(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023179203
(43)【公開日】2023-12-19
(54)【発明の名称】取引処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0208 20230101AFI20231212BHJP
G06Q 30/0238 20230101ALI20231212BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06Q30/02 322
G06Q30/02 376
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092366
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】角田 真結子
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 光
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA22
3E142GA02
3E142GA16
3E142GA22
3E142JA01
5L049BB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】まとめ買いによる特典を利用者に認識させ、商品を多数購入する動機を利用者に与えることを可能とする取引処理システム及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】取引処理システムは、判定手段、表示手段及び登録手段を備える。判定手段は、端末装置での利用者による操作に応じて商品を判定するACT11。表示手段は、判定手段により判定された商品が複数個まとめての取引による特典付与の対象である場合に、点数の利用者による指定を促す案内画面を端末装置で表示させACT14。登録手段は、点数の利用者による指定が行われたことに応じて、判定手段により判定された商品を指定された点数、取引の対象とする商品として登録するACT16。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置での利用者による操作に応じて商品を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された商品が複数個まとめての取引による特典付与の対象である場合に、点数の利用者による指定を促す案内画面を前記端末装置で表示させる表示手段と、
点数の利用者による指定が行われたことに応じて、前記判定手段により判定された商品を指定された点数、取引の対象とする商品として登録する登録手段と、
を具備した取引処理システム。
【請求項2】
前記表示手段は、複数の点数のそれぞれについての特典の内容を一覧として表した画面を前記案内画面とする、
請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項3】
前記登録手段は、複数の点数のそれぞれに個別に関連付けられた前記案内画面内の領域のいずれかが利用者により指定されたことに応じて、当該の指定された領域に関連付けられた点数を、取引の対象とする商品として登録する点数とする、
請求項2に記載の取引処理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、点数に応じて特典の内容が変化する場合に、特典の内容が変化する点数を利用者により認識可能とする画面を前記案内画面とする、
請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記登録手段により取引の対象とする商品として登録済みの商品についての点数の変更が利用者により要求された場合にも前記案内画面を表示する、
請求項1に記載の取引処理システム。
【請求項6】
コンピュータを、
端末装置での利用者による操作に応じて商品を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された商品が複数個まとめての取引による特典付与の対象である場合に、点数の利用者による指定を促す案内画面を前記端末装置で表示させる表示手段と、
点数の利用者による指定が行われたことに応じて、前記判定手段により判定された商品を指定された点数、取引の対象とする商品として登録する登録手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、取引処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどのような利用者が所有する情報通信端末、あるいは利用者に店舗等から貸し出される情報通信端末をユーザインタフェースとして用いて取引処理を行うシステムは、「スマホPOSシステム」などと称されて知られている。あるいは、店舗に備品として備えられたショッピングカートに取り付けられた情報通信端末をユーザインタフェースとして用いて取引処理を行うシステムは、「カートPOSシステム」などと称されて知られている。
一方、同じ商品の複数個のまとめ買いに対して、値引きなどの特典を与える施策が行われることがある。これは、商品を多数購入する動機を購買者に与えることにより販促を図る施策である。
当該の施策は、一般的に、店舗における掲示及びチラシなどによって購買者に通知されている。しかしながら店舗における掲示及びチラシなどによる通知は、購買者に気づかれない場合も多く、施策の効果を十分に発揮することができないことがあった。
