(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179196
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】空気清浄機及び空気清浄システム
(51)【国際特許分類】
F24F 8/80 20210101AFI20231212BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20231212BHJP
F24F 11/39 20180101ALI20231212BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20231212BHJP
B01D 46/44 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
F24F8/80 300
F24F8/108 310
F24F8/80 150
F24F11/39
A61L9/00 Z
B01D46/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092355
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 愛
(72)【発明者】
【氏名】志茂 勝則
【テーマコード(参考)】
3L260
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
3L260AB18
3L260BA33
3L260CB83
3L260FC23
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180AA17
4C180CC04
4C180CC16
4C180DD09
4C180EA14X
4C180HH05
4C180KK05
4C180LL11
4D058JA12
4D058NA08
4D058SA01
4D058SA13
4D058TA03
4D058TA07
(57)【要約】
【課題】空気流発生部が破損することを抑制できる。
【解決手段】空気清浄機1は、空気流発生部4と、配置部25Aと、読取部12と、制御部11とを備える。空気流発生部4は、回転することで通風路25中に空気の流れを発生させる。配置部25Aは、通風路25中にフィルタ51、52を配置する。読取部12は、配置部25Aに配置されたフィルタ51、52の情報51a、52aを読取る。制御部11は、読取部12の読取結果に基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することで通風路中に空気の流れを発生させる空気流発生部と、
前記通風路中にフィルタを配置する配置部と、
前記配置部に配置された前記フィルタの情報を読取る読取部と、
前記読取部の読取結果に基づいて、前記空気流発生部の回転方法を制御する制御部と
を備える、空気清浄機。
【請求項2】
前記フィルタは、
前記空気に含まれる粒子を捕集する集塵フィルタと、
前記空気に含まれる臭気を捕獲する脱臭フィルタと
を有し、
前記読取部は、
前記集塵フィルタの第1情報を読取る第1読取部と、
前記脱臭フィルタの第2情報を読取る第2読取部と
を有する、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記空気流発生部の回転方法は、前記空気流発生部の回転速度の上限値を含む、請求項1又は請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記読取部が前記フィルタの情報を読取れないときには、前記空気流発生部を回転させない、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項5】
空気清浄機と、
前記空気清浄機と通信可能な情報処理装置と
を備える、空気清浄システムであって、
前記空気清浄機は、
回転することで通風路中に空気の流れを発生させる空気流発生部と、
前記通風路中にフィルタを配置する配置部と、
前記配置部に配置された前記フィルタの情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記受信部の受信結果に基づいて、前記空気流発生部の回転方法を制御する制御部と
