、巻締部91の水平部分が外ケース37の上壁61の下面すなわち座部94で受け止められているためである。
【0057】
第1電極31の断面形状は正円に限られず、これ以外の例えば楕円、長円、正多角形、ひし形、十字形、D字形などであってもよい。これらの場合、電極接続部90は第1電極31に対応して、その周面に密着(線接触)が可能な形状に形成される。電極接続部90が巻き付けられる第1電極31の端部のみにDカット等を施して、上記各種の非円形断面とすることもできる。第1電極31の非円形断面部分の周面に電極接続部90を密着(線接触)させると、第1電極31の中心軸まわりの回転を電極接続部90で規制することができる。また第1電極31は、中空の丸パイプ状や角パイプ状に形成されていてもよい。
【0058】
巻締部91の下側に連続する端子接続部92は、上下方向を軸心方向とする圧縮コイルばね状に形成されている。図10に示す放電部16の装着状態においては、端子接続部92の下端が第1端子85の上面に弾性的に密着して、第1通電体87が第1端子85に電気的に接続される。このときの端子接続部92は上下方向に圧縮されており、その上端は巻締部91の水平部分と同様に座部94で受け止められている。端子接続部92の下端すなわち第1接点95は円環状に形成されており、第1端子85の上面には第1接点95に内嵌するばね受部96が突出形成されている。ばね受部96が第1接点95の内側に侵入して係合することにより、第1端子85に対する端子接続部92のズレ動きが規制されて、両者85・92の電気的接続がより安定化する。
【0059】
以上の電極接続部90と巻締部91と端子接続部92を一体に備える第1通電体87によれば、部品点数を少なくして製造時の組立の手間やコストを削減することができる。圧縮状態の端子接続部92が第1端子85に弾性的に密着する形態によれば、両者85・92の電気的接続が安定かつ確実なものとなり、加えて、放電ケース34(外ケース37)とベースケース42などの上下寸法の設計公差を吸収することができる。また端子接続部92は、巻締部91の水平部分を介して、その垂直部分から水平方向(前後方向)に離間している。これによれば、巻締部91の垂直部分から電極接続部90に作用する下向きの付勢力が、端子接続部92の反発力で打ち消されることを防止して、当該付勢力で電極接続部90を第1電極31の周面によく密着させることができる。
【0060】
外ケース37の上壁61の下面には、座部94を囲むように、第1通電体87の端子接続部92用の収納穴98を区画する略円筒状の収納ボス99が下向きに突設される。端子接続部92の上半部が収納穴98に収納されており、このように端子接続部92の上半部の周囲を収納ボス99で取り囲むことにより、該上半部を外力から保護して変形などの破損を防止することができる。収納ボス99の周壁の一部には、巻締部91の水平部分の挿通を許す縦溝が形成されている。
【0061】
内ケース38の天壁には、収納ボス99および端子接続部92の挿通を許す挿通孔100が設けられている。挿通孔100の周面は、収納ボス99の突端部(下端部)の外周面に近接してこれを取り囲んでいる。つまり挿通孔100は、収納ボス99の突端部を外力から保護して変形などの破損を防止することができる。ベースケース42の下段部44の上面には、放電部16の装着時に収納ボス99に対向する端子台101が突設されている。端子台101は上向きに開口する四角筒状に形成されており、その内部に第1端子85のばね受部96が配置されている。
【0062】
図11に示すように、ベース部15から放電部16を分離すると、第1通電体87は放電部16と一体に移動し、端子接続部92は第1端子85から分離することで、圧縮状態から自然長L1に復帰する。この自然長L1に対して、収納穴98の深さ(収納ボス99の高さ)D1は、不等式(L1/2<D1<L1)を満たす寸法に設定される。収納穴98の深さD1が端子接続部92の自然長L1の2分の1より大きい、つまり端子接続部92の上側の過半部が収納穴98に収納されていると、比較的座屈しやすい端子接続部92の上下中央部を収納ボス99で取り囲んで、その座屈を的確に防止することができる。また、端子接続部92は収納穴98の深さD1を超えて(深さD1より短くなるように)縮むことは無いため、この深さD1を端子接続部92の自然長L1の2分の1より大きく設定することで、放電部16の装着時に端子接続部92が過剰に圧縮されないようにして、端子接続部92の劣化を抑えて第1通電体87の寿命を伸ばすことができる。自然長L1における端子接続部92の下端は、放電ケース34の下端よりも上方に位置しており、これによれば、ベース部15から分離した放電部16を卓上などに置いたときに、端子接続部92が卓上に触れない、つまり圧縮されないようにして、端子接続部92の劣化を抑えて寿命を伸ばすことができる。
【0063】
図12および図13に示すように、第2端子86から第2電極32への通電は、前後一対の第2通電体88を介して行われる。各第2通電体88は、1本の導線(金属線)を素材として、上下方向を軸心方向とする圧縮コイルばね状に形成されている。先の第1通電体87が放電部16の第1電極31に連結されて、ベース部15の第1端子85から分離可能であるのに対し、この第2通電体88はベース部15の第2端子86に連結されて、放電部16の第2電極32から分離可能になっている。第2通電体88の下端は第2端子86にかしめ固定されており、これにより第2通電体88は第2端子86により自立状態に支持される。図12に示す放電部16の装着状態においては、各第2通電体88は上下方向に圧縮し、その上端が第2電極32の下面に弾性的に密着する。
【0064】
第2通電体88の上端は円環状に形成されて、第2電極32の下面に線接触しており、これによれば、両者32・88の接触圧を小さくして、第2電極32の摩耗を抑制することができる。また、第2電極32や第2通電体88の表面の一部が経年により酸化したときにも通電不良を生じ難くして、第2電極32に印加される電圧を高いレベルに維持することができる。
【0065】
ベースケース42の下対向壁52には、第2通電体88用の収納穴104を区画する円筒状の収納ボス105・106が、上向きおよび下向きに突設されている。第2通電体88の上端部を除く下側の過半部が収納穴104に収容されており、このように第2通電体88の下側の過半部を収納ボス105・106で取り囲むことにより、該過半部を外力から保護して変形などの破損を防止することができる。下収納ボス106の突端部(下端部)は第2端子86に当接して、第2端子86と第2通電体88の連結(かしめ固定)部分を取り囲んでいる。上収納ボス105の突端部(上端部)は、放電部16をベース部15に装着したときに第2電極32の下面に非接触かつ近接する。またこのとき第2通電体88の上端部は、上収納ボス105の突端すなわち収納穴104の上開口から突出して、第2電極32の下面に密着する。
【0066】
放電部16の内ケース38の上対向壁51およびクッション材58には、上収納ボス105の挿通を許す挿通孔107・108がそれぞれ設けられている。各挿通孔107・108の内周面は、上収納ボス105の外周面に近接してこれを取り囲んでいる。これら挿通孔107・108によれば、第2電極32に対する上収納ボス105の水平方向のズレを防止することができ、これにより第2通電体88を第2電極32の適切な個所へ確実に当接させることができる。また、上収納ボス105の突端部の外周面は、上窄まりのテーパー状に形成されており、その挿通を許す上対向壁51の挿通孔107の下部には、下拡がりテーパー状のガイド面109が形成されている。これらのテーパー面によれば、放電部16をベース部15に装着する際に、上収納ボス105を挿通孔107の内部へ容易に案内することができる。なおガイド面109は、本実施形態のような一定角度の傾斜面以外に、傾きが変化する傾斜面や湾曲面であってもよく、挿通孔107の下端の面取りにより生じるC面やR面であってもよい。