このような事情から、まとめ買いによる特典を利用者に認識させ、商品を多数購入する動機を購買者に与えることができることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、まとめ買いによる特典を利用者に認識させ、商品を多数購入する動機を利用者に与えることができる取引処理システム及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の取引処理システムは、判定手段、表示手段及び登録手段を備える。判定手段は、端末装置での利用者による操作に応じて商品を判定する。表示手段は、判定手段により判定された商品が複数個まとめての取引による特典付与の対象である場合に、点数の利用者による指定を促す案内画面を端末装置で表示させる。登録手段は、点数の利用者による指定が行われたことに応じて、判定手段により判定された商品を指定された点数、取引の対象とする商品として登録する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る取引処理システムの概略構成と、取引処理システムを構成する各装置の要部回路構成と、を表すブロック図。
【
図2】
図1中の特典データベースに含まれるデータレコードの1つの構成例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る取引処理システム100の概略構成と、取引処理システム100を構成する各装置の要部回路構成と、を表すブロック図である。
取引処理システム100は、取引処理装置1とユーザ端末2とを、通信ネットワーク200を介して通信可能として構成されている。なお、取引処理装置1及びユーザ端末2は、それぞれ任意の数が取引処理システム100に含まれてよいが、
図1では1台ずつのみを表している。
【0008】
取引処理装置1は、ユーザ端末2をユーザインタフェース端末として用いて店舗にて利用者により行われる操作に従って、当該利用者と店舗とでの商品の売買取引を処理するための情報処理を行う。取引処理装置1は、例えばクラウドサーバとして実現され、複数の店舗での取引を処理する。取引処理装置1は、例えばローカルサーバとして実現され、1つの店舗のみにおける取引を処理するのでもよい。
ユーザ端末2は、利用者により所持される情報処理端末である。ユーザ端末2は、典型的には利用者により所有されていて、利用者によって店舗へと持ち込まれて使用される。ユーザ端末2は、利用者に店舗から貸し出される情報通信端末、あるいは店舗に備品として備えられたショッピングカートに取り付けられた情報通信端末などであってもよい。ユーザ端末2は、取引処理装置1での取引処理のための利用者による操作を受け付ける端末装置である。
通信ネットワーク200は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。通信ネットワーク200としては、一例として、インターネット及び移動体通信網が組み合わせて用いられる。
【0009】
取引処理装置1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13、通信ユニット14及び伝送路15等を備える。プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶ユニット13及び通信ユニット14とは、伝送路15を介して通信可能とされている。
【0010】
プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶ユニット13を伝送路15で接続することによって、取引処理装置1を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、取引処理装置1としての各種の機能を実現するべく各部を制御するための情報処理を実行する。
【0011】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、読み出し専用のメモリ領域と書き換え可能なメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、読み出し専用のメモリ領域では上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを読み出し専用のメモリ領域又は書き換え可能なメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、書き換え可能なメモリ領域を、プロセッサ11によるワークエリアとして使用する。
【0012】
補助記憶ユニット13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット13は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ11での処理によって生成されたデータとを記憶する。補助記憶ユニット13は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。補助記憶ユニット13は、本実施形態では、情報処理プログラムの1つである取引処理プログラムPRAを記憶する。取引処理プログラムPRAは、後述する登録処理を含む取引処理の手順について記述されたアプリケーションプログラムである。補助記憶ユニット13の記憶領域の一部は、特典データベースDBAを記憶する領域として利用される。特典データベースDBAについては後述する。
【0013】