を備える、空気清浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機及び空気清浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気清浄機として、DC駆動のファンモータを搭載しており、回転数が一定になるよう本体ソフト側で制御を掛けているものがある。また、特許文献1に示す空気清浄機は、集塵装置と、脱臭装置と、送風装置と、制御部と、装着検知スイッチとを備える。集塵装置は、空気中の粉塵を除去する。脱臭装置は、臭気成分を脱臭する。送風装置は、空気を吸入して送風する。制御部は、本体の運転制御を行う。装着検知スイッチは、集塵装置又は脱臭装置が装着位置に装着されていることを検知する。制御部は、装着検知スイッチのON、OFF信号に基づいて、同一の風量にて送風するように、送風装置を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す空気清浄機では、同一の風量にて送風するように、送風装置のような空気流発生部を制御するため、集塵装置のようなフィルタが規定品と異なる場合に、空気流発生部に負荷がかかることがあった。その結果、空気流発生部が破損することがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するもので、空気流発生部が破損することを抑制できる空気清浄機及び空気清浄システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、空気清浄機は、空気流発生部と、配置部と、読取部と、制御部とを備える。前記空気流発生部は、回転することで通風路中に空気の流れを発生させる。前記配置部は、前記通風路中にフィルタを配置する。前記読取部は、前記配置部に配置された前記フィルタの情報を読取る。前記制御部は、前記読取部の読取結果に基づいて、前記空気流発生部の回転方法を制御する。
【0007】
本発明の一局面によれば、空気清浄システムは、空気清浄機と、前記空気清浄機と通信可能な情報処理装置とを備える、空気清浄システムであって、前記空気清浄機は、回転することで通風路中に空気の流れを発生させる空気流発生部と、前記通風路中にフィルタを配置する配置部と、前記配置部に配置された前記フィルタの情報を前記情報処理装置から受信する受信部と、前記受信部の受信結果に基づいて、前記空気流発生部の回転方法を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空気流発生部が破損することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態1に係る空気清浄機を示す分解斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る空気清浄機を示す断面図である。
【
図3】実施形態1に係る空気清浄機の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る空気清浄機に記憶されたテーブルである。
【
図5】実施形態1に係る空気清浄機の動作を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態2に係る空気清浄機を示す分解斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態3に係る空気清浄システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る空気清浄機1の構成を
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る空気清浄機1を示す分解斜視図である。
図2は、実施形態1に係る空気清浄機1を示す断面図である。
【0012】
空気清浄機1は、空気清浄機能を備える。空気清浄機能を発揮するときに、空気清浄機1は、空気清浄機1の周囲の空気を吸い込み、吸い込んだ空気に含まれる有害な粒子を除去して空気を吹き出す。有害な粒子には、例えば塵埃又は臭気成分等が含まれる。粉塵には、例えば、埃、花粉、塵、煙及び粒径が3μmよりも小さい粒径のPM2.5等の微細粒子が含まれる。臭気成分には、例えば、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸等が含まれる。
【0013】
また、空気清浄機1は、空気清浄機能に加えて、例えば、加湿機能、除湿機能、イオン発生機能、又は、冷暖房機能等の空気調和機能を備えていてもよい。加湿機能では、空気清浄機1は、空気清浄機1が吸い込んだ空気に含まれる水分を増加させて吹き出す。除湿機能では、空気清浄機1は、空気清浄機1の周囲の空気を吸い込み、吸い込んだ空気に含まれる水分を除去して吹き出す。空気清浄機1は、除湿した空気を衣類に吹き付けることによって、衣類を乾燥させることができる。イオン発生機能では、空気清浄機1は、空気清浄機1の周囲の空気を吸い込み、吸い込んだ空気にイオンを放出し、イオンを含んだ空気を吹き出す。空気とともに吹き出されたイオンは、空気清浄機1の周囲の空間に存在する菌、ウイルス、及び、アレルギーの原因となるアレルゲン等の作用を抑制する。冷暖房機能では、空気清浄機1は、空気清浄機1が吸い込んだ空気の温度を目標とする温度に調整して吹き出す。
【0014】
図1及び
図2に示すように、空気清浄機1は、筐体2と、後ろパネル8と、電源コード91と、電源プラグ92とを備える。後ろパネル8は、筐体2に対して着脱することができる。
【0015】