【0067】
図13に示すように、ベース部15から放電部16を分離すると、第2通電体88は第2電極32から分離することで、圧縮状態から自然長L2に復帰する。この自然長L2に対して、収納穴104の深さD2は、不等式(L2/2<D2<L2)を満たす寸法に設定される。収納穴104の深さD2が第2通電体88の自然長L2の2分の1より大きい、つまり第2通電体88の下側の過半部が収納穴104に収納されていると、比較的座屈しやすい第2通電体88の上下中央部を収納穴104で取り囲んで、その座屈を的確に防止することができる。さらに、第2通電体88は収納穴104の深さD2を超えて(深さD2より短くなるように)縮むことは無いため、この深さD2を第2通電体88の自然長L2の2分の1より大きく設定することで、放電部16の装着時に第2通電体88が過剰に圧縮されないようにして、第2通電体88の劣化を抑えて寿命を伸ばすことができる。また、上収納ボス105の高さTは、収納穴104の深さD2の2分の1よりも小さく設定される(T<D2/2)。これによれば、上収納ボス105の下対向壁52からの突出量を小さくして、上収納ボス105が外力を受けたときの変形や破損をよく防止することができる。
【0068】
圧縮状態の第2通電体88が第2電極32に弾性的に密着する形態によれば、両者32・88の電気的接続が安定かつ確実なものとなり、加えて、ベースケース42の上下寸法や誘電体33の上下厚みなどの設計公差を吸収することができる。第2電極32が第2通電体88を受ける面の裏側すなわち上面を、ガラス板からなる誘電体33で支持することにより、第2電極32を補強してその変形などを防止することができる。誘電体33は第2電極32よりも十分に厚いため、第2電極32を確りと補強することができる。第2通電体88から第2電極32を介して誘電体33に作用する上向きの弾性力は、外ケース37の内受部59で確りと受け止められる。
【0069】
一対の第2通電体88で第2電極32と第2端子86を電気的に接続すると、仮に一方の第2通電体88と第2電極32または第2端子86の間で接続不良が発生しても、他方の第2通電体88を介して通電を行えるので、放電装置6の信頼性が向上する。一対の第2通電体88のばね定数は同一であり、これによれば、第2電極32に作用する弾性力を前後どちらかに偏ることなく均一にして、両方の第2通電体88を第2電極32に適切に密着させて、その間の電気的接続を安定化させることができる。また、各第2通電体88から第2電極32に作用する上向きの弾性力は、誘電体33を介して第1電極31にも作用する。この上向きの弾性力と、第1通電体87の巻締部91が電極接続部90の一端を下方へ引っ張る弾性力との相乗効果によって、第1電極31の周面に対する電極接続部90の密着性がより向上する。
【0070】
もちろん、圧縮状態の第2通電体88および第1通電体87の端子接続部92が発揮する上下方向の反発力は、先述の装着保持手段を構成する磁石53と磁性体54の間の吸着力よりは十分に小さく、第2通電体88と端子接続部92の反発力のみによって放電部16がベース部15から分離することは無い。ただし、装着保持手段の吸着力の一部は第2通電体88と端子接続部92の反発力で相殺されるため、ユーザーは放電部16の清掃などの際に、より軽い力でこれをベース部15から分離することができる。
【0071】
図14に示すように、第1端子85(ばね受部96)がベース部15の左右一端部(ここでは左端部)のみに配置されるのに対し、第1通電体87は第1電極31の左右両端部に配置されている。このうち一方の第1通電体87のみが、放電部16の装着時に第1端子85に密着して、第1端子85から第1電極31への通電に寄与する。また、一対の第2通電体88がベース部15の左右一側(ここでは右側)のみに配置されるのに対し、その挿通を許す挿通孔107・108は放電部16の左右両側に配置されている。このうち一方の挿通孔107・108のみが、放電部16の装着時に第2通電体88を挿通させて、第2端子86から第2電極32への通電に寄与する。
【0072】
第1電極31の左右両側に第1通電体87を配置するとともに、放電部16の左右両側に挿通孔107・108を配置したのは、先述のように放電部16が垂直軸のまわりに2回対称であることに起因する。放電部16を第1姿勢でベース部15に装着したときは、左側の第1通電体87と右側の挿通孔107・108がその機能を発揮し、放電部16を第2姿勢で装着したときは、右側の第1通電体87と左側の挿通孔107・108がその機能を発揮する。つまり、2回対称の放電部16を第1姿勢と第2姿勢のどちらでベース部15に装着しても、各電極31・32と各端子85・86が通電体87・88を介して電気的に接続されるようになっており、これによれば、ユーザーが放電部16の装着時にその向きを気にする必要が無いユーザーフレンドリーな放電装置6とすることができる。
【0073】
なお、ベースケース42の平面視における第1端子85(ばね受部96)の対角位置には、端子台101の類は設けられていない。そのため、一方の第1通電体87の端子接続部92が第1端子85に密着するとき、他方の第1通電体87の端子接続部92は、自然長に伸びた状態でベースケース42の下段部44の上面に臨む。つまり、端子接続部92が圧縮されないようにして、その劣化を抑えて寿命を伸ばすことができる。また、放電部16の第1姿勢と第2姿勢とでは、第2電極32が第2通電体88に密着される個所が異なる。これによれば、第2電極32の摩耗を抑えてその寿命を伸ばすことができる。
【0074】
第1通電体87を受ける第1端子85のばね受部96がベースケース42の下段部44に配置されているのに対し、第2端子86から伸びる第2通電体88は同ケース42の上段部43に配置されている。つまり、一対の端子85・86と通電体87・88はベースケース42の上下段部43・44に分かれて配置されている。
【0075】
図15に示すように第2電極32は、誘電体33よりも一回り小さい左右横長の矩形状に形成されており、その前後中央すなわち第1電極31の真下には、非通電領域としての空隙110が設けられている。この空隙110は、第1電極31と平行すなわち左右方向に伸びる帯状に形成されている。第2電極32は、空隙110を境に前側の第1領域111と後側の第2領域112とに区分されており、両領域111・112は左右3個所の架橋部113のみを介して連続している。架橋部113は、空隙110の長手方向中央部および両端部を横切るように配置されている。各架橋部113は第1領域111および第2領域112と同時に形成(成膜)されるが、これら領域111・112とは別体で形成してもよい。
【0076】
第1電極31と第2電極32に高い交流電圧が印加されると、第2電極32を覆う誘電体33の表面(上面)と第1電極31との間で無声放電(誘電体バリア放電)が生じ、その周囲の空気に含まれる酸素の一部がオゾンに変化する。この無声放電を広範囲で行わせてオゾンの発生量を増やすため、第2電極32の前後中央すなわち第1電極31の真下に空隙110が設けられている。この空隙110があることで、誘電体33の表面の電荷が第1電極31の真下よりもその前後(第1領域111および第2領域112の上方)に多く集まるようになり、その結果、誘電体33の表面の広範囲で放電が発生する。加えて空隙110によれば、放電の障害となる白い粉塵(硝酸塩)が堆積しやすい第1電極31の真下において、放電が集中するのを避けることができる。粉塵の堆積が比較的少ない第1電極31の前後で放電を発生させると、比較的長期にわたって放電量が維持されるようになり、その結果、ユーザーに放電部16の清掃を促す機会を減らすことができる。