通信ユニット14は、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行うための通信処理を実行する。通信ユニット14は、例えばインターネット用の既存の通信デバイスを用いることができる。
伝送路15は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0014】
さて、取引処理装置1のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置を用いることができる。そして取引処理装置1の譲渡は一般に、補助記憶ユニット13に取引処理プログラムPRAが記憶され、特典データベースDBAが記憶されない状態にて行われる。しかし、取引処理プログラムPRAが補助記憶ユニット13に記憶されない状態、あるいは同種の別バージョンのアプリケーションプログラムが補助記憶ユニット13に記憶された状態のハードウェアと、取引処理プログラムPRAとが個別に譲渡されてもよい。そして、任意の作業者の操作に応じて、補助記憶ユニット13に取引処理プログラムPRAが書き込まれることによって、取引処理装置1が構成されてもよい。取引処理プログラムPRAの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。
【0015】
図2は特典データベースDBAに含まれるデータレコードREAの一例を表す図である。
特典データベースDBAは、取引処理装置1により処理する取引が行われる店舗で取引に関して利用者に提供される各種の特典を管理するための複数のデータレコードの集合である。特典データベースDBAに含まれるデータレコードは、関連付けられる特典の種類に応じてその構成が異なる。
【0016】
図2に表すデータレコードREAは、まとめ買い値引きに関するデータレコードである。
まとめ買い値引きとは、一取引の対象となる商品に対象商品が規定数以上含まれる場合に、それら対象商品の単価を値引く特典である。
データレコードREAは、フィールドFA,FB,FC,FDを含む。フィールドFAには、まとめ買い値引きに対して予め定められた特典コードがセットされる。フィールドFBには、まとめ買い値引きの対象となる商品の商品コードがセットされる。フィールドFCには、まとめ買い値引きを適用するために取引の対象として含むべき対象商品の最低点数がセットされる。フィールドFDには、まとめ買い値引きによる値引額がセットされる。具体的には、「商品名がCCCCCである商品を3点以上購入で40円引き。」というまとめ買い値引きに関しては、フィールドFB,FC,FDには、商品名がCCCCCである商品の商品コード、「3」、「-40」がそれぞれセットされる。なお、データレコードREAは、最低点数をセットするフィールドと、値引額をセットするフィールドとを2組以上の任意組数で含んでもよい。例えば「商品名がCCCCCである商品を、3点以上購入で40円引き、6点以上購入で80円引き。」というまとめ買い値引きに関しては、フィールドFB,FC,FDの他に2つのフィールドが追加され、商品名がCCCCCである商品の商品コード、「3」、「-40」、「6」、「-80」がそれぞれセットされる。
【0017】
ユーザ端末2は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶ユニット23、タッチパネル24、カメラ25、モバイル通信ユニット26及び伝送路27等を備える。プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶ユニット23、タッチパネル24、カメラ25及びモバイル通信ユニット26とは、伝送路27を介して通信可能とされている。そして、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶ユニット23が伝送路27により接続されていることによって、ユーザ端末2を制御するためのコンピュータが構成される。
【0018】
プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶ユニット23及び伝送路27の機能の概略は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13及び伝送路15と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット23は、取引処理プログラムPRAに代えて、ユーザインタフェース処理プログラム(以下、UI処理プログラムと称する)PRBを記憶する。UI処理プログラムPRBは、ユーザ端末2を、取引処理装置1による取引処理のためのユーザインタフェースとして動作させるためのプロセッサ21の情報処理の手順を記述したアプリケーションプログラムである。
【0019】
タッチパネル24は、ユーザ端末2の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。
カメラ25は、光学系及びイメージセンサを含み、光学系により形成される視野内の像を表した画像データをイメージセンサにより生成する。
モバイル通信ユニット26は、通信ネットワーク200を介したデータ通信のインタフェースである。モバイル通信ユニット26としては、例えば移動体通信網を介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
伝送路27は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0020】