筐体2は、中空の部材である。筐体2の材質は、例えば金属や合成樹脂等である。ただし、筐体2の材質は特に限定されない。筐体2は、フロントカバー21、リアカバー23、一対の側板22及び持ち手24を含む。なお、
図1では、一対の側板22の一方のみが示され、一対の側板22の他方は隠れている。
【0016】
フロントカバー21は、ユーザが空気清浄機1を主として利用する向きに位置する。リアカバー23は、フロントカバー21と対向して配置される。リアカバー23は、表裏両面に交差する方向に貫通する後ろパネル取付口23Aを有する。後ろパネル取付口23Aには、後ろパネル8が取り付けられる。一対の側板22は、フロントカバー21とリアカバー23との間に位置する。持ち手24は、一対の側板22の各々に形成されている。ユーザは、持ち手24を掴んで空気清浄機1を持ち上げる。
【0017】
後ろパネル8は、後ろ板81と、プレフィルタ82とを有する。後ろ板81は、表裏両面に交差する方向に貫通する貫通口(図示せず)を有する板である。プレフィルタ82は、塵埃を捕集するフィルタである。プレフィルタ82は、後ろ板81の貫通口と重複するように、後ろ板81に固定される。後ろパネル8は、プレフィルタ82が筐体2内部に配置されるように、パネル取付口23Aにはめ込むようにして、筐体2に取り付けられる。
【0018】
電源コード91は、筐体2から延びる。筐体2内部の電気部品は、電源コード91と通電可能に接続されている。電源コード91の先端部には、電源プラグ92が接続される。電源プラグ92は、電源コード91と通電可能である。電源プラグ92が電源に接続された場合、筐体2内部の電気部品は、電源プラグ92及び電源コード91を介して、電源から電力が供給される。
【0019】
図2を参照して空気清浄機1の内部について説明する。
図2に示すように、空気清浄機1は、筐体2内部に、空気流発生部4と、集塵フィルタ51と、脱臭フィルタ52と、配置部25Aと、読取部12とを備える。集塵フィルタ51及び脱臭フィルタ52は、「フィルタ」の一例である。
【0020】
配置部25Aは、通風路25中に集塵フィルタ51及び脱臭フィルタ52を配置する。集塵フィルタ51及び脱臭フィルタ52は、配置部25Aに対して着脱することができる。
【0021】
筐体2は、後ろパネル8のプレフィルタ82を介して、外部と内部とが連通している。また、筐体2は、通風路25と、吹出口25Cとを有する。吹出口25Cは、筐体2の内部と外部とを連通する。筐体2の周囲に存在する空気は、プレフィルタ82を通して、筐体2内部に吸込まれる。通風路25は、筐体2内部に設けられた、空気の通路である。空気流発生部4によって筐体2内部に吸込まれた空気は、続いて通風路25に吸込まれる。通風路25に吸込まれた空気は、通風路25を通過する。通風路25を通過した空気は、吹出口25Cから筐体2外部に吹き出す。
【0022】
空気流発生部4は、通風路25の内部に配置される。空気流発生部4は、電力を消費して回転する。空気流発生部4は、回転することで、通風路25中に空気の流れを発生させる。空気流発生部4の回転速度は、消費する電力量に比例して増加する。空気流発生部4の流す空気の量は、空気流発生部4の回転速度に比例して増加する。その結果、空気流発生部4の回転速度を変化させることにより、空気流発生部4の流す空気の量を変化させることができる。空気流発生部4は、例えば、シロッコファン等の遠心ファンと、遠心ファンを回転させるモータ等とで構成される。
【0023】
空気流発生部4は、通風路25の空気流発生部上流領域に位置する配置部25Aから空気を吸い込んで、通風路25の空気流発生部下流領域25Bに送風する。空気流発生部4が動作することで、筐体2の周囲に存在する空気は、筐体2内部に吸込まれる。筐体2内部に吸込まれた空気は、通風路25を通過して、筐体2の外部に吹き出される。その結果、筐体2の周囲に存在する空気は、空気清浄機1の内部のプレフィルタ82、脱臭フィルタ52及び集塵フィルタ51を通過した空気に置き換わる。
【0024】
集塵フィルタ51は、配置部25Aに配置され、空気流発生部4が発生させる空気流に基づき機外からの空気を通過させて、その空気に含まれる粒子を捕集する。含まれていた粒子を捕集された空気は、吹出口25Cから空気清浄機1の外部に吹き出される。その結果、空気清浄機1の周囲に存在する空気は、粒子を捕集された空気に置き換わる。集塵フィルタ51が捕集する粒子は、例えば、上述のように、微細な塵埃や所定粒径(例えば、3μm)よりも小さい粒径のPM2.5等の微小粒子を含む。集塵フィルタ51は、例えば、不織布を紙状に形成したHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタを含む。
【0025】
集塵フィルタ51は、第1標識部51aを有する。第1標識部51aは、「フィルタの情報」の一例である。第1標識部51aは、集塵フィルタ51の上面に配置される。第1標識部51aは、例えば、QRコード(登録商標)又はICチップ等を含む。第1標識部51aは、品番を含み、品番は集塵フィルタ51による圧力損失を示す情報に対応付けられている。また、品番は集塵フィルタ51の厚さを示す情報に対応付けられていてもよい。