【0077】
第1電極31の前後方向の幅W1が、その直径に一致する1mmであるのに対し、空隙110の同方向の幅W2は2mmに設定されている。空隙110の幅W2を第1電極31の幅W1よりも大きく設定すると、誘電体33の表面で第1電極31の真下に集まる電荷をより少なくして、放電をより広範囲に広げることができる。また図13に示すように、第1電極31の上下方向の高さH1が、その直径に一致する1mmであるのに対し、誘電体33の上下方向の厚さH2は0.7mmに設定されている。誘電体33の厚さH2を第1電極31の高さH1よりも小さく設定すると、第2電極32の前後縁と第1電極31を結ぶ仮想線を垂直から水平に近付けて、誘電体33の表面の電荷の分布をその前後縁に近付けることができ、これにより放電をより広範囲に広げることができる。
【0078】
図15に示すように、第2端子86から伸びる前後一対の第2通電体88のうち、一方は第2電極32の第1領域111に接続され、他方は第2領域112に接続されている。そのため、仮に架橋部113が無く両領域111・112が離れていても、各領域111・112に電圧を供給することは可能であるが、一方の第2通電体88が劣化して第2電極32または第2端子86との間で接続不良が発生した場合は、第2電極32の半分の領域にしか電圧を供給できないという不利が生じてしまう。この不利を避けるため、本実施形態では第1領域111と第2領域112を架橋部113で繋いでおり、これによれば、一方の第2通電体88で接続不良が発生しても、他方の第2通電体88を介して第2電極32の全体に電圧を供給することができる。平面視において第2電極32の全体は誘電体33の周縁の内方に配置されており、これによれば、誘電体33を介さない電極31・32間の放電を確実に防止することができる。
【0079】
棒状の第1電極31を左右に真っ直ぐに配置するのに代えて、これを水平面内で傾斜するように、例えば放電開口35の対角線に沿って配置することができる。これによれば、第1電極31を左右に真っ直ぐに配置する場合に比べて、第1電極31の全長を長くして放電の範囲を広げることができる。この場合の空隙110は、放電開口35の対角線に沿って第1電極31と平行に形成することが望ましい。第1電極31(および空隙110)を屈曲、湾曲あるいは蛇行させたり、2本以上の第1電極31(および空隙110)を設けることもでき、これらによっても放電の範囲を広げることができる。このように放電の範囲を広げると、その分だけオゾンの発生量を増やすことができる。
【0080】
以上のように、本実施形態に係る放電装置6においては、上下一対の電極31・32と誘電体33を放電ケース34に収容し、この放電ケース34の上面に、棒状の第1電極31および誘電体33を上方へ露出させる放電開口35と、放電開口35の両側に隣接する上向きの溝部73とを設けた。これによればユーザーは、一方の溝部73と放電開口35と他方の溝部73の順に清掃ブラシを移動させるだけの簡単な作業で、誘電体33などの表面に堆積した粉塵を掃き出すことができる。さらに本実施形態では、誘電体33の上面と溝部73の底面とを面一としたので、粉塵が誘電体33と溝部73の間に引っ掛かるのを回避して、これを残さず容易に掃き出すことができる。
【0081】
放電開口35と溝部73の隣接方向が第1電極31の伸び方向に一致していると、前述の方向に清掃ブラシを移動させたとき、その毛先を第1電極31の一端から他端へ向かって移動させることができる。つまり、第1電極31の表面を清掃ブラシで的確に、かつ誘電体33と同時に清掃することができる。
【0082】
放電開口35を間にして第1電極31と平行に伸びる一対の突条74が、誘電体33に臨む中央ガイド面75を有していると、前述の方向に清掃ブラシを移動させたとき、その毛先を中央ガイド面75で同方向に案内するとともに、該毛先を誘電体33の表面に留めて、これを的確に清掃することができる。また、中央ガイド面75の両端に連続して、溝部73を区画する端部ガイド面76を設けると、清掃ブラシの毛先を一方の溝部73から誘電体33の表面へスムーズに導入し、該表面から他方の溝部73へスムーズに導出することができる。
【0083】
第1電極31の両端部を支持する電極支持構造64が、第1電極31の少なくとも上面を覆っていると、誤って放電装置6の放電部16が上下反転して落下した際に、電極支持構造64を床面などに先当たりさせて、第1電極31に直接の衝撃が及ぶことを防ぐことができる。また、第1電極31よりも上方へ突出する突条74(第2保護部82)を設けると、誤って放電装置6の放電部16が上下反転して落下した際に、突条74を床面などに先当たりさせて、第1電極31に直接の衝撃が及ぶことを防ぐことができる。
【0084】
棒状の第1電極31と対になる第2電極32を、誘電体33と平行な平面状に形成すると、例えば、両電極31・32の支持構造の設計公差などにより、両電極31・32の相対位置にズレが生じたとしても、両電極31・32間の放電を問題無く発生させることができる。したがって、より安定的に放電を行うことができる。
【0085】
第1電極31と誘電体33が撥水処理されていると、結露などにより生じた水滴が第1電極31あるいは誘電体33の表面ではじかれ易くなる。これにより、第1電極31あるいは誘電体33の表面で水滴が乾燥し、該水滴に含まれる汚れが第1電極31あるいは誘電体33の表面に付着することを抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態に係るオゾナイザー1は、内部に風路5を有するケーシング2と、風路5に気流Fを形成する送風ファン7と、風路5に設けられる上記の放電装置6とを備える。これによれば、放電装置6の周囲に気流Fを形成して、第1電極31や誘電体33の表面における粉塵の堆積を抑制することができる。また、放電装置6の周囲を通過する気流Fの方向を、放電開口35と溝部73の隣接方向すなわち清掃ブラシの最適な移動方向に一致させると、粉塵の堆積をより効果的に抑制することができる。
【0087】
第1電極31の両端部を支持する電極支持構造64が、放電ケース34の上面から突出する上支持部65を含み、この上支持部65の長手方向が、放電装置6の周囲における気流Fの方向に一致していると、当該気流Fを上支持部65で整流することができる。これにより、溝部73と放電開口35を通過する気流Fの直進性を高めて、第1電極31や誘電体33の表面における粉塵の堆積をより効果的に抑制することができる。また上支持部65を、放電装置6の周囲における気流Fの上流側へ向かって窄まる流線形状に形成すると、当該気流Fを上支持部65で受け流して、上支持部65の周囲とその下流側の風速を高めることができる。これにより、第1電極31や誘電体33の表面における粉塵の堆積をより効果的に抑制することができる。
【0088】
放電ケース34の上面に、放電開口35を間にして、放電装置6の周囲における気流Fと平行に伸びる一対の突条74を設けると、当該気流Fを突条74で整流することができる。これにより、溝部73と放電開口35を通過する気流Fの直進性を高めて、第1電極31や誘電体33の表面における粉塵の堆積をより効果的に抑制することができる。