次に以上のように構成された取引処理システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。例えば、以下の説明では、本実施形態の特徴的な動作を分かり易く説明するために、一部の処理についての説明を省略している。例えば、何らかのエラーが発生した場合に、そのエラーに対処するための処理が行われる場合があるが、そのような処理については記載を省略している。
以下の説明のように取引処理システム100により利用者に提供されるサービスがスマホPOSサービスである。なお、ユーザ端末2として、カートに取り付けられた情報通信端末を用いる場合には、当該のサービスはカートPOSサービスと称される場合もある。
【0021】
利用者は、スマホPOSサービスを利用するためには、スマホPOSサービスの提供者に対して利用者登録を行っておく。また利用者は、スマホPOSサービスを利用するためには、自らが所有するスマートフォン等にUI処理プログラムPRBをインストールして、ユーザ端末2として利用可能としておく。そして利用者は、UI処理プログラムPRBに基づく情報処理(以下、UI処理と称する)を起動した状態のユーザ端末2を持って、スマホPOSサービスの提供対象となっている店舗へと入る。
【0022】
利用者は、ユーザ端末2を操作して、予め定められたチェックイン処理をユーザ端末2と取引処理装置1との間で行わせる。そして利用者はチェックインを完了したならば、店舗内で取引の対象とする商品(以下、取引商品と称する)を選択し、その商品の商品コードをユーザ端末2に入力してゆく。
【0023】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、取引処理プログラムPRAに基づく情報処理によりチェックイン処理を完了すると、取引処理プログラムPRAに基づく登録処理を開始する。登録処理は、利用者により指定される商品を取引商品として登録するための情報処理である。
【0024】
図3及び
図4は登録処理のフローチャートである。
図3中のACT1としてプロセッサ11は、登録画面の表示をユーザ端末2に対して指示する。登録画面は、取引商品として登録済みの商品の一覧などを含み、取引商品の登録状況を利用者に認識させるための画面である。プロセッサ11は例えば、取引商品の登録状況を反映した登録画面を表す画面データを生成し、当該画面データに基づく画面表示を行うようにユーザ端末2に対して指示するための指示データを、通信ユニット14からユーザ端末2に宛てて通信ネットワーク200に送出する。
【0025】
画面表示の指示のための指示データが通信ネットワーク200によりユーザ端末2に伝送されると、ユーザ端末2ではモバイル通信ユニット26が当該の指示データを受信する。モバイル通信ユニット26は、指示データを受信すると、その旨をプロセッサ21に通知する。プロセッサ21は、画面表示の指示のための指示データが受信されたならば、UI処理により、その指示データに含まれる画面データが表す画面をタッチパネル24に表示させる。
なお、以降に説明する各種の画面の表示指示の授受は、画面データの内容が異なるものの、上記と同様な手順で行われる。
【0026】
図5は登録画面SCAの一例を表す図である。
登録画面SCAは、表示エリアARAに、登録状況を表す画像が配置される。登録画面SCAは、ボタンBUA,BUA,BUBを表す。表示エリアARAに配置される画像は、
図5の例では、「AAAAA」及び「BBBBB」なる商品名で、単価がそれぞれ300円である商品が1つずつ、合計2点が登録済みであり、その参考価格が600円である状態を表している。なお、参考価格とは、全ての取引商品の単価の総和から特典適用による値引額を差し引いて求まる金額である。取引商品及び適用する特典が変更されないまま決済に進む場合には、この参考価格が決済額となる。また表示エリアARAに配置される画像は、
図5の例では、特典の適用による値引額が0円であることを表している。なお、表示エリアARAに配置される画像は、取引商品の登録状況に応じて逐次変化する。プロセッサ11が
図3中のACT1を最初に実行する際には、取引商品はまだ登録されていない。従って、プロセッサ11が
図3中のACT1を最初に実行することでユーザ端末2に送られる画面データが表す登録画面では、表示エリアARAに配置される画像は、各商品の情報を表さず、合計0点、参考価格0円であることを表す。
【0027】
ボタンBUAは、新たな商品のスキャンへの移行指示を受けるためのソフトキーである。ボタンBUBは、会計開始の指示を受けるためのソフトキーである。なお、登録画面SCA及び後述する各種の画面は、主要な表示オブジェクトのみを図示しており、一部の表示オブジェクトの図示を省略している。
【0028】
プロセッサ21は、登録画面SCAをタッチパネル24に表示させた状態で、登録画面SCAに対する利用者による何らかの操作がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ21は、登録画面SCAに対する何らかの操作がなされたならば、その操作内容を通知するための通知データを、モバイル通信ユニット26から取引処理装置1に宛てて通信ネットワーク200へと送出する。なお、取引処理装置1からの指示に応じての各種の画面の表示及び各画面に基づく操作内容の通知は、後述する処理も含めいずれもUI処理にて実行される。
【0029】
操作内容を通知するための通知データが通信ネットワーク200により取引処理装置1に伝送されると、取引処理装置1では通信ユニット14が当該の通知データを受信する。通信ユニット14は、通知データを受信すると、その旨をプロセッサ11に通知する。