【0026】
脱臭フィルタ52は、配置部25Aにおいて集塵フィルタ51に対して上流側に配置される。脱臭フィルタ52も集塵フィルタ51と同様に、空気流発生部4の作用による空気流を通過させて、空気中に含まれる臭気を捕獲する。脱臭フィルタ52に捕獲される臭気の成分は、例えば、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸等である。脱臭フィルタ52は、例えば、活性炭を均一に分散したポリエステル製の不織布等にて構成される。
【0027】
脱臭フィルタ52は、第2標識部52aを有する。第2標識部52aは、「フィルタの情報」の一例である。第2標識部52aは、脱臭フィルタ52の上面に配置される。第2標識部52aは、例えば、QRコード(登録商標)又はICチップ等を含む。第1標識部51aは、品番を含み、品番は脱臭フィルタ52による圧力損失を示す情報に対応付けられている。また、品番は脱臭フィルタ52の厚さを示す情報に対応付けられていてもよい。
【0028】
読取部12は、第1読取部12aと、第2読取部12bとを備える。第1読取部12aは、集塵フィルタ51の第1標識部51aを読取る。第1読取部12aは、例えば、QRリーダ又はICチップ読取装置等を含む。第1読取部12aの読取結果は、制御部11に出力される。
【0029】
第2読取部12bは、脱臭フィルタ52の第2標識部52aを読取る。第2読取部12bは、例えば、QRリーダ又はICチップ読取装置等を含む。第2読取部12bの読取結果は、制御部11に出力される。その結果、制御部11は、読取結果に基づいて、空気流発生部4の制御等の処理を行うことができる。
【0030】
図2を参照して空気清浄機1の内部における空気の流れについて説明する。
図2に示すように、空気流発生部4は、筐体2外部に存在する空気を吸い込んで第1気流F1を発生させる。筐体2外部に存在する空気は、第1気流F1となって、プレフィルタ82を介して通風路25に流入する。通風路25に流入した空気は、脱臭フィルタ52及び集塵フィルタ51を通過し、空気流発生部4に向かう第2気流F2となる。次いで、第2気流F2は、空気流発生部4内部に向かう第3気流F3となる。空気流発生部4に吸込まれた空気は、空気流発生部下流領域25Bに向かう第4気流F4となり、空気流発生部下流領域25Bに移動する。空気流発生部下流領域25Bに移動した空気は、吹出口25Cに向かう第5気流F5となり、吹出口25Cに移動する。吹出口25Cに移動した空気は、第6気流F6となって、吹出口25Cから筐体2外部に吹き出す。
【0031】
図3及び
図4を参照して空気清浄機1を更に詳細に説明する。
図3は、実施形態1に係る空気清浄機の構成を示すブロック図である。
図4は、実施形態1に係る空気清浄機に記憶されたテーブルである。
図3及び
図4に示すように、空気清浄機1は、空気流発生部4に加えて、制御部11と、記憶部10とを備える。
【0032】
記憶部10は、筐体2に収容されて、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶部10は、記憶装置(主記憶装置及び補助記憶装置)を含み、記憶装置は、例えば、メモリー、ハードディスクドライブ又はメモリー及びハードディスクの組み合わせにて構成される。記憶部10はリムーバブルメディアを含んでもよい。
【0033】
また、記憶部10は、テーブルを記憶する。
図4に示すように、テーブルには、集塵フィルタ51の品番と、脱臭フィルタ52の品番と、空気流発生部4の回転方法との関係を含む。詳細には、集塵フィルタ51による圧力損失を示す情報と、脱臭フィルタ52による圧力損失を示す情報と、空気流発生部4の回転方法との関係を含む。集塵フィルタ51による圧力損失を示す情報は、例えば、「高」と、「低」との内の何れかを含む。脱臭フィルタ52による圧力損失を示す情報は、例えば、「高」と、「標準」と、「低」との内の何れかを含む。また、空気流発生部4の回転方法は、空気流発生部の回転速度の上限値を含む。
【0034】
例えば、集塵フィルタ51による圧力損失が高く、脱臭フィルタ52による圧力損失が高い場合には、空気流発生部4の回転方法は、空気流発生部4の回転速度の上限値を高くする。換言すれば、集塵フィルタ51及び脱臭フィルタ52によって空気流発生部4から必要風量を発生させることができない可能性が高いため、空気流発生部4の回転速度が所定風量を達成できないことを規制する。一方、集塵フィルタ51による圧力損失が低く、脱臭フィルタ52による圧力損失が低い場合には、空気流発生部4の回転方法は、空気流発生部の回転速度の上限値を低くする。換言すれば、集塵フィルタ51及び脱臭フィルタ52によって空気流発生部4が破損する可能性が高いため、空気流発生部4の回転速度が所定回転速度以上になることを規制する。なお、所定回転速度は、集塵フィルタ51と脱臭フィルタとの各々の種類及び組み合わせによって予め設定される。