【0089】
放電装置6の周囲における気流Fに正対する放電ケース34の側壁が、外凸状に湾曲するR状の集風面83を介して、溝部73の底面に連続していると、集風面83により当該気流Fの一部を溝部73へ案内することができる。これにより、溝部73とその下流側の風速を高めて、第1電極31や誘電体33の表面における粉塵の堆積をより効果的に抑制することができる。
【0090】
風路5の中流部12を上流部11よりも狭く形成すると、上流部11から中流部12にかけて気流Fの風速を高めることができる。これにより、中流部12すなわち放電装置6の周囲の風速を高めて、第1電極31や誘電体33の表面における粉塵の堆積をより効果的に抑制することができる。
【0091】
放電装置6の放電時の発光を検出する光検出部28を設けると、その検出値に基づいて、誘電体33などの表面における粉塵の堆積の程度を判断することができる。ユーザーが目視で判断する場合のように、ユーザーの主観が入り込む余地が無く、その程度を正確に判断することができる。また、光検出部28による検出結果を報知する報知手段27を設けると、放電装置6の放電時の発光量の低下、すなわち誘電体33などの表面で粉塵の堆積が進行していることをユーザーに知らせて、放電装置6の早期の清掃を促すことができる。
【0092】
一対の電極31・32の間に誘電体33を配置してなる放電装置6と、放電装置6の放電時の発光を検出する光検出部28と、光検出部28による検出結果を報知する報知手段27とを備えることを特徴とする放電ユニット。光検出部28と報知手段27は、放電装置6とは別体であってもよく、放電装置6に搭載されていてもよい。また、放電装置6は、放電部16がベース部15に対して着脱自在に別体であってもよく、一体であってもよい。放電装置6と光検出部28と報知手段27を備える放電ユニットによれば、まず光検出部28の検出値に基づいて、放電装置6の誘電体33などの表面の汚れ(粉塵などの堆積)の程度を判断することができる。ユーザーが目視で判断する場合のように、ユーザーの主観が入り込む余地が無く、その程度を正確に判断することができる。加えて、光検出部28による検出結果を報知する報知手段27を設けると、放電装置6の放電時の発光量の低下、すなわち誘電体33などの表面における汚れの進行をユーザーに知らせて、放電装置6の早期の清掃を促すことができる。この表面の汚れが放電の妨げとなり、放電量が低下した状態で放電装置6の駆動を続ける不都合を回避することが可能となる。
【0093】
光検出部28は、例えば放電装置6を撮影するカメラで構成することができる。この場合は、正常時すなわち放電装置6の汚れが許容範囲内のときの撮影画像と、異常時すなわち放電装置6の汚れが許容範囲を超えるときの撮影画像とを、図外の記憶部にそれぞれ記憶させておく。そして、カメラで放電装置6を撮影する度に、その撮影画像が正常時と異常時のどちらに分類されるかAI(制御部21)で判断する。また光検出部28は、放電装置6に臨むフォトダイオードで構成することができる。フォトダイオードを流れる電流の大きさは、その受光量にほぼ比例する。従って、フォトダイオードの電流値に基づいて、放電装置6の放電時の発光量すなわちその表面の汚れの程度を判断することができる。さらに光検出部28は、放電装置6に臨むカラーセンサで構成することができる。カラーセンサは、投光素子と受光素子を備える光電センサの一種であり、光の三原色すなわち赤色、青色、緑色のそれぞれの受光量を検知し、それに基づいて対象物の色を判別することができる。カラーセンサの受光素子は、上記のフォトダイオードと同様に、受光量に応じた電気信号を出力するから、それに基づいて放電装置6が放電時に発する青色光の光量すなわちその表面の汚れの程度を判断することができる。
【0094】
光検出部28が、受光量に応じた電気信号を出力する素子からなることを特徴とする放電ユニット。光検出部28を、例えばフォトダイオードやカラーセンサのような、受光量に応じた電気信号を出力する素子で構成すると、これをカメラなどで構成する場合に比べて、光検出部28を安価に構成することができる。
【0095】
放電装置6が、一対の電極31・32および誘電体33を含む放電部16と、放電部16が着脱自在に装着されるベース部15とを備えることを特徴とする放電ユニット。放電装置6の放電部16がベース部15に対して着脱自在であると、一対の電極31・32と誘電体33を含むため比較的汚れやすい放電部16を、ベース部15から分離した状態で簡便に清掃することができる。また、放電部16が故障した場合に放電部16のみを交換することができ、ベース部15を含む放電装置6の全体を交換する場合に比べて経済的である。
【0096】
光検出部28の検出値が所定の正常範囲から外れた場合に放電装置6の両電極31・32に印加される電圧が、該検出値が正常範囲内の場合に両電極31・32に印加される電圧よりも高く設定されていることを特徴とする放電ユニット。光検出部28の検出値が正常範囲から外れるとは、所定値(下閾値)を下回ることであってもよく、逆に所定値(上閾値)を上回ることであってもよい。光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きい場合に、放電装置6の両電極31・32に印加する電圧を高く設定すると、当該汚れに起因する放電量の低下を抑制して、汚れが少ない場合(光検出部28の検出値が正常範囲内の場合)に近い放電量を維持することができる。
【0097】
光検出部28の検出値が所定の正常範囲から外れた場合に放電装置6の通電状態を制御するパルス信号のデューティー比が、該検出値が正常範囲の場合に放電装置6の通電状態を制御するパルス信号のデューティー比より大きく設定されていることを特徴とする放電ユニット。光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きい場合に、放電装置6の通電状態を制御するパルス信号のデューティー比を大きく設定すると、当該汚れに起因する放電量の低下を抑制して、汚れが少ない場合(光検出部28の検出値が正常範囲内の場合)に近い放電量を維持することができる。
【0098】
光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合に放電装置6を停止させることを特徴とする放電ユニット。光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きい場合に、放電装置6を停止させることができる。汚れにより放電量が不十分となるおそれがある状況下で放電装置6の駆動を続けるよりも、これを停止させることで、無駄な電力の消費を避けることができる。
【0099】
図16のタイムチャートに示すように、光検出部28の検出値に関して、第1の正常範囲と、第1の正常範囲よりも広い第2の正常範囲とが設定されており、 光検出部28の検出値が第1の正常範囲から外れて第2の正常範囲のみに属するようになると、放電装置6の両電極31・32に印加する電圧を上昇させ(時点t1)、該検出値が第2の正常範囲からも外れると放電装置6を停止させる(時点t2)ことを特徴とする放電ユニット。光検出部28の検出値すなわち放電装置6からの受光量が第2の正常範囲のみに属するとき(時点t1~t2)の電圧は、受光量にかかわらず一定であってもよく、受光量が少なくなるほど線形的あるいは段階的に上昇させてもよい。光検出部28の検出値が第1の正常範囲から外れて第2の正常範囲のみに属するようになった場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きくなった場合に、放電装置6の両電極31・32に印加する電圧を上昇させると、当該汚れに起因する放電量の低下を抑制して、汚れが少ない場合(光検出部28の検出値が第1の正常範囲内の場合)に近い放電量を維持することができる。また、光検出部28の検出値が第2の正常範囲からも外れた場合、すなわち、両電極31・32に印加する電圧の上昇によっても放電量の低下を抑制できないほど放電装置6の表面の汚れの程度が大きくなった場合に、放電装置6を停止させると、無駄な電力の消費を避けることができる。