なお、以降に説明する各種の画面に関する操作内容の通知の授受は、操作の内容が異なるものの、上記と同様な手順で行われる。
【0030】
図3中のACT2としてプロセッサ11は、ユーザ端末2で操作が行われるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は例えば、上記のように操作内容を通知するための通知データを受信したことが通信ユニット14から通知されたならば、操作が行われたとしてYESと判定し、ACT3へと進む。
ACT3としてプロセッサ11は、行われた操作が、スキャンの開始を指定する操作であったか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT4へと進む。
ACT4としてプロセッサ11は、行われた操作が、点数変更を指定する操作であったか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、操作の内容を確認し、それに応じた処理を行うための他処理へと進む。例えばプロセッサ11は、会計開始の開始を指定する操作がなされたことを確認し、取引商品の代金としての決済額を算出し、当該決済額を決済するための会計処理を起動した上で、登録処理を終了する。また例えばプロセッサ11は、取引中止を指定する操作がなされたことを確認し、取引を中止するための処理を実行後に登録処理を終了する。なお、他処理についての詳細の説明はここでは省略する。
【0031】
利用者は、商品を新たに取引商品として登録する場合は、例えば登録画面SCA上のボタンBUAをタップするなどの、スキャン開始を指定するための予め定められた操作を行う。そしてこの操作がユーザ端末2から取引処理装置1に通知されたならば、プロセッサ11はACT3にてYESと判定し、ACT5へと進む。
ACT5としてプロセッサ11は、スキャン画面の表示をユーザ端末2に対して指示する。
【0032】
図6はスキャン画面SCBの一例を表す図である。
スキャン画面SCBは、表示エリアARB及びボタンBUCを含む。表示エリアARBは、カメラ25で得られた画像を表示するためのエリアである。ボタンBUCは、商品コードのスキャンを中止することを利用者が宣言するためのソフトキーである。
【0033】
ユーザ端末2にてプロセッサ21は、スキャン画面SCBを表示するに当たっては、カメラ25を起動し、これによりカメラ25で得られた画像を表示エリアARB内に重畳表示する。プロセッサ21は、スキャン画面SCBに関する何らかの操作が利用者により行われたならば、その操作の内容を後述するように取引処理装置1に通知する。
【0034】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、
図3中のACT5としてスキャン画面の表示を指示し終えたならば、ACT6へと進む。
ACT6としてプロセッサ11は、ユーザ端末2で操作が行われるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は例えば、ユーザ端末2から操作内容が通知されたならば、操作が行われたとしてYESと判定し、ACT7へと進む。
ACT7としてプロセッサ11は、スキャンがなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT8へと進む。
【0035】
ACT8としてプロセッサ11は、スキャンの中止が指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、操作の内容を確認し、それに応じた処理を行うための他処理へと進む。なお他処理についての説明はここでは省略する。
【0036】
利用者は、今回のスキャンは行わずに登録画面SCAを表示する状態に戻ることを希望する場合には、ボタンBUCをタップするなどの予め定められた操作によりスキャン中止を指定する。この場合にユーザ端末2にてプロセッサ21は、中止が指定されたことを取引処理装置1に通知する。
このようにしてユーザ端末2から行われる通知に応じて、取引処理装置1にてプロセッサ11は、ACT8にてYESと判定し、ACT1へと戻り、ユーザ端末2のタッチパネル24の表示画面を登録画面SCAに戻す。
【0037】
利用者は、スキャン画面SCBがタッチパネル24に表示されたならば、取引商品として登録しようとする商品に表示されたバーコードが表示エリアARB内に映り込むようにカメラ25を商品に向ける。プロセッサ21は、カメラ25で得られる画像を解析し、バーコードの読み取りを試みる。そしてプロセッサ21は、バーコードが読み取れたならば、読み取ったバーコードが表すデータ(以下、バーコードデータと称する)の通知を伴って、スキャンが行われたことを取引処理装置1に通知する。
【0038】
このようにしてユーザ端末2から行われる通知に応じて、取引処理装置1にてプロセッサ11は、ACT7にてYESと判定して
図4中のACT11へと進む。
ACT11としてプロセッサ11は、通知されたバーコードデータに基づいて、取引商品とすべき商品を判定する。つまりプロセッサ11は例えば、バーコードデータに含まれる商品コードを抽出し、その商品コードで識別される商品を取引商品とすべき商品として判定する。これによりプロセッサ11は、取引商品とすべき商品に関する商品情報を取得することとなる。なお、プロセッサ11は、例えば数値列として直接入力された商品コードのユーザ端末2からの通知を受けて、その商品コードで識別される商品を取引商品とすべき商品として判定するようにしてもよい。かくして取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは判定手段として機能する。