【0035】
制御部11は、筐体2に収容されており、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部11のプロセッサーは、記憶部10の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行することで、空気流発生部4と、記憶部10と、読取部12とを制御する。
【0036】
制御部11は、読取部12の読取結果及び記憶部10のテーブルに基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。詳細には、制御部11は、空気流発生部4の回転速度の上限値を決定する。具体的には、集塵フィルタ51による圧力損失が高く、脱臭フィルタ52による圧力損失が高い場合には、制御部11は空気流発生部4の回転速度の上限値を高くする。換言すれば、空気流発生部4の必要風量が達成されないことを、制御部11は規制する。一方、集塵フィルタ51による圧力損失が低く、脱臭フィルタ52による圧力損失が低い場合には、制御部11は空気流発生部4の回転速度の上限値を低くする。換言すれば、空気流発生部4が破損することを、制御部11は規制する。
【0037】
次に、
図5を参照して実施形態1に係る空気清浄機1の動作を説明する。
図5は、実施形態1に係る空気清浄機1の動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、空気清浄機1の動作は、ステップS1からステップS3を含む。
【0038】
まず、ステップS1において、第1読取部12aは、集塵フィルタ51の第1標識部51aを読取る。
【0039】
次に、ステップS2において、第2読取部12bは、脱臭フィルタ52の第2標識部52aを読取る。
【0040】
次に、ステップS3において、制御部11は、読取部12の読取結果及び記憶部10のテーブルに基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。詳細には、制御部11は、空気流発生部4の回転速度の上限値を決定する。
【0041】
以上、
図1から
図5を参照して説明したように、実施形態1では、制御部11は、読取部12の読取結果に基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。よって、空気流発生部4が破損することを抑制できる。
【0042】
また、第1読取部12aは、集塵フィルタ51の第1標識部51aを読取る。第2読取部12bは、脱臭フィルタ52の第2標識部52aを読取る。その結果、制御部11は、第1標識部51aの読取結果と第2標識部52aの読取結果とに基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。よって、空気流発生部4が破損することを、より抑制できる。
【0043】
制御部11は、読取部12の読取結果に基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。具体的には、集塵フィルタ51による圧力損失が高く、脱臭フィルタ52による圧力損失が高い場合には、制御部11は空気流発生部4の回転速度の上限値を高くする。よって、空気流発生部4が必要風量を発生することができないことを、より抑制できる。また、集塵フィルタ51による圧力損失が低く、脱臭フィルタ52による圧力損失が低い場合には、制御部11は空気流発生部4の回転速度の上限値を低くする。よって、空気流発生部4が破損することを、制御部11は、より規制できる。
【0044】
[実施形態2]
図6を参照して、本発明の実施形態2に係る空気清浄機1を説明する。実施形態2に係る空気清浄機1は、製造工場から出荷された後の最初の運転を検知する点で実施形態1と異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0045】
まず、製造工場から出荷された後の最初の運転時に想定される空気清浄機1の状態について説明する。
図6に示すように、空気清浄機1は、集塵フィルタ51及び脱臭フィルタ52が遮蔽物6に覆われた状態で筐体2内部に組み込まれて、製造工場から出荷される。従って、製造工場から出荷される時、遮蔽物6は、
図2に示す通風路25を遮蔽している。
図1に示す遮蔽物6が集塵フィルタ51及び脱臭フィルタ52から取り外されなければ、空気清浄機1の最初の運転は、
図2に示す通風路25が遮蔽された状態で行われる。その結果、空気流発生部4に負荷がかかる。
【0046】
遮蔽物6が集塵フィルタ51から取り外されなければ、遮蔽物6によって第1読取部12aが集塵フィルタ51の第1標識部51aを読取ることが規制される。また、遮蔽物6が脱臭フィルタ52から取り外されなければ、遮蔽物6によって第2読取部12bが脱臭フィルタ52の第2標識部52aを読取ることが規制される。