【0100】
光検出部28の検出値に関して、第1の正常範囲と、第1の正常範囲よりも広い第2の正常範囲とが設定されており、光検出部28の検出値が第1の正常範囲から外れて第2の正常範囲のみに属するようになると、放電装置6の通電状態を制御するパルス信号のデューティー比を大きくし(時点t1)、該検出値が第2の正常範囲からも外れると放電装置6を停止させる(時点t2)ことを特徴とする放電ユニット。光検出部28の検出値すなわち放電装置6からの受光量が第2の正常範囲のみに属するとき(時点t1~t2)のデューティー比は、受光量にかかわらず一定であってもよく、受光量が少なくなるほど線形的あるいは段階的に上昇させてもよい。光検出部28の検出値が第1の正常範囲から外れて第2の正常範囲のみに属するようになった場合、すなわち放電装置6の表面の汚れの程度が大きくなった場合に、放電装置6の通電状態を制御するパルス信号のデューティー比を大きくすると、当該汚れに起因する放電量の低下を抑制して、汚れが少ない場合(光検出部28の検出値が第1の正常範囲内の場合)に近い放電量を維持することができる。また、光検出部28の検出値が第2の正常範囲からも外れた場合、すなわち、デューティー比を大きくしても放電量の低下を抑制できないほど放電装置6の表面の汚れの程度が大きくなった場合に、放電装置6を停止させると、無駄な電力の消費を避けることができる。
【0101】
光検出部28の検出値によれば、上記のように放電装置6の表面の汚れの程度を判断するのに加えて、放電装置6の電極31・32に係る電気系統の故障の有無を判断することができる。例えば、放電装置6の放電時の発光量の低下に伴い、光検出部28の検出値が正常範囲から外れて、それを知ったユーザーが放電装置6の表面を清掃したにもかかわらず、なお改善されない(放電装置6の発光量が低下したままである)ような場合には、電極31・32に係る電気系統で故障(電圧低下)が生じていると判断することができる。また、放電装置6の放電時の発光量が異常に上昇して、光検出部28の検出値が正常範囲から外れた場合にも、同電気系統で故障(電圧上昇)が生じていると判断することができる。特にオゾナイザー1においては、高濃度のオゾンは人体に有害であるから、電極31・32の電圧上昇の故障を検知する意義は大きく、その検知後に放電装置6を直ちに停止させて、ユーザーの安全を確保することができる。上記以外に、放電装置6を流れる電流を計測することによっても、電極31・32に係る電気系統の故障の有無を判断することができる。ただし、放電装置6を流れる電流は数mAと非常に小さく、その変動を正確に計測することは容易ではない。つまり、光検出部28の検出値を利用する上記の方法に比べて、故障の判断に必要なシステムの構築コストが高くなるおそれがある。
【0102】
誘電体33の表面側に配置される第1電極31が棒状に形成されており、誘電体33の裏面側に配置される第2電極32が平面状に形成されていることを特徴とする放電ユニット。誘電体33の表面側の第1電極31を棒状に形成すると、誘電体33の表面のうち第1電極31で覆われる部分を小さくして、誘電体33の表面の大部分を光検出部28に臨ませることができる。つまり、放電装置6の放電時の発光を光検出部28で容易に検出することができる。なお、第1電極31を平面状に形成する場合は、誘電体33の表面の大部分が第1電極31で覆われてしまい、光検出部28で発光を検出することが難しくなる。誘電体33の裏面側の第2電極32を平面状に形成すると、誘電体33の表面の広範囲で放電とそれに伴う発光を生じさせることができる。上記のように第1電極31を棒状に形成したことと相俟って、光検出部28による発光の検出をさらに容易にすることができる。この作用効果は、第2電極32に非通電領域としての空隙110を形成することによりさらに向上する。なお、両電極31・32を棒状に形成する場合は、放電が生じる範囲が相対的に狭くなり、それに伴う発光を光検出部28で検出することが難しくなる。また、第1電極31が棒状に形成され、第2電極32が平面状に形成されていると、例えば、両電極31・32の支持構造の設計公差などにより、両電極31・32の相対位置にズレが生じたとしても、両電極31・32間の放電を問題無く発生させることができる。したがって、より安定的に放電を行うことができる。
【0103】
放電装置6へ電圧を供給する昇圧回路22のスイッチング素子が、スイッチング動作を行っているため、放電装置6の放電時の発光は、スイッチング動作のパルス信号のオンとオフの時間であるデューティー比にあわせて発光状態と、発光していない状態とを繰返す。放電装置6の発光状態は放電によりオゾンを生成している状態であり、発光していない状態は放電を行ってはおらず、オゾンは生成されていない状態である。昇圧回路22の構成によっては、オン時間を発光状態とすることもできるし、オフ時間を発光状態とすることもできる。また、デューティー比が大きくなる程、単位時間あたりの放電装置6の発光時間を長くすることもできるし、デューティー比が小さくなる程、単位時間あたりの放電装置6の発光時間を長くすることもできる。ここでは、オン時間を発光状態とし、デューティー比が大きくなる程、単位時間あたりの放電装置6の発光時間を長くする構成で説明する。
【0104】
放電装置6の通電状態をパルス信号のデューティー比によって制御する制御部21を備え、放電装置6の放電時の発光は、デューティー比のオンとオフの時間にあわせて発光状態と発光していない状態とを繰返し、光検出部28によって検出を行うデューティー比は、通常動作時のデューティー比より大きく設定されていることを特徴とする放電ユニット。このような構成とすることで、通常動作時よりデューティー比を大きくして、放電装置6の単位時間あたりの発光時間を長くして、光検出部28による検出時間を十分に確保し、検出精度を高めることができる。
【0105】
例えば、放電ユニットを搭載した機器の通常動作モードが、弱・中・強と3段階ある場合、各動作モードのデューティー比は弱が10%、中が18%、強が30%に設定され、光検出部28が検出を行うデューティー比は40%に設定される。光検出部28による検出は、デューティー比を通常動作モードより、ある所定時間大きくした時に行うことで、発光時間を通常動作モードより長くして検出精度を高めることができる。各動作モードにおける光検出を行うデューティー比を40%で統一することで、検出値の正常範囲を決定する設計工数を削減することができる。もちろん、各動作モードに弱が15%、中が23%、強が35%と光検出を行うデューティー比を設定してもよい。デューティー比を大きくして発光時間を長くすることは、放電装置6の放電時間を長くすることであり、放電装置6の発熱に繋がるため、温度上昇を考慮して適宜調整するのがよい。
【0106】