【0039】
ACT12としてプロセッサ11は、上記のように判定した商品がまとめ買い値引きの対象商品であるか否かを確認する。プロセッサ11は例えば、まとめ買い値引きの特典コードがフィールドFAにセットされ、かつACT11で抽出した商品コードがフィールドFBにセットされているデータレコードREAを特典データベースDBAから探す。そしてプロセッサ11は例えば、該当のデータレコードREAがみつからなかったならば、まとめ買い値引きの対象商品では無いとしてNOと判定し、ACT13へと進む。
【0040】
ACT13としてプロセッサ11は、上記のように判定した商品を1点の取引商品として登録する。プロセッサ11は例えば、メインメモリ12又は補助記憶ユニット13に記憶されている取引データを、ACT11で判定した商品コードを、その点数を「1」として含むように更新する。
プロセッサ11は、こののち、
図3中のACT1にてユーザ端末2での表示を登録画面SCAに戻した上で、ACT2の待受状態に戻る。ただし、ここでユーザ端末2にて表示させる登録画面SCAは、表示エリアARAにその時点での登録状況を表す。つまり登録画面SCAはACT3の結果に応じて更新される。
【0041】
一方、プロセッサ11は、ACT12にて該当のデータレコードREAがみつかったならば、まとめ買い値引きの対象商品で有るとしてYESと判定し、ACT14へと進む。
ACT14としてプロセッサ11は、案内画面の表示をユーザ端末2に対して指示する。案内画面は、取引商品として登録しようとしている商品の点数の指定を利用者に促すための画面である。かくして取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは表示手段として機能する。
【0042】
図7は案内画面SCCの一例を表す図である。
案内画面SCCは、スキャン画面SCBの前にユーザ端末2にて表示されていた登録画面SCAに重畳してウィンドウWIAを表した画面である。ウィンドウWIAは、表示エリアARCに、まとめ買い値引きの内容を文字列により表す。また案内画面SCCは、表示エリアARDに、複数の点数のそれぞれについての特典の内容を一覧として表す。案内画面SCCは、表示エリアARDにはさらに、複数のボタンBUD及びバッジBAAを表す。複数のボタンBUDは、一覧に表された複数の点数のそれぞれに関連付けられており、当該の関連付けられている点数を利用者が指定するためのソフトキーである。バッジBAAは、値引額が変化する点数に関連付けて、そのような点数を利用者に認識させるための表示オブジェクトである。値引額が変化する点数は、特典データベースDBAのフィールドFCにセットされた最低点数に相当する。
【0043】
利用者は、案内画面SCCを見て、取引商品として登録しようとしている商品がまとめ買い値引きの対象商品であることと、点数に応じてどのような値引きを受けることができるのかを認識することができる。そして利用者はその認識の下に、点数を決定し、その点数に関連付けられたボタンBUDをタップするなどの予め定められた操作によって点数を指定する。
【0044】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、
図4中のACT14としての案内画面SCCの表示の指示を終えたならば、ACT15へと進む。
ACT15としてプロセッサ11は、点数が指定されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は、上記のように点数が指定されたことがユーザ端末2から通知されたならばYESと判定し、ACT16へと進む。
ACT16としてプロセッサ11は、ACT11で判定した商品を、指定された点数文、取引商品として登録する。プロセッサ11は例えば、メインメモリ12又は補助記憶ユニット13に記憶されている取引データを、ACT11で判定した商品コードと、指定された点数とを互いに関連付けて含むように更新する。かくして取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは登録手段として機能する。
【0045】
ACT17としてプロセッサ11は、確認画面の表示をユーザ端末2に対して指示する。
図8は確認画面SCDの一例を表す図である。
確認画面SCDは、スキャン画面SCBの前にユーザ端末2にて表示されていた登録画面SCAに重畳してウィンドウWIBを表した画面である。ウィンドウWIBは、ACT16での取引商品としての登録結果を利用者に確認させるための情報を文字列により表す。
図8の例は、「CCCCC」なる商品名の商品を3点、取引商品として登録した場合である。ウィンドウWIBには、ボタンBUEが表される。ボタンBUEは、確認画面SCDによる通知を確認したことを利用者が宣言するためのソフトキーである。
【0046】
利用者は、確認画面SCDによる通知を確認し、取引商品として新たに登録した商品を、指定した店数だけ売場からピックアップする。そして利用者は、ボタンBUEをタップするなどの予め定められた操作によって確認を宣言する。この場合にプロセッサ21は、確認が宣言されたことを取引処理装置1に通知する。
【0047】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、
図4中のACT18としての確認画面の表示の指示を終えたならば、ACT18へと進む。
ACT18としてプロセッサ11は、確認が宣言されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は、上述のように確認が宣言されたことが通知されたならばYESと判定し、