【0047】
制御部11は、読取部12の読取結果及び記憶部10のテーブルに基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。具体的には、制御部11は、読取部12が集塵フィルタ51の第1標識部51aと脱臭フィルタ52の第2標識部52aとを検知できなかったときには、空気流発生部4が回転することを規制する。その結果、空気流発生部4が破損することを抑制できる。
【0048】
[実施形態3]
図7を参照して、本発明の実施形態3に係る空気清浄システム100を説明する。
図7は、本発明の実施形態3に係る空気清浄システム100を示すブロック図である。実施形態3に係る空気清浄システム100は、空気清浄機1と通信可能なサーバ101を備える点で実施形態1と異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0049】
空気清浄システム100は、空気清浄機1と、サーバ101とを備える。サーバ101は、「情報処理装置」の一例である。
【0050】
サーバ101は、空気清浄機1と通信可能である。また、サーバ101は、スマートフォン102と通信可能である。スマートフォン102は、「端末装置」の一例である。
【0051】
詳細には、使用者は、スマートフォン102からサーバ101に操作情報を送信する。操作情報は、配置部25Aに配置された集塵フィルタ51の第1標識部51a及び脱臭フィルタ52の第2標識部52aを示す情報を含む。サーバ101は、操作情報を受信する。また、サーバ101は、空気清浄機1の受信部13に操作情報を送信する。
【0052】
空気清浄機1は、受信部13を更に備える。受信部13は、例えば、近距離無線通信部を含む。具体的には、受信部13は、例えば、Wi-Fi通信部を含む。受信部13は、操作情報をサーバ101から受信する。
【0053】
制御部11は、操作情報及び記憶部10のテーブルに基づいて、空気流発生部4の回転方法を制御する。詳細には、制御部11は、空気流発生部4の回転速度の上限値を決定する。具体的には、集塵フィルタ51による圧力損失が高く、脱臭フィルタ52による圧力損失が高い場合には、制御部11は空気流発生部4の回転速度の上限値を高くする。換言すれば、空気流発生部4の必要風量が達成されないことを、制御部11は規制する。一方、集塵フィルタ51による圧力損失が低く、脱臭フィルタ52による圧力損失が低い場合には、制御部11は空気流発生部4の回転速度の上限値を低くする。換言すれば、空気流発生部4が破損することを、制御部11は規制する。
【0054】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0055】
(1)
図1~
図6を参照して説明したように、空気清浄機1では、制御部11は、空気流発生部4の回転速度の上限値を決定したが、本発明はこれに限定されない。制御部11は、複数の運転モードの内から選択可能な運転モードを決定してもよい。
【0056】
(2)
図6を参照して説明したように、制御部11は、読取部12が集塵フィルタ51の第1標識部51aと脱臭フィルタ52の第2標識部52aとを検知できなかったときには、空気流発生部4が回転することを規制したが、本発明はこれに限定されない。制御部11は、読取部12が集塵フィルタ51の品番と脱臭フィルタ52の品番とを判定できなかったときには、空気流発生部4の回転速度の上限値を低くしてもよい。換言すれば、制御部11は、集塵フィルタ51と脱臭フィルタ52との各々が第1交換部品(純正品)であるか第2交換部品(非純正品)であるかを判定してもよい。制御部11は、集塵フィルタ51又は脱臭フィルタ52が非純正品であることを検知したときに、空気流発生部4の回転速度の上限値を低くしてもよい。その結果、空気流発生部4が破損することを抑制できる。
【0057】
(3)
図6を参照して説明したように、制御部11は、読取部12が集塵フィルタ51の第1標識部51aと脱臭フィルタ52の第2標識部52aとを検知できなかったときには、空気流発生部4が回転することを規制したが、本発明はこれに限定されない。制御部11は、読取部12が集塵フィルタ51の品番と脱臭フィルタ52の品番とを判定できなかったときには、操作できるボタンを制限してもよい。例えば、LEDでの表示のときには、規制により操作できない運転ボタンは非表示にしてもよい。また、物理スイッチのときには、規制により操作できない運転ボタンを押すと「ピー」音が出てもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、空気清浄機を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0059】
1空気清浄機
4空気流発生部
11制御部
12読取部
25通風路
25A配置部
51脱臭フィルタ
51a第1標識部(第1情報)
52集塵フィルタ
52a第2標識部(第2情報)