通常動作モードの強モードにおいて、仮に周波数を1Hzとした場合、デューティー比30%では、1秒間の内訳が、オン時間が0.3秒、オフ時間が0.7秒となる。光検出部28にて検出を行うためにデューティー比を40%とした場合は、オン時間が0.4秒、オフ時間が0.6秒となり、オン時間が0.1秒長くなる。光検出部28による検出は、オン時間に切り替わったと略同時に検出をスタートさせることで、オン時間と略同時間を検出時間にあてることができる。つまり、光検出部28による検出時間を0.1秒長く確保することができ、検出精度を高めることができる。
【0107】
上述の光検出部28による検出を、例えば3秒間連続で行うと、オン時間3回分の検出を行うことができ、サンプリング回数を増やすことで、検出精度を高めることができる。3回分の検出値は、平均化して正常範囲に入っているかどうかで判定してもよく、最大値や最小値が正常範囲から外れるかどうかで判定してもよい。光検出部28による連続検出時間(3秒間)は、デューティー比を通常動作時より大きくして、通常動作時より多くのオゾンを生成しているため、オゾン濃度を考慮しつつ、適宜決定される。3秒間であればオゾン濃度に及ぼす影響は小さく、人体に有害なオゾン濃度まで上昇することはないため、ユーザーの安全を確保することができる。
【0108】
光検出部28による検出は、機器の動作開始時に行われる。例えば、ユーザーによって弱モードの動作開始ボタンがオン操作されたら、弱モードのデューティー比10%で動作を開始する前に、光検出部28で検出を行うデューティー比40%で、短時間(例えば3秒間)動作させて検出を行う。検出値が正常範囲内であれば、弱モードで動作を開始する。検出値が正常範囲から外れた場合には、報知手段27によって報知を行って、弱モードの動作を停止させる。もしくは報知を行いつつ、弱モードで動作を開始してもよい。このような構成にすることで、ユーザーが使用する前に放電装置6の早期の清掃が必要なことを報知することができる。
【0109】
光検出部28による検出は、機器の動作停止時に行われる。例えば、ユーザーによって弱モードの動作開始ボタンがオン操作されたら、弱モードのデューティー比10%で動作を開始する。その後、タイマーによって動作を停止する場合や、ユーザーによって動作停止ボタンをオン操作されたら、弱モードのデューティー比10%で動作を停止させた後に、光検出部28で検出を行うデューティー比40%で、短時間(例えば3秒間)動作させて検出を行う。検出値が正常範囲内であれば、動作を停止させる。検出値が正常範囲から外れた場合には、動作を停止させて、報知手段27によって報知を行う。このような構成にすることで、ユーザーが使用した後に放電装置6の早期の清掃が必要なことを報知することができる。
【0110】
光検出部28による検出は、機器の動作中のある一定時間おきに行われる。例えば、弱モードのデューティー比10%で動作中に、10分間隔で、光検出部28で検出を行うデューティー比40%で3秒間動作をさせて検出を行う。検出値が正常範囲内であれば、そのまま弱モードの動作を継続させる。検出値が正常範囲から外れた場合には、報知手段27によって報知を行って、弱モードによる動作を停止させる。もしくは報知を行いつつ、弱モードによる動作を継続させてもよい。このような構成にすることで、ユーザーが使用中に放電装置6の早期の清掃が必要なことを報知することができる。
【0111】
機器に、ユーザー任意によって、光検出部28による検出を行うチェックボタンを搭載してもよい。このチェックボタンがユーザーによりオン操作されると、ある所定時間だけ(例えば3秒間)放電装置6へ電圧を供給して、放電装置6を発光させ、光検出部28によりその発光が検出される。光検出部28による検出結果は、その後、報知手段によって報知される。これによれば、ユーザーは、任意のタイミングで、誘電体33の表面における汚れの程度を認識することができ、ユーザーが目視で判断する場合のように、ユーザーの主観が入り込む余地が無く、その程度を正確に判断することができる。また、ユーザーへ放電装置6の清掃の要否を報知させて、放電装置6の早期の清掃を促すことができる。
【0112】
光検出部28は、図8に示すように、誘電体33と平行で、誘電体33に沿った線を基準線L1とした時に、第1電極31側(基準線L1の上部)の空間に配置される。基準線L1の第1電極31側の空間であって、基準線L1と直交する第1電極31の円形断面の幅W5の空間には配置しない。つまり、第1電極31を基準線L1と直交する方向から見た時に、光検出部28と第1電極31は、位置をずらして、重ならないように空間に配置される。これによれば、第1電極31を含めた範囲に、光検出部28の検出範囲を向けるのではなく、発光部分のみに光検出部28の検出範囲を向けて、確実に光を検出することができる。光検出部28は第1電極31の左側に配置してもよく、また右側に配置してもよい。少なくともどちらか一方に配置される。
【0113】
図8に示すように、光検出部28の誘電体33に対する配置角度をθとした時に、第1電極31の近傍に光検出部28を配置する場合は、誘電体33の表面の発光箇所を真上から検出するために、θは90°(28a)となる。また、第1電極31から基準線L1方向に距離を取って設置する場合には、30°<θ<90°の間で設定される。あまりθが小さくなると発光箇所全体に光検出部28を向けることが難しくなるので、θは45±5°(28b)にするのが好ましい。
【0114】
光検出部28は、図15における放電装置6の長手方向の幅W4の空間領域内か、放電装置6の短手方向の幅W3の空間領域内に配置される。もちろん、放電装置6の幅W3とW4の両方を満足する空間領域内に配置してもよい。つまり、光検出部28は、第1電極31側の、放電装置6の投影平面内の空間領域に配置されるのが好ましい。より好ましくは誘電体33の表面上である放電開口部35内の空間領域に配置するのがよい。換言すれば、光検出部28は第1電極31側の、放電開口部35から露出する誘電体33の投影平面内の空間領域に配置される。放電ユニットに含まれる光検出部28は、放電ユニットが搭載される機器におけるケース構造の所定の位置に配置されるが、所定の位置とは上述した空間領域を満足する位置のことを意味する。
【0115】
放電ユニットや放電ユニットを搭載した機器に、ユーザー任意によって、光検出部28による誘電体33の表面における汚れ(粉塵の堆積)の程度を判断するチェックボタンを搭載してもよい。このチェックボタンがユーザーによりオン操作されると、ある所定時間だけ(例えば1秒間)放電装置6へ電圧を供給して、放電装置6を発光させ、光検出部28によりその発光が検出される。光検出部28による検出結果は、その後、報知手段によって報知される。これによれば、ユーザーは、任意のタイミングで、誘電体33の表面における汚れの程度を認識することができ、ユーザーが目視で判断する場合のように、ユーザーの主観が入り込む余地が無く、その程度を正確に判断することができる。また、ユーザーへ放電装置6の清掃の要否を報知させて、放電装置6の早期の清掃を促すことができる。
【0116】
(第2実施形態) 図17ないし図19は、放電装置の第2実施形態を示しており、平面視におけるベース部15の中央に1個の第2通電体88が配置される点などが第1実施形態と相違する。第2電極32は全体として横臥H字状に形成されており、第2電極32の左右中央にのみ架橋部113が設けられている。第2通電体88は、第2電極32の架橋部113の下面に弾性的に密着する上側の通電ピン147と、通電ピン147を第2電極32に向かって上方へ付勢する下側の通電ばね148と、通電ばね148の下端に連続して略水平に延びる通電片149とで構成されており、通電片149の先端が導線などを介して昇圧回路22に接続されている。本実施形態から明らかなように、第2通電体88は少なくともその一部が第2電極32の厚さ方向すなわち上下方向に弾性変形可能であればよい。