図3中のACT1にてユーザ端末2での表示を登録画面SCAに戻した上で、ACT2の待受状態に戻る。ただし、ここでユーザ端末2にて表示させる登録画面SCAは、表示エリアARAにその時点での登録状況を表す。つまり登録画面SCAは更新される。
【0048】
図9は登録画面SCAの一例を表す図である。
図9に表される登録画面SCAは、
図5に表される登録画面SCAが表示されている状態から、まとめ買い値引きの対象となっている「CCCCC」なる商品名で単価が300円の商品が取引商品として3点登録されたのちにプロセッサ11が
図3中のACT1を実行した場合の一例である。このため、表示エリアARAに表される画像は、
図5に対して「CCCCC」なる商品名の商品に関する情報が追加されていて、合計点数、値引額及び参考価格は、
図5における2点、0円、600円から
図9のように5点、-120円、1,380円に更新されている。バッジBABは、
図9の例では「CCCCC」なる商品名の商品に関連付けられており、まとめ買い値引きが適用されていることを利用者に通知するための表示オブジェクトである。
【0049】
利用者は、登録画面SCAが表示されているときに、その登録画面SCAに表されている取引商品に関する点数を変更したいならば、例えば該当の取引商品の点数を表した領域をタップするなどの、点数変更を指定するための予め定められた操作を行う。そしてこの操作がユーザ端末2から取引処理装置1に通知されたならば、プロセッサ11は
図3中のACT4にてYESと判定し、
図4中のACT19へと進む。
【0050】
ACT19としてプロセッサ11は、点数変更が指定された商品がまとめ買い値引きの対象商品であるか否かを、例えばACT12と同様に確認する。そしてプロセッサ11は、まとめ買い値引きの対象であるならばYESと判定し、ACT14以降の処理を点数変更が指定された商品に関して前述と同様に実行する。ただしプロセッサ11はACT16では、点数変更が指定された商品に関して既に取引データに含まれている点数を、指定された点数に更新する。つまり、利用者による案内画面SCCを確認しながらの点数指定を受け付けて、取引商品の点数を変更する。
なおプロセッサ11は、ACT19にてまとめ買い対象ではないとしてNOと判定したならば、例えばテンキーを表して点数指定を受けるための画面に基づく利用者の指定に応じて取引商品の点数を変更するなどの他処理に進む。なお、他処理についての詳細の説明はここでは省略する。
【0051】
以上のように取引処理システム100は、まとめ買い値引きの対象である商品が取引商品として登録される毎に、案内画面SCCがユーザ端末2にて表示され、該当の商品の登録点数の利用者による指定が促される。これにより利用者は、購入しようとしている商品がまとめ買いの対象であることを認識した上で、まとめ買い値引きの適用を希望するならば、そのための点数の指定を行えばよい。かくして、まとめ買いによる特典を利用者に認識させ、商品を多数購入する動機を利用者に与えることができる。
【0052】
また取引処理システム100は、案内画面SCCには、複数の点数毎の特典の内容を一覧として表す。かくして、どの点数を指定すれば有利な値引きを得られるかを利用者に認識させることができ、より多くの商品の購入を促すことが可能となる。
【0053】
また取引処理システム100は、案内画面SCC内に表したボタンBUDのタップにより、そのボタンBUDに関連付けられた点数の指定を受け付ける。かくして、利用者は、案内画面SCCで点数毎の値引きの違いを考慮して決定した購入点数を、容易に指定することが可能である。
【0054】
また取引処理システム100は、案内画面SCCには、例えば
図7に表すように、「商品名がCCCCCである商品を、3点以上購入で40円引き、6点以上購入で80円引き。」というまとめ買い値引きである場合には、3点及び6点に関してバッジBAAを表す。かくして利用者は、値引額の比較などを行う前に、どの点数を指定すれば有利な値引きが得られるのかを直感的に判断でき、便利である。
【0055】
また取引処理システム100は、まとめ買い値引きの対象となっている登録済みの商品の点数の変更が指定された場合には、再び案内画面SCCをユーザ端末2にて表示する。これにより点数の変更の際にも、まとめ買いによる特典を利用者に認識させ、購入点数をより増やすことを決定する動機を利用者に与えることができる。
【0056】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
まとめ買いに対して付与する特典は、値引きの他、割引き、ポイントの付与、クーポンの進呈、あるいはプレゼントの進呈など、どのようなものであっても構わないし、それら複数の特典を組み合わせて付与するのでも構わない。
【0057】
取引処理装置1にてプロセッサ11が行っている処理の一部を、ユーザ端末2にてプロセッサ21が実行してもよい。例えば取引データは、メインメモリ22又は補助記憶ユニット23に保存し、その更新はプロセッサ21が行ってもよい。この場合、登録手段は、プロセッサ21による情報処理により実現されることになる。
【0058】
情報処理によりプロセッサ11が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…取引処理装置、2…ユーザ端末、11,21…プロセッサ、12,22…メインメモリ、13,23…補助記憶ユニット、14…通信ユニット、15,27…伝送路、24…タッチパネル、25…カメラ、26…モバイル通信ユニット、100…取引処理システム、200…通信ネットワーク。