【0117】
通電ピン147と通電ばね148は、ベースケース42の中央に上下貫通状に設けられた収納穴104に収納されており、通電ピン147は収納穴104の周面で上下動のみ可能に摺動案内される。通電ピン147は、導電性に優れる任意の金属などを素材として円柱状に形成されており、その先端(上端)は円形の水平面からなり、第2電極32の下面に面接触している。通電ばね148は、上下方向を軸心方向とする圧縮コイルばね状に形成されており、その上端が通電ピン147の下端に連結されている。通電ピン147の先端を第2電極32に面接触させると、両者32・147の接触圧を小さくして、第2電極32の摩耗を抑制するとともに、第2電極32や通電ピン147の表面の一部が経年により酸化したときにも通電不良を生じ難くして、第2電極32に印加される電圧を高いレベルに維持することができる。
【0118】
ベース部15は、ベースケース42に下方から内嵌する底蓋145を含み、収納穴104の下面開口は底蓋145で塞がれている。底蓋145の内面中央には、下収納ボス106の先端部(下端部)を受け入れる円形の係合穴153が凹み形成されており、この係合穴153の底面中央には、下収納ボス106の先端部の内側に侵入する円柱状の係合突起154が突出形成されている。通電ばね148の下端は底蓋145の内面(上面)、厳密には係合突起154の先端面(上面)で支持される。また、下収納ボス106の先端部には、通電片149の挿通を許す縦溝155が形成されている。底蓋145の内面に係合穴153と係合突起154を形成すると、下収納ボス106の先端部に係合突起154と係合穴153を内外から係合させて、底蓋145の位置ズレを確実に規制することができる。また、係合突起154を下収納ボス106の先端部に侵入させると、その分だけ収納穴104の上下寸法が小さくなることから、通電ばね148の小型化によるコストダウンを図ることができる。なお、係合穴153と係合突起154の一方を省略し、底蓋145の内面中央に係合穴153のみ、あるいは係合突起154のみを設けることもできる。
【0119】
第1電極31の両端部を支持する電極支持構造64は、放電ケース34の外ケース37に設けられた上支持部65のみで構成されており、内ケース38の下支持部66は省略されている。各上支持部65は、第1電極31が挿通される上下に長いガイド孔151を備えており、第1電極31はガイド孔151の前後の側面に沿って、誘電体33に対して上下動可能である。このように、第1電極31が誘電体33に対して接離可能であると、第1電極31を誘電体33から離した状態で、第1電極31とその周囲を清掃ブラシなどできれいに清掃することができる。常態における第1電極31は、第1通電体87の巻締部91および上ばね157により下方へ付勢されて、誘電体33の上面に密着する。
【0120】
上ばね157は、上下方向を軸心方向とする圧縮コイルばねからなり、左右の各上支持部65の内側に配置されている。上支持部65の内面には、上ばね157の上部を収容するばね凹部158が設けられている。上ばね157の下端は第1通電体87の電極接続部90の外周面に圧接しており、これにより上ばね157の下向きの付勢力が電極接続部90を介して第1電極31に作用する。巻締部91と上ばね157の付勢力に抗して第1電極31を持ち上げると、第1電極31の下部の周囲を清掃ブラシできれいに清掃することができる。本実施形態のように上ばね157を用いる場合は、第1通電体87から巻締部91を省略してもよい。ただし、巻締部91と上ばね157の両方を用いると、第1電極31を誘電体33により確実に密着させることができる。
【0121】
第1通電体87の端子接続部92は、下拡がりの円錐コイルばね状に形成されている。これによれば、端子接続部92を上下方向に圧縮させたときに、その下端を数周にわたって第1端子85の上面に接触させることができる。つまり、両者85・92の接触面積を大きくして、両者85・92間の電気抵抗を小さくすることができる。端子接続部92を構成するコイルばねは、上記以外に下拡がりのベルマウス形状や、上拡がりかつ下拡がりの鼓形などに形成することができ、これらの場合も上記と同様の作用効果を得ることができる。端子接続部92の下部が下窄まりとなる樽形などに形成してもよく、この場合も端子接続部92の下端を数周にわたって第1端子85に接触させて、上記と同様の作用効果を得ることができる。なお本実施形態では、第1端子85の上面のばね受部96は省略されている。
【0122】
また本実施形態では、放電部16を装着状態に保持するための装着保持手段が、2組の磁石53と磁性体54で構成されている。放電ケース34の内ケース38には左右一対の係合凸部47が設けられており、上対向壁51を挟んで各係合凸部47の裏側(上側)に、磁石53を収容する上収容凹部55が形成されている。同様に、ベースケース42には左右一対の係合凹部48が設けられており、下対向壁52を挟んで各係合凹部48の裏側(下側)に、磁性体54を収容する下収容凹部56が形成されている。下収容凹部56の下面開口は底蓋145により塞がれている。
【0123】
ベースケース42の端子台101は、上段部43から水平方向(左方向)に離れて配置されている。放電部16の内ケース38の下面には周回状の規制リブ159が下向きに突設されており、この規制リブ159の一部は、放電部16の装着時に上段部43と端子台101の間に進入して、端子台101の内面(上段部43と対向する面)に当接する。前述の係合凸部47と係合凹部48の係合に加えて、規制リブ159を端子台101の内面に当接させると、ベース部15に対する放電部16の水平方向のズレ動きと垂直軸まわりの回転とをより確実に規制することができる。他は第1実施形態と同様であるので、同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。次の第3実施形態以降においても同様とする。
【0124】
(第3実施形態) 図20は、放電装置の第3実施形態を示しており、突条74の中央ガイド面75が第1電極31へ向かって台形状に膨出している点が、第1実施形態と相違する。これによれば、一方の溝部73から誘電体33に向かって左右方向に移動する清掃ブラシの毛先を、中央ガイド面75の傾斜部分(台形の脚部)で第1電極31に近付く斜め方向に案内して、第1電極31の下半円部と誘電体33との間の隙間に侵入させることができ、該隙間に溜まった粉塵を効率良く掃き出すことができる。なお中央ガイド面75は、台形状以外に例えばアーチ状に形成することができる。
【0125】
(第4実施形態) 図21は、放電装置の第4実施形態を示しており、突条74からなる第2保護部82が第1保護部81よりも上方へ突出している点が、第1実施形態と相違する。これによれば、誤って放電部16が上下反転して落下した際に、第2保護部82を第1保護部81よりも床面などに先当たりさせることができる。つまり、電極支持構造64の上支持部65を兼ねる第1保護部81を第2保護部82で保護して、第1保護部81が変形して第1電極31の支持が不安定になるといった不都合を回避することができる。
【0126】
加えて、各第2保護部82の上部には、第1電極31へ向かって下り傾斜する傾斜ガイド面121が設けられている。これによれば、放電部16の表面を清掃ブラシで清掃する際に、その毛先を第1電極31の方へ傾斜ガイド面121で案内して、第1電極31と誘電体33の表面を的確に清掃することができる。なお傾斜ガイド面121は、本実施形態のような一定角度の傾斜面以外に、傾きが変化する傾斜面や湾曲面であってもよく、第2保護部82の角部の面取りにより生じるC面やR面であってもよい。
【0127】
(第5実施形態) 図22および図23は、放電装置の第5実施形態を示しており、棒状の第1電極31の両端から脚部201が下向きに連続している点が、第1実施形態と相違する。誘電体33の左右両端部の前後中央には、脚部201の挿通を許す切欠202が形成されており、この切欠202を介して脚部201が放電ケース34の内方へ抜け出し不能かつ遊動不能に差し込まれている。放電ケース34の内部で脚部201は第2電極32から左右外側方に離間しており、しかも両者32・201の間にはクッション材58が位置しており、このクッション材58によって脚部201と第2電極32は確実に絶縁される。外ケース37の上面の上支持部65(第1保護部81)は省略されており、第1電極31は前後一対の突条74(第2保護部82)のみによって落下衝撃から保護される。
【0128】
本実施形態のように上支持部65を省略すると、各上壁61の上面を平坦にすることができる。つまり、放電ケース34(外ケース37)の上面の凹凸を少なくして、清掃ブラシによる当該上面の清掃を容易化することができる。上支持部65の省略により、左右の各上壁61の上面には、前後一対の突条74(端部ガイド面76)と上壁61で区画される1個の溝部73が形成されている。この溝部73と放電開口35の前後幅は同一である。溝部73の底面が誘電体33の上面と面一である点は、上記各実施形態と同様である。
【0129】
(第6実施形態) 図24は、放電装置の第6実施形態を示しており、丸棒状の第1電極31がその中心軸のまわりに回転可能である点が第2実施形態と相違する。第1電極31の一端には、放電ケース34の外側方に位置する回転操作用の操作ダイヤル167が連結されている。第1通電体87の電極接続部90は第1電極31に固定されることなく単に巻き付けられており、電極接続部90と第1電極31の間の摩擦は十分に小さく、従って第1通電体87が第1電極31に連れて回転することはない。
【0130】
丸棒状の第1電極31がその中心軸のまわりに回転可能に構成されていると、その表面を全周にわたって容易に清掃することができる。また、第1電極31の表面の一部に落とし切れない汚れが付着した場合でも、汚れていない面を誘電体33に臨ませれば、放電を問題なく行わせることができる。
【0131】
(第7実施形態) 図25は、本発明に係る空気浄化装置の第7実施形態を示しており、風路5に対して傾斜してこれを絞る絞り板204と、絞り板204の下流端に連続する水平なガイド板205とを備える点が、第1実施形態と相違する。絞り板204は放電装置6の放電開口35の上流側に配置されており、ガイド板205は放電開口35に上方から正対している。この絞り板204によれば、放電開口35を通過する気流Fの風速を高めることができ、またガイド板205によれば、絞り板204によって高められた気流Fの風速を、放電開口35を通過するまで維持することができ、従って、第1電極31や誘電体33の表面における粉塵の堆積をより効果的に抑制することができる。
【0132】
また本実施形態では、光検出部28の検出値に基づいて、制御部21が放電装置6を停止制御する。昇圧回路(トランス)22を介して放電装置6の両電極31・32に通電されている間、制御部21は光検出部28の検出値を監視し続けており、その検出値が所定値を下回ると、制御部21は誘電体33などの表面で粉塵の堆積が進行していると判断して、放電装置6とファンモーター14への通電を直ちに停止する。これにより、正常な放電を行えない状態の放電装置6に通電し続ける不都合を回避することができる。また制御部21は、放電装置6などへの通電の停止と同時に報知手段27を作動させて、ユーザーに放電装置6の清掃を促す。
【0133】
(第8実施形態) 図26は、放電装置の第8実施形態を示しており、放電装置6の周囲における気流Fを整流するための複数本の整流リブ207を備える点が第1実施形態と相違する。各整流リブ207は気流Fの方向すなわち左右方向に伸びている。上支持部65の上面には、複数本の整流リブ207が放射状に(周方向等間隔に)突設されており、前後の各突条74にも、中央ガイド面75および端部ガイド面76にわたる整流リブ207が、ガイド面75・76に対して垂直に突設されている。
【0134】
(第9実施形態) 図27は、放電装置の第9実施形態を示しており、放電装置6の周囲における気流Fを整流するための複数本の整流溝208を備える点が第1実施形態と相違する。各整流溝208は気流Fの方向すなわち左右方向に伸びている。上支持部65の上面には、複数本の整流溝208が周方向等間隔に凹設されており、前後の各突条74にも、中央ガイド面75および端部ガイド面76にわたる整流溝208が凹設されている。
【0135】
上記の第8および第9実施形態のように、上支持部65の表面に複数本の整流リブ207または整流溝208を形成すると、上支持部65自身に加えてこれらの整流リブ207または整流溝208によっても気流Fが整流されるようにして、上支持部65による整流作用をより高めることができる。また各突条74に、中央ガイド面75および端部ガイド面76にわたる整流リブ207または整流溝208を形成すると、突条74自身に加えてこれらの整流リブ207または整流溝208によっても気流Fが整流されるようにして、突条74による整流作用をより高めることができる。上記以外に、例えば上支持部65に整流リブ207を形成し、各突条74に整流溝208を形成してもよく、あるいは、上支持部65に整流溝208を形成し、各突条74に整流リブ207を形成してもよい。各突条74の整流リブ207または整流溝208は、端部ガイド面76のみに形成することもできる。
【0136】
本発明に係る放電ユニットおよび空気浄化装置は、オゾナイザーやイオナイザーへの適用が可能であるから、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の目標3(すべての人に健康と福祉を)に貢献することができる。また放電ユニットは、処理された空気を放出するエアコン、加湿器、空気清浄機などの機器に内蔵することで、放出空気の除菌などに用いることができる。あるいは、冷蔵庫の庫内、クローゼット、トイレなどに設置することで、当該空間の消臭や除菌などに用いることができる。さらに放電ユニットは、オゾンを水に溶け込ませるオゾン水生成装置にも適用することができる。生成したオゾン水は、洗濯機、水洗トイレ、食品や食器の洗浄、医療機器の洗浄などに用いることができる。
【符号の説明】
【0137】
1 空気浄化装置(オゾナイザー)
2 ケーシング
5 風路
6 放電装置
7 送風ファン
11 上流部
12 中流部
21 制御部
27 報知手段
28 光検出部
31 第1電極
32 第2電極
33 誘電体
34 放電ケース
35 放電開口
37 外ケース
38 内ケース
58 クッション材
64 電極支持構造
65 上支持部
73 溝部
74 突条
75 中央ガイド面
76 端部ガイド面
83 集風面
121 傾斜ガイド面
201 脚部
202 切欠
204 絞り板
205 ガイド板
207 整流リブ
208 整流溝
F 気流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15
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図26
